JP2021112213A - 果実酒及びその製造方法 - Google Patents

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浩二 中島
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【課題】甘味及び生食用果実風味が低減され、アルコール飲料である果実酒らしい複雑な香味に優れた酸化防止剤無添加果実酒を提供すること。【解決手段】オークラクトン及びオイゲノールからなる群から選択される少なくとも一種の樽香気成分を10ppb以上の濃度で含有する果実酒(但し、オークラクトン量は式(1)に基づいて決定される。)。【数1】【選択図】なし

Description

本発明は果実酒に関し、特に、酸化防止剤無添加果実酒に関する。
果実酒は、果実の破砕物をそのまま発酵させるか、果汁を加熱処理により濃縮した濃縮果汁を希釈し、これに酵母を添加して発酵させて、アルコール濃度1%から20%の発酵液をろ過して得られる飲料である。果実酒の具体例には、ワイン、シードル、梅酒、イチゴ酒、桃酒、梨酒等が含まれる。果実酒の原料としては、ブドウ、リンゴ、ウメ、イチゴ、モモ、洋ナシ等の果実又は濃縮果汁が利用される。
発酵終了後に熟成する過程を経て製造される果実酒には、一般に、酸化防止剤が添加される。酸化防止剤としては、亜硫酸塩及びビタミンC等が使用される。たとえば亜硫酸塩は発酵が始まる前の果汁に添加される。これによって果汁は酸化劣化が抑制され、野生酵母、乳酸菌、酢酸菌などの雑菌の繁殖も抑制される。また、亜硫酸塩は生食用果実風味を低減し、適度な渋味が付与されるため、アルコール飲料である果実酒らしい香味を実現する成分としても機能する。
しかしながら、市場には自然に近い状態の果実酒に対する需要も存在し、消費者の要求に応えるため、酸化防止剤を添加することなく果汁を発酵させた果実酒が提供されている。かかる果実酒は酸化防止剤無添加果実酒と呼ばれる。酸化防止剤無添加果実酒は甘味が強く、生食用果実風味が目立つ反面、渋味、コク、芳醇等のアルコール飲料である果実酒らしい複雑な香味に劣る。これは、酸化防止剤無添加果実酒は、添加物として所定量の酸化防止剤を含有しないために、亜硫酸塩の呈味効果、即ち、生食用果実風味の低減及び渋味付与効果が得られず、また、微生物耐性に劣るために十分な熟成を行っていない等のためである。
例えば、ワイン及びシードルなどの果実酒には、オーク樽(樫や楢)に充填した状態で熟成させる銘柄がある。オーク樽に充填すれることで樽から色、香り、味が熟成中の果実酒に移る。熟成の進行に伴い、香味が華やか、コク深く、芳醇でふくよかになる。しかし、樫や楢等の木材の表面には雑菌が潜んでいる可能性が高い。よって、酸化防止剤無添加ワインを樽熟成させた場合、微生物の影響によって、いわゆる欠陥臭を持ったワインとなるリスクが高くなる。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、甘味及び生食用果実風味が低減され、アルコール飲料である果実酒らしい複雑な香味に優れた酸化防止剤無添加果実酒を提供することにある。
本発明は、オークラクトン及びオイゲノールからなる群から選択される少なくとも一種の樽香気成分を10ppb以上の濃度で含有する果実酒を提供する(但し、オークラクトン量は式(1)に基づいて決定される。)。
Figure 2021112213
ある実施形態においては、前記果実酒は、添加物として酸化防止剤を含有しない。
ある実施形態においては、前記果実酒の原料が濃縮果汁を含む果汁である。
ある実施形態においては、前記果実酒がワイン又はシードルである。
ある実施形態においては、前記樽香気成分の濃度が200ppb以下である。
また、本発明は、オークラクトン及びオイゲノールからなる群から選択される少なくとも一種の樽香気成分を10ppb以上の濃度で含有させる工程を包含する果実酒の製造方法を提供する(但し、オークラクトン量は式(1)に基づいて決定される。)。
Figure 2021112213
ある実施形態においては、前記樽香気成分を含有させる工程は、果汁をオークチップに接触させることにより行われる。
ある実施形態においては、前記オークチップは、果汁を発酵させる工程中に、果汁に接触させる。
本発明は、甘味及び生食用果実風味が低減され、アルコール飲料である果実酒らしい複雑な香味に優れた酸化防止剤無添加果実酒を提供する。
本発明の果実酒には、オークラクトン又はオイゲノールのいずれかが単独で10ppb以上含まれていて良く、両化合物を合わせて10ppb以上含まれていても良い。オークラクトン及びオイゲノールは樽香気成分である。
オークラクトンの化学構造にはシス型とトランス型が存在する。オークラクトンは一般に、シスオークラクトンとトランスオークラクトンの混合物である。シスオークラクトンとトランスオークラクトンは、果実酒中での官能強度が相違することが知られている。J.I. Champbell et al., "Factors affecting the influence of oak chips on wine flavour", WINE INDUSTORY JOURNAL, vol.21 NO.4 (2006)、第38頁の表1には、果実酒中での官能閾値を比較した場合、シスオークラクトンがトランスオークラクトンの約7倍高いことが示されている。
本明細書において、オークラクトンの量、例えば濃度は、実際に存在するシスオークラクトンとトランスオークラクトンの量の合計ではなく、両化合物の果実酒中での官能強度の相違を考慮して、シスオークラクトン単品に換算した場合の量を採用する。トランスオークラクトンは果実酒中での官能閾値がシスオークラクトンの1/7なので、シスオークラクトンに換算した場合の量は、実際の量の1/7になる。オークラクトンの量は、次の式(1)に基づいて決定された値である。
Figure 2021112213
果実酒に含まれるオークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度が10ppb未満であると、発酵感及び収斂味等の果実酒らしい香味が不十分になる。上記オークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度は、好ましくは15ppb以上、より好ましくは20ppb以上である。文言「果実酒に含まれるオークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度」は、シスオークラクトン、トランスオークラクトン又はオイゲノールのいずれかが単独で含まれている場合のいずれかの化合物の濃度も含むことを意図している。
果実酒に含まれるオークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度の上限は果実酒の種類及び香味に対応させて適宜調節すればよいが、好ましくは、200ppb以下である。上記オークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度が200ppbを超えても果実酒らしい香味はそれ以上増強されず、却って果実酒らしくない香味(例えば、ココナッツ臭やフェノール臭)が目立ってしまう。オークラクトン及びオイゲノールを合わせた濃度の上限は、好ましくは、150ppb以下、より好ましくは100ppb以下である。
本発明の果実酒は、好ましくは、自然に近い状態の果実酒であり、添加物として一般的に使用される場合の量で、酸化防止剤を含有しないことが好ましい。酸化防止剤は、一般に、ピロ亜硫酸カリウムの添加、亜硫酸ガス吹込み、樽の硫黄燻蒸、亜硫酸水(5%〜8%)の添加などを行うことで果実酒に含有させる。
本発明の果実酒は、熟成過程を経て果実酒らしい香味が向上するものであることが好ましい。本発明の果実酒の具体例には、白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン及びシードル等が挙げられる。中でも好ましい果実酒はワインである。
オークラクトン、オイゲノールを果実酒に含有させる方法は特に限定されない。両化合物は、製造された果実酒に添加することで含有させてよく、又は果実酒の製造を開始したときから終了するまでのいずれかの段階で、果実酒の原料又は中間製品に添加することで含有させてもよい。
オークラクトン、オイゲノールは、果実酒の製造を開始したときから終了するまでのいずれかの段階で、果実酒の原料又は中間製品をオーク木材に接触させることで含有させてもよい。両化合物は樫や楢の木材に含有されている成分であり、果実酒の原料又は中間製品をオーク木材に接触させることでオーク木材から果実酒に移動する。オーク木材と果実酒の原料又は中間製品との接触は、例えば、果実酒の原料又は中間製品にオーク木材を添加するか、浸漬することで行うことができる。
オーク木材の種類は、特に限定されないが、一般的には、オークチップ及びオーク板(オークステーブル)が使用される。オークチップとは、オーク木材を破砕し、表面を焼成した材料で、チップの径は数ミリのものから数センチまで様々な形状がある。オーク板とは、オーク木材を板状に裁断し、表面を焼成した材料である。
一般的に、オーク木材には、アメリカンオーク及びフレンチオークの2種類がある。さらに3種類の焼き方があり、ライトトースト、ミディアムトースト、ヘビートーストがある。オーク木材は、アメリカンオークとフレンチオークいずれも使用可能で組み合わせて使用してもよく、さらに、如何なる焼き方でもよい。
オーク木材は果実酒の原料又は中間製品に接触させる前に殺菌処理を施すことが好ましい。これによって果汁中に雑菌が繁殖することが抑制される。オーク木材の殺菌は、例えば、オークチップ又はオーク板をオートクレーブに入れて加熱することで行うことができる。その際の加熱条件は、例えば、約120℃の温度にて約15分にすればよい。
本発明の果実酒は、果汁に酵母を添加し、発酵させて製造する。その後、必要に応じて澱下げ、濾過及び瓶詰等の工程を行う。果汁は濃縮果汁を含むことが好ましい。濃縮果汁とは、果実を絞って採取した果汁を加熱処理又は逆浸透膜処理等により一旦濃縮した果汁をいう。発酵原料に濃縮果汁を含む果汁を使用することで製造工程が簡単になり、必要な工数及び設備が減少し、製品の品質が安定し、製造コストも安価になる。
なお、本発明の果実酒の製造方法においては、発酵工程の前後において、果実酒の製造に慣用される各種添加剤を添加してもよい。果実酒には酸化防止剤を添加してもよいが、本発明の果実酒の製造方法によれば、果実酒に酸化防止剤を添加しなくても生食用果実風味を低減して果実酒らしさを付与できるので、果実酒に酸化防止剤を添加することなく商品価値の高い果実酒を提供することができる。
発酵工程において使用する濃縮果汁としては、具体的には、ブドウ果汁、リンゴ果汁、洋ナシ果汁、モモ果汁、ライチ果汁、梅果汁、及びアプリコット果汁からなる群から選ばれる少なくとも1種の濃縮果汁を使用することができ、ブドウ果汁、リンゴ果汁、洋ナシ果汁、及びモモ果汁からなる群から選ばれる少なくとも1種の濃縮果汁を使用することが好ましい。中でも好ましい濃縮果汁はブドウ濃縮果汁である。
濃縮果汁は、希釈し、使用する濃縮果汁の糖度に応じて更に糖分を補う等の調整を行い、発酵原料に供される。濃縮果汁から得られた果汁に酵母を添加し、通常15℃から30℃の温度で5日間から30日間発酵させる。果汁の発酵工程中にオークチップ又はオーク板を添加することで、果汁とオーク木材を接触させることが好ましい。そして、果汁の発酵が終了した時点で発酵液からオークチップ又はオーク板を除去することが好ましい。果汁とオーク木材との接触を発酵工程中に行うことで、果汁中に雑菌が繁殖する可能性が更に低減される。果汁の発酵工程中には、発酵後の果実酒のアルコール度数を調整してもよく、発酵状態に応じてマロラクティック発酵を行ってもよい。
オークラクトン、オイゲノールは、発酵を終えた果実酒をオーク樽に充填した状態で熟成させることで含有させて良い。両化合物は樽の製造工程中に生成する成分であり、果実酒をオーク樽に接触させることで樽から果実酒に移動する。一般的に、酸化防止剤無添加ワインは微生物耐性及び酸化耐久性が弱いために、熟成期間を設けないか、又は熟成期間を短くする必要がある。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<参考例>
赤ワインに対する亜硫酸塩の添加
市販されている酸化防止剤無添加赤ワイン(サントネージュ社製「COOP赤酸化防止剤無添加」(商標登録))を準備し、2つに分け、その一方にピロ亜硫酸カリウムを濃度100ppmになる量で添加した。
酸化防止剤無添加赤ワイン及び酸化防止剤添加赤ワインをパネリスト7名が試飲し、どちらの赤ワインの香味がよりワインらしいかを評価した。
ここで、ワインらしさとは、葡萄ジュースのようなジューシーな香気、すなわち生食用果実風味が低減されて、適度な発酵感や適度な収斂味が感じられるものと定義した。結果を表1に示す。
Figure 2021112213
<実施例1>
オークチップを使用した白ワインの製造
酸化防止剤無添加のマスト果汁(Jugos Y Vinos Andinos社製、酸化防止剤無添加白マスト)1.75kg、果糖ブドウ糖液糖(王子コーンスターチ社製「HC55」(商品名))を1.2kgに対して水を7.1L混合し発酵前果汁(Brix21.2)を10L作成し、各1Lずつ分注した。発酵前果汁にLallemand社製の乾燥酵母を300ppm添加し、さらにオークチップを5g/Lになるように添加して、25℃で14日間発酵させた。発酵後、ベントナイトを添加して澱下げを行い、透明な白ワインを得た。
オークチップはNADALIE社製「OAK ADD INS」(登録商標)の中で以下の6種類を使用した。即ち、基本木材としてアメリカンオーク(A)又はフレンチオーク(F)の2種類を使用し、各木材について、ライトトースト(LT)、ミィディアムトースト(MT)及びヘビートースト(HT)という3種類の焼き方を施したものを使用した。
また、対照例として、発酵前果汁にオークチップを添加しないこと以外は上記と同様にして白ワインを得た。
各白ワインに含まれるオイゲノール及びオークラクトンは、固相カラム(GL−Sciences社製「InartSep RP−1 250mg/6ml」(商品名))を用いて抽出した後、表2に示す分析条件にてGCMS(アジレント社製)を使用し、標品として、シス体とトランス体が1:1の割合で含まれるオークラクトン(長谷川香料より購入)とオイゲノール(東京化成A0232)を使用して分析した。分析結果を表3に示す。
(1)分析条件
Figure 2021112213
(2)分析結果
Figure 2021112213
次いで、得られた各白ワインをパネリスト7名が試飲し、対照例と比較して、ワインらしい香味を有するかを官能評価した。
ここで、ワインらしさとは、葡萄ジュースのようなジューシーな香気、すなわち生食用果実風味が低減されて、適度な発酵感や適度な収斂味が感じられるものと定義した。結果を表4に示す。尚、FMTについては、2名のパネリストがどちらでもないと評価した。
Figure 2021112213
<実施例2>
オークチップを使用した赤ワインの製造
酸化防止剤無添加のマスト果汁(Jugos Y Vinos Andinos社製酸化防止剤無添加赤マスト)1.6kg、有機アメリカ産コンコード無添加赤マスト(MILNE社製)0.15kg、果糖ブドウ糖液糖(王子コーンスターチ社製「HC55」(商品名))を1.3kgに対して水を7.8L混合し発酵前果汁(Brix20.9)を11L作成し、各1Lずつ分注した。発酵前果汁にLallemand社製の乾燥酵母を300ppm添加し、さらにオークチップを5g/Lになるように添加して、25℃で14日間発酵させた。発酵後、ベントナイトを添加して澱下げを行い、透明な赤ワインを得た。
使用したオークチップは実施例1と同様の6種類である。得られた赤ワインの樽香気成分濃度を分析した。結果を表5示す。
Figure 2021112213
得られた各赤ワインをパネリスト7名が試飲し、対照例と比較して、ワインらしい香味を有するかを評価した。評価基準は実施例1と同様にした。結果を表6に示す。尚、FMTについては、1名のパネリストがどちらでもないと評価した。
Figure 2021112213
<実施例3>
白ワインに対する樽香気成分の添加
市販されている亜硫酸無添加白ワイン(サントネージュワイン社製「COOP白 酸化防止剤無添加」(登録商標))を準備した。この亜硫酸無添加白ワインのオークラクトン、オイゲノール濃度は0ppmである。この白ワインに、オークラクトンを所定量添加し、オイゲノールを所定量添加し、又は両化合物を所定量添加して、評価用白ワインを製造した。
得られた各白ワインをパネリスト7名が試飲し、ワインらしい香味を有するかを官能評価した。対照例としては、樽香気成分を添加する前の上記亜硫酸無添加白ワインを使用した。ワインらしい香味の評点として、対照として用いたサントネージュワイン社製「COOP白酸化防止剤無添加」(商品名)を1点、対照にピロ亜硫酸カリウムを100ppm添加したものを3点とし、5段階評価で採点した。各パネリストが採点した数値の平均値を評価値とした。2.5点以上でワインらしい香味ありと判断した。結果を表7〜9に示す。
Figure 2021112213
濃度200ppbにおいてココナッツ香がやや目立ち始め、濃度1ppmにおいてはココナッツ香が強すぎ、ワインらしい香味が低下した。
Figure 2021112213
濃度100ppbにおいて特に渋味が感じられ、後味に締まりがでた。濃度1ppmになるとフェノール感が強く、正露丸のような匂いになり、ワインらしい香味が低下した。
Figure 2021112213
オークラクトン濃度5ppb単独、又はオイゲノール濃度5ppb単独においてはワインらしい香味が認められなかったが、両方を併せた濃度が10ppbになるとワインらしい香味が認められた。
<実施例4>
赤ワインに対する樽香気成分の添加
市販されている亜硫酸無添加赤ワイン(サントネージュワイン社製「COOP赤 酸化防止剤無添加」(登録商標))を準備した。この亜硫酸無添加赤ワインのオークラクトン、オイゲノール濃度は0ppmである。亜硫酸無添加白ワインの代わりに、上記亜硫酸無添加赤ワインを使用すること以外は実施例3と同様にして評価用赤ワインを製造し、官能評価した。結果を表10〜12に示す。
Figure 2021112213
濃度200ppbにおいてココナッツ香がやや目立ち始め、濃度1ppmにおいてはココナッツ香が強すぎ、ワインらしい香味が低下した。
Figure 2021112213
濃度100ppbにおいて渋味が感じられ、後味に締まりがでた。濃度1ppmになるとフェノール感が強く、正露丸のような匂いになり、ワインらしい香味が低下した。
Figure 2021112213
オークラクトン濃度5ppb単独、又はオイゲノール濃度5ppb単独においてはワインらしい香味が認められなかったが、両方を併せた濃度が10ppbになるとワインらしい香味が認められた。

Claims (8)

  1. オークラクトン及びオイゲノールからなる群から選択される少なくとも一種の樽香気成分を10ppb以上の濃度で含有する果実酒(但し、オークラクトン量は式(1)に基づいて決定される。)。
    Figure 2021112213
  2. 添加物として酸化防止剤を含有しない請求項1に記載の果実酒。
  3. 前記果実酒の原料が濃縮果汁を含む果汁である請求項1又は2に記載の果実酒。
  4. 前記果実酒がワイン又はシードルである請求項1〜3のいずれか一項に記載の果実酒。
  5. 前記樽香気成分の濃度が200ppb以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の果実酒。
  6. オークラクトン及びオイゲノールからなる群から選択される少なくとも一種の樽香気成分を10ppb以上の濃度で含有させる工程を包含する果実酒の製造方法(但し、オークラクトン量は式(1)に基づいて決定される。)。
    Figure 2021112213
  7. 前記樽香気成分を含有させる工程は、果汁をオークチップに接触させることにより行われる請求項6に記載の果実酒の製造方法。
  8. 前記オークチップは、果汁を発酵させる工程中に、果汁に接触させる請求項7に記載の果実酒の製造方法。
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