JP2021169447A - 害虫防除剤及びその使用方法 - Google Patents

害虫防除剤及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屋内で使用した場合に致死した害虫の死骸が屋内に残ることが抑制された、害虫防除剤を提供すること。【解決手段】下記化合物A及び化合物Bを含有することを特徴とする害虫防除剤:化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。【選択図】なし

Description

本発明は害虫防除剤及びその使用方法に関する。
従来より、燃焼型害虫防除剤として蚊取線香等が用いられており、ピレスロイド系の害虫防除成分、植物粉末等の燃焼基材、及び必要ならば香料、防黴剤等を含む混合粉に水を加えて混錬したのち、成型し乾燥させることで製造されている。
しかし、蚊取線香等の害虫防除剤は、害虫防除成分の拡散性を高めることに注力されており、屋内(又は半屋内)で使用した場合、致死した害虫の死骸が屋内に残る場合があった。
特開2018−131402号公報
本発明は、屋内で使用した場合に致死した害虫の死骸が屋内に残ることが抑制された、害虫防除剤を提供することを課題とする。
本発明者は蚊取線香等の害虫防除剤における上記課題を見出し、その解決手段について鋭意検討した結果、後述する化合物A及び化合物Bを含有する害虫防除剤を屋内で用いることで、致死した害虫の死骸が屋内に残ることが抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の項を提供する:
項1.下記化合物A及び化合物Bを含有することを特徴とする害虫防除剤:
化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
項2.燃焼基材をさらに含有し、燃焼型害虫防除剤であることを特徴とする項1に記載の害虫防除剤。
項3.前記化合物A及び前記化合物Bを合計0.01〜10質量%の範囲で含有することを特徴とする、項1又は2に記載の害虫防除剤。
項4.ピレスロイド化合物をさらに含むことを特徴とする、項1〜3のいずれか一項に記載の害虫防除剤。
項5.下記化合物A及び化合物Bを用いて空間を処理し、害虫を屋内から屋外へ追い出す方法:
化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
項6.下記化合物Aを含む害虫防除剤に化合物Bを配合することを特徴とする、害虫防除効果の増強方法:
化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
本発明によれば、屋内で使用した場合に、害虫を屋内から屋外に追い出す効果に優れるため、致死した害虫の死骸が屋内に残ることが抑制することができる。
(1.害虫防除剤)
本発明は、化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種及び化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン、リナロールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする害虫防除剤を提供する。
本発明の害虫防除剤における化合物Aと化合物Bとの配合割合は特に限定されず、例えば、化合物A100質量部に対し、化合物Bを1〜1000質量部、好ましくは5〜500質量部、より好ましくは10〜200質量部配合することができる。化合物の使用量は特に限定されないが、害虫防除剤全体の質量に対するこれらの化合物合計の質量比として、例えば、0.01〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは10〜15質量%配合することができる。
本発明に用いる化合物A及び化合物Bは、人工的に合成されたものであっても、天然物から抽出されたもの等であってもよい。また、化合物A及び化合物Bは、単離精製されたものを用いても、化合物A及び/又は化合物Bを含む天然物、その抽出物等を用い、これを組成物に配合してもよい。化合物A及び/又は化合物Bを含む天然物、その抽出物等としては、例えば、テルピネオールを含むテレビン油、カユプテ油、松根油、ニクズク種子;dl−シトロネロールを含むシトロネラ油、バラ油;フェネチルアルコールを含むバラ油、ゼラニウム油;β−イオノンを含むヘンナ;ゲラニオールを含むバラ油、パルマローザ油、ゼラニウム油;リナロールを含むローズウッド油、リナロエ油、芳樟油、オレンジフラワー、ラベンダー油、ベルガモット、クラリセージ、コリアンダー種子等が挙げられる。
本発明の害虫防除剤は、1つの製剤からなる態様であっても、複数の製剤からなる組合せ製剤の態様であってもよい。従って、本発明の害虫防除剤において、用語「含む」、「含有する」には、各成分を1つの製剤中に含む態様も、各成分のいずれかを複数の製剤中に含む態様(例えば、1つの製剤が化合物Aを含み、別の製剤が化合物Bを含む組合せ製剤等)も包含される。
本発明の害虫防除剤を用いることにより、害虫を屋内から屋外に追い出す効果を得ることができる。本発明において「屋内」には、家屋、部屋等の居住空間;車両等の狭義の屋内だけでなく、三和土、玄関等の半屋内も包含される。本発明において、害虫を屋内から屋外に追い出す効果には、上記追い出し効果を有さない害虫防除剤に当該効果を付与することだけでなく、害虫防除剤が有している上記追い出し効果を増強することも包含され得る。本発明において、「屋内」を構成する空間の大きさは特に限定されないが、例えば、4.5〜12畳が挙げられる。本発明の害虫防除剤としては、燃焼型害虫防除剤が好ましい。本発明において、追い出し効果とは、屋内に存在する害虫(害虫防除剤を設置する際に既に屋内に存在していた害虫及び害虫防除剤を設置した後に屋内に侵入してきた害虫を含む。典型的には、害虫防除剤を設置する際に既に屋内に存在していた害虫である。)を屋内から屋外に追い出し、それにより、致死した害虫の死骸が屋内に残ることを抑制することを意味する。
本発明において、害虫としては、例えば、カ、ハエ、ハチ等の飛翔性害虫、アリ、ゴキブリ、ダニ、ワラジムシ、ダンゴムシ等の匍匐害虫等が挙げられる。本発明は、種々の害虫に対して適用できるが、飛翔性害虫に対して特に有効であり、なかでもカに対して非常に有効である。また、本明細書において「害虫防除」とは、害虫の忌避だけでなく、殺虫やノックダウンも意味する。
本発明において害虫防除剤としては、燃焼基材を含む燃焼害虫防除剤が好ましい。かかる実施形態において、本発明の害虫防除剤に含まれる燃焼基材としては、支燃剤、粘結剤、繊維材料等が挙げられる。支燃剤としては、植物由来の粉末等が挙げられ、より具体的には、例えば、木粉、植物乾燥粉末等が挙げられ、木粉及び植物乾燥粉末を両方用いることが好ましい。木粉としては、ビャクシン粉末、ビャクダン粉末、クスノキ粉末、モミノキ粉末、スギ粉末、ツガ粉末、マツ粉末、ヤナギ粉末、ハリギリ粉末、ホオノキ粉末、シナノキ粉末、トウヒ粉末、イエローポプラ粉末、カツラ粉末、アカシア粉末、ヤマナラシ粉末、オオバボダイジュ粉末、オオバヤナギ粉末、サワグルミ粉末、ネズコ粉末、キリ粉末、シオジ粉末、バルサ粉末、ラワン粉末、シラカバ粉末、柑橘類木粉末等が挙げられる。植物乾燥粉末としては、木粉以外の植物乾燥粉末であれば特に限定されないが、ココナッツ粉、キク科植物粉末、アカネ科植物粉末、スイカズラ科植物粉末、センダン科植物粉末、ジンチョウゲ科植物粉末、シソ科植物粉末、フトモモ科植物粉末、セリ科植物粉末、イネ科植物粉末、クワ科植物粉末、モクセイ科植物粉末、除虫菊抽出粉末等が挙げられ、ココナッツ粉等が好ましい。繊維材料としては、紙、パルプ等が挙げられる。これらの支燃剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘結剤としては本発明の属する技術分野において害虫防除剤に用いられるものを広く使用することができ、例えば、天然高分子及び合成高分子が挙げられ、天然高分子が好ましい。天然高分子としては、ジョス粉(タブ粉)、シャム粉、トビ粉、澱粉(α澱粉等)、トランガム、アラビアガム、グァーガム、ガンビル抽出粉末、カゼイン等が挙げられ、ジョス粉等が好ましい。合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、加工澱粉(例えば、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉及びカチオン澱粉)等が挙げられる。これらの粘結剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
燃焼基材には、任意選択で、増量剤、燃焼調節剤、共力剤等が含まれていてもよい。なお、増量剤には、本発明の属する害虫防除剤の技術分野において燃焼調節剤として作用されているものもある。増量剤又は燃焼調節剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、パーライト、ケイソウ土のような無機粉体等が挙げられる。共力剤としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、N−プロピルイゾーム、サイネピリン222(商品名)、サイネピリン500(商品名)、リーセン384(商品名)、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、シネトリン等が挙げられる。燃焼型害虫防除剤中における燃焼基材の配合量は特に限定されず、例えば、60〜99.9質量%、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは80〜90質量%である。
燃焼型害虫防除剤の実施形態において、その剤形については特に限定されず、線香形態であってもよく、紙やパルプ等の繊維材料に化合物A及び化合物B、ならびに任意選択で化合物A及び化合物B以外の害虫防除成分及び/又は香料成分が保持された形態であってもよい。具体的には、化合物A及び化合物B、ならびに任意選択で配合される特定の害虫防除成分及び/又は特定の香料成分が、紙やパルプ等の繊維材料に含浸された形態、塗布された形態、練り込まれた形態等が挙げられる。さらに、デヒドロ酢酸ナトリウム等の防腐剤、染料や顔料等の色素を任意で添加してもよい。
また、本発明の害虫防除剤は、各種の害虫防除成分をさらに配合してもよく、例えば、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、エムペントリン、プラレトリン、シフェノトリン、イミプロトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド化合物、ディート等を挙げることができ、ピレスロイド化合物が好ましい。これらの害虫防除成分は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。当該害虫防除成分を配合する場合、その使用量は特に限定されないが、害虫防除剤全体の質量に対するこれらの害虫防除成分合計の質量比として、例えば、0.01〜1質量%配合することができる。また、かかる実施形態において、化合物A及び化合物Bに対するピレスロイド化合物等の上記害虫防除成分の使用割合は特に限定されないが、化合物A及び化合物Bの合計量に対するこれらの害虫防除成分合計の質量比として、例えば、0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜1質量%配合することができる。当該害虫防除成分を配合することにより、害虫を屋内から屋外に追い出しつつ、屋外に追い出した害虫を致死させて、致死した害虫の死骸が屋内に残ることを抑制できる点で好ましい。
燃焼型害虫防除剤以外の実施形態において、本発明の害虫防除剤の剤形は特に限定されないが、例えば、エアゾール剤、燻煙剤、自然蒸散剤等の形態が挙げられる。
ピレスロイド化合物を用いる実施形態においては、本発明の害虫防除剤は、例えば、化合物A、化合物B、(燃焼型害虫防除剤の場合)燃焼基材及び任意選択で増量剤、燃焼調節剤、共力剤等を混合し、得られた混合物にピレスロイド化合物を加え、これを練りこみ、さらに熱水を加えてのばした後、乾燥させることにより製造することができる。ピレスロイド化合物を用いる実施形態において、好ましいピレスロイド化合物としては、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン等が挙げられる。
(2.害虫防除方法)
本発明はまた、化合物A及び化合物Bを用いて空間を処理し、害虫を屋内から屋外へ追い出す方法を提供する。当該実施形態における各化合物の種類、使用割合等は前記に同じである。本発明において、化合物A及び化合物Bを用いて「空間を処理」するとは、本発明が属する害虫防除の技術分野において通常用いられる意味を示す。具体的には、所望の効果をもたらすために、これらの化合物を目的とする空間に存在させることを意味する。本発明においては、「空間を処理」には、化合物A及びBを空間に浮遊、揮発、蒸散、噴霧等させることが含まれる。燃焼型害虫防除剤を用いる実施形態においては、燃焼型害虫防除剤を燃焼させて、上記化合物A及びBを揮発させることも上記「処理」に包含される。
以下、実施例、比較例を用いて本発明の具体的な実施形態をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(追い出し効果)
種々の化合物を配合した蚊取線香で半密閉空間を処理したときの、蚊に対する追い出し効果を評価した。
(実施例1〜5及び比較例1〜9:蚊取線香の調製)
表1に示す原料を混合して得た混合粉(実施例1〜5:26g、比較例1〜8:28g)に、化合物A、Bを加えて30gとした。表1に示す原料を混合して得た混合粉30gを比較例9として用いた。得られた混合粉に対し、約60℃の熱水を30mL加えて十分に練合した。練合後、押出成形機を用いて棒状に成型し、乾燥機に入れて65℃で10時間乾燥させ、検体を得た。
Figure 2021169447
Figure 2021169447
正面部に開閉可能な開口部(35cm×35cm)を有するガラス製ボックス(縦45cm×横80cm×高さ80cm)内に、供試虫としてアカイエカ雌成虫10頭を放ち、少なくとも3分間馴化させた。ボックス内底部の中央に検体を設置し、燃焼を開始すると同時に開口部を開放し、開口部から逃げ出す供試虫の頭数を最大5分後まで経時的に計数した。試験は2回行い、プロビット法により下記のET90値を算出し、平均を求めた。また、化合物A及びBを併用することによる追い出し効果の増強率を下記の式より算出し、追い出し効果を評価した。試験空間は室温を25±5℃、湿度を50±10%RHに保った状態とした。
ET90値(秒)=供試虫の90%が逃げ出すまでの時間
増強率(%)=100−(化合物A及びBを配合したときのET90値/化合物Aを配合したときのET90値)×100
結果を表3に示す。
Figure 2021169447
比較例6〜8と比較例9とを比較すると、化合物Bを単体で使用する場合には、追い出し効果は表れず、むしろ低下する。一方、実施例1〜5と比較例1〜5とを比較すると、単体では追い出し効果が表れない化合物Bを化合物Aと併用したにも関わらず、化合物Aを単体で使用する場合と比較して20%以上の高い増強率を示した。この結果から明らかなように、化合物A及びBを組み合わせることで、追い出し効果が顕著に増強したといえる。
(実施例6、7及び比較例10、11:蚊取線香の調製)
表1に示す原料を混合して得た混合粉(実施例6:27.8g、実施例7:29.6g、比較例10、11:29.8g)に、化合物A、Bを下記表4、5に記載の配合割合で加えて30gとした。得られた混合粉に対し、約60℃の熱水を30mL加えて十分に練合した。練合後、押出成形機を用いて棒状に成型し、乾燥機に入れて65℃で10時間乾燥させ、検体を得た。
Figure 2021169447
Figure 2021169447
検体として上記表4及び5に記載のもののいずれかを用いる以外、実施例1と同様にしてアカイエカ雌成虫の追い出し試験を行い、増強率を算出した(増強率の基準は表6、7記載の通り)。結果を表6及び7に示す。
Figure 2021169447
Figure 2021169447
実施例6と比較例1及び11とを比較すると、化合物Bの配合量を変えた場合でも、化合物Aを単体で使用する場合と比較して18%以上の高い増強率を示した。また、実施例7と比較例10及び11とを比較すると、化合物A、Bの配合量が少ないにも関わらず、化合物Aを単体で使用する場合と比較して17%以上の高い増強率を示した。この結果から明らかなように、化合物A及びBの配合比及び配合量を変えた場合でも、両者を組み合わせることで、追い出し効果が顕著に増強したといえる。また、実施例2〜5に示すように、β−イオノンとα−イソメチルイオノンとの組み合わせはフェネチルアルコールとリナロールとの組み合わせと同様の増強率を示し、メチルジヒドロジャスモネートとゲラニオールとの組み合わせ、dl−シトロネロールとゲラニオールとの組み合わせ、テルピネオールとα−イソメチルイオノンとの組み合わせはフェネチルアルコールとリナロールとの組み合わせと同様の増強率を示している。したがって、化合物Aとしてβ−イオノン、メチルジヒドロジャスモネート、dl−シトロネロール、テルピネオールを用いた場合、化合物Bとしてゲラニオール、リナロール、α−イソメチルイオノンを用いた場合も、低濃度でも化合物Aの追い出し効果を増強しうるものと考えられる。
(実施例8及び比較例12〜14:蚊取線香の調製)
表1に示す原料を混合して得た混合粉(実施例8:25.997g、比較例12、13:27.997g、比較例14:29.997g)に、化合物A、B、及びメトフルトリンを下記表8に記載の配合割合で加えて30gとした。得られた混合粉に対し、約60℃の熱水を30mL加えて十分に練合した。練合後、押出成形機を用いて棒状に成型し、乾燥機に入れて65℃で10時間乾燥させ、検体を得た。
Figure 2021169447
検体として上記表8に記載のもののいずれかを用いる以外、実施例1と同様にしてアカイエカ雌成虫の追い出し試験を行い、増強率を算出した(増強率の基準は表9記載の通り)。結果を表9に示す。
Figure 2021169447
メトフルトリンを用いた場合も、比較例12と比較例13とを比較すると、化合物A及びBのうち化合物Bを単体で使用する場合には、追い出し効果は表れず、むしろ低下する一方で、実施例8と比較例12とを比較すると、単体では追い出し効果が表れない化合物Bを化合物Aと併用したにも関わらず、化合物Aを単体で使用する場合と比較して53.5%もの高い増強率を示した。この結果から明らかなように、ピレスロイド化合物を含む害虫防除剤においても化合物A及びBを組み合わせることで、追い出し効果が顕著に増強したといえる。従って、ピレスロイド化合物を含む害虫防除剤においても、化合物A及びBを用いることにより、致死した害虫の死骸の屋内への残存を抑制することができる。また、害虫防除剤にメトフルトリン等のピレスロイド化合物を加えることにより、追い出された害虫が屋外で致死することが期待できる。

Claims (6)

  1. 下記化合物A及び化合物Bを含有することを特徴とする害虫防除剤:
    化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
    化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
  2. 燃焼基材をさらに含有し、燃焼型害虫防除剤であることを特徴とする請求項1に記載の害虫防除剤。
  3. 前記化合物A及び前記化合物Bを合計0.01〜10質量%の範囲で含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の害虫防除剤。
  4. ピレスロイド化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の害虫防除剤。
  5. 下記化合物A及び化合物Bを用いて空間を処理し、害虫を屋内から屋外へ追い出す方法:化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
    化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
  6. 下記化合物Aを含む害虫防除剤に化合物Bを配合することを特徴とする、害虫防除効果の増強方法:
    化合物A:フェネチルアルコール、β−イオノン、dl−シトロネロール、テルピネオール及びメチルジヒドロジャスモネートからなる群より選択される少なくとも1種、
    化合物B:ゲラニオール、α−イソメチルイオノン及びリナロールからなる群より選択される少なくとも1種。
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