JP2005350469A - 害虫等の忌避剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性が高く、害虫、特に蚊、ハエなどの衛生害虫やナメクジ、ダンゴムシなどの不快害虫の忌避に優れた効果を示す忌避剤を提供する。
【解決手段】ゆきやなぎ、こでまり、しもつけ、しじみ花などスピラエ属に属する植物の葉に含まれており、また、従来から溶剤や樹脂原料として工業的に生産されているα−メチル−γ−ブチロラクトン或いはα−メチレン−γ−ブチロラクトンを、害虫等の忌避成分として使用する。α−メチル−γ−ブチロラクトンやα−メチレン−γ−ブチロラクトンは、徐放剤や緩衝剤とともに水やアルコールで希釈して害虫の接近を防止したい箇所に噴霧したりクリームに練り混んで露出している肌に塗布して蚊の接近を防止する。その他、用途に応じて各種単体に担持させて使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規な害虫等の忌避剤に関するものである。
従来から、防虫剤や虫避け剤として、ナフタリン、パラジクロールベンゾールなどが広く用いられている。また、スプレーやジェル、フォームなどの昆虫類忌避剤も野外などで広く使用されている。これらは、工業的に安価大量に得られるものである。一方、昔から除虫菊、樟脳など、天然植物由来の防虫剤や虫避け剤も知られている。
ただ、最近ではパラジクロールベンゾールなどの発癌性が問題になり、また虫除けスプレー等に使用されているディートは強い突然変異性があることが判明している。そのため、植物などの天然物由来のものに人気がでてきている。しかし、除虫菊などは生産農家の減少により国産品は入手困難になってきている。また、針葉樹の樹液やハーブ等にも幾分かの昆虫類忌避効果はみとめられるものの、その効果は上記化学品に比べて非常に劣る。
前述の目的を達成するものとして、従来から多数の植物の薬効が究明されてはいるが、除虫菊や樟脳などのを除いて殆ど使用されていない。
このような観点から、本発明者は、身近にある種々な植物についてその抽出物を得て様々な試験を行っているうちに、ゆきやなぎ、こでまり、しもつけ、しじみ花などのスピラエ属植物の特に生葉の抽出液(水やアルコール等の溶媒使用)が蚊やハエなどに対して非常に優れた忌避性を示すことを見いだした(特許文献1)。その効果は、現在昆虫忌避剤分野で圧倒的なシェアを示すディート(DEET:N,N−ジエチル−m−トルアミド)製品よりも優れている。
本発明者は、天然物由来で安全でありしかも優れた忌避効果を示す上記製品の普及を考えた。しかし、これらの植物の葉を採取して抽出する作業は時間と手間のかかることであり、また採取時期が限られることなどから大量生産は困難であると思われる。
そこで、本発明者はこの抽出液中に含まれる忌避成分を特定すべく研究を重ねた結果、α−メチル−γ−ブチロラクトン或いはα−メチレン−γ−ブチロラクトンが蚊やハエ等の忌避効果を示すことを見いだして本発明を完成させたものである。
もっとも、α−メチル−γ−ブチロラクトン自体は公知であり、食品添加物(おそらくは香料の成分:非特許文献1)や溶剤、樹脂原料(特許文献2)としてかなりの量が消費されている。また、α−メチレン−γ−ブチロラクトンも公知であり、香料や医薬農薬の原料などに前者以上に消費されている(特許文献3)。ただし本発明者が知るかぎりでは、α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−ブチロラクトンとも、蚊やハエなどの害虫に対する忌避効果を有していることは現在全く知られていない。
特開2005−36006号公報 特開平06−92951号公報 特開2001−247560号公報 厚生労働省 食品添加物リスト−指定添加物リスト(規則別表第2)ラクトン類
植物由来の成分で、しかも蚊やハエなどの衛生害虫やナメクジ、ダンゴムシなどの不快害虫に対してディート以上の忌避効果を示す物質を提供する。
本発明者は、前述の抽出液を噴霧しておくと蚊やハエが近寄らないことから、抽出液中の揮発(蒸発)成分中に忌避効果のある物質が含まれていると判断した。そして、スピラエ属植物の生葉を水やアルコールその他の有機溶媒で抽出(葉をミキサーで破砕)した液の気化成分(ヘッドスペース)をガスクロで分析したところ、図1及び図2に示すように各種のアルコール類やアルデヒド類、ラクトン類などが含まれていることが判明した。この内アルコール類やアルデヒド類は広く知られた物質であり、これらに直接忌避効果があるとは思われない。
そこで、ラクトン類(α−メチル−γ−ブチロラクトン及びα−メチレン−γ−ブチロラクトン)について、忌避効果を調べたところ、蚊やハエに対して優れた忌避効果を示した。尚、気化成分の分析は、試料液(ユキヤナギの生葉50gを水300ccとともに家庭用ミキサーで粉砕攪拌して得た液)を入れたガラス容器の上部をアルミ箔で覆い、室温で気相部分のガスを100ml/分で10分間吸引し、吸引管(TENAX−TA)に捕集した後に、300℃で加熱脱着してガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS)に導入して測定した。測定条件は、分離カラム:J&W製DB−WAX(0.25mmφ×60m、膜厚0.5μm)、カラム温度:40℃で10分間保持→10℃/分で昇温→240℃で20分保持)である。また、図1は前半拡大図、図2は全体図である。尚、図中ピーク8がα−メチル−γ−ブチロラクトン、ピーク10がα−メチレン−γ−ブチロラクトンであることの確認は、標準試薬との比較同定により行った。
同様にして、抽出液自体をGC−MS分析を行ったところ、上記化合物の他に、シクロブチルアミン、グリコールアルデヒド、3シクロペンチルプロパノール、酢酸等の多くの成分が含まれ、腐敗防止や成分の蒸発抑制など様々な特質を示し、その全容の解明はできていない。忌避作用についてもα−メチル−γ−ブチロラクトンやα−メチレン−γ−ブチロラクトン単独ではなく、複数の物質が相乗的に作用している可能性もある。また、α−メチル−γ−ブチロラクトンやα−メチレン−γ−ブチロラクトン単独では蒸発が早く長持ちしないが、他の物質の働きで少量ずつ気化することも考えられる。
α−メチル−γ−ブチロラクトンは、化1で示されるラクトン類の一種であり、水よりは重く(比重1.06)、引火性(危険物4類、引火点72°)のある物質である。生物に対する毒性は不明であるが、本発明者が実験したところ、ダンゴムシは3日生存(水と1対1で混ぜた液をガーゼにしみ込ませ、無蓋容器に内に置き、その中にダンゴムシ3匹を放置)しており、また、アリに10倍希釈水を噴霧しても死滅しないなど、これ単独でも殺虫性は実験した範囲ではないものと思われる。但し、抽出液中では、他の物質と相互作用や希釈作用があり、本発明の場合も、α−メチル−γ−ブチロラクトンやα−メチレン−γ−ブチロラクトンを単独で使用するのではなく、何らかの徐放剤や緩衝剤等とともに用いることが好ましい。
Figure 2005350469
一方、α−メチレン−γ−ブチロラクトンは化2で示されるラクトン類の一種であり、水より重く(比重1.12)、引火性(危険物4類、引火点37°)のある物質である。生物に対する毒性は不明であるが、本発明者が実験したところ、高濃度では殺虫性があるように思える。即ち、水と1対1で混ぜた液をガーゼにしみ込ませ、無蓋容器に内に置き、その中にダンゴムシ3匹を放置した例では、3日経過後に死滅した。α−メチレン−γ−ブチロラクトンは、α−メチル−γ−ブチロラクトンよりも濃度に注意ししかも徐放剤や緩衝剤の選択が重要になる。
Figure 2005350469
次に、α−メチル−γ−ブチロラクトン(以下、メチルと略称する)及びα−メチレン−γ−ブチロラクトン(以下、メチレンと略称する)を水や溶剤或いはクリーム等に添加する場合の濃度について考察する。上記GC−MS分析に供したした抽出液中には、メチルが61mg/L、メチレンが1200mg/L含まれていた(標準試薬で作成した検量線を用いて定量)。煮だした液では、41mg/Lと1400mg/L、50%エタノール水溶液抽出の場合は、それぞれ300mg/Lと930mg/Lであった。このことから、メチルやメチレンは0.01%程度含まれていれば、忌避効果があり、0.1程度以上であれば、忌避効果は十分であると思われる。上限は、10倍液でもアリが死ななかったことから、10%程度までは可能性がある。尚、α−メチル−γ−ブチロラクトンとα−メチレン−γ−ブチロラクトンはそれぞれ単独で用いる(当然他の徐放剤や緩衝剤とは併用することが好ましい)が、両者を混用してもよい。前述の抽出液の場合、メチルとメチレンが約1対20程度である。
以上説明したように、本発明はα−メチル−γ−ブチロラクトン又はα−メチレン−γ−ブチロラクトンを有効成分とする害虫等の忌避剤である。
従って、以下に述べる効果がある。
(1)α−メチル−γ−ブチロラクトン及びα−メチレン−γ−ブチロラクトンは、香料や食品添加物として認められており、低濃度であれば安全である。
(2)現在、香料原料や溶剤、樹脂原料として工業的に大量に生産されており、これを忌避剤として使用することはコスト的にも量的にも可能である。
(3)パーセント以下の低濃度でも、十分な害虫類の忌避効果を示す。
(4)用途に応じて、公知の手段で様々な剤型への加工が容易であり、応用範囲が広い。
α−メチル−γ−ブチロラクトン或いはα−メチレン−γ−ブチロラクトンを水に0.01〜10%程度溶解したものを、害虫の接近を防止したい箇所に噴霧する。
α−メチル−γ−ブチロラクトンを水で100倍に希釈したものを、窓を開放した6畳の部屋の障子や壁に約20cc噴霧した(夏期、夕方)。蚊は一匹も部屋へ入って来なかった。また、α−メチレン−γ−ブチロラクトンを水で100倍に希釈した液を、同じく夏期の夕方、庭の茂みの周りに約40cc噴霧しておいたところ、辺りには一匹の蚊も飛んで来なかった。
α−メチル−γ−ブチロラクトンを水と1対10で混ぜた液にガーゼに浸たしたものは、ダンゴムシを全く寄せつけなかった。しかも、300倍に水で希釈した液をガーゼに浸したものも、ダンゴムシを寄せつけなかった。いずれの実験も、60cm×30cm高さ10cmの無蓋容器のコーナーの一つにこれらのガーゼを置き、対象として水を浸したガーゼを置いて行った。30匹のダンゴムシは全て水のガーゼの部分に集まった。この状態は、3日たっても同じであった。α−メチレン−γ−ブチロラクトンについても、同様な実験を行ったが結果は略同じであった。
α−メチル−γ−ブチロラクトンとα−メチレン−γ−ブチロラクトンを、それぞれ水で30倍(濃度約3%)に希釈した液を魚のあらに噴霧して庭に放置しておいたが、いずれもハエは一匹も近づかなかった。液を噴霧しない魚のあらには10匹程度のハエがたかった。
α−メチル−γ−ブチロラクトン及びα−メチレン−γ−ブチロラクトンの10%水溶液を満たした小さな無蓋容器に、シジミ貝5匹を入れておいたところ、10日たっても腐敗しなかった。水のみを入れたシジミ貝は3日後には腐敗臭を発した。
α−メチル−γ−ブチロラクトン及びα−メチレン−γ−ブチロラクトンは、蚊やハエなどの衛生害虫やナメクジ、ダンゴムシなどの不快害虫の忌避剤として非常に優れた効果を示す。両化合物はは工業的に大量生産されており、その用途拡大に資するものである。
ガスクロマトグラフの前半拡大図である。 ガスクロマトグラフの全体図である。

Claims (1)

  1. α−メチル−γ−ブチロラクトン又はα−メチレン−γ−ブチロラクトンを有効成分とする害虫等の忌避剤。
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