JP2989729B2 - 害虫防除剤、その製造方法および害虫防除方法 - Google Patents

害虫防除剤、その製造方法および害虫防除方法

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JP2989729B2
JP2989729B2 JP5141471A JP14147193A JP2989729B2 JP 2989729 B2 JP2989729 B2 JP 2989729B2 JP 5141471 A JP5141471 A JP 5141471A JP 14147193 A JP14147193 A JP 14147193A JP 2989729 B2 JP2989729 B2 JP 2989729B2
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宗和 飯沼
慎治 ▲吉▼田
玲 五十嵐
洋生 桑鶴
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    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シロアリなどの害虫の
防除に有用な害虫防除剤、その製造方法および害虫防除
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シロアリやゴキブリなどの害虫防除剤と
して、殺虫性の強い化学合成薬剤が用いられている。し
かし、これらの薬剤は、人畜に対する安全性および環境
に及ぼす影響が高く、自然の生態系を破壊する虞があ
る。
【0003】一方、天然物由来の害虫防除剤も知られて
いる。例えば、キハダ(Phellodendron amurense Rup
r., P. molle Nakai)に含まれるオバクノン、オウレン
(Coptis japonica Makino)の根、キハダ(Phellodend
ron amurense Rupr.)の樹皮などに含まれるベルベリン
は、シロアリに対する食毒が認められている。しかし、
これらの成分は、未だ防除効果が小さい。また、特開平
3−41011号公報には、安全性の高いシロアリ防除
剤として、ニームの有機溶媒または含水溶媒による抽出
物を有効成分として含有する防除剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、害虫
に対して高い防除性を有する害虫防除剤及びその製造方
法を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、人畜に対して安全性
が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことのない害虫防
除剤及びその製造方法を提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、害虫を確実か
つ効率よく防除できる害虫防除方法を提供する。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、自然の生態系を考慮しつつ、植物由来で、しかも害
虫に対して高い防除性を示す防除剤を得べく鋭意検討し
た結果、特定の植物の抽出物または滲出物に含まれる成
分が、安全性が高く、しかも害虫に対して高い防除効果
を示すことを見出だし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、下記(A)〜(H)
からなる群から選ばれた少なくとも1種の植物の抽出物
または滲出物に含まれる害虫防除成分を含有する害虫防
除剤、ならびに下記(I)及び(J)からなる群から選
ばれた少なくとも1種の植物の抽出物または滲出物に含
まれるシロアリ防除成分を含有するシロアリ防除剤を提
供する。
【0009】(A) モリンガ(Moringa)属(B) マラー(Marah)属(C) ソホラ(Sophora)属(D) マーキア(Maackia)属(E) チノスポラ(Tinospora)属(F) ザントキシラム(Zantoxylum)属(G) スチラックス(Styrax)属(H) リキッドアンバー(Liquidambar)属(I)モモルディカ(Momordica)属 (J)ピクラスマ(Picrasma)属 また、本発明の方法では、前記(A)〜(H)からなる
群から選ばれた少なくとも1種の植物を抽出溶媒による
抽出工程又は滲出工程に供し、害虫防除成分を含有する
抽出物又は滲出物を得る。さらに、本発明の方法では、
前記(I)及び(J)からなる群から選ばれた少なくと
も1種の植物を抽出溶媒による抽出工程又は滲出工程に
供し、シロアリ防除成分を含有する抽出物又は滲出物を
得る。
【0010】さらに、本発明の防除方法は、前記害虫防
除剤を用いて害虫を防除し、前記シロアリ防除剤を用い
てシロアリを防除する。
【0011】なお、本明細書において、「滲出物」と
は、植物の樹幹等から採取した滲出物だけでなく、広く
植物から滲出する物質を意味する。また、害虫に対する
「防除」とは、殺虫のみならず忌避を含む意味に用い
る。
【0012】本発明の害虫防除剤は、以下に説明するよ
うに、前記特定の植物に由来する害虫防除成分を含有す
るので、安全性が高く、自然の生態系を破壊することが
なく、殺虫及び忌避効果が高いという特色がある。
【0013】前記モリンガ(Moringa )属(ワサビノキ
属)に属する植物には、例えば、モリンガ・オレイフェ
ラ(Moringa oleifera)、モリンガ・プテリゴスペルマ
(Moringa pterygosperma)、モリンガ・コンカネンシス
(Moringa concanensis )などが含まれる。前記モリン
ガ・オレイフェラは、フィリピンなどに生育する植物で
あり、その葉は食用とされている。
【0014】マラー(Marah )属に属する植物には、例
えば、マラー・オレガヌス(Marahoreganus)などが含
まれる。マラー・オレガヌスは北米に生育するニガウリ
に似た植物であり、ビッグ・ルート(Big root)とも称
される。
【0015】モモルディカ(Momordica )属に属する植
物としては、例えば、モモルディカ・キャランティア
(Momordica charantia ;ニガウリ、ニガゴリ、ツルレ
イシ)などが挙げられる。モモルディカ・キャランティ
アは沖繩に生育する植物であり、食用とされている。
【0016】ソホラ(Sophora )属に属する植物には、
ソホラ・トンキネンシス(Sophoratonkinensis )など
が含まれる。ソホラ・トンキネンシスは中国に生育する
植物であり、その根は、解熱、止痛作用を有する生薬
「山豆根」の原料に用いられている。
【0017】マーキア(Maackia )属に属する植物とし
ては、例えば、マーキア・アムレンゼ・サブスピーシー
ズブエルゲリ(Maackia amurense subsp.buergeri ;イ
ヌエンジュ)などが挙げられる。マーキア・アムレンゼ
・サブスピーシーズブエルゲリは日本にみられる植物
で、止血作用を示す成分を含んでいることが知られてい
る。
【0018】チノスポラ(Tinospora )属に属する植物
には、例えば、チノスポラ・クリスパ(Tinospora cris
pa)などが含まれる。チノスポラ・クリスパは、フィリ
ピンなどに生育する植物で、清熱、解熱作用を有する成
分を含有することが知られている。
【0019】ザントキシラム(Zantoxylum)属に属する
植物には、例えば、ザントキシラム・ピペリツム(Zant
oxylum piperitum;サンショウ)などが含まれる。ザン
トキシラム・ピペリツムの成熟した果実の乾燥物は、健
胃整腸作用を有する生薬「サンショウ」や香辛料に用い
られる。
【0020】ピクラスマ(Picrasma)属に属する植物と
しては、例えば、ピクラスマ・クアシオイデス(Picras
ma quassioides;ニガキ)、ピクラスマ・アイランソイ
デス(Picrasma ailanthoides )、ピクラスマ・エクセ
ルサ(Picrasma excelsa)などが含まれる。ピクラスマ
・クアシオイデスは、苦味健胃薬として知られる生薬
「ニガキ」の原料に用いられている。
【0021】ピパー(Piper )属に属する植物には、例
えば、ピパー・レトロフラクツム(Piper retrofractu
m;ヒハツモドキ)などが含まれる。ピパー・レトロフ
ラクツムは沖繩などに生育する植物である。
【0022】ストリキノス(Strychnos )属に属する植
物としては、例えば、ストリキノス・ナックスホミカ
(Strychnos nux-vomica;ホミカ)などが含まれる。ス
トリキノス・ナックスホミカはインドからオーストラリ
アに至る熱帯アジアに分布する常緑高木の植物であり、
その成熟した果実の乾燥物は、強壮興奮剤としての生薬
「ホミカ」に用いられている。
【0023】スチラックス(Styrax)属に属する植物に
は、例えば、スチラックス・ベンゾイデス(Styrax ben
zoides)、スチラックス・トンキネンシス(Styrax ton
kinensis)、スチラックス・ベンゾイン(Styrax benzo
in)、スチラックス・スマトラヌス(Styrax sumatranu
s )などが含まれる。これらの植物の樹幹から滲出する
樹脂「安息香」は、去痰作用を有する生薬以外に、香
料、化粧品などに用いられている。
【0024】リキッドアンバー(Liquidambar )属に属
する植物には、例えば、リキッドアンバー・オリエンタ
リス(Liquidambar orientalis)、リキッドアンバー・
スチラシフルア(Liquidambar styraciflua )などが含
まれる。リキッドアンバー・オリエンタリスの樹皮など
から採取される樹脂は、去痰作用を有する生薬「流動蘇
合香」として用いられている。
【0025】前記抽出物は慣用の方法により得ることが
できる。例えば、前記植物を、必要に応じて細断、乾
燥、粉砕などの処理を施した後、適当な抽出溶媒を用い
て、常圧又は加圧下、室温または加熱下で抽出し、必要
に応じて濾過した後、濃縮することにより、前記抽出物
を得ることができる。植物は一種又は二種以上混合して
抽出に供することができる。
【0026】抽出に供する植物体の部位は、植物の種類
によっても異なるが、植物体全体であってもよく、植物
体の一部分、例えば、根、茎、葉、果実、種子、果皮、
樹皮、幹、枝、花などであってもよい。例えば、(A)
モリンガ(Moringa)属、(B)マラー(Marah)属、
(C)ソホラ(Sophora)属、および(D)マーキア(M
aackia)属の植物は、例えば、根または根に近い幹など
を抽出工程に供することができる。また、(I)モモル
ディカ(Momordica)属の植物では、例えば、果実など
を、(E)チノスポラ(Tinospora)属の植物では、通
常、茎などを、(F)ザントキシラム(Zantoxylum)属
の植物では、通常、果実や果皮などを抽出工程に供する
ことができる。さらに、(J)ピクラスマ(Picrasma)
属の植物では、例えば、幹などを、(X)ピパー(Pipe
r)属に属する植物では、例えば、植物体全体を、
(Y)ストリキノス(Strychnos)属に属する植物で
は、例えば、種子などをそれぞれ抽出工程に供すること
ができる。(G)スチラックス(Styrax)属の植物で
は、例えば、樹幹などを、(H)リキッドアンバー(Li
quidambar)属の植物では、例えば、樹皮などを抽出工
程に供してもよい。
【0027】なお、(G)スチラックス属や(H)リキ
ッドアンバー属の植物においては、必要に応じて、これ
らの植物からの滲出物である「安息香」や「流動蘇合
香」などを抽出工程に供することもできる。
【0028】抽出溶媒としては、例えば、水;メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノ
ール、t−ブタノール、n−オクタノール、シクロヘキ
サノールなどのアルコール類;エチルエーテル、プロピ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタ
ン、環状エーテル(例えば、ジオキサン、テトラヒドロ
フランなど)、モノ又はジアルキレングリコールモノア
ルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)などの
エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;四塩化炭素、
クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、オクタンな
どの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタ
ンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリルなどのニ
トリル類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン
などの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これら
の溶媒は一種または二種以上混合して用いることができ
る。
【0029】これらの溶媒のうち、好ましい抽出溶媒に
は、水、親水性溶媒およびこれらの混合物が含まれる。
前記好ましい親水性溶媒には、炭素数1〜4程度の直鎖
又は分岐鎖アルコール類;ジメトキシエタン、環状エー
テル、モノ又はジアルキレングリコールモノアルキルエ
ーテルなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;ニ
トリル類;有機カルボン酸類;非プロトン性極性溶媒な
どが含まれる。
【0030】特に好ましい溶媒には、水;炭素数1〜4
の直鎖又は分岐鎖アルコール、アセトンなどの水溶性溶
媒;およびこれらの混合物などが含まれる。
【0031】前記抽出溶媒の使用量は、抽出効率および
抽出操作を損わない範囲であればよく、例えば、被抽出
植物100重量部に対して、50〜10000重量部、
好ましくは100〜2000重量部程度である。抽出温
度は、例えば、0〜150℃、好ましくは室温〜120
℃程度である。
【0032】本発明における前記滲出物も慣用の方法に
より得ることができる。例えば、植物体の一部、例え
ば、樹幹などに傷を付け、樹脂などの滲出物を採取した
り、植物体またはその一部を、必要に応じて熱水処理な
どを施した後、圧搾して採取することにより前記滲出物
を得ることができる。なお、本発明においては、このよ
うに植物から分離した滲出物のみならず、植物体または
その一部から滲出する滲出物をも利用できる。例えば、
破砕、乾燥などの処理を施した植物から、滲出物が滲出
する場合がある。このような滲出物も、本発明における
「滲出物」に含まれる。
【0033】前記植物の滲出物としては、例えば、
(G)スチラックス属の植物からの滲出物である「安息
香」、(H)リキッドアンバー属の植物からの滲出物で
ある「流動蘇合香」などを用いる場合が多い。
【0034】本発明においては、二種以上の植物の抽出
物同士、あるいは滲出物同士が混合されていてもよく、
また、抽出物と滲出物とが混合されていてもよい。前記
抽出物及び滲出物は、液状であってもよく、粉末状、粒
状などの固形状やペースト状などの半固形状であっても
よい。前記抽出物及び滲出物には、害虫に対して高い防
除作用を示す害虫防除成分が含まれている。しかも、害
虫防除成分は、天然物であり且つ食用、生薬などとして
用いられる植物に由来するため、一般に人畜に対して安
全性が高く、環境に対しても悪影響を及ぼすことが少な
い。
【0035】本発明の害虫防除剤は、前記成分を含んで
いる限り、その製剤の形態は特に制限されず、前記抽出
物または滲出物そのものであってもよい。また、害虫防
除剤は、製剤化されていてもよい。前記製剤形態とし
て、例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、
油剤、ローションなどの液剤;粉剤、粒剤、マイクロカ
プセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤、発泡剤な
どの固形剤;ペースト剤、クリームなどの半固形剤;噴
霧剤、エアゾール剤;塗料などが挙げられ、これらは使
用目的や適用部位に応じて適宜選択できる。これらの製
剤は、慣用の方法で製造できる。
【0036】前記液剤、半固形剤は、例えば、前記抽出
物または滲出物を適当な液体希釈剤又は担体を用いて希
釈等することにより製造できる。なお、水和剤の場合に
は、さらに固体希釈剤又は担体を用いてもよい。
【0037】前記液体希釈剤又は担体としては、例え
ば、前記例示の抽出溶媒以外に、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール
類;可塑剤(例えば、ジ−2−エチルヘキシルアジペー
トなどのエステル系可塑剤など);ケロセンなどの石油
系溶剤;エチルナフタレン、フェニルキシリルエタンな
どの芳香族炭化水素;2−エチルヘキシルフェニルホス
フェートなどのリン酸エステルなども使用できる。これ
らの液体希釈剤や担体は、一種又は二種以上混合して使
用できる。前記固体希釈剤又は担体としては、例えば、
ケイソウ土、雲母、粘土、カオリン、タルク、石英粉
末、ベントナイトなどが挙げられる。これらの固体希釈
剤又は担体も、単独または二種以上の混合物として用い
ることができる。
【0038】前記固形剤は、例えば、前記抽出物または
滲出物を適当な固体希釈剤又は担体で希釈したり造粒す
ることにより製造できる。固体希釈剤又は担体として
は、前記例示の固体希釈剤以外に、滑石粉、ロウ石粉な
どのタルク類、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カル
シウムなどの鉱物性粉末;硫黄粉末;尿素粉末;木粉、
澱粉などの植物性粉末;農薬、園芸用製剤などに繁用さ
れる各種担体が挙げられる。これらの固形希釈剤や担体
は、増量材として使用される場合も多い。固形希釈剤や
担体も、一種又は二種以上混合して使用できる。
【0039】前記エアゾール剤は、例えば、前記抽出物
または滲出物を必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射
剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤と
しては、例えば、前記例示の溶媒などが挙げられる。噴
射剤としては、フロン、液化天然ガスなどが挙げられ
る。
【0040】なお、害虫防除剤は、製剤の種類に応じ
て、必要により種々の添加剤、例えば、防腐防カビ剤;
酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合剤;被
膜形成能を有する樹脂;乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤
剤、浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;凝集剤;
紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含んでいても
よい。
【0041】前記防腐防カビ剤としては、例えば、3−
ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカー
ボネート、3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバ
メート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パ
ラクロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール
などの有機ヨード系化合物;2−(4−チアゾリル)ベ
ンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチ
アゾールなどのベンズイミダゾールおよびベンゾチアゾ
ール系化合物;1−(2−(2′,4′−ジクロロフェ
ニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1
H−1,2,4−トリアゾール、1−(2−(2′,
4′−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジ
オキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−ト
リアゾール、α−(2−(4−クロロフェニル)エチ
ル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,
2,4−トリアゾール−1−エタノールなどのトリアゾ
ール系化合物などが挙げられる。
【0042】酸化防止剤としては、例えば、4,4′−
チオビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブ
チル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メ
トキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェ
ノールの混合物)、p−オクチルフェノール、モノ(ま
たはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BH
T)、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピ
オネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N′−ジ
−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン
系酸化防止剤、2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリ
ンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオ
ジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニ
ルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが例示でき
る。
【0043】紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オク
トキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリ
アゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸
フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどの
サリチル酸系化合物;2−エチルヘキシル 2−シアノ
−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エトキシ−
2′−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル
−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物など
が挙げられる。
【0044】結合剤としては、例えば、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリ
ン、アルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リ
グニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。
【0045】被膜形成能を有する樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、
塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポ
リエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示で
きる。
【0046】乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤
としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤などの慣用の界面活性剤が使用できる。アニオン系界
面活性剤には、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナト
リウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム[例えば、竹
本脂(株)製、商品名ニューカルゲンBX−C]などの
アルキルナフタレンスルホン酸塩、2−スルホコハク酸
ジアルキルナトリウム[例えば、第一工業製薬(株)
製、商品名ネオコールSW−C]などの2−スルホコハ
ク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤[例え
ば、山陽化成(株)製、商品名トキサノンGR−3
0]、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレ
ンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニ
ウム塩[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ディク
スゾール60A]、リグニンスルホン酸ナトリウム、リ
グニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。ノニオン
系界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テル[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名イノゲン
・イーエー−142(EA−142)]、ポリオキシエ
チレンアリールエーテル、脂肪酸多価アルコールエステ
ル、脂肪酸多価アルコーポリオキシエチレン、ショ糖脂
肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロ
ック共重合体[例えば、山陽化成(株)製、商品名ニュ
ーポールPE−64]などが例示できる。
【0047】増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤
として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、
ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、
シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑
剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイト
カーボン、硅藻土、ステアリン酸マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤と
しては、例えば、流動パラフィン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
イソブチレン重合体[例えば、出光石油化学(株)製、
商品名IPソルベント−2835]などが挙げられる。
紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示でき
る。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末な
どの乾燥剤などが挙げられる。着色剤には、例えば、有
機又は無機顔料や染料が含まれる。
【0048】本発明の害虫防除剤は、他の防虫剤や害虫
忌避剤、効力増強剤を含んでいてもよい。前記他の防虫
剤としては、例えば、ホキシム、クロルピリホス、フェ
ニトロチオン、ピリダフェンチオン、イソフェンホスな
どの有機リン系化合物;バッサ、プロポキサーなどのカ
ルバメート系化合物;サイフルスリン、パーメスリン、
トラロメスリン、フェンパレレート、エトフェンプロッ
クス、Hoe−498などのピレスロイド系化合物、イ
ミダクロプリドなどのニトログアニジン系化合物、ニト
ロメチレン系化合物などが挙げられる。
【0049】前記害虫防除成分の含有量は、害虫防除剤
の剤型や適用方法に応じて適宜選択することができる。
液剤、半固形剤又は固形剤の場合、前記成分の濃度は、
害虫防除剤中、前記植物の抽出物または滲出物として、
例えば0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜50重
量%程度である。前記害虫防除剤がエアゾール剤の場
合、容器に充填される充填物中の前記成分の濃度は、前
記植物の抽出物または滲出物として、例えば0.01〜
25重量%、好ましくは0.05〜15重量%程度であ
る。
【0050】前記(A)〜(H)からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の植物の抽出物または滲出物に含まれ
る害虫防除成分を含有する害虫防除剤は、種々の害虫、
例えば、シロアリなどの家屋害虫、ゴキブリ、ハエ、
カ、アブ、ナンキンムシなどの衛生害虫などに適用でき
る。害虫防除剤を、害虫、例えば、シロアリなどの家屋
害虫の防除に使用すると、少量にて高い効率で防除でき
る。また、前記(I)及び(J)からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の植物の抽出物または滲出物に含まれ
るシロアリ防除成分を含有するシロアリ防除剤は、シロ
アリに対して高い防除効果を発現する。なお、このよう
な効果は、前記抽出物または滲出物を含む植物体そのも
のを用いても同様に得られる。
【0051】本発明の害虫防除方法においては、害虫の
侵入源や発生源、例えば、台所、浴室、居間、床のコー
ナー部、床下、天井、土台、柱、壁、土壌などに前記害
虫防除剤を適用すればよい。害虫防除剤の適用方法に
は、害虫の侵入源や発生源に応じた種々の態様、例え
ば、塗布、散布、浸潰、注入、混和、噴霧などの方法が
含まれる。なお、土壌に適用する場合、土壌表面への散
布、土壌に形成した溝への散布、土壌との混和などによ
り防除剤を適用できる。また、害虫防除剤は、合成樹脂
シート、紙、布などのシート状基材に、塗布、含浸、混
練などにより保持させてシート剤を調製し、これを前記
害虫の侵入箇所や発生箇所などに載置したり張り付ける
ことによっても、害虫を防除できる。
【0052】本発明の方法においては、前記の害虫防除
成分により、害虫を効率よく殺虫又は忌避でき、害虫被
害を顕著に低減できる。
【0053】
【発明の効果】本発明の害虫防除剤は、害虫に対して優
れた防除効果を発現する。また、害虫防除成分が天然の
植物由来であるため、人畜に対して安全性が高く、環境
に対して悪影響を及ぼすことが少ない。
【0054】本発明の製造方法によれば、前記のような
優れた特性を有する害虫防除剤を抽出又は滲出という簡
単な操作で得ることができる。
【0055】本発明の防除方法によれば、安全性を確保
しつつ、害虫を極めて効率よく防除できる。
【0056】
【実施例】以下に、実施例に基いて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0057】実施例1 フィリピンのルソン島で採集したモリンガ・オレイフェ
ラ(Moringa oleifera)の根部および根に近い幹の乾燥
品を粉末とし、粉末380gにアセトン500mlを添
加し、6時間還流抽出した。得られた抽出混合物を濾過
し、アセトン抽出液を得た。さらに、抽出残渣を上記と
同様に処理してアセトン抽出液を得た。
【0058】得られた2つのアセトン抽出液を合せた
後、ロータリーエバポレーターで減圧下に濃縮し、1.
4gのエキスを得た(試料1)。このエキスにメタノー
ルを加え、約2重量%のメタノール溶液とした。
【0059】実施例2 アメリカ合衆国のオレゴン州で採集したマラー・オレガ
ヌス(Marah oreganus)の地下部塊根を切断し、室温で
乾燥した後、粉末とした。この粉末25gにアセトン1
00mlを加え、実施例1と同様にして、エキス1.1
gを得た(試料2)。さらに、抽出残渣にメタノール1
00mlを加え、上記と同様の操作を行い、エキス3.
8gを得た(試料3)。
【0060】これらのエキスに、それぞれメタノールを
加え、約2重量%のメタノール溶液とした。
【0061】実施例3 ニガウリの未熟果実を輪切りにし、室温で乾燥した後、
粉末とした。この粉末50gにアセトン200mlを加
え、実施例1と同様にして、エキス1.6gを得た(試
料4)。さらに、抽出残渣にメタノール200mlを添
加し、前記と同様の操作を行い、エキス5.2gを得た
(試料5)。
【0062】これらのエキスに、それぞれメタノールを
加え、約2重量%のメタノール溶液とした。
【0063】実施例4 中国産山豆根(市販品)を粉末とし、この粉末300g
にメタノール500mlを添加し、実施例1と同様にし
て、45gのエキスを得た(試料6)。このエキスにメ
タノールを添加し、約2重量%のメタノール溶液とし
た。
【0064】実施例5 イヌエンジュの根を切断し、室温で乾燥した後、粉末と
した。この粉末990gにメタノール1.5Lを添加
し、実施例1と同様にして、エキス160gを得た(試
料7)。このメタノールエキス150gに、水1Lとク
ロロホルム1Lを添加して十分に振盪し、静置した後、
クロロホルム層を分取した。水層にさらにクロロホルム
1Lを添加して、上記と同様の操作を行い、クロロホル
ム層を分取して先のクロロホルム層と合せた。次いで、
水層に、n−ブタノール1Lを添加し、同様の操作を行
い、n−ブタノール層を分取した。
【0065】クロロホルム層、n−ブタノール層、及び
水層を、それぞれ、ロータリーエバポレーターで減圧下
に濃縮し、クロロホルム可溶エキス37g、n−ブタノ
ール可溶エキス93g、および水可溶エキス12g(試
料8)を得た。なお、前記水可溶エキスに水を添加し、
約12重量%の水溶液とした。
【0066】実施例6 フィリピン産のチノスポラ・クリスパ(Tinospora cris
pa)(市場品)の地上茎乾燥品を粉末とし、この粉末1
70gにアセトン300mlを添加し、実施例1と同様
にして、エキス5.9gを得た(試料9)。このエキス
にアセトンを添加し、約2重量%のアセトン溶液とし
た。
【0067】実施例7 局方山椒(種子を除いた果皮、市販品)を粉末とし、こ
の粉末50gにアセトン100mlを添加し、実施例1
と同様にして、エキス7gを得た(試料10)。このエ
キスにメタノールを添加し、約2重量%のメタノール溶
液とした。
【0068】実施例8 局方ニガキ(市販品)を粉末とし、この粉末70gにア
セトン150mlを添加し、実施例1と同様にして、エ
キス3.2gを得た(試料11)。このエキスにアセト
ンを添加し、約2重量%のアセトン溶液とした。
【0069】参考例1 沖縄県石垣島で採集したヒハツモドキの全草を室温で乾
燥し、粉末とした。この粉末30gにアセトン170m
lを添加し、実施例1と同様にして、エキス4.1gを
得た(試料12)。このエキスにメタノールを添加し、
約2重量%のメタノール溶液とした。
【0070】参考例2 局方ホミカ(馬銭子、種子)を粉末とし、この粉末40
gにアセトン150mlを添加し、実施例1と同様にし
て、エキス3.5gを得た(試料13)。このエキスに
アセトンを添加し、約2重量%のアセトン溶液とした。
【0071】実施例11 市販の安息香(試料14)にアセトンを添加し、約2重
量%のアセトン溶液とした。
【0072】実施例12 市販の流動蘇合香(試料15)にアセトンを添加し、約
2重量%のアセトン溶液とした。
【0073】試験例1 20メッシュのふるいを通過した石英砂を、温度60±
2℃で恒量になるまで乾燥した後、冷却し、供試石英砂
を調製した。
【0074】石英砂12gに、実施例1〜8、11〜1
2及び参考例1〜2で得られた試料1〜15を含む溶液
を、各試料の量が石英砂に対して1重量%となるように
添加して処理し、溶媒を揮散させた後、これらの石英砂
に水を添加してそれぞれ全量13gとした。なお、試料
8の水溶液については、水を揮散させることなく全量を
13gとした。
【0075】対照として、シロアリに対して食毒とされ
ているベルベリン(比較例1)、オバクノン(比較例
2)を添加して処理した石英砂を、上記と同様にしてそ
れぞれ調製した。なお、前記実施例1〜12の前記試料
が混合物であるのに対して、ベルベリンなどは純粋な化
合物である。そのため、ベルベリンおよびオバクノンの
添加量は、石英砂に対して0.1重量%とした。
【0076】また、対照として、薬剤で処理することな
く、前記と同様に水を添加した石英砂(比較例3、含水
率約8%)を用いた。
【0077】試験装置として、2つの円筒状のガラス容
器(内径約5cm、高さ12cm)を、底面から約2c
mの所で、ガラス管(内径約1.5cm、長さ約10c
m)により連通して連結した装置を用いた。なお、前記
ガラス管の両端部には、ガラス容器との接続のための摺
合せ部が形成され、その中央部の透明部分(長さ5c
m)には、5mm間隔の目盛りが付されている。また、
試験装置は、予め乾燥減菌して使用した。
【0078】一方のガラス容器に未処理石英砂約60
g、他方のガラス容器にアカマツ砕片約3gを充填し
た。また、ガラス管の中央部に、前記実施例1〜12お
よび比較例1および2の成分で処理した石英砂又は比較
例3の未処理石英砂を充填し、このガラス管により前記
2つのガラス容器を連結した。
【0079】そして、未処理石英砂を充填した一方のガ
ラス容器の石英砂の上に、巣から採集したイエシロアリ
(Coptotermes formosanus)の職蟻200頭と兵蟻20
頭を投入した。
【0080】試験装置を温度28±2℃、湿度70%以
上の恒温室に3週間放置し、3週間後、ガラス管内のシ
ロアリの進行状態を観察した。なお、試験は、各試料に
ついて3回繰返した。
【0081】その結果、実施例1〜8、11〜12及び
参考例1〜2の試料1〜15で処理した石英砂を用いる
たところ、何れも、シロアリは、ガラス管内の石英砂層
に全く侵入しなかった。これに対して、比較例1〜3の
石英砂を用いたところ、何れも、シロアリは、石英砂を
充填したガラス容器からガラス管内へ移動し、ガラス管
内の石英砂層の4cm以上の地点にまで侵入した。上記
の試験結果から明らかなように、試料1〜15で処理す
ると、シロアリに対する強い忌避効果が認められた。
【0082】試験例2 試験例1と同様に調製した処理石英砂および未処理石英
砂を、予め乾燥滅菌したシャーレ(直径6cm)にそれ
ぞれ敷き詰めた。
【0083】巣から採集したイエシロアリの職蟻10頭
を、無作為にこれら石英砂の上に投入した。次いで、水
を入れた容器に、各シャーレを入れ、その容器を温度2
8±2℃の恒温室に11日間静置し、1日毎にシロアリ
の健康状態、死亡数などを観察記録した。
【0084】結果を表に示す。なお、表中、aは健全な
個体数、bは転倒している個体数、cは死亡した個体数
を表す。
【0085】
【表1】 表に示されるように、試料1〜6及び8〜15を用いる
と、シロアリに対する防除効果が認められた。特に、試
料1〜6、8及び14を含む溶液で処理した場合には、
強い殺虫効果がみられた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑鶴 洋生 大阪府豊中市曽根西町1丁目9−1 エ バグリーン曽根B−204 (56)参考文献 Chem.Pharm.Bull., 1987,Vol.35,No.7,p.3082 −3085 J.Chromatogr.,1992, Vol.607,No.1,p.105−111 Aerosol Rep.,1971,V ol.10,No.,p.187−193 Pesticides,1979,Vo l.13,No.12,p.9−11 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 65/00 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(H)からなる群から選ば
    れた少なくとも1種の植物の抽出物または滲出物に含ま
    れる害虫防除成分を含有する害虫防除剤。(A) モリンガ(Moringa)属(B) マラー(Marah)属(C) ソホラ(Sophora)属(D) マーキア(Maackia)属(E) チノスポラ(Tinospora)属(F) ザントキシラム(Zantoxylum)属(G) スチラックス(Styrax)属(H) リキッドアンバー(Liquidambar)属
  2. 【請求項2】 抽出物が水及び/又は親水性溶媒による
    抽出物である請求項1記載の害虫防除剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の(A)〜(H)からなる
    群から選ばれた少なくとも1種の植物を抽出溶媒による
    抽出工程又は滲出工程に供し、害虫防除成分を含有する
    抽出物又は滲出物を得る害虫防除剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の害虫防除剤を用いる害虫
    防除方法。
  5. 【請求項5】 下記(I)及び(J)からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の植物の抽出物または滲出物に含
    まれるシロアリ防除成分を含有するシロアリ防除剤。(I) モモルディカ(Momordica)属(J) ピクラスマ(Picrasma)属
  6. 【請求項6】 抽出物が水及び/又は親水性溶媒による
    抽出物である請求項5記載のシロアリ防除剤。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の(I)及び(J)からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の植物を抽出溶媒によ
    る抽出工程又は滲出工程に供し、シロアリ防除成分を含
    有する抽出物又は滲出物を得るシロアリ防除剤の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のシロアリ防除剤を用いる
    シロアリ防除 方法。
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