JP2005176727A - 発酵トマト飲料の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、
(1)パルプ質を含有するトマト原料と、Bx10〜30%の範囲となる量の液糖と、SO2の含有量が30〜100ppmとなる量のSO2源と、水とを混合する工程、
(2)前記混合物にワイン酵母を添加して発酵させる工程、及び
(3)発酵させた混合物から酵母及びパルプ質を除去する工程を含む発酵トマト飲料の製造方法を提供する。
Description
野菜や果実にはミネラルやビタミン等が豊富に含まれており、野菜や果実を原料として用いた発酵飲料も従来から多く提案されている(例えば、特許文献1から5参照。)。中でも、トマトは栄養価も高く、また風味もよいため調味材料としても使用されていることから、発酵飲料の原料としても検討されている。
さらに、最近になってトマトの赤色の主成分であるリコピンは、体内で過剰に発生した活性酸素を消去し、癌や動脈硬化、血栓症、糖尿病といった生活習慣病に対する予防効果が報告されており、トマトは、健康飲料の観点から適した原料である。
従って、本発明の目的は、飲み口と香気に優れ、かつリコピンを豊富に含む発酵トマト飲料の製造方法を提供することである。
従って、本発明は、
(1)パルプ質を含有するトマト原料と、Bx10〜30%の範囲となる量の液糖と、SO2の含有量が30〜100ppmとなる量のSO2源と、水とを混合する工程、
(2)前記混合物にワイン酵母を添加して発酵させる工程、及び
(3)発酵させた混合物から酵母及びパルプ質を除去する工程を含む発酵トマト飲料の製造方法を提供する。
トマト原料としては、トマトをそのまま使用してもよく、又は皮を剥いて用いてもよい。また、トマトピューレ、トマトジュースやケチャップ等のパルプ分を含む形態であってもよい。トマトの風味を生かすために、トマト原料は熱処理を行わないものが好ましい。特に好ましくは逆浸透圧濃縮法によるトマトピューレである。トマト原料の仕込み量は最終調整量の1/2〜1/10量であるのが好ましく、より好ましくは1/3〜1/5量である。
液糖は、十分なアルコール発酵を行えるようにするために加えられる。液糖としては、果糖が55%以上のものが好ましく、より好ましくは55〜60%である。液糖は、好ましくはBx10〜30%の範囲となる量で加えられ、より好ましくはBx15〜25%の範囲となる量で加えられる。
SO2源としては、メタ重亜硫酸カリウム、無水亜硫酸等が挙げられる。SO2源は、好ましくは混合物中のSO2の含有量が30〜100ppmの範囲となる量であり、より好ましくは50〜80ppmの範囲となる量である。
残部は水である。
トマト等の野菜を原料に、酵母発酵を行うと、通常、揮発性の含硫化合物やフェノール化合物等が生成され、酒類としては好ましくない臭い(オフ・フレーバー)が生じる。本発明においては、適切な酵母を選択し、かつ発酵終了後に直ちに酵母を分離することにより、オフ・フレーバーを抑え、香味向上を図ることができる。
酸化防止剤としては、ワインで通常用いられているものであればいずれも使用でき、例えばメタ重亜硫酸カリウム等が挙げられる。酸化防止剤の添加量としては、総亜硫酸として、好ましくは50〜300ppmの範囲であり、より好ましくは100〜200ppmの範囲である。
発酵トマト飲料を容器に入れた後、熱殺菌を行う。熱殺菌は、好ましくは50〜80℃×5〜20分の条件で行い、より好ましくは60〜70℃×10〜15分の条件で行う。また、殺菌後速やかに室温まで冷却するのが好ましい。
1.原料の混合
トマトピューレ(カゴメ冷凍野菜「トマトピューレ」)を最終調整量の1/4量とり、液糖でBx20まで補糖し、蒸留水でメスアップした後、メタ重亜硫酸カリウムを100ppm(SO2:50ppm)添加した。1Lの処方量は以下の通りである。
ワイン用乾燥酵母(Saccharomyces cerevisiae)を200ppm(酵母数:1〜10×106cells/ml程度)添加した。乾燥酵母は添加前に予め菌体粉末に10倍量の滅菌水を加えて、35〜40℃で5分間保温し、15分間室温で静置した後、よく撹拌して活性化させて添加した。発酵温度は20℃であった。
発酵終了(6日)後、酵母由来の異臭の生成・付与を防ぐために直ちに3,000rpm(3,500G)×15minで遠心分離を行い、酵母とパルプ質を除去した。アルコール分約11度の発酵トマト飲料が得られた。
上記で得られた発酵トマト飲料を用いて、1L当たり、以下の処方でビン詰めを行った。
ビン詰めを行った後、65℃×10minの条件で熱殺菌を行い、速やかに室温まで冷却した。
*1 JAS規格レモン果汁濃度:2.5%
1.比較トマト飲料(2)
下記表の原料を混合し、3500rpm×15minで遠心分離を行い、パルプ質を除去した。次いで、メタ重亜硫酸カリウムを0.25g/l添加し、ビン詰めを行った後、65℃×10minの条件で熱殺菌を行った。
*3 最終アルコール度が8%程度になるように調整
上記の本発明の発酵トマト飲料(1)と比較トマト飲料(2)について、研究所パネリスト6名により官能検査を実施した。官能検査は(1)と(2)を比較してどのような違いがあるかについて自由にコメントする方法で行った。その結果、香味について、(1)では「発酵アルコール飲料らしい香りと味があり、後味もすっきりしている。」とのコメントが多かったが、(2)では「アルコール臭がプンと鼻につき、青臭さや生臭さが感じられ、全体として野菜ジュースにアルコールを添加した感じが強かった。」とのコメントが多かった。
以上のように、トマトに糖類を添加しアルコール発酵させることにより、トマトの青臭さや生臭さが除去されアルコール飲料に相応しい香味になることが確認された。
1.放置試験
本発明の発酵トマト飲料(1)と比較トマト飲料(2)の両サンプルを25℃で10日間静置保存した後、その外観観察を行った。
2.外観観察
(1)では鮮やかな赤色が保持され、沈殿物の生成もなく大きな変化が見られなかった。一方、(2)では、赤色が薄くなり、かつビン底に赤色色素の塊が沈殿した。
以上のように、アルコール発酵しない場合は、10日間の保存により沈殿物の生成や退色が観察され、外観から考えられる商品価値の下落が著しいことが認められた。
Claims (8)
- (1)パルプ質を含有するトマト原料と、Bx10〜30%の範囲となる量の液糖と、SO2の含有量が30〜100ppmとなる量のSO2源と、水とを混合する工程、
(2)前記混合物にワイン酵母を添加して発酵させる工程、及び
(3)発酵させた混合物から酵母及びパルプ質を除去する工程を含む発酵トマト飲料の製造方法。 - (4)工程(3)で得られた発酵トマト飲料にクエン酸源及び酸化防止剤を添加して容器に入れる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
- (5)発酵トマト飲料を熱殺菌する工程をさらに含む請求項1又は2に記載の方法。
- トマト原料として、熱処理をしていないトマト原料を用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- トマト原料として、逆浸透圧濃縮法によるトマトピューレを用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(3)が2000〜4000rpmで5〜20分間遠心分離を行う工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(5)を65℃で10分間行う、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られる発酵トマト飲料。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008108347A1 (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-12 | Suntory Holdings Limited | トマト果汁含有アルコール飲料及びその製造方法 |
JP2014093957A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Asahi Breweries Ltd | 果汁発酵飲料の製造方法 |
CN105199912A (zh) * | 2015-11-09 | 2015-12-30 | 百色学院 | 一种芒果樱桃番茄酒及其制作方法 |
JP2017136034A (ja) * | 2016-02-04 | 2017-08-10 | 株式会社ユーハイム | 洋菓子及びその製造方法 |
CN108300633A (zh) * | 2018-05-09 | 2018-07-20 | 包登国 | 一种腐婢树籽酒的制备工艺 |
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2003
- 2003-12-19 JP JP2003422983A patent/JP2005176727A/ja active Pending
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