JP2020191813A - アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法 - Google Patents

アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発酵感及び/又はねっとりとした舌触りを有する、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料の提供。【解決手段】炭素数が7〜9である直鎖アルキル基を有するカルボン酸を含有し、アルコール度数((V/V)%)に対する前記カルボン酸含有量(mg/L)の比率が0.02以上である、アルコール飲料。前記比は、40以下であることが好ましい。又、前記カルボン酸の含有量は、0.05〜150mg/L以下であることが好ましい。更に、前記カルボン酸は、カプリル酸であることが好ましい。前記アルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料、梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、オレンジ果実様アルコール飲料とすることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料、ならびにその風香味等の向上方法に関する。
アルコール飲料において、香気成分は製品を特徴づけている構成成分の一つであり、消費者の嗜好にも大きな影響を与えている。特に、サワーやチューハイなどのビール様の風香味を有しないアルコール飲料においては、製品を特徴づける上で香気成分は非常に重要であり、これまでにも香気成分を用いた様々な技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、アルコール飲料などにおいて、柑橘類果実を搾りたてした際の果汁感及び新鮮感を付与し、促進させるために、シトラールとメチルヘプテノンとを含有させ、シトラールの含有量とメチルヘプテノンの含有量とが所定の数式で表される関係を満たす飲料とすることが開示されている。
特開2018−027075号公報
しかしながら、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、乳製品や大豆製品などにおいて感じられるような発酵感が付与された製品や、ねっとりとした舌触りを感じられる製品は見出されていない。
そこで本発明は、発酵感および/またはねっとりとした舌触りを有する、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、特定の飽和脂肪酸がビール様の風香味を有しないアルコール飲料における発酵感やねっとりとした舌触りに影響していることを明らかにした。この知見から、アルコール度数に対するこの特定の飽和脂肪酸の含有量の比率を0.02以上とすることで、発酵感やねっとりとした舌触りを有する、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の<1>〜<10>である。
<1>一般式(1)で表される化合物を含有し、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料であって、前記アルコール飲料における、アルコール度数に対する前記化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))が0.02以上である、アルコール飲料。
<2>前記比率が40以下である、<1>に記載のアルコール飲料。
<3>前記化合物の含有量が0.05mg/L以上である、<1>または<2>に記載のアルコール飲料。
<4>前記化合物の含有量が150mg/L以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<5>前記化合物がカプリル酸である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<6>前記アルコール度数が1〜20(v/v)%である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<7>前記アルコール飲料が炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<8>前記アルコール飲料が果実様アルコール飲料である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<9>前記果実様アルコール飲料が、梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、およびオレンジ果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、<8>に記載のアルコール飲料。
<10>ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法。
本発明によれば、発酵感および/またはねっとりとした舌触りを有する、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、ビール様の風香味を有さず、アルコール度数に対するこの化合物の含有量の比率が0.02以上であるアルコール飲料、ならびに、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する下記一般式(1)で表される化合物の含有量の比率を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法である。以下においては、これらを「本発明のアルコール飲料」、ならびに「本発明の向上方法」ともいう。
Figure 2020191813
[一般式(1)中、Rは炭素数が7〜9である直鎖アルキル基を表す。]
この一般式(1)で表される化合物は、一般式(1)中のRが炭素数7〜9の直鎖アルキル基である飽和脂肪酸である。つまり、カプリル酸(Caprylic acid:C16)、ノナン酸(Nonanoic acid:C18)、およびカプリン酸(Capric acid:C1020)からなる群から選ばれる1以上である。
そして、本発明のアルコール飲料は、味のバランスがより優れたアルコール飲料となることから、カプリル酸を含有するアルコール飲料であるのが好ましい。一方、カプリン酸を含有するアルコール飲料とすると、より発酵感が高いアルコール飲料を得ることができる。なお、カプリル酸およびカプリン酸は、乳脂やココナッツなどに多く含まれている成分である。
ここで、本発明において「ビール様の風香味を有しないアルコール飲料」とは、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義されるビール、およびこのビールのような風香味を主として有しビールを飲用したような感覚を飲用者に与えるアルコール飲料をいずれも除くアルコール飲料、つまり非ビール様アルコール飲料を意味する。
そして、本発明のアルコール飲料においては、アルコール度数((v/v)%)に対する一般式(1)で表される化合物の含有量(mg/L)の比率、つまり、「一般式(1)で表される化合物の含有量(mg/L)/アルコール度数((v/v)%)」を0.02以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.3以上とする。また、この比率は、0.5以上であっても良く、0.8以上であっても良く、1.0以上であっても良い。このような構成とすることにより、乳製品や大豆製品などにおいて感じられるような発酵感、および/または、ねっとりとした舌触りを有するアルコール飲料を得ることができる。
なお、本発明のアルコール飲料においては、この比率を、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下、さらに好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、さらに好ましくは8.0以下、さらに好ましくは7.0以下、さらに好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下となるように調整すると、発酵感および/またはねっとりとした舌触りを有し、且つ味のバランスが優れたアルコール飲料を得ることができるためより好適である。
さらに、本発明のアルコール飲料においては、一般式(1)で表される化合物の含有量下限を好ましくは0.05mg/L以上、より好ましくは0.1mg/L以上、さらに好ましくは0.3mg/L以上、さらに好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは0.8mg/L以上、さらに好ましくは1.0mg/L以上となるように調整するのが好適である。そして、この含有量下限は、2.0mg/L以上であっても良く、3.0mg/L以上であっても良く、5.0mg/L以上であっても良い。また、この化合物の含有量上限を好ましくは200mg/L以下、より好ましくは150mg/L以下、さらに好ましくは100mg/L以下、さらに好ましくは80mg/L以下、さらに好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは30mg/L以下、さらに好ましくは12mg/L以下となるように調整するのが好適である。そして、この含有量上限は、10mg/L以下であっても良い。味のバランスがより優れたアルコール飲料を得ることができるからである。
この一般式(1)で表される化合物の含有量は、市販されている製剤(カプリル酸製剤など)やこの化合物を含有する原料などの使用により調整することができる。
ここで、本発明のアルコール飲料における一般式(1)で表される化合物(カプリル酸、ノナン酸およびカプリン酸)の含有量は、固相マイクロ抽出−質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction−Gas Chromatography−Mass Spectrometry:SPME−GC−MS)法により測定する。
具体的には、測定サンプルにリン酸を少量加えて酸性にした後、NaClを30%添加し、さらに2倍量のジクロロメタンを添加し、15分間振とうして香気成分を抽出する。その後、遠心分離してジクロロメタン層を回収し、適宜濃縮したものを分析用サンプルとする。定量は、内部標準を用いた標準添加法にて実施する。
また、本発明のアルコール飲料におけるアルコール度数については、本発明の効果がより発揮されやすくなる範囲として、例えば、下限は1(v/v)%以上、好ましくは2(v/v)%以上、より好ましくは3(v/v)%以上が示され、上限は好ましくは20(v/v)%以下、より好ましくは15(v/v)%以下、さらに好ましくは10(v/v)%以下、さらに好ましくは7(v/v)%以下が示される。また、このアルコール度数の上限は、5(v/v)%以下であっても良い。ここで、本発明の「アルコール度数((v/v)%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3−4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定する。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
このアルコール度数は、例えばリキュールなどの場合、その製造工程において、使用するベース酒(主として、焼酎、ウォッカ等の蒸留酒)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、果実酒、発泡酒等の醸造酒である場合においては、その発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
なお、本発明は、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法を提供するものであるとも言える。また、この本発明の向上方法では、さらにアルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率を40以下とすることにより、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りを向上し且つ味のバランスが優れたアルコール飲料を得る方法を提供することもできる。
ここで、本発明のアルコール飲料に使用できる原料としては、果実由来成分(果汁、果皮エキスなど)、野菜由来成分(野菜汁、野菜エキスなど)、糖類(グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、オリゴ糖など)、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸など)、リン酸、酒類、食酢、炭酸水、香料、着色料、甘味料、酸化防止剤等が挙げられる。なお、得られるアルコール飲料がビール様の風香味を有しない限り、原料として麦芽やホップを使用することも制限されない。
そして、本発明のアルコール飲料においては、不揮発性固形分の濃度であるエキス分が好ましくは0.5(w/v)%以上、より好ましくは1.0(w/v)%以上、さらに好ましくは2.0(w/v)%以上、さらに好ましくは3.0(w/v)%以上、さらに好ましくは4.0(w/v)%以上、さらに好ましくは5.0(w/v)%以上であり、有機酸等の酸味物質の濃度である酸度が好ましくは0.01(w/v)%以上、より好ましくは0.05(w/v)%以上、さらに好ましくは0.08(w/v)%以上、さらに好ましくは0.1(w/v)%以上、さらに好ましくは0.2(w/v)%以上であると、本発明の効果がより発揮されやすい。
また、上記エキス分は、35.0(w/v)%以下であっても良く、30.0(w/v)%以下であっても良く、25.0(w/v)%以下であっても良く、20.0(w/v)%以下であっても良く、15.0(w/v)%以下であっても良い。そして、上記酸度は、1.0(w/v)%以下であっても良く、0.8(w/v)%以下であっても良く、0.5(w/v)%以下であっても良い。
なお、本発明のアルコール飲料においては、果実由来成分および/または果実様フレーバー(香料など)を含む果実の風香味を有するアルコール飲料、つまり果実様アルコール飲料とするのが、果実様香味と発酵感によって、風香味がより優れたアルコール飲料となるため好ましい。特に、梅果実の風香味、桃果実の風香味、およびオレンジ果実の風香味からなる群から選ばれる少なくとも1つを有するアルコール飲料、つまり梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、オレンジ果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つであるのが非常に好適である。
また、本発明の効果に影響を与えない範囲において、他の香気成分や、果実以外のフレーバーなどを含有させることも制限されない。
また、本発明のアルコール飲料は、上記した果実様アルコール飲料等において、無果汁アルコール飲料であっても良い。ここで、本発明における無果汁アルコール飲料とは、果汁および野菜汁(果実、野菜を破砕して搾汁または裏ごし等をし、皮、種子等を除去したもの、あるいはこれを濃縮または希釈したもの)を含まないアルコール飲料を意味する。
あるいは、本発明のアルコール飲料が果汁を含む果実様アルコール飲料であっても、果汁の含有率が少ない(例えば、JAS規格である果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)において定められる果実ストレート果汁(搾汁)の含有率が30(w/w)%以下、さらには20(w/w)%以下、さらには10(w/w)%以下、さらには5(w/w)%以下、さらには3(w/w)%以下、さらには1(w/w)%以下の)アルコール飲料であっても良い。
さらに、本発明のアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料であると、その飲用時における発泡により発酵感などがより感じ易くなるため好ましい。ここで、本発明において「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、0.10MPa以上、0.15MPa以上、さらには0.20MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧は1.00MPa以下、さらには0.50MPa以下、さらには0.30MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良いし、カーボネーション(炭酸ガス圧入)工程によりアルコール飲料中に付与されたものであっても良い。なお、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
なお、本発明のアルコール飲料の製造方法は、アルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率が所定の範囲内となるように調整する工程を含めば、他はアルコール飲料製造における常法にしたがえばよく、特段限定はされない。例えば、ウォッカなどの蒸留酒、果実酒などの醸造酒等をベース酒とし、このベース酒に糖類、有機酸、果実由来原料、果実香料、一般式(1)で表される化合物の製剤などを混合し、アルコール度数に対するこの化合物の含有量の比率が所定の範囲内となるように調整して、必要であれば水や炭酸水などによる希釈や殺菌等を行って製品とする方法が示される。
そして、本発明のアルコール飲料は、ベース酒が水、炭酸水、果汁、清涼飲料、茶類等によってそのまま飲用する状態にまで希釈された飲料製品(RTD:Ready To Drink)としても良く、あるいは、飲用する際に水などにより希釈したり氷を入れたりする飲料ベース製品(RTS:Ready To Serve)としても良い。なお、本発明のアルコール飲料がRTSである場合、アルコールおよび一般式(1)で表される化合物を含まない液体(水、炭酸水など)により希釈するのであれば、上記比率は飲用する状態においても変わらない。
さらに、本発明のアルコール飲料は、上記のようにして得られた製品を金属製容器、ガラス製容器、ペットボトル容器などに充填した容器詰飲料としても良い。このような容器詰飲料とすることにより、フレーバー等の経時劣化を抑制し易いだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。
このように、アルコール度数に対する一般式(1)で表される化合物の含有量の比率が所定の範囲内となるように調整された本発明のアルコール飲料は、乳製品(乳発酵食品など)や大豆製品(大豆発酵食品など)等において感じられるような発酵感が付与され、さらに、飲用したときにねっとりとした舌触りを感じられる。そして、アルコール飲料としての味のバランスに優れ、且つ風香味等に特徴のある非ビール様アルコール飲料製品を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<梅果実様発泡性アルコール飲料の調製および官能評価(試験I)>
ベース酒となるウォッカに、梅濃縮果汁、糖類、クエン酸、梅香料、ならびにカプリル酸製剤またはカプリン酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段左側に示すように、アルコール度数が3(v/v)%、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.40(w/v)%および梅果汁がストレート果汁換算で1.27(w/w)%であり、カプリル酸またはカプリン酸の含有量が異なるサンプル1−1から1−6の梅果実様発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、コントールとして、カプリル酸およびカプリン酸を含まない以外は上記と同様の調整をしたサンプル0−1も作製した。
いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
そして、この得られた各サンプルおよびコントロールにおける、ねっとりとした舌触り、発酵感および果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについて、訓練され官能的識別能力を備えた8名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
[ねっとりとした舌触りおよび発酵感の評価基準]
サンプル0−1における、アルコール飲料を飲んだときのねっとりとした舌触り、ならびに、乳製品や大豆製品などにおいて感じられるような発酵感をいずれも1(ほとんど感じない)とし、このサンプル0−1との対比として、1(ほとんど感じない(サンプル0−1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
[果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスの評価基準]
各サンプルにおける、果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについて、1(悪い)から5(良い)の5段階により官能評価を行った。
この官能評価結果(8名のパネリストの評価平均値)を下記表1の下段左側に示した。この結果から、アルコール度数に対するカプリル酸またはカプリン酸の含有量の比率が0.03以上であるサンプル1−1から1−6は、ねっとりとした舌触りおよび発酵感を有するアルコール飲料であることが示された。特に、サンプル1−2から1−4は、ねっとりとした舌触りおよび発酵感が高く且つ味のバランスが優れたアルコール飲料であることが明らかとなった。
<梅果実様発泡性アルコール飲料の調製および官能評価(試験II)>
ベース酒となるウォッカに、梅濃縮果汁、糖類、クエン酸、梅香料、およびカプリル酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段中央に示すように、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.40(w/v)%および梅果汁がストレート果汁換算で1.27(w/w)%であり、アルコール度数が異なるサンプル1−7から1−10の梅果実様発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、カプリル酸の含有量が10mg/Lであり、アルコール度数が10(v/v)%である以外は上記と同様の調整をしたサンプル1−11も作製した。
いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
そして、この得られた各サンプルにおける、ねっとりとした舌触り、発酵感および果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについて、訓練され官能的識別能力を備えた6名のパネリストにより、試験Iと同じ評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
この官能評価結果(6名のパネリストの評価平均値)を下記表1の下段中央に示した。この結果から、アルコール度数に対するカプリル酸の含有量の比率が0.2以上であるいずれのサンプルも、ねっとりとした舌触りおよび発酵感が高い果実様発泡性アルコール飲料であり、特に、サンプル1−7から1−9およびサンプル1−11は、ねっとりとした舌触りおよび発酵感が高く且つ味のバランスが優れたアルコール飲料であることが示された。そして、アルコール度数が異なるサンプルにおいても、アルコール度数に対するカプリル酸の含有量の比率を所定の範囲内に維持することが好適であることも明らかとなった。
<果実様発泡性アルコール飲料の調製および官能評価(試験III)>
ベース酒となるウォッカに、糖類、クエン酸、梅香料、およびカプリル酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段右側に示すように、アルコール度数が3(v/v)%、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、および酸度が0.40(w/v)%であるサンプル1−12の梅果実様無果汁発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、このサンプルの20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
同様に、ベース酒となるウォッカに、桃濃縮果汁またはオレンジ濃縮透明果汁、糖類、クエン酸、桃香料またはオレンジ香料、ならびにカプリル酸製剤を混合して炭酸水により希釈し、下記表1の上段右側に示すように、アルコール度数が3(v/v)%、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.22(w/v)%および果汁がストレート果汁換算で1.16(w/w)%であるサンプル1−13の桃果実様発泡性アルコール飲料(サワー)、ならびに、アルコール度数が3(v/v)%、カプリル酸の含有量が3.0mg/L、エキス分が11.4(w/v)%、酸度が0.40(w/v)%および果汁がストレート果汁換算で1.12(w/w)%であるサンプル1−14のオレンジ果実様発泡性アルコール飲料(サワー)を作製した。
なお、いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は0.2MPaであった。
そして、この得られた各サンプルにおける、ねっとりとした舌触り、発酵感および果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについて、訓練され官能的識別能力を備えた6名のパネリストにより官能評価を行った。なお、ねっとりとした舌触りおよび発酵感については試験Iと同様にカプリル酸を含まないコントロールサンプル(梅果実様発泡性アルコール飲料であるサンプル0−1)の評価を1としたときの基準により、果実様発泡性アルコール飲料としての味のバランスについては試験Iと同じ評価基準を用いて各サンプルを評価した。
この官能評価結果(6名のパネリストの評価平均値)を下記表1の下段右側に示した。この結果から、梅果実の風香味を有する無果汁アルコール飲料や、桃果実の風香味あるいはオレンジ果実の風香味を有する果汁入りアルコール飲料でも、アルコール度数に対するカプリル酸の含有量の比率を所定の範囲内とすることにより、同様に、ねっとりとした舌触りおよび発酵感が高く且つ味のバランスが優れた果実様発泡性アルコール飲料となることが明らかとなった。
Figure 2020191813

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含有し、ビール様の風香味を有しないアルコール飲料であって、
    前記アルコール飲料における、アルコール度数に対する前記化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))が0.02以上である、アルコール飲料。
    Figure 2020191813
    [一般式(1)中、Rは炭素数が7〜9である直鎖アルキル基を表す。]
  2. 前記比率が40以下である、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. 前記化合物の含有量が0.05mg/L以上である、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
  4. 前記化合物の含有量が150mg/L以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  5. 前記化合物がカプリル酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  6. 前記アルコール度数が1〜20(v/v)%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  7. 前記アルコール飲料が炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  8. 前記アルコール飲料が果実様アルコール飲料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  9. 前記果実様アルコール飲料が、梅果実様アルコール飲料、桃果実様アルコール飲料、およびオレンジ果実様アルコール飲料からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項8に記載のアルコール飲料。
  10. ビール様の風香味を有しないアルコール飲料において、アルコール度数に対する下記一般式(1)で表される化合物の含有量の比率(前記化合物の含有量(mg/L)/前記アルコール度数((v/v)%))を0.02以上とする、アルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法。
    Figure 2020191813
    [一般式(1)中、Rは炭素数が7〜9である直鎖アルキル基を表す。]
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