JPH0616516A - 害虫防除剤 - Google Patents

害虫防除剤

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JPH0616516A
JPH0616516A JP19586992A JP19586992A JPH0616516A JP H0616516 A JPH0616516 A JP H0616516A JP 19586992 A JP19586992 A JP 19586992A JP 19586992 A JP19586992 A JP 19586992A JP H0616516 A JPH0616516 A JP H0616516A
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JP
Japan
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pest control
crude extract
control agent
parts
active ingredient
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Application number
JP19586992A
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English (en)
Inventor
Tadami Akatsuka
尹巳 赤塚
Osamu Kodama
治 児玉
Hideki Kato
秀樹 加藤
Sayuri Suzuki
小百合 鈴木
Kazuyuki Suzuki
和之 鈴木
Sakae Ishii
榮 石惟
Sanchisopasuri Birai
サンチソパスリ ビライ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低毒性殺虫剤の創製。 【構成】ハマスゲの抽出物を有効成分として含有するこ
とを特徴とする害虫防除剤。 【効果】本発明の害虫防除剤は、各種の木材害虫,農業
害虫,衛生害虫,貯穀害虫,不快害虫等に対して優れた
害虫防除効果を有し、ハマスゲの抽出物は、漢方薬に含
まれる成分であることから人畜,魚類に対する安全性が
極めて高く、幅広い用途に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハマスゲの抽出物を有効
成分として含有することを特徴とする害虫防除剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハマスゲ(cyperus rotun
dus L)は、カヤツリグサ科の植物であり、この茎
及び根から調製された乾燥粉末は、安全性が高い物質で
あって古来よりコウブシとして漢方処方の生薬に用いら
れている。ハマスゲの粗抽出物及びハマスゲからの抽出
物であるα−チペロン,シペロタンドン、ロタンドンは
公知物質であるが、(環動昆、第3巻、第3号、第14
8−157頁、1991年. テトラヘドロンレタ−、
第4661頁、1967年.及びインデアン ジャ−ナ
ル ケミカル、セクションB、第22巻、第1060
頁、1983年)粗抽出物及びこれら化合物の有する害
虫防除効果については知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】害虫防除剤として一般
にピレスロイド系、有機リン系、有機塩素系、カーバメ
イト系などの合成薬剤が使用されている。これらの薬剤
は毒性が強い化合物が多く、農産物生産の急速な増大に
伴いその使用量が著しく増大し、人畜に対する毒性が問
題となっている。従って、人畜に対する毒性が低く、か
つ殺虫効果の極めて高い害虫防除剤の出現が望まれてい
る。また、植物の抽出物による害虫防除剤としてピレス
リン系である除虫菊が使われているが、ピレスロイド系
特有の薬剤残効性が短く、又害虫に対する抵抗性が生じ
やすい等の欠点がある。従って、人畜に対する毒性が低
く、かつ殺虫効果の極めて高い、植物由来のピレスロイ
ド系に代わる新たな骨格を有する薬剤の出現が望まれて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の欠点
を解決するために鋭意検討した結果、新たな骨格を有す
る本発明の害虫防除剤が極めて低毒性であり、薬剤残効
性が長く、広範囲の害虫に高い防除効果を有することを
見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明は、ハマス
ゲの粗抽出物を有効成分として含有することを特徴とす
る害虫防除剤を提供するものである。
【0005】更に詳しくは、本発明のハマスゲの粗抽出
物は、ハマスゲ或いはその乾燥粉末を有機溶媒に浸漬、
抽出するか、ハマスゲ或いはその乾燥粉末を水蒸気蒸留
により成分を分離し、有機溶媒に浸漬、抽出し、その後
抽出残査を濾別し、濾液から溶媒を留去または濃縮する
ことにより得られる公知物質であり(環動昆、第3巻、
第3号、148−157、1991)粗抽出物の主成分
はα−チペロン(α−cyperone)、シペロタン
ドン(cyperotundone)、ロタンドン(r
otundone)である。これらの粗抽出物及び各成
分は植物体の部位により含有量が異なる。抽出操作に用
いられる有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメ
タン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、
キシレン、ヘキサン等の炭化水素類;メタノール,エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の
アルコール類;メチルエーテル,エチルエーテル、プロ
ピルエーテル、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエス
テル類等が使われる。これらの溶媒の中では、クロロホ
ルム、酢酸エチル、メタノール、ヘキサン等が好適であ
る。粗抽出物には、α−チペロン、シペロタンドン、ロ
タンドンを15%から40%含んでおり、このうちα−
チペロン、シペロタンドン、ロタンドンの割合は、1〜
6:2〜8:1〜4である。
【0006】α−チペロン、シペロタンドン、ロタンド
ンの精製手段としては、ハマスゲの粗抽出物をカラムク
ロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、沈澱法、
再結晶法、超臨界点流体抽出法等で精製するか、或いは
これらの手段を組み合わせる。
【0007】本発明の害虫防除剤はハマスゲの粗抽出
物、α−チペロン、シペロタンドン、ロタンドンのいず
れか1種又は1種以上をそのまま使用することもできる
が、通常は担体、界面活性剤、分散剤、または補助剤な
どを配合し害虫防除剤として汎用されている製剤、例え
ば毒餌、粉剤、粒剤、水和剤、乳剤、油剤、エアゾール
剤、燻蒸剤、蚊取線香形態等の剤型に製剤する。これら
の製剤には有効成分を0.1%〜90.0重量%、好ま
しくは2.0%〜80.0重量%含有する。
【0008】製剤製造上好適な担体としては、例えば大
豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉、澱粉、白糖、乳糖等の
植物性粉末、カオリン、ベントナイト、酸性白土等のク
レー類、滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母
粉等のシリカ類その他炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、リン酸カルシウム等の鉱物性粉末等の固体担体、
イソプロピルアルコ−ル、キシレン、シクロヘキサノ
ン、メチルナフタレン等の液体担体があげられる。界面
活性剤及び分散剤としては、例えば各種石鹸類、高級ア
ルコール硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキル
アリールスルホン酸、リグニンスルホン酸、第4級アン
モニウム塩、オキシアルキルアミン、脂肪酸エステル、
ポリアルキレンオキサイド等があげられる。 補助剤と
しては、例えばカルボキシメチルセルロ−ス、ポリエチ
レングリコ−ル、アラビアゴム等があげられる。
【0009】 本発明の害虫防除剤の製剤は下記方法に
より製造される。即ち、毒餌は有効成分に例えば小麦
粉、砂糖、魚粉等の各種の原料およびまたは昆虫用飼料
を混合し調製する。水和剤、乳剤、液剤、油剤等は有効
成分に有機溶剤および必要に応じて各種界面活性剤、分
散剤を混合し調製する。エアゾール剤、燻煙剤、蚊取線
香形態等は有効成分にそれぞれ噴射剤、発煙性基剤、燃
焼性基材等を混合し調製する。粉剤、粒剤等は有効成分
と担体を混合し、粉砕または造粒することにより調製す
る。上記各製剤中には、必要に応じて通常添加配合され
る乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤等の界面活
性剤の他に湿潤剤、粘着剤、安定剤、協力剤等を添加配
合する。本発明の害虫防除剤は、他の有効成分を含有さ
せて使用することにより既存合成害虫防除剤の使用量を
減少させることができる。本発明で使用される他の有効
成分としては例えば、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン
系殺虫剤、有機塩素系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、
殺ダニ剤、殺蟻剤等を挙げることができる。
【0010】これらの製剤は必要とする箇所に適当量を
放置或いは散布するか又は塗布、噴霧、含浸等により使
用する。一般に水で希釈して使用する製剤の場合は0.
1から10,000ppm好ましくは10から5,00
0ppmの範囲に希釈し使用し、粉剤、粒剤等そのまま
使用する場合には有効成分で10ア−ル当り0.1gか
ら5Kg、好ましくは1gから1Kgの範囲で使用する
が、製剤の剤型、適用方法、適用箇所、適用すべき害虫
の種類,所望の防除効果等に応じて散布量、希釈量は適
宜に決定される。
【0011】本発明の害虫防除剤は、シロアリ、キクイ
ムシ等の木材害虫、ウンカ類、ヨコバイ類、ヨトウ類、
ヤガ類、コナガ類、ハマキ類、メイガ類、アブラムシ
類、ハダニ類等の農業害虫、ハエ、カ、ゴキブリ、ノ
ミ、南京虫、家ダニ、シラミ等の衛生害虫、コナダニ、
コクガ、コクゾウ等の貯穀害虫、マダニ類、ヒウヒダ
ニ、ツメダニ、アリガタバチ、ユスリカ、チュウバエ、
ムカデ、ゲジゲジ等の不快害虫およびシバンムシ等に有
効である。従って、本発明の害虫防除剤は、これらの害
虫から農作物、貯蔵穀物等の保護、生活環境等の安全衛
生面の改善等に非常に有効に利用できる。
【0012】
【実施例】以下に本発明を製造例、製剤例および試験例
によって説明する。
【0013】製造例1 ハマスゲの乾燥粉末1kgを5倍量の70%メタノール
で2回抽出、濃縮後、等量の酢酸エチルで3回抽出を行
った。得られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、
ロータリエバポレーターにて濃縮乾固して油状物質(粗
抽出物)12gを得た。この油状物質をベンゼン:酢酸
エチル=3:1に溶解し、ベンゼン:酢酸エチル=3:
1で展開するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供
した。活性画分6gをODS中圧カラム、引続きODS
分取HPLCを80%メタノールで行い、α−チペロン
を含む画分100mg,シペロタンドンを含む画分80
mg、ロタンドンを含む画分60mgを得た。このよう
にして得られた各画分について、それぞれn−ヘキサ
ン:2−プロパノール=99:1またはn−ヘキサン:
ブタノール=199:1を用いるシリカゲルカラム分取
HPLCを行い、α−チペロンを80mg,シペロタン
ドンを60mg,ロタンドンを30mgをそれぞれ得
た。
【0014】製造例2 ハマスゲの植物体1kgを5倍量の70%メタノールで
2回抽出、濃縮後、等量の酢酸エチルで3回抽出を行っ
た。得られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ロ
ータリエバポレーターにて濃縮乾固して油状物質5g
(粗抽出物)を得た。この油状物質をベンゼン:酢酸エ
チル=3:1に溶解し、ベンゼン:酢酸エチル=3:1
で展開するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し
た。活性画分2.7gをODS中圧カラム引続きODS
分取HPLCを80%メタノールで行い、α−チペロン
を含む画分60mg、シペロタンドンを含む画分30m
g、ロタンドンを含む画分20mgを得た。このように
して得られた各画分について、それぞれn−ヘキサン:
2−プロパノール=99:1またはn−ヘキサン:ブタ
ノール=199:1を用いるシリカゲルカラム分取HP
LCを行い、α−チペロンを35mg、シペロタンドン
を17mg、ロタンドンを9mgをそれぞれ得た。
【0015】製剤例1.粉剤 粗抽出物、1部をホワイトカーボン(シオノギ製薬製、
商品名:カープレックス#80)1部に吸着させ、さら
にPAP(ジイソプロピルホスフェートとモノプロピル
ホスフェートの混合物)0.3部、大豆原油(ホーネン
製、商品名:クミレス)0.3部、クレー97.4部を
加えて混合粉砕し、粉剤を得た。
【0016】製剤例2.水和剤 α−チペロン、25部をホワイトカーボン(シオノギ製
薬製、商品名:カープレックス#80)20部に吸着さ
せ、さらに特殊アニオン界面活性剤(第一工業製薬製、
商品名:ディクスゾールWK)5部、リグニンスルホン
酸カルシウム(山陽国策パルプ製、商品名:サンエキス
P201)5部、クレー45部を加えて混合粉砕し、水
和剤を得た。
【0017】製剤例3.粒剤 シペロタンドン、1部をキシレン2部に溶解した液3部
を直径0.4mm〜1.2mmの硅砂94部に加えて均
一に混合する。さらにホワイトカーボン(シオノギ製薬
製、商品名:カープレックス#80)3部を数回に分け
て少量づつ加えて混合し、粒剤を得た。
【0018】製剤例4.乳剤 ロタンドン、25部、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテルポリマーとアルキルアリールスルホン酸塩
の混合物(東邦化学製、商品名:ソルポールSNC)1
0部、キシレン65部を均一に撹拌溶解し、乳剤を得
た。
【0019】製剤例5.油剤 粗抽出物、10部、キシレン30部、ケロシン60部を
均一に撹拌溶解し、油剤を得た。
【0020】製剤例6.燻煙剤 α−チペロン、10部をホワイトカーボン(シオノギ製
薬製、商品名:カープレックス#80)8部に吸着さ
せ、さらに硝化綿25部、塩素酸カリウム5、硝酸カリ
ウム5部、硝酸グアニジン5部、デンプン5部、タルク
37部を加えて均一に混合する。混合物に水を少量加え
て混練し、直径2mmの孔より押し出した後乾燥し、燻
煙剤を得た。
【0021】製剤例7.毒餌 粗抽出物、0.5部をホワイトカーボン(シオノギ製薬
製、商品名:カープレックス#80)0.5部に吸着さ
せ、さらにフスマ20部、米ヌカ20部、小麦粉54
部、PVA5部を加えて均一に混合する。混合物に水を
少量加えて混練し、直径2mmの孔より押し出した後乾
燥し、毒餌を得た。
【0022】試験例1 直径55mmの濾紙(アドバンテック,No2)に、有
効成分の所定量をアセトンに溶解して調製した液を塗布
して風乾した。これを直径60mmの塩化ビニル製のカ
ップに入れ、イエバエ10匹放飼し、放飼2日後及び4
日後の死亡率を求めた。試験結果を表1に示す。
【表1】
【0023】試験例2 有効成分のアセトン溶液を0.2%のクミテンを含む水
溶液に懸濁させ試験液とし、この試験液に稲を浸せき
後、風乾させた。これを2mlの水を入れた直径20m
mの試験管に入れ、トビイロウンカを10匹放飼し4日
後の死亡率を求めた。試験結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の害虫防除剤は、各種の木材害
虫,農業害虫,衛生害虫,貯穀害虫,不快害虫に対して
優れた防除効果を有し、防除剤の有効成分であるハマス
ゲの抽出物は、漢方薬として使用される成分であること
から人畜,魚類に対する安全性が極めて高く、害虫防除
剤として、幅広い用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石惟 榮 茨城県稲敷郡阿見町中央3丁目21番7号 (72)発明者 ビライ サンチソパスリ タイ王国 バンコック ファョルヨスィン 8/35 セナ・ニコム 2

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハマスゲの粗抽出物を有効成分として含有
    することを特徴とする害虫防除剤
  2. 【請求項2】ハマスゲの粗抽出物がハマスゲ或いはその
    乾燥粉末を有機溶媒に浸漬、抽出したものである請求項
    1記載の害虫防除剤。
  3. 【請求項3】ハマスゲの粗抽出物がハマスゲ或いはその
    乾燥粉末を水蒸気蒸留により成分を分離し、有機溶媒に
    浸漬、抽出したものである請求項1記載の害虫防除剤。
  4. 【請求項4】ハマスゲの粗抽出物がα−チペロン、シペ
    ロタンドン、ロタンドンのいずれか1種又は1種以上で
    ある請求項1記載の害虫防除剤。
  5. 【請求項5】有機溶媒がメタノ−ル、又はヘキサンであ
    る請求項2記載の害虫防除剤。
  6. 【請求項6】害虫防除剤が農業用害虫防除剤である請求
    項1記載の害虫防除剤。
JP19586992A 1992-07-01 1992-07-01 害虫防除剤 Pending JPH0616516A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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