JP6595160B2 - チューハイ飲料 - Google Patents

チューハイ飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP6595160B2
JP6595160B2 JP2014086847A JP2014086847A JP6595160B2 JP 6595160 B2 JP6595160 B2 JP 6595160B2 JP 2014086847 A JP2014086847 A JP 2014086847A JP 2014086847 A JP2014086847 A JP 2014086847A JP 6595160 B2 JP6595160 B2 JP 6595160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
derived
acidity
alcohol
vodka
alcohol content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014086847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015204774A (ja
Inventor
真由美 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2014086847A priority Critical patent/JP6595160B2/ja
Publication of JP2015204774A publication Critical patent/JP2015204774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6595160B2 publication Critical patent/JP6595160B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本願は、酸味に由来する刺激感が低減された、酸度の高いチューハイ、及びその製造方法に関する。
近年、酒飲料に対する消費者ニーズの多様化に伴い、多種多様な酒飲料の開発が盛んに行われている。例えば、従来品との差別化を図るため、風味に特徴を有する商品の開発が行われている。特許文献1には、レモンフレーバーを含有するアルコール飲料に、クエン酸カリウムを添加して、飲料のpHを3.0以上に調整することによって、シトラール由来の劣化臭を抑制することが開示されている。特許文献2には、酸量、pH、及び糖分を特定の範囲に調整することによって、酸度が高くても酸味の刺激が低減された梅ワインを提供することが記載されている。特許文献3には、果実酒を特定の条件で減圧濃縮することにより、飲用又は調理用に適したアルコール分及びエキス分を有する濃縮果実酒を提供することが記載されている。特許文献4には、料理用酒類において、酒類の風味を保持し、調理効果を高めるために、特定量のクエン酸とコハク酸を添加することが記載されている。
特開2007−039610 特開2007−028904 特開2006−174760 特開2003−310204
しかし、酸度が高いチューハイは、酸味に由来する刺激感(イガイガ感)があるため、飲みにくく、多くの量を飲むことができない。酸度の高いチューハイにおいて、酸味に由来する刺激感を低減する手段は、これまで知られていない。本発明は、酸味に由来する刺激感が低減され、おいしく飲めるチューハイを提供することを目的とする。
課題を解決しようとする手段
以上の事情に鑑み、本願の発明者は、酸度の高いチューハイの製造に用いる原料に着目した。鋭意検討の結果、驚くべきことに、ウオツカに由来するアルコールを使用することにより、酸度が高いチューハイにおいて、酸味に由来する刺激感を低減できることを見出した。この知見に基づいて、本発明は完成された。
本発明は、限定されるものではないが、以下を提供する。
(1)酸度が0.5g/100ml以上に調整され、ウオツカに由来するアルコールを含有する、チューハイ。
(2)酸度が0.5〜1.5g/100mlに調整された、(1)のチューハイ。
(3)アルコール分が1〜12v/v%に調整された、(1)又は(2)のチューハイ。
(4)チューハイのアルコール分に占めるウオツカに由来するアルコール分の割合が、3v/v%以上である、(1)〜(3)のいずれかのチューハイ
(5)酸度を0.5g/100ml以上に調整すること、ウオツカを添加することによりアルコール分を調整すること、を含む、チューハイの製造方法。
(6)(1)〜(4)のいずれかのチューハイを製造するための、(5)の方法。
本発明によれば、酸度が高いにも関わらず、酸味に由来する刺激感が低減され、おいしく飲めるチューハイを得ることができる。チューハイの原料としてウオツカに由来するアルコールを用いることによる、このような効果は知られておらず、全くの予想外であった。
発明の実施をするための形態
<チューハイ>
本明細書でいうチューハイとは、一般に、スピリッツをベースに、果汁などを加え、炭酸水で割ったアルコール飲料をいうが、本発明におけるチューハイとは、アルコールとして、ウオツカに由来するアルコールを用いるものを指す。ここで、ウオツカとは、大麦やライ麦等の穀物を原材料として蒸留し、白樺炭で濾過してできる酒である。本発明においては、いずれのウオツカを用いることができる。例えば、市場において入手可能なウオツカを用いてもよいし、既に知られた方法により製造したウオツカを用いてもよいし、特定の方法により製造した本発明での使用に適したウオツカを用いてもよい。ウオツカ由来のアルコールを用いることにより、酸度の高いチューハイにおいて、酸味に由来する刺激感を低減することができる。この効果は、ジン、ラム、テキーラ等の他の酒類に由来するアルコールを用いることによっては、達成することができない。そして、ウオツカ由来のアルコールを用いることにより、酸度の高いチューハイにおいて、酸味に由来する刺激感が低減されることに加え、チューハイの味をやわらかくしたり、チューハイにまろやかな甘みを付与するといった、別の予想外の効果を得ることができる。即ち、ウオツカ由来のアルコールを用いることにより、チューハイにおいて、果物の味を感じさせつつ、酸味に由来する刺激感を低減させることができる。よって、ウオツカ由来のアルコールは、果物の味わいを感じさせることを意図した、酸度の高いチューハイに対して、特に好ましく適用することができる。
本明細書でいう、アルコール分とは、溶液に占めるアルコールの体積濃度の百分率(v/v%)をいう。ここで、アルコールとは、別段の記載がなければエタノール(エチルアルコール)を意味する。本発明において、チューハイのアルコール分は、ウオツカに由来するアルコールを用いて調整される限り、いずれの範囲に設定してもよい。これに限定されないが、例えば、チューハイのアルコール分は、ウオツカに由来するアルコールを用いて、1〜12v/v%、1〜9v/v%、又は1〜3v/v%に調整することができる。特に、アルコール分1〜9v/v%においては、適度なアルコール感があり、嗜好性の高いチューハイとなる。
本発明のチューハイにおいて、アルコール分の調整は、ウオツカ由来のアルコールを単独で使用することによって行うこともできるし、他の酒類等に由来するアルコールと組み合わせて行うこともできる。ウオツカ由来のアルコールと組み合わせることのできるアルコールは、限定されないが、例えば、ニュートラルスピリッツ由来のアルコールが挙げられる。具体的な態様として、ウオツカ由来のアルコールとニュートラルスピリッツ由来のアルコールの組み合わせにより、チューハイのアルコール分を調整することが挙げられる。このような組合せにおいて、ウオツカ由来のアルコールの使用量は、チューハイのアルコール分に占めるウオツカ由来のアルコール分の割合に基づいて設定することができる。例えば、チューハイのアルコール分に占める、ウオツカ由来のアルコール分の割合が、3v/v%以上、10v/v%以上、又は100v/v%となるように、ウオツカ由来のアルコールを用いることができる。チューハイのアルコール分に占める、ウオツカ由来のアルコール分の割合が、3v/v%未満になると、酸度の高いチューハイにおいて、酸味に由来する刺激感を効率的に低減することができなくなるため、好ましくない。
アルコール分は、当業者に知られているいずれの方法を用いて測定してもよいが、本明細書において示されるアルコール分は、振動式密度計を用いて測定された値である。より詳細には、測定対象のアルコール飲料を濾過又は超音波処理することによって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算することによりアルコール分を求めることができる。また、1.0v/v%未満のアルコール分は、国税庁所定分析法3−4(アルコール分)に記載の「B)ガスクロマトグラフ分析法」を用いることによって測定することができる。
本発明におけるチューハイは、高い酸度を有する。ここで、酸度とは、チューハイに存在する全ての酸の合計量を意味する。酸度の調整は、いずれの酸を用いて行ってもよい。限定されるものではないが、食品添加物として認可されている酸、例えば、クエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、硫酸、塩酸、フマル酸、フィチン酸、又はイタコン酸等の酸味料を用いることにより、チューハイの酸度を調整することができる。限定されるものではないが、高い酸度とは、例えば、チューハイの酸度が0.5g/100ml以上、0.5〜1.5g/100ml、0.8〜1.2g/100ml、又は0.9〜1.1g/100mlであることをいう。ここで、酸度が0.5g/100ml以上のチューハイについては、従来技術によっては解決されていない、酸味に由来する刺激感が強いという課題が存在する。従って、本発明は、酸度が0.5g/100ml以上のチューハイに対して、効果的に適用することができる。そして、酸度は、当業者に知られているいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、試料20mlをホールピペットで100mlのビーカーにとり、蒸留水を加えて総量約50mlとしpHメーターの電極を液中に挿入する。そして、液を撹拌しながら1/10N水酸化ナトリウム溶液をビュレットから滴下し、pHメーターの目盛りが7.0を示すところを終点とする。なお、滴定には自動滴定装置を用いても良い。
本発明においては、糖類をチューハイに配合してもよい。限定されないが、例えば、糖類として、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、及びそれ以上の構成糖からなるオリゴ糖類、及び多糖類が挙げられる。単糖類として、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、アラビノース、及び、糖アルコール:ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。二糖類として、果糖、ショ糖、乳糖、マルトース、トレハロース等を使用することができる。本発明のチューハイにおいて、糖類の濃度は、例えば、0〜30w/v%、0〜25w/v%、0〜15w/v%に調整することができる。糖質の濃度は、当業者に知られているいずれの方法によって測定してもよい。限定されないが、例えば、飲料全体の重量からタンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分、及び水分の量を差し引くことによって算出することができる。前記タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定することができる。具体的には、タンパク質量は、窒素定量換算法により測定することができる。脂質量は、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法、又はレーゼゴットリーブ法により測定することができる。食物繊維の量は、高速液体クロマトグラフ法又は硫酸添加灰化法で測定することができる。水分量は、カールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法、又はプラスチックフィルム法で測定することができる。これらの測定方法は、当業者間で一般的に知られている。
本発明においては、本発明の効果が奏される限り、アルコール飲料の成分として一般的に使用されているその他の成分を用いることができる。例えば、これに限定されるものではないが、レモン果汁、オレンジ果汁、ライム果汁、柚子果汁、シークヮーサー果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁、イチゴ果汁、ブドウ果汁、ブルーベリー果汁、チェリー果汁、メロン果汁、キウイ果汁、スイカ果汁、ナシ果汁、モモ果汁、バナナ果汁、パイナップル果汁、梅果汁、リンゴ果汁、マンゴー果汁、アセロラ果汁等の果汁、高甘味度甘味料、炭酸ガス、香料、ビタミンC、色素、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、及び品質安定化剤等を用いることができる。
本明細書でいう、酸味に由来する刺激感とは、舌がピリピリとするような痛みや苦味、渋みを伴う刺激をいう。酸味に由来する刺激感の強さは、熟練した専門のテイスターによる官能評価によって確認することができる。
<容器詰めチューハイ>
本発明のチューハイは、例えば、容器に充填して容器詰めとすることが好ましい。容器詰めにすると、酸素との接触を極力防ぐことができるため保存の面で好ましく、また輸送の面でも好ましい。容器の形態は何ら制限されず、プラスチックを主成分とする成形容器、アルミ缶等の金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと積層されたラミネート紙容器、及びガラス瓶等の通常の形態で提供することができる。
本発明について具体例を用いて説明する。以下の具体例は、本発明の理解を容易にすることを目的とするものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[試験例1]
チューハイの風味における、酸度の影響について検討した。表1の配合表に従って原料を配合し、最後に20℃にて1.8kgf/cmになるように炭酸ガスを注入し、チューハイを製造した。ウオツカを用い、アルコール分を2v/v%に調整した。酸味料(クエン酸無水)を用い、酸度を0.5〜1.5g/100mlに調整した。
対照品においては、ウオツカの代わりにニュートラルスピリッツ(アルコール分95v/v%)を用い、アルコール分を調整した。
上記のように製造したチューハイに関し、官能試験を実施した。酸味に由来する刺激感について、4人の熟練した専門のテイスターが5段階で評価した(3点以上を合格とした)。
5:酸味に由来する刺激感がなく、非常においしく飲める
4:酸味に由来する刺激感がなく、おいしく飲める
3:酸味に由来する刺激感をやや感じるが、飲める
2:酸味に由来する刺激感があり、飲みづらい
1:酸味に由来する刺激感を非常に強く感じ、飲み進めることが困難である
評価の平均を算出し、小数点第1位を四捨五入した。結果を表2に示す。
アルコール分の調整にニュートラルスピリッツ由来のアルコールを用いた場合、酸度が高くなるにつれて、酸味に由来する刺激感が強く感じられるようになる傾向があった。その傾向は、酸度0.9g/100ml以上でより明確であった。特に、酸度1.0g/100ml以上では、飲みづらくなる程に酸味に由来する刺激感が強くなり、更に酸度1.1g/100ml以上では、飲み進めることが困難になる程に酸味に由来する刺激感が強くなることが示された。
一方、アルコール分の調整にウオツカ由来のアルコールを用いた場合、試験した酸度(0.5〜1.5g/100ml)の全範囲において、酸味に由来する刺激感が低減され、飲用性がよくなることが示された。酸度0.5〜1.3g/100mlの範囲において、酸味に由来する刺激感がなく、おいしく飲めることが分かった。更に、酸度0.5〜1.2g/100mlの範囲において、酸味に由来する刺激感がなく、非常においしく飲めることが分かった。また、酸度1.5g/100mlにおいても、酸味に由来する刺激感が感じられるものの、その強さは許容範囲内であった。
ニュートラルスピリッツとウオッカの結果を比較することにより、試験した酸度の全範囲において、アルコール分の調整にニュートラルスピリッツに由来するアルコールを用いるよりも、ウオツカに由来するアルコールを用いた方が、酸味に由来する刺激感がより低減されることがわかった。特に、酸度1.0〜1.5g/100mlの範囲において、ウオツカに由来するアルコールを用いることの利点が明確になった。
次に、酸味に由来する刺激感だけでなく、チューハイを飲んだ時に感じられるの風味全体について、評価を行った。4人の専門のテイスターがチューハイを飲用し、風味全体について協議し、コメントした。
アルコール分の調整にニュートラルスピリッツ由来のアルコールを用いた場合、試験した全範囲において、酸味に由来する風味が感じられることが示された。酸度が0.8g/100mlになると酸味に由来する刺激が強く感じられるようになった。酸度0.9〜1.0g/100mlになると、アルコールの刺激感と相まって酸味に由来する刺激感が増強され、かつ酸による苦味も感じられるようになった。酸度1.1〜1.2g/100mlになると、アルコールの刺激感と相まって酸味に由来する刺激感が増強され、かつ口にしびれが感じられるようになった。更に、酸度1.3g/100ml以上になると口がしびれるほどに刺激が強く、飲み進めることが難しくなった。
一方、アルコール分の調整にウオツカ由来のアルコールを用いた場合、酸度1.5g/100mlの場合を除き、酸味に由来する風味に関するコメントは出てこなかった。このことから、酸味に由来する刺激感の低減において、ニュートラルスピリッツに由来するアルコール比して、ウオツカに由来するアルコールが顕著に優れた効果を発揮することが確認できる。そして、ウオツカに由来するアルコールを用いることによって、チューハイの全体の味わいがやわらかくなる、まろやな甘みが出るといった、予期しない更なる効果が得られることが分かった。
[試験例2]
チューハイの風味における、アルコール分の影響について検討した。表4の配合表に従って原料を配合し、最後に20℃にて1.8kgf/cmになるように炭酸ガスを入れ、チューハイを製造した。ウオツカに由来するアルコールを用い、アルコール分を1〜12v/v%に調整した。酸味料を用い、酸度を1.0g/100mlに調整した。
対照品においては、ウオツカの代わりにニュートラルスピリッツに由来するアルコールを用い、アルコール分を調整した。
上記のように製造したチューハイに関し、試験例1に示したように、酸味に由来する刺激感について、官能評価を実施した。結果を表5に示す。
アルコール分の調整にニュートラルスピリッツ由来のアルコールを用いた場合、アルコール分が高くなるにしたがって、酸味に由来する刺激感が強く感じられ、飲みにくくなる傾向があった。アルコール分2v/v%以上において酸味に由来する刺激感が感じられるようになり、アルコール分6v/v%おいて飲みづらい程に酸味に由来する刺激感が強くなり、更にアルコール分9v/v%において飲み進めることが困難な程に酸味に由来する刺激感が非常に強く感じられるようになった。
一方、チューハイのアルコール分の調整にウオツカに由来するアルコールを用いた場合、試験したアルコール分(1〜12v/v%)の全範囲において、酸味に由来する刺激感が低減され、飲用性がよくなることが示された。アルコール分1〜9v/v%において、酸味に由来する刺激感がなく、おいしく飲め、更にアルコール分1〜3v/v%において、酸味に由来する刺激感がなく、非常においしく飲めることが分かった。
ニュートラルスピリッツとウオツカの結果を比較することにより、チューハイに果汁が含まれる場合においても、アルコール分の調整にニュートラルスピリッツ由来のアルコールを用いるよりも、ウオツカ由来のアルコールを用いた方が、酸味に由来する刺激感がより低減されることが示された。特に、チューハイのアルコール分2〜12v/v%において、ウオツカに由来するアルコールを用いることの利点が明確になった。
次に、酸味に由来する刺激感だけでなく、チューハイを飲んだ時に感じられるの風味全体について、評価を行った。4人の専門のテイスターがチューハイを飲用し、風味全体について協議し、コメントした。
アルコール分の調整にニュートラルスピリッツに由来するアルコールを用いた場合、試験した全範囲において、酸味に由来する風味が感じられることが示された。アルコール分が2〜6v/v%になると、アルコールの刺激感と相まって酸味に由来する刺激が増強され、かつ酸による苦味も感じられるようになった。更に、アルコール分が9v/v%以上になるとアルコールの刺激が強く感じられるようになった。
一方、アルコール分の調整にウオツカに由来するアルコールを用いた場合、アルコール分が6v/v%以上になると、苦味が出る傾向にあるが、アルコール分が6〜9v/v%の範囲においては、苦味に果実らしさが感じられ、チューハイに果実感を出すことにおいて、むしろ好ましい効果が得られることが分かった。そして、試験した全ての範囲において、ウオツカに由来するアルコールを用いることによって、チューハイ全体の味わいがやわらかくなる、まろやな甘みが出るといった、更なる効果が得られることが分かった。このような効果は、ニュートラルスピリッツに由来するアルコールのみを用いることによっては得ることができないものであり、全くの予想外であった。
[試験例3]
種々の蒸留酒によるチューハイの風味への影響を検討した。表7の配合表に従って原料を配合し、最後に20℃にて1.8kgf/cmになるように炭酸ガスを注入し、アルコール分2v/v%、酸度1.0g/100mlのチューハイを製造した。
酸度の調整には、酸味料(クエン酸無水)を用いた。
アルコール分の調整には、ニュートラルスピリッツ、ウオツカ、ジン、ラム、テキーラを用いた(表8)。ウオツカ、ジン、ラム、テキーラを用いる場合、チューハイのアルコール分(2v/v%)に占める、それぞれに由来するアルコール分の割合を100v/v%、10v/v%、3v/v%、2v/v%に変化させた。前記割合を10v/v%、3v/v%、2v/v%とした場合は、不足分をニュートラルスピリッツ由来のアルコールで補うことにより、チューハイのアルコール分を2v/v%に調整した。
上記のように製造したチューハイに関し、官能試験を実施した。酸味に由来する刺激感及び果物の味わいについて、4人の熟練した専門のテイスターが5段階で評価した(3点以上を合格とした)。
5:果物の味わいを感じながら、酸味に由来する刺激感がなく、非常においしく飲める
4:果物の味わいを感じながら、酸味に由来する刺激感がなく、おいしく飲める
3:果物の味わいを感じながら、酸味に由来する刺激感をやや感じるが、飲める
2:果物の味わいを感じるが、酸味に由来する刺激感を感じ、飲みづらい
1:果物の味わいを感じない
評価の平均を算出し、小数点第1位を四捨五入した。結果を表9に示す。
ウオツカに由来するアルコールを用いてアルコール分を調整した場合、最も高い評価が得られた。ウオツカに由来するアルコール分の割合が低くなるにつれて、評価が低くなる傾向にあることから、ウオツカに由来するアルコール分は、果物の味わいを感じさせつつ、酸味に由来する刺激感を低減させることに有効であることが示された。
一方、ニュートラルスピリッツに由来するアルコールを用いてアルコール分を調整した場合、果実の味わいは感じられるものの、酸味に由来する刺激感がやや感じられた。そして、ジンに由来するアルコールを用いてアルコール分を調整した場合、最も低い評価となった。ラムに由来するアルコールを用いた場合も、ジンと同様の評価であった。テキーラを用いた場合、テキーラに由来するアルコール分の割合が低くなるにつれて、評価が上昇する傾向にあった。これは、ニュートラルスピリッツに由来するアルコール分の割合が増え、評価に影響していることに起因していると考えられる。
この結果より、チューハイにおいて、果物の味わいを感じさせつつ、酸味に由来する刺激感を低減させることについて、ウオツカ由来のアルコール分を用いることにより得られる効果は、他の酒類に比べて極めて優れていることがわかる。
次に、チューハイを飲んだ時に感じられる全体の風味について、評価を行った。4人の専門のテイスターがチューハイを飲用し、風味全体について協議し、コメントした。
ウオツカ由来のアルコールをアルコール分の調整に用いた場合、先の検討において示された、果物の味わいを感じさせつつ、酸味に由来する刺激感を低減させるという効果に加えて、チューハイの味がやわらかくなる、及びチューハイにまろやかな甘みが出るといった別の効果が得られることが示された。
一方、ジン、ラム、テキーラ由来のアルコールをアルコール分の調整に用いた場合、それぞれの酒の味が全面に強く出てしまうために、チューハイから果物の味わいが感じられなくなったことがわかった。特にジンやラムの味の影響は、チューハイのアルコール分に占めるジンやラムに由来するアルコール分の割合を低くしたとしても、変わらなかった。また、ニュートラルスピリッツ由来のアルコールをアルコール度数の調整に用いた場合は、酸味に由来する刺激感(イガイガ感)があることに加え、酸味料の苦みが感じられることが分かった。
このことより、チューハイについて、味をやわらかくすることや、まろやかな甘みを出すことは、ウオツカ由来のアルコールを使用した場合にのみ達成可能であることがわかった。
本試験例においては、ウオツカとニュートラルスピリッツ以外の蒸留酒である、ジン、ラム、テキーラに由来するアルコールによる、チューハイの風味に対する影響を検討した。その結果、ウオツカに由来するアルコールを用いた場合の評価が著しく高く、おいしく飲めるチューハイが得られることが確認された。ジン、ラム、テキーラ等のスピリッツに由来するアルコールを用いた場合、それら自体の香味が強く影響するため、チューハイの果物の味わいを変化させてしまうことがわかった。
チューハイの商品を開発する場合、果物の味を表現することがよく行われる。ウオツカ由来のアルコールをチューハイのアルコール分の調整に用いることによって、果物の味わいを感じさせつつ、様々な効果(酸味に由来する刺激感の低減、やわらかな味わいにすること、まろやかな甘みを与えること)が得られる。よって、ウオツカ由来のアルコールは、果物の味を表現したチューハイの原料として、特に適しているといえる。

Claims (5)

  1. 酸度が0.7〜1.3g/100mlに調整されたチューハイであって、ウオツカに由来するアルコールを含有し、アルコール分が〜3v/v%であり、該アルコール分に占めるウオツカに由来するアルコール分の割合は3v/v%以上であり、そして該酸度はクエン酸換算の酸度である、前記チューハイ。
  2. 酸度が0.7〜1.2g/100mlに調整された、請求項1に記載のチューハイ。
  3. 酸度が0.9〜1.3g/100mlに調整された、請求項1に記載のチューハイ。
  4. 酸度を0.7〜1.3g/100mlに調整すること、該酸度はクエン酸換算の酸度である、
    ウオツカを添加することにより、アルコール分を〜3v/v%に調整すること、該アルコール分に占めるウオツカに由来するアルコール分の割合は3v/v%以上である、
    を含む、チューハイの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のチューハイを製造するための、請求項に記載の方法。
JP2014086847A 2014-04-18 2014-04-18 チューハイ飲料 Active JP6595160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014086847A JP6595160B2 (ja) 2014-04-18 2014-04-18 チューハイ飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014086847A JP6595160B2 (ja) 2014-04-18 2014-04-18 チューハイ飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015204774A JP2015204774A (ja) 2015-11-19
JP6595160B2 true JP6595160B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=54602217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014086847A Active JP6595160B2 (ja) 2014-04-18 2014-04-18 チューハイ飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6595160B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7361580B2 (ja) * 2014-04-18 2023-10-16 サントリーホールディングス株式会社 チューハイ飲料
JP7305297B2 (ja) * 2017-10-31 2023-07-10 サッポロビール株式会社 アルコール飲料、及びアルコール飲料の香味を改善する方法
JP7305296B2 (ja) * 2017-10-31 2023-07-10 サッポロビール株式会社 飲料及び飲料の香味を改善する方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101952410B (zh) * 2008-02-19 2013-04-17 三得利控股株式会社 含果汁酒精饮料
JP5547908B2 (ja) * 2009-05-25 2014-07-16 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 バーニング感抑制剤及びバーニング感抑制方法
JP5498085B2 (ja) * 2009-08-03 2014-05-21 サントリーホールディングス株式会社 長時間加熱果汁含有アルコール飲料
JP5864096B2 (ja) * 2010-12-27 2016-02-17 小川香料株式会社 レモングラスエキス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015204774A (ja) 2015-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5306791B2 (ja) 柑橘類由来の果汁及び/または柑橘類果実成分含有原料酒とグリセリンとを含有するアルコール飲料
JP2024024096A (ja) 容器詰め炭酸アルコール飲料及びその製造方法
JP5498085B2 (ja) 長時間加熱果汁含有アルコール飲料
JP6581360B2 (ja) 酒らしい味わいが付与又は増強された飲料
JP2017093341A (ja) 醸造酒配合飲料
JP6595160B2 (ja) チューハイ飲料
JP5357744B2 (ja) 呈味の改善されたアルコール飲料
JP6690889B2 (ja) チューハイ飲料
TW201716566A (zh) 含木質成分之飲料
JP6734974B2 (ja) 果汁含有アルコール飲料
TWI666313B (zh) 經賦予或經增強似酒味道的飲料,及增強飲料的似酒味道或對飲料賦予似酒味道之方法
JP2014132896A (ja) 弱酸性重合高分子色素を含むノンアルコール飲料
JP7356262B2 (ja) アルコール飲料、ならびにアルコール飲料における発酵感および/またはねっとりとした舌触りの向上方法
JP6652780B2 (ja) 酒らしい味わいが付与又は増強された飲料
JP7361580B2 (ja) チューハイ飲料
JP6764220B2 (ja) 容器詰めアルコール飲料
KR20200137011A (ko) 고알코올 음료, 고알코올 음료의 제조 방법 및 고알코올 음료의 향미 향상 방법
JP2015100294A (ja) 蒸留酒とプロピレングリコールと果汁とを含有するアルコール飲料
JP7324591B2 (ja) グレープフルーツ風味飲料、及び、風味向上方法
JP7373278B2 (ja) アルコールの辛みが低減されたアルコール飲料およびその製造方法
JP7361463B2 (ja) アルコール飲料
JP6931564B2 (ja) 梅香味飲料、梅香味飲料ベース、梅香味飲料の製造方法、梅香味飲料ベースの製造方法、及び、梅香味飲料の香味向上方法
JP6306781B1 (ja) 梅酒飲料
JP6739146B2 (ja) 果汁含有アルコール飲料
JP2023094896A (ja) アルコール飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6595160

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250