JP6652780B2 - 酒らしい味わいが付与又は増強された飲料 - Google Patents

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本発明は、アルコール度数が低いにもかかわらず、酒らしい味わい、特に、醸造酒様の味わいが感じられる飲料に関する。
ビールやカクテル等の酒類の香味を模倣しながらアルコール(エタノール)をほとんど含まないノンアルコールビールやノンアルコールカクテル等のノンアルコール飲料(アルコール度数1%未満)が人気を集めている。さらに、ノンアルコール飲料の中でも、アルコール度数が0.01%未満で、「アルコール度数0.00%」と商品に表示されるものもある。これらのノンアルコール飲料は、アルコール(エタノール)を含まないという点ではソフトドリンク等の通常の飲料(非アルコール飲料)に類似しているが、モデルとなったビールやカクテル等の酒類の風味に近づくように品質設計され、消費者もそのような品質を期待しているという点で明確に異なっている。
アルコール度数が3%未満と低い飲料(低アルコール飲料)や、ノンアルコール飲料は、アルコールをほとんど含まないことから、酒類のもつ奥行きのある味わいや幅を再現することは容易ではない。特に、アルコール度数が1%未満など極めて低い場合において、酒らしい味わいを期待する消費者の嗜好を満足させるようなノンアルコール飲料の開発は、飲料メーカー各社にとって解決すべき課題となっている。
ノンアルコール飲料に酒らしさを付与する方法として、特許文献1には、飲料中のカプサイシン類濃度と炭素数3〜5の脂肪族1価アルコール濃度とを特定の範囲に調整することを特徴とする方法が記載されている。特許文献1には、カプサイシンによる辛味と脂肪族1価アルコールによるえぐみとのバランスにより、非アルコール飲料にアルコール感を付与したことが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、刺激的な辛みを有するカプサイシンを用いる必要があるため、モデルとなる飲料の種類によっては、その香味を再現しにくいという問題がある。例えば、特許文献1において、「アルコール感が付与された飲料」は、チューハイ様飲料、カクテル様飲料、ワイン風飲料や、その他アルコール飲料との代替性がある飲料をいうと記載されてはいるものの、実際には、繊細な特有の香味を有するアルコール飲料や、舌の上で厚み、丸みのある味わいが感じられるようなアルコール飲料、例えば、ワインのような醸造酒を、特許文献1に記載されるようなカプサイシンを用いた方法で製造することは困難である。特許文献1には、具体的に、醸造酒を模したノンアルコール飲料を製造した例の記載はない。
特開2012−16308号公報
本発明は、アルコール度数が低い飲料にもかかわらず、酒らしい味わい、特に、醸造酒様の味わいが感じられる飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルコール飲料の「酒らしさ」について検討をし、アルコールの持つふくよかな厚み及び甘味、かすかな苦味が、アルコール飲料の「酒らしい味わい」につながることを見出した。これに基づいて、アルコール度数が低い飲料に「酒らしい味わい」を付与することを検討した結果、アセスルファムカリウムの有する甘味とかすかな苦味が「酒らしい味わい」につながることを見出した。さらに、アセスルファムカリウムに加えて、特有の苦味を有するゲンチオオリゴ糖と、渋味、酸味を有する特定の有機酸(酒石酸、グルコン酸、及び乳酸)とを飲料に含有させることにより、酒らしい味わいにつながる甘味と苦味がバランスよく増強され、さらに、醸造酒の厚みを思わせるような複雑味と、舌の上で感じられる丸みを飲料に付与することができることを見出した。この「酒らしい味わい」に付与される厚みのある複雑味、舌の上で感じられるぽってりとした丸い味わいは、醸造酒、特にワインに近いものであり、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、及び特定の有機酸の組み合わせは、醸造酒テイスト、特にワインテイストの低又はノンアルコール飲料の製造に特に適していることを見出した。すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む。
[1]アセスルファムカリウム、
ゲンチオオリゴ糖、ならびに
酒石酸、グルコン酸、及び乳酸からなる群から選択される1種以上の有機酸
を含有する、アルコール度数が3%未満である、飲料。
[2]アセスルファムカリウムの濃度が、0.0025〜0.075g/100mlである、[1]に記載の飲料。
[3]ゲンチオオリゴ糖の濃度が、0.004〜1.5g/100mlである、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]酒石酸、グルコン酸、及び乳酸の合計の濃度が、0.01〜0.8g/100mlである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の飲料。
[5]酒石酸を含有する[1]〜[4]のいずれか1項に記載の飲料。
[6]酒石酸の濃度が、0.01〜0.8g/100mlである、[5]に記載の飲料。
[7]アルコール度数が2%以下である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の飲料。
[8]アルコール度数が0.01%未満である、[7]に記載の飲料。
[9]醸造酒テイストの飲料である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の飲料。
[10]ワインテイストの飲料である、[9]に記載の飲料。
[11]炭酸ガスを含有する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の飲料。
本発明により、アルコール度数が低いにもかかわらず、甘味と若干の苦味とを有する酒らしい好ましい味わい(本明細書においては、単に「酒らしい好ましい味わい」、「酒らしい味わい」、「酒感」、又は「アルコール感」ということもある)を存分に有し、さらに醸造酒に見られるような複雑味、舌の上で感じられる丸みを有する飲料を提供することができる。このような効果が得られる理由として、本発明者らは、アセスルファムカリウムに特有の若干の苦味のある甘味が、酒らしさの苦味、厚みにつながり、また、特有の苦味を有するゲンチオオリゴ糖、及び渋味と酸味とを有する特定の有機酸をさらに混合することによって、アセスルファムカリウムの甘味と苦味に新たな味わいが付与され、醸造酒のような厚み、複雑味、舌の上に感じられる丸みのある味わいが飲料に付与され、酒らしさ、特に醸造酒様の味わいが感じられる飲料となるのではないかと推測している。
本発明は、アルコール度数が3%未満の飲料において、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、及び特定の有機酸(酒石酸、グルコン酸、及び/又は乳酸)を含有させることにより、飲料の酒らしい味わいを増強し、または飲料に酒らしい味わいを付与するものである。特に、醸造酒を思わせるような味わい(醸造酒テイスト)が付与される。
(アセスルファムカリウム)
本発明の飲料には、アセスルファムカリウムが配合されている。アセスルファムカリウム(分子式CKNOS、化学名3,4−ジヒドロ−6−メチル−3−ポタシオ−4−オキソ−1,2,3−オキサチアジン2,2−ジオキシド)は、人工甘味料の1つであり、ショ糖の約200倍の甘味を有することが知られている。
アセスルファムカリウムの飲料中の濃度は、0.0025〜0.075g/100mlが好ましく、0.0030〜0.050g/100mlがさらに好ましく、0.0050〜0.030g/100mlが特に好ましい。なお、後述する通り、本発明の飲料は、飲用する際に所定の割合に希釈して飲まれるような濃縮タイプの飲料として調製してもよく、その場合には、希釈した後の飲料において所定の濃度となるように各成分を調整すればよい。
飲料中のアセスルファムカリウムの濃度は、例えば、下記の条件で分析及び定量することができる。
・カラム: Cadenza CD−C−18
・移動相: ACN/10mMギ酸アンモニウム(13/87)
・流速: 1.0ml/min
・温度: 37℃
・検出器: UV検出器(210nm)
・注入量: 1μL。
(ゲンチオオリゴ糖)
本発明の飲料には、アセスルファムカリウムに加えて、ゲンチオオリゴ糖が配合されている。ゲンチオオリゴ糖は、β−1,6グルコシド結合したグルコースからなるオリゴ糖であり、特有の苦味を有することが知られている。本発明において、ゲンチオオリゴ糖は、グルコースの重合度が2〜4個のオリゴ糖、すなわち、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、及びゲンチオテトラオースを指すものとする。
ゲンチオオリゴ糖としては、β−グルコシダーゼをグルコース、セロビオース、ゲンチオビオース等に作用させることにより得てもよいし、また、上記のゲンチオオリゴ糖を含有する市販の製品(例えば、日本食品化工株式会社製「日食ゲントース(登録商標)#45」(ゲンチオオリゴ糖約45%、グルコース約50%))を用いてもよい。
ゲンチオオリゴ糖の飲料中の濃度(すなわち、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、及びゲンチオテトラオースの合計濃度)は、0.004〜1.5g/100mlが好ましく、0.005〜1g/100mlがさらに好ましく、0.01〜0.5g/100mlが特に好ましい。
飲料中のゲンチオオリゴ糖の濃度は、例えば、糖類分析用のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーなどを用いて分析及び定量することができる。例えば、以下の条件で分析及び定量することができる。
・カラム: Ultron PS−80N(0.8φ×50cm、信和化工株式会社製)
・移動相: 脱イオン水
・流速: 0.9ml/min
・温度: 50℃
・検出器: 示唆屈折計。
(有機酸)
本発明の飲料には、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖に加えて、酒石酸、グルコン酸、及び乳酸からなる群から選択される1種以上の有機酸が配合されている。これらの有機酸は、酸味料としての使用が認められているものであり、一般に飲食品の原料として用いられているものを用いればよい。
飲料中の酒石酸、グルコン酸、及び乳酸を合計した濃度は、0.01〜0.8g/100mlが好ましく、0.02〜0.7g/100mlがさらに好ましく、0.05〜0.5g/100mlが特に好ましい。なお、本明細書において、特に断らない限り、酒石酸等の有機酸は、その一部又は全部が塩の形態であってもよい。本明細書においては、それぞれの酸の量は、特に断らない限り、遊離体と塩を含めて測定され、全てが遊離体であると仮定して計算された値で表される。飲料中の有機酸の濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィーなどを用いて分析及び定量することができる。例えば、以下の条件で分析することができる。
<酒石酸、乳酸>
イオン排除クロマトグラフィーで有機酸を分離した後、カラム溶出液にpH緩衝化試薬を連続的に加え、pHを中性付近にして有機酸を解離状態にさせ、電気伝導度を測定する。
・カラム: Shim−pack SCR−102H(8mmI.D×300mmL、株式会社島津製作所製)
・移動相: 5mM p−トルエンスルホン酸水溶液
・流速: 0.8ml/min
・温度: 45℃
電気伝導度を測定して検出する。
<グルコン酸>
・カラム: Aminex HPX−87H Ion Extrusion Column(内径7.8mm×長さ300mm、BIO−RAD社製)
・移動相: 5mM 硫酸
・流速: 0.6ml/min
・温度: 30℃。
後述する実施例に示したように、酒石酸、グルコン酸、及び乳酸のうち、酒石酸が最も飲料の醸造酒らしさにつながる。よって、飲料中に酒石酸を含有させることは好ましい。酒石酸を用いる場合の飲料中の酒石酸の好ましい濃度の範囲は、0.01〜0.08g/100mlが好ましく、0.02〜0.7g/100mlがさらに好ましく、0.05〜0.5g/100mlがさらに好ましい。飲料に酒石酸を含有させる場合、さらに、グルコン酸と乳酸の双方を含有させること(すなわち、飲料が酒石酸、グルコン酸、乳酸の3種を含むこと)は好ましい。酒石酸に加えて、グルコン酸又は乳酸を含有させる場合、グルコン酸と乳酸の好ましい濃度の範囲は、グルコン酸が、0.001〜0.5g/100mlであり、0.001〜0.3g/100mlがさらに好ましく、また、乳酸が0.001〜0.5g/100mlであり、0.001〜0.3g/100mlがさらに好ましい。
(飲料)
本発明の飲料は、上記の通り、アルコール度数が3%未満であり、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、及び特定の有機酸(酒石酸、グルコン酸、及び/又は乳酸)を含有している。本発明の飲料は、アルコール度数が3%未満と低いにもかかわらず、酒らしい味わい、特に醸造酒様の風味が増強又は付与されたと感じることができる。
本発明では、アルコール度数が非常に低い飲料や、あるいはアルコールを含まない飲料においても、酒らしい味わいを付与又は増強することができるから、飲料のアルコール度数は、2.5%以下、さらには2%以下、さらには0.01%未満であってもよい。なお、本発明において、特に断りがない限り、「アルコール」とは、エタノールのことをいう。また、アルコール度数とは、エタノールの容量%のことをいう。本発明の飲料のアルコール度数(エタノールの容量%)は、公知の手法を用いて測定することができる。例えば、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改定)に記載の方法によって測定することができ、また、アルコールが極めて微量の場合には、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて分析することができる。
本発明の飲料がアルコールを含有する場合、アルコールの供給源は特に限定されないが、飲料の味わいに影響しにくい連続式蒸留アルコール(ウオツカ、ニュートラルスピリッツ、グレーンスピリッツ、甲類焼酎など)を用いることが好ましい。また、醸造酒テイストの飲料を調製する場合、モデルとする醸造酒自体を用いて飲料のアルコール度数を所定の値に調整することにより、飲料の醸造酒らしさを補強してもよい。
なお、醸造酒テイストの飲料とは、消費者が醸造酒を想起するような飲料全般を言う。醸造酒テイストの飲料は、醸造酒の味わいとなるように、飲料中の成分が調整されている。また、好ましくは、容器詰め飲料とされる際に、容器外面に、醸造酒の味わいを想起させるような表示が付されているものである。
醸造酒テイストにおける醸造酒とは、原料をアルコール発酵させて作られた酒であり、一般には蒸留されていないものをいう。例えば、ワインやシードル等の果実原料を発酵させて作られた果実酒、また、ビール、日本酒などが挙げられる。
本発明の飲料は、アセスルファムカリウムによる酒らしい味わいに、ゲンチオオリゴ糖及び特定の有機酸からの苦味、渋味、酸味による複雑味、また、舌の上に感じられる丸みや厚みのある味わいが付与されていることから、特に、醸造酒テイストの飲料として調製するのに適している。醸造酒は、醸造、熟成による独特の複雑な香味や、舌の上に感じる丸み、厚みを有しているが、これをアルコール度数の低い又はアルコールを含まない飲料で再現することは非常に困難であった。本発明では、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、及び特定の有機酸(酒石酸、グルコン酸、及び/又は乳酸)の組み合わせにより、アルコール度数が低いにもかかわらず、醸造酒を飲んだときに感じるような味わいを飲料に付与することができたものである。醸造酒の中でも、特にワインは、本発明の好ましい態様の1つである。本発明は、醸造酒テイストの中でも、特にワインテイストの飲料を調製するのに適している。
ワインの中でも特に白ワインは、赤ワインに比べて渋みが少ない、また、色が薄いなどの特徴から、低又はノンアルコール飲料で再現しようとする場合には、目標とする味わいの設定が困難である、また、用いることのできる材料が限られるなどの問題があるが、本発明のアセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、及び特定の有機酸の組み合わせは、飲料の色に影響しにくく、また、複雑味と丸みとがワインの醸造酒らしい味わいと口中でのやや重い厚みのある感覚とを想起させるため、白ワインの再現にも好適に用いることができる。
本発明の飲料には、本発明の効果(酒らしい味わいの付与又は増強)を妨げない範囲で、通常の飲料と同様、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、果汁、甘味料、酸味料、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を挙げることができる。例えば、ゲンチオオリゴ糖以外の糖類を配合して、飲料の甘味を調整してもよい。例えば、ブドウ糖を0.005〜15g/100ml、好ましくは0.005〜10g/100ml含有させてもよい。また、例えば、ワインテイストの飲料を調製する場合、市販のワインエキスやワインフレーバーを用いて飲料のワインらしさを増強してもよい。
本発明の飲料は、炭酸飲料であってもよい。本発明の飲料を特定範囲のガス圧を有する炭酸飲料とすることにより、意外にも飲料の醸造酒テイストが増強されることを見出した。炭酸飲料とする場合のガス圧は、0.3〜4.0kgf/cmが好ましく、0.5〜3.5kgf/cmがより好ましく、0.5〜3.0kgf/cmがより好ましい。2.8kgf/cm以下はさらに好ましい。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、試料温度が20℃における炭酸ガス圧を意味する。
本発明の飲料は、必要に応じて、殺菌、容器詰め等の工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。例えば、飲料組成物を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料組成物を殺菌して容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。より具体的には、ペットボトルや紙パック、瓶飲料、パウチ飲料とする場合には、例えば90〜130℃で1〜60秒保持するFP又はUHT殺菌を行うことができ、缶等の金属容器詰め飲料とする場合には、本発明の飲料組成物を容器に所定量充填し、殺菌(例えば、65℃、10分)を行うことができる。本発明の飲料組成物を容器詰め飲料とする場合は、ホットパック充填法又は無菌充填法のいずれも用いることができる。
本発明の飲料は、解栓してそのまま飲用することのできるような飲料(RTD飲料)として調製してもよいし、飲用する際に希釈して飲まれるような飲料(例えば、濃縮タイプの飲料)として調製してもよい。その場合には、飲料の容器に、水などで希釈又は他の飲料とブレンドして飲んでもよい旨の表示を付してもよい。
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
香料0.1g/100mlを含有する水溶液に、酒石酸、グルコン酸、ゲンチオオリゴ糖、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、及び果糖ブドウ糖液糖を、以下の表1に示す濃度となるように添加して、各種サンプルを調製した。ゲンチオオリゴ糖としては、日本食品化工株式会社製「日食ゲントース(登録商標)#45」(ゲンチオオリゴ糖45%)を用いた。得られた各種サンプルについて、酒感または醸造酒感(酒または醸造酒を飲んでいるような味わい及び感覚)が感じられるかどうかについて、5名の専門パネラーにより、5点を「とても感じる」、4点を「感じる」、3点を「少し感じる」、2点を「やや感じる」、1点を「感じない」として、5点から1点までの5段階で、官能評価を行った。パネラー5名の評価結果を集計し、その平均値が1以上2未満の場合を「×」、2以上3未満の場合を「△」、3以上4未満の場合を「○」、4以上5未満の場合を「◎」とした。結果を表1に示す。
表1の結果より、酒石酸及びグルコン酸を含有する水溶液に、アセスルファムカリウムを添加して飲料とすることにより、飲料に、若干の酒感を付与することができた(サンプルNo.1)。この酒感は、他の高甘味度甘味料であるアスパルテーム及びネオテーム、また、これら高甘味度甘味料と同等の甘味度となるように調整した果糖ブドウ糖液糖を添加した場合には得られないものであった(サンプルNo.2〜4)。さらに、アセスルファムカリウムに加えて、ゲンチオオリゴ糖を含有させることにより、飲料の酒感・醸造酒感を顕著に向上させることができた(サンプルNo.5)。
(実施例2)
香料0.1g/100ml、及びクエン酸ナトリウム0.1g/100mlを含有する水溶液に、アセスルファムカリウム、ゲンチオオリゴ糖、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、及びリンゴ酸を、以下の表2に示す濃度となるように添加して、各種サンプルを調製した。ゲンチオオリゴ糖としては、日本食品化工株式会社製「日食ゲントース(登録商標)#45」(ゲンチオオリゴ糖45%)を用いた。得られた各種サンプルの酒感または醸造酒感(酒または醸造酒を飲んでいるような味わい及び感覚)について、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
表2の結果より、ゲンチオオリゴ糖とアセスルファムカリウムに加えて、酒石酸、グルコン酸、または乳酸を含有する飲料は、醸造酒様の味わいが感じられることがわかる(サンプルNo.9〜11)。特に、酒石酸を含有する飲料は、収斂味も感じられ(サンプルNo.9)、ワインに近い味わいであった。一方、有機酸であってもクエン酸またはリンゴ酸を含有する飲料は、さわやかさやフルーツらしさといった好ましさは感じるものの、果汁ベースの清涼飲料を飲んでいるような感覚(いわゆるジュース調)となり、酒感や醸造酒感はほとんどないことがわかる(サンプルNo.12、13)。
(実施例3)
ゲンチオオリゴ糖0.225g/100ml、酒石酸0.3g/100ml、グルコン酸0.05g/100ml、アセスルファムカリウム0.02g/100ml、香料0.1g/100mlを含有する飲料に、炭酸ガスを以下の表3に記載のガス圧となるように付与した。ガスを付与していない飲料(サンプルNo.14)の酒感・醸造酒感を基準(評価:○)とし、基準に比べて酒感・醸造酒感が向上したかどうかについて評価した。結果を表3に示す。
表3の結果より、一定範囲のガス圧の炭酸ガスを飲料に付与すると、飲料の醸造酒らしい膨らみのある酒感が増すことがわかる。
(実施例4)
ゲンチオオリゴ糖0.135g/100ml、酒石酸0.3g/100ml、グルコン酸0.05g/100ml、アセスルファムカリウム0.02g/100ml、香料0.1g/100mlを含有する飲料に、アルコール(ニュートラルスピリッツ)を以下の表4に記載のアルコール度数となるように付与した。各飲料について、同じアルコール度数の水溶液と比べた際に、酒感・醸造酒感が増強されたと感じられるかについて、5名の専門パネラーにより、5点を「とても感じる」、4点を「感じる」、3点を「少し感じる」、2点を「やや感じる」、1点を「感じない」として、5点から1点までの5段階で、官能評価を行った。パネラー5名の評価結果を集計し、その平均値が1以上2未満の場合を「×」、2以上3未満の場合を「△」、3以上4未満の場合を「○」、4以上5未満の場合を「◎」とした。結果を表4に示す。
表4の結果より、アルコール度数が3%未満、好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2%以下のときに、酒感または醸造酒感の増強効果がより強く見られることがわかる。

Claims (9)

  1. アセスルファムカリウム、
    ゲンチオオリゴ糖
    酒石酸、グルコン酸、及び乳酸からなる群から選択される1種以上の有機酸、ならびに
    ワインエキス及び/又はワインフレーバー
    を含有し、アルコール度数が3%未満であ、ワインテイストの容器詰め飲料。
  2. アセスルファムカリウムの濃度が、0.0025〜0.075g/100mlである、請求項1に記載の容器詰め飲料。
  3. ゲンチオオリゴ糖の濃度が、0.004〜1.5g/100mlである、請求項1または2に記載の容器詰め飲料。
  4. 酒石酸、グルコン酸、及び乳酸の合計の濃度が、0.01〜0.8g/100mlである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
  5. 酒石酸を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
  6. 酒石酸の濃度が、0.01〜0.8g/100mlである、請求項5に記載の容器詰め飲料。
  7. アルコール度数が2%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
  8. アルコール度数が0.01%未満である、請求項7に記載の容器詰め飲料。
  9. 炭酸ガスを含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
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