JP6348681B2 - ノンアルコール飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、酒らしい風味を付与されたノンアルコール飲料およびその製造方法に関する。
最近、ビールやカクテルなどの酒類の香味を模倣しながらアルコール(エタノール)をほとんど含まないノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなどの、いわゆるノンアルコール飲料が人気を集めている。アルコール度数が1%未満のいわゆるノンアルコール飲料の中でも、アルコール度数が0.01%未満で、「アルコール度数0.00%」と商品に表示されるものが特に注目を集め、新しいジャンルを形作るに至っている。
これらのノンアルコール飲料は、アルコール(エタノール)を含まないという点ではソフトドリンクなどの通常の飲料(非アルコール飲料)と共通しているが、モデルとなったビールやカクテルなどの酒類の風味に近づくように品質設計され、消費者もそのような品質を期待しているという点で明確に異なっている。
ところで、酒類、すなわちアルコール飲料は、アルコール(エタノール)に起因する軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む「酒らしい風味」を有する。しかし、ノンアルコール飲料(「アルコール度数0.00%」と商品に表示されるものを含む)は、アルコール(エタノール)をほとんど含まないため、モデルとなったビールやカクテルなどの酒類よりも風味の奥行きや幅が乏しいと感じられる場合がある。一方、消費者は、アルコール(エタノール)を含まなくても、モデルとなったビールやカクテルのような、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む「酒らしい風味」が感じられることを期待している。
このような状況から、アルコール度数が1%未満でありながら、酒らしい風味を期待する消費者の嗜好を満足させるノンアルコール飲料の開発は、飲料メーカー各社にとって解決すべき課題となっている。
このような問題を解決するための技術がいくつか開示されている。特許文献1には、酸味付与物質と苦味付与物質とを特定の範囲で組み合わせて添加することによって、アルコール感が付与された非アルコール飲料とその製造方法が開示されている。ここで添加される酸味付与物質としては、具体的には酒石酸、乳酸、酢酸、リン酸、フマル酸等が挙げられ、飲料中の好ましい濃度範囲として、100〜5000ppmが挙げられている。
また、特許文献2には、炭素数4または5の脂肪族アルコールと収斂味付与物質とを特定の範囲で組み合わせて添加することによって、アルコール感が付与された非アルコール飲料とその製造方法が開示されている。ここでいう収斂味付与物質としては、酸味付与物質と苦味付与物質が挙げられ、更に具体的には、酸味付与物質として酒石酸、乳酸、酢酸、リン酸、フマル酸、等が挙げられ、飲料中の好ましい濃度範囲として、炭素数4または5の脂肪族アルコールの濃度1〜100mg/lに対して、酸味付与物質を20〜800mg/lとなるよう添加することが示されている。
特開2011−254731号公報 特開2012−060975号公報
このように、アルコール度数が1%未満でありながら、酒らしい風味を期待する消費者の嗜好を満足させるノンアルコール飲料の開発は、飲料メーカーにとって重要な課題である。
特許文献1には、飲料において一般的に使用されるクエン酸やリンゴ酸は、苦味付与物質と組み合せても「アルコール感がない」として発明の効果をなさなかったことが記載されている。従って、飲料の目標品質(酸味)を達成するために一般的に使用されるクエン酸やリンゴ酸以外に、アルコール感の付与のためにこれら以外の酸を添加する必要がある。しかし、酸はその種類によって酸味の質が異なるため、複数の酸の使用は酸味の変化をもたらし、目標設計品質に影響を及ぼすという問題が生じる。
特許文献2に記載の発明でも、クエン酸やリンゴ酸は収斂味を付与しないため、クエン酸やリンゴ酸ではない酸味付与物質を添加することが必須とされている。しかし、前述した特許文献1と同様に、複数の酸の使用は飲料の酸味の変化をもたらすため、飲料の品質設計が難しくなるという問題が生じる可能性がある。また、特許文献2は酸味付与物質と苦味付与物質の併用を許容しているが、飲料の品質設計にあたっては、アルコール感、酸味、苦味の3つのバランスを考慮して開発しなければならない。特に、飲料の原料の中には、果汁など、酸味付与物質と苦味付与物質の両方が含まれている場合があり、このような場合、飲料の設計が特に難しくなるという問題が生じる。
上記のような問題に鑑みて、本発明の課題は、設計品質への影響が少なくなるよう簡単な構成で、ノンアルコール飲料に対して酒らしい風味を付与できる技術の開発である。
本発明者らは、かかる課題について鋭意検討した結果、苦味物質を含有するノンアルコール飲料において、特定濃度のプロパノールを配合することによって、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい好ましい風味が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
(1) 飲料中のプロパノール濃度が6〜2000ppmである、苦味物質を含むアルコール度数1%未満の飲料。
(2) プロパノールが1−プロパノール及び/又は2−プロパノールである、(1)に記載の飲料。
(3) 苦味物質がナリンジン及び/又はクワシンである、(1)又は(2)に記載の飲料。
(4) 飲料中のナリンジン濃度が、0.05〜30ppmである、(2)に記載の飲料。
(5) 飲料中のクワシン濃度が、0.05〜3ppmである、(2)に記載の飲料。
(6) アルコール度数が0.01%未満である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の飲料。
(7) 高甘味度甘味料を含有する、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の飲料。
(8) 高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムK、及びアスパルテームからなる群より選ばれる1種又は2種以上のものである、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の飲料。
(9) 炭酸ガスを含有する、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の飲料。
(10) 飲料の可溶性固形分濃度が0.1〜5.0度である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の飲料。
(11) 飲料中のプロパノール濃度を6〜2000ppmに調整することを含む、苦味物質を含有するアルコール度数1%未満の飲料の製造方法。
(12) 飲料中のプロパノール濃度を6〜2000ppmに調整することを含む、苦味物質を含有するアルコール度数1%未満の飲料の呈味向上方法。
本発明により、アルコール度数が1%未満であるにもかかわらず、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい好ましい風味(本明細書においては、単に「酒らしい好ましい風味」又は「酒らしい風味」ということもある)を有するノンアルコール飲料とその製造方法を提供することができる。
本発明は、アルコール度数が1%未満のいわゆるノンアルコール飲料に関し、好ましい態様において、「アルコール度数0.00%」との表示が認められるアルコール度数が0.01%未満の飲料に関する。特に本発明によれば、酒のような風味をノンアルコール飲料に付与することができるため、アルコール度数が0.5%未満、さらにはアルコール度数が0.01%未満と低い飲料に対して本発明を適用すると、本発明の効果を大きく享受することができるため特に好ましい。
本発明において、特に断りがない限り、ノンアルコール飲料の「アルコール」とは、化学的な意味での「アルコール類(炭化水素の水素基をヒドロキシ基で置換した物質)」の中でも炭素数が2個のエタノール(エチルアルコール、COH)のことをいい、プロパノール(1−プロパノール又は2−プロパノール)等の他の炭素数のアルコール類を含まない。また、アルコール度数とは、飲料中のエタノールの容量%のことをいう。
プロパノール
本発明の飲料は、6〜2000ppmのプロパノールを含有する。プロパノールとは、炭素数3個の脂肪族飽和アルコールの一つであり、プロピルアルコールとも呼ばれる。3個の炭素のうち、ヒドロキシ基が置換されている場所によって2種類の構造異性体が存在し、1位の炭素が置換されているものは1−プロパノール、2位の炭素が置換されているものは2−プロパノールと呼ばれる。1−プロパノールは、示性式CHCHCHOHと表される第一級アルコールで、特有の香気を有し、n−プロパノール(ノルマルプロパノール)とも呼ばれる。2−プロパノールは、示性式CHCH(OH)CHと表される第二級アルコールので、1−プロパノールに比べてやや刺激的な香気を有し、i−プロパノール(イソプロパノール)とも呼ばれる。いずれも、日本を始め欧米など多くの国で食品添加物や香料としての使用が認められているが、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい風味を付与するとの目的で使われている例はない。
本発明においては、前記2種類のプロパノールをいずれも好適に用いることができ、併用することもできる。本発明の飲料におけるプロパノールの濃度は6〜2000ppmであるが、50〜1500ppmが好ましく、100〜1000ppmがより好ましい。
飲料中のプロパノール濃度は、公知の方法を使用して定量することができる。具体的には、ガスクロマトグラフィ(GC)を用いて分析することができ、例えば、次の方法によって分析することができる。
<プロパノールのGC分析条件>
使用機器:Agilent Technologies社 GC:6890N
使用カラム:SUPELCO 5% CARBOWAX 20M on 80/120 Carbopack B AW 8FT x 1/4IN x 2 mm ID GLASS Packed Column
キャリアガス:窒素ガス
Flow:18.8mL/min
注入口温度:200℃
カラム温度:70℃(0分間保持)から昇温速度4℃/minにて昇温し、154℃にて10分間保持する。
注入量:1.0μL
検出器:FID
検出温度:210℃
苦味物質
本発明における苦味物質とは、飲料に配合することによって味覚に苦味を知覚せしめる物質をいう。本発明の苦味物質は、プロパノールとの相乗効果によって、配合された飲料に軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい風味を付与することができる。また、プロパノールは濃度によっては薬品的な味や後味の残存感が感じられる場合があるが、これらの欠点を打ち消し、低減することができるという効果も有する。
本発明の苦味物質は、天然物を抽出した物を用いることもできるし、市販される食品添加物(苦味料など)を配合することもできる。具体的には、例えば、ナリンジン、クワシン、ホップ由来成分、カフェイン等を挙げることができるが、ナリンジン及びクワシンを好ましく用いることができる。ナリンジン(naringin)は、ナリンギンともいい、分子式C273214で表される物質である。主にミカン科グレープフルーツ(Citrus paradisi MACF.)の果皮、果汁又は種子より、水又は室温時エタノール若しくはメタノールで抽出し、分離して得られる。クワシン(quassin)は、クアシンともいい、分子式C2228で表される物質であり、ジャマイカカッシア(Quassia excelsa SW.)抽出物の主な有効成分のひとつである。ジャマイカカッシア抽出物はカッシアエキスともカッシアともいい、ニガキ科ジャマイカカッシアの幹枝又は樹皮より水で抽出して得られる。これらの苦味物質は、1種又は2種以上の苦味物質を組み合わせて使用することもできる。
本発明において配合できる苦味物質の種類と濃度は特に制限されないが、ともに配合されるプロパノールの種類と濃度に応じて調整することができる。苦味物質の濃度は、例えば、0.05〜100ppmとすることができ、好ましくは0.05〜50ppm、より好ましくは0.1〜30ppmとしてもよい。本発明の飲料においては、比較的低濃度の苦味物質であってもプロパノールとの相乗効果によって、酒らしい風味を飲料の付与することができるため、当該飲料の設計品質を大きく損なうことがない点が極めて優れた特徴である。
本発明の一つの態様において、プロパノールとして1−プロパノールを用いるとき、苦味物質の量を以下のように設定することが好ましい。例えば、苦味物質としてナリンジンを配合する場合は、飲料中で1−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでありナリンジンの濃度が0.05〜100ppmのとき、1−プロパノールの濃度が100〜500ppmでありナリンジンの濃度が0.05〜30ppmのとき、1−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでありナリンジンの濃度が0.1〜50ppmのとき、が好ましい。同じく苦味物質としてクワシンを配合する場合は、飲料中で1−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでありクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、1−プロパノールの濃度が100〜500ppmでありクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、1−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでありクワシンの濃度が0.1〜3ppmのとき、が好ましい。
また、プロパノールとして2−プロパノールを用いるとき、苦味物質の量を以下のように設定することが好ましい。例えば、苦味物質としてナリンジンを配合する場合は、飲料中で2−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでありナリンジンの濃度が0.05〜100ppmのとき、2−プロパノールの濃度が100〜500ppmでありナリンジンの濃度が0.05〜30ppmのとき、2−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでありナリンジンの濃度が30〜50ppmのとき、が好ましい。同じく苦味物質としてクワシンを配合する場合は、飲料中で2−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでありクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、2−プロパノールの濃度が100〜500ppmでありクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、が好ましい。
なお、プロパノールとして1−プロパノールと2−プロパノールとを併用する場合は、配合するプロパノールと苦味物質の濃度は、前記の2−プロパノールの場合に準ずることが好ましい。
飲料中の苦味物質濃度も、公知の方法を使用して定量することができる。例えば、ナリンジン及びクワシンは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて、以下の条件で分析することができる。
<ナリンジンのHPLC分析条件>
使用機器:Agilent Technologies社 1290 Infinity LCシステム
使用カラム:Agilent Technologies社 Zorbax Eclipse Plus RRHD C18 1.8μm 2.1 x 150 mm
移動相:
A)0.1%ギ酸水溶液
B)アセトニトリル
0.0−0.5分(15%B)→6.0分(25%B)→6.05−7.0分(100%B)、初期移動相による平衡化3分
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
注入量:2.0μL
検出器:AB Sciex社 4000 Q TRAP(ESI negative、MRMモード、m/z 579.2→271.1)
<クワシンのHPLC分析条件>
使用機器:Agilent Technologies社 1290 Infinity LCシステム
使用カラム:Mightysil RP-18GP(150mm × 4.6mm i.d.)
移動相:
アセトニトリル/水=35/65(v/v)
流速:1.0mL/min
カラム温度:30℃
注入量:5μL
検出器:AB Sciex社 4000 Q TRAP(ESI negative、MRMモード、m/z 389.5→222.9)
高甘味度甘味料
本発明の飲料には、高甘味度甘味料を配合することが好ましい。本発明における高甘味度甘味料とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する天然甘味料および合成甘味料をいい、食品や飲料に配合されるものであれば特に限定されない。
そのような高甘味度甘味料としては、ペプチド系甘味料、例えばアスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン等;配糖体系甘味料、例えばステビア甘味料(ステビア抽出物およびステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビアおよびステビアの甘味成分の中で最も甘味質のよいレバウディオサイドAを含む)、カンゾウ抽出物等;蔗糖誘導体、例えばスクラロース等;合成甘味料、例えばアセスルファムカリウム(「アセスルファムK」ともいう)、サッカリン、ネオヘスペリジン−ジヒドロカルコン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜使用することができる。好ましくは、高甘味度甘味料は、スクラロース、アセスルファムK、及びアスパルテームからなる群より選ばれる1種又は2種以上のものである。
高甘味度甘味料は、ショ糖に比べて非常に強い甘味を有する一方で、ショ糖とは異なる甘味質や好ましくない呈味が感じられることが問題となることがある。例えば、スクラロースやアスパルテームは、後味に後をひく甘さが残ることやボディ感が不足しがちであることが指摘されている。アセスルファムKは後味に苦味が感じられることやボディ感が不足しがちであることが指摘されている。しかしながら本発明によれば、このような高甘味度甘味料の好ましくない後味を改善することができる。例えば、スクラロースやアスパルテームの後をひく甘さの残存感やアセスルファムKの後味の苦味を、本発明の薬品的な味や後味の残存感を打ち消す効果によって、緩和することができる。
高甘味度甘味料の本発明の飲料に配合することができる量は、当該飲料の目的とする設計品質に応じて特に限定されずに決めることができるが、具体的には、1〜900ppmとすることが好ましく、5〜700ppmがより好ましく、10〜500ppmがさらに好ましい。尚、当該含有量は、高甘味度甘味料の総量である。
また、高甘味度甘味料がスクラロースである場合は、本発明の飲料中の濃度は、1〜400ppmであることが好ましく、5〜400ppmであることがより好ましく、10〜300ppmであることがさらに好ましい。
高甘味度甘味料がアセスルファムKである場合は、本発明の飲料中の濃度は、1〜500ppmであることが好ましく、10〜500ppmであることがより好ましく、50〜400ppmであることがさらに好ましい。
本発明の飲料に配合された高甘味度甘味料の濃度は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。例えば、スクラロースおよびアセスルファムKについては、下記の条件で分析および定量することができる。
<スクラロースのHPLC分析条件>
使用機器:Agilent Technologies社 1290 Infinity LC システム
使用カラム:Agilent Technologies社 Zorbax Eclipse Plus RRHD C18 1.8μm 2.1 x 150 mm
移動相:
A)5mM酢酸アンモニウム水溶液
B)5mM酢酸アンモニウムアセトニトリル溶液
0.0分(60%B)→15.0分(95%B)、初期移動相による平衡化7分
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
注入量:1.0μL
検出器:AB Sciex社 4000 Q TRAP(ESI negative、MRMモード、m/z 395.2→359.2)
<アセスルファムKのHPLC分析条件>
使用機器:Agilent Technologies社 1290 Infinity LC システム
使用カラム:Imtakt Cadenza CD-C18 4.6 x 150 mm
移動相:アセトニトリル/10mMギ酸アンモニウム(13/87)
流速:1.0mL/min
カラム温度:37℃
注入量:1.0μL
検出器:Dionex社 Corona Ultra
本発明におけるアルコール度数(容量%)は、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)に記載の方法によって測定することができる。具体的には、ショ糖などの糖類を添加したものと添加していないもののそれぞれについて、以下の方法で測定することができる。
(ショ糖等の糖類を添加していない試料の場合) 試料100〜150mLを、メスフラスコを用いて15℃において正確に採取する。これを300〜500mL容のフラスコに移し、メスフラスコをそれぞれ15mLの水で2回洗浄し、洗浄液もフラスコ内に移す。試料の採取に用いたメスフラスコを受器として直火蒸留を行い、採取量の70%以上が留出した後、留液に水を加えて15℃において原容に戻し、よく振り混ぜて分析サンプルとする。
(ショ糖等の糖類を添加した試料の場合) 水蒸気蒸留法によって分析サンプルを調製する。すなわち、メスフラスコを用いて試料100〜150mLを15℃において正確に採取する。これを500mL容二連フラスコに移し、メスフラスコをそれぞれ15mLの水で2回洗浄し、洗浄液もフラスコ内に移す。試料の採取に用いたメスフラスコを受器として水蒸気蒸留を行い、採取量の98%以上が留出した後、留液に水を加えて15℃において原容に戻し、よく振り混ぜて分析サンプルとする。
以上のようにして調製した分析サンプルの15℃における密度を振動式密度計で測定し、前記国税庁所定分析法の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)および比重(15/15℃)換算表」を用いて換算することにより、アルコール度数を求めることができる。例えば、振動式密度計として、京都電子工業株式会社製の振動式密度計DA−310を用いることができる。
本発明の飲料には、通常の飲料と同様、糖分、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
本発明は、飲料に含まれる可溶性固形分(溶質)濃度が低い飲料や、炭酸飲料の態様においても優れた効果を発揮する。このような特徴によって、チューハイタイプや、カロリーオフタイプの優れた品質のノンアルコール飲料を製造することができる。
本明細書においては、このように可溶性固形分濃度が5度以下の飲料を、「低溶質飲料」ともいうが、低溶質飲料においては、糖類や果汁などの量が少ないため、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい好ましい風味の付与という本発明の効果が顕著になるため、低溶質飲料は本発明のより好ましい態様の一つである。
本発明でいう低溶質飲料の可溶性固形分濃度は、糖度計、屈折計などを用いて得られるブリックス(Brix)値から算出される飲料の可溶性固形分濃度(SS:Soluble Solid)によって定義される。当該ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値で、溶液中の可溶性固形分濃度を表す。単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
アルコールを全く含まないか、アルコール度数0.01%未満という極微量のアルコールを含むノンアルコール飲料では、ブリックス値をそのまま可溶性固形分濃度としてよい。これより多くの、具体的にはアルコール度数が0.01%以上0.5%未満のものにおいては、アルコールが屈折率に影響を与えるため、次の式を用いてブリックス値から可溶性固形分濃度を算出する。
・飲料の可溶性固形分濃度(SS)=MV−CV
[式中、MV(Measured Value)は、飲料のブリックス実測値であり、CV(Calculated Value)は、飲料のアルコール度数実測値と同じ度数のアルコール水溶液におけるブリックス値である]
ここで、アルコール水溶液としてニュートラルスピリッツを純水にて希釈したものを用いてCVを求めると、「CV=0.39×飲料のアルコール度数実測値」の関係があるため、飲料の可溶性固形分濃度(SS)は次のように表すことができる。
・飲料の可溶性固形分濃度(SS)=MV−0.39×飲料のアルコール度数実測値
本明細書における低溶質飲料は、SSが5度以下のものをいう。SSが0.1〜5度のとき、本発明の効果が強く感じられて好ましく、SSが0.1〜3度のとき、より強く感じられるためより好ましい。
低溶質飲料は、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等と表示される、いわゆるカロリーオフタイプ飲料の態様を包含する。なお、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等の表示は、健康増進法の規定による栄養表示基準に定義されている。例えば、「糖類ゼロ」との表示は、飲料に含まれる糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないもの)の量が、飲料100gあたり0.5g未満のものに対して付されるものである。
本発明の飲料は、炭酸ガスを含有させて炭酸飲料とすることができる。本発明を炭酸飲料に適用すると、酒らしい香気と炭酸ガスの発泡感とがあいまってチューハイ様の爽快感を楽しむことができるため、炭酸飲料は本発明のより好ましい態様の一つである。
炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料中に提供することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーターなどのミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。
本発明の炭酸飲料は、好ましくは1.0〜3.5kg/cm、より好ましくは1.2〜2.5kg/cmの炭酸ガス圧を有する。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。
本発明の飲料は、容器詰め飲料とすることができる。容器詰め飲料の容器は特に制限されないが、例えば、ペットボトルなどの樹脂製容器、紙パックなどの紙容器、ガラス瓶などのガラス容器、アルミ缶やスチール缶などの金属製容器、アルミパウチなど、通常、飲料組成物に用いられる容器であればいずれも用いることができる。
飲料の製造方法
別の観点からは、本発明は、飲料の製造方法である。当該方法は、アルコール度数1%未満の飲料に、6〜2000ppmのプロパノールと苦味物質とを配合することを特徴とする。プロパノール及び苦味物質を添加する形態及び方法は特に限定されず、プロパノール及び苦味物質そのもの、又はプロパノール及び苦味物質をそれぞれ含む物品を、原料として製造工程の任意のタイミングで添加することができる。
本発明の飲料の製造では、原料を配合する方法は限定されない。例えば、公知の方法を用いて原料を飲料中に配合することができる。必要に応じて、殺菌、容器詰めなどの工程を適宜設けることができる。好ましい態様において、本発明の飲料は、飲料の充填工程を経て容器詰め飲料とすることができ、殺菌された容器詰め飲料とすることができる。例えば、飲料組成物を容器に充填した後にレトルト殺菌などの加熱殺菌を行う方法や、飲料組成物を殺菌して容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。
より具体的には、缶などの金属容器詰め飲料とする場合には、本発明の飲料組成物を容器に所定量充填し、殺菌(例えば、65℃、10分)を行うことができ、ペットボトルや紙パック、瓶飲料、缶飲料、パウチ飲料とする場合には、例えば90〜130℃で1〜60秒保持するFP又はUHT殺菌を行い、所定量を充填することができる。本発明の飲料組成物を容器詰め飲料とする場合は、ホットパック充填法又は無菌充填法のいずれも用いることができる。
飲料の呈味改善方法
さらに別の観点からは、本発明は、アルコール度数1%未満の飲料の呈味を向上する方法である。当該方法は、アルコール度数が1%未満の飲料において、飲料中のプロパノール濃度を6〜2000ppmに調整し、苦味物質を添加することを特徴とする。
本発明の方法により、アルコール度数が1%未満の飲料において、設計品質に与える影響を最小限に抑制しながら、軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい好ましい風味を増すことができる。
以下、本発明の内容を、本発明の実施例を参照しつつ詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に記載しない限り、本明細書において数値範囲はその端点を含むものとして記載され、プロパノール、苦味物質などの成分の濃度を表す際のppmとは、当該物質重量(mg)の、飲料容量(L)に対する百万分率(ppm)のことをいう。
試験例1:苦味物質を含有するノンアルコール飲料における1−プロパノールの影響
苦味物質としてナリンジンを含有するノンアルコール飲料における1−プロパノール添加の効果を調べた。具体的には、0.05〜100ppmのナリンジンを含有するイオン交換水に、1−プロパノールを3〜5000ppmの濃度になるように配合して、ノンアルコール飲料のモデル液を調製した。
調製したノンアルコール飲料について、訓練された5名の専門パネラーによる官能評価を行い、1−プロパノールと苦味物質の添加による効果を調べた。(1)軽快な甘い香味と若干の刺激感を含む酒らしい好ましい風味(以下「酒らしい風味」と略する)、(2)薬品的な味、(3)後味の残存感、(4)総合評価(酒らしい風味の奥行きや幅などの好ましい味わい)、の4つの観点について、以下の基準で評価を行った。専門パネラー5名の評点の平均値を四捨五入して自然数とした値を評価結果とした。なお、後味の残存感としては、プロパノールによる後味の残存感だけでなく、苦味物質による後味の残存感も合わせて評価した。官能評価の結果を以下の表に示すが、表2は、表1における総合評価の結果をダイアグラムにしたものであり、白色が0点、灰色が1点、黒色が2点の試験区を示す。
(1)酒らしい風味の付与:酒らしい風味が強く認められる=2点、認められる=1点、認められない=0点。
(2)薬品的な味の低減:薬品的な味が認められない=2点、若干認められる=1点、認められる=0点。
(3)後味の残存感の低減:後味の残存感が認められない=2点、若干認められる=1点、認められる=0点。
(4)総合評価:好ましい酒らしい風味が強く認められる=2点、認められる=1点、認められない=0点。
評価結果から明らかなように、本発明に基づいてノンアルコール飲料に6〜2000ppmの1−プロパノールを含有させると、酒らしい風味を付与しつつ、薬品的な味や後味の残存感を軽減することができた。
表1、2に示したように、苦味物質としてナリンジンを配合した場合は、飲料中での1−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでナリンジンの濃度が0.05〜100ppmのとき、酒らしい風味が認められながら薬品的な味や後味の残存感といった欠点が大きく軽減しており、特に好ましかった。さらに、1−プロパノールの濃度が100〜500ppmでナリンジンの濃度が0.05〜30ppmのとき、又は、1−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでナリンジンの濃度が0.1〜50ppmのとき、上記の傾向がより強く認められ、より好ましい結果となった。
試験例2:苦味物質を含有するノンアルコール飲料における1−プロパノールの影響
苦味物質としてクワシンを含有するノンアルコール飲料における1−プロパノール添加の効果を調べた。具体的には、0.05〜3ppmのクワシンを含有するイオン交換水に、1−プロパノールを3〜5000ppmの濃度になるように配合して、ノンアルコール飲料のモデル液を調製した。試験例1と同様にしてノンアルコール飲料を評価した結果を、以下の表に示す。
評価結果から明らかなように、本発明に基づいてノンアルコール飲料に6〜2000ppmの1−プロパノールを含有させると、酒らしい風味を付与しつつ、薬品的な味や後味の残存感を軽減することができた。
表3、4に示したように、苦味物質としてクワシンを配合した場合は、飲料中での1−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、酒らしい風味が認められながら薬品的な味や後味の残存感といった欠点が大きく軽減しており、特に好ましかった。さらに、1−プロパノールの濃度が100〜500ppmでクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、又は、1−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでクワシンの濃度が0.1〜3ppmのとき、上記の傾向がより強く認められ、より好ましい結果となった。
試験例3:苦味物質を含有するノンアルコール飲料における2−プロパノールの影響
苦味物質としてナリンジンを含有するノンアルコール飲料における2−プロパノール添加の効果を調べた。1−プロパノールに替えて2−プロパノールを用いた以外は、試験例1と同様にしてノンアルコール飲料を調製し、評価した。結果を以下の表に示す。
表から明らかなように、本発明に基づいてノンアルコール飲料に6〜2000ppmの2−プロパノールを含有させると、酒らしい風味を付与しつつ、薬品的な味や後味の残存感を軽減することができた。
表5、6に示したように、苦味物質としてナリンジンを配合した場合は、飲料中での2−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでナリンジンの濃度が0.05〜100ppmのとき、酒らしい風味が認められながら薬品的な味や後味の残存感といった欠点が大きく軽減しており、特に好ましかった。さらに、2−プロパノールの濃度が100〜500ppmでナリンジンの濃度が0.05〜30ppmのとき、又は、2−プロパノールの濃度が500〜1000ppmでナリンジンの濃度が30〜50ppmのとき、上記の傾向がより強く認められ、より好ましい結果となった。
試験例4:苦味物質を含有するノンアルコール飲料における2−プロパノールの影響
苦味物質としてクワシンを含有するノンアルコール飲料における2−プロパノール添加の効果を調べた。1−プロパノールに替えて2−プロパノールを用いた以外は、試験例2と同様にしてノンアルコール飲料を調製し、評価した。結果を以下の表に示す。
表から明らかなように、本発明に基づいてノンアルコール飲料に6〜2000ppmの2−プロパノールを含有させると、酒らしい風味を付与しつつ、薬品的な味や後味の残存感を軽減することができた。
表7、8に示したように、同じく苦味物質としてクワシンを配合した場合は、飲料中での2−プロパノールの濃度が6〜2000ppmでクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、酒らしい風味が認められながら薬品的な味や後味の残存感といった欠点が大きく軽減しており、特に好ましかった。さらに、2−プロパノールの濃度が100〜500ppmでクワシンの濃度が0.05〜3ppmのとき、上記の傾向がより強く認められ、より好ましい結果となった。

Claims (12)

  1. 飲料中の1−プロパノール濃度が6〜2000ppmであり、クワシンを含むアルコール度数1%未満の飲料。
  2. 飲料中の1−プロパノール濃度が50〜1500ppmである、請求項1に記載の飲料。
  3. 飲料中の1−プロパノール濃度が500ppm以上である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 飲料中のクワシン濃度が、0.05〜3ppmである、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
  5. 飲料中のクワシン濃度が、0.1〜1ppmである、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
  6. アルコール度数が0.01%未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の飲料。
  7. 高甘味度甘味料を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の飲料。
  8. 高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムK、及びアスパルテームからなる群より選ばれる1種又は2種以上のものである、請求項に記載の飲料。
  9. 炭酸ガスを含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の飲料。
  10. 飲料の可溶性固形分濃度が0.1〜5.0度である、請求項1〜9のいずれかに記載の飲料。
  11. 飲料中の1−プロパノール濃度を6〜2000ppmに調整することを含む、クワシンを含有するアルコール度数1%未満の飲料の製造方法。
  12. 飲料中の1−プロパノール濃度を6〜2000ppmに調整することを含む、クワシンを含有するアルコール度数1%未満の飲料の呈味向上方法。
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