JP7329357B2 - 柑橘果実様飲料 - Google Patents

柑橘果実様飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP7329357B2
JP7329357B2 JP2019082724A JP2019082724A JP7329357B2 JP 7329357 B2 JP7329357 B2 JP 7329357B2 JP 2019082724 A JP2019082724 A JP 2019082724A JP 2019082724 A JP2019082724 A JP 2019082724A JP 7329357 B2 JP7329357 B2 JP 7329357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fruit
citrus fruit
beverage
citrus
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019082724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020178592A (ja
Inventor
あゆみ 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sapporo Breweries Ltd
Original Assignee
Sapporo Breweries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sapporo Breweries Ltd filed Critical Sapporo Breweries Ltd
Priority to JP2019082724A priority Critical patent/JP7329357B2/ja
Publication of JP2020178592A publication Critical patent/JP2020178592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7329357B2 publication Critical patent/JP7329357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、柑橘果実様飲料に関する。
レモン、ライム、グレープフルーツ、シークヮーサーなどの柑橘果実の風香味を有する飲料は、柑橘果実特有の爽やかな香気等が消費者に好まれ、清涼飲料やアルコール飲料などにおいて多種多様な商品が販売されている。そして、このような柑橘果実の風香味を有する飲料は、主に香気成分によって特徴づけられたものが多い。
例えば、特許文献1には、柑橘類果実をもぎたて搾り立てした際の果汁感及び新鮮感を付与し、促進させた柑橘類果実様飲料として、シトラールとメチルヘプテノンとを含有し、シトラールの含有量とメチルヘプテノンの含有量とが所定の数式で表される関係を満たす柑橘類果実様飲料が開示されている。
特開2018-027075号公報
しかしながら、柑橘果実様飲料において、木に生っているような青みのある柑橘果実の風香味(柑橘果実のグリーン感)を付与することは難しい。特に、柑橘果汁や柑橘果皮などの柑橘果実由来成分を使用していない、あるいは柑橘果実由来成分の使用量が少ない柑橘果実様飲料の場合、このような青みのある柑橘果実の風香味を付与することは非常に難しくなる。
そこで本発明は、青みのある柑橘果実の風香味(柑橘果実のグリーン感)を有する柑橘果実様飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、香気成分であるペリルアルデヒドが青みのある柑橘果実の風香味に影響していることを明らかにした。この知見から、ペリルアルデヒドを0.01mg/L以上含有する柑橘果実様飲料とすることで、青みのある柑橘果実の風香味(柑橘果実のグリーン感)を有する柑橘果実様飲料を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の(1)~(8)である。
(1)ペリルアルデヒドを0.01mg/L以上含有する、柑橘果実様飲料。
(2)前記柑橘果実様飲料がアルコール飲料である、(1)に記載の柑橘果実様飲料。
(3)前記ペリルアルデヒドの含有量が1.5mg/L以下である、(1)または(2)に記載の柑橘果実様飲料。
(4)さらに、ゲラニルアセテートを0.1mg/L以上含有する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の柑橘果実様飲料。
(5)前記ゲラニルアセテートの含有量が20mg/L以下である、(4)に記載の柑橘果実様飲料。
(6)前記柑橘果実様飲料が、レモン果実様飲料、グレープフルーツ果実様飲料、ライム果実様飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、(1)~(5)のいずれか1つに記載の柑橘果実様飲料。
(7)前記柑橘果実様飲料が炭酸ガスを含有する発泡性飲料である、(1)~(6)のいずれか1つに記載の柑橘果実様飲料。
(8)柑橘果実様飲料において、ペリルアルデヒドの含有量を0.01mg/L以上とする、柑橘果実様飲料における柑橘果実のグリーン感向上方法。
本発明によれば 、青みのある柑橘果実の風香味(柑橘果実のグリーン感)を有する柑橘果実様飲料を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、ペリルアルデヒドを0.01mg/L以上含有する柑橘果実様飲料、ならびに、柑橘果実様飲料において、ペリルアルデヒドの含有量を0.01mg/L以上とする、柑橘果実様飲料における柑橘果実のグリーン感向上方法である。以下においては、これらを「本発明の柑橘果実様飲料」、ならびに「本発明の向上方法」ともいう。
ここで、本発明において「柑橘果実様飲料」とは、柑橘果実様香味を有する飲料、および/または、柑橘果実由来成分(柑橘果汁、柑橘果皮(ピール)、これらのエキス等)を含有する飲料を意味する。特に本発明は、柑橘果実様香味を有する飲料(柑橘果実由来成分を含有し且つ柑橘果実様香味を有する飲料、および柑橘果実由来成分を含有しないが柑橘果実様香味を有する飲料(例えば、柑橘果実様フレーバーを含む飲料))において好適な効果を発揮する。
また、本発明において「柑橘果実」とは、香酸柑橘類(レモン、ライム、ユズ、スダチ、カボス、ダイダイ、シークヮーサーなど)、グレープフルーツ類、ミカン類(温州みかん、マンダリンオレンジ、ポンカンなど)、オレンジ類(バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジなど)、タンゴール類(イヨカン、タンカンなど)、タンゼロ類、ブンタン類、雑柑類(夏ミカン、ハッサク、デコポンなど)、またはキンカン類の果実である。本発明は、特に香酸柑橘類(より好ましくはレモンおよびライム)ならびにグレープフルーツ類の果実様飲料において好適な効果を発揮する。
まず、本発明の柑橘果実様飲料は、ペリルアルデヒド(Perillaldehyde:C1014O)を含有する。このペリルアルデヒドは、1,8-p-メンタジエン-7-アールなどとも称されるモノテルペンに分類される化合物であって、紫蘇などに含まれている香気成分の一つである。
そして、本発明の柑橘果実様飲料においては、ペリルアルデヒドの含有量を0.01mg/L以上、好ましくは0.02mg/L以上、より好ましくは0.03mg/L以上、さらに好ましくは0.04mg/L以上、さらに好ましくは0.05mg/L以上、さらに好ましくは0.07mg/L以上、さらに好ましくは0.08mg/L以上、さらに好ましくは0.1mg/L以上、さらに好ましくは0.15mg/L以上とする。これにより、柑橘果実様飲料に木に生っているような青みのある柑橘果実の風香味、つまり柑橘果実のグリーン感を付与することができる。このペリルアルデヒドの含有量は、市販されているペリルアルデヒド製剤やペリルアルデヒド含有原料の使用により調整することができる。
なお、本発明の柑橘果実様飲料においては、ペリルアルデヒドの含有量を、好ましくは1.5mg/L以下、より好ましくは1.2mg/L以下、さらに好ましくは1.0mg/L以下、さらに好ましくは0.8mg/L以下、さらに好ましくは0.7mg/L以下、さらに好ましくは0.5mg/L以下、さらに好ましくは0.4mg/L以下、さらに好ましくは0.3mg/L以下となるように調整すると、柑橘果実のグリーン感を有し、且つ飲料としての風香味のバランスが優れた自然な柑橘果実感を有する柑橘果実様飲料を得ることができるためより好適である。
そして、本発明の柑橘果実様飲料は、さらにゲラニルアセテート(Geranyl acetate:C1220)を含有するのが好ましい。このゲラニルアセテートは、酢酸(2E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルなどとも称される化合物であって、これもモノテルペンに分類され、レモングラスやコリアンダーなどの精油、グレープフルーツピール等に含まれている香気成分の一つである。
本発明の柑橘果実様飲料においては、ゲラニルアセテートの含有量を、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.2mg/L以上、さらに好ましくは0.3mg/L以上、さらに好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは0.8mg/L以上、さらに好ましくは1.0mg/L以上とする。また、このゲラニルアセテートの含有量は、3.0mg/L以上であっても良く、5.0mg/L以上であっても良く、7.0mg/L以上であっても良く、8.0mg/L以上であっても良く、10mg/L以上であっても良く、15mg/L以上であっても良い。これにより、本発明の柑橘果実様飲料に、柑橘果実のグリーン感を付与しつつさらに柑橘果汁感、つまり柑橘果汁の風香味を十分に付与することができる。このゲラニルアセテートの含有量も、市販されているゲラニルアセテート製剤やゲラニルアセテート含有原料の使用により調整することができる。
なお、本発明の柑橘果実様飲料においては、ゲラニルアセテートの含有量を、好ましくは20mg/L以下、より好ましくは17mg/L以下、さらに好ましくは15mg/L以下、さらに好ましくは12mg/L以下、さらに好ましくは10mg/L以下、さらに好ましくは8.0mg/L以下、さらに好ましくは7.0mg/L以下、さらに好ましくは5.0mg/L以下となるように調整するのが好適である。また、このゲラニルアセテートの含有量は、3.0mg/L以下であっても良い。柑橘果実のグリーン感を有し、さらに十分な柑橘果汁感を有し、且つ飲料としての風香味のバランスが優れた自然な柑橘果実感を有する柑橘果実様飲料を得ることができるからである。
さらに、本発明の柑橘果実様飲料においては、このゲラニルアセテートの含有量を、質量比として、ペリルアルデヒドの含有量の0.5~200倍量、より好ましくは1~75倍量、さらに好ましくは2~50倍量、さらに好ましくは2.5~30倍量とするのがより好適である。このような構成とすることにより、柑橘果実のグリーン感と柑橘果汁感のバランスがより優れた柑橘果実様飲料を得ることができるからである。
この本発明の柑橘果実様飲料におけるペリルアルデヒドの含有量およびゲラニルアセテートの含有量については、溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(溶媒抽出-GC-MS法)により測定する。
具体的には、NaClを30%添加した測定サンプルに2倍量のジクロロメタンを添加し、15分間振とうして香気成分を抽出する。その後、遠心分離してジクロロメタン層を回収し、適宜濃縮したものを分析用サンプルとする。定量は、内部標準を用いた標準添加法にて実施する。GC/MS分析の測定条件は、例えば、以下のとおりである。
(GC-MS条件)
分析機器:6890N GC、5975C MSD(Agilent Technologies社製)
カラム:Pure-WAX、30m(長さ)×0.25mm(内径)、0.25μm(膜厚)(ジーエルサイエンス社製)
流量:1mL/分(定流量)
注入量:1μL、スプリットレス注入
注入口温度:250℃
オーブン温度:40℃(3分)→5℃/分→250℃(5分)
MS検出器:SIM m/z 150及び135(ペリルアルデヒド)、121及び136(ゲラニルアセテート)
なお、本発明は、柑橘果実様飲料において、ペリルアルデヒドの含有量を0.01mg/L以上とする、柑橘果実様飲料における柑橘果実のグリーン感向上方法を提供するものであるとも言える。そして、この本発明の向上方法では、さらにゲラニルアセテートの含有量を0.1mg/L以上とする、柑橘果実様飲料における柑橘果実のグリーン感および柑橘果汁感向上方法を提供することもできる。また、本発明の向上方法では、さらにペリルアルデヒドの含有量を1.5mg/L以下、および/または、ゲラニルアセテートの含有量を20mg/L以下とする、柑橘果実様飲料における柑橘果実のグリーン感および/または柑橘果汁感を向上し且つ自然な柑橘果実感を維持する方法を提供することもできる。
ここで、本発明の柑橘果実様飲料に使用できる原料としては、果実由来成分(果汁、果皮エキスなど)、野菜由来成分(野菜汁、野菜エキスなど)、糖類(グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、オリゴ糖など)、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸など)、リン酸、酒類、食酢、炭酸水、香料、着色料、甘味料、酸化防止剤等が挙げられる。
なお、本発明の柑橘果実様飲料においては、柑橘果実由来成分および/または柑橘果実様フレーバー(柑橘香料など)を含んだ柑橘果実様香味を有する飲料とするのが、本発明の効果がより発揮されるため好ましい。また、柑橘果実以外の果実由来成分や、柑橘果実様フレーバー以外の香気成分を含有させることも制限されないが、得られる飲料が柑橘果実様香味を有するように使用する原料の種類や量を選択するのが好ましい。
また、本発明の柑橘果実様飲料は、無果汁飲料であっても良い。ここで、本発明における無果汁飲料とは、果汁および野菜汁(果実、野菜を破砕して搾汁または裏ごし等をし、皮、種子等を除去したもの、あるいはこれを濃縮または希釈したもの)を含まない飲料を意味する。さらに、本発明の柑橘果実様飲料は、柑橘果汁、柑橘果皮エキスなどの柑橘果実由来成分を含まない無果汁飲料であっても良い。
あるいは、本発明の柑橘果実様飲料が柑橘果汁を含む場合でも、柑橘果汁の含有率が少ない(例えば、JAS規格である果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)において定められる柑橘果実ストレート果汁(搾汁)の含有率が30質量%以下、さらには20質量%以下、さらには10質量%以下、さらには5質量%以下、さらには3質量%以下、さらには1質量%以下の)飲料であっても良い。
そして、本発明の柑橘果実様飲料は、リキュールや発泡性酒類などの、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコール飲料(例えば、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類など)であっても良く、あるいは、乳酸菌飲料や乳飲料であっても良い。さらに、これら以外の清涼飲料(炭酸飲料、果実飲料など)であっても良い。
本発明の柑橘果実様飲料がアルコール飲料である場合、そのアルコール度数は特に限定されないが、例えば、下限として1v/v%以上、さらには3v/v%以上、さらには5v/v%以上、さらには7v/v%以上、さらには10v/v%以上、さらには15v/v%以上の範囲が示され、上限として20v/v%以下、さらには15v/v%以下、さらには10v/v%以下、さらには7v/v%以下、さらには5v/v%以下、さらには3v/v%以下の範囲が示される。ここで、本発明の「アルコール度数(v/v%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定する。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
また、このアルコール度数は、例えばリキュールなどの場合、その製造工程において、使用するベース酒(主として、焼酎、ウォッカ等の蒸留酒)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、果実酒、発泡酒等の醸造酒である場合においては、その発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
さらに、本発明の柑橘果実様飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性飲料(炭酸飲料、発泡性アルコール飲料など)であると、その飲用時における発泡により柑橘果実のグリーン感などがより感じ易くなるため好ましい。ここで、本発明において「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、0.10MPa以上、さらには0.15MPa以上、さらには0.20MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧は1.00MPa以下、さらには0.50MPa以下、さらには0.30MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良いし、カーボネーション(炭酸ガス圧入)工程により柑橘果実様飲料に炭酸ガスを付与したものであっても良い。なお、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
なお、本発明の柑橘果実様飲料の製造方法は、ペリルアルデヒドの含有量が所定の範囲内となるように調整する工程(さらにはゲラニルアセテートの含有量が所定の範囲内となるように調整する工程)を含めば、他は清涼飲料製造やアルコール飲料製造などにおける常法にしたがえばよく、特段限定はされない。例えば、柑橘果実様発泡性アルコール飲料を製造する場合の製造方法の例としては、まず、ウォッカなどの蒸留酒等をベース酒とし、このベース酒に糖類、有機酸、柑橘果汁、柑橘香料、ペリルアルデヒド製剤、ゲラニルアセテート製剤などを混合して炭酸水により希釈し、ペリルアルデヒドの含有量、さらにはゲラニルアセテートの含有量が所定の範囲内となるように調整して、必要であれば殺菌を行って製品とする方法が示される。
そして、本発明の柑橘果実様飲料は、上記のようにして得られた製品を金属製容器、ガラス製容器、ペットボトル容器などに充填した容器詰飲料としても良い。このような容器詰飲料とすることにより、柑橘果実様フレーバー等の経時劣化を抑制し易いだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<レモン果実様アルコール飲料の調製および官能評価(試験I)>
ベース酒となるウォッカに、糖類、クエン酸、レモン香料(ペリルアルデヒドおよびゲラニルアセテートを含有しない香料)、およびペリルアルデヒド製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1上段左側に示すように、アルコール度数が6(v/v)%、レモン香料の含有量が0.1(w/v)%であり、ペリルアルデヒドの含有量が異なるサンプル1-1からサンプル1-6のレモン果実様発泡性アルコール飲料を作製した(サンプル1-1はペリルアルデヒドを含有しないコントロールサンプル)。なお、いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.20MPaであった。
そして、得られた各サンプルにおける、レモン果実のグリーン感およびレモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価について、訓練され官能的識別能力を備えた7名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて比較官能によって各サンプルを官能評価した。
[レモン果実のグリーン感の評価基準]
サンプル1-6におけるレモン果実のグリーン感を5(グリーン感を強く感じる)とし、このサンプル1-6との対比として、1(グリーン感を全く感じない)から5(グリーン感を強く感じる(サンプル1-6と同等のグリーン感である))の5段階により比較官能評価を行った。
[レモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価の評価基準]
サンプル1-4におけるレモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価を4(やや良い)とし、このサンプル1-4との対比として、1(悪い)から5(良い)の5段階により比較官能評価を行った。
この官能評価結果(7名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段左側に示した。この結果から、ペリルアルデヒドの含有量が0.05mg/L以上であるサンプル1-2からサンプル1-6は、レモン果汁やレモン果皮などを含まないにもかかわらず、レモン果実のグリーン感が十分に感じられる飲料であり、また、レモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価も高いことが明らかとなった。特に、ペリルアルデヒドの含有量が0.1mg/L以上であるサンプル1-3からサンプル1-6は、レモン果実のグリーン感がより強く感じられる柑橘果実様飲料であった。
<レモン果実様アルコール飲料の調製および官能評価(試験II)>
ベース酒となるウォッカに、糖類、クエン酸、レモン香料(ペリルアルデヒドおよびゲラニルアセテートを含有しない香料)、ペリルアルデヒド製剤、およびゲラニルアセテート製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1上段中央に示すように、アルコール度数が6(v/v)%、レモン香料の含有量が0.1(w/v)%およびペリルアルデヒドの含有量が0.2mg/Lであり、ゲラニルアセテートの含有量が異なるサンプル2-1からサンプル2-6のレモン果実様発泡性アルコール飲料を作製した(サンプル2-1はゲラニルアセテートを含有しないコントロールサンプルであり、試験Iのサンプル1-4と同じサンプルである)。なお、いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.20MPaであった。
そして、得られた各サンプルにおける、レモン果実のグリーン感、レモン果汁感、レモン果実の自然感、ならびにレモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価について、訓練され官能的識別能力を備えた7名のパネリストにより、官能評価を行った。なお、レモン果実のグリーン感およびレモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価については試験Iと同じ評価基準を用い、また、レモン果汁感およびレモン果実の自然感については以下に示す評価基準を用いて比較官能によって各サンプルを官能評価した。
[レモン果汁感の評価基準]
サンプル2-6におけるレモン果汁感を5(果汁感を強く感じる)とし、このサンプル2-6との対比として、1(果汁感を全く感じない)から5(果汁感を強く感じる(サンプル2-6と同等の果汁感である))の5段階により比較官能評価を行った。
[レモン果実の自然感の評価基準]
サンプル2-1におけるレモン果実の自然感(化学的ではないレモン果実の自然な香り)を5(自然な香りを強く感じる)とし、このサンプル2-1との対比として、1(自然な香りを全く感じない(化学的な香りである))から5(自然な香りを強く感じる(サンプル2-1と同等の自然感である))の5段階により比較官能評価を行った。
この官能評価結果(7名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段中央に示した。この結果から、ゲラニルアセテートの含有量が0.5mg/L以上であったサンプル2-2からサンプル2-6は、レモン果汁やレモン果皮などを含まないにもかかわらず、レモン果実のグリーン感に加えて、レモン果汁感も十分高く、レモン果実のグリーン感とレモン果汁感のバランスも優れた飲料であることが明らかとなった。そして、ゲラニルアセテートの含有量が10mg/L以下であるサンプル2-2からサンプル2-5は、レモン果実の自然感も維持し、さらにレモン果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価も非常に高い飲料であることが明らかとなった。
<グレープフルーツ果実様アルコール飲料およびライム果実様アルコール飲料の調製、ならびに官能評価(試験III)>
ベース酒となるウォッカに、糖類、クエン酸、グレープフルーツ香料あるいはライム香料(いずれもペリルアルデヒドおよびゲラニルアセテートを含有しない香料)、ペリルアルデヒド製剤、およびゲラニルアセテート製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1上段右側に示すように、アルコール度数が6(v/v)%、香料の含有量が0.1(w/v)%、ペリルアルデヒドの含有量が0.2mg/L、およびゲラニルアセテートの含有量が5.0mg/Lであるサンプル3-1ならびにサンプル3-2の柑橘果実様発泡性アルコール飲料を作製した。なお、いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.20MPaであった。
そして、得られた各サンプルにおける、グレープフルーツ果実あるいはライム果実のグリーン感、果汁感、自然感、ならびに柑橘果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価について、訓練され官能的識別能力を備えた7名のパネリストにより、試験Iおよび試験IIと同様の評価基準を用い、同じように別途作製したコントロールサンプルとの比較官能によって各サンプルを官能評価した。
この官能評価結果(7名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段右側に示した。この結果から、いずれのサンプルも、グレープフルーツやライムの果汁、果皮などを含まないにもかかわらず、グレープフルーツ果実あるいはライム果実のグリーン感および果汁感がいずれも十分高く、これらのバランスも優れ、且つグレープフルーツ果実あるいはライム果実の自然感も維持し、さらに柑橘果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価も非常に高い飲料であることが明らかとなった。
以上より、ペリルアルデヒドを0.05~1.0mg/L含有する柑橘果実様発泡性アルコール飲料は、柑橘果実のグリーン感が十分に高く、柑橘果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価も非常に高いこと、さらにゲラニルアセテートを0.5~10mg/L含有する柑橘果実様発泡性アルコール飲料は、柑橘果実のグリーン感および柑橘果汁感が十分に高く、これらのバランスも優れ、且つ柑橘果実の自然感も高く維持され、さらに柑橘果実様発泡性アルコール飲料としての総合評価も非常に高いことが示された。
Figure 0007329357000001

Claims (7)

  1. ペリルアルデヒドを0.05mg/L以上1.5mg/L以下およびゲラニルアセテートを0.1mg/L以上20mg/L以下含有する、レモン果実様アルコール飲料、グレープフルーツ果実様アルコール飲料、およびライム果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、柑橘果実様アルコール飲料。
  2. 前記ペリルアルデヒドの含有量が0.1mg/L以上である、請求項1に記載の柑橘果実様アルコール飲料。
  3. 前記ペリルアルデヒドの含有量が0.4mg/L以下である、請求項1または2に記載の柑橘果実様アルコール飲料。
  4. 前記ゲラニルアセテートの含有量が8.0mg/L以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の柑橘果実様アルコール飲料。
  5. 前記ゲラニルアセテートの含有量が前記ペリルアルデヒドの含有量の25~75倍量である、請求項1~4のいずれか1項に記載の柑橘果実様アルコール飲料。
  6. 前記柑橘果実様アルコール飲料が炭酸ガスを含有する発泡性飲料である、請求項1~5のいずれか1項に記載の柑橘果実様アルコール飲料。
  7. 柑橘果実様アルコール飲料において、ペリルアルデヒドの含有量を0.01mg/L以上1.5mg/L以下およびゲラニルアセテートの含有量を0.1mg/L以上20mg/L以下とする、柑橘果実様アルコール飲料における柑橘果実のグリーン感および柑橘果汁感向上方法。
JP2019082724A 2019-04-24 2019-04-24 柑橘果実様飲料 Active JP7329357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019082724A JP7329357B2 (ja) 2019-04-24 2019-04-24 柑橘果実様飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019082724A JP7329357B2 (ja) 2019-04-24 2019-04-24 柑橘果実様飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020178592A JP2020178592A (ja) 2020-11-05
JP7329357B2 true JP7329357B2 (ja) 2023-08-18

Family

ID=73022575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019082724A Active JP7329357B2 (ja) 2019-04-24 2019-04-24 柑橘果実様飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7329357B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7378568B1 (ja) 2022-12-26 2023-11-13 アサヒビール株式会社 柑橘風味飲料および柑橘風味飲料の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000245431A (ja) 1999-02-26 2000-09-12 Takara Shuzo Co Ltd 低アルコール飲料
JP2004168936A (ja) 2002-11-21 2004-06-17 Kiyomitsu Kawasaki シトラス様香料組成物
WO2008153118A1 (ja) 2007-06-14 2008-12-18 Suntory Holdings Limited 紫蘇のフレッシュで自然な芳香を有する蒸留酒類及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000245431A (ja) 1999-02-26 2000-09-12 Takara Shuzo Co Ltd 低アルコール飲料
JP2004168936A (ja) 2002-11-21 2004-06-17 Kiyomitsu Kawasaki シトラス様香料組成物
WO2008153118A1 (ja) 2007-06-14 2008-12-18 Suntory Holdings Limited 紫蘇のフレッシュで自然な芳香を有する蒸留酒類及びその製造方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J. Ess. Oil. Res.,1989年,vol.1, no.4,pp.151-159
Molecules,2008年,vol.13, no.6,pp.1333-1344

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020178592A (ja) 2020-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2020250206B2 (en) A beverage containing wood components
JP6762136B2 (ja) レモン風味飲料、レモン風味飲料ベース、レモン風味飲料の製造方法、レモン風味飲料ベースの製造方法、及び、レモン風味飲料の風味向上方法
JP6198906B1 (ja) グレープフルーツ果実様飲料及びその製造方法
JP6991841B2 (ja) リモネンを含有する柑橘系アルコール飲料
JP2020178664A (ja) 麦汁及び/又は麦芽エキス由来臭マスキング剤
AU2016206336B2 (en) A beverage containing isobutanol and/or isoamyl alcohol
JP7329357B2 (ja) 柑橘果実様飲料
JP6855167B2 (ja) 柑橘の果皮感が増強されたアルコール飲料およびその製造方法
JP6858496B2 (ja) 自然なアルコール感が付与された飲料、およびその製造方法
JP2018191570A (ja) 飲料、飲料の製造方法並びに飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法。
JP7033500B2 (ja) アルコール飲料
JP6974041B2 (ja) 飲料、飲料ベース、飲料の製造方法、飲料ベースの製造方法、及び、オレンジフラワー様の香気の付与方法
JP6974043B2 (ja) 飲料、飲料ベース、飲料の製造方法、飲料ベースの製造方法、及び、ユズフラワー様の香気の付与方法
JP7356262B2 (ja) アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法
JP7430987B2 (ja) アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における焦げたパンの香りおよび/またはねっとりとした舌触りの向上方法
JP6847288B1 (ja) 容器詰飲料及びその製造方法
JP6974042B2 (ja) 飲料、飲料ベース、飲料の製造方法、飲料ベースの製造方法、及び、ライムフラワー様の香気の付与方法
JP7441025B2 (ja) 柑橘果実様飲料
JP2019097489A (ja) 果汁含有飲料
JP7186548B2 (ja) ビールテイスト飲料およびその製造方法
JP2019170174A (ja) 発泡性アルコール飲料及びその製造方法並びに発泡性アルコール飲料の香味を向上させる方法
JP7235620B2 (ja) 果実香の成分を含有しているアルコール飲料
JP6829578B2 (ja) マンゴー属果実由来の果汁を含むアルコール飲料
JP2023167065A (ja) 柑橘風味飲料
JP2022100629A (ja) 梅テイスト飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190625

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7329357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150