JP2005213185A - エネルギー補給および抗疲労飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、安全性の高い、持久力の向上、疲労の早期回復を目指し、かつ「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の両方に対処可能な抗疲労物質であり、さらに良質でかつ消化吸収の良い食品素材である物質の開発を課題とする。
【解決手段】糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを主成分とするものを飲食することで解決することを見出した。
【選択図】なし
【解決手段】糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを主成分とするものを飲食することで解決することを見出した。
【選択図】なし
Description
本発明は、デンプン、デキストラン、プルランなどの多糖類、サツマイモ、米等のデンプン質を含む糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る低分子量(3,000〜9,500を主成分とする)グリコーゲンを含有する事を特徴とする高エネルギー補給飲食品および化粧料に関する。
グリコーゲンは、グルコースからなるホモ多糖類で、動物の体内に広く分布する貯蔵多糖として知られている。グリコーゲンは、D-グルコースがα-1,4グリコシド結合で結合したポリマー構造を有し、さらにこれの8〜10グルコース残基当たり1つのα-1,6グリコシド結合、による枝分かれもつ糖質で分子量100万〜1000万の多分岐網状構造を有している。
グリコーゲンは、動物のほとんどすべての細胞内にグリコーゲン顆粒の形で存在するが、大部分は肝臓や筋肉に貯蔵される。筋グリコーゲンは筋収縮のエネルギー源であり、肝臓グリコーゲンは空腹時の血糖維持のために用いられる。従って、その性質の差異もこれらの機能に対応しており、前者は100万〜200万の分子量をもつ均一なものであり、後者は500万〜600万ぐらいの分子量をもっており、ときには、2,000万に達するものもがある(岩波生物化学辞典代4版、第354頁、岩波書店(東京)1996年3月21日発行(非特許文献1))。
運動と栄養の役割の関係を展望すると、スポーツ選手は日ごろから規則正しい食事と栄養摂取には注意して体調作りをする必要があることはよく知られている。スポーツの種目によって有効な栄養摂取方法がある。ミドルパワー系(水泳(100m)、柔道、陸上中距離、スピード・スケート(500m、1000m))やローパワー系(陸上競技のマラソンやクロスカントリー、競泳(1500m)、スピード・スケート(1万m))のスポーツでは体内に多くのグリコーゲンを貯蔵することが非常に有利と言える。そこで、トップアスリート達は、競技数日前までは、高タンパク質の食事を摂取し、ミネラル、ビタミンも十分に摂取している。
競技前になると、栄養補助食品などを併用しながら炭水化物(糖質)を多く摂取している。競技当日から競技中は、摂取エネルギーの大部分が炭水化物となる。競技中は落着いて摂取する事が出来ないので、栄養補助食品として直ぐにエネルギーに変換される単糖や多糖類中心で、長時間の運動に対して有効に働くものを摂取している。
トライアスロンやマラソン自転車ロード、クロスカントリーなどは、競技前日までの体内への蓄積エネルギー量と競技当日と競技中の栄養補助食品の飲食が重要である。
競技中には、発汗により脱水や電解質の放出によるバランスの崩れも起こるのでこれらの不足を補い疲労回復を向上させるためスポーツ飲料の摂取も重要である。しかし、摂取した飲料が素早く効果を発揮するのは、飲料として摂取した物が胃から吸収され、腸へ移送される速さと効率が非常に重要である。また、スポーツ飲料に求める効果は、水分補給以外にエネルギー補給による疲労回復も重要である。
このために、飲料では、炭水化物と脂質を含む飲用組成物で脂質が中鎖脂肪酸でからなるトリグリセライドが組成物のカロリーの10〜55%を構成する発明(特開平6-125739号公報(特許文献1))。澱粉加水分解物から単糖と2糖類の大部分を除去した糖質をエネルギー源とするスポーツ飲料(特開平8-173113号公報(特許文献2))。肉体運動を増強するための飲用(特開11-103797号公報(特許文献3))、飲食物(特開2000-83621号公報(特許文献4))、水電解質補給用飲料またはゼリー(特開2002-125639号公報(特許文献5))、ペプチドを含有する飲料、顆粒剤、散剤、錠剤及び発泡剤(特許第2996682号公報(特許文献6))などが開発されている。食品では、持久力・筋力を賦与しうるスポーツ用食品(特開平5-336924号公報(特許文献7))、運動持久力増強剤及び食品(再98/35664号公報(特許文献8))、豚肉分解物及びそれを含有する食品(特開2001-69949号公報(特許文献9))、スポーツ食品(特開2002-51730号公報(特許文献10))、エネルギー食品(特表2003-511095号公報(特許文献11))などがある。
グリコーゲンは、動物の貯蔵多糖である一方、微生物感性症治療剤(特開昭55-160719号公報(特許文献12))やホタテ貝から抽出されたグリコーゲンは抗腫瘍活性を示す事が報告されている(特開平8-198758号公報(特許文献13)、Yosiaki Takataら、J. Mar. Biotech.、6.208(1998)(非特許文献2))。更には、植物や酵母から抽出したグリコーゲンを使用した化粧品(特開昭62-178505号公報(特許文献14)、特開昭63-290809号公報(特許文献15)、特表2000-502253号公報(特許文献16))や眼用溶液(特表2000-502253号公報(特許文献17))などの用途への開発利用が行われている。
このような現状において、食経験の豊かなものに由来し、競技者等が日常的に無理なく摂取でき、更に栄養的にも優れた肥満改善およびダイエット用素材でかつ筋肉増強素材並びにそれらを有効成分として含んだ医療・介護用食品、スポーツ用飲食品および抗疲労食品が要求されている。特にスポーツ界ではドーピング検査で問題になる蛋白同化ステロイド剤等の薬物の使用は論外として、副作用(例えば、男性化、肝障害、多毛症)のない、安全性の高い、持久力の向上、疲労の早期回復を目指したものが求められている。
筋肉活動による「末梢性疲労」に対する抗疲労物質としては回遊性のかつお、マグロから抽出されたアンセリンやその他にアミノ酸及びクエン酸があるが、アンセリンは供給量が少なく、アミノ酸、クエン酸は過剰摂取に注意が必要である。また、脳の疲れは「中枢性疲労」と呼ばれるが、この疲労にはセロトニンやTGF−βという物質の関与があるが、現代の複雑な生活に対しては「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の両方に対処可能な抗疲労物質の出現が望まれる。
また、高齢者の老化に伴う機能低下を健康面から考えると、消化機能の低下、代謝排泄能の低下が問題となり、栄養バランスを考慮し、良質でかつ消化吸収の良い食品素材の出現が望まれている。
岩波生物化学辞典代4版、第354頁、岩波書店(東京)1996年3月21日発行
Yosiaki Takataら、J. Mar. Biotech.、6.208(1998)
畑中研一、FFI JOURNAL,208,pp270−275、2003
Food Style 21、51−57 Vol.7(10).2003
J.L. Ivy, S.A. Montain: Med. Sci. Sports Exerc., 24, S324 - s330 1992
伏木亨、栄養学雑誌、Vol.58,1〜4(2000)
中川八郎、脳の栄養、p34、(2001),共立出版
鈴木正人、日本農芸化学雑誌、77,438−441、2003
本発明は、安全性の高い、持久力の向上、疲労の早期回復を目指し、かつ「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の両方に対処可能な抗疲労物質であり、さらに良質でかつ消化吸収の良い食品素材である物質の開発を課題とする。
上記の課題を解決するために本発明者らは、運動競技者(アスリート)、術後患者、介護者の食生活への改善寄与を目的にして種々検討したところ、糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を主成分とするグリコーゲンが所期の目的を達成できることを見いだした。
すなわち、本発明は
(1)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品、
(2)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた運動における持久力増強作用、かつ乳酸生成の抑制作用を有する抗疲労飲食品、
(3)補給飲食品がスポーツ用飲食品、ベビーフード、介護食品(高齢者向け食品)、医療食又は調整粉乳であることを特徴とする(1)記載の高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品、
(4)抗疲労飲食品がスポーツ用飲食品、コーヒー、ココア又はガムであることを特徴とする(2)記載の抗疲労飲食品、
(5)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた薬剤、
(6)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた化粧料
に関する。
(1)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品、
(2)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた運動における持久力増強作用、かつ乳酸生成の抑制作用を有する抗疲労飲食品、
(3)補給飲食品がスポーツ用飲食品、ベビーフード、介護食品(高齢者向け食品)、医療食又は調整粉乳であることを特徴とする(1)記載の高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品、
(4)抗疲労飲食品がスポーツ用飲食品、コーヒー、ココア又はガムであることを特徴とする(2)記載の抗疲労飲食品、
(5)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた薬剤、
(6)糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた化粧料
に関する。
より詳細には本発明者らは本発明に使用するグリコーゲン(以下、ポタコーゲンという。)の特性、作用などについて鋭意かつ詳細に検討したところ(1)グリコーゲンが生体中での酵素分解が急速に行われないこと、(2)激しい運動における乳酸値の生成が少ないこと、(3)筋肉の増強作用があり、運動能力の持久性が強化できること、(4)栄養食品でありながら体重増加作用のないこと、また、(5)食品の甘味度に影響せずにとろみを加えられること、(6)高カロリーであること等飲食品用素材としても有用である。
さらに、本発明に使用するグリコーゲン(ポタコーゲン)は(1)神経系に分化する細胞、(2)生殖に関係する卵巣細胞、(3)免疫細胞の3細胞に対して無作用であり、(4)エームス試験による突然変異誘起性は陰性であること、(5)急性毒性試験(LD50)では>2g/kgで生体影響は認められず安全性の極めて高い素材である。
本発明はこのような知見に基づいて、スポーツ用食品および飲料、医療食、介護用食品、脳機能改善作用、抗疲労の機能を有するサプリメント等を提供する。
大量のポタコーゲン投与によって、その酵素分解物であるグルコースにより短時間に、急速に血糖値の上昇がおこることが懸念されたがグルコースと同程度の上昇カーブを描き、長時間に亘ってグリコーゲンからグルコースへの分解を経て、グルコースの供給時間が長いことが観察され、持久系のスポーツではエネルギー保持の点で有利であると考えられる。
ポタコーゲンは分子量3,000〜9,500でグルコースからなるα−グルコース分枝多糖類である。血糖値は同一重量投与で2倍程度高いだけであった。これはα−グルコース分枝多糖類は血糖値降下作用を有しているためである(畑中研一、FFI JOURNAL,208,pp270−275、2003(非特許文献3))。
すなわち、α−グルコース分枝多糖類は解糖系の酵素を活性化し、グルコース消費量を増加させるからである。そのため、グルコース多糖体であるポタコーゲンを使用していながらグルコースの体内消費量を増加させ、エネルギーに変換することによって、糖質が脂肪になるのを防御することになる。
本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)は(α1→4)グルコース残基約10ごとに(α1→6)結合した枝分かれを持ち、デンプンよりも高度に枝分かれをしており、もっと緻密である。従って、ポタコーゲンは低カロリーの砂糖代替物と異なった新しいタイプの血糖値を抑えた、脂肪蓄積の少ない食品として期待できる。このことは後述するマウスの体重変化試験において5%ポタコーゲンを投与しても肥満傾向が認められなかったデータからも支持される。
高カロリー、高エネルギーを持ち、安全性が高く、持久力の向上および抗疲労物質作用物質として開発された本発明に使用されたグリコーゲン(ポタコーゲン)を有効成分として添加した乳幼児用食品、医療・介護用食品、スポーツ用および抗疲労用飲食品の製造が可能になり、日常活動、スポーツにおいて健康で快適な生活を送れるようになる。
また、現代の複雑な生活に対する精神面での「末梢性疲労」と健康面での「中枢性疲労」の両方に対応可能な飲食品を提供することができる。さらに、コラーゲン生成能を高める線維芽細胞の細胞賦活作用を有する化粧料が提供される。
本発明に使用したグリコーゲンは、本発明者が先に開発し特許出願した「物理化学的グリコーゲン製造方法」(特願平2001−375037(特許文献18))及び「低分子グリコーゲン」(特願平2002−306295(特許文献19))および国際特許出願「グリコーゲンを物理化学的に製造する方法およびこの方法で得られるグリコーゲン」(WO03/048212 A1(特許文献20))に記載するグリコーゲンであり、人体に無害な食品である。
本発明に使用したグリコーゲンは、具体的には、デンプン等の糖質原料や植物素材を酸性条件下で加熱・加圧することで得られ、酸性条件は有機酸の添加により達成され、pH6以下が好ましく有機酸としてはクエン酸が用いられ得る。そして、このグリコーゲンの分子量は3,000から9,500である。
本発明において植物素材としては、代表的には田七人参であるが、その他には小麦粉、大豆、高麗人参あるいはウコンなどでも良い。
このグリコーゲンの効率的製造法の代表例を示すと次の通りである。
適宜に細粒化した田七人参を10重量%クエン酸水溶液とともに90〜100℃において、必要に応じて攪拌しながら1時間加熱する。ついで1.1〜1.3kgf/cm2に保ちながら、昇圧を開始してから2時間にわたって加圧・加熱した後、濾過などの常法に従って抽出液と固形分抽出残渣とに分ける。得られた抽出液を、乾燥処理(フリーズドライ、スプレードライなど)して本発明のグリコーゲン含有粉末を得る。なお、このとき用いる田七人参は、姿、細粒または粉末のいずれでもよい。
適宜に細粒化した田七人参を10重量%クエン酸水溶液とともに90〜100℃において、必要に応じて攪拌しながら1時間加熱する。ついで1.1〜1.3kgf/cm2に保ちながら、昇圧を開始してから2時間にわたって加圧・加熱した後、濾過などの常法に従って抽出液と固形分抽出残渣とに分ける。得られた抽出液を、乾燥処理(フリーズドライ、スプレードライなど)して本発明のグリコーゲン含有粉末を得る。なお、このとき用いる田七人参は、姿、細粒または粉末のいずれでもよい。
本物質はエームス試験並びにラットによる急性毒性試験においても無作用であり、飲食物、薬物などの種々の形態で人に摂取または投与することができ、スポーツ用飲食品、医療食、介護食、ベビーフード、抗疲労食品、栄養ドリンク、チューインガム等として利用することができる。
上記の飲食物としては、例えば、飲料類(例えば、ドリンク剤、ミルク飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、ジュース、ゼリーなど)、菓子類(例えば、ビスケット、ケーキ、クッキー、キャンディー、スナック菓子、ラムネ菓子など)、調味液料(例えば、たれ汁、ソースなど)、食肉製品(例えば、ハム、ソーセージなど)、魚肉練り製品(例えば、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、乳製品(例えば、チーズ、ヨーグルトなど)、レトルト食品(例えば、スープ、カレー、グラタンなど)が例示できる。
本発明において、高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品とは、上記飲食品の中でもスポーツ用飲食品、ベビーフード、介護食品(高齢者向け食品)、医療食、調整粉乳等が効果的である。
また、本発明において抗疲労飲食品とは、上記飲食品の中でもスポーツ用飲食品、栄養ドリンク、コーヒー、ココア、チューインガム等が効果的である。
これらの飲食物の製造工程中に本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)を添加含有させ、それを飲食することにより、必要に応じて添加されたビタミン類、ミネラル類、生理活性物質と共に摂取される。
陸上競技のマラソンやクロスカントリー、競泳(1500m)、スピード・スケート(10000m)のような有酸素運動をローパワー系のスポーツという。このような持久性スポーツでは、グリコーゲンが非常に重要なエネルギー源となってくる。骨格筋に貯蔵できるグリコーゲン量には限りがあって、せいぜい、1500〜2000Kcalぐらいしか貯蔵できない。マラソンのときはグリコーゲンだけを使うわけでなく、皮下や内臓に貯蔵されている脂肪が積極的に使われる。ヒトの体脂肪は男性で平均15%、女性で平均20%なので、マラソンを10回や20回走るに相当するエネルギー源を持っていることになる。
しかし、骨格筋のグリコーゲンが枯渇すると、脂肪による有酸素運動も継続することが出来ない。そこで、体内に貯蔵しているグルコースを利用するが、十分な酸素供給が行われないときは、グルコースの代謝産物のピルビン酸がアセチルCoAに変換されずに乳酸に変換される。高濃度に乳酸が蓄積すれば、筋代謝や筋肉の収縮が阻害されるので運動を続行する事が出来なくなってしまう。
この枯渇を防ぐために本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)が、
(1) 実施例1において血液中のグリコース濃度が長時間保持されること、
(2) 実施例2において経口投与による強制遊泳試験において持久力を増強したこと、
(3) 実施例3において経口投与による強制遊泳試験において乳酸の生成を抑制したことをマウスを使った試験によって証明した。すなわち、乳酸の生成が少ないために、疲れが少なくなって、持久力が増強されるという結論になる。
(1) 実施例1において血液中のグリコース濃度が長時間保持されること、
(2) 実施例2において経口投与による強制遊泳試験において持久力を増強したこと、
(3) 実施例3において経口投与による強制遊泳試験において乳酸の生成を抑制したことをマウスを使った試験によって証明した。すなわち、乳酸の生成が少ないために、疲れが少なくなって、持久力が増強されるという結論になる。
上述した生体内グリコーゲンの代謝経路から明らかなように、ヒトの場合にも(1)血液中のグリコース濃度が長時間保持される、(2)運動の持久性の増強および(3)血液中乳酸の生成抑制が当てはまり、運動能力の増強が期待されうる。そして、抗疲労物質として有名なタウリンとポタコーゲンの組み合わせによる、より強力な抗疲労食品開発の素材ともなり得る。
すなわち、グリコーゲン(グルコースホモ多糖類)から変換されたピルビン酸はアセチルCoAに変換されてTCAサイクルに入り、合計32分子のATPが産生されて高エネルギーが獲得され、持久力が増大すると共に早期の疲労回復が可能となる。
そして、最も効果的なグリコーゲン・ローディング法は、運動直後に糖質食などグリコーゲン対策用食品を摂取することである。その効率は運動直後の摂取と運動2時間後の摂取で比較した場合、200%も直後の摂取で高い。それは筋肉のグリコーゲン合成酵素活性が、運動直後では2時間後に比べても高いこと、そしてグリコーゲン合成酵素活性化に働くインスリンの作用力が運動直後では高いためである(鈴木正成、Food Style 21、51−57 Vol.7(10).2003(非特許文献4))。
また、スポーツ飲料の研究開発では、1時間あたり糖質を30〜60g摂取するとパフォーマンスの向上が期待できることから、糖濃度が4〜8%の飲料を1時間あたり625〜1,250mL飲用することにより、糖質と水分の両方を満たすことができるという報告がある(J.L. Ivy, S.A. Montain: Med. Sci. Sports Exerc., 24, S324 - s330 1992(非特許文献5))。
このグリコーゲン対策用品として本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)を添加したエネルギー補給飲料またはエネルギー補給食品として摂取すれば、運動によるグリコーゲン枯渇からの回復時間の短縮化が図れ、疲労の回復が速くなると推測される。
このような利点と共に実施例4に示すようにポタコーゲンが5%程度の飲食品は肥満には無関係であるという利点もある。
持久性の運動はグリコーゲンからの糖と、脂肪酸の両方を燃料にして行われる(伏木亨、栄養学雑誌、Vol.58,1〜4(2000)(非特許文献6))ので、脂肪燃焼作用のあるL-カルニチンとポタコーゲンの組み合わせによるエネルギー補給飲料またはエネルギー補給食品が考えられる。また、L-カルニチンには脳の老化を防ぐ効果があるとの最新情報(安藤進氏、未発表)もあり、L-カルニチンとポタコーゲンの組み合わせによる脳機能改善効果も期待できる。
血液脳関門を通って脳のエネルギー源となるのはグルコースだけである。脳ではグルコースは二酸化炭素と水へと分解されるので、補給が必要である。ヒトの血液中濃度は通常5.5mMで、血液脳関門に存在する輸送体のグルコースに対する親和性は6〜8mMなので、輸送体は十分飽和されていないから少しでも血糖濃度を高めると脳の中へグルコースが入りやすい。(中川八郎、脳の栄養、p34、(2001),共立出版(非特許文献7))。
実施例1に示すように本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)はG社デキストリンやグルコースより血糖濃度を高めに維持できるので、脳へのグルコース補給に有利に作用する。脳中のグルコースは覚醒状態と注意力の指標となるα波の増加とβ波の減少を誘発する。このようなグルコースの作用にかてて加えて、血液脳関門を通るホスファチジルセリン(PS)の老人性痴呆症抑制作用との組み合わせにより健忘症の防止効果が期待される。その他、ポタコーゲンとイチョウ葉エキスとの組み合わせあるいはポタコーゲンとイチョウ葉エキスとPSあるいはドコサヘキサエン酸(DHA)との組み合わせによる脳機能活性作用を持ったサプリメントが提供できる。
ただし、糖尿病ではインスリン分泌低下またはインスリン応答性の低下があるため、たとえ脳内グルコース濃度が高くても、脳内のグルコースの利用はインスリンに依存すると考えられているので、糖尿病患者ではその利用は抑制され、脳の活性化にはつながらない。
また、薬剤としては、ポタコーゲンをブドウ糖注射剤のように適当な溶剤(例えば、滅菌水、生理食塩水、緩衝液など)に溶解した後、滅菌フィルター等で滅菌して無菌容器に充填して注射剤(輸液)として提供できる。そのほかにポタコーゲンを錠剤、カプセル剤として提供できる。この際、同一モル数の添加量で比較した場合、ポタコーゲン(分子量3,000)はグルコース(分子量180)の16.7倍の高カロリーを付与できる。
日本は深刻な少子高齢化時代を迎え、加齢と共に咀嚼、嚥下など何らかの機能低下を抱えた高齢者や、要介護者が増加している。75歳以上の後期高齢者では正常な摂食、嚥下ができ難いため、低栄養状態になり、それに伴う免疫機能の低下を招いている。そのため、嚥下食の調理にとろみを付与することによって摂取しやすくすることが重要である。デンプンは水不溶性なので、調理後30℃以下になると凝固して流動性が低下してしまう。これを改善するためには、とろみを付与する成分としてデンプンの他にデキストリンや多糖類の増粘機能を利用しているが、水溶性で、栄養価も同じである本発明に使用したグリコーゲン(ポタコーゲン)は温度による物性の変化はほとんどないので、流動性を保持した様々なバリエションを持った介護食品,医療食あるいはベビーフードなどが調理できる。
術後患者はこのポタコーゲン入りの医療食によってATP合成が高まり、高カロリーも獲得できるので健康回復が早まり、病院食の栄養補足手段としての利用が考えられる。
アミノ酸の機能性に注目した様々な商品が市場化されている(鈴木正人、日本農芸化学雑誌、77,438−441、2003(非特許文献8))が、その中でもペプタイド及び分枝鎖アミノ酸(BCAA)を配合した商品が展開されている。このうちバリン、ロイシン、イソロイシンからなるBCAAは筋蛋白質分解抑制作用や脳内疲労物質であるセロトニンの生成の抑制作用を持っている。従って、このBCAAと抗疲労作用、持久性の増大作用のあるポタコーゲンを配合して、運動選手等に望ましい栄養ドリンク剤が開発できる。
さらにBCAA,ポタコーゲン及びグルタミン(筋蛋白質分解抑制作用)の組み合わせやその他にビタミンを追加配合した栄養ドリンクの製造が考えられる。これらの飲料を競技途中、あるいは中断時に飲用することによって体力の維持、脳の活性化が可能である。
この際、アミノ酸であるBCAAは同じ抗疲労作用を示すが、生体影響の関係から微量添加しかできないが、ポタコーゲンはパーセントオーダの添加が可能である。
このように、ポタコーゲンは上述したように脳のエネルギー源となって「中枢性疲労」を回復すると共に体力の疲労を少なくしていわゆる「末梢性疲労」を感じ難くして、体力と知力という両方の疲労回復を目的とした栄養補助食品ができる。そしてポタコーゲンとアンセリンの組み合わせ配合により、スポーツ時の疲労の回復、疲労感の低減に寄与できる飲食物ができる。
コーヒー、ココアの砂糖添加量の一部をポタコーゲンに代替して添加すると、ポタコーゲンは低甘味度を呈するので、かるい甘味にすると共に脳の覚醒化あるいは「中枢性疲労」の回復を図ることができる。
機能性ガム市場ではキシリトール配合の虫歯予防ガムが寡占状態であるが、グリコーゲンには軽い甘味度があるのでチューインガムに砂糖の代替または一部代替の低甘味度のグリコーゲン添加ガムの製造素材としての利用が考えられる。そして、野球選手がプレー中にガムをかんでいるが、ポタコーゲン入りのガムをかむことによって乳酸の蓄積を防ぎ、疲労度が低減でき、ATP合成に関与して持久力を高めることもできる。
調製粉乳、ヨーグルト及び乳酸菌飲料にポタコーゲンを2〜5%含有させることにより、それぞれの強化食品とすることができる。
ポタコーゲンの水溶液は非常に安定で、粘度の低い分子コロイド分散系溶液となる。また、この水溶液を乾燥して得られるグリコーゲンの膜はもろくて容易に砕けて、微細な紛状となる。従って、化粧料の基材としてシリコンオイル、界面活性剤、油性原料、栄養剤や女性ホルモン等の各種薬剤成分、香料等その他の化粧品用資材と適宜任意な割合、例えば好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは2重量%以上が好適であり、通常50重量%以下で配合できる。
さらにポタコーゲンは、実施例11に示すように線維芽細胞の細胞賦活作用を活性化できることが明らかとなり、真皮でのコラーゲン生成を行い、皮膚角質層の保湿効果を高めることが出来る。これらの事実によって、このポタコーゲンを配合することによって、皮膚になめらかさと伸びの良い優れた使用感の化粧料となる(実施例12)。さらに、ポタコーゲンが線維芽細胞を活性化できることは、骨芽細胞も活性化できてコラーゲン量を増加させることが推定でき、骨の周りの細胞外マトリックスの状態改善が筋肉・関節の痛み解消にも役立つと思われる。
水畜産物の飼料に添加して、各種水産物(例えば、魚介類など)の養殖における混合飼料として提供して、飼育期間の短縮に寄与して低コスト化が図れる。
実施例により本発明を具体的に説明する。以下の実施例は本発明を例示するものであって、限定するものではない。なお、本発明に使用されたグリコーゲンをポタコーゲンと表現しているが、一般的名称のグリコーゲンの一種である。
ポタコーゲンの経口投与による血糖値の変化
24時間絶食させたマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育後使用)にグリコーゲン(Po−G)の5%水溶液を500mg/kg経口投与してから、0分、5分、10分、20分、30分と経時的に鼻静脈から採血し血糖値を測定した。測定はグルコカードダイアメータ((株)アークレイファクトリー製)を使用し、全血中のグルコースとグルコースオキシターゼの特異的な反応と電極に生じる小電流との組み合わせにより測定した。また、比較のためG社製のデキストリンおよびグルコースの5%水溶液をポタコーゲンと同様にマウスに経口投与実験を行い、図1の結果を得た。
24時間絶食させたマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育後使用)にグリコーゲン(Po−G)の5%水溶液を500mg/kg経口投与してから、0分、5分、10分、20分、30分と経時的に鼻静脈から採血し血糖値を測定した。測定はグルコカードダイアメータ((株)アークレイファクトリー製)を使用し、全血中のグルコースとグルコースオキシターゼの特異的な反応と電極に生じる小電流との組み合わせにより測定した。また、比較のためG社製のデキストリンおよびグルコースの5%水溶液をポタコーゲンと同様にマウスに経口投与実験を行い、図1の結果を得た。
グリコーゲンはグルコースのホモ多糖類であるので、アミラーゼ酵素分解によって大量のグルコースに変換されて血液中に急激かつ大量に取り込まれて、急激な血糖値の上昇が懸念されたが、G社製のデキストリンおよびグルコースと比較して20分と30分においてそれぞれ約45%と70%高いが、2倍を超えることはなかった。しかし、60分後においてもグルコース、デキストリンに比較してポタコーゲンは血糖値を高レベルに維持していることが明らかになり、持久性の運動に有効なのではないかと示唆された。
ポタコーゲンの経口投与によるマウスの強制運動持久力の増強効果
一定方向に均一の流速を発生する「京大松元式遊泳装置」においてマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育)を遊泳させて持久力を測定した。方法はマウスを5分間強制遊泳させ、20分間休憩させてから、5匹1群のマウスにポタコーゲン、G社デキストリンおよびグルコースの各5%水溶液をそれぞれ500mg/kgおよびコントロールとして同量の精製水を経口投与した。さらに、10分間休憩させてから、マウスの限界遊泳時間を測定した。結果は図2に示すとおりポタコーゲン投与群が最大で、G社デキストリン群、グルコース群の順であった。すなわち、ポタコーゲン投与群はコントロール群の1.5倍長く遊泳し、G社デキストリン群と比べても1.16倍、さらには、グルコース群の1.5倍の長時間遊泳を行っていることが明らかとなった。筋肉のグリコーゲンは筋収縮のためのもので、遊泳時間の増強効果が認められたことは投与されたグリコーゲンが筋肉の持久力に直接関係していることを示唆している。
一定方向に均一の流速を発生する「京大松元式遊泳装置」においてマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育)を遊泳させて持久力を測定した。方法はマウスを5分間強制遊泳させ、20分間休憩させてから、5匹1群のマウスにポタコーゲン、G社デキストリンおよびグルコースの各5%水溶液をそれぞれ500mg/kgおよびコントロールとして同量の精製水を経口投与した。さらに、10分間休憩させてから、マウスの限界遊泳時間を測定した。結果は図2に示すとおりポタコーゲン投与群が最大で、G社デキストリン群、グルコース群の順であった。すなわち、ポタコーゲン投与群はコントロール群の1.5倍長く遊泳し、G社デキストリン群と比べても1.16倍、さらには、グルコース群の1.5倍の長時間遊泳を行っていることが明らかとなった。筋肉のグリコーゲンは筋収縮のためのもので、遊泳時間の増強効果が認められたことは投与されたグリコーゲンが筋肉の持久力に直接関係していることを示唆している。
ポタコーゲンの経口投与によるマウス強制運動後の血中乳酸値の変化
一定方向に均一の流速を発生する「京大松元式遊泳装置」においてマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育)を遊泳させて持久力を測定した。方法はマウスを5分間強制遊泳させ、20分間休憩させてから、5匹1群のマウスにポタコーゲン、G社デキストリンおよびグルコースの各5%水溶液をそれぞれ500mg/kgおよびコントロールとして同量の精製水を経口投与した。さらに10分間休憩させ、再び10分間強制遊泳させてから、マウスの血中濃度を測定して図3に示した。
一定方向に均一の流速を発生する「京大松元式遊泳装置」においてマウス(ddy系マウス、雄系、6週齢、1週間予備飼育)を遊泳させて持久力を測定した。方法はマウスを5分間強制遊泳させ、20分間休憩させてから、5匹1群のマウスにポタコーゲン、G社デキストリンおよびグルコースの各5%水溶液をそれぞれ500mg/kgおよびコントロールとして同量の精製水を経口投与した。さらに10分間休憩させ、再び10分間強制遊泳させてから、マウスの血中濃度を測定して図3に示した。
強制運動前の血中乳酸値はコントロールを含めて5匹1群の全群例とも2.4〜2.5mMで同一値であった。しかし、10分間の強制運動後では血中乳酸値は著しい変動を示した。すなわち、コントロールの無投与群は強制運動後の血中乳酸値が5.5mMと強制運動前の2.2倍に上昇しているのに反し、ポタコーゲン投与群の乳酸値は3.55mMであり、コントロール値の1.4倍しか上昇していない。G社デキストリン群およびグルコース群の強制運動後の血中乳酸値はそれぞれ4.5mM(1.8倍)および5mM(2倍)であり、ポタコーゲン投与群での血中乳酸値の上昇が最も抑制されていることが明らかになった。
このように、激しい運動を行った後でも血中乳酸値の上昇が抑制されたことは、激しい運動に耐えることができて、実施例2における強制遊泳時間の延長が認められたことと、直接的な関連性が認められる結果であった。
ポタコーゲンがデキストリンより運動量が大きく、乳酸値の生成量が少ない事実の説明は次のように考えられる。
ポタコーゲンの(α1→6)分岐点はグルコース残基10ごとにあり、デキストリンの24〜30残基よりも緻密に、高度に分岐している。非還元末端でのみ作用する分解酵素は数多くの枝の非還元末端部で同時に作用し、多糖高分子をグルコース単位に素早く分解する。そのためポタコーゲンの方がデキストリンより多くのグルコースを供給して、エネルギー量の増加となりそれに従って運動量が増大して距離が伸びる。
すなわち、ピルビン酸がTCAサイクルに入る方が強く、結果としてピルビン酸が乳酸となって血中に蓄積されることが少ないので、運動量に比べて乳酸値の生成が少ないと理解できる。
ポタコーゲンの経口投与によるマウスの体重変化
マウス2匹を1群として5%ポタコーゲン混餌飼料と粉末飼料を与えた対照群との比較の予備検討を14日間行った。その結果、5%ポタコーゲン混餌飼料群の体重増加作用は対照群と差がなく、むしろ対照群の方が僅少ながら増加傾向を示した。なを、試験期間の飼料の摂取量にも両者の差は認められなかった。体内の余剰分のグルコースは脂肪として体内に蓄積されるが、5%ポタコーゲン含有程度では体重増加に関連性はないことを示唆している。
マウス2匹を1群として5%ポタコーゲン混餌飼料と粉末飼料を与えた対照群との比較の予備検討を14日間行った。その結果、5%ポタコーゲン混餌飼料群の体重増加作用は対照群と差がなく、むしろ対照群の方が僅少ながら増加傾向を示した。なを、試験期間の飼料の摂取量にも両者の差は認められなかった。体内の余剰分のグルコースは脂肪として体内に蓄積されるが、5%ポタコーゲン含有程度では体重増加に関連性はないことを示唆している。
炭酸飲料
ポタコーゲン100mg、砂糖 クエン酸、香料、ビタミンC 96mg、カフェイン、ナイアシンアミド 8.6mg、パントテン酸Ca 1.0〜4.0mg,ビタミンB1 0.67mg、ビタミン6 1.0mg、スレオニン、グルタミン酸Na、β-カロチン、ビタミンB12 1.4mg、ビタミンB2 0.76mgを含む水溶液に炭酸ガスを吹き込んで飲料とする。
ポタコーゲン100mg、砂糖 クエン酸、香料、ビタミンC 96mg、カフェイン、ナイアシンアミド 8.6mg、パントテン酸Ca 1.0〜4.0mg,ビタミンB1 0.67mg、ビタミン6 1.0mg、スレオニン、グルタミン酸Na、β-カロチン、ビタミンB12 1.4mg、ビタミンB2 0.76mgを含む水溶液に炭酸ガスを吹き込んで飲料とする。
医薬部外品
100mL中に有効成分としてポタコーゲン1000mg、タウリン1000mg、イノシトール50mg、ニコチンアミド20mg、ビタミンB1硝酸塩5mg、ビタミンB2リン酸エステル5mg、ビタミンB6 5mg,塩化カルニチン100mg、無水カフェイン50mgを添加し、さらに、安息香酸塩、没食子酸、パラベン、バニリン、香料を加えて飲用の水溶液とする。
100mL中に有効成分としてポタコーゲン1000mg、タウリン1000mg、イノシトール50mg、ニコチンアミド20mg、ビタミンB1硝酸塩5mg、ビタミンB2リン酸エステル5mg、ビタミンB6 5mg,塩化カルニチン100mg、無水カフェイン50mgを添加し、さらに、安息香酸塩、没食子酸、パラベン、バニリン、香料を加えて飲用の水溶液とする。
ビーフカレールー
小タマネギ、ショウガ、ニンニク、バター、生クリーム、人参、じゃがいも、小麦粉、ポタコーゲン、食用油脂(牛脂、豚脂)、食塩砂糖、カレー粉、牛肉、チャツネ、ブーゲガルニ、コーンフラワー、ソース末、チキンエキス、脱脂粉乳、ビーフエキス、トマト末、チキンパウダー、ココナッツペースト、香辛料、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料を使って常法に従ってカレールーを作る。
小タマネギ、ショウガ、ニンニク、バター、生クリーム、人参、じゃがいも、小麦粉、ポタコーゲン、食用油脂(牛脂、豚脂)、食塩砂糖、カレー粉、牛肉、チャツネ、ブーゲガルニ、コーンフラワー、ソース末、チキンエキス、脱脂粉乳、ビーフエキス、トマト末、チキンパウダー、ココナッツペースト、香辛料、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料を使って常法に従ってカレールーを作る。
サプリメント
40%ホスファチジルセリン7.5%、リン酸三カルシウム4.5%、ファイントース6%分を混合機にかけて攪拌して予備配合末を作る。この粉末と乳糖50%、ポタコーゲン13%、L-カルニチン2.0%、コーンスターチ12%、ショ糖脂肪酸エステル5.0%を加えてボーレコンテナミキサーで良く攪拌する。その後、打錠してコーティングをかけて錠剤とする。
40%ホスファチジルセリン7.5%、リン酸三カルシウム4.5%、ファイントース6%分を混合機にかけて攪拌して予備配合末を作る。この粉末と乳糖50%、ポタコーゲン13%、L-カルニチン2.0%、コーンスターチ12%、ショ糖脂肪酸エステル5.0%を加えてボーレコンテナミキサーで良く攪拌する。その後、打錠してコーティングをかけて錠剤とする。
栄養ドリンク
精製水95mLにポタコーゲン6gを攪拌混合し、糖類(砂糖、ブドウ糖果糖液糖)10g、蜂蜜、V.C各220mg、クエン酸、ナイアシンアミド各15mg、食塩30mg、V.B6 6mg、V.B2 2.4mg、ロイシン35mg、イソロイシン15、バリン18mg、グルタミン酸ナトリウム45mgを溶解し、発酵乳5gを追加して飲料を製造した。
精製水95mLにポタコーゲン6gを攪拌混合し、糖類(砂糖、ブドウ糖果糖液糖)10g、蜂蜜、V.C各220mg、クエン酸、ナイアシンアミド各15mg、食塩30mg、V.B6 6mg、V.B2 2.4mg、ロイシン35mg、イソロイシン15、バリン18mg、グルタミン酸ナトリウム45mgを溶解し、発酵乳5gを追加して飲料を製造した。
上記実施例9の飲料にナトリウム25mg、カリウム10mg、カルシウム5mg及びマグネシウム2.5mgを添加攪拌して飲料を製造した。
線維芽細胞賦活試験
線維芽細胞を飼料含有1%仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM)で48時間培養後、MTT定量を行った。試料は50%エタノールにて1mg/mL溶液を調整し、これを培地にて100倍希釈して添加した。その結果62.5〜500ng/mL溶液を処理した細胞において線維芽細胞の賦活が認められた(表1)。
線維芽細胞を飼料含有1%仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM)で48時間培養後、MTT定量を行った。試料は50%エタノールにて1mg/mL溶液を調整し、これを培地にて100倍希釈して添加した。その結果62.5〜500ng/mL溶液を処理した細胞において線維芽細胞の賦活が認められた(表1)。
化粧クリーム
精製水40gにポタコーゲン7gを溶解後、アスコルビン酸2−グルコース0.5gとカーボキシメチルセルロースナトリウム2gを加えて混合した後、シリコンオイルエマルジョン1.5gを加えて良く攪拌混合する。ついで、1,3−ブチレングリコール6gとポリエチレングリコール1500の5gを混ぜたものを追加混合した液を70℃に保つ。一方、ステアリルアルコール6g、NーステアロイルーL−グルタミン酸ナトリウム5g、ラノリン4g、スクワラン10g、ビタミンE5gおよびパラベン0.2gを加温溶解し、モノステアリン酸グリセリン3gを混和しながら70℃にする。この両者を混合して高圧乳化処理して、乳化を確認後、脱気、50℃で香料を添加混合し、25℃に冷却してクリームを得た。
精製水40gにポタコーゲン7gを溶解後、アスコルビン酸2−グルコース0.5gとカーボキシメチルセルロースナトリウム2gを加えて混合した後、シリコンオイルエマルジョン1.5gを加えて良く攪拌混合する。ついで、1,3−ブチレングリコール6gとポリエチレングリコール1500の5gを混ぜたものを追加混合した液を70℃に保つ。一方、ステアリルアルコール6g、NーステアロイルーL−グルタミン酸ナトリウム5g、ラノリン4g、スクワラン10g、ビタミンE5gおよびパラベン0.2gを加温溶解し、モノステアリン酸グリセリン3gを混和しながら70℃にする。この両者を混合して高圧乳化処理して、乳化を確認後、脱気、50℃で香料を添加混合し、25℃に冷却してクリームを得た。
細胞増殖試験
(1) 2x105cell/mL濃度のPC12細胞(副腎髄質細胞由来の神経に分化する細胞)を0.1mL/well, 96wellプレートにまいて24時間インキュベート後、ポタコーゲンを0μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mLおよび1000μg/mLを加えて36時間インキュベート後にMTTアッセイにより579−655nmの吸光度差を測定した。その結果、0〜1000μg/mLのいずれの濃度においてもPC12細胞の増殖に有意な影響は認められなかった。(図4)
(2) チャイニーズハムスターオバリー細胞(卵巣細胞)の1.6x104/mLにポタコーゲンを0μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mLおよび1000μg/mLを加えて24時間インキュベート後の増殖数を測定した。その結果、0〜1000μg/mLのいずれの濃度においてもチャイニーズハムスターオバリーの増殖に有意な影響は認められなかった。(図5)
(3) U937細胞(単球系マクロファージでウイルスの貪食作用を有する)0.5x 104 cellにポタコーゲンを0μg/mL,100μg/mL,200μg/mL,500μg/mL,1000μg/mLおよび2000μg/mLを加えて24時間インキュベート後の増殖数を測定した。その結果、0〜2000μg/mLのいずれの濃度においても免疫細胞の一種であるU937細胞の増殖に有意な影響は認められなかった。(図6)
(1) 2x105cell/mL濃度のPC12細胞(副腎髄質細胞由来の神経に分化する細胞)を0.1mL/well, 96wellプレートにまいて24時間インキュベート後、ポタコーゲンを0μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mLおよび1000μg/mLを加えて36時間インキュベート後にMTTアッセイにより579−655nmの吸光度差を測定した。その結果、0〜1000μg/mLのいずれの濃度においてもPC12細胞の増殖に有意な影響は認められなかった。(図4)
(2) チャイニーズハムスターオバリー細胞(卵巣細胞)の1.6x104/mLにポタコーゲンを0μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mLおよび1000μg/mLを加えて24時間インキュベート後の増殖数を測定した。その結果、0〜1000μg/mLのいずれの濃度においてもチャイニーズハムスターオバリーの増殖に有意な影響は認められなかった。(図5)
(3) U937細胞(単球系マクロファージでウイルスの貪食作用を有する)0.5x 104 cellにポタコーゲンを0μg/mL,100μg/mL,200μg/mL,500μg/mL,1000μg/mLおよび2000μg/mLを加えて24時間インキュベート後の増殖数を測定した。その結果、0〜2000μg/mLのいずれの濃度においても免疫細胞の一種であるU937細胞の増殖に有意な影響は認められなかった。(図6)
Claims (6)
- 糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品。
- 糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた運動における持久力増強作用、かつ乳酸生成の抑制作用を有する抗疲労飲食品。
- 補給飲食品がスポーツ用飲食品、ベビーフード、介護食品(高齢者向け食品)、医療食又は調整粉乳であることを特徴とする請求項1記載の高エネルギーおよび高カロリー補給飲食品。
- 抗疲労飲食品がスポーツ用飲食品、コーヒー、ココア又はガムであることを特徴とする請求項2記載の抗疲労飲食品。
- 糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた薬剤。
- 糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3,000〜9,500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた化粧料。
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