JPWO2014054651A1 - 睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤 - Google Patents
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Abstract
脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する、睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤
Description
本発明は、睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤に関する。
現代社会では不眠に関する悩みを持つ人々が年々増加している。不眠の原因には様々な生理的原因、心理的原因が考えられるが、最近の増加傾向となっているのは心理的原因による不眠であると言われている。不眠の原因の例としては、ストレス社会の中で、様々な悩み事や心配事により、自律神経のバランス回復力が低下した場合などが挙げられる。
このことから、心理的なストレスが高まっている現在の社会環境においては、優れた睡眠効果を有し、さらに鎮静効果を有する組成物が求められていた。
また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がある。通常の睡眠の構成は、脳の休息期であるノンレム睡眠と、体の休息期であるレム睡眠が組み合わされている。健康な成人は、一晩のうちにこのレム睡眠とノンレム睡眠の繰り返しを数回行い、朝の覚醒に至ることが知られている。良好な睡眠は、脳の休息状態であるノンレム睡眠が入眠直後に集中し、かつその時間が長い。しかし、不眠を訴える人の多くは眠りが浅く、脳波による睡眠の測定では、睡眠に満足している人に比べてノンレム睡眠時間が短くなっていることがわかっている。
このような不眠に悩む人の睡眠改善に関わる技術として、天然成分の効果が広く知られている。ヒノキやヒバなどの針葉樹に含まれる香気成分の1つであるセドロールは、総睡眠時間の延長、入眠潜時の短縮、睡眠効率の上昇が認められている(例えば、国際公開公報第01/058435号パンフレット、及び、Pharmacology Biochemistry & Behavior, Vol.17, pp.65-71, 1982参照)。
また、アスタキサンチンを有効成分として含有する脳機能障害改善剤について開示があり、脳機能障害の一例として睡眠障害について記載がある(例えば、特開2007―126455号公報参照)。さらにカロチノイドと赤ワインポリフェノールを組み合わせた組成物が睡眠改善効果を有する旨について記載がある(特開2009−159929号公報参照)。
睡眠改善としては、ただ睡眠時間を増加させるのではなく、熟眠感が求められている。熟眠感は、ノンレム睡眠時間の増加、入眠潜時の短縮、中途覚醒の低下などの睡眠時の鎮静ということにより得られると考えられている。睡眠改善効果としてノンレム睡眠時間の増加効果を有する組成物は、未だかつて得られていないのが現状である。例えば、特開2007―126455号公報には、脳機能障害改善剤がノンレム睡眠時間を増加させる効果を有するといった記載はないため、この文献に記載される脳機能障害改善剤は睡眠改善効果として充分とは言えない。また、特開2009−159929号公報には、カロチノイドと赤ワインポリフェノールを組み合わせた組成物が、睡眠改善効果を有するといった記載はあるが、ノンレム睡眠時間を増加させるといった効果について記載は無いため、この文献に記載される組成物についても睡眠改善効果としては充分とは言えない。
以上のように、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤の開発が望まれていた。
本発明は、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する睡眠改善剤。
[2]脂溶性抗酸化物質がカロチノイドである、[1]に記載の睡眠改善剤。
[3]脂溶性抗酸化物質がアスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の睡眠改善剤。
[4]脂溶性抗酸化物質が、(a)ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種、(b)リン脂質を含有し、かつ、(a)と(b)の質量組成費が同じか又は(a)の方が多いエマルション組成物を乾燥して得られる粉末組成物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[5]二価金属が酵母に取り込まれた形態である、[1]〜[4]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[6]二価金属が亜鉛である、[1]〜[5]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[7]脂溶性抗酸化物質と二価金属との質量比で1:0.01〜1:10である、[1]〜[6]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[8]さらに、水溶性抗酸化物質を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[9]水溶性抗酸化物質が、アスコルビン酸及びその誘導体並びにチオクト酸からなる群より選択される少なくとも1種である、[8]に記載の睡眠改善剤。
[10]水溶性抗酸化物質と脂溶性抗酸化物質との質量比が1:0.01〜1:10である、[8]又は[9]に記載の睡眠改善剤。
[11]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有するノンレム睡眠時間増加剤。
[12]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する鎮静剤。
[1]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する睡眠改善剤。
[2]脂溶性抗酸化物質がカロチノイドである、[1]に記載の睡眠改善剤。
[3]脂溶性抗酸化物質がアスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の睡眠改善剤。
[4]脂溶性抗酸化物質が、(a)ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種、(b)リン脂質を含有し、かつ、(a)と(b)の質量組成費が同じか又は(a)の方が多いエマルション組成物を乾燥して得られる粉末組成物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[5]二価金属が酵母に取り込まれた形態である、[1]〜[4]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[6]二価金属が亜鉛である、[1]〜[5]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[7]脂溶性抗酸化物質と二価金属との質量比で1:0.01〜1:10である、[1]〜[6]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[8]さらに、水溶性抗酸化物質を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の睡眠改善剤。
[9]水溶性抗酸化物質が、アスコルビン酸及びその誘導体並びにチオクト酸からなる群より選択される少なくとも1種である、[8]に記載の睡眠改善剤。
[10]水溶性抗酸化物質と脂溶性抗酸化物質との質量比が1:0.01〜1:10である、[8]又は[9]に記載の睡眠改善剤。
[11]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有するノンレム睡眠時間増加剤。
[12]脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する鎮静剤。
本発明によれば、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤が提供できる。
本発明の睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤は、脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する。
即ち、本発明では、脂溶性抗酸化物質と、二価金属とを組み合わせることにより、脂溶性抗酸化物質及び二価金属のそれぞれを単独で用いた場合には得られない、優れた熟眠感、ノンレム睡眠時間の増加、又は鎮静効果が得られる。
即ち、本発明では、脂溶性抗酸化物質と、二価金属とを組み合わせることにより、脂溶性抗酸化物質及び二価金属のそれぞれを単独で用いた場合には得られない、優れた熟眠感、ノンレム睡眠時間の増加、又は鎮静効果が得られる。
これを更に説明すれば、一般に、睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されており、眠りについてから約3時間の間に、深くぐっすりと眠っている状態であるノンレム睡眠が集中する。睡眠障害の1つは、この深いノンレム睡眠が無くなる、あるいは短くなることが原因で起こり、睡眠の質の低下を呼び起こす。また、不眠症の場合に、入眠潜時が長いこと又は中途覚醒が頻繁に起こることもあり、この場合も同様に睡眠の質が低下する。
本発明の睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤又は鎮静剤を用いると、ノンレム睡眠時間を増加させることができ、入眠潜時の短縮、中途覚醒の低下、及び良好な覚醒により、熟眠感が得られ、起床時の覚醒も良くなり、結果として睡眠の質を向上することができる。
本発明の睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤又は鎮静剤を用いると、ノンレム睡眠時間を増加させることができ、入眠潜時の短縮、中途覚醒の低下、及び良好な覚醒により、熟眠感が得られ、起床時の覚醒も良くなり、結果として睡眠の質を向上することができる。
本発明において「睡眠改善」とは、熟眠感が高いことを意味し、ノンレム睡眠時間の増加と、睡眠時鎮静とを包含する。本発明において「鎮静」とは、睡眠時の鎮静のことであり、入眠潜時の短縮、中途覚醒の低下、及び良好な覚醒を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに。本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに。本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の睡眠改善剤は、脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する。
本発明における脂溶性抗酸化物質としては、20℃条件下での水への溶解度が0.5g/L未満である成分が好ましい。脂溶性抗酸化物質として具体的には、カロチノイド、脂溶性ビタミン、脂溶性ビタミン様物質、ω−3油脂等が挙げられる。中でも、カロチノイド、及び脂溶性ビタミン様物質からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、カロチノイドが最も好ましい。
本発明における脂溶性抗酸化物質としては、20℃条件下での水への溶解度が0.5g/L未満である成分が好ましい。脂溶性抗酸化物質として具体的には、カロチノイド、脂溶性ビタミン、脂溶性ビタミン様物質、ω−3油脂等が挙げられる。中でも、カロチノイド、及び脂溶性ビタミン様物質からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、カロチノイドが最も好ましい。
カロチノイドとしては、炭化水素類(カロテン類)及びこれらの酸化アルコール誘導体類(キサントフィル類)並びにこれらのエステル誘導体が挙げられる。本発明では特に断らない限り、これらの化合物を含めて「カロチノイド」と称する。
カロチノイドとしては、天然色素を含むカロチノイドを好ましく用いることができる。本発明に適用しうるカロチノイドとしては、黄色から赤のテルペノイド類の色素であり、植物類、藻類、及びバクテリアのものが挙げられる。また、カロチノイドは天然由来のものに限定されず、合成又は生合成で得られたカロチノイでもよい。カロチノイドとしては、アクチニオエリスロール、アスタキサンチン、ビキシン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、β−8’−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12’−アポ−カロテナール、α−カロテン、β−カロテン、”カロテン”(α−及びβ−カロテン類の混合物)、γ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、ルテイン、リコピン、ビオラキサンチン、ゼアキサンチンなどを挙げることができる。これらカロチノイドは、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を含有するもののエステル誘導体であってもよい。
本発明におけるカロチノイドとしては、睡眠改善効果の観点から、黄色から赤色の範囲の着色料として知られているアスタキサンチンであることが好ましい。アスタキサンチンは、アスタキサンチンを含有する天然物から分離又は抽出したアスタキサンチン含有オイル中の成分として、本発明の睡眠改善剤に含まれてもよい。このようなアスタキサンチン含有オイルとしては、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などを培養し、その培養物からの抽出物、ナンキョクオキアミ、オキアミ粉末、海老の眼の粉末、鮭身乾燥粉末などからの抽出物を挙げることができる。
本発明における脂溶性抗酸化物質は、(a)ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種、(b)リン脂質を含有し、(a)と(b)の組成比が、同じか又は(a)の方が多い比であるエマルション組成物の形態で用いてもよく、該エマルション組成物を乾燥して得られる粉末組成物として用いることも好ましい。特に、脂溶性抗酸化物質としてアスタキサンチンのようなカロチノイドを用いる場合に、このようなエマルション組成物又は粉末組成物とすると、体内での脂溶性抗酸化物質の吸収性が上がるため好ましい。
(a)ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種
本発明における脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物又はこれを乾燥して得られる粉末組成物は、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルはいずれも界面活性剤として作用すると共に、エマルション組成物としたときのエマルション粒子の平均粒子径をより小さいものにすることができる。
本発明における脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物又はこれを乾燥して得られる粉末組成物は、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルはいずれも界面活性剤として作用すると共に、エマルション組成物としたときのエマルション粒子の平均粒子径をより小さいものにすることができる。
本発明に用いることのできるショ糖脂肪酸エステルとしては、界面活性能の観点から脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。炭素数12以上とすることにより、平均粒子径のより小さいエマルション粒子にすることができる場合がある。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル。ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルなどを挙げることができ、これらの中でもショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルが好ましく、特にショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステルがより好ましい。
本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを単独又は混合して用いることができる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル。ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルなどを挙げることができ、これらの中でもショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルが好ましく、特にショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステルがより好ましい。
本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを単独又は混合して用いることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、三菱化学フーズ(株)社製リョートーシュガーエステルS−070、S−170、S−270、S−370、S−370F、S−570、S−770、S−970、S−1170、S−1170F、S−1570、S−1670、P−070、P−170、P−1570、P−1670、M−1695、O−170、O−1570、OWA−1570、L−195、L−595、L−1695、LWA−1570、B−370、B−370F、ER−190、ER−290、POS−135、第一工業製薬(株)社製の、DKエステルSS、F160、F140、F110、F90、F70、F50、F−A50、F−20W、F−10、F−A10E、コスメライクB−30、S−10、S−50、S−70、S−110、S−160、S−190、SA−10、SA−50、P−10、P−160、M−160、L−10、L−50、L−160、L−150A、L−160A、R−10、R−20、O−10、O−150などを挙げることができる。
本発明に用いることのできるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が2以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸とのエステルを挙げることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸グリセリル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサングリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステルなどを挙げることができる。これらの中でも、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(HLB=14)、デカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB=16)が好ましい。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸グリセリル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサングリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステルなどを挙げることができる。これらの中でも、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB=12)、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル(HLB=14)、デカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB=16)が好ましい。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL DGMS,NIKKOL DGMO−CV,NIKKOL DGMO−90V,NIKKOL DGDO,NIKKOL DGMIS,NIKKOL DGTIS,NIKKOL Tetraglyn 1−SV,NIKKOL Tetraglyn 1−O,NIKKOL Tetraglyn 3−S,NIKKOL Tetraglyn 5−S,NIKKOL Tetraglyn 5−O,NIKKOL Hexaglyn 1−L,NIKKOL Hexaglyn 1−M,NIKKOL Hexaglyn 1−SV,NIKKOL Hexaglyn 1−O,NIKKOL Hexaglyn 3−S,NIKKOL Hexaglyn 4−B,NIKKOL Hexaglyn 5−S,NIKKOL Hexaglyn 5−O,NIKKOL Hexaglyn PR−15,NIKKOL Decaglyn 1−L,NIKKOL Decaglyn 1−M,NIKKOL Decaglyn 1−SV,NIKKOL Decaglyn 1−50SV,NIKKOL Decaglyn 1−ISV,NIKKOL Decaglyn 1−O,NIKKOL Decaglyn 1−OV,NIKKOL Decaglyn 1−LN,NIKKOL Decaglyn 2−SV,NIKKOL Decaglyn 2−ISV,NIKKOL Decaglyn 3−SV,NIKKOL Decaglyn 3−OV,NIKKOL Decaglyn 5−SV,NIKKOL Decaglyn 5−HS,NIKKOL Decaglyn 5−IS,NIKKOL Decaglyn 5−OV,NIKKOL Decaglyn 5−O−R,NIKKOL Decaglyn 7−S,NIKKOL Decaglyn 7−O,NIKKOL Decaglyn 10−SV,NIKKOL Decaglyn 10−IS,NIKKOL Decaglyn 10−OV,NIKKOL Decaglyn 10−MAC,NIKKOL Decaglyn PR−20,三菱化学フーズ(株)社製リョートーポリグリエステルL−7D、L−10D、M−10D、P−8D、SWA−10D、SWA−15D、SWA−20D、S−24D、S−28D、O−15D、O−50D、B−70D、B−100D、ER−60D、LOP−120DP、DS13W、DS3、HS11、HS9、TS4、TS2、DL15、DO13、太陽化学(株)社製サンソフトQ−17UL、サンソフトQ−14S、サンソフトA−141C、理研ビタミン(株)社製ポエムDO−100、ポエムJ−0021などを挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の成分は、アスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物の全質量に対して、乳化安定性及び再溶解後の保存安定性の観点から好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは1質量%〜30質量%であり、さらに好ましくは1質量%〜10質量%である。
アスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物は、これらのショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、いずれか一方を含んでいればよく、より粉末組成物とした際の保存安定性を向上させる観点から、これらを併用することが好ましい。これらのショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを併用する場合には、特に制限はないが、粉末組成物とした際の保存安定性を向上させる観点から、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの質量比は、1:9〜9:1であることが好ましく、2:8〜8:2であることがより好ましい。
これらのショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB値が8以上を有するものが好ましく、10以上を有するものがより好ましく、12以上を有するものがさらに好ましい。HLB値の上限値は、特に限定されないが、一般的には18以下であり、17以下が好ましい。
ここで、HLB値は通常の界面活性剤の分野でしようされる親水性―疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式などが使用できる。本発明においては、下記の川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
ここで、Mwは親水基の分子量、M0は疎水基の分子量である。
また、カタログなどに記載されているHLB値の数値を使用することができる。
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
ここで、Mwは親水基の分子量、M0は疎水基の分子量である。
また、カタログなどに記載されているHLB値の数値を使用することができる。
(b)リン脂質
本発明における脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物又はこれを乾燥して得られる粉末組成物はリン脂質を含有することが好ましい。
本発明に用いることのできるリン脂質としては、グリセリンを含まないグリセロリン脂質、スフィンゴイド塩基を含むスフィンゴリン脂質を挙げることができ、グリセロリン脂質が好ましい。
本発明における脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物又はこれを乾燥して得られる粉末組成物はリン脂質を含有することが好ましい。
本発明に用いることのできるリン脂質としては、グリセリンを含まないグリセロリン脂質、スフィンゴイド塩基を含むスフィンゴリン脂質を挙げることができ、グリセロリン脂質が好ましい。
本発明に用いることのできるグリセロリン脂質としては、ホスファチジン酸、ビスホスファチジン酸、レシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセリン、ジホスファチジルグリセリン(カルジオリピン)などの成分を挙げることができる。これらの成分を含む大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦などの植物由来のもの、卵黄、牛などの動物由来のもの、及び大腸菌などの微生物由来の各種レシチンなどを挙げることができる。
また、本発明においては、グリセロリン脂質として、酵素分解した結果、1分子内に一つの脂肪酸残基を有するグリセロリン脂質、即ちリゾレシチンも含まれる。
このようなリゾレシチンは、酸又はアルカリ触媒によるレシチンの加水分解により得ることができるが、ホスホリパーゼA1又はA2によるレシチンの加水分解により得ることもできる。
このようなリゾレシチンとしては、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルグリセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)、リゾホスファチジルセリンなどを挙げることができる。
このようなリゾレシチンは、酸又はアルカリ触媒によるレシチンの加水分解により得ることができるが、ホスホリパーゼA1又はA2によるレシチンの加水分解により得ることもできる。
このようなリゾレシチンとしては、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルグリセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)、リゾホスファチジルセリンなどを挙げることができる。
また更に、上記のレシチンに代表されるグリセロリン脂質としては、水素添加又はヒドロキシル化されたものも、本発明において用いることができる。
水素添加は、例えば、レシチンを触媒の存在下に水素と反応させることにより行われ、脂肪酸部分の不飽和結合が水素添加される。水素添加により、レシチンの酸化安定性が向上する。
ヒドロキシル化は、レシチンを高濃度の過酸化水素と酢酸、酒石酸、酪酸などの有機酸と共に加熱することにより、脂肪酸部分の不飽和結合が、ヒドロキシル化される。ヒドロキシル化により、レシチンの親水性が改良される。
水素添加は、例えば、レシチンを触媒の存在下に水素と反応させることにより行われ、脂肪酸部分の不飽和結合が水素添加される。水素添加により、レシチンの酸化安定性が向上する。
ヒドロキシル化は、レシチンを高濃度の過酸化水素と酢酸、酒石酸、酪酸などの有機酸と共に加熱することにより、脂肪酸部分の不飽和結合が、ヒドロキシル化される。ヒドロキシル化により、レシチンの親水性が改良される。
リン脂質の中でも、アスタキサンチンを含有するエマルション組成物を粉末にした際の保存安定性の観点から、1分子に二つの脂肪酸残基を有するものであることが好ましく、具体的にはレシチンが好ましい。
レシチンは、分子内に親水基と疎水基を有していることから、食品、医薬品、化粧品分野で、広く乳化剤として使用されている。
リン脂質の含有量は、アスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物の全質量に対して、乳化安定性及び再溶解後の保存安定性の観点から好ましくは0.1質量%〜5質量、より好ましくは0.2質量%〜3質量%である。
リン脂質の含有量を0.1質量%以上とすることにより、アスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含有するエマルション組成物の安定性が良好となる傾向がある。
リン脂質の含有量を0.1質量%以上とすることにより、アスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含有するエマルション組成物の安定性が良好となる傾向がある。
本発明におけるアスタキサンチン等の脂溶性抗酸化物質を含むエマルション組成物に含まれるショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種と、リン脂質の質量組成比は、エマルション組成物の微細化及び乳化安定性に適切な量という観点から、1:1〜100:1であることが好ましく、2:1〜50:1であることがより好ましく、3:1〜10:1であることがさらに好ましい。
本発明の睡眠改善剤における脂溶性抗酸化物質の使用量としては、睡眠改善効果に有効な量であればよい。脂溶性抗酸化物質の使用量は、具体的には、1日あたり、1mg〜1000mgが好ましく、より好ましくは2mg〜300mgであり、さらに好ましくは3mg〜100mgである。
本発明における二価金属とは、二価の価数を取り得る金属を意味する。二価金属としては、具体的には、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、セレン、クロム、マンガン、銅、モリブデン等が挙げられる。中でも、二価金属としては、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、セレン、及びクロムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、より好ましくは、カルシウム、マグネシウム、セレン、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種である。亜鉛は、脂溶性抗酸化物質と組み合わせることでノンレム睡眠量を飛躍的に増加させる効果を有するため、特に好ましい。
二価金属の使用量としては、睡眠改善効果に有効な量であればよく、具体的には、二価金属量として、1日あたり、1mg〜300mgが好ましく、より好ましくは2mg〜100mgであり、さらに好ましくは3mg〜50mgである。
二価金属は、組成物中に単体として存在していてもよく、タンパク質などとの結合状態として存在していてもよく、イオンの状態で存在していてもよく、酵母に取り込まれている形態(ミネラル酵母)であってもよい。二価金属としては、酵母に取り込まれている形態(ミネラル酵母)であることが好ましい。また、二価金属はグルコン酸塩などの塩形態(例えば、グルコン酸亜鉛)で用いてもよい。
ミネラル酵母とは、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、セレン、クロム、マンガン、銅、モリブデン等)を高濃度に添加した培地で酵母を培養することにより、菌体内にミネラルを吸収させた酵母のことを指す。これらのミネラル酵母は、ミネラルを添加した培地で酵母を培養し、集菌した後、濃縮、殺菌、乾燥などの工程を経て得られる。また、ミネラル酵母としては、市販されているものを用いることができる。使用される酵母としては、Saccharomyces(サッカロミセス)属、Mycotorula(ミコトルラ)属、Torulopsis(トルロプシス)属など、パン酵母、ビール酵母、ぶどう酒酵母、清酒酵母、アルコール酵母、味噌醤油酵母などの食用酵母のほか、種々の種類の酵母を挙げることができる。
このようなミネラル酵母は、ミネラルが酵母の菌体内に取り込まれているため、金属味を感じることなく摂取できる。さらに、ミネラル酵母は、酵母菌体内にミネラルを取り込ませることにより、ミネラルがタンパク質と結合して有機体となっているため、ヒトを含む哺乳類に適用した場合、体内での吸収が無機ミネラルと比べて向上する。
二価金属を酵母に取り込まれた形態で使用する場合、使用量としては、一日あたり、二価金属を取り込んだ酵母の質量として、5mg〜6000mgが好ましく、より好ましくは20mg〜2000mgであり、さらに好ましくは25mg〜300mgである。
本発明において、脂溶性抗酸化物質と二価金属との質量比は、睡眠改善効果の観点から、1:0.01〜1:10が好ましく、より好ましくは1:0.1〜1:5である。なお、この場合の二価金属の質量は、その形態にかかわらず、二価金属量としての質量を意味する。
本発明の睡眠改善剤は、さらに水溶性抗酸化物質を含有することができる。水溶性抗酸化物質を含有することで、脂溶性抗酸化物質の安定性が高まり、結果的として更なる睡眠改善効果が期待できる。
本発明における水溶性抗酸化物質は、20℃条件下での水への溶解度が0.5g/L以上である成分が好ましい。水溶性抗酸化物質として具体的には、アスコルビン酸又はその誘導体、チオクト酸、カテキン、及びフラボノイドからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくは、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにチオクト酸からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本発明における水溶性抗酸化物質は、20℃条件下での水への溶解度が0.5g/L以上である成分が好ましい。水溶性抗酸化物質として具体的には、アスコルビン酸又はその誘導体、チオクト酸、カテキン、及びフラボノイドからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくは、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにチオクト酸からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
アスコルビン酸又はその誘導体は、一般的に用いられている合成物及び天然成分由来の抽出物など、特に限定されない。
アスコルビン酸又はその誘導体としては、水溶性アスコルビン酸又はその誘導体であることが好ましい。
このようなアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、アスコルビル−2−グルコシド等が挙げられる。また、エリソルビン酸又はその誘導体、例えばエリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム、エリソルビン酸カルシウム、リン酸エリソルビン酸、硫酸エリソルビン酸等も、本発明におけるアスコルビン酸又はその誘導体に含むことができる。
アスコルビン酸又はその誘導体としては、水溶性アスコルビン酸又はその誘導体であることが好ましい。
このようなアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、アスコルビル−2−グルコシド等が挙げられる。また、エリソルビン酸又はその誘導体、例えばエリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム、エリソルビン酸カルシウム、リン酸エリソルビン酸、硫酸エリソルビン酸等も、本発明におけるアスコルビン酸又はその誘導体に含むことができる。
これらのアスコルビン酸又はその誘導体は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、L−アスコルビン酸(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、L−アスコルビン酸Na(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、アスコルビン酸2−グルコシド(商品名 AA−2G:林原生物化学研究所)、L−アスコルビン酸燐酸Mg(商品名 アスコルビン酸PM「SDK」(昭和電工)、商品名 NIKKOL VC−PMG(日光ケミカルズ)、商品名 シーメート(武田薬品工業))などが挙げられる。
アスコルビン酸又はその誘導体の使用量としては、有効成分の睡眠改善効果の向上に有効な量であればよい。アスコルビン酸又はその誘導体の使用量として具体的には、一日あたり、5mg〜2000mg、好ましくは、30mg〜500mgとすることができる。
本発明におけるチオクト酸は、α−リポ酸ともいい、一般的に用いられている合成物及び天然成分由来の抽出物など、特に限定されない。
チオクト酸としてはそのまま紛体として用いてもよいが、乳化剤と共存させて水溶液に容易に分散可能とすることが好ましい。乳化剤を用いた分散方法としては、特開2007−16000号公報に記載の方法などをとることができる。
チオクト酸はシクロデキストリンの包接体として使用することが好ましい。これにより他の抗酸化物質との接触による反応を防止し、経時安定性が改善される。チオクト酸をシクロデキストリンに包接させる方法としては、特開2006−169253号公報に記載されているような一般的な方法を用いることができる。
チオクト酸としてはそのまま紛体として用いてもよいが、乳化剤と共存させて水溶液に容易に分散可能とすることが好ましい。乳化剤を用いた分散方法としては、特開2007−16000号公報に記載の方法などをとることができる。
チオクト酸はシクロデキストリンの包接体として使用することが好ましい。これにより他の抗酸化物質との接触による反応を防止し、経時安定性が改善される。チオクト酸をシクロデキストリンに包接させる方法としては、特開2006−169253号公報に記載されているような一般的な方法を用いることができる。
チオクト酸の使用量としては、有効成分の睡眠改善効果の向上に有効な量であればよく、具体的には、1日あたり1mg〜1000mgが好ましく、さらに好ましくは3mg〜200mgである。
本発明において、水溶性抗酸化物質と脂溶性抗酸化物質との質量比は、有効成分の睡眠改善効果の観点から、1:0.01〜1:10であることが好ましく、より好ましくは1:0.1〜1:5である。
本発明の睡眠改善剤は、食品及び医薬品に適用することが好ましい。ここで食品としては、飲料(粉末飲料、酒類などを含む)、冷菓、あるいは、おにぎり、サンドイッチ、スープ、カップ麺、雑炊などの加工食品など、医薬品としては、栄養ドリンク、滋養強壮剤などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の睡眠改善剤には、食品及び医薬品に添加可能な任意の成分を、さらに添加することができる。
溶液状とする場合に好ましく用いられる担体としては、水などの水性媒体を挙げることができる。固形状にするために好ましく用いられる添加成分としては、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウムのような賦形剤、コーンスターチ、アルギン酸のような膨化剤を用いることができる。
溶液状とする場合に好ましく用いられる担体としては、水などの水性媒体を挙げることができる。固形状にするために好ましく用いられる添加成分としては、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウムのような賦形剤、コーンスターチ、アルギン酸のような膨化剤を用いることができる。
さらに食品及び医薬品に添加可能な任意の成分として、低吸湿原料、吸湿剤を用いることができる。好ましくは低吸湿性原料としてセルロース、粉末セルロース、微結晶セルロース、乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、トレハロース、ステアリン酸カルシウムなどが用いられる。吸湿剤としてはケイ酸塩、炭酸マグネシウム、フェロシアン化物、多糖類などが用いられる。より好ましくは低吸湿性原料として結晶セルロース、微結晶セルロース、乳糖が用いられる。また、粉末、固形剤又は液剤に成型するのに必要な化合物として、エリスリトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルクなどが挙げられる。
本発明の睡眠改善剤は、投与形態は特に制限されず、経口又は非経口で投与することができる。経口用の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル製剤、顆粒、細粒などの固形服用形態、シロップ及び懸濁液などの液体服用形態で服用することができる。非経口の剤形としては、注射剤、点眼剤、貼付剤、軟膏剤、坐剤の形態で投与することができる。本発明の睡眠改善剤の投与形態としては、経口服用が好ましく、服用が容易であるという観点から、カプセル製剤での固形服用形態が好ましい。
本発明の睡眠改善剤をカプセル製剤とする場合、硬カプセル、軟カプセル、マイクロカプセル、シームレスカプセルなどの形態であってもよい。これらのカプセル製剤は、カプセル皮膜が、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーの一種又は二種以上によって構成されていることが好ましい。これらのカプセル皮膜は周知慣用の方法で調製することができる。ここで、カプセル皮膜が、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーで構成されているとは、カプセル皮膜の全体質量に対して、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーの総量が30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上であることを意味する。なお、本発明の効果を損なわない限り、牛皮ゼラチンなどの他の材料をカプセル皮膜に含んでもよい。
天然親水性ポリマーは、天然の動植物などを由来として精製又は合成して得られる親水性ポリマー又はその加工ポリマーであって、アルギン酸又はその塩、寒天ゴム、グアーゴム、イナゴマメゴム、タラゴム、ガッティゴム、カーヤグランディフォリアゴム、トラガントゴム、カラヤゴム、ペクチン、アラビアゴム、キサンタンゴム、ジェランゴム、デンプン、コンニャクマンナン、ガラクトマンナン、フノラン、アセタンゴム、ウエラン、ラムサン、フルセラン、スクシノグリカン、スクレノグリカン、スキゾフィラン、タマリンドゴム、カードラン、カラギナン、プルラン、及びデキストランからなる群より選ばれる少なくとも一種などが例示できる。これらの天然親水性ポリマーは二種以上を組み合わせて用いてもよく、天然親水性ポリマーと上記した豚皮ゼラチンなどとを組み合わせることもできる。これらの天然親水性ポリマーは天然物を加工したものであってもよい。なかでも天然親水性ポリマーとして特に好ましくは、プルラン、カラギナン、及びデキストランからなる群より選択される少なくとも1種であり、特に好ましくはカラギナンである。
豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、それぞれ、豚皮、豚骨、魚を原料として得られる蛋白質を温水抽出した蛋白質をいう。本発明における豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、例えば、豚皮、豚骨、スズキ目、鱈、鮪、深海魚などの魚を、酸又はアルカリで処理した後に、処理物を水中で加温して抽出を行い抽出物を得ること、得られた抽出物をイオン交換処理工程を経て精製することで得ることができる。
豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、それぞれ、豚皮、豚骨、魚を原料として得られる蛋白質を温水抽出した蛋白質をいう。本発明における豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、例えば、豚皮、豚骨、スズキ目、鱈、鮪、深海魚などの魚を、酸又はアルカリで処理した後に、処理物を水中で加温して抽出を行い抽出物を得ること、得られた抽出物をイオン交換処理工程を経て精製することで得ることができる。
豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーは、酵素処理などによって低分子化することができる。豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーの平均分子量は適宜選択することができるが、通常1万〜500万、好ましくは1万〜500万、より好ましくは1万〜250万、さらに好ましくは1万〜100万、特に好ましくは1万〜50万程度である。
カプセル製剤に用いるカプセル皮膜には、上記した特定の動植物などを由来とする原料のみならず、さらに油脂、多価アルコール、界面活性剤、酸化防止剤、色素、香料などが含まれてもよい。油脂としては、例えば、月見草油、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、胚芽油、菜種油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、米ぬか油、ココアバターなどの天然油やこれらの硬化油、脂肪酸のグリセリド(グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等)など、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなど、界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤など、色素としては、カロチノイド系色素、アントシアニン系色素、カカオ色素、アントラノン系色素、カラメル色素などが挙げられる。なかでも、カプセル製剤の安定化をより向上することができる点で、カプセル皮膜への油脂、多価アルコール、界面活性剤、天然色素の添加が好適である。
本発明の睡眠改善剤は、有効量の各成分を配合した、上述したような製剤としての形態をとることができる。例えば、1日あたり1回の投与形態として、1mg〜1000mgの脂溶性抗酸化物質及び1mg〜300mgの二価金属を含有する睡眠改善剤としてもよい。
また、1mg〜1000mgの脂溶性抗酸化物質及び1mg〜300mgの二価金属を含有し、脂溶性抗酸化物質と二価金属との質量比が1:0.01〜1:10である睡眠改善剤としてもよい。
また、1mg〜1000mgの脂溶性抗酸化物質及び1mg〜300mgの二価金属を含有し、脂溶性抗酸化物質と二価金属との質量比が1:0.01〜1:10である睡眠改善剤としてもよい。
本発明の睡眠改善剤は、服用することで良好な熟眠感を得ることができる。睡眠改善剤を服用するタイミングとしては、就寝前に服用することが好ましく、より好ましくは就寝前0.5時間〜6時間に服用することであり、さらに好ましくは1時間〜3時間前に服用することがよい。
本発明の睡眠改善剤は、服用者の年齢・体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤は、脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する。本発明のノンレム睡眠時間増加剤は、服用することでノンレム睡眠量を増加させることができる。ノンレム睡眠時間増加剤を服用するタイミングとしては、就寝前に服用することが好ましく、より好ましくは就寝前0.5〜6時間に服用することであり、さらに好ましくは1〜3時間前に服用することがよい。
本発明におけるノンレム睡眠時間増加剤は、服用者の年齢・体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤におけるその他の事項については、本発明の睡眠改善剤において説明した事項をすべて適用する。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤におけるその他の事項については、本発明の睡眠改善剤において説明した事項をすべて適用する。
本発明の鎮静剤は、睡眠時における鎮静剤であり、脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する。本発明の鎮静剤は、睡眠においてヒトを含む哺乳類の精神を鎮静させ、緊張状態を緩和したり、ストレスを軽減することで、リラックス効果を得ることができる。
本発明における鎮静剤を就寝前に服用すると、リラックス効果により入眠をスムーズにし、入眠潜時の短縮や中途覚醒の低下、起床時の良好な覚醒といった効果も得られる。そのため、服用するタイミングとしては、就寝前であることが好ましい。より好ましくは就寝前0.5時間〜6時間の服用であり、さらに好ましくは1時間〜3時間前に服用するとよい。
本発明の鎮静剤は、服用者の年齢・体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明の鎮静剤におけるその他の事項については、本発明の睡眠改善剤において説明した事項をすべて適用する。
本発明の鎮静剤におけるその他の事項については、本発明の睡眠改善剤において説明した事項をすべて適用する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
<実施例1、比較例1〜2>
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後12週、体重24−27g)をSLCより購入。
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後12週、体重24−27g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下で、マウス用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下で、マウス用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
(iii)脳波・筋電位測定用電極の処置手術と測定装置への接続
マウスに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに10日おいて回復させた。その後、マウスを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
マウスに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに10日おいて回復させた。その後、マウスを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
(iv)サンプル調製・投与
表1記載の各原材料を含有する組成物を実施例サンプル(実施例1)として作製し、投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は、16:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=7〜8)。なお、比較例1では表1記載の組成物を用い、比較例2では水を用いて、それぞれ比較例サンプルとし、それぞれマウスに投与量10g/kgで経口投与した。なお、表1中の数値はmg単位であり、ビール酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。
表1記載の各原材料を含有する組成物を実施例サンプル(実施例1)として作製し、投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は、16:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=7〜8)。なお、比較例1では表1記載の組成物を用い、比較例2では水を用いて、それぞれ比較例サンプルとし、それぞれマウスに投与量10g/kgで経口投与した。なお、表1中の数値はmg単位であり、ビール酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。
(v)脳波・筋電位の記録と解析
脳波及び筋電位は、増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は、脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
脳波及び筋電位は、増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は、脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
2.結果
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を表2に、及び投与後12時間のノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を図1A〜図1Cにそれぞれ示す。
実施例1では、投与量10g/kgおいて、比較例1及び2に比べて有意にノンレム睡眠時間を延長する効果が見られた。また実施例1では入眠までの時間の短縮も見られた。
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を表2に、及び投与後12時間のノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を図1A〜図1Cにそれぞれ示す。
実施例1では、投与量10g/kgおいて、比較例1及び2に比べて有意にノンレム睡眠時間を延長する効果が見られた。また実施例1では入眠までの時間の短縮も見られた。
<実施例2〜4、比較例3及び4>
1.方法
(i)使用動物
Sprague−Dawleyラット(オス、生後8週、体重250−280g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
ラットは防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。ラットには、12時間ごとの明暗周期(午前8時より明期開始)下で、ラット用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
1.方法
(i)使用動物
Sprague−Dawleyラット(オス、生後8週、体重250−280g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
ラットは防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。ラットには、12時間ごとの明暗周期(午前8時より明期開始)下で、ラット用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
(iii)脳波・筋電位測定用電極の処置手術と測定装置への接続
ラットに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに10日おいて回復させた。その後、ラットを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
ラットに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに10日おいて回復させた。その後、ラットを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
(iv)サンプル調製・投与
表3記載の各原材料を含有する組成物1〜3を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製した。なお、表3の数値はmg単位であり、ビール酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。実施例2〜4では、表4に示す組成物(組成物1又は2)を、投与量6g/kg又は3g/kgでゾンデ針を用いてラットに経口投与した。投与は、20:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプル又は比較例サンプルを投与することで行なった(n=6〜7)。なお、比較例3では水を用い、比較例4では組成物3を用いて、それぞれラットに投与量3g/kgで経口投与した。
表3記載の各原材料を含有する組成物1〜3を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製した。なお、表3の数値はmg単位であり、ビール酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。実施例2〜4では、表4に示す組成物(組成物1又は2)を、投与量6g/kg又は3g/kgでゾンデ針を用いてラットに経口投与した。投与は、20:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプル又は比較例サンプルを投与することで行なった(n=6〜7)。なお、比較例3では水を用い、比較例4では組成物3を用いて、それぞれラットに投与量3g/kgで経口投与した。
(v)脳波・筋電位の記録と解析
脳波及び筋電位は、増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は、脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
脳波及び筋電位は、増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は、脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
2.結果
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間を表4に示す。
実施例2〜4では、投与量6g/kg及び3g/kgのいずれにおいても、比較例に比べて有意にノンレム睡眠時間を延長する効果が見られた。また実施例2〜4では入眠までの時間の短縮も見られた。
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間を表4に示す。
実施例2〜4では、投与量6g/kg及び3g/kgのいずれにおいても、比較例に比べて有意にノンレム睡眠時間を延長する効果が見られた。また実施例2〜4では入眠までの時間の短縮も見られた。
<実施例5、比較例5>
1.方法
(i)ヒト試験
健康な成人男性3名
(ii)サンプル調製・投与
下記組成物4又は比較例用原料(結晶セルロース、230mg)をゼラチンカプセルに充填し、実施例サンプルと比較例サンプル(実施例5及び比較例5)とを作製した。被験者全員に、就寝30分前に、実施例サンプル及び比較例サンプルのどちらか一方を4カプセルと水100mlとを一緒に摂取させた。サンプル投与試験は、初めにプラセボサンプルを月曜日から連続で1週間摂取し、1週間間隔をあけて実施例サンプル又は比較例サンプルを1週間摂取することで行なった。各サンプル投与試験について、サンプル摂取中の症状を下記の評価基準で評価した。結果を平均値で示す(表5)。
1.方法
(i)ヒト試験
健康な成人男性3名
(ii)サンプル調製・投与
下記組成物4又は比較例用原料(結晶セルロース、230mg)をゼラチンカプセルに充填し、実施例サンプルと比較例サンプル(実施例5及び比較例5)とを作製した。被験者全員に、就寝30分前に、実施例サンプル及び比較例サンプルのどちらか一方を4カプセルと水100mlとを一緒に摂取させた。サンプル投与試験は、初めにプラセボサンプルを月曜日から連続で1週間摂取し、1週間間隔をあけて実施例サンプル又は比較例サンプルを1週間摂取することで行なった。各サンプル投与試験について、サンプル摂取中の症状を下記の評価基準で評価した。結果を平均値で示す(表5)。
<評価基準>
0:試験前と熟眠感が変わらなかった。
1:試験前に比べて、熟眠感がやや得られた。
2:試験前に比べて、熟眠感が得られた。
0:試験前と熟眠感が変わらなかった。
1:試験前に比べて、熟眠感がやや得られた。
2:試験前に比べて、熟眠感が得られた。
(組成物4) (mg)
アスタキサンチン 1.5
亜鉛酵母(ビール酵母、亜鉛10質量%含有) 20
アスコルビン酸 20
チオクト酸 10
コエンザイムQ10 10
セレン酵母(ビール酵母、セレン0.2質量%含有) 6
ブドウ種子抽出物 7
結晶セルロース 100
ステアリン酸カルシウム 2
ビタミンE 0.05
γシクロデキストリン 50
アスタキサンチン 1.5
亜鉛酵母(ビール酵母、亜鉛10質量%含有) 20
アスコルビン酸 20
チオクト酸 10
コエンザイムQ10 10
セレン酵母(ビール酵母、セレン0.2質量%含有) 6
ブドウ種子抽出物 7
結晶セルロース 100
ステアリン酸カルシウム 2
ビタミンE 0.05
γシクロデキストリン 50
2.結果
表5に示されるように、実施例サンプルが、明らかに睡眠改善効果を示す。
表5に示されるように、実施例サンプルが、明らかに睡眠改善効果を示す。
<実施例6、比較例6〜8>
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後8週、体重22−26g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下(午前7時明期開始)で、マウス用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後8週、体重22−26g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下(午前7時明期開始)で、マウス用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
(iii)行動量の測定
マウスを回復用チャンバーに4日おいて回復させた。その後、記録用チャンバーに移して、3日間順応させた。行動量は、動物から放出される赤外線を検知するセンサー(Biotex Japan社製)とソフトウェアBiotex 16CH Act Monitor BAI2216(Biotex Japan社製)を用いて記録した。
このセンサーの感知範囲は90度の照射角度で広がりその範囲を8×8の64区画に分け、動物がその区画を横切った回数を行動量としてカウントする。投与前24時間の行動量を確認した。
マウスを回復用チャンバーに4日おいて回復させた。その後、記録用チャンバーに移して、3日間順応させた。行動量は、動物から放出される赤外線を検知するセンサー(Biotex Japan社製)とソフトウェアBiotex 16CH Act Monitor BAI2216(Biotex Japan社製)を用いて記録した。
このセンサーの感知範囲は90度の照射角度で広がりその範囲を8×8の64区画に分け、動物がその区画を横切った回数を行動量としてカウントする。投与前24時間の行動量を確認した。
(iv)サンプル調製・投与
表6記載の各原材料を含有する組成物(実施例6、比較例7〜8)を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製した。比較例6では精製水を比較例サンプルとして用いた。表6中の成分組成の数値はmg単位を示し、ビール酵母及びパン酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。
表6に従って、実施例サンプル又は比較例サンプルを投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は、19:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプル又は比較例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=7〜8)。
表6記載の各原材料を含有する組成物(実施例6、比較例7〜8)を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製した。比較例6では精製水を比較例サンプルとして用いた。表6中の成分組成の数値はmg単位を示し、ビール酵母及びパン酵母における亜鉛の%は質量%を意味する。
表6に従って、実施例サンプル又は比較例サンプルを投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は、19:00(暗期の開始時刻)に、実施例サンプル又は比較例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=7〜8)。
(v)行動量の記録
経口投与後、マウスにストレスを付与するため、ゲージを交換し、その後12時間にわたる行動量を測定し、1時間毎の回数を記録し6時間の累積行動量を算出した。その後24時間の観察を行った。
経口投与後、マウスにストレスを付与するため、ゲージを交換し、その後12時間にわたる行動量を測定し、1時間毎の回数を記録し6時間の累積行動量を算出した。その後24時間の観察を行った。
2.結果
投与後12時間にわたる行動量の回数(累積行動量)を表6及び図2に示す。
実施例では、投与量10g/kgにおいて、各比較例に比べて有意に行動量が減少した。
投与後12時間にわたる行動量の回数(累積行動量)を表6及び図2に示す。
実施例では、投与量10g/kgにおいて、各比較例に比べて有意に行動量が減少した。
<比較例9、10>
以下のようにして作製した組成物(比較例9)又は精製水(比較例10)を用いた以外は、実施例6と同様にして、マウスにおける投与後12時間にわたる行動量の回数を測定した。結果を図3に示す。
以下のようにして作製した組成物(比較例9)又は精製水(比較例10)を用いた以外は、実施例6と同様にして、マウスにおける投与後12時間にわたる行動量の回数を測定した。結果を図3に示す。
<組成>
(成分)
(1)ヘマトコッカス藻色素
(アスタキサンチン類含有率:20質量%) 2.8
(2)ミックストコフェロール 0.7
(3)ショ糖ラウリン酸エステル 2.6
(4)ラウリン酸ポリグリセリル−10 0.8
(5)レシチン 0.7
(6)イヌリン 12.0
(7)精製水 80.4
(成分)
(1)ヘマトコッカス藻色素
(アスタキサンチン類含有率:20質量%) 2.8
(2)ミックストコフェロール 0.7
(3)ショ糖ラウリン酸エステル 2.6
(4)ラウリン酸ポリグリセリル−10 0.8
(5)レシチン 0.7
(6)イヌリン 12.0
(7)精製水 80.4
ヘマトコッカス藻色素(アスタキサンチン類含有率:20質量%)(ASTOTS−S:武田紙器(株)製)
ミックストコフェロール(理研Eオイル800:理研ビタミン(株)製)
ショ糖ラウリン酸エステル(リョートーシュガーエステルL−1695:三菱化学フーズ(株)製)
ラウリン酸ポリグリセリル−10(NIKKOL Decaglyn 1−L:日光ケミカルズ(株)製)
レシチン(レシオンP:理研ビタミン(株)製)
イヌリン(フジFF:フジ日本精糖(株)製)
ミックストコフェロール(理研Eオイル800:理研ビタミン(株)製)
ショ糖ラウリン酸エステル(リョートーシュガーエステルL−1695:三菱化学フーズ(株)製)
ラウリン酸ポリグリセリル−10(NIKKOL Decaglyn 1−L:日光ケミカルズ(株)製)
レシチン(レシオンP:理研ビタミン(株)製)
イヌリン(フジFF:フジ日本精糖(株)製)
(A)上記成分(1)〜(2)を、容器に秤量し、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合した。よく混合したことを確認し、70℃に保ち、混合物Aを得た。
(B)上記成分(3)〜(7)を、容器に秤量し、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合した。よく混合したことを確認し、70℃に保ち、混合物Bを得た。
(C)混合物Bに混合物Aを加えて混合し、均一に乳化した。乳化装置は、ホモジナイザー(SMT社製)を使用し、10000回転にて5分間攪拌し、混合物Cを得た。
(D)混合物Cを高圧ホモジナイザー(アルティマイザーHJP−25003:(株)杉のマシン製)を使用し、圧力240MPa、液温45℃にて乳化操作を行い、アスタキサンチン乳化物を得た。
得られたアスタキサンチン乳化物を、スプレードライヤ(ADL310:ヤマト科学(株)製)にて毎分10mLの速度で送液し、140℃の送風にて噴霧乾燥させ、アスタキサンチンナノ乳化物の粉末を調製した。
(B)上記成分(3)〜(7)を、容器に秤量し、70℃の恒温槽にて攪拌しながら加熱混合した。よく混合したことを確認し、70℃に保ち、混合物Bを得た。
(C)混合物Bに混合物Aを加えて混合し、均一に乳化した。乳化装置は、ホモジナイザー(SMT社製)を使用し、10000回転にて5分間攪拌し、混合物Cを得た。
(D)混合物Cを高圧ホモジナイザー(アルティマイザーHJP−25003:(株)杉のマシン製)を使用し、圧力240MPa、液温45℃にて乳化操作を行い、アスタキサンチン乳化物を得た。
得られたアスタキサンチン乳化物を、スプレードライヤ(ADL310:ヤマト科学(株)製)にて毎分10mLの速度で送液し、140℃の送風にて噴霧乾燥させ、アスタキサンチンナノ乳化物の粉末を調製した。
図3に示されるように、アスタキサンチンを含有し、亜鉛を含まない組成物を用いた場合には、精製水を用いた場合と行動量に差はないことが確認できた。
<実施例7、比較例11、12>
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後12週、体重24−17g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下で、ラット用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後12週、体重24−17g)をSLCより購入。
(ii)飼育方法
マウスは恒温(22±2℃)恒湿(50±2%)、防音チャンバー内に設置したアクリル製ゲージで個別に管理した。マウスには、12時間ごとの明暗周期下で、ラット用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック)を与え、飼料と水を自由に摂取させた。
(iii)脳波・筋電位測定用電極の処置手術と測定装置への接続
マウスに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに7日間静置して回復させた。その後、マウスを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
マウスに脳波・筋電位測定用の電極の処置手術を実施し、回復用チャンバーに7日間静置して回復させた。その後、マウスを記録用チャンバーに移して電極に測定ケーブルを接続し、4日間順応させた。
(iv)サンプル調製・投与
表7に記載の各原材料を含有する組成物(実施例7、比較例11及び12)を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製し、投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は16:00(暗期の開始時刻)に行い、実施例サンプル又は比較例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=2)。なお、表7中の数値はmg単位である。
表7に記載の各原材料を含有する組成物(実施例7、比較例11及び12)を実施例サンプル又は比較例サンプルとして作製し、投与量10g/kgでゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与は16:00(暗期の開始時刻)に行い、実施例サンプル又は比較例サンプルをマウスに投与することで行なった(n=2)。なお、表7中の数値はmg単位である。
(v)脳波・筋電位の記録と解析
脳波及び筋電位は増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
脳波及び筋電位は増幅(脳波:0.5−30Hz、筋電位:20−200Hz)後、サンプリング速度:128Hzでデジタル化して記録した。解析は脳波記録ソフトウェア‘SleepSign’(キッセイコムテック社製)を用いて、10秒間のデータを1エポックとし、脳波と筋電位の周波数成分及び波形によって、各エポックを覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠のいずれかに自動判定した。投与後4時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。またノンレム睡眠までにかかる時間を測定した。
2.結果
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を表8に示す。
実施例7では、投与量10g/kgにおいて、比較例11及び12に比べて優れたノンレム睡眠時間を延長する効果を有することが見出された。また、実施例7においては、入眠までの時間を短縮する効果が見られた。なお、表8中の数値は分単位である。
投与後4時間におけるノンレム睡眠時間、レム睡眠時間、覚醒時間を表8に示す。
実施例7では、投与量10g/kgにおいて、比較例11及び12に比べて優れたノンレム睡眠時間を延長する効果を有することが見出された。また、実施例7においては、入眠までの時間を短縮する効果が見られた。なお、表8中の数値は分単位である。
本発明によれば、優れた睡眠改善効果、特にノンレム睡眠時間を増加する効果を得ることができる。また、入眠潜時の短縮や中途覚醒の低下、鎮静効果、リラックス効果も得ることができ、起床時に満足な熟眠感を得ることができる。
日本出願2012−221752の開示は参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (12)
- 脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する睡眠改善剤。
- 脂溶性抗酸化物質がカロチノイドである、請求項1に記載の睡眠改善剤。
- 脂溶性抗酸化物質がアスタキサンチン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の睡眠改善剤。
- 脂溶性抗酸化物質が、(a)ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種、(b)リン脂質を含有し、かつ、(a)と(b)の質量組成費が同じか又は(a)の方が多いエマルション組成物を乾燥して得られる粉末組成物である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 二価金属が酵母に取り込まれた形態である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 二価金属が亜鉛である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 脂溶性抗酸化物質と二価金属の質量比が1:0.01〜1:10である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- さらに、水溶性抗酸化物質を含有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
- 水溶性抗酸化物質が、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにチオクト酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の睡眠改善剤。
- 水溶性抗酸化物質と脂溶性抗酸化物質との質量比が1:0.01〜1:10である、請求項8又は請求項9に記載の睡眠改善剤。
- 脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有するノンレム睡眠時間増加剤。
- 脂溶性抗酸化物質と、二価金属と、を有効成分として含有する鎮静剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012221752 | 2012-10-03 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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