JP5694588B1 - 加工飲食品及び容器詰飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニンジンやパイナップル等の野菜または果実を粗ごししたような濃厚な食感を呈し、飲みやすく、栄養価の高い加工飲食品、該加工飲食品を含む容器詰飲料を提供する。【解決手段】ニンジンやパイナップル等の野菜または果実を破砕して得られた不可溶性固形分を含み、6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない不溶性固形分の割合を10重量%以上とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、野菜または果実を含む加工飲食品及び容器詰飲料に関する。
野菜または果実を破砕することで製造される野菜ピューレまたは果実ピューレが各種提供されている。野菜ピューレまたは果実ピューレは、野菜または果実そのものを摂取している食感や濃厚感が得られると同時に、半固形状や半液体状で摂取し易いこともあって、栄養価が高いものとなっている。このような野菜ピューレの一例として、人参に含まれる固形分(パルプ分)を微細化した人参ピューレが開示されている(例えば、特許文献1参照)。昨今では、人参を粗く摺りおろしたような濃厚な食感を有する人参ピューレもすぐに食することが可能な容器詰め食品の形態で望まれている。
しかしながら、ニンジンやパイナップル等の野菜や果実を単に粗く摺りおろしても、固形分の粒子形状にばらつきが生じたり、固形分と非固形分(液体部分)が分離したりすることで、全体として食感が悪くなってしまう。また、これら生の野菜や果実を破砕すると、褐変し、風味が変化し、商品価値が落ちてしまう。
なお、このような問題は、ニンジン、リンゴ、モモ、バナナ、パイナップル、ダイコン、サツマイモ、ナシ、洋ナシ、キウイフルーツ、マンゴー等の果実または野菜またはそれらの加工飲食品のみならず、該加工飲食品が封入された容器詰飲料についても同様に存在する。
また、果実由来の果肉を含む各種飲料が提供されている(特許文献2〜5参照)。しかしながら、特許文献2には、縦横10〜30mm、厚み0.1〜0.3mmの薄板状の果肉片と限定しさらに飲用するためには果肉片が大き過ぎるために飲み込み難いという欠点が、特許文献3には、特徴的な繊維質を持つパイナップルであって殺菌軟化前の配合工程での果粒形状が一辺1〜9mmの立方体と限定し繊維が細かく断裂されているために果肉感が十分に得られないという欠点が、特許文献4には、果肉入り飲料の糖度を調節するために砂糖等の糖類を添加することを条件としているために果実本来の自然な香味や食感が損なわれるという欠点が、特許文献5には、食用固形分の大きさが7.5mm〜15mmであってカルシウムが0.001〜0.04重量%含有するために、破断強度が一定の範囲内でなければ飲用するためには固形分が大き過ぎたり硬すぎたりで飲み込み難く、さらにはカルシウム添加特有の苦み等の不快味を呈するという欠点があった。
特開平8−214846号公報 特開昭53−009344号公報 特開昭60−256370号公報 特開昭51−148053号公報 特開2005−348652号公報
本発明は、このような事情に鑑み、従来のような欠点を解消した、香味に優れ、嗜好性の高い、ニンジンやパイナップル等の野菜または果実を粗ごししたような野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈する加工飲食品、該加工飲食品が封入された容器詰飲料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1の態様は、野菜または果実を破砕して得られた不溶性固形分を含む加工飲食品であって、6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が10重量%以上であり、16メッシュの篩を通過し、かつ35メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が25重量%以下であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第1の態様では、野菜または果実を粗ごししたような野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈し、粗ごし状の固形分が適度に均質分散する加工飲食品が提供される。すなわち、第2不溶性固形分(16メッシュの篩を通過し、かつ35メッシュの篩を通過しない不溶性固形分)特有のドロドロした喉ごしや食感が軽減されるだけでなく、第1不溶性固形分(6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない不溶性固形分)特有の固形感が強調されて感じられるようになるため、本発明の加工飲食品は、より一層、粗ごしした野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する加工飲食品において、6.5メッシュの篩を通過し、かつ10メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が10重量%以上であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第2の態様では、より一層、野菜または果実を粗ごししたような野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈し、粗ごし状の固形分が適度に均質分散する加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1又は2の態様に記載する加工飲食品において、ベータカロテンの含有量は、100グラムあたり100マイクログラム以上20000マイクログラム以下であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、ニンジン等の野菜または果実を粗ごしした濃厚な食感を十分に呈し、香味に優れ、飲みやすく、色調が良く、かつ栄養価に優れる加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つ態様に記載する加工飲食品において、食物繊維の含有量は、100グラムあたり0.5グラム以上であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、より一層、粗ごし感、野菜果実感及び飲みやすさに優れ、飲食品としての嗜好性を有し、さらには、栄養価に優れ、商品としての適性が好ましい加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つの態様に記載する加工飲食品において、リコピンの含有量は、100グラムあたり15ミリグラム以下であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、より一層、粗ごし感、野菜果実感及び飲みやすさに優れ、飲食品としての嗜好性を有し、さらには、栄養価に優れ、商品としての適性が好ましい加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つの態様に記載する加工飲食品において、カリウムの含有量は、100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、粗ごし感を有し、また、野菜果実感及び飲みやすさが高く、飲食品としての嗜好性も有し、さらには、栄養価に優れ、商品としての適性が好ましい加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つの態様に記載する加工飲食品において、グルタミン酸の含有量は、0.280重量%以下であることを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、飲料として旨味等のアミノ酸特有の味が適度に抑制され、より一層、粗ごし感、野菜果実感及び飲みやすさのバランスに優れ、飲食品としての嗜好性を有し、さらには、商品としての適性が好ましい加工飲食品が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つ態様に記載する加工飲食品において、野菜搾汁又は/及び果実搾汁とを含むことを特徴とする加工飲食品にある。
かかる第の態様では、ニンジン等の野菜または果実を粗ごしした濃厚な食感を十分に呈し、粗ごし状の固形分が適度に均質分散し、飲み易く、香味に優れた飲料が提供される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか一つの態様に記載する加工飲食品が容器に封入されたことを特徴とする容器詰飲料にある。
かかる第の態様では、可溶性固形分が容器の開口部に詰まりにくい容器詰飲料が提供される。
本発明によれば、ニンジンやパイナップル等の野菜または果実を粗ごししたような野菜感、果実感、またはこれらを想起する濃厚な食感を呈する加工飲食品、該加工飲食品を含む容器詰飲料が提供される。
試験例1〜試験例7の結果を示す図である。 図1の一部を抜粋した図である。 図1の一部を抜粋した図である。 図1の一部を抜粋した図である。 図1の一部を抜粋した図である。
本発明は、野菜または果実を破砕して得られた固形分のうち、6.5以上の目開きのメッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しないものの割合が10%以上であることを特徴とする加工飲食品および容器詰飲料である。加工飲食品は、ペースト状の食品、又は飲料の形態を有する。
本発明に係る野菜または果実は、食用される野菜または果実であれば、特に限定されない。具体例としては、ニンジン、リンゴ、モモ、バナナ、パイナップル、ダイコン、サツマイモ、ナシ、洋ナシ、キウイフルーツ、マンゴー等を挙げることができる。破砕された野菜または果実とは、後述する大きさの粒子に微細化された野菜または果実であり、具体的には、おろし金のような器具で摺りおろされることにより得られる食感または形状を指す。
本発明に係る加工飲食品は、野菜または果実が破砕され、液体分(搾汁)と不溶性固形分とが混合したピューレ状の形態を有し、そのまま飲食に供することもできるし、食材として用いることもできる。さらには、本発明に係る加工飲食品に、野菜搾汁又は/及び果実搾汁を添加して飲料形態とすることもできる。
固形分とは、100℃前後の加熱により水分を完全除去した後の残分であるが、可溶性固形分と不溶性固形分に大別される。前者は、水溶性多糖類を含む糖、有機酸、アミノ酸等の水溶性成分であり、ろ紙ろ過で通過する成分であり、特に糖分はブリックス計による計測で糖度として表すことができる。後者は主に不溶性のパルプ分であり、ろ紙またはメッシュの篩によるろ過によってろ紙またはメッシュの篩上に残存する固形状の混合物であり、果実飲料JAS分析法に定められている遠心分離により沈殿する不溶性固形分の容量パーセント量とは異なる。
固形分だけを高めただけでは、本発明の粗ごし感または固形感、野菜感、果肉感は達成されない。例えば、液糖を添加したり濃縮果汁を添加または還元率を調節することで糖度(Brix)を上昇せしめ結果的に飲食品中全体の固形分を上昇させることができるが、可溶性固形分量が相対的に増えたことに起因するため、固形感や粗ごし感等に寄与しないのである。
本発明に係る不溶性固形分とは、ニンジンやパイナップル等の野菜または果実の可溶性固形分以外の成分であり、その粒子の分布は次の通りである。
本発明に係る加工飲食品全体のうち、6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない不溶性固形分(以下、第1不溶性固形分と称する)の割合は、10%以上である。メッシュとは、1インチ(2.54cm)の間に目の数が幾つあるかを示す数字であり、針金の太さと目の間隔はJIS規格で規定されている。不溶性固形分は、日本農林規格のえのきたけ缶詰又はえのきたけ瓶詰の固形分の測定方法に準じて測定することができる。すなわち、測定したいサンプル100グラムを水200グラムで希釈し、16メッシュの篩等の各メッシュサイズの篩に均等に広げて、10分間放置後の各篩上の残分重量を重量パーセントで表した値を、本発明の粗ごし感を有する不溶性固形分と定義する。この時、10メッシュの篩も単独でまたは16メッシュの篩等と重ねて使用することができるが、10メッシュの篩上の残分は16メッシュ上の残分よりも不溶性固形分が大きいためにより明確に粗ごし感や野菜感や果実感を実感することができる。ただし、使用する野菜または果実自体の硬度や水分さらには殺菌等の熱処理耐性により実感できる粗ごし感はある程度左右される。しかしながら、20メッシュ以下の細かい網サイズの篩を通過してしまう不溶性固形分は、粗ごし感が十分でなく、逆に粘性やとろみまたはドロドロ感を想起するようになるため、本発明の粗ごし感には定義されない。
使用する篩はJIS規格で規定されたメッシュ網が設置されていればよく、例えば直径10センチメートル深さ4.5センチメートルの円筒型篩等が使用できるが、不溶性固形分を測定できれば篩の直径や深さを適宜増減させてもよい。しかし、不溶性固形分がメッシュ上に均一に広がる程度のメッシュ面積が必要で、メッシュ上に不溶性固形分が厚さ5ミリメートル以下にならなければ再現性よく測定することができない。
篩上の残存物は、基本的には不溶性固形分であるが、サンプルを上述のように水で3倍希釈してもなお粘度を有している場合は、たとえメッシュ目開きよりも細かい不溶性固形分であっても篩上に残存する場合があり、その場合は適宜水洗しメッシュ目開きに相当する大きさの不溶性固形分を正しく測定する必要がある。
第1不溶性固形分は、従来の野菜ジュース、野菜ミックスジュース、野菜・果実ミックスジュース、トマトジュース、にんじんミックスジュース、にんじんジュースに比較して、明らかに粗めの大きさの粒子からなる。第1不溶性固形分は、本発明の加工飲食品に含まれる不溶性固形分全体のうち10%以上を占めるため、野菜または果実を粗ごしした野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈するが、80%以上であると固形感が過剰となり喫食し易さが低下する場合があり、また、20%以下であると所望の粗ごし感が弱く感じられることがあるが、使用する野菜や果実の品質(硬度、水分量、繊維質の性質)や破砕方法に影響を受けるため、一概には断定しない。また、本発明の加工飲食品は、6.5メッシュの篩を通過しないような大きさの不溶性固形分が除外されている。このような6.5メッシュの篩を通過しない不溶性固形分は、粒子が大きすぎて飲み込みにくいため喉ごしや食感が低下してしまうが、そのような大きさの不溶性固形分は本発明の加工飲食品では加工工程であらかじめ除外されているので、上述した食感を呈することができ、さらには、一般的な容器詰飲料の開口部に詰まることを抑制することができる。
本発明の加工飲食品全体のうち、6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない第1不溶性固形分の割合は、加工飲食品全体を100としたときに10重量%以上とすることが好ましい。
また、加工飲食品全体のうち、6.5メッシュの篩を通過し、10メッシュの篩を通過しない不溶性固形分の割合が10重量%以上であれば、より確実に粗ごし感及び野菜果実感のある加工飲食品を得ることができる。
さらに、本発明の加工飲食品全体のうち、16メッシュの篩を通過し、かつ35メッシュの篩を通過しない不溶性固形分(以下、第2不溶性固形分と称する)の割合は、50重量%以下とすることが好ましく、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
第2不溶性固形分の割合を本発明の加工飲食品に含まれる不溶性固形分全体のうち25重量%以下とすることで、第2不溶性固形分特有のドロドロした喉ごしや食感が軽減されるだけでなく、第1不溶性固形分特有の固形感が強調されて感じられるようになるため、本発明の加工飲食品は、より一層、粗ごしした野菜感、果実感、または濃厚な食感を呈する。
本発明の固形分と関連深い要素として食物繊維がある。食物繊維は、栄養成分表示で炭水化物の代わりに糖質と並んで表示されることがあり、野菜飲料や果汁飲料等でその含有量が表示され、プロスキー法や酵素-HPLC法により分析することができるが、上述の本発明で定義される不溶性固形分や可溶性固形分とは測定原理も測定している対象も異なる。食物繊維の一種に水溶性の難消化性でんぷんがあるが、これを添加または豊富に含む飲食品の食物繊維含有量は多くなるものの水溶性であるために上述のメッシュを通過するために本発明の固形感や粗ごし感の形成にはつながらない。しかし、食物繊維の含有量と上述のメッシュを通過しない不溶性固形分の量との間には一定の相関性が認められるだけでなく、生理的機能による生活習慣病との関連が注目されているため、本発明の加工飲食品に含まれる食物繊維の含有量は、100グラムあたり0.5グラム以上が望ましく、より好ましくは同0.5グラム以上3.0グラム以下の範囲で、健康増進に役立つ、つまり嗜好性や商品としての適性に優れ、また、良好な香味と粗ごし感を呈する加工飲食品が提供される。
本発明の加工飲食品に含まれるベータカロテンの含有量は、100グラムあたり100マイクログラム以上20,000マイクログラム以下が望ましく、より好ましくは同180マイクログラム以上11,000マイクログラム以下の範囲で、栄養価に優れ、色調が好ましく、野菜や果実の感覚を好ましく感じる良好な香味を呈し、飲み易い加工飲食品が提供される。加工飲食品中に含まれるベータカロテンは、例えばニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、パセリ、モロヘイヤ、シソ、シュンギク、メロン、マンゴー、杏、パッションフルーツ、スイカ、グアバ、ビワ、ウメ等に豊富に含まれるが特有の香味を有するために、加工飲食品中の含有量が多過ぎると嗜好性すなわち商品としての適性が低下し、また、加工飲食品中の含有量が少な過ぎても野菜感や果実感が失われ目的の加工飲食品としての嗜好性や商品としての適性が低下するため、上述のような適切なベータカロテンの含有量範囲が、本発明の野菜や果実を粗ごしした食感や濃厚感を付与するために最適である。
本発明の加工飲食品に含まれるリコピンの含有量は、100グラムあたり15ミリグラム以下が望ましく、また3.8ミリグラム以上8ミリグラム以下でより望ましく、この範囲で、栄養価に優れ、色調が好ましい、良好な香味を呈する、つまり嗜好性や商品としての適性に優れた加工飲食品が提供される。加工飲食品中に含まれるリコピンは、トマト、スイカ、メロン、パパイヤ、金時人参等の果実や野菜類、溶剤抽出あるいは濃縮によるトマトオレオレジン(LycoRed社製のLycomato等)のリコピン製剤に含まれるが、これらは本発明の粗ごし感、トマト本来の自然な香味等の官能的特性、原料価格、化学的安定性、種子や果皮等の混入等の観点から、リコピンの原料としてトマト、金時人参が好ましく、中でもトマトがより好ましい。
一方、リコピンは特有の香味を有するが、含有量が多過ぎると所望の野菜果実感や飲み易さに影響を来たし、嗜好性が低下し商品としての適性も低下するため、上述のような適切なリコピンの含有量範囲が、本発明の野菜や果実を粗ごしした食感や濃厚感を付与するために最適である。
日本人はナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と考えられる他、カリウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防、骨粗鬆症予防につながることが動物実験や疫学研究によって示唆されている。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によれば、カリウムの実際の摂取量中央値は摂取目標量を下回っており、より積極的なカリウム摂取が望まれている。野菜や果実には天然のカリウムが豊富に含まれ、これらを処理した飲食品を摂取することで手軽にカリウムの摂取となる。一方で塩化カリウム等の食品添加物によって飲食品中のカリウム含量を高めることができるが、苦味やえぐ味を呈し、例えば飲料の飲み易さに影響を及ぼして嗜好性や商品としての適性が低下するようになるため、適切な含量の調節が不可欠である。本発明の加工飲食品に含まれるカリウムの含有量は、好ましくは100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下の範囲、より好ましくは100ミリグラム以上790ミリグラム以下で、栄養価に優れ、良好な香味を呈し商品としての適性に優れた加工飲食品が提供される。
本発明の加工飲食品に含まれるグルタミン酸の含有量は、0.280重量%以下が望ましく、0.236重量%以下がより望ましく、この範囲で、良好な香味を呈する加工飲食品が提供される。加工飲食品中に含まれるグルタミン酸は旨味や味の厚み等を付与するが、野菜または果実飲料中の含有量が多過ぎると例えば飲料の飲み易さに影響を及ぼして嗜好性が低下し商品としての適性が低下するため、上述のような適切なグルタミン酸の含有量範囲が、本発明の嗜好性の高い加工飲食品を提供するために最適である。
本発明の加工飲食品には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、風味、香味、嗜好性を改善する等の目的で、糖類(砂糖、ぶどう糖果糖液糖、水あめなど)、果汁調整品、野菜汁、pH調整剤、ビタミン類、アミノ酸やその塩類等の調味料、ポリフェノール等の植物抽出物、酸化防止剤、酵素、ペクチン等の安定剤、食塩、塩化カリウム等のミネラル、香辛料、ステビア抽出物などの甘味料、天然色素や合成色素等の着色料、香料、増粘安定剤(カラギナン、ペクチンなど)、水などを加えることができる。このように添加可能な他成分については、例えば、『食品表示マニュアル』(食品表示研究会編集、中央法規出版、平成元年2月改訂)にも記載されている。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
本発明に係る加工飲食品は、野菜搾汁又は/及び果実搾汁を含むが、所望により、前述の糖類以下増粘安定剤までの食品や食品添加物を含んでいてもよい。野菜搾汁及び果実搾汁は、必要に応じて野菜や果物を加熱し、非可食部を除去し、細断し、粉砕する等の工程を経て、圧搾、遠心分離等の工程により、汁液として得たものをいう。他の工程、例えば、ろ過、酵素処理を経ていてもよい。野菜搾汁及び果実搾汁は、ストレートであってもよく、濃縮されたものであってもよい。野菜搾汁及び果実搾汁の原料となる野菜や果物は、例えば、トマト、ニンジン(西洋人参)、リンゴ、オレンジ、ミカン、グレープフルーツ、レモン等の柑橘類、ブドウ、ナシ、ウメ、モモ、イチゴ、メロン、スイカ、パイナップル(パインアップル)、バナナ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴスチン、ドラゴンフルーツ、ドリアン、ノニ、食用サボテン、アロエ、セロリ、パセリ、カボチャ、ウリ、キュウリ、モヤシ、各種スプラウト、ゴボウ、ピーマン、トウガラシ、ナス、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤーコンイモ、ダイコン、カブ、ケール、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ナバナ、コマツナ、ハクサイ、チンゲンサイ、ターサイ、ミズナ、ラディッシュ、クレソン、ルッコラ(ロケット)等のアブラナ科の葉菜根菜花蕾類、レタス、ヨモギ、シュンギク等のキク科の葉菜類、ホウレンソウ、ビート(ビーツ)等のアカザ科の葉菜根菜類、タマネギ、ネギ、ニンニク、チャイブ、ニラ等のユリ科の葉菜根菜類、ダイズ、アズキ、リョクトウ、ヒヨコマメ、レンズマメ、ソラマメ等のマメ科の豆類、コメ、ムギ、雑穀等のイネ科の穀類等を単独または2種類以上を使用することができるが、特に限定されない。
飲料形態とする場合の本発明の加工飲食品に含まれる不溶性固形分の含有量は、飲料として摂取できれば配合量を自由に選択することができ、とくにニンジンやパイナップル等の野菜や果実の粗ごし感や濃厚な食感を十分に呈する配合量であればよく、好ましくは1〜80%、より好ましくは2〜60%、さらに好ましくは3〜50%、一層好ましくは5〜40%であるが、前記加工飲食品は農産加工品であり収穫した季節や産地、品種、果実ならば熟度、保管状況により粗ごし感が変動するため、適宜その配合割合を調節することができる。
上記飲料を容器に詰めて容器詰飲料とすることができる。本発明に係る容器は、飲料に用いられる一般的な容器であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(PETボトル)、ポリプロピレンやポリエチレンを主成分とする成形または非成形容器、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態の容器を使用することができる。容器の形状や色彩も特に限定されず、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定することができる。
特に、不溶性固形分の粒子の大きさや分布を上述した範囲としたことで、容器として金属缶を用いた場合、その開口部に不溶性固形分が詰まることを抑制できる。
このような本発明によれば、ニンジンやパイナップル等の野菜や果実を粗ごししたような濃厚な食感を呈する加工飲食品や容器詰飲料が提供される。
本発明に係る加工飲食品の製造方法は、例えば、次の方法が挙げられる。まず、生ニンジンや生パイナップル等の生の野菜や果実をブランチング処理し、酵素を失活させると共に、青臭さを除去し、柔らかくし、次いで、おろし金で破砕せん断し、パルパーフィニッシャー等で破砕不十分な固形物を除去して適度な固形感を有した粗ごし感のあるピューレ状とする。なお、おろし金の粗面の程度や形状に特に限定はない。これらの代わりに、フードプロセッサー、ハンマークラッシャー、ディスインテグレーター、ダイサー、スライサー、チョッパー、コミトロール、ヒートクラッシャー、グレーダー、ピンミル等を単独または二種類以上を組み合わせて使用することもできる。そして、このピューレ状物を加熱殺菌することで本発明に係る加工飲食品が得られる。
なお、順序は上述したものに限らず、例えば、先に野菜又は果実を摺りおろしてピューレ状とし、その後、熱交換器に流通させるなどして酵素を失活させてもよい。さらに、必要に応じて添加物を混合してもよい。
この加工法では、粗ごし感を付与したい生の野菜や果実の硬さや水分含量、さらにはブランチング処理温度の厳密な調節、またさらには水圧や送液ポンプ等によるダメージを最小限に抑える製造プロセス管理が不可欠である。例えば、生ニンジンは産地や季節によって硬さや水分量が異なるため、その都度ブランチング温度やブランチング時間、パルパーフィニッシャーの網サイズ、送液速度と温度、配管径と圧力等を粗ごし感が適切な範囲内になるよう調節する。具体的には、使用する生ニンジンは剥皮されていてもよく、工程上有利なように数cm程度にカットされていてもよいが、ブランチング温度は90〜100℃が好ましく、ブランチング時間は生ニンジンの大きさに左右されるが3〜20分間が好ましく、5〜15分間がより好ましい。また使用するパルパーフィニッシャーの網サイズは0.8〜3.5mmが好ましく、1.0〜2.0mmがより好ましいが、装置により回転速度や加重圧力に差異が生じるため所望の粗ごし感が得られる適切な網サイズに適宜変更してもよい。
別の製造方法として、生ニンジンや生パイナップル等の生の野菜や果実をヒートクラッシャーにより熱処理と同時に破砕せん断し、パルパーフィニッシャー等で処理したり、パルパーフィニッシャーの代わりにコミトロール処理したり、網目状のスクリーンを予め装着したグレーダーやディスインテグレーター、ヒートクラッシャー等で処理することで、粗ごし感を有するピューレ状物を得ることもできる。このとき、スクリーンの目開きサイズは、所望の粗ごし感を得られるものが使用できるが、例えば、0.5〜5.0mmが好ましく、1.0〜2.0mmを使用することがより好ましいが、装置により回転速度や加重圧力に差異が生じるため所望の粗ごし感を得られるのであれば、上述のサイズに限定されない。そして、このピューレ状物を殺菌することで本発明に係る加工飲食品が得られる。
このような製造方法により、酵素反応による褐変や青臭ささが抑制されて香味が良好で嗜好性が高く、また、ベータカロテンやリコピン特有の香味が適度に調節されて飲み込み易く栄養価や嗜好性に優れ、グルタミン酸等のアミノ酸類の旨味や味の厚みが適度に抑制されて飲み易く嗜好性に優れ、カリウムの苦味や雑味が抑制されて飲み易く嗜好性に優れ、生の野菜や果実そのものを食したようなフレッシュで適度な粗ごし感が付与された濃厚な食感を呈する加工飲食品及び容器詰飲料が製造される。
本発明で使用する野菜搾汁及び/又は果実搾汁は、従来の方法で適宜製造してもよく、また市販の野菜搾汁及び/又は果実搾汁を用いても良い。また、このような野菜搾汁及び/又は果実搾汁を含む加工飲食品の製造方法は、加工飲食品の含有量が1〜80%となるように野菜搾汁及び/又は果実搾汁を混合し、必要に応じて添加物をさらに混合することにより得られる。また、このようにして得られた加工飲食品を容器詰めすることで容器詰飲料が得られる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、適宜調製することができる。また、以下の実施例では、野菜の一例としてニンジンを、果実の一例としてパイナップルを取り上げるが、他の野菜や果実についても本発明の作用効果を奏する。
[実施例A1]
市販のニンジンを96℃の湯に10分間浸漬(ブランチング処理)し、市販のおろし金ですりおろし、1.5mm目開きのブラウン型パルパーフィニッシャー((株)精研社製)を通し均質化し、加熱殺菌して本発明に係る加工飲食品として実施例A1を作製した。
[実施例A2]
市販のニンジンを96℃の湯に7分間浸漬(ブランチング処理)し、ハンマークラッシャー(YARIYA MACHINE WORKS LTD製、タイプ1)で粗破砕し、次いでディスインテグレーター((株)精研社製)でさらに破砕し、1.2mm目開きのブラウン型パルパーフィニッシャー((株)精研社製)を通し、加熱殺菌して本発明に係る加工飲食品として実施例A2を作製した。
[実施例A3]
市販のニンジンを2.0mm目開きのスクリーンを装着したヒートクラッシャー(キッコーマン社製)で、品温95〜100℃の範囲で加熱と同時に破砕せん断し、殺菌して本発明に係る加工飲食品として実施例A3を作製した。
[実施例B1]
飲料用として一般的に使用されるCBトマトペースト、ニンジン濃縮汁、リンゴ濃縮汁、オレンジ濃縮汁、レモン濃縮汁、ピーマン濃縮汁、セロリピューレ、かぼちゃペースト、キャベツ汁、ブロッコリーピューレ、パセリ汁、レタスピューレ、ピーマン濃縮汁、ホウレンソウ汁、ニンニクピューレを定法に従ってそれぞれ調製した。
実施例A1の加工飲食品150g、ニンジン濃縮汁180g、トマトペースト100g、レモン濃縮汁10gとセロリピューレ、ピーマン濃縮汁、キャベツ汁の混合物10gを混合し、加水して1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例B1を作製した。
[実施例B2]
実施例A1の加工飲食品300g、ニンジン濃縮汁100g、トマトペースト40g、リンゴ濃縮汁60g、オレンジ濃縮汁30g、レモン濃縮汁10gを混合し、加水して1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例B2を作製した。
[実施例B3]
完熟した生の加工用トマトを公知の方法で搾汁し、ストレートトマトジュースを調製した(特許文献:特開2003−000179号公報)。
実施例A1の加工飲食品180g、ニンジン濃縮汁150g、トマトペースト40g、レモン濃縮汁10g、ストレートトマトジュース200gを混合し、加水して1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例B3を作製した。
[実施例B4]
実施例A1の加工飲食品60g、ニンジン濃縮汁110g、トマトペースト110g、レモン濃縮汁5gを混合し、加水して1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例B4を作製した。
[実施例B5]
実施例A1の加工飲食品300g、ニンジン濃縮汁80g、ブロッコリーピューレ60g、かぼちゃペースト50g、レモン濃縮汁10g、セロリピューレ、パセリ汁、レタスピューレ、ピーマン濃縮汁、キャベツ汁、ホウレンソウ汁、ニンニクピューレの混合物80gを混合し、加水して1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例B5を作製した。
[実施例C1]
市販のパイナップルの冠芽を除去し洗浄後、剥皮脱芯し、96℃の湯に15分間浸漬(ブランチング処理)し、ハンマークラッシャー(YARIYA MACHINE WORKS LTD製、タイプ1)で粗破砕し、次いでディスインテグレーター((株)精研社製)でさらに破砕し、1.2mm目開きのブラウン型パルパーフィニッシャー((株)精研社製)を通し、加熱殺菌してパイナップルの加工飲食品を作製した。このパイナップル加工飲食品150g、Brix60°のパイナップル透明果汁150g、マンゴーピューレ300g、リンゴ果汁400gを混合し1kgとした後、加熱殺菌して容器詰め飲料である実施例C1を作成した。
[実施例C2]
本発明の実施例A3を1kgに水4kgを加え、定法により殺菌し実施例C2に係る加工飲食品を得た。
[実施例C3]
本発明の実施例A3を1kgに水4kgを加え、定法により殺菌したもの1kgに、Brix36のいわゆるコールドブレイクトマトペーストを水でBrix5.0に希釈したもの1kgに、前記実施例C2を1kgを混合し、定法により殺菌し実施例C3に係る加工飲食品を得た。
[実施例C4]
日本デルモンテ株式会社で育種開発された高リコピン含有加工用トマトを原料に用いて公知の方法(特開2003−000179号)によりトマト搾汁液を得、これを8kgと本発明の実施例A1を2kgとを混合し、定法により殺菌し実施例C4に係る加工飲食品を得た。
[実施例D1]
本発明の実施例C2にリコピン製剤(Lycomate,LycoRed社製)をリコピン濃度が50mg/100gとなるよう添加し、定法により殺菌し実施例D1に係る加工飲食品を得た。
[実施例D2]
本発明の実施例B2に食品添加物の塩化カリウム、グルタミン酸をそれぞれ1000mg/100g、0.3%の濃度となるよう添加し、定法により殺菌し実施例D2に係る加工飲食品を得た。
[実施例D3]
実施例C1で調製したパイナップル加工飲食品100g、生パイナップル搾汁液200g、食添用塩化カリウム15g、香料を適量加え、水を加え総量を1kgとし、定法により殺菌し実施例D3に係る加工飲食品を得た。
[実施例D4]
実施例A3で調製したニンジン加工飲食品200g、ニンジン濃縮汁100g、グルタミン酸1g、食添用ニンジンカロテン、香料、水を加え総量を1kgとし、定法により殺菌し実施例D4に係る加工飲食品を得た。
[比較例1]
市販の飲料を用意して比較例とした。市販のトマトジュースであるデルモンテ社製のトマトジュース(濃縮還元)を比較例1とした。
[比較例2]
市販の野菜ミックス濃縮ジュースであるA社製の製品1を比較例2とした。
[比較例3]
市販の野菜ミックス濃縮ジュースであるA社製の製品2を比較例3とした。
[比較例4]
市販の濃縮トマト飲料であるB社製の製品3(濃縮トマト還元)を比較例4とした。
[比較例5]
市販のトマトジュースであるB社製の製品4(濃縮トマト還元)を比較例5とした。
[比較例6]
市販の野菜混合飲料であるB社製の製品5を比較例6とした。
上述した実施例及び比較例について次のように試験例1〜7を実施した。結果を図1に示す。
[試験例1]
各実施例及び比較例について、不溶性固形分の割合を測定した。具体的には、上から順番に6.5メッシュ、10メッシュ、16メッシュ、20メッシュ、35メッシュの各篩を直列に設置し、実施例及び比較例各100gと水200gとを混和したものをこれらの篩にかけ、10分間静置後に(1)6.5メッシュの篩を通過し10メッシュの篩を通過しないもの、(2)10メッシュの篩を通過し16メッシュの篩を通過しないもの、(3)16メッシュの篩を通過し20メッシュの篩を通過しないもの、(4)20メッシュの篩を通過し35メッシュの篩を通過しないものをそれぞれ計量した。そして、試験に用いた実施例及び比較例の総量(ここでは100g)に対する各(1)〜(4)の割合を不溶性固形分の割合とした。例えば、実施例A1では、(1)の不溶性固形分の割合が75重量%、同(2)が8重量%、同(3)が4重量%、同(4)が8重量%であった。
[試験例2]
被検サンプルをアルカリによるけん化、次いでヘキサンと酢酸エチルからなる有機溶剤を用いて試料からベータカロテンを抽出し、栄養表示基準で一般の食品に用いるベータカロテンの分析方法により、試料100gあたりの重量(μg)で求めた。
[試験例3]
栄養表示基準で一般の食品中の食物繊維の分析に用いる方法であるプロスキー法または酵素−HPLC法で行い、試料100gあたりの重量(g)で求めた。
[試験例4]
ヘキサンとアセトンからなる有機溶剤を用いて試料からリコピンを抽出し、吸光度法により測定した(非特許文献1、2)。
非特許文献1:トマト加工品・ソース類・食酢関係PART1、分析便覧、8−10頁、昭和56年、財団法人全国トマト加工品・調味料検査協会発行
非特許文献2:新・食品分析法、643−647頁、平成8年、日本食品科学工学会発行
[試験例5]
原子吸光分析の原理により、原子吸光光度計(島津製作所製、AA−6200型)を用いてカリウム濃度を測定した。測定データは試料100gあたりの重量(mg)で求めた。
[試験例6]
HPLC−ポストカラム−ニンヒドリン発色の原理により定法によりグルタミン酸濃度を測定した。日立社製のアミノ酸自動分析計L−8900型を使用し、試料中の重量%濃度にて算出した。
[試験例7]
本発明の飲食品の官能評価試験は、4人のパネラーに委託して行い、各項目を以下に示す基準で評価したものである。ここで、表中の数値は、4人のパネラーの評価の平均値である。
<粗ごし感>
5:強く感じる
4:感じる
3:わずかに感じる
2:ほとんど感じられない
1:感じられない
<野菜または果実感(「野菜果実感」とも称する。)>
5:十分に感じる
4:感じる
3:わずかに感じる
2:あまり感じられない
1:全く感じられない
<飲み易さ>
5:とても飲みやすい
4:飲みやすい
3:やや飲みやすい
2:やや飲みづらい
1:飲みづらい
<総合評価>
各評価項目を総合的に勘案して、商品としての適性を評価した。
◎:商品としての適性に非常に優れている。具体的には、粗ごし感及び野菜果実感が4以上であり、かつ、飲み易さが5である。
○:商品としての適性に優れている。具体的には、粗ごし感及び野菜果実感が5であり、かつ、飲み易さが3以上であるか、又は粗ごし感及び野菜果実感が3以上であり、かつ、飲み易さが4以上である。
◇:商品としての適性はやや優れている。具体的には、粗ごし感又は野菜果実感の何れか一方が3以上5未満であり、かつ、飲み易さが3以上4未満である。
△:商品としての適性に劣っている。具体的には、粗ごし感及び野菜果実感の何れもが2未満であり、かつ、飲み易さが5であるか、又は粗ごし感及び野菜果実感の何れもが2以下であり、かつ飲みやすさが4である。
×:商品としての適性に明らかに劣っている。具体的には、粗ごし感及び野菜果実感の何れもが2未満である。
試験例1によれば、比較例1〜比較例6は、第1不溶性固形分の割合が何れも6重量%以下であった。これに対し、実施例A1〜実施例A3、実施例B1〜B5、実施例C1〜C4、実施例D1〜D4は、第1不溶性固形分の割合が少なくとも10重量%以上であった。そして、試験例7によれば、比較例1〜比較例6は何れも粗ごし感及び野菜果実感が得られないのに対し、全ての実施例は粗ごし感及び野菜果実感が3以上であり、総合評価が◇、○、◎の何れかであり、商品としての適性に優れる加工飲食品であった。
これにより、第1不溶性固形分の割合が少なくとも10重量%以上であれば、粗ごし感及び野菜果実感を強く得られる加工飲食品が提供されることが分かった。
また、全実施例のうち、実施例A1〜実施例A3、実施例B1〜B3、実施例C1、C4、実施例D2は、6.5メッシュの篩を通過し、10メッシュの篩を通過しない不溶性固形分の割合が10重量%以上であった。そして、それらの実施例の何れもが、粗ごし感及び野菜果実感が4以上であった。換言すると、それらの実施例以外、すなわち、実施例B4、C2、C3、D1、D3、D4は、粗ごし感又は野菜果実感の少なくとも一方が4未満となっている。
これにより、不溶性固形分のうち、6.5メッシュの篩を通過し、10メッシュの篩を通過しない不溶性固形分の割合が10重量%以上であれば、より確実に粗ごし感及び野菜果実感のある加工飲食品を得られることが分かった。
また、実施例C3、C4は、第2不溶性固形分の割合が25重量%より多かった。これに対し、実施例A1〜実施例A3、実施例B1〜B5、実施例C1〜C2は、第2不溶性固形分の割合が25重量%以下であった。そして、試験例7によれば、実施例C3、C4は、総合評価としては◇であるのに対し、実施例A1〜A3、実施例B1〜B5、実施例C1〜C2は、総合評価が◎又は○である加工飲食品を得られることが分かった。
これにより、第2不溶性固形分の割合が少なくとも25重量%以下であれば、総合評価の高い、すなわち、商品適性に優れた加工飲食品を得られることが分かった。
なお、実施例D1〜D4については、第2不溶性固形分の割合が25重量%以下でありながらも総合評価は◇となっている。これは、後述するように、ベータカロテン、リコピン、カリウム、グルタミン酸の添加量を実証するために敢えてそれらを多めに添加したものであるため、総合評価が◇となってしまったものである。したがって、ベータカロテン、リコピン、カリウム、グルタミン酸を添加しない、又は適正な添加量であれば、上述したように、第2不溶性固形分の割合が少なくとも25重量%以下とすることで、総合評価の高い加工飲食品を得られる。
また、試験例2の結果、実施例A1〜実施例A3、実施例B1〜B5、実施例C1〜C4、実施例D1〜D2に含有されるベータカロテンの含有量は、100グラムあたり100マイクログラム以上20000マイクログラム以下であった。これらの実施例は、試験例7に示すように、粗ごし感及び野菜果実感が得られ、総合評価が◇、○、◎である加工飲食品であった。
一方、実施例D3は、総合評価が◇であり、ベータカロテンの含有量が100グラムあたり70マイクログラムであり、100マイクログラム未満である。この実施例D3は、総合評価が◇である実施例C3、C4と比較すると野菜果実感が相対的に弱く(3)なることが分った。
また、実施例D4は、総合評価が◇であり、ベータカロテンの含有量が100グラムあたり22000マイクログラムであり、20000マイクログラムを超えている。この実施例D4は、総合評価が◇である実施例C3、C4と比較すると、カロテン特有の香味が官能で感じられた結果、配合したニンジン量が多いにもかかわらず野菜果実感の評価が比較的低いことが分かった(3.5)。
上述した試験例1、試験例2及び試験例7の結果によれば、第1不溶性固形分が10重量%以上であり、ベータカロテンの含有量が100グラムあたり100〜20000マイクログラムという条件であれば、粗ごし感を有し、また、野菜や果実の濃厚感(すなわち、野菜果実感である。)及び飲食品としての嗜好性(すなわち、官能検査の総合評価に優れる)もより明確に有し、さらには、商品としての適性(すなわち、総合評価が○、◎である。)がより好ましい加工飲食品を得られることが分かった(実施例A1〜A3、B1〜B5、C1、C2)。
または、前記条件であれば、商品としての適性がやや優れていると評価される場合(総合評価が◇である。)であっても、野菜果実感が4以上(実施例C3、C4)の優れた加工飲食品を得られることが分かった。
なお、実施例D1〜D2は、後述するように、リコピン、食物繊維、カリウム、グルタミン酸の含有量を実証するために、敢えてそれらを極端に多く、又は極端に少なくしたものである。このようなリコピン、食物繊維、カリウム、グルタミン酸の調整により総合評価が◇となっているため、ベータカロテンの含有量に関する考察対象から外した。
図2は図1の一部を抜粋したものであり、ベータカロテンの含有量で並び替えてある。ベータカロテンは、野菜果実感と飲み易さに影響を与えるものであるところ、試験例2により得たベータカロテンの含有量については次のことが分かった。すなわち、野菜果実感と飲みやすさの和を評価点とすると、実施例A1〜A3、実施例B1〜B5、実施例C4のベータカロテンの含有量は100グラムあたり180マイクログラム以上11000マイクログラム以下であり、何れも評価点が8以上であることが分かった。
よって、ベータカロテンの含有量が100グラムあたり180マイクログラム以上11000マイクログラム以下であれば、より一層、野菜果実感と飲みやすさに優れた加工飲食品が得られることが分かった。
なお、実施例C2、C3、D1、D2はベータカロテンの含有量が100グラムあたり180マイクログラム以上11000マイクログラム以下でありながら、評価点が8未満である。これらの実施例は、以下に述べる理由により、上記数値範囲の根拠としていない。
実施例C2は、リコピンが0.0mg/100g、食物繊維(0.5g/100g)とカリウム(101mg/100g)が下限のために野菜果実感が低下しため、評価点が7であった。
実施例C3は、第1不溶性固形分の含有量の下限である10重量%に近いために野菜果実感が低下し、第2不溶性固形分の含有量が25%を超えるために飲み易さが低下したため、評価点が7.5であった。
実施例D1は、リコピンが過剰(51.7mg/100g)で野菜果実感と飲み易さが低下し、かつ、カリウムが少なく飲み易さが低下したため、評価点が6.5であった。
実施例D2は、カリウム及びグルタミン酸が過剰で野菜果実感と飲み易さが低下したため、評価点が7であった。
このように、実施例C2、C3、D1、D2は、ベータカロテン以外の成分の含有量が野菜果実感や飲みやすさを低下させてしまっているため、ベータカロテンの数値範囲の根拠としなかった。
また、試験例3の結果、実施例A1〜実施例A3、実施例B1〜B5、実施例C1〜C4、実施例D2〜D4に含有される食物繊維の含有量が100グラムあたり0.5グラム以上であった。これらの実施例は、試験例7に示すように、総合評価が◎又は○である。または、総合評価が◇であり、粗ごし感及び野菜果実感の少なくとも一方が4以上である。または、総合評価が◇であり飲みやすさが3を超えている。
一方、試験例3の結果、実施例D1に含有される食物繊維の含有量は、100グラムあたり0.4グラムであり、0.5グラム未満であった。実施例D1は、試験例7に示すように、粗ごし感及び野菜果実感の何れもが4未満であり、飲みやすさも3以下であり、総合評価が◇である加工飲食品であった。
上述した試験例1、試験例3及び試験例7の結果によれば、第1不溶性固形分が10重量%以上であり、食物繊維の含有量が100グラムあたり0.5グラム以上という条件であれば、より一層、粗ごし感、野菜果実感及び飲みやすさに優れ、飲食品としての嗜好性を有し、さらには、栄養価に優れ、商品としての適性(すなわち、総合評価が○、◎である。)が好ましい加工飲食品を得られることが分かった(実施例A1〜A3、B1〜B5、C1〜C2)。
または、前記条件であれば、商品としての適性がやや優れていると評価される場合(総合評価が◇である。)であっても、粗ごし感及び野菜果実感の少なくとも一方が4以上(実施例C3、C4、D2)、又は飲みやすさが3(実施例D3、D4)を超えて優れた加工飲食品を得られることが分かった。
特に、第1不溶性固形分が10重量%以上であり、食物繊維の含有量が100グラムあたり2.4グラム以上3.0グラム以下という条件であれば、より一層、粗ごし感及び野菜果実感に優れた加工飲食品を得られることが分かった(実施例A1〜A3)。
図3は図1の一部を抜粋したものであり、リコピンの含有量で並び替えてある。リコピンは、野菜果実感と飲み易さに影響を与えるものであるところ、試験例4により得たリコピンの含有量については次のことが分かった。すなわち、実施例A1〜A3、実施例B1〜B5、実施例C1、C3〜C4のリコピンの含有量は100グラムあたり15.0ミリグラム以下であり、何れも評価点が7.5以上であることが分かった。
よって、リコピンの含有量が100グラムあたり15ミリグラム以下であれば、より一層、野菜果実感と飲みやすさに優れた加工飲食品が得られることが分かった。
なお、実施例C2、D2〜D4はリコピンの含有量が100グラムあたり15ミリグラム以下でありながら、評価点が7.5未満(図1参照)である。これらの実施例は、以下に述べる理由により、上記数値範囲の根拠としていない。
実施例C2は、リコピンがゼロ、食物繊維とカリウムが下限のために野菜果実感が低下しため、評価点が7であった。
実施例D2は、カリウム及びグルタミン酸が過剰で野菜果実感と飲み易さが低下したため、評価点が7であった。
実施例D3は、ベータカロテンが過小で野菜果実感と飲みやすさが低下し、かつカリウムがやや多く飲みやすさが低下したため、評価点が6.5であった。
実施例D4は、ベータカロテンが過剰でグルタミン酸が多いために野菜果実感と飲み易さが低下したので、評価点が7であった。
このように、実施例C2、D2〜D4は、リコピン以外の成分の含有量が野菜果実感や飲みやすさを低下させてしまっているため、リコピンの数値範囲の根拠としなかった。
また、実施例B1〜B3によれば、リコピンの含有量が100グラムあたり3.8ミリグラム以上8.0ミリグラム以下とし、かつ、ベータカロテンの含有量を100グラムあたり2200マイクログラム以上4900マイクログラム以下とすることで、評価点が10であり、野菜果実感及び飲みやすさに最も優れた加工飲食品が得られることが分かった。
図4は図1の一部を抜粋したものであり、カリウムの含有量で並び替えてある。カリウムは、飲み易さに影響を与えるものであるところ、試験例5により得たカリウムの含有量については次のことが分かった。すなわち、実施例D2のカリウムの含有量は100グラムあたり1045ミリグラムであって1000ミリグラムを超えており、飲みやすさが3であった。実施例B1〜B3、B5、実施例C1、D3のカリウムの含有量は100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下であり、何れも飲みやすさが3を超えていることが分かった。
よって、カリウムの含有量が100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下であれば、飲みやすさに優れた加工飲食品が得られることが分かった。さらに、カリウムの含有量が100グラムあたり100ミリグラム以上790ミリグラム以下であれば、飲みやすさが3.5以上となり、より一層、優れた加工飲食品が得られることが分かった。
なお、実施例A1〜A3、B4、C2〜C4、D1、D4はカリウムの含有量が100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下でありながら、飲みやすさが3〜4のものもある。これらの実施例は、以下に述べる理由により、上記数値範囲の根拠としていない。
実施例A1〜実施例A3は、第1不溶性固形分が60重量%を超え、流動性が低下するために飲みやすさが低下したため、飲みやすさが3であった。
実施例B4は、リコピンがやや多く、飲みやすさが4であった。
実施例C2は、食物繊維が下限のために、飲みやすさが4であった。
実施例C3及びC4は、第2不溶性固形分が25重量%以上であるため、どろどろしたので飲みやすさが3.5であった。
実施例D1は、リコピンが過剰であり、特有臭がするので飲みやすさが3であった。
実施例D4は、ベータカロテンが過剰で特有臭がするので飲みやすさが3.5であった。
このように、実施例A1〜A3、B4、C2〜C4、D1、D4はカリウム以外の成分の含有量が飲みやすさを低下させてしまっているため、カリウムの数値範囲の根拠としなかった。
また、実施例B1〜B3、C1によれば、カリウムの含有量が100グラムあたり240ミリグラム以上425ミリグラム以下とし、かつ、ベータカロテンの含有量を100グラムあたり180マイクログラム以上4900マイクログラム以下とすることで、飲みやすさが5であり、飲みやすさに最も優れた加工飲食品が得られることが分かった。
図5は図1の一部を抜粋したものであり、グルタミン酸の含有量で並び替えてある。グルタミン酸は、飲み易さに影響を与えるものであるところ、試験例6により得たグルタミン酸の含有量については次のことが分かった。すなわち、実施例D2のグルタミン酸の含有量は0.287重量%であって0.280重量%を超えており、飲みやすさが3であった。実施例B1〜B3、B5、C1、D4のグルタミン酸の含有量は0.280重量%以下であり、何れも飲みやすさが3を超えていることが分かった。
よって、グルタミン酸の含有量が0.280重量%以下であれば、飲みやすさに優れた加工飲食品が得られることが分かった。さらに、グルタミン酸の含有量が0.236重量%以下であれば、飲みやすさが3.5以上であり、より一層、優れた加工飲食品が得られることが分かった。
なお、実施例A1〜A3、B4、C2〜C4、D1、D3はグルタミン酸の含有量が0.280重量%以下でありながら、グルタミン酸以外の成分の含有量が飲みやすさを低下させてしまっているため、飲みやすさが3〜4に低下しているものもある。これらの実施例は、以下に述べる理由により、上記数値範囲の根拠としていない。
実施例A1〜実施例A3は、第1不溶性固形分が60重量%を超え、流動性が低下するために飲みやすさが低下したため、飲みやすさが3であった。
実施例B4は、リコピンがやや多く、飲みやすさが4であった。
実施例C2は、食物繊維が下限で少ないために、飲みやすさが4であった。
実施例C3及びC4は、第2不溶性固形分が25重量%以上であるため、どろどろしたので飲みやすさが3.5であった。
実施例D1は、リコピンが過剰であり、特有臭がするので飲みやすさが3であった。
実施例D3は、カリウムが多く、やや苦みを感じるので飲みやすさが3.5であった。
このように、実施例A1〜A3、B4、C2〜C4、D1、D3はグルタミン酸以外の成分の含有量が飲みやすさを低下させてしまっているため、グルタミン酸の数値範囲の根拠としなかった。
また、実施例B1〜B3、C1によれば、グルタミン酸の含有量が0.023重量%以上0.137重量%以下とし、かつ、ベータカロテンの含有量を100グラムあたり180マイクログラム以上4900マイクログラム以下とすることで、飲みやすさが5であり、飲みやすさに最も優れた加工飲食品が得られることが分かった。

Claims (9)

  1. 野菜または果実を破砕して得られた不溶性固形分を含む加工飲食品であって、
    6.5メッシュの篩を通過し、かつ16メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が10重量%以上であり、
    16メッシュの篩を通過し、かつ35メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が25重量%以下である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  2. 請求項1に記載する加工飲食品において、
    6.5メッシュの篩を通過し、かつ10メッシュの篩を通過しない前記不溶性固形分の割合が10重量%以上である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  3. 請求項1又は請求項に記載する加工飲食品において、
    ベータカロテンの含有量は、100グラムあたり100マイクログラム以上20000マイクログラム以下である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  4. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品において、
    食物繊維の含有量は、100グラムあたり0.5グラム以上である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  5. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品において、
    リコピンの含有量は、100グラムあたり15ミリグラム以下である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  6. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品において、
    カリウムの含有量は、100グラムあたり100ミリグラム以上1000ミリグラム以下である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  7. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品において、
    グルタミン酸の含有量は、0.280重量%以下である
    ことを特徴とする加工飲食品。
  8. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品において、
    野菜搾汁又は/及び果実搾汁とを含む
    ことを特徴とする加工飲食品。
  9. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載する加工飲食品が容器に封入されたことを特徴とする容器詰飲料。
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