JP6821843B1 - 緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料 - Google Patents

緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】酸性であっても鮮やかな緑色を保持することができる緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料を提供することを目的とする。【解決手段】水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、緑色系飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料に関する。
近年の食生活の変化に伴い、現代人は野菜の摂取量が減少する傾向にある。そのような野菜不足を、野菜を搾汁して野菜飲料として手軽に摂取することで補う動きがある。また、緑黄色野菜の代わりに、いわゆる青汁と呼ばれているケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉などの緑色植物が食品素材として人気が高まっている。これらの緑色植物は食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などに富み、健康食品素材として注目を浴びている。
中でも大麦若葉は青汁の代表的な素材であり、大麦若葉や茎部を微粉砕して得た液状の大麦若葉の青汁、大麦若葉や茎部をそのまま乾燥粉末化した大麦若葉乾燥粉末、さらに搾汁を濃縮化あるいは乾燥粉末化して得られたペースト状のものや搾汁乾燥粉末など、多様な形態の青汁食品が提案されている。しかしながら、乾燥粉末形態は、食物繊維がまるごと入って健康に良い反面、飲用前に水に溶解させるなどの手間がかかる。また水に溶かしても繊維分がザラザラした食感となり、のど越しが悪いため飲用しにくいといった問題がある。
一方で、青汁を容器詰飲料にすると、野菜飲料のように手軽に摂取できるが、常温で保存すると青汁特有の鮮やかな緑色が保持できず、商業的販売には適さなかった。加えて青汁自体はえぐみや苦味といった、味・臭いに関する欠点が問題となっており、青汁食品として改良が求められている。
例えば、特許文献1には、所定量のクロロフィル含有植物と所定量のデンプンとを含む緑色系飲料が、褐変が低減し、自然で鮮やかな緑色を保持し、かつ沈殿や風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料として提供できることが開示されている。また、特許文献2には、流通温度帯がチルド帯である容器詰緑色野菜含有飲料として、緑色野菜の破砕物を含み、製造から11日後の−a/b値やpHが所定の範囲である飲料が、野菜本来の風味及び色合いを両立しうることが開示されている。
特開2019−013253号公報 特開2019−047796号公報
ところで、上記のような緑色植物の粉砕物を含む緑色系飲料をより飲みやすくするために、pHを下げた酸性の緑色系飲料について検討をしたところ、特許文献1及び2に記載の従前の方法では、鮮やかな緑色を保持することが困難であることが分かってきた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、酸性であっても鮮やかな緑色を保持することができる緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の工程を経て得られる緑色系飲料が、上記課題を解決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、
前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、
前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
緑色系飲料の製造方法。
〔2〕
前記混合工程において、前記銅添加物として、銅酵母を混合する、
〔1〕に記載の緑色系飲料の製造方法。
〔3〕
前記緑色植物が、大麦若葉、ケール、ほうれん草、茶、及びスピルリナからなる群より選択される緑色植物である、
〔1〕又は〔2〕に記載の緑色系飲料の製造方法。
〔4〕
前記緑色植物が、大麦若葉及びスピルリナを少なくとも含む、
〔3〕に記載の緑色系飲料の製造方法。
〔5〕
前記混合工程において、果汁をさらに混合し、
前記果汁の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、3.0質量%以上80質量%以下である、
〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
〔6〕
着色料を添加しない、
〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
〔7〕
水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、
前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、
前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
緑色系飲料の緑色保持方法。
〔8〕
水と、緑色植物の粉砕物を、銅添加物と、を含む緑色系飲料であって、
前記緑色系飲料は、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱して殺菌されたものであり
前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
緑色系飲料。
本発明によれば、酸性であっても鮮やかな緑色を保持することができる緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔緑色系飲料の製造方法〕
本実施形態の緑色系飲料の製造方法は、水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、緑色植物の粉砕物の含有量が、緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、銅添加物として添加される銅の含有量が、緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である。
〔混合工程〕
混合工程は、水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して、緑色系飲料を得る工程である。なお、混合工程においては、必要に応じて、果汁、多糖類、各種ビタミンなどその他の添加剤を混合してもよい。混合工程における混合方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。また、各成分の添加順序についても、特に制限されない。
粉砕物として用いる緑色植物としては、大麦若葉、ほうれん草、茶、スピルリナ、ケール、小松菜、パセリ、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、モロヘイヤ、メキャベツ、ボタンボウフウ、ブロッコリー、大根葉、シソなどのクロロフィルを含む葉物類が挙げられる。緑色植物は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
このなかでも、大麦若葉、ほうれん草、茶、ケール、ブロッコリー、大根葉、シソ及びスピルリナからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、大麦若葉、ケール、ほうれん草、茶、及びスピルリナからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、大麦若葉がさらに好ましい。さらに、緑色植物を2種以上用いる場合、大麦若葉及びスピルリナが好ましく、大麦若葉、茶、及びスピルリナがより好ましい。このような緑色植物を用いることにより、鮮やかな緑色が維持される傾向にある。特に、青緑に近いスピルリナを他の緑色植物と併せて用いることで、鮮やかな緑色が維持される傾向にある。
緑色植物の粉砕物の製造方法は、特に制限されず緑色植物の種類に応じた公知の方法を用いることができる。例えば、上記緑色植物の搾汁液を乾燥して粉砕物として用いてもよいし、緑色植物の葉部や茎部等の可食部をそのまま乾燥後、ミル及び臼等の機械的手法により粉末化したものや、同様に葉部や茎部等の可食部を搾汁して、乾燥粉末化したものを用いてもよい。
粉砕物の粒子径は、好ましくは3〜100μmであり、好ましくは5〜50μmであり、好ましくは8〜30μmである。粉砕物の粒子径が上記範囲内であることにより、緑色系飲料中の分散性がより向上し、得られる緑色系飲料の外観より向上する傾向にある。
緑色植物の粉砕物の含有量は、緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下である。緑色植物の粉砕物の含有量が上記範囲内であることにより、期待される栄養成分を十分摂取することができ、かつ味覚上及び緑色保持の観点からも良好である。また、pHが、2.0以上4.6以下である酸性の緑色系飲料においては、緑色植物の粉砕物の含有量が5.0質量%を超えると、濃厚さが顕著となり、香味が徐々に損なわれる傾向にあるため、上記範囲が好ましい。
銅添加物としては、銅イオンを供給できる可食性のものであれば特に制限されないが、例えば、グルコン酸銅、硫酸銅等の銅塩類、銅酵母、銅含有乳酸菌が挙げられる。このなかでも、混合工程において銅酵母を添加することが好ましい。このような銅添加物を用いることにより、食品原料として安全に添加できるうえ、がより向上する傾向にある。
銅添加物として添加される銅の含有量は、緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、好ましくは0.5ppm以上50ppm以下であり、より好ましくは0.5ppm以上20ppm以下である。銅の含有量が0.5ppm以上であることにより、緑色系飲料の緑色がより維持される。また、銅の含有量が100ppm以下であることにより、緑色系飲料の飲みやすさがより向上する。銅の含有量は、ICP発光分析法により測定することができる。
緑色系飲料のpHは、2.0以上4.6以下であり、好ましくは2.5以上4.5以下であり、より好ましくは3.0以上4.3以下である。緑色系飲料のpHが2.0以上であることにより、緑色系飲料を安全に飲むことができ、また、緑色系飲料のpHが4.6以下であることにより、緑色系飲料の飲みやすさがより向上する。
緑色系飲料のpHを調整する方法としては、特に制限されないが、例えば、公知のpH調整剤を添加する方法の他、酸性成分を添加する方法が挙げられる。公知のpH調整剤としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、又はこれらの塩等の有機酸成分や、リン酸又はその塩などの無機酸成分が挙げられる。また、通常は後述する殺菌工程前後でpHに変化はないが、誤差程度変化するとしても混合工程と殺菌工程でpHが上記範囲の緑色系飲料を調整することが好ましい。
また、酸性成分としては、上記酸を含んでもよい果汁や発酵乳などを用いることができる。果汁としては、特に制限されないが、例えば、りんご、ぶどう、パインアップル、マンゴー、ピーチ、カンキツ類などが挙げられる。このような果汁を用いることにより、飲みやすいフルーツ緑色系飲料を提供することができる。他方、限定するものではないが、ベリー類等は、緑色を打ち消す傾向が強いため、多量には含まれないことが好ましい。なお、果汁は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このなかでも、混合工程において果汁を添加することが好ましい。これにより、これまで青汁を飲んでいなかった需要者層にとっても飲みやすいフルーツ緑色系飲料を提供することができ、新たな商品群を提供することが可能となる。また、特に、フルーツ緑色系飲料においては、pHが低くなり飲料が酸性となるため、鮮やかな緑色を保持することが困難という上述の問題が生じやすい。そのため、本発明が特に有用となる。
果汁を添加する場合その果汁の含有量は、緑色系飲料の総量に対して、ストレート果汁換算で好ましくは3.0質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以上75質量%以下であり、さらに好ましくは7.5質量%以上72質量%以下である。果汁の含有量が上記範囲内であることにより、より飲みやすくなるほか、期待される栄養成分を十分摂取することができ、かつ緑色保持の観点からも良好となる傾向にある。
水の含有量は、緑色系飲料の総量に対して、好ましくは70質量%以上98質量%以下であり、より好ましくは75質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上90質量%以下である。なお、ここでいう水の含有量は、上記果汁やその他の含水成分の添加によって加えられる水の総量をいう。
多糖類としては、特に制限されないが、例えば、ペクチン、カラギナン、ガラクトマンナン、キサンタンガム、メチルセルロースなどが挙げられる。また、各種ビタミンとしては、特に制限されないが、例えば、ビタミンE、ビタミンAやビタミンCなどが挙げられる。このなかでも、抗酸化剤としてビタミンCを含むことが好ましい。
混合工程において着色料を添加せず、本実施形態の緑色系飲料は着色料を含まないことが好ましい。なお、ここで着色料とは、上記各成分のように種々の他の目的により添加されるものではなく、着色のみを主たる目的として添加される人工着色料等をいう。これにより、より安全性が高く自然な状態の緑色系飲料を提供することができる。
〔殺菌工程〕
殺菌工程は、緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する工程である。食品の製造方法においては、食品衛生法に定められた殺菌条件で殺菌処理を行う必要がある。殺菌方法には、レトルト殺菌等の間接殺菌と飲料に高温の蒸気を封入する直接殺菌とがあるが、本発明における容器詰青汁飲料の殺菌方法は直接殺菌である。本実施形態の製造方法の上記加熱条件による殺菌は、食品衛生法に定められる高温短時間殺菌(UHT殺菌)に分類される。
加熱温度は、100℃以上150℃以下であり、好ましくは105℃以上145℃以下であり、より好ましくは120℃以上140℃以下である。また、加熱時間は、5秒以上120秒以下であり、好ましくは5秒以上60秒以下であり、より好ましくは5秒以上30秒以下である。このような条件で殺菌工程を行うことにより、緑色系飲料がより維持される。
緑色系飲料を充填する容器としては、特に制限されないが、例えば、金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PET容器、紙容器、ガラス瓶等を挙げることができる。また、緑色系飲料は、濃縮加工したものを容器詰したもの(コンク)であっても、購入後にそのまま飲用することができるRTD(Ready To Drink)であってもよい。
〔緑色系飲料〕
本実施形態の緑色系飲料は、水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を含み、緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である。
本実施形態の緑色系飲料は、そのまま濃縮又は加水して飲料としてもよいし、他の容器詰飲料の原料として用いることもできる。
〔緑色系飲料の緑色保持方法〕
本実施形態の緑色系飲料の緑色保持方法は、水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である。
緑色保持方法の各工程は、上述の製造方法と同様にすることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
大麦若葉の粉砕物0.1質量部と、銅酵母を添加される銅の含有量が1ppmとなる量と、白ブドウ果汁10.3質量部と、各成分の合計が100質量部となる量の水と、を混合して緑色系飲料を得た。その後、108℃で30秒の条件で高温短時間殺菌(UHT)を行った。なお、高温短時間殺菌(UHT殺菌)は、パワーポイント社製、製品名小型連続式UHT装置を用いて行った。
上記のようにして得られた緑色系飲料の、殺菌前、殺菌直後、及び所定期間保管した後のそれぞれの色度を色度計(日本電色工業社製、製品名分光色差計 SE2000)で測定した。色度をLabで表した場合において、−a/b値を緑色度の指標として用いた。この指標を用いて、殺菌後の−a/b値から殺菌前の−a/b値を引いた値Δ1と、保管後の−a/b値から殺菌前の−a/b値を引いた値Δ2とを算出し、下記評価基準に基づいて殺菌直後及び所定期間保管した後の緑色系飲料の色度を評価した。
(殺菌後又は保管後の色度変化の評価)
A:値Δ1又は値Δ2が、0.20以上
B:値Δ1又は値Δ2が、−0.20以上0.20未満
C:値Δ1又は値Δ2が、−0.20未満
(殺菌後又は保管後の色度の評価)
A:殺菌後又は保管後の−a/b値が、0.80以上1.30以下
B:殺菌後又は保管後の−a/b値が、0.40以上0.80未満、又は、1.30超過1.70未満
C:殺菌後又は保管後の−a/b値が、0.40未満、又は、1.70超過
また、緑色系飲料の殺菌後のBrixを光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて測定し、pHを、堀場製作所製 F−52を用いて測定した。その結果を表1に示す。
〔実施例2〜8及び比較例1〜2〕
混合した成分及び殺菌条件などを下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、緑色系飲料を得た。得られた緑色系飲料の色度及びBrixの結果を表1に示す。
〔比較例3〜10〕
混合した成分及び殺菌条件などを下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、飲料を得た。得られた飲料の色度及びBrixの結果を表2に示す。
−:未測定
〔実施例9〜11〕
混合した成分及び殺菌条件などを下記表3に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、飲料を得た。得られた飲料の色度及びBrixの結果を表3に示す。
〔比較例11〕
混合した成分及び殺菌条件などを下記表4に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、飲料を得た。得られた飲料の色度の結果を表4に示す。
〔実施例12及び比較例12〜13:果汁量が多い例〕
大麦若葉の粉砕物0.1質量部と、銅酵母を添加される銅の含有量が1ppmとなる量と、白ブドウ果汁70質量部と、各成分の合計が100質量部となる量の水と、を混合して緑色系飲料を得た。その後、126℃で30秒の条件で高温短時間殺菌(UHT)を行った。なお、高温短時間殺菌(UHT殺菌)は、パワーポイント社製、製品名小型連続式UHT装置を用いて行った。得られた飲料の色度の結果を表5に示す。
果汁量を多くすると、果汁の色味などの影響により、果汁量の少ない例よりも緑色を保持することが難しくなる傾向にある。しかしながら、それでも本発明によれば、比較的緑色を保持することができた。
本発明は、緑色植物の粉砕物を用いた緑色系飲料の製造方法として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、
    前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、
    前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
    前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
    緑色系飲料の製造方法。
  2. 前記混合工程において、前記銅添加物として、銅酵母を混合する、
    請求項1に記載の緑色系飲料の製造方法。
  3. 前記緑色植物が、大麦若葉、ケール、ほうれん草、茶、及びスピルリナからなる群より選択される緑色植物である、
    請求項1又は2に記載の緑色系飲料の製造方法。
  4. 前記緑色植物が、大麦若葉及びスピルリナを少なくとも含む、
    請求項3に記載の緑色系飲料の製造方法。
  5. 前記混合工程において、果汁をさらに混合し、
    前記果汁の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、3.0質量%以上80質量%以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
  6. 着色料を添加しない、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
  7. 水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、
    前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、
    前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
    前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
    緑色系飲料の緑色保持方法。
  8. 水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を含む緑色系飲料であって、
    前記緑色系飲料は、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱して殺菌されたものであり
    前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
    前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
    緑色系飲料。
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