JP3909717B1 - ハエ及び蚊取り線香 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハエ及び蚊の双方に対し優れた殺虫効果を奏する線香の構成を提供する。
【解決手段】有効成分として下記化学式
Figure 0003909717
で表される、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.01〜0.5質量%配合しているハエ及び蚊取線香。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハエ及び蚊取り線香に関するものである。
蚊取線香は、蚊の成虫駆除用殺虫剤として100年以上も前から親しまれているもので、その有効成分としては、その加熱蒸散性と熱安定性ゆえに、(±)−2−アリル−3−メチル−シクロペント−2−エン−1−オン−4−イル (+)−シス,トランス−クリサンテマート(以降、ピナミンフォルテと称す)や、その立体異性体、例えばエスバイオスリンやエスビオールなどの菊酸エステル化合物が広く使用されている。一方、ハエについては、都市部では発生が減っているが、漁村、魚介類加工場、ゴミ処理場や畜舎、鶏舎などの周辺では従来以上に悩まされる機会が多くなっている。ハエの発生源対策用として乳剤、油剤、粉剤などの殺虫剤が使用されるほか、一般家庭で成虫駆除用に空間エアゾールが汎用されているが一過性で効果の持続性に乏しいという欠点がある。そこで、ハエ取り線香、すなわち空間処理剤であって、かつ効果が数時間持続し、更に拡散性がよく開放的な場面でも有効な線香タイプの開発が望まれている。
蚊取線香は、マッチ一本で空間処理を時間的にも保持し、燃え尽きるまで効力は一定なので非常に合理的な殺虫形態である。蚊取線香の有効成分は燃焼部から数mm離れた200〜250℃付近の部位から揮散し、この温度は電気蚊取の発熱体温度(120〜170℃)と比べると幾分高い。従来のピナミンフォルテ含有線香は、ハエに対する効力は弱く、線香中の有効成分濃度をアップしてもハエ取り線香への適用は困難であった。
本発明者らは、有効成分として市販ピレスロイドのなかで最も蒸気圧の高いエムペントリンを選択し、これを含有するハエ取り線香に係る発明を行い、当該発明は既に特許第3001169号として特許権が成立しているが(特許文献1)、前記発明に係るハエ取り線香は、コスト的に不利なうえ、揮散性が高すぎて製造時乾燥工程でのロスが免れえなかった。このような状況の下に、ハエ取り線香に最適な有効成分の選定は重要な課題となっており、例えば、特開平10−203905号公報(特許文献2)には、2−アリル−3−メチル−シクロペント−2−エン−1−オン−4−イル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートを有効成分とするハエ取り線香が開示されている。しかしながら、前記蚊取線香は、実際には必ずしも十分な効力を発揮している訳ではない。
他方、特開2005−298477号公報(特許文献3)には、フェニル基の4位が置換されたテトラフルオロベンジルアルコールの2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレートの一般式を有効成分とする殺虫線香が開示されているが、前記有効成分がハエを含む殺虫効力を有するかについては、実験上のデータに関する証明がされている訳ではなく、ましてや前記一般式による有効成分のうちどのような化合物がハエ及び蚊に対する殺虫効力において特に優れているかについては、何ら具体的な考察が行われている訳ではない。
また、特開2001−11022号公報(特許文献4)には、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを含有する蚊取線香が、アカイエカに有効であったことが記載されているが、線香形態のハエに対する効力評価については何の記載もない。
更には、特公平1−50216号公報(特許文献5)には、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(後述するように、本願発明のベースを為す有効成分)を殺虫剤として採用している場合を開示しているが、液剤としての効力試験が示されているだけであって加熱を伴う線香状態における殺虫効力試験については特に具体的な検討が行われている訳ではない。
特許第3001169号公報。 特開平10−203905号公報。 特開2005−298477号公報。 特開2001−11022号公報。 特公平1−50216号公報。
本発明は、線香形態で、蚊はもちろんハエに対しても従来のピナミンフォルテ線香より高い殺虫効果を奏する有効成分を選択することによって、これを含有する有用なハエ及び蚊取り線香を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らによって開発された発明は、以下のような構成に立脚している。
(1)有効成分として、下記化学式
Figure 0003909717

で表される、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.01〜0.5質量%配合したことに基づくハエ及び蚊取り線香において、効力増強剤として、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドを、有効成分量に対して0.5〜4.0倍量配合したことに基づくハエ及び蚊取り線香。
(2)効力増強剤として、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドに加えて更にアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩を含有し、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドとアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩の配合比率が、5:1〜1:1である(1)記載のハエ及び蚊取り線香。
(3)アルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩である(2)記載のハエ及び蚊取り線香。
前記(1)の基本構成からも明らかなように、本発明においては、有効成分として、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以下「化合物A」と称す。)を選択し、かつハエ及び蚊取り線香に適用したことを基本的技術思想としている。
前記基本的技術思想の客観的な位置付けについて説明するに、背景技術の項において指摘したように、特許文献3には、フェニル基の4位が置換されたテトラフルオロベンジルアルコールの2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレートによる一般式の化合物を有効成分とする殺虫線香が開示されており、当該一般式は本願発明が立脚している化合物Aを上位概念として包摂している。
しかしながら、特許文献3においては、化合物Aに関する殺虫効力試験を行っている訳ではなく、ましてやハエ取り線香としての効力については何ら開示及び示唆している訳ではない(したがって、特許文献3との関係では、化合物Aは、前記(1)の基本構成は選択発明に該当する。)。
一般に、蚊に対して殺虫効果を示す有効成分濃度を基準とし、当該濃度の数倍高濃度の有効成分を配合することによって、ハエにも有効な製剤を調製することが可能である場合が知られている。
しかしながら、前記のような場合に該当する知見は、当該有効成分や製剤形態の特性によっては必ずしも妥当する訳ではない。因みに、特許文献4に開示されている4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを含有する蚊取り線香は、特許文献4に開示されているように、アカイエカに高い殺虫効果を示すが、本発明者らが実施した殺虫効力試験によれば、有効成分の濃度を高くしてもハエに対しては殆ど無効であった。
したがって、ハエ及び蚊取りの双方を兼用し得る線香の開発にあたっては、蚊に対する効力試験データのみからハエに対する効果を予測することは不可能で、供試化合物ごとに、実際にハエ及び蚊の両方に対する効力試験を行ってはじめて評価が可能となる。
そして、前記(1)の基本構成においては、特に化合物Aが単に高い殺蚊効力を有するだけでなく、高い殺蠅効力を有することを、試行錯誤を伴う個別の実験によって明らかにした点に、画期的な意義を付している。
このような(1)の基本構成において、化合物Aを含有するハエ及び蚊取り線香に、効力増強剤としてN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下「効力増強剤A」と称す。)を含有せしめることによって、特異的に殺蚊効力ならびに殺蝿効力を顕著に高め得ることが確認されており、当該確認に、前記(1)、(2)、(3)の構成は前記確認に立脚している。
本発明のハエ及び蚊取り線香は、有効成分として、化合物Aを選択し、好ましくは、効力増強剤として効力増強剤Aを配合することにより、顕著な殺蚊効力のみならず、顕著な殺蝿効力を示すことにおいて極めて画期的であり、しかも、製造コストにおいても極めて有利である。
本願発明において、有効成分として既に採用されている化合物Aについては、シクロプロパンカルボン酸部分の不斉炭素に基づく立体異性体が存在するが、各々活性体、ラセミ体、任意の混合物のいずれも本発明に包含される。
化合物Aは、ピナミンフォルテに比べハエならびに蚊に対して高い殺虫効力を有するが、前記殺虫効力を特に顕著とするためには、蚊取り線香中において0.1〜0.3質量%配合されることが好ましい。
本発明のハエ及び蚊取り線香は、効力増強剤として効力増強剤Aを、有効成分量に対して0.5〜4.0倍量、好ましくは1.0〜3.0倍量配合する。従来、種々製剤において、ピペロニルブトキサイド、効力増強剤A、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、オクタクロロジプロピルエーテルなどのピレスロイド用共力剤を混用することがしばしば行われてきたが、化合物Aとこれらの共力剤を組み合わせた線香につき鋭意試験を重ねたところ、特に効力増強剤Aを採用することによって、蚊ならびにハエに対して特徴的に顕著な相乗効果を奏し得ることを知見したものである。
本発明では、効力増強剤Aに加えて更にアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩を配合してもよい。ここで、アルキルベンゼンスルホン酸のアルキル基はC8〜C14程度、一方、低級アルキルアミン塩の低級アルキル基はC〜C4程度がよく、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩やドデシルベンゼンスルホン酸エチルアミン塩が代表例としてあげられる。
効力増強剤Aとアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩の比率は、5:1〜1:1の範囲がよく、この範囲を外れると効力増強効果が低下する。
本願発明においては、安定剤として沸点が250℃以上のジ−ターシャリーブチル−フェノール系安定剤を配合するのが好ましい。すなわち、かかる安定剤の1種又は2種以上を配合することによって、経時的安定性のみならず、燻煙時の安定性も著しく増強させ、揮散性能の向上に寄与しえることが認められた。沸点が250℃以上のものが有効な理由は、有効成分のピレスロイドが200〜250℃付近から揮散するので、安定剤自身、この温度で揮散しないことが必要なためと考えられる。
本発明で用いられる安定剤としては、次のようなものがあげられるがもちろんこれらのみに限定されない。
安定剤A:2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)、
安定剤B:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
安定剤C:2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
安定剤D:4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
安定剤E:4,4’−チオビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
安定剤F:2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、
安定剤G:2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル 3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
なお、本発明では上記安定剤の1種又は2種以上を、化合物Aに対して0.1〜2.0倍量配合するのがよい。一方、例えば、3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソールや2−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソールのようなモノ−ターシャリーブチル−フェノール系安定剤は効果がなく、また、N,N’−ジフェニル−P−フェニレンジアミンやフェニル−β−ナフチルアミンのようなアミン系安定剤についても効果は低かった。
線香基材としては、支燃剤や粘結剤があり、前者には、木粉、除虫菊抽出粕粉、柑橘類の表皮粉、ココナッツシェル粉末等の植物性粉末や、木炭粉、素灰等の炭素粉末があげられる。また、後者の粘結剤としては、タブ粉、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を例示できる。
本発明のハエ及び蚊取り線香には、必要により、色素、防腐剤、安定化剤等が含有されてもよい。色素としては、例えばマラカイトグリーン等の有機染料があげられ、防腐剤としては、例えばソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の酸、あるいはそれらの塩等が代表的である。
更に、本発明の趣旨を妨げない限りにおいて、他の殺虫、防虫成分、例えばピレトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エムペントリン等の従来のピレスロイド系殺虫剤、殺菌剤、抗菌剤、忌避剤、あるいは芳香剤、消臭剤等を混合し、効力のすぐれた多目的組成物を得ることもできる。
本発明のハエ及び蚊取り線香を調製するにあたっては、何ら特別の技術を必要とせず、公知の製造方法を採用できる。例えば、プレミックス粉(有効成分や効力増強剤等を支燃剤の一部に含有させたもの)と残部の線香基材を混合し、水を加えて混練する。続いて、押出機、打抜機によって成型後、乾燥してハエ及び蚊取り線香を製すればよい。
こうして得られた本発明のハエ及び蚊取り線香は、有効成分として化合物Aを選択し、好ましくは特定の効力増強剤の配合効果で、アカイエカ、ネッタイイエカ、ネツタイシマカ、ハマダラカ類、ヒトスジシマカ等の蚊類はもちろん、イエバエ類、クロバエ類、チョウバエ類等のハエ類に対しても優れた殺虫効果を奏し、極めて有用なものである。
次に、試験例及び実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらのみに限定されるものではない。
次表に示す処方にてハエ及び蚊取り線香を調製し、イエバエ成虫ならびにアカイエカ成虫に対する殺虫効力を調べた。なお、その他の成分については、記載成分以外に、澱粉20質量%、デヒドロ酢酸ナトリウム0.2質量%、除虫菊抽出粕粉15質量%、ならびに木粉を加えて全量を100質量%とした。殺虫効力は、6畳の閉めきった部屋の中央に点火した線香を置き、イエバエ成虫又はアカイエカ成虫を100匹を放った。2時間暴露させ、時間の経過に伴うノックダウン虫数を数え、KT50値を求めた。
Figure 0003909717
・効力増強剤A:N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2,2,1]-ヘプタ-5-エン2,3-ジカルボキシイミド
・効力増強剤B:ドデシルベゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩
・効力増強剤C:ドデシルベンゼンススルホン酸エチルアミン塩
・化合物B:4-メトキシ-2,3,5,6-テトラフルオロベンジル 2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロ
プロパンカルボキシレート(特許文献3開示の化合物)
・化合物C:4-メトキシメチル-2,3,5,6-テトラフルオロベンジル 2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロ
プロパンカルボキシレート(特許文献4開示の化合物)
前記表1の知見の結果、前記(1)、(2)、(3)に係る本願発明がイエバエならびにアカイエカに対して極めて優れた殺虫効力を示し、極めて有用なハエ及び蚊取り線香であることが確認することができる。
特に比較例9、10と表1の1ないしに示す実施例との対比からも明らかなように、特許文献3開示の化合物Bに比し、化合物Aに効力増強剤Aを加えたことによるハエ及び蚊に対する殺虫効力が明らかに優れていることを確認することができる。
現在、蚊取線香の有効成分は世界的にd−アレスリンが使用され、標準的な含有量は0.2〜0.3質量%である。比較例3のピナミンフォルテ0.3質量%のものと比較すると、化合物Aは0.01質量%の低濃度でも、アカイエカに対して1.6倍のノックダウン効果を示し、イエバエに対するノックダウン効果も優れたのに対し、ピナミンフォルテ0.3質量%の場合、イエバエに対するノックダウン率は180分後でも10%以下に留まった。これに効力増強剤として効力増強剤A{N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド}を有効成分量に対して0.5〜4.0倍量配合することにより殺虫効力が明白に向上し、更に、効力増強剤Aに加えてアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩を配合することによって、効力増強効果は一層向上した。なお、効力増強剤であるN−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドは、効力増強剤Aと化学構造が類似し、従来からピレスロイドの共力剤として汎用されているにもかかわらず、化合物Aと組み合わせた本発明の線香形態では十分な効力増強効果を示さなかった。
これに対し、比較例1に示すように、化合物Aを採用しても0.01質量%未満ではハエならびに蚊に対する効力が不足で、一方、0.8質量%に高めても格段の効力増加は見込めなかった。ピナミンフォルテ含有線香(比較例6〜8)は、高濃度でもハエに対してほとんど無効であった。また、比較例11〜12に示すように、特許文献4開示の化合物については、蚊に対して有効であったが、ハエに対してはほとんど無効で、効力増強剤Aを加えることによる効力増強効果も乏しかった。このように、本発明が特徴とする効果、すなわち、ハエ及び蚊に対する優れた殺虫効力、及び効力増強剤Aを加えることによる優れた効力増強効果は、化合物Aに特異的であることを確認することができる。
実施例1に準じてハエ及び蚊取り線香を調製し、ネッタイイエカ成虫又はネッタイシマカ成虫に対する殺虫効力を調べた。なお、その他の成分については、記載成分以外に、ココナッツシェル粉末、木粉、タブ粉、澱粉等の線香基材を加えて全量を100質量%とした。殺虫効力は、70cm立方のガラスチャンバー内に、ハエ及び蚊取り線香の0.5gを点火したものを入れ、6畳の閉めきった部屋の中央に点火した線香を置き、ネッタイイエカ成虫又はネッタイシマカ成虫20匹を放った。20分間暴露させ、時間の経過に伴うノックダウン虫数を数え、KT90値を求めたところ、表2のとおりであった。
Figure 0003909717
・効力増強剤A:N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2,2,1]-ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド
・効力増強剤B:ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩
試験の結果、化合物Aを含有し、これに効力増強剤として効力増強剤A{N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド}を混用した本発明のハエ及び蚊取り線香は、感染症媒介蚊であるネッタイイエカやネッタイシマカに対しても極めて優れた殺虫効力を示した。
これに対し、ピナミンフォルテは、比較例1及び2に示すように、本発明で用いる効力増強剤を加えることによってそのノックダウン効果は向上するものの本発明のハエ及び蚊取り線香には及ばず、メトフルトリン線香(比較例3)もノックダウン効果は劣った。
化合物A0.2部、効力増強剤A(N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2,2,1]-ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド)0.4部、効力増強剤B(ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩)0.2部と安定剤A(2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール)0.3部を除虫菊抽出粕粉、木粉、澱粉などの線香用基材98.9部と均一に混合し、公知の方法によって本発明のハエ及び蚊取り線香を得た。この一巻(13g)を6畳の部屋で使用したところ、燻煙時間7時間半にわたり、ハエならびに蚊を完全に防除できた。
実施例3で得られた本発明のハエ及び蚊取り線香を吊り下げ線香皿の中に入れ、腰に下げてハエや蚊の多数発生した畜舎内で作業に従事したが、約7時間にわたりハエや蚊にわずらわされることはなかった。
同様に、近くに養豚場がありハエの侵入の多い家屋でこの線香を使用したところ、ハエの侵入が見られなくなり、蚊の防除にも有効であった。
ハエ及び蚊の双方に対する殺虫効力を有している本願発明は、一般家庭及び職場の双方において広範な利用が可能である。

Claims (3)

  1. 有効成分として、下記化学式
    Figure 0003909717
    で表される、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.01〜0.5質量%配合したことに基づくハエ及び蚊取り線香において、効力増強剤として、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドを、有効成分量に対して0.5〜4.0倍量配合したことに基づくハエ及び蚊取り線香。
  2. 効力増強剤として、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドに加えて更にアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩を配合し、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドとアルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩の配合比率が、5:1〜1:1であることを特徴とする請求項1記載のハエ及び蚊取り線香。
  3. アルキルベンゼンスルホン酸の低級アルキルアミン塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミン塩であることを特徴とする請求項2記載のハエ及び蚊取り線香。
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