JP2007143470A - 黒酢飲料 - Google Patents
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Abstract
香りがむれたように重厚で、酸味を強く感じ、のどごしが悪く、また刺激性を有するという、原料の食酢に起因する要因を飲料としてふさわしい性状に改善し、これにより嗜好性が向上した黒酢飲料を提供する。
【解決手段】
大麦黒酢とお茶を含有してなることを特徴とする黒酢飲料。大麦黒酢は穀物原料として精白していない大麦麦芽を使用し、これを糖化、発酵及び熟成して得られる玄麦黒酢を用いる。製品に対して大麦黒酢を通常濃度で5〜15%含有させる。お茶がジャスミン茶の時は製品に対してジャスミン茶を通常濃度で5〜30%含有させる。
Description
そこで、従来より食酢を飲みやすい飲料とする試みがなされており、例えば、黒酢と高甘味度甘味料であるスクラロースを含有させた黒酢飲料、さらには黒酢とスクラロースの他に果汁を含有させた黒酢飲料が提案されている(特許文献1)。スクラロースや果汁には黒酢の刺激臭や酸味をマスキングする作用があるからである。
また、上記とは別に、もろみ酢と柑橘系果汁(またはりんご果汁)を含有させた清涼飲料が提案されている(特許文献2)。柑橘系果汁やりんご果汁にはもろみ酢由来の癖をマスキングする作用があるからである。
また、上記従来のもろみ酢を用いた清涼飲料は、もろみ酢の癖をマスキングするとは言うものの、もろみ酢由来のむれたような重厚な香りや酸味が残存しのどごしが悪いので、上記黒酢飲料同様に飲料とするにはこれらの要因を改善する必要がある。
(1)大麦黒酢とお茶を含有してなることを特徴とする黒酢飲料、
(2)大麦黒酢が穀物原料として精白していない大麦麦芽を使用し、これを糖化、発酵及び熟成して得られる玄麦黒酢である(1)記載の黒酢飲料、
(3)製品に対して大麦黒酢を通常濃度で5〜15%含有させることとした(1)又は(2)記載の黒酢飲料、
(4)お茶がジャスミン茶である(1)乃至(3)のいずれかに記載の黒酢飲料、
(5)製品に対してジャスミン茶を通常濃度で5〜30%含有させることとした(4)記載の黒酢飲料、
(6)大麦黒酢とお茶の他に、果汁及びハーブ成分のうち少なくとも一方を含有してなる(1)乃至(5)のいずれかに記載の黒酢飲料、
(7)果汁がパイナップル、グレープ、グレープフルーツ、りんご、オレンジ及びゆずより選ばれたいずれか一以上の果汁である(6)記載の黒酢飲料、
(8)ハーブ成分がラベンダー、レモンバーム、ローズマリー、ローズヒップ、カモミール、ローズ及びレモングラスより選ばれたいずれか一以上のハーブから抽出された成分である(6)記載の黒酢飲料、
(9)黒酢、お茶並びに果汁及びハーブ成分のうち少なとも一方の他に、スクラロース及びはちみつのうち少なくとも一方を含有してなる(6)乃至(8)のいずれかに記載の黒酢飲料、
からなるものである。
また、これに含有する大麦黒酢は、エキス分やミネラル分等の微量成分に富んでいるので、当該黒酢飲料は健康維持用のドリンクとして好適である。
なお、本発明において「%」の記載は、特に断らない限り「質量%」を意味し、「部」の記載は「質量部」を意味するものである。
本発明の黒酢飲料は、大麦黒酢とお茶を含有してなるものである。
ここで、大麦黒酢とは、穀物酢のうち、原材料として大麦を使用したもので、大麦の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色乃至黒褐色に着色したものをいい、食酢の品質表示基準で大麦黒酢と称されているものがこれに該当する。当業界では、この大麦黒酢と、原材料として米を用いて製した米黒酢(鹿児島県福山町のつぼ酢が代表的)とが「黒酢」と表示して取引が認められている。
その原理については定かではないが、大麦黒酢が他の食酢に比べ芳醇な香りがあり、飲料の原料として適性があることに加え、お茶の有効成分が香り、酸味、のどごし、及び刺激性という要因の改善に寄与しているものと考えられる。
大麦黒酢を上記範囲含有させることにより、後述の試験例にも示すように香りや酸味等の要因が飲みやすい性状に改善され、その結果、嗜好性の向上した黒酢飲料が得られるからである。
製品に対するお茶の至適配合量は、お茶の種類によって異なるので一概に特定できないが、ジャスミン茶の場合、後述の試験例にも示すように通常濃度で5〜30%とすることが望ましい。ここで通常濃度とは、常法で仕立てた市販のジャスミン茶を基準とした濃度をいう。
ここで用いる果汁としては、後述の試験例にも示すように、パイナップル、グレープ、グレープフルーツ、りんご、オレンジ及びゆずの果汁のうちから選ばれたいずれか一以上を用いることができる。製品に対する果汁の配合量は、果汁の種類にもよるが、しぼりたての果汁を基準として5〜30%が望ましい。
また、ここで用いるハーブ成分としては、後述の試験例にも示すように、ラベンダー、レモンバーム、ローズマリー、ローズヒップ、ローズ及びレモングラスのうちから選ばれた一以上のハーブから常法により抽出された香味成分を含有させて用いることができる。
なお、スクラロースやはちみつを配合するときは、食酢飲料が適度の甘みを感じる程度がよく、これが甘すぎにならないよう配合量を抑えることが望ましい。
また、例えば、茶葉や乾燥ハーブ等を原料とする場合には、これらから有効成分を抽出する工程を設け、得られた抽出液とその他の原料を混合すれば黒酢飲料を得ることができる。
市販の大麦黒酢(穀物原料として精白していない大麦麦芽を使用し、これを糖化、発酵及び熟成して得られた玄麦黒酢である。キユーピー醸造(株)製、商品名「純粋玄麦くろ酢」。)7.5Kg、市販のジャスミン茶((株)伊藤園製、商品名「花セラピー・ジャスミン茶」)7.5Kg及び清水85Kgを混合し、黒酢飲料を得た。
次にこの黒酢飲料を常法により108℃で2秒間加熱殺菌した後、これを200mLずつ紙容器に無菌パックして製品とした。
大麦黒酢7.3Kg、ジャスミン茶7.5Kg、市販のパイナップル果汁((株)果香製、商品名「パインアップル(5倍濃縮透明果汁)」)5.0Kg及び清水80.2Kgを混合し、黒酢飲料を得た。
なお、大麦黒酢とジャスミン茶は実施例1で用いたものと同じものを使用した。
次に、この黒酢飲料を常法により108℃で2秒間加熱殺菌した後、これを200mLずつ紙容器に無菌パックして製品とした。
大麦黒酢7.3Kgに市販の乾燥ラベンダー(日本緑茶センター(株)製、商品名「ラベンダーEXブルー」)5gを加え、70℃で1時間加熱して、ラベンダーのハーブ成分を抽出した後、これをろ過してハーブ成分入り大麦黒酢を製した。
次に、得られたハーブ成分入り大麦黒酢7.2Kgに、ジャスミン茶7.5Kg、パイナップル果汁5.0Kg及び清水80.3Kgを加えて混合し、黒酢飲料を得た。
なお、大麦黒酢、ジャスミン茶及びパイナップル果汁は実施例1乃至2で用いたものと同じものを使用した。
そして、この黒酢飲料を常法により108℃で2秒間加熱殺菌した後、これを200mLずつ紙容器に無菌パックして製品とした。
大麦黒酢7.3Kgに乾燥ラベンダー5gを加え、70℃で1時間加熱して、ラベンダーのハーブ成分を抽出した後、これをろ過してハーブ成分入り大麦黒酢を製した。
次に、得られたハーブ成分入り大麦黒酢7.2Kgに、ジャスミン茶7.5Kg、パイナップル果汁5.0Kg、はちみつ2.0Kg、ヤマモモ抽出物(酸化防止剤)100g、香料100g、スクラロース5g及び清水78.3Kgを加えて混合し、黒酢飲料を得た。
なお、大麦黒酢、ジャスミン茶及びパイナップル果汁は実施例1乃至2で用いたものと同じものを使用した。
そして、この黒酢飲料を常法により108℃で2秒間加熱殺菌した後、これを200mLずつ紙容器に無菌パックして製品とした。
次に、食酢を含有するサンプル飲料としての適性、つまり、嗜好性がどの程度向上しているかどうかの試験例について述べる。
以下に述べる試験例では、サンプルの評価はよく訓練した官能パネル8名にサンプルを試飲させ、下記の評価基準で採点させて評価項目ごとに平均点を算出し、その点数により良否を比較できるようにしたものである。
[評価基準]
官能上好ましいとするものを10点満点とし、普通のもの5点、不良のもの1点を基準とし、10段階の評価とした。
次のサンプルを用意した。
[テスト品1]実施例1で得られた黒酢飲料
[テスト品2]実施例2で得られた黒酢飲料
[テスト品3]実施例3で得られた黒酢飲料
[テスト品4]実施例4で得られた黒酢飲料
[比較品1]市販の黒酢(鹿児島県福山町産の米を原料としたつぼ酢)10部、スクラロース0.001部及び清水90部を混合し、攪拌しながら90℃に加熱した後冷却して得られた黒酢飲料(特許文献1のもの)。
[比較品2]黒酢(比較品1で用いたものと同じ)10部、スクラロース0.001部、パイナップル果汁(実施例2で用いたものと同じ)5部、及び清水85部を混合し、攪拌しながら90℃に加熱した後、冷却して得られた黒酢飲料(特許文献1のもの)。
[比較品3]市販のもろみ酢10部とグレープフルーツ果汁10部を混合して得られた清涼飲料(特許文献2のもの)。
上記7種類のサンプルについて、それぞれ官能評価をした結果について表1に示す。
香りの点数が高い程、芳醇でバラエティーに富んだ香りになること、
酸味の感じ方の点数が高い程、酸味がやわらかく感じられ酢飲料として望ましいこと、
のどごしの点数が高い程、のどごしが良く感じられ酢飲料として望ましいこと、
低刺激性の点数が高い程、刺激性が低く感じられ酢飲料として望ましいこと、
を意味する。(以下の試験例も同じ)
また、大麦黒酢とお茶のほかに、果汁及びハーブ成分のうち少なくとも一方を、さらにはスクラロース及びはちみつのうち少なくとも一方を含有させることにより、香りや酸味の要因がさらに改善され、その結果嗜好性が一段と向上した黒酢飲料が得られることが理解できる。
製品に対する大麦黒酢の配合量を表2のようにし、その配合量の増減を清水で調整した他は実施例1と同じ原料を用いて同じ配合及び製法で、大麦黒酢の配合量(含有量)の異なる5種類の黒酢飲料を製した。
この5種類のサンプルについて、それぞれ官能評価をした結果について表2に示す。
実施例1で得られたジャスミン茶を含有した黒酢飲料を用意すると共に、実施例1のジャスミン茶に代えて、市販の紅茶及び麦茶を用いた他は実施例1と同じ原料を用いて同じ配合及び製法で2種類の黒酢飲料を製した。
上記3種類のサンプルについて、それぞれ官能評価をした結果について表3に示す。
製品に対するジャスミン茶の配合量を表4のようにし、その配合量の増減を清水で調整した他は、実施例1と同じ原料を用いて同じ方法でジャスミン茶の配合量(含有量)の異なる5種類の黒酢飲料を製した。
上記5種類のサンプルについて、それぞれ官能評価をした結果について表4に示す。
実施例2のパイナップル果汁を含有させた黒酢飲料を用意すると共に、実施例2のパイナップル果汁に代えて、市販のグレープ果汁、グレープフルーツ果汁、りんご果汁、オレンジ果汁及びゆず果汁を用いた他は、実施例2と同じ原料を用いて同じ方法で、果汁の種類が異なる5種類の黒酢飲料を製した。
上記6種類のサンプルについて、それぞれ官能評価をした結果について表5に示す。
実施例3のラベンダーのハーブ成分入り黒酢飲料を用意すると共に、実施例1の乾燥ラベンダーに代えて市販の乾燥レモンバーム、ローズマリー、ローズヒップ、カモミール、ローズ及びレモングラスを用いた他は、実施例3と同じ原料を用いて、同じ方法でハーブ成分の種類が異なる6種類の黒酢飲料を製した。
上記7種類のサンプルについてそれぞれ官能評価をした結果について表6に示す。
Claims (9)
- 大麦黒酢とお茶を含有してなることを特徴とする黒酢飲料。
- 大麦黒酢が穀物原料として精白していない大麦麦芽を使用し、これを糖化、発酵及び熟成して得られる玄麦黒酢である請求項1記載の黒酢飲料。
- 製品に対して大麦黒酢を通常濃度で5〜15%含有させることとした請求項1又は2記載の黒酢飲料。
- お茶がジャスミン茶である請求項1乃至3のいずれかに記載の黒酢飲料。
- 製品に対してジャスミン茶を通常濃度で5〜30%含有させることとした請求項4記載の黒酢飲料。
- 大麦黒酢とお茶の他に、果汁及びハーブ成分のうち少なくとも一方を含有してなる請求項1乃至5のいずれかに記載の黒酢飲料。
- 果汁がパイナップル、グレープ、グレープフルーツ、りんご、オレンジ及びゆずより選ばれたいずれか一以上の果汁である請求項6記載の黒酢飲料。
- ハーブ成分がラベンダー、レモンバーム、ローズマリー、ローズヒップ、カモミール、ローズ及びレモングラスより選ばれたいずれか一以上のハーブから抽出された成分である請求項6記載の黒酢飲料。
- 黒酢、お茶並びに果汁及びハーブ成分のうち少なくとも一方の他に、スクラロース及びはちみつのうち少なくとも一方を含有してなる請求項6乃至8のいずれかに記載の黒酢飲料。
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