JP6803915B2 - 睡眠障害改善剤及び睡眠障害の改善方法 - Google Patents

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    • A61P25/20Hypnotics; Sedatives

Description

本発明は、睡眠障害改善剤及び睡眠障害の改善方法に関する。
睡眠は、身体や精神の状態を正常に維持する機能を有しており、適度の運動やバランスの良い食生活等とともに、健康を保つ上で重要な要素の1つである。睡眠が障害されると、例えば、身体の疲労回復、記憶の固定化、学習能力、ストレスの発散、免疫機能、感情のコントロール、作業能力、判断力等に支障をきたすことが研究により明らかにされている。また、特に小児では、成長発達の阻害や学業の不振を招いたり、情緒不安定や落ち着きのなさをもたらす原因となる。したがって、心地よい良好な睡眠をとることは健康維持にとって極めて重要なことであるが、睡眠は生体リズム、外的環境(暑さ、寒さ、騒音の程度等)、精神的影響(ストレス、不安等)、身体的影響(痛み、痒み、病気等)等、いろいろな影響を敏感に受けるため不眠症等の睡眠障害が起こりやすい。そのため、現代社会においては、程度の差こそあれ、睡眠障害に悩んでいる人、あるいは睡眠に対して何らかの問題を抱えている人が急速に増加しているのが現状である。
最近の研究によると、睡眠障害の発生を助長する要因として、現代社会に特徴的な現象である、不適切な生活スタイル、過度のストレス、及び高齢化といったことが指摘されている。不適切な生活スタイルの中には、不規則な就床・起床時刻、食生活の乱れ、運動不足、入眠前のコーヒー、紅茶の多量摂取、多量の飲酒、日中の活動性の低下、生活の夜型化等が含まれる。情報化社会やグローバル化の進展に伴い、不適切な生活スタイルをもつ人は増加する傾向にある。
また、睡眠と発症とが強く関連していることが判明している疾患もある。例えば、急性心筋梗塞は、その発症頻度に日内変動が存在することが明らかにされており、起床後に急性心筋梗塞の発症頻度が高まると考えられている。また、成長ホルモン、プロラクチン等のホルモン分泌活動は睡眠と直接関連して増加又は減少する睡眠依存性を示し、睡眠障害により内分泌疾患を招くことが知られている。さらに、胃酸分泌は睡眠と密接に関連し、消化性潰瘍の発症と睡眠との間に関連があることが知られている。その他、睡眠と強く関連している疾患として、脳血管障害、気管支喘息、高血圧症、抑うつ等がある。したがって、これらの疾患を改善、予防する上で、良好な睡眠をとることは非常に重要であるといえる。
また、睡眠障害は、個人の身体や精神に変調をきたして、個人の生活の質を低下させるだけでなく、国家の社会・経済にとっても大きな影響を及ぼすことになる。例えば、過剰な眠気は注意力・集中力、作業効率、勤労意欲を低下させて生産性を損なうほか、交通事故や作業中の事故の発生率の上昇を招くことになる。
このように、睡眠障害は個人の健康を悪化させるだけでなく、国家の社会・経済の安心・安定性を損なうことにもつながる。したがって、睡眠障害の改善は個人の健康並びに社会の安定と繁栄に密接に関係しており、早急に取り組むべき重要な課題であるといえる。
そのため、現在、睡眠障害の改善に関するテーマが多くの注目を集めており、研究開発が盛んに行われている。そして、それらの研究開発の結果から、規則正しい食生活や規則的な睡眠スケジュール、規則正しい軽度の運動、日光浴を行うことによる睡眠ホルモンとして知られるメラトニン分泌促進と生体リズム規則性の確保、日中や就床前の良好な覚醒状態、良好な睡眠環境の整備、及び就床前のリラックス状態が良好な睡眠を得るための非薬物的療法として提示されるに至っている。
他方、従来より、不眠症等の睡眠障害に対する薬物的療法として、各種睡眠薬が用いられている。睡眠薬としては、ベンゾジアゼピン系(ニトラゼパム、フルラゼパム、エスタゾラム、ニメタゾラム、ハロキサゾラム、トリアゾラム、クアゼパム等)、チエノジアゼピン系(エチゾラム、プロチゾラム等)、シクロピロロン系(ゾピクロン)、イミダゾピリジン系(ゾルピデム等)、バルビツール酸系(フェノバルビタール、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール等)、非バルビツール酸系(ブロムワレリル尿素、ブトクタミド等)が広く知られており、作用時間や症状等に応じて適宜適切なものが選択される。
その他、睡眠障害の改善に関する従来技術として、冬虫夏草属の微生物の熱水抽出物を有効成分として含有する睡眠改善剤が報告されている(特許文献1)。
また、睡眠障害のうち、特にレム睡眠障害の改善に関するものとして、N−アセチル−D−マンノサミンを含有してなる、レム睡眠障害改善剤が報告されている(特許文献2)。
睡眠障害を改善する食品として、グリシンを1食摂取量として0.5g以上含有する、熟眠障害改善剤が報告されている(特許文献3)。
特開2010−53098号公報 特開2011−178702号公報 特許第4913410号公報
前述した非薬物的療法は、睡眠障害を改善する上で有効であると考えられるものの、前記のような睡眠衛生に関する事項を厳格に守り、実行することは必ずしも容易であるとはいえないという問題がある。他方、前述した薬物的療法は、長期間の使用に伴う薬物の耐性、摂取中止時の反跳性不眠や離脱症状、依存形成、一過性の健忘、覚醒後の眠気、悪夢等が生じやすいという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題がなく、長期間にわたって摂取しても安全であり、睡眠障害を効果的に改善することができる、睡眠障害の改善剤及び改善方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の生合成に関与する中間代謝物であるニコチンアミドモノヌクレオチドが優れた睡眠障害改善効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示すものである。
[1]ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分とする睡眠障害改善剤。
[2]睡眠障害改善が、不眠症の改善である[1]に記載の睡眠障害改善剤。
[3]睡眠障害改善剤が、睡眠障害改善用の食品である、[1]又は[2]に記載の睡眠障害改善剤。
[4]睡眠障害改善剤が、睡眠障害改善用の医薬品である、[1]又は[2]に記載の睡眠障害改善剤。
[5]ニコチンアミドモノヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを特徴とする、睡眠障害の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
本発明は、睡眠障害を効果的に改善することができ、また生体内NADの生合成に関与する中間代謝物であるニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分とするものであるため安全であり、長期間にわたって摂取することができる。
ナイアシン(ニコチンアミドとニコチン酸の総称)に関与する代謝経路を示す説明図である。
本発明に係る睡眠障害改善剤は、ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分としており、睡眠障害改善効果を奏するものである。本発明において、睡眠障害改善とは、狭義の睡眠障害の改善だけでなく、睡眠障害の予防、進行の停止、遅延化をも含む。ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分とすることによって、そのような作用効果が得られる詳細な理由は現在検討中であるが、NAD依存性脱アセチル化酵素Sirt1、Sirt3に代表される「サーチュイン」をニコチンアミドモノヌクレオチドが促進し、その結果、耐糖能や、成長ホルモン、コルチゾール、メラトニン等のホルモン分泌系を正常化することが理由の1つとして考えられ、従来の睡眠障害改善薬として広く知られる、ベンゾジアゼピン系薬やバルビツール酸系薬のように、γ−アミノ酪酸(GABA)神経系に作用して睡眠障害を改善するのとは全く異なる新たな作用機序に基づいていると推察される。以下、本発明について詳細に説明する。
ニコチンアミドモノヌクレオチド(化学式:C1115P)は、ヒトを含む多くの生物の体内で作られる、下記の構造式[化1]で表される化合物である。一般にNMN(Nicotinamide mononucleotide)と呼ばれており、補酵素NADの生合成に関与する中間代謝物として知られている。
Figure 0006803915
前記睡眠障害改善剤の有効成分であるニコチンアミドモノヌクレオチドは、生体内では、肝臓組織によるNAD代謝経路、すなわち、キヌレニン経路を経てキノリン酸からニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の合成に関与する経路において産生されている。この点について、図1を参照して具体的に説明する。図1はビタミンBとして知られるナイアシン(ニコチンアミドとニコチン酸の総称)に関与する代謝経路を示す説明図である。食事から摂取したニコチン酸は肝臓に取り込まれ、ニコチンアミドに変換され、ニコチンアミドは血流を介して全身に供給される。各細胞は血液中からニコチンアミドを取り込み、NAD、NADPに変換して利用する。ニコチンアミドはトリプトファンからも生合成される。
図1に示すように、生体内においては、トリプトファンを出発物質とした場合、トリプトファンはトリプトファン代謝経路であるキヌレニン経路を経てキノリン酸(QA)に変換され、さらにニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)となる。他方、ニコチン酸(Na)を出発物質とした場合、ニコチン酸は直接NaMNに変換される。NaMNはその後、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)を経て、NADサイクルによってNAD、ニコチンアミド(NaM)、ニコチンアミドモノヌクレオチドと相互に変換される。ニコチンアミド(NaM)は、ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)によってニコチンアミドモノヌクレオチドに変換され、次いでニコチンアミドモノヌクレオチドがニコチンアミドモノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ(NMNAT)により変換されてNADが生成される。なお、NAD中間代謝産物であるニコチンアミドリボシド(NR)からもニコチンアミドモノヌクレオチドが産生される。
ニコチンアミドモノヌクレオチドには光学異性体としてα体、β体の2種類が存在しているが、本発明ではβ体が使用される。ニコチンアミドモノヌクレオチドは、例えば、ニコチンアミドとリボースからニコチンアミドリボシドを合成し(Bioorg. Med. Chem. Lett., 12, 1135-1137 (2002) 参照)、次いで、リボース部分の5位水酸基のリン酸化する(Chem. Comm., 1999, 729-730参照)ことにより得ることができる。具体的には、例えば、まず、ニコチンアミドとL−リボーステトラアセテートとを、無水アセトニトリルに溶解し、窒素気流下、トリメチルシリルトリフルオロスルホン酸を過剰量添加後、室温にて撹拌し、メタノールを添加して反応を停止させた上記反応液を、活性炭を充填したカラムに付し、蒸留水で洗浄後、メタノールで溶出して生成物を回収する。次いで、この生成物のL−リボース部分の5位水酸基のリン酸化反応を行うために、上記生成物をトリメトキシリン酸に溶解し、氷冷下、オキシ塩化リンを滴下し、窒素気流下で撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和させ、反応を停止させた上記反応液に、冷アセトニトリル−エーテル溶液を添加する。その後、下層(水相)を陰イオン交換樹脂に通して反応物を回収し、さらに陽イオン交換樹脂で精製することにより、純度の高いニコチンアミドモノヌクレオチドを回収することができる。また、ニコチンアミドモノヌクレオチドはオリエンタル酵母工業社、邦泰生物工程社から市販されており、それらの市販品を購入して使用することができる。
前記ニコチンアミドモノヌクレオチドは不純物の含有量が少ない精製物、特にはその純度は90%以上が好ましく、95%以上がさらに好ましい。前記純度が90%未満であると、異臭が発生したり、あるいは、ニコチンアミドモノヌクレオチドの作用が減弱されて本発明の効果が十分に得られなくなる恐れがある。
前述したようにニコチンアミドモノヌクレオチドの純度は90%以上が好ましいが、その純度(質量比)は無水換算で100%からニコチンアミドモノヌクレオチド以外の不純物を除いた値として定義される。したがって、ニコチンアミドモノヌクレオチドの純度は、式:ニコチンアミドモノヌクレオチドの純度(%)=100−ニコチンアミドモノヌクレオチド以外の不純物(%)により求めることができる。ここで、該不純物としては、図1に示したような、NAD代謝経路に関与するニコチンアミドモノヌクレオチドを除く代謝物、特に、ニコチンアミド、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが挙げられる。本発明で使用されるニコチンアミドモノヌクレオチド中にNAD代謝経路に関与する上記代謝物のような夾雑物が存在すると、ニコチンアミドモノヌクレオチドの生体細胞内への取り込みが減少したりするなどして、結果的に本発明の効果が減弱される恐れがある。なお、NAD代謝経路に関与する上記不純物の定量は、乾燥されたニコチンアミドモノヌクレオチド粉末の試験溶液をHPLC装置に注入し、得られたクロマトグラフのピーク面積を求め、標準試料を用いた絶対検量線法にて行う(縦軸:ピーク面積、横軸:濃度)。微量物質の場合は、ピーク高を用いると精度よく定量できるので、用いる装置の特性に応じて適宜選択する。なお、分離された物質の特定は保持時間により行う。
本発明に係る睡眠障害改善剤は、ニコチンアミドモノヌクレオチドを単独で使用するか、又は他の成分を混合することにより容易に製造される。他の成分は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
他の成分の例としては、睡眠障害改善作用を有するとされる公知の成分である、
ビタミンB12、ビタミンB、トリプトファン、メラトニン、GABA、グリシン等を挙げることができる。また、食品分野で慣用の補助成分である、例えば各種ビタミン類、微量元素、クエン酸、リンゴ酸、香料、無機塩等を他の成分として含めてもよい。
本発明において、その睡眠障害改善作用を増強させる上で特に有効な他の成分として、レスベラトロールが挙げられる。レスベラトロールは、ブドウの果皮、赤ワイン、ピーナッツの皮、イタドリ、グネモン等に含まれる抗酸化物質として知られている。レスベラトロールには、トランス及びシス異性体、トランスーシス異性体混合物、二量体、メチル化レスベラトロール等のレスベラトロール誘導体が含まれる。通常は熱に対して安定なトランス異性体が健康食品等に使用される。また、レスベラトロールは、あらゆる起原原料から抽出、精製して調製されたもののほか、合成的に調製されたものでもよい。
レスベラトロールとニコチンアミドモノヌクレオチドの配合割合については限定されるものではないが、本発明の効果を最大限に引き出す観点からは、成人1日当たりの摂取量において、レスベラトロールが1〜100質量部に対して、ニコチンアミドモノヌクレオチドが1〜25質量部となるように両者の配合割合を調整することが好ましい。
本発明に係る睡眠障害改善剤は、睡眠障害の改善を図るため、主として経口的に摂取される。本発明において、前記睡眠障害には、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症、睡眠関連呼吸障害、睡眠関連運動障害等が含まれる。とりわけ、不眠症の改善を図るため、主として経口的に摂取される。
不眠症は睡眠障害の中でも最も頻度が高いタイプの疾患であり、その症状としては、入眠困難(寝つきが悪い)、熟眠困難(眠りが浅い)、中途覚醒(一晩に3回以上目が覚める)、早朝覚醒(望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう)がある。
過眠症は夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ、起きているのが困難になる状態を意味する。過眠症は、通常、ナルコレプシー(頻回に繰り返される眠気を呈する)、特発性過眠症(夜間睡眠が延長して朝目覚めにくい上、昼間持続的な眠気を呈する)、反復性過眠症(強い眠気を呈する時期(傾眠期)が3日から3週間持続し、自然に回復して全く症状がなくなるが、その後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現する)に分類される。
睡眠時随伴症は睡眠中に起こる望ましくない身体現象の総称であり、ノンレム睡眠に関連している疾患として、寝ぼけ、睡眠時夢中遊行症、睡眠時驚愕症、及びレム睡眠に関連している疾患として、レム睡眠行動障害、反復孤発性睡眠麻痺、悪夢障害等が含まれる。
睡眠関連呼吸障害は睡眠中の呼吸障害により睡眠が質的に悪化する障害であり、閉塞性睡眠時無呼吸症候群がその代表である。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状としては、睡眠中の呼吸停止、いびき、夜中に度々目を覚ます、早朝の頭痛、日中の眠気、集中力の低下、いらいら等が挙げられる。
睡眠関連運動障害は睡眠中に不随意運動を生じ、これによって起こる睡眠障害であり、むずむず脚症候群(下肢の異常感覚)と周期性四肢運動障害(周期的な不随意運動の発生)がその代表である。
前記睡眠障害改善剤の製造方法は特に限定されず、その形態に応じてそれを製造するのに用いられる一般的な製造方法を適宜選択して行えばよい。例えば、形態が粉末剤であれば、ニコチンアミドモノヌクレオチド、及び必要に応じて配合される他の成分を均一に混練して製造することができる。なお、有効成分であるニコチンアミドモノヌクレオチドは市場に流通しており、商業的に入手することができる。特に、ニコチンアミドモノヌクレオチドについては、近年、ニコチンアミドモノヌクレオチドの品質管理体制及び量産体制が確立されている。
本発明に係る睡眠障害改善剤は、食品や医薬品として用いることができる。食品として用いる場合には、該睡眠障害改善剤は、食品分野において、睡眠障害改善用の食品として提供することができる。食品の形態で日常的に摂取すると、睡眠障害改善効果が連続的に発揮されるため、睡眠障害を改善する上で特に有効である。本発明の対象となる食品の種類については特に限定されず、一般の食品のほか、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、食品添加物、飼料、介護食、食事療法食、治療食、ダイエット食等が対象となる。具体的には、菓子類(ガム、キャンディー、クッキー、グミ、ビスケット、ケーキ、チョコレート、和菓子、ゼリー等)、パン、麺類、米・穀類の加工品(シリアル等)、肉類加工品、魚介類加工品、野菜加工品、惣菜、発酵食品、調味料(ソース、ドレッシング、ケチャップ等)、香辛料、乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳等)、アイスクリーム、冷凍食品、レトルト食品、飲料(炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、アルコール飲料、スポーツ飲料、果汁飲料、茶類、栄養飲料、濃縮飲料等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)等が例示される。また、前記食品の形態は限定されず、特に機能性食品や特定保健用食品等の場合には、例えば、粉末剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、ハードカプセル剤、ソフトカプセル剤、ゼリー剤、液剤、ペースト剤等に加工して提供することができる。
前記食品の摂取量については、食品の種類、摂取する対象の年齢、性別、体重、期待される効果、症状等により異なるが、食品に含まれるニコチンアミドモノヌクレオチドの成人1日当たりの摂取量は、通常1mg〜500mg、好ましくは 5mg〜300mg、より好ましくは50mg〜300mgを挙げることができる。1mgよりも少ないと、本発明の効果が得られなくなる恐れがあり、一方、 500mgより多くしても得られる効果は特に変わらず、経済的に不利になる。なお、前記食品中のニコチンアミドモノヌクレオチドの配合割合は食品総重量に対し、100%以下の範囲内で適宜設定することができる。
前記食品は、安全で副作用も特に認められないことから、睡眠障害を改善する目的だけではなく、睡眠障害を予防する目的で長期間にわたって摂取することもできる。したがって、睡眠障害を改善することが望まれる対象だけでなく、睡眠障害を招かないように、健常な対象にも適用することができる。
一方、本発明に係る睡眠障害改善剤は、医薬品分野において、睡眠障害改善用の医薬品(医薬部外品を含む)として経口的あるいは非経口的に投与することができる。該医薬品の剤形は特に制限されるものではないが、例えば、散剤、錠剤、持続性錠剤、チュアブル錠、発泡錠、トローチ剤、バッカル錠、舌下錠、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、ドライシロップ、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口投与製剤、並びに注射剤、輸液、坐剤、外用剤等が挙げられる。これらのうち、服用の容易性や有効成分の安定性等を考慮すると、散剤、錠剤、カプセル剤等の経口投与製剤が好ましい。
前記医薬品には、物理化学的性質、生物学的性質等を考慮して、その剤形に適切な薬学的に許容される公知の製剤用添加剤を適宜配合させることができる。そのような製剤用添加剤としては、例えば、賦形剤(乳糖、デンプン、結晶セルロース、リン酸ナトリウム等)、溶剤(水、大豆油、食塩水、注射用非水性溶剤等)、結合剤(デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(デンプン、カルメロースナトリウム等)、滑沢剤(タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、マクロゴール、ショ糖脂肪酸エステル等)、コーティング剤(白糖、HPC、セラック、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート等)、安定剤(亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン等)、保存剤(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、チメロサール等)、粘稠剤(メチルセルロース、カルメロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、アルギン酸ナトリウム等)、懸濁化剤(各種非イオン性界面活性剤、メチルセルロース、カルメロースナトリウム等)、乳化剤(アラビアゴム、コレステロール、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム等)、緩衝剤(クエン酸、酢酸、リン酸ナトリウム、ホウ酸)、界面活性剤(水素添加ヒマシ油、ポリソルベート80等)、着色剤(水溶性食用色素、レーキ色素等)、矯味剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール等)、矯臭剤(芳香性精油類等)、可塑剤(フタル酸エステル類、植物油、ポリエチレングリコール等)等が例示される。
前記医薬品の投与量については、投与対象者の年齢、体重、症状、投与回数等によって異なり一律に規定することはできないが、該医薬品の投与量として、成人1日当たりの投与されるニコチンアミドモノヌクレオチドの量は、通常1mg〜500mg、好ましくは5mg〜300mg、より好ましくは50mg〜300mgを挙げることができる。1mgよりも少ないと、本発明の効果が得られなくなる恐れがあり、一方、500mgより多くしても得られる効果は特に変わらず、経済的に不利になる。なお、前記医薬品中のニコチンアミドモノヌクレオチドの配合割合については、該医薬品の剤形や投与量等に応じて適宜設定することができる。
前記医薬品の投与回数については、投与対象の年齢、体重、症状、該医薬品の1回当たりの投与量等に応じて適宜設定できる。該医薬品の1日当たりの投与回数の一例として、1〜3回を挙げることができる。
ニコチンアミドモノヌクレオチドは、前述したように、睡眠障害改善効果を有することから、本発明は、さらに、ニコチンアミドモノヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを特徴とする、睡眠障害の改善方法を提供する。すなわち、本発明に係る睡眠障害改善剤を摂取させることにより、摂取させる対象の睡眠障害を改善させる方法である。摂取させる対象としては、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等の哺乳類が好ましく、特にヒトが好ましい。前記方法において、ニコチンアミドモノヌクレオチドの摂取量、1日当たりの摂取回数等については、前記睡眠障害改善剤について説明した通りである。また、前記睡眠障害改善剤は、いついかなる場合にも摂取させることができ、かつ、長期間にわたって対象に摂取させることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
製造例1
市販のニコチンアミドモノヌクレオチドと澱粉を均一に混合し、硬カプセルに充填して、1カプセル当たり、ニコチンアミドモノヌクレオチド25mg、澱粉320mgを含むカプセル剤を製造した。
製造例2
市販のニコチンアミドモノヌクレオチドと澱粉を均一に混合し、硬カプセルに充填して、1カプセル当たり、ニコチンアミドモノヌクレオチド50mg、澱粉292mgを含むカプセル剤を製造した。
製造例3
市販のニコチンアミドモノヌクレオチドと澱粉を均一に混合し、硬カプセルに充填して、1カプセル当たり、ニコチンアミドモノヌクレオチド100mg、澱粉195mgを含むカプセル剤を製造した。
製造例4
市販のニコチンアミドモノヌクレオチドと澱粉を均一に混合し、硬カプセルに充填して、1カプセル当たり、ニコチンアミドモノヌクレオチド150mg、澱粉145mgを含むカプセル剤を製造した。
製造例5
常法により、下記処方に示した市販のニコチンアミドモノヌクレオチド、レスベラトロール等の各成分を均一に混合し、硬カプセルに充填して、1カプセル当たり、ニコチンアミドモノヌクレオチド5mg、レスベラトロール10mgを含む下記処方からなるカプセル剤を製造した。
処方
レスベラトロール 10mg
βニコチンアミドモノヌクレオチド 5mg
豚プラセンタ 1mg
コラーゲン 10mg
ヒアルロン酸 0.125mg
エラスチン 0.013mg
セラミド 0.013mg
長命草 0.125mg
ビタミンC 10mg
アミノ酸ミックス 1.25mg
ビタミンミックス 1.25mg
澱粉 201.225mg
ステアリン酸カルシウム 5mg
微粒二酸化ケイ素 5mg
合計 250mg
実施例1
製造例1で製造したカプセル剤を、寝つきが悪い症状がある被験者14名(男性7名、女性7名、39〜73歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、寝つきが悪い症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例2
製造例1で製造したカプセル剤を、眠りが浅い症状がある被験者13名(男性6名、女性7名、39〜73歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、眠りが浅い症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例3
製造例1で製造したカプセル剤を、一晩に3回以上目が覚める症状がある被験者6名(男性4名、女性2名、50〜73歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、一晩に3回以上目が覚める症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例4
製造例1で製造したカプセル剤を、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状がある被験者6名(男性4名、女性2名、48〜73歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例5
製造例1で製造したカプセル剤を、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状がある被験者4名(男性2名、女性2名、49〜73歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例6
製造例1で製造したカプセル剤を、いびきの症状がある被験者7名(男性7名、女性0名、50〜67歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、いびきの症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
実施例7
製造例1で製造したカプセル剤を、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状がある被験者3名(男性3名、女性0名、63〜67歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状について表1に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表1に示す。
Figure 0006803915
実施例8
製造例2で製造したカプセル剤を、寝つきが悪い症状がある被験者21名(男性12名、女性9名、38〜78歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、寝つきが悪い症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例9
製造例2で製造したカプセル剤を、眠りが浅い症状がある被験者21名(男性12名、女性9名、38〜78歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、眠りが浅い症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例10
製造例2で製造したカプセル剤を、一晩に3回以上目が覚める症状がある被験者18名(男性12名、女性6名、38〜78歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、一晩に3回以上目が覚める症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例11
製造例2で製造したカプセル剤を、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状がある被験者18名(男性12名、女性6名、38〜78歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例12
製造例2で製造したカプセル剤を、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状がある被験者18名(男性11名、女性7名、38〜78歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例13
製造例2で製造したカプセル剤を、いびきの症状がある被験者14名(男性10名、女性4名、38〜76歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、いびきの症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例14
製造例2で製造したカプセル剤を、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状がある被験者10名(男性6名、女性4名、48〜76歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
実施例15
製造例2で製造したカプセル剤を、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状がある被験者5名(男性2名、女性3名、53〜76歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状について表2に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表2に示す。
Figure 0006803915
実施例16
製造例3で製造したカプセル剤を、寝つきが悪い症状がある被験者11名(男性4名、女性7名、42〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、寝つきが悪い症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例17
製造例3で製造したカプセル剤を、眠りが浅い症状がある被験者9名(男性4名、女性5名、42〜74歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、眠りが浅い症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例18
製造例3で製造したカプセル剤を、一晩に3回以上目が覚める症状がある被験者7名(男性3名、女性4名、44〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、一晩に3回以上目が覚める症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例19
製造例3で製造したカプセル剤を、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状がある被験者10名(男性4名、女性6名、42〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例20
製造例3で製造したカプセル剤を、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状がある被験者8名(男性4名、女性4名、44〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例21
製造例3で製造したカプセル剤を、いびきの症状がある被験者7名(男性4名、女性3名、44〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、いびきの症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例22
製造例3で製造したカプセル剤を、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状がある被験者7名(男性2名、女性5名、62〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
実施例23
製造例3で製造したカプセル剤を、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状がある被験者5名(男性0名、女性5名、62〜84歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状について表3に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表3に示す。
Figure 0006803915
実施例24
製造例4で製造したカプセル剤を、寝つきが悪い症状がある被験者18名(男性13名、女性5名、42〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、寝つきが悪い症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例25
製造例4で製造したカプセル剤を、眠りが浅い症状がある被験者18名(男性13名、女性5名、42〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、眠りが浅い症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例26
製造例4で製造したカプセル剤を、一晩に3回以上目が覚める症状がある被験者12名(男性7名、女性5名、42〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、一晩に3回以上目が覚める症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例27
製造例4で製造したカプセル剤を、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状がある被験者14名(男性11名、女性3名、45〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、望ましい時刻より2時間以上早く目覚めてしまう症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例28
製造例4で製造したカプセル剤を、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状がある被験者15名(男性11名、女性4名、45〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、夜間十分に眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例29
製造例4で製造したカプセル剤を、いびきの症状がある被験者15名(男性13名、女性2名、51〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、いびきの症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例30
製造例4で製造したカプセル剤を、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状がある被験者9名(男性7名、女性2名、45〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に下肢に不快感等の異常感覚の症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
実施例31
製造例4で製造したカプセル剤を、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状がある被験者8名(男性7名、女性1名、51〜82歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、睡眠中に起こる望ましくない身体現象(寝ぼけ、睡眠時夢中遊行など)の症状について表4に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表4に示す。
Figure 0006803915
実施例32
製造例5で製造したカプセル剤を、寝つきが悪い自覚症状がある被験者5名(男性3名、女性2名、38〜68歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、寝つきが悪い自覚症状について表5に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表5に示す。
実施例33
製造例5で製造したカプセル剤を、眠りが浅い自覚症状がある被験者5名(男性3名、女性2名、38〜68歳)に対して、1日当たり2カプセルの用量で2か月間継続して服用してもらい、服用開始から2週間後、1か月後、及び2か月後のそれぞれにおいて、眠りが浅い自覚症状について表5に示す基準にて自己評価をしてもらった。各基準に対する評価人数の結果を表5に示す。
Figure 0006803915
以上の結果から分かるように、本発明の睡眠障害改善剤を服用することにより、睡眠障害の改善効果があった(「やや改善した」、「改善した」、「非常に改善した」)とする被験者の割合が非常に高く、これにより本発明の睡眠障害改善剤には睡眠障害改善効果があることが認められた。

Claims (7)

  1. ニコチンアミドモノヌクレオチドを有効成分とする睡眠障害改善剤であって、該睡眠障害改善が、睡眠時随伴症の改善、睡眠関連呼吸障害の改善、又は睡眠関連運動障害の改善である睡眠障害改善剤
  2. 前記睡眠時随伴症が、寝ぼけ又は睡眠時夢中遊行症である請求項1に記載の睡眠障害改善剤
  3. 前記睡眠関連呼吸障害が、いびきである請求項1又は2に記載の睡眠障害改善剤
  4. 前記睡眠関連運動障害が、むずむず脚症候群である請求項1〜3のいずれか1項に記載の睡眠障害改善剤
  5. 睡眠障害改善剤が、睡眠障害改善用の食品である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の睡眠障害改善剤。
  6. 睡眠障害改善剤が、睡眠障害改善用の医薬品である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の睡眠障害改善剤。
  7. ニコチンアミドモノヌクレオチドの有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを特徴とする、睡眠障害の改善方法であって、該睡眠障害改善が、睡眠時随伴症の改善、睡眠関連呼吸障害の改善、又は睡眠関連運動障害の改善である改善方法(ヒトに対する医療行為を除く)。
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