JP6262171B2 - 果実香味増強剤 - Google Patents

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本発明は特異な香気を有するロタンドン(Rotundone)を有効成分とする果実香味増強剤、該果実香味増強剤を含有する果実香料組成物およびロタンドンを果実香料組成物に含有させる果実香料組成物の果実香味増強方法に関する。
りんご、もも、ナシなどのソフトフルーツやキウイ、マンゴー、アボカドなどのトロピカルフルーツに代表される果実は我々の食卓に彩りを添え、生で食する他、ジュースとして欠くことのできない身近な食品である。加工食品の分野でも果実は様々な製品ジャンルに使用され、果実風味を持つフレーバーは香料産業において、最も重要な製品として位置付けられている。
果実の重要な香気成分として、シス−3−ヘキセナール、トランス−2−ヘキセナールに代表される鎖状アルデヒド類、ヘキサノール、イソアミルアルコールなどの低級鎖状アルコール、酢酸エチル、酪酸エチルなどの低級脂肪酸エステルが知られている。
さらに、果実の香気を特徴づける重要な香気成分としては、例えば、ももに存在するγ−デカラクトン、ナシに存在するシス−3−ノネノールやその酢酸エステル、熱帯産果実であるマンゴーに存在するγ−オクタラクトンなどが知られている。特に、熱帯産果実においては3−スルファニルヘキセナールなどの含硫化合物が重要な香気成分であり、香料として使用した場合、それぞれの果実を特徴付ける香気の表現が可能となる。
一方、果実の果汁は、加工食品に用いるためには食品衛生の面から加熱殺菌することが必要であるため、生果実の絞りたて果汁であっても香味の変化が生じる。特に、需要が拡大している熱帯産果実では検疫のため殺虫処理が必要であり、加熱・蒸熱処理によって新鮮な生果実の風味が損なわれる問題点が指摘されている。そこで、加熱によって損なわれた果汁風味を回復するために香料を添加することが行われる。その際に、果実のフレッシュ感、果汁感を増強し、果汁の甘さとコクが付与される香料化合物の検索が課題となっている。
本発明の有効成分であるロタンドン(Rotundone、(3S,5R,8S)−3,8−dimethyl−5−(prop−1−en−2−yl)−3,4,5,6,7,8−hexahydroazulen−1(2H)−one)は生薬として香附子(こうぶし)と呼ばれるカヤツリグサ科のハマスゲの塊茎より単離・構造決定された(非特許文献1)。中国では漢方薬、日本では香道で用いられる沈香(Agarwood)中の成分としても知られている(非特許文献2)。また、虫に対して忌避効果を持つことから、害虫忌避剤(特許文献1)、害虫防除剤(特許文献2)としての利用も報告されている。近年では、ロタンドンはスパイシー、コショウ様香気が特徴であるシラーズワインおよびそのワイン用のブドウの、スパイシー、コショウ様香気の原因成分であることが報告されている。また、黒コショウや白コショウには数ppm含有され、それらの重要香気成分であること、マジョラム、オレガノ、ローズマリー、バジル、タイムなどのスパイス中にも微量含まれていることが報告されている(非特許文献3)。
特開平4−321613号公報 特開平6−16516号公報
TetrahedronLetters、1967年、8巻47号、p4661−4667 Phytochemistry、1991年、30巻10号、p3343−3347 Journal of Agricultural and Food Chemistry、2008年、56巻10号、p3738−3744
近年、飲食品等に使用する香料においても天然感、フレッシュ感を表現する素材が多く見いだされ、従来の香料物質と組み合わせることで、消費者の多様な要求に対応可能となってきた。しかし、果実の香気を再現する素材は多数見出されているが、果実のフレッシュ感、果実の果汁感を表現する素材が見出されていないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、果実のフレッシュ感や果汁感を増強する果実香味増強剤および該増強剤を有効成分として含有する香料組成物、並びにそれを用いた果実の香味、特に、果実のフレッシュ感、果汁感が増強された飲食品を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、ソフトフルーツやトロピカルフルーツの果実香料組成物にロタンドンを添加することにより、また、ロタンドンを有効成分として含有する香料組成物を果実の香味を有する食品に添加することにより果実香味を増強し、香味を改善することができることを見出し本発明の完成に至った。
ロタンドンは前述のとおり、シラーワインやそのワイン用のブドウおよびコショウの香気成分として知られているが、ソフトフルーツやトロピカルフルーツの香気分析からは見出されておらず、ロタンドンを食品用香料、特に果実用香料として用いることは知られていない。
コショウの香気成分であるロタンドンを単独で使用した場合、その香気特性と閾値から予想されるスパイス、コショウ様の香味を増強することが予想されたが、驚くべきことに、果実果汁に極微量使用すると、ロタンドンのスパイス、コショウ様の香気は感じられず、果実香味を増強し、濃縮果汁や冷凍果汁などの加工果汁に不足している果実のフレッシュ感、果汁感を表現できることを見出した。また、従来の果実香料にロタンドンを極微量添加することで、従来にない新鮮さ、生々しさを持つ果汁感を増強できることを見出した。
本発明は、以下の果実香味増強剤、果実香料組成物および果実香味を有する飲食品を提
供することができる。
(1)ロタンドンを有効成分とする果実香味増強剤。
(2)(1)の果実香味増強剤をロタンドンとして0.5ppt〜0.5ppm含有す
る果実香料組成物
(3)ロタンドンを果実香料組成物に対して0.5ppt〜0.5ppm含有させる果
実香料組成物のフレッシュな果実感増強方法。
)ロタンドンを飲食品に対して0.005ppt〜5ppt含有させる飲食品の果
実香味増強方法。
本発明のロタンドンを有効成分とする果実香味増強剤は、果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強することができ、該増強剤は、飲食品に用いる果実のフレッシュ感や果汁感を増強する香料組成物の調合素材として有用である。
以下、本発明の果実香味増強剤およびその使用について、さらに詳細に説明する。本発明で果実とは、りんご、もも、ベリー類(いちご、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クランベリーなど)、ナシ、メロン、さくらんぼ、アセロラ、くり、アーモンド、クルミ、トマト、すいか、かき、うめ、あんず、いちじく、ザクロ、ビワ、キウイ、ドリアン、マンゴー、マンゴスチン、アセロラ、アボカド、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、パパイア、チェリモヤ、バンレイシ、カムカム、グアバ、フェイジョア、タマリンド、ライチー、ランブータン、リュウガン、アサイー、ココナッツなどを指すが、これらの果実に限定されない。本発明の果実香味増強剤の有効成分であるロタンドンは、本発明の果実において、フレッシュな果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強するのに有用である。本発明の有効成分であるロタンドンは、非特許文献3に記載の方法により合成するか、市販のペッパーオイルから蒸留法、クロマト法を単独あるいは組み合わせる分画方法で得ることができる。
本発明の果実香味増強剤は、そのまま飲食品に極微量配合して果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強することができるが、他の成分と混合して果実香料組成物を調製し、該香料組成物を用いて飲食品に果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強することもできる。該香料組成物のロタンドンと共に含有し得る他の香料成分としては、各種の合成香料、天然香料、天然精油、動植物エキスなどを挙げることができる。
例えば、炭化水素化合物としてα−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペン、バレンセン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレンなどのセスキテルペン、1,3,5−ウンデカトリエンなどが挙げられる。
アルコール化合物としてブタノール、ペンタノール、プレノール、ヘキサノールなどの直鎖・飽和アルカノール、(Z)−3−ヘキセン−1−オール、2,6−ノナジエノールなどの直鎖・不飽和アルコール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、テトラヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロールなどのテルペンアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールなどの芳香族アルコールが挙げられる。
アルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、ヘキサナール、デカナールなどの直鎖・飽和アルデヒド、(E)−2−ヘキセナール、2,4−オクタジエナールなどの直鎖・不飽和アルデヒド、シトロネラール、シトラールなどのテルペンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナミルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピンなどの芳香族アルデヒドが挙げられる。
ケトン化合物として2−ヘプタノン、2−ウンデカノン、1−オクテン−3−オンなどの直鎖・飽和および不飽和ケトン、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンなどの直鎖および環状ジケトンおよびヒドロキシケトン、カルボン、メントン、ヌートカトンなどのテルペンケトン、α−イオノン、β−イオノン、β−ダマセノンなどのテルペン分解物に由来するケトン、ラズベリーケトンなどの芳香族ケトンが挙げられる。
フラン・エーテル化合物としてフルフリルアルコール、フルフラール、ローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピランなどの環状エーテル類が挙げられる。
エステル化合物として酢酸エチル、酢酸イソアミルなどの脂肪族アルコールの酢酸エステル、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ラバンジュリルなどのテルペンアルコール酢酸エステル、酪酸エチル、カプロン酸エチルなどの脂肪酸と低級アルコールエステル、酢酸ベンジル、サリチル酸メチルなどの芳香族エステルが挙げられる。
ラクトン化合物としてγ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトンなどの飽和ラクトン、7−デセン−4−オリド、2−デセン−5−オリドなどの不飽和ラクトンが挙げられる。
酸化合物として酪酸、オクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和・不飽和脂肪酸が挙げられる。
含窒素化合物としてインドール、スカトール、ピリジン、アルキル置換ピラジン、アントラニル酸メチルなどが挙げられる。
含硫化合物としてメタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルイソチオシアネートなどが挙げられる。
天然精油としてはスイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナムなどが挙げられる。
また、各種のエキスとしてハーブ・スパイス抽出物、コーヒー・緑茶・紅茶・ウーロン茶抽出物など、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼ・プロテアーゼなどの酵素分解物などが挙げられる。
他の香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキス等を挙げることができる。
本発明のロタンドンを有効成分とする香料組成物は、必要に応じて、香料組成物において通常使用されている、水、エタノールなどの溶剤、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ハーコリン、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセリドなどの香料保留剤を含有することができる。
また、ロタンドンを有効成分とする香料組成物にグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、キラヤサポニン、カゼインナトリウムなどの乳化剤を用いた乳化香料として、また、アラビアガムやデキストリンを添加し乾燥させた粉末香料とすることができる。
本発明のロタンドンを有効成分とする果実香味増強剤は、上記のようにそれ自体単独で、またはロタンドンを含有する果実香料組成物を調製して、各種の飲食品に極微量添加することにより、果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強することができる。
それらのうちで、本発明のロタンドンを有効成分とする果実香味増強剤またはロタンドンを含有する果実香料組成物により果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強することができる飲食品の具体例としては、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、歯磨きなどの口腔用組成物を挙げることができるが何ら限定されるものではない。
本発明の果実香料組成物におけるロタンドンの含有量は、混合される他の香料成分により異なり一概にはいえないが、通常、該香料組成物の重量を基準として0.5ppt〜0.5ppm、好ましくは1ppt〜0.2ppmの濃度範囲とすることができる。
果実の香味、特に、フレッシュ感や果汁感を増強する際の上記した各種の製品へのロタンドンの含有量は、製品の種類や形態に応じて異なり一概にはいえないが、通常、製品の重量を基準として0.005ppt〜5ppt、好ましくは0.01ppt〜2pptの濃度範囲とすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:果実果汁に対するロタンドンの添加濃度と香味評価
非特許文献3に記載の方法で調製したロタンドン0.1mgにアルコールを加え100gとし、このアルコール溶液1gを更にアルコールで100gに希釈し、ロタンドン評価液(10ppb)を調製した。市場より入手した加工果実果汁10gを糖酸評価液(クエン酸1.5%と果糖ブドウ糖液糖30%を溶解した軟水水溶液)で100gに希釈し、対照品とする。ロタンドン評価液をこの対照品で100gに希釈し、ロタンドンの濃度と香味との関係を評価した。ロタンドン評価液の量は0.01mg(0.001ppt)、0.1mg(0.01ppt)、5.0mg(0.5ppt)、20.0mg(2ppt)、1.0g(100ppt)で香味評価を行った。
香味評価はよく訓練された5名のパネラーを選択し、加工果汁の対照品と添加濃度の異なる評価液を飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味を以下の基準で評価した。各果実のフレッシュ感と果汁感を三段階(強く感じる:++、感じる:+、感じない:−)、ロタンドンに由来するスパイス感を三段階(強く感じる:++、感じる:+、感じない:−)で評価した。また果実香味としての総合評価を四段階(増強効果が強い:++、増強効果を感じる:+、増強効果がない:+/−、違和感がある:−)として評価した。果実果汁はりんご果汁、もも果汁、なし果汁、マンゴー果汁、パイナップル果汁、グアバ果汁を使用し、結果を表1に記載した。
Figure 0006262171
表1の香味評価からロタンドンを0.01ppt〜2ppt添加することによりフレッシュ感や果汁感を表現できることが示された。添加量が100ppt以上ではロタンドン本来のスパイス感が強く感じられフレッシュ感や果汁感が打ち消され、0.001pptでは効果が感じられなかった。
実施例2:ロタンドンを添加した果実果汁の香味評価
実施例1の加工果実果汁10gに実施例1で調製したロタンドン評価液を5.0mg添加し、実施例1で調製した糖酸評価液を加え100gとした。評価する果実果汁はりんご果汁、もも果汁、なし果汁、マンゴー果汁、パイナップル果汁、グアバ果汁を選択し、それぞれ本発明品1〜本発明品6とした。
香味評価はよく訓練されたパネラー5名を選択し、本発明品1〜本発明品6を飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味について、ロタンドン無添加の対照品と比較した際の平均的な香味評価を表2に示す。
Figure 0006262171
表2に示したように果実果汁にロタンドンを0.5ppt添加することにより、加工果汁に不足している果実の搾りたてを連想させる新鮮な果汁感を付与可能であると評価された。
実施例3:マンゴー様調合香料組成物への添加検討
果実様調合香料組成物として、下記表3に示す成分を使用しマンゴーフレーバー(比較品1)を調製した。
Figure 0006262171
表3のマンゴーフレーバー9.9gに実施例1で調製したロタンドン評価液(0.1g)を添加し、本発明品7(ロタンドン濃度0.1ppb)とする。
本発明品7と比較品1の香気に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香気評価は評価液を、におい紙を用いたオルトネーザルの香気を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品7は比較品1に比べて、マンゴーの新鮮な果汁感および果肉感が増強された香気が付与されていると評価した。
実施例4:マンゴー様糖酸評価液への添加検討
実施例3で調製したマンゴーフレーバー0.1gを実施例1で調製した糖酸評価液で100gに希釈し、比較品2とする。実施例1で調製したロタンドン評価液(5.0mg)に比較品2を加え100gに調製し、本発明品8とする。
本発明品8と比較品2の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品8と比較品2とを飲み比べ、飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名全員が本発明品8は比較品2に比べて、マンゴーの新鮮な果汁感および果肉感が増強された香味が付与されていると評価した。
実施例5:マンゴージュース飲料への使用例
実施例3で調製したマンゴーフレーバーとマンゴー濃縮果汁から表4に示した処方でマンゴージュース飲料を調製し、比較品3とする。この比較品3(100g)に実施例1で調製したロタンドン評価液(5.0mg)を添加し、本発明品9とする。
Figure 0006262171
本発明品9と比較品3の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品9と比較品3とを飲み比べ、飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品9は比較品3に比べて、濃縮加工果汁特有の雑味が抑制され、採りたてのマンゴー果実を連想させる果汁感が付与され、ジュース飲料の風味が大幅に改善されると評価した。
実施例6:マンゴー果実風味ガムへの賦香例
下記表5に示す配合割合にて、実施例3で調製したマンゴーフレーバーを用いてマンゴー果実風味ガムを調製し、比較品4とする。この比較品4の処方に実施例1で調製したロタンドン評価液(10.0mg)を添加し、マンゴー果実風味ガムを調製し本発明品10とする。
Figure 0006262171
本発明品10と比較品4の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品10と比較品4とを咀嚼し、咀嚼時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品10は比較品4に比べて、ジューシーで採りたてのマンゴー果実を連想させる果汁感が付与され、ガムの風味が大幅に改善されると評価した。
実施例7:りんご様調合香料組成物への添加検討
果実様調合香料組成物として、下記表6に示す成分を使用しアップルフレーバー(比較品5)を調製した。
Figure 0006262171
表6のアップルフレーバー9.9gに実施例1で調製したロタンドン評価液(0.1g)を添加し、本発明品11(ロタンドン濃度0.1ppb)とする。
本発明品11と比較品5の香気に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香気評価は評価液を、におい紙を用いたオルトネーザルの香気を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品7は比較品1に比べて、りんごの新鮮な果汁感および果肉感が増強された香気が付与されていると評価した。
実施例8:りんご様糖酸評価液への添加検討
実施例7で調製したアップルフレーバー0.1gを実施例1で調製した糖酸評価液で100gに希釈し、比較品6とする。実施例1で調製したロタンドン評価液(5.0mg)に比較品6を加え100gに調製し、本発明品12とする。
本発明品12と比較品6の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品12と比較品6とを飲み比べ、飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名全員が本発明品12は比較品6に比べて、りんごの新鮮な果汁感および果肉感が増強された香味が付与されていると評価した。
実施例9:りんごジュース飲料への使用例
実施例7で調製したアップルフレーバーとりんご濃縮果汁から表7に示した処方でりんごジュース飲料を調製し、比較品7とする。この比較品7(100g)に実施例1で調製したロタンドン評価液(5.0mg)を添加し、本発明品13とする。
Figure 0006262171
本発明品13と比較品7の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品13と比較品7とを飲み比べ、飲んだ時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品13は比較品7に比べて、濃縮加工果汁特有の雑味が抑制され、新鮮なりんご果実を連想させる果汁感が付与され、ジュース飲料の風味が大幅に改善されると評価した。
実施例10:りんご果実風味ガムへの賦香例
下記表8に示す配合割合にて、実施例7で調製したアップルフレーバーを用いてりんご果実風味ガムを調製し、比較品8とする。この比較品8の処方に実施例1で調製したロタンドン評価液(10.0mg)を添加し、りんご果実風味ガムを調製し本発明品14とする。
Figure 0006262171
本発明品14と比較品8の香味に関して、訓練された5名のパネラーによる比較を行った。香味評価は本発明品14と比較品8とを咀嚼し、咀嚼時のレトロネーザルで感じる香味を評価した。結果、パネラー5名の全員が本発明品14は比較品8に比べて、新鮮なりんご果実を連想させる果汁感が付与され、ガムの風味が大幅に改善されると評価した。

Claims (4)

  1. ロタンドンを有効成分とする果実香味増強剤。
  2. 請求項1の果実香味増強剤をロタンドンとして0.5ppt〜0.5ppm含有する果実
    香料組成物。
  3. ロタンドンを果実香料組成物に対して0.5ppt〜0.5ppm含有させる、果実香料
    組成物のフレッシュな果実感増強方法。
  4. ロタンドンを飲食品に対して0.005ppt〜5ppt含有させる、飲食品の果実香味
    増強方法。
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