JP5864096B2 - レモングラスエキス - Google Patents

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本発明は、飲食品に優れた香味を付与するレモングラスエキスおよびその製造方法に関する。
レモングラス(lemon grass)は、イネ科の多年草で、葉や茎は強いレモン様の香りを有し、東南アジアなどでは料理の香り付けに用いられ、乾燥した葉や茎はハーブティーとしても使用されている。
葉や茎を水蒸気蒸留して得られた精油は、シトラールを約70〜80%含有し、香料として化粧品などに使用されている他、抗菌、鎮静作用等の有し、アロマセラピーにも広く用いられている。
レモングラス精油は、香料として飲食品に使用するには香りが強すぎる場合もあることから、レモングラスを水性溶媒等で抽出したエキスを飲食品に添加することも試みられている。
例えば、レモングラスを水、アルコール等で抽出した抽出液を5重量%以下の重量%添加したヨーグルト(特許文献1)、果実成分とレモングラス等のハーブを抽出して得たエキスを所定量配合した飲料(特許文献2)、ハーブエキスとスクラロースを含有するハーブ含有飲料(特許文献3)などが報告されている。
しかし、レモングラスを熱水等で抽出したエキスは、枯草様の好ましくない匂いを有していることに加え、ハーブエキス特有の苦味や渋味を有している。要するに、従来のレモングラスエキスは、飲食品に好ましい柑橘様の香味を付与する香味料素材としては実用性に欠けていた。
また、特許文献4ではレモングラスを水と混合して加熱処理を行ったのち冷却し酵素処理を行うレモングラスエキスの製造法が開示されている。この方法によればエキスの甘味、コク味、すっきり感を改善することができるが、枯草様の匂いがなく、飲食品に適度な柑橘様の香味を付与することができるレモングラスエキスの製造法としては適したものではなかった。
特開平1−196253号公報 特開平11−215973号公報 特開2002−306142号公報 特開2010−63382号公報
本発明が解決しようとする課題は、異臭が無く香味が優れ、香味付与のため飲食品に配合可能なレモングラスエキスを提供することである。
本発明者らはレモングラスエキスの香味を改善するため、エキスの製造法を検討した。
エキスの原料となるレモングラスの葉及び茎はレモン様の好ましい香気の他に枯草様の香気を有し、熱水等で抽出すると枯草様の香気を有する成分も抽出され、エキスの香味が損なわれる。
本発明者らはエキスの製造法を種々検討したところ、レモングラスを水蒸気蒸留して得られた留出物の水層部(水溶液部分)と、蒸留残渣を水又はエタノール等の極性有機溶媒で抽出して得られた抽出物を混合すると、枯草様の匂い及びハーブエキス特有の苦味や渋味が感じられない、好ましい香味を有するレモングラスエキスが得られることを見出した。さらに留出物の油層部(精油)をエキス中に乳化又は可溶化させると、より濃厚な香味を有するレモングラスエキスが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)レモングラスから水蒸気蒸留により分画して精油と水溶液部分とからなる留出物を得る工程1と、
前記水蒸気蒸留後のレモングラス残渣を水、極性有機溶媒、又はこれらの混合物で抽出して抽出物を得る工程2と、
工程1の留出物と工程2の抽出物とを混合してエキスを得る工程3、を含む製造方法により得られるレモングラスエキス。
(2)工程3が、工程1の留出物のうち水溶液部分のみを工程2の抽出物に混合する工程であることを特徴とする(1)記載のレモングラスエキス。
(3)工程3が、工程1の留出物と工程2の抽出物を混合し、撹拌した後、精油部分を分離除去する工程であることを特徴とする(1)記載のレモングラスエキス。
(4)工程3が、工程1の留出物と工程2の抽出物を混合し、乳化又は可溶化する工程であることを特徴とする(1)記載のレモングラスエキス。
(5)工程1の留出物の精油と水溶液部分を乳化又は可溶化した後、工程3に供することを特徴とする(1)記載のレモングラスエキス。
(6)工程2の抽出物をイオン交換樹脂及び/又は吸着剤により処理した後、工程3に供することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のレモングラスエキス。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のレモングラスエキスを含有する香味料組成物。(8)(1)〜(6)のいずれかに記載のレモングラスエキス、又は(7)記載の香味料組成物を添加したことを特徴とする飲食品。
(9)(i)レモングラスを水蒸気蒸留により分画して精油と水溶液部分とからなる留出物を得る工程1、
(ii)前記水蒸気蒸留後のレモングラス残渣を水、極性有機溶媒、又はこれらの混合物で抽出して抽出物を得る工程2、
及び
(iii)下記のa、b、c及びdから選ばれるいずれかの工程3、
a)工程1の留出物のうち水溶液部分のみを工程2の抽出物に混合する工程;
b)工程1の留出物と工程2の抽出物を混合し、撹拌した後、精油部分を分離除去する工程;
c)工程1の留出物と工程2の抽出物を混合し、乳化又は可溶化する工程;
d)工程1の留出物の精油と水溶液部分を乳化又は可溶化した後、工程2の抽出物と混合する工程;
を含むことを特徴とするレモングラスエキスの製造方法。
(10)工程2の抽出物をイオン交換樹脂及び/又は吸着剤により処理した後、工程3に供することを特徴とする(9)記載の製造方法。
本発明のレモングラスエキスは好ましい香味を有し、好ましくない匂いや味が感じられないことから、飲食品に香味を付与する素材として適しており、特に柑橘系の香味を有する飲食品にレモン感、果汁感を付与する場合に好適である。
本発明におけるレモングラスエキスの製造の工程図
以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
(1)レモングラス
本発明のレモングラスエキスの原料であるレモングラスはイネ科のCymbopogon属に含まれる多年生草本で、西インドレモングラス(C. citrates Stapf)と東インドレモングラス(C. flexuosus Stapf)が一般に広く知られている。インド、東南アジア、西インド諸島など、世界の熱帯地域で広く栽培されているが、品種、産地にかかわらず、いずれのレモングラスでも使用することができる。
本発明ではレモングラスの地上部(葉、茎又はそれらの混合物)をそのまま、あるいは乾燥したものを原料とするが、香味成分の抽出効率を考慮すると、乾燥したものを使用することが好ましい。
(2)工程1
本発明のレモングラスエキスの製造では、まず原料のレモングラスを水蒸気蒸留し、留出物を回収する。水蒸気蒸留は通常は常圧下で行うが、必要であれば減圧下や高圧下で行うことも可能である。
なお、水蒸気蒸留を行う前にレモングラスを水又は温水に一定時間浸漬しておくと、原料のレモングラス全体が均一に湿潤し、水蒸気蒸留での香気成分の回収率が高まる。浸漬は原料全体が湿潤する程度に行えばよく、水温は20〜90℃、時間は1〜60分程度の範囲で任意に設定することができる。また、レモングラスにエタノールのような溶媒を添加して水蒸気蒸留を行ってもよい。
水蒸気蒸留は通常の手法で行われるが、特に好ましい水蒸気蒸留の条件としては空間速度(SV)が140〜510(単位:1/h)の条件である。また、留出量を測定し、分画できる構造の蒸留装置を用いることが好ましい。
この水蒸気蒸留で分離回収する留出物の量は通常、原料のレモングラスの質量に対して20〜200%、より好ましくは50〜150%である。水蒸気蒸留の留出量が原料のレモングラスの質量に対して20%未満の場合は留出物の香気が弱く、一方200%を超える場合は好ましくない香気成分の留出量が増加し、最終的に得られるエキスの香気のバランスが悪くなることがある。
(3)工程2
工程2では、水蒸気蒸留後のレモングラスエキス蒸留残渣を水、極性有機溶媒、又はこれらの混合物で抽出して抽出物を得る。抽出の処理は特に制限はなく、開放型の抽出槽で原料を溶媒に浸漬又は撹拌して抽出するニーダー抽出、原料に溶媒を通液して抽出する通液式抽出等の抽出法を用いることができるが、溶媒量を調節することで効率よく抽出を行うことができる通液式抽出を用いるのが好ましい。
通液式抽出はカラム型抽出器等を用いて原料の上部から溶媒をシャワー式に供給して抽出するドリップ抽出、抽出器の底部から溶媒を供給して一定時間原料を浸漬する浸漬抽出等が挙げられるが、これらを組み合わせて、一定時間原料を浸漬した後、抽出器上部から溶媒を供給して連続的に抽出を行う浸漬・ドリップ抽出が効率面から特に好ましい。
抽出溶媒は水、極性有機溶媒、又はこれらの混合物を使用する。極性有機溶媒としてはエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコール、グリセリン、プロピレングリコールのような多価アルコールが挙げられるが、人体への安全性と取扱性の観点からエタノールが好ましいい。抽出溶媒として水と極性有機溶媒の混合物を用いる場合の極性有機溶媒の濃度は特に制限はないが、一般に5〜95質量%、好ましくは30〜70質量%である。
抽出に用いる溶媒の温度は特に制限はないが、固形分の回収率を考慮すると好ましくは
50〜95℃、さらに好ましくは80〜90℃である。
また、抽出量は特に制限はないが、水蒸気蒸留前のレモングラスに対し、通常、質量比で500〜2000%であり、800〜1200%がより好ましい。
工程2で得られた抽出物はそのまま工程1の留出物と混合して本発明のレモングラスエキスとすることもできるが、イオン交換樹脂により抽出物中に含まれる有機酸塩等を除去することにより、経時的に沈殿が生じない、安定したエキスを得ることができる。
イオン交換樹脂は陽イオン交換樹脂が好ましく、陽イオン交換樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば好適なものとしてスチレン系樹脂でスルホン酸基を交換基とする「アンバーライトIRA−400」(オルガノ株式会社製、商品名)や「ダイヤイオンSK1B」(三菱化学株式会社製、商品名)などが挙げられる。
また、工程2で得られた抽出物は、吸着剤による精製処理を行うことにより、色調に優れ、好ましくない香味が低減された抽出物を得ることができる。
吸着剤は活性炭、合成吸着剤を挙げることができ、いずれも特に限定することなく用いることができる。
合成吸着剤としては、その母体がスチレン系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−16」(オルガノ株式会社製)、スチレン−ジビニルベンゼン系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」(三菱化学株式会社製)、アクリル系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)WK−10」(三菱化学株式会社製)、メタクリル系ポリマー、例えば「ダイヤイオン(登録商標)HP−2MG」(三菱化学株式会社製)、アクリル酸エステル系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−7」(オルガノ株式会社製)、アミド系ポリマー、例えば「アンバーライト(登録商標)XAD−11」(オルガノ株式会社製)、二酸化ケイ素系、例えば「サイロピュート(登録商標)202」(富士シリシア化学株式会社製)、デキストラン系、例えば「セファデックス(登録商標)G−25」(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)、ポリビニル系、例えば「ダイヤイオン(登録商標)FP−II」(三菱化学株式会社製)などを使用できる。
本発明における陽イオン交換樹脂及び/又は吸着剤の処理方法は通常行われている方法で行えばよく、例えば、カラムに充填された吸着剤に抽出液を一定流量で送液する方法や、抽出釜に仕込んだ抽出物に吸着剤を投入し、一定時間撹拌後に吸着剤を分離する方法がある。その方法に格別の制約はなく、目的により選択することができる。陽イオン交換樹脂と吸着剤による処理はいずれか一方のみを行ってもよく、併用してもよい。
(4)工程3
工程3は、工程1の留出物と工程2の抽出物とを混合して本発明のレモングラスエキスを得る工程である。
工程3は、具体的には、以下の工程3a、3b、3c又は3dから選ばれるいずれかである。
(i)工程3a
留出物は香気成分を多く含む精油からなる油層と香気成分の一部が溶け込んだ水層に分かれているため、留出物から油層を分離除去したのち、留出物の水溶液部分のみを抽出物と混合する。
留出物と抽出物の混合比率を変えることで、得られるレモングラスエキスの香味を調整することができる。混合比率は通常、留出物:抽出物=1:1〜4:1である。
(ii)工程3b
留出物の水溶液部分のみを抽出液と混合して得られるレモングラスエキスでは、エキス
中の香気成分が十分ではなく、香味が弱い場合があることから、香気成分を多く含む油層を含んだ留出液をそのまま抽出物と混合し撹拌することで、油層中の香気成分をエキスに移行させて、より強い香味を有するレモングラスエキスを得ることができる。
撹拌後、油層と水層が分かれるまで静置し、水層を分離して本発明のレモングラスエキスとする。
(iii)工程3c
油層を含む留出物をそのまま抽出物と混合し、油層を乳化・可溶化してレモングラスエキスとすることも可能である。油層を乳化・可溶化することでエキス中の香気成分量が増加し、より濃厚な香味を有するレモングラスエキスを得ることができる。
乳化・可溶化剤は特に制限はなく、食品に一般的に用いられる乳化・可溶化剤を使用することができ、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、キラヤサポニン、大豆サポニン、レシチン等を挙げることができる。
また、必要に応じてアラビアガム、ベンゾインガム、ダンマル樹脂、グァーガム、カラヤガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カンテン、澱粉等のガム質、カゼイン、ペクチン、デキストリン、エステルガム、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、プロマルジン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ペプチド等の高分子化合物、SAIB(Sucrose Acetate Isobutyrate)などの比重調整剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加することができる。
乳化・可溶化の方法は特に制限なく、コロイドミル、アジター、ホモジナイザーなど一般的に用いられている乳化機を用いて乳化・可溶化することができる。
(iv)工程3d
留出物は油層と水層を乳化・可溶化した後、抽出物と混合することもできる。乳化・可溶化剤及び乳化・可溶化の方法は特に制限なく、工程3cに例示したものを使用することができる。
(5)レモングラスエキスの使用態様
本発明のレモングラスエキスは主要香気成分のシトラールの他、イソシトラール、シトロネラール、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類、ミルセン、リモネン等のテルペン類を含み、柑橘を想起させるさわやかな香味を有する。精油のように香りが強すぎることがなく、従来のレモングラスエキスに特有の枯草様の匂いやハーブエキス特有の苦味や渋味が感じられないことから、飲食品に適度な柑橘風味を付与する素材、すなわち香味付与剤として適している。
香味付与の対象となる飲食品としては、例えば、コーヒー、紅茶、清涼飲料、乳酸菌飲料、無果汁飲料、果汁入り飲料、栄養ドリンクなどの飲料類、チューハイなどの酒類、スナック類、栄養食品、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ラムネ菓子、タブレット、錠菓類などを挙げることができるが、特に柑橘系の炭酸飲料、果汁、果汁飲料、乳性飲料、茶飲料等に好適である。
本発明のレモングラスエキスは、飲食品に対してエキス重量換算で、通常は0.001〜5.0質量%添加して用いる。添加濃度が0.001質量%未満であると、柑橘様の香味を感じなくなる場合があり、一方、添加濃度が5.0質量%を超えると、柑橘様の香味がややくどく感じられる場合がある。
本発明の効果を十分に発揮するには、添加量をエキス重量換算で0.1〜1.0質量%に
することが最も望ましい。
(6)レモングラスエキスを含む香味料組成物
本発明のレモングラスエキスと他の植物エキスや香料素材と組み合わせた香味料組成物として使用することも可能である。
そのような植物エキスや香料素材としては、例えば、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、
オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、
ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、l−メントール、酪酸、
酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、ペパーミント、スペアミントなどミント系の精油、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、
クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、スペアミント、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ペパーミント、ホースミント、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモンバーム、ローズ、ロ
ーズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、
アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、
エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、
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以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
〔I〕レモングラスエキスの製造例
[実施例1]
レモングラス乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。
次いで、水蒸気蒸留残渣であるレモングラスを85℃の水で浸漬、抽出し、30分後に回収し、7200g(Brix1.7)の抽出液を得た。この抽出液を減圧下で濃縮を行い、濃縮液(Brix2.3)5300gを得た。
濃縮液3200gに、留出物800g配合し、撹拌後静置した。配合により得られたエキスは、濾過により精油を分離・清澄化させ、濾液(Brix1.9)3800gを得た。
濾液3800gに水を3800g配合し撹拌均一化し、次いで、0.2μmメンブランフィルターで濾過をし、本発明のレモングラスエキス混合物を得た(エキス1)。
エキス1のBrixとシトラールの測定結果を表1に示す。
なお、Brix(ブリックス)とは、溶液100g当りの可溶性固形分重量[g]である。
[実施例2]
レモングラス乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。
次いで、水蒸気蒸留残渣であるレモングラスを85℃の水で浸漬、抽出し、30分後に回収し、7200g(Brix1.7)の抽出液を得た。この抽出液を減圧下で濃縮を行い、濃縮液(Brix3.5)を得た。この濃縮液に陽イオン交換樹脂(日本錬水株式会社の「DIAION SK−1B」(商品名))を280g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、60メッシュにより樹脂を分離し、次いで活性炭(フタムラ化学株式会社の「太閤SW−50」(商品名))を23g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、濾過により活性炭を分離・清澄化させ、濾液(Brix2.3)3500gを得た。
濾液3200gに、留出物800g配合し、撹拌後静置した。配合により得られたエキスは、濾過により精油を分離・清澄化させ、濾液(Brix1.9)3800gを得た。濾液3800gに水を3800g配合し撹拌均一化し、次いで、0.2μmメンブランフィルターで濾過をし、本発明のレモングラスエキス混合物を得た(エキス2)。
エキス2のBrixとシトラールの測定結果を表1に示す。
[実施例3]
レモングラス乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。留出物45gに対して、乳化剤(三菱化学フーズ株式会社の「リョートー M−7D」(商品名))を0.9g配合し、加熱撹拌によって均一にし、ハイフレックスホモジナイザーにて乳化を行い、乳化液40gを得た。
次いで、水蒸気蒸留残渣であるレモングラスを85℃の水で浸漬、抽出し、30分後に回収し、7200g(Brix1.7)の抽出液を得た。この抽出液を減圧下で濃縮を行い、濃縮液(Brix3.5)を得た。
この濃縮液に陽イオン交換樹脂(日本錬水株式会社の「DIAION SK−1B」(商品名))を280g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、60メッシュにより樹脂を分離し、次いで活性炭(フタムラ化学株式会社の「太閤SW−50」(商品名))を23g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、濾過により活性炭を分離・清澄化させ、濾液(Brix2.5)3200gを得た。
この濾液160gに、乳化液40g配合し撹拌均一化し、次いで、0.45μmメンブランフィルターで濾過をし、本発明のレモングラスエキス混合物を得た(エキス3)。
エキス3のBrixとシトラールの測定結果を表1に示す。
[実施例4]
レモングラス乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。
次いで、水蒸気蒸留残渣を回収し、残渣90gを1000gの50%エタノールにて加熱還流で1時間抽出し、900gの抽出液を得た。この抽出液に、活性炭(フタムラ化学株式会社の「太閤SW−50」(商品名))を8.3g投入し、液温25℃で1時間撹拌処理を行った後、濾過により活性炭を分離・清澄化させ、濾液800gを得た。
この濾液800gに、留出物800g、95%エタノール800gを配合し、撹拌均一化し、本発明のレモングラスエキスを得た(エキス4)。エキス4のシトラールの測定結果を表1に示す。
[比較例1]
レモングラスの乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。留出物を分液ロートに入れ5℃で一晩静置し、水溶液(下層)の除いた後、精油(上層)10gを得た。
次いで、精油0.5gに、95%エタノール60gと水40gを配合し撹拌均一化し、比較例のレモングラスエキスを得た(エキス5)。
エキス5のシトラールの測定結果を表1に示す。
[比較例2]
レモングラスの乾燥葉9gを300gの水で、加熱還流にて1時間抽出した。抽出後、遠心分離により抽出液を分離し、次いで濾過により清澄化させ、比較例のレモングラスエキスを得た(エキス6)。
エキス6のBrixとシトラールの測定結果を表1に示す。
[比較例3]
レモングラス乾燥葉を水蒸気蒸留装置に800g仕込み、常圧下でSV(空間速度)250h-1で水蒸気蒸留を行い、800gの留出物を得た。
次いで、水蒸気蒸留残渣であるレモングラスを85℃の水で浸漬、抽出し、30分後に回収し、7200g(Brix1.7)の抽出物を得た。この抽出液を減圧下で濃縮を行い、濃縮液(Brix3.5)を得た。
この濃縮液に陽イオン交換樹脂(日本錬水株式会社の「DIAION SK−1B」(商品名))を280g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、60メッシュにより樹脂を分離し、次いで活性炭(フタムラ化学株式会社の「太閤SW−50」(商品名))を23g投入し、液温5℃で1時間撹拌処理を行った後、濾過により活性炭を分離・清澄化させ、比較例のレモングラスエキスを得た(エキス7)。
エキス7のBrixとシトラールの測定結果を表1に示す。
Figure 0005864096
〔II〕レモングラスエキスの試験例
[試験例1]
果糖ぶどう糖液糖95.9g、クエン酸1.0gを、水で1000gに調整して酸入りシロップを製造した。
この酸入りシロップに、何も添加しないものと、上記製造例で得られたエキス1を0.29%(質量比)添加したものと、エキス1を添加したものとシトラール濃度が同等となるようにエキス2〜6を添加したものと、エキス1を添加したものと抽出液由来のBrixが同等となるようにエキス7を添加したものを作成し、それぞれガラス容器に充填し70℃×10分間殺菌して、ガラス容器入りの酸入りシロップ飲料を製造した。
各添加率を表2に示した。
Figure 0005864096
[試験例2]
果糖ぶどう糖液糖60g、グラニュー糖1.0g、クエン酸0.2g、クエン酸ナトリウム0.04gを、水で47.6gに調整し、何も添加しないものと、上記製造例で得られたエキス2、3、5〜7を試験例1と同量を添加したものを作成し、缶容器に充填して10℃に冷却した。
次いで、炭酸水を160g入れて密封し、60℃×10分間殺菌して、缶容器入りの炭酸飲料を製造した。
[試験例3]
ウオッカ30.6g、果糖ぶどう糖液糖11.2g、クエン酸0.46g、クエン酸ナトリウム0.1gを、水で74gに調整し、何も添加しないものと、上記製造例で得られたエキス2、3、5〜7を試験例1と同量を添加したものを作成し、缶容器に充填して10℃に冷却した。
次いで、炭酸水を130g入れて密封し、60℃×10分間殺菌して、缶容器入りのチューハイを製造した。
[試験例4]
5倍濃縮レモン透明果汁6.0g、果糖ぶどう糖液糖129g、クエン酸0.5gを、水で1000gに調整し、何も添加しないものと、上記製造例で得られたエキス2、3、5〜7を試験例1と同量を添加したものを作成し、ガラス容器に充填し70℃×10分間殺菌して、ガラス容器入りの3%レモン果汁飲料を製造した。
[官能評価]
試験例1〜4の飲料について、熟練したパネル10名により官能評価を行った。
評価の基準は、試験例1〜3については、何も添加していない飲料を参考として、以下のとおり設定した。
「香り」、「呈味」、「レモン感」、「異味異臭」については、非常に強い(7点)〜ない、または非常に弱い(1点);「嗜好性」については、非常に高い(7点)〜非常に低い(1点);とする7段階評価を行った。
試験例4については、何も添加していない飲料をコントロール(4点)として、「香り」、「呈味」、「レモン感」、「果汁感」、「異味異臭」について、非常に強い(7点)〜ない、または非常に弱い(1点);「嗜好性」については、非常に高い(7点)〜非常に低い(1点);とする7段階評価を行った。
評価点の平均点を表3〜6に示した。
Figure 0005864096
Figure 0005864096
Figure 0005864096
Figure 0005864096
以上の結果より、本発明のレモングラスエキス(エキス1〜4)は、従来のレモングラスエキスよりも香り、呈味、レモン感、果汁感などは強く、その一方、枯草様の匂い及びハーブエキス特有の苦味や渋味のような異味異臭は弱いことがわかった。
[試験例5]
エキス2およびエキス6をガラス容器に充填し、5℃にて保管した。2週間後の外観評価の結果を表7に示した。外観の安定性について、水蒸気蒸留残渣から得られた抽出液を精製している本発明品のエキス2は、抽出液を精製していないエキス6に比べて、沈殿やくもりが発生せず、外観の安定性が高いことがわかった。
Figure 0005864096
〔III〕飲食品の製造例
[実施例4](レモンゼリー)
果糖ぶどう糖液糖80g、水792gを配合し、湯浴にて加熱撹拌溶解した。次いで、40〜50℃まで加熱し、ゲル化剤10gとクエン酸三ナトリウム1g、砂糖95gを別容器にてよく混ぜておいたものを加え、5倍濃縮透明果汁12gを添加し、加熱撹拌溶解した。85℃まで加熱した後、レモングラスエキス(エキス2)10gを添加した。
ゼリーカップに満杯に充填、シーラーにて密封し、85℃で20分間殺菌して完成した。
[実施例5](ヨーグルト)
牛乳570g、水317.5g、脱脂粉乳35gを配合し、湯浴にて加熱撹拌溶解した。次いで、40〜50℃まで加熱し、寒天1.5g、砂糖70gを別容器にてよく混ぜておいたものとヨーグルトフレーバー1g、レモングラスエキス(エキス2)5gを加え、95℃で5分間殺菌後、乳化機にて均質化した。48℃まで冷却後、種菌を接種、ヨーグルトカップに充填後、シーラーにて密封しものを40℃の恒温槽でpH4.5になるまで発酵させ、5℃に冷却して完成した。
[実施例6](サラダドレッシング)
サラダオイル40g、卵黄2g、酢15g、果糖ぶどう糖液糖5g、食塩3g調味量0.8g、キサンタンガム0.2g、香辛料0.05g、水31.95g、レモングラスエキス(エキス2)2gを混合し、2分間よく撹拌して完成した。
本発明のレモングラスエキスを飲食品に添加することにより、従来のレモングラスエキスに特有の枯草様の匂い及びハーブエキス特有の苦味や渋味が感じられない、好ましい柑橘風味を有する飲食品を提供することができる。

Claims (6)

  1. (i)レモングラスを水蒸気蒸留により分画して精油と水溶液部分とからなる留出物を得る工程1と、
    (ii)前記水蒸気蒸留後のレモングラス残渣を水で抽出して抽出物を得る工程2と、
    (iii)下記のa及びbから選ばれるいずれかの工程3、
    (a)工程1の留出物のうち水溶液部分のみを工程2の抽出物に混合する工程;
    (b)工程1の留出物と工程2の抽出物を混合し、撹拌した後、精油部分を分離除去する工程;
    を含むことを特徴とするレモングラスエキスの製造方法
  2. 工程2の抽出物をイオン交換樹脂及び/又は吸着剤により処理した後、工程3に供することを特徴とする請求項1記載のレモングラスエキスの製造方法
  3. 工程2における抽出に用いる水の量が、水蒸気蒸留前のレモングラスに対し質量比で500〜2000%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレモングラスエキスの製造方法
  4. 飲食品に柑橘系の香味を付与する素材としての請求項1〜3のいずれか1項に記載のレモングラスエキスの製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られたレモングラスエキスを香味料に添加することを特徴とする、レモングラスエキスを含有する香味料組成物の製造方法
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られたレモングラスエキス又は請求項5記載の製造方法で得られた香味料組成物を飲食品に添加することを特徴とする、レモングラスエキスを含有する飲食品の製造方法
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