JP7356262B2 - アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法 - Google Patents
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<1>一般式(1)で表される化合物を含有し、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料であって、前記アルコール飲料における、アルコール度数に対する前記化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))が0.02以上である、アルコール飲料。
<2>前記比率が40以下である、<1>に記載のアルコール飲料。
<3>前記化合物の含有量が0.05mg/L以上である、<1>または<2>に記載のアルコール飲料。
<4>前記化合物の含有量が150mg/L以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<5>前記化合物がカプリル酸である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<6>前記アルコール度数が1~20(v/v)%である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<7>前記アルコール飲料が炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<8>前記アルコール飲料が果実様アルコール飲料である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<9>前記果実様アルコール飲料が、梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、およびオレンジ果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、<8>に記載のアルコール飲料。
<10>ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、ビール様の風香味を有さず、アルコール度数に対するこの化合物の含有量の比率が0.02以上であるアルコール飲料、ならびに、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する下記一般式(1)で表される化合物の含有量の比率を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法である。以下においては、これらを「本発明のアルコール飲料」、ならびに「本発明の向上方法」ともいう。
そして、本発明のアルコール飲料は、味のバランスがより優れたアルコール飲料となることから、カプリル酸を含有するアルコール飲料であるのが好ましい。一方、カプリン酸を含有するアルコール飲料とすると、より発酵感が高いアルコール飲料を得ることができる。なお、カプリル酸およびカプリン酸は、乳脂やココナッツなどに多く含まれている成分である。
この一般式(1)で表される化合物の含有量は、市販されている製剤(カプリル酸製剤など)やこの化合物を含有する原料などの使用により調整することができる。
具体的には、測定サンプルにリン酸を少量加えて酸性にした後、NaClを30%添加し、さらに2倍量のジクロロメタンを添加し、15分間振とうして香気成分を抽出する。その後、遠心分離してジクロロメタン層を回収し、適宜濃縮したものを分析用サンプルとする。定量は、内部標準を用いた標準添加法にて実施する。
このアルコール度数は、例えばリキュールなどの場合、その製造工程において、使用するベース酒(主として、焼酎、ウォッカ等の蒸留酒)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、果実酒、発泡酒等の醸造酒である場合においては、その発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
また、上記エキス分は、35.0(w/v)%以下であっても良く、30.0(w/v)%以下であっても良く、25.0(w/v)%以下であっても良く、20.0(w/v)%以下であっても良く、15.0(w/v)%以下であっても良い。そして、上記酸度は、1.0(w/v)%以下であっても良く、0.8(w/v)%以下であっても良く、0.5(w/v)%以下であっても良い。
また、本発明の効果に影響を与えない範囲において、他の香気成分や、果実以外のフレーバーなどを含有させることも制限されない。
ベース酒となるウォッカに、梅濃縮果汁、糖類、クエン酸、梅香料、ならびにカプリル酸製剤またはカプリン酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段左側に示すように、アルコール度数が3(v/v)%、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.40(w/v)%および梅果汁がストレート果汁換算で1.27(w/w)%であり、カプリル酸またはカプリン酸の含有量が異なるサンプル1-1から1-6の梅果実様発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、コントールとして、カプリル酸およびカプリン酸を含まない以外は上記と同様の調整をしたサンプル0-1も作製した。
いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
サンプル0-1における、アルコール飲料を飲んだときのねっとりとした舌触り、ならびに、乳製品や大豆製品などにおいて感じられるような発酵感をいずれも1(ほとんど感じない)とし、このサンプル0-1との対比として、1(ほとんど感じない(サンプル0-1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
各サンプルにおける、果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについて、1(悪い)から5(良い)の5段階により官能評価を行った。
ベース酒となるウォッカに、梅濃縮果汁、糖類、クエン酸、梅香料、およびカプリル酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段中央に示すように、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.40(w/v)%および梅果汁がストレート果汁換算で1.27(w/w)%であり、アルコール度数が異なるサンプル1-7から1-10の梅果実様発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、カプリル酸の含有量が10mg/Lであり、アルコール度数が10(v/v)%である以外は上記と同様の調整をしたサンプル1-11も作製した。
いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
ベース酒となるウォッカに、糖類、クエン酸、梅香料、およびカプリル酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段右側に示すように、アルコール度数が3(v/v)%、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、および酸度が0.40(w/v)%であるサンプル1-12の梅果実様無果汁発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、このサンプルの20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
なお、いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
Claims (5)
- カプリル酸またはカプリン酸を0.05mg/L以上150mg/L以下含有し、ビール様の風香味を有しない、アルコール度数が3(v/v)%以上20(v/v)%以下のアルコール飲料であって、
前記アルコール飲料が炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料であり、且つ、果実様アルコール飲料であり、
前記アルコール飲料における、前記アルコール度数に対する前記カプリル酸またはカプリン酸の含有量の比率(前記カプリル酸またはカプリン酸の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))が0.02以上であり、さらに、エキス分が1.0(w/v)%以上20.0(w/v)以下および酸度が0.1(w/v)%以上1.0(w/v)以下である、アルコール飲料。 - 前記比率が40以下である、請求項1に記載のアルコール飲料。
- カプリル酸を含有する、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
- 前記果実様アルコール飲料が、梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、およびオレンジ果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- ビール様の風香味を有しない、アルコール度数が1(v/v)%以上20(v/v)%以下のアルコール飲料において、
炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料とし、且つ、果実様アルコール飲料とし、
前記アルコール度数に対するカプリル酸またはカプリン酸の含有量の比率(前記カプリル酸またはカプリン酸の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))を0.02以上とし、
さらに、前記カプリル酸またはカプリン酸の含有量を0.05mg/L以上150mg/L以下、エキス分を1.0(w/v)%以上20.0(w/v)以下、および酸度を0.1(w/v)%以上1.0(w/v)以下とする、
アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法。
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Citations (1)
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Non-Patent Citations (2)
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山根善治ほか,清酒中の脂肪酸が官能評価に与える影響,醸協,第92巻, 第3号,1997年,224-227頁 |
栗林喬ほか,酵素法による清酒の遊離脂肪酸の定量,醸協,2012年,第107巻, 第9号,624-631頁 |
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