JP2602912B2 - ミナミキイロアザミウマ防除用組成物および防除方法 - Google Patents

ミナミキイロアザミウマ防除用組成物および防除方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、施設栽培作物の重要害虫であるミナミキイ
ロアザミウマの防除用組成物および防除方法に関する。
従来の技術および課題 近年、施設栽培作物に重大な被害を及ぼす害虫として
ミナミキイロアザミウマが注目されている。かかる害虫
は、体長1〜1.4mm程度の総翅類に属する昆虫であり、
キュウリ、メロン、スイカ、ナスビ、ピーマンなどのウ
リ科およびナス科果菜類に発生し、吸汁加害が激しい。
従来より、本害虫の防除に種々の殺虫剤が試みられてい
るが、ミナミキイロアザミウマはアザミウマの中では特
異的に殺虫剤が効きにくく、実用的な防除効果を期待で
きるものとしてはDMTP水和剤やBPMC乳剤など少数のもの
に限られている。さらに、本害虫は、1年に十数世代を
経過し、薬剤耐性が発達し易く、その防除は困難を極め
ている。
本発明者らは、ミナミキイロアザミウマがトマトおよ
びイチゴには全く発生せず、被害を及ぼさないことに着
目し種々検討した結果、該植物に共通する含有成分であ
るオイゲノールおよびベータ・ヨノンが単独で、あるい
は両者を組み合わせることによりミナミキイロアザミウ
マに対して優れた忌避作用を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明は、1つの態様において、オイゲノ
ールおよび/またはベータ・ヨノンを有効成分として含
有することを特徴とするミナミキイロアザミウマ防除用
組成物を提供するものである。
また、本発明は、もう1つの態様において、オイゲノ
ールおよび/またはベータ・ヨノンを有効成分として含
有する組成物を適用することを特徴とするミナミキイロ
アザミウマの防除方法を提供するものである。
本発明において用いられるオイゲノールおよびベータ
・ヨノンは香料の一種として公知の化合物であり、商業
的に入手可能であるが、これらがミナミキイロアザミウ
マ防除作用を有するとの報告は未だ見当たらない。
本発明においては、これらの商業的に入手可能なオイ
ゲノールおよびベータ・ヨノンは、必要により、適宜精
製して使用してもよく、また、以下に記載するごとく、
トマトまたはイチゴより抽出したエキスをそのまま使用
してもよい。
有効成分の抽出を行うには、まず、トマトまたはイチ
ゴの全草あるいは葉部または茎部を常法に従って水蒸気
蒸留し、留出物をエーテルなどの有機溶媒で抽出して揮
発性油分を得る。ついで、この揮発性油分を炭酸水素ナ
トリウムなどのアルカリで処理して酸性成分を除去し、
アルカリ不溶性の粗抽出エキスを得る。得られた粗抽出
エキスをシリカゲル上でヘキサン/エーテル混合溶媒を
用いてカラムクロマトグラフィーに対し、後記のごとき
ミナミキイロアザミウマ防除作用のスクリーニング試験
において最も強い活性を示すフラクションを集め、常法
に従って溶出溶媒を除去して無色油状物の精製抽出エキ
スを得る。
本発明のミナミキイロアザミウマ防除用組成物には、
有効成分として、これらの粗抽出エキス、精製抽出エキ
ス、商業的に入手できるオイゲノールおよびベータ・ヨ
ノンを単独で、また組合わせて用いることができる。
特に、オイゲノールおよびベータ・ヨノンが1:10〜2
0:1、好ましくは、10:1〜1:1の混合割合の抽出物または
市販薬剤の混合物を用いるとミナミキイロアザミウマ防
除効果が大きくなり、好ましい。
本発明のミナミキイロアザミウマ防除用組成物は、前
記有効成分をそのまま用いてもよく、また、常法に従っ
て、固体担体もしくは液体担体、界面活性剤、その他の
製剤用補助剤の一種またはそれ以上と組合わせて、例え
ば、乳剤、エアロゾル、粉剤、粒剤、水和剤、懸濁剤な
どの形態として用いてもよい。補助剤と組合わせて用い
る場合、本発明の有効成分を製剤全量に対して0.1〜50
重量%、好ましくは、1〜10重量%の範囲で含有させる
ことができ、常法に従ってそれぞれの形態に調製するこ
とができる。
本発明の組成物を用いてミナミキイロアザミウマを防
除するには、通常、調製した製剤を直接対象植物に噴霧
または散布するが、エアロゾルの形態にて噴霧するのが
特に好ましい。また、本発明の組成物を含有する大型固
形剤(例えば、本発明有効成分含有粉剤を固めたもの、
本発明有効成分含有液体をセラミックのような多孔質材
料に含浸させたもの、本発明有効成分をマイクロカプセ
ル化して固形化したものなど、徐放性で効力を発揮する
剤形)をハウス内の適当な場所に数ヵ所つり下げておく
だけでも有効にミナミキイロアザミウマを防除すること
ができる。
施用量は、施用場所、施用方法、製剤形態などにより
ことなるが、通常、102〜104ppmの濃度に希釈して用い
る。
本発明の組成物は、通常、施設栽培に適用されるが、
その他に露地栽培などにも適用することができ、野菜、
畑作物、花、などに発生するミナミキイロアザミウマを
有効に防除することができる。
実施例 つぎに参考例、試験例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
参考例 抽出エキスの調製 トマトの全草16kgを長さ5cm程度に細断した後水蒸気
蒸留に付し、溜出物をエーテル抽出して揮発性油分
(A)1.53gを得た。同様に、トマト葉茎部12kgから揮
発性油分(B)1.75gを得た。ついで、揮発性油分
(A)1.4gおよび(B)1.3gを、それぞれ、5%炭酸水
素ナトリウムで処理して酸性成分を除去し、揮発性成分
(A)から中性成分(C)0.57gおよび揮発性油分
(B)から中性成分(D)1.20g得た。中性成分(C)
および(D)は、さらに、それぞれ、内径12mmのビュレ
ットに300メッシュの活性シリカゲルを約30cm充填した
カラムを用い、ヘキサン、ヘキサン/エーテル、エーテ
ル、酢酸エチル、メタノールの順に溶出して粗抽出エキ
スを得、ついで同カラムにてヘキサン、ヘキサン/エー
テル、エーテルの順に溶出して抽出エキスを得た。
得られた抽出エキスまたはそれらの有効成分であるオ
イゲノールおよびベータ・ヨノンを用いて以下に示す試
験を行った。なお、結果はウイルコクソン検定法により
評価した。
試験例1 前記のごとくトマトの茎葉部の水蒸気蒸留して得た揮
発性油分(B)0.5mgを0.5mlのエーテルに溶解して幅5m
m、長さ3cmの濾紙片に吸収させた。対照として同じ大き
さの濾紙片をエーテルで湿した後乾燥させた物を用い
た。つぎに、これらの濾紙片を用い、5匹のミナミキイ
ロアザミウマにて選択実験を10回繰り返し行った。結果
を第1表に示す。
実験例2 前記の揮発性油分(B)をさらに5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で処理して得られた中性成分をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに対し、ヘキサン/エーテル=
9:1混合溶媒溶出部をシリカゲル上再カラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン/エーテル=12:1および10:1
混合溶媒にて溶出して得られた以下の組成を有するフラ
クション各0.5mgを用い、前記試験例1と同様の選択実
験を10回繰り返し行った。結果を第1表に示す。
再カラムクロマトグラフィーにより得られたフラクシ
ョンの主成分の組成 第1表から明らかなごとく、水蒸気蒸留にて得られた
揮発性油分(B)ならびにシリカゲルカラムにてヘキサ
ン/エーテル=12:1および10:1混合溶媒により溶出した
フラクションは全てミナミキイロアザミウマを強く忌避
し、ミナミキイロアザミウマの防除剤として有効である
ことを示している。
試験例3 前記試験例2の溶出物の主成分であるオイゲノームお
よびベータ・ヨノンをそれぞれ0.5mg用い、前記と同様
にして選択実験を10回繰り返し行った。結果を第2表に
示す。
試験例4 オイゲノールおよびベータ・ヨノンを重量比にて10:1
および1:1の割合で配合した混合物各0.5mgを用い、前記
と同様にして選択実験を10回繰り返し行った。結果を第
2表に示す。
第2表から明らかなごとく、ベータ・ヨノンおよびオ
イゲノール/ベータ・ヨノン(10:1重量比(w/w))の
混合物はミナミキイロアザミウマを強く忌避し、また、
オイゲノールおよびオイゲノール/ベータ・ヨノン(1:
1w/w)の混合物もミナミキイロアザミウマを忌避した。
実施例1 成 分 重量部 オイゲノール/ベータ・ヨノン (10:1w/w) 25 キシレン 65 ポリオキシエチレンアルキルフェニル エーテル 8 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2 以上の成分をよく混合してミナミキイロアザミウマ防
除用乳剤を得た。
実施例2 成 分 重量部 オイゲノール/ベータ・ヨノン (10:1w/w) 2 脱臭ケロシン 10 ジエチルエーテル 15 フロン113 73 以上の成分を密閉容器に充填してミナミキイロアザミ
ウマ防除用エアロゾルを得た。
実施例3 オイゲノール/ベータ・ヨノン(10:1w/w)をベータ
・ヨノンに代える以外前記と同様にしてミナミキイロア
ザミウマ防除用エアロゾルを得た。
実施例4 オイゲノール/ベータ・ヨノン(10:1w/w)をオイゲ
ノールに代える以外前記と同様にしてミナミキイロアザ
ミウマ防除用エアロゾルを得た。
実施例5 成 分 重量部 オイゲノール/ベータ・ヨノン (10:1w/w) 3 クレー 87 タルク 10 以上の成分をよく混合してミナミキイロアザミウマ防
除用粉剤を得た。
実施例6 成 分 重量部 オイゲノール/ベータ・ヨノン (10:1w/w) 10 リグニンスルホン酸カルシウム 2 ベントナイト 30 クレー 58 以上の成分を均一に混合し、ついで適当量の水を加え
て練合した後、造粒して、乾燥してミナミキイロアザミ
ウマ防除用粒剤を得た。
実施例7 成 分 重量部 オイゲノール/ベータ・ヨノン (10:1w/w) 50 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 6 リグニンスルホン酸ナトリウム 4 クレー 40 以上の成分をよく混合してミナミキイロアザミウマ防
除用水和剤を得た。
発明の効果 本発明によれば、ミナミキイロアザミウマに対して優
れた防除作用を有し、かつ、薬剤耐性や薬害なども生じ
ることなく、人畜に対して無害な組成物および防除方法
が提供される。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オイゲノールおよび/またはベータ・ヨノ
    ンを有効成分として含有することを特徴とするミナミキ
    イロアザミウマ防除用組成物。
  2. 【請求項2】オイゲノールおよびベータ・ヨノンの配合
    割合が1:10〜20:1である前記第(1)項のミナミキイロ
    アザミウマ防除用組成物。
  3. 【請求項3】オイゲノールおよび/またはベータ・ヨノ
    ンを有効成分として含有する組成物を適用することを特
    徴とするミナミキイロアザミウマの防除方法。
  4. 【請求項4】オイゲノールおよびベータ・ヨノンの配合
    割合が1:10〜20:1である前記第(3)項のミナミキイロ
    アザミウマの防除方法。
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