JP2008086269A - 緑色野菜容器詰飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】100メッシュ パス画分が80重量%以上になるように微細化した緑色野菜粉砕物を含む液に、銅イオン及び/又は亜鉛イオンを供給する添加物由来の銅及び/又は亜鉛の飲料中の濃度が、0.1〜100ppmになるように添加・調整することにより、緑色野菜の緑色を安定化させた容器詰飲料を提供する。本発明により、容器詰飲料を製造するに際して行われる加熱殺菌の後、或いは、製品の流通・保存後も緑色野菜の緑色を安定的に保持し、しかも、香味に優れた緑色野菜容器詰飲料を提供することができる。
【選択図】なし
Description
本発明の緑色野菜容器詰飲料の製造において用いられる緑色野菜原料としては、緑色を有する食用植物であればいずれも使用可能であるが、ほうれん草、セロリ、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、レタス、パセリ、モロヘイヤ、ピーマン、きゅうり、小麦若葉、桑葉、明日葉、イグサ、ゴーヤなどが好適な緑色野菜原料として挙げられる。特に好適な例としては、一般的に青汁と呼ばれるケール、大麦若葉の例を挙げることができる。これらの緑色野菜原料は、収穫後、通常の方法で洗浄、ブランチングしたのち、必要に応じて乾燥する。乾燥方法は、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥など、公知の乾燥手段を適宜選択することができる。
本発明の緑色野菜原料は、乾燥或いは未乾燥の状態で、特定粒度に粉砕して用いられる。粉砕は、乾燥、未乾燥のいずれの場合も、通常用いられる公知の粉砕方法を用いて粉砕することができる。該粉砕方法としては、ミキサー、ジューサー、石臼、ボールミル、ハンマーミル、ジェットミルなどの公知の粉砕機を用いることができる。粉砕物は、そのまま若しくは一旦殺菌後、飲料原料として使用することができる。この緑色野菜粉砕物は、飲料原料として、原料調合の場面で適量添加することができる。本発明における緑色野菜粉砕物の粉砕粒度は、100メッシュパス画分が80重量%以上になるように粉砕される。好ましくは200メッシュパス画分が、90重量%以上である。未乾燥のものに関しても、乾燥品同様、規定のメッシュを通過させた後、通過画分、未通過画分を乾燥して秤量し、その重量比を計算することで特定する。粒度がこれ以上大きくなると退色抑制効果が弱くなり、本発明の効果が得られない。
本発明において、銅イオン、亜鉛イオンを供給する添加物としては、飲料中に銅イオン、亜鉛イオンを供給することができる可食性のものであれば、特に限定はないが、銅・亜鉛を含有する塩や、銅、亜鉛を高含有する酵母等の微生物を挙げることができる。特に好ましい銅イオン、亜鉛イオン添加物としては、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛を挙げることができる。グルコン酸銅及びグルコン酸亜鉛は、両者を混合して使用することも可能である。最終的に、銅イオン及び/又は亜鉛イオンの飲料中の濃度が0.1〜100ppmになるように添加する。好ましくは銅イオンの場合、1〜10ppm、亜鉛イオンの場合、10〜100ppmである。
本発明において、飲料を製造するには、例えば、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛等、銅イオン、亜鉛イオンを供給する添加物を水に溶解(分散)し、所定粒度の緑色野菜粉砕物と混合する。その他、必要に応じて、緑色以外の野菜搾汁液をはじめ、果汁、乳類、糖類、酸味料、乳化剤、増粘剤、安定剤、香料など通常の飲料で使用できる原料を添加することができる。pHは特に制限はなく、酸性からアルカリ性域までいずれのpHでも効果は期待できる。原料調合後、緑色野菜飲料本来の香味の変質を起こさない範囲であり、かつ、当該調合液に必要な強度の殺菌を行い容器に充填する。場合によっては容器に充填してから殺菌を行なう。特に酸性域の場合、殺菌前においては、時間の経過とともに一時的に緑色が退色する傾向にあるが、退色したものであっても、殺菌を行うことで、本来の緑色に戻すことができる。その際には、殺菌強度が強い方が、より鮮やかな緑色が維持できるが、強い加熱処理により、緑色野菜飲料本来の香味の変質を起こすこととなるので、色調と香味のバランスを考慮した上で、殺菌強度を決定する必要がある。本発明の容器詰飲料の効果が特に発揮されるのは、ビン若しくはペットボトルのような透明容器入緑色野菜飲料として提供された場合であり、その場合が最も好ましい適用例となる。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%に各種ミネラルをそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから121℃20分の殺菌を行なった。なお、ミネラルとしては、銅(グルコン酸銅)、亜鉛(グルコン酸亜鉛)、鉄(クエン酸第一鉄Na)、ナトリウム(塩化Na)、カリウム(塩化K)、マグネシウム(塩化Mg)、カルシウム(乳酸Ca)を使用し、銅・亜鉛・鉄として10ppm、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウムとして100ppmとなるよう添加した。いずれのサンプルも殺菌前pHは6〜7であり、殺菌後pHは5〜6の範囲にあった。殺菌直後の液色をミネラル無添加と目視で比較した。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%に銅含有酵母、亜鉛含有酵母をそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから121℃20分の殺菌を行なった。なお、銅含有酵母、亜鉛含有酵母は、それぞれの酵母由来の銅・亜鉛の濃度が実施例1のグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛を使用した場合と同じとなるように添加した。いずれのサンプルも殺菌前pHは6〜7であり、殺菌後pHは5〜6の範囲にあった。殺菌直後の液色を酵母無添加品と目視で比較した。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%にグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛をそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから121℃20分の殺菌を行った。なお、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛はそれぞれ銅、亜鉛として0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm、1000ppmとなるよう添加した。銅添加品の殺菌前pHは、0.1ppm、1ppm、10ppm添加時で6〜7、100ppm添加時で5〜6、1000ppm添加時で4〜5の範囲にあり、亜鉛添加品の殺菌前pHは、0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm添加時で6〜7、1000ppm添加時で5〜6の範囲にあった。銅添加品の殺菌後pHは、0.1ppm、1ppm、10ppm添加時で5〜6、100ppm添加時で4〜5、1000ppm添加時で3〜4の範囲にあり、亜鉛添加品の殺菌後pHは、いずれも5〜6の範囲にあった。殺菌直後の液色について銅、亜鉛無添加品と目視で比較した。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)0.1重量%にグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛をそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから121℃20分の殺菌を行った。なお、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛はそれぞれ銅、亜鉛として0.1ppm、1ppmとなるよう添加した。銅・亜鉛いずれの添加品も殺菌前pHは0.1ppm添加時で7〜8、1ppm添加時で6〜7の範囲にあった。銅添加品の殺菌後pHは、0.1ppm添加時で6〜7、1ppm添加時で5〜6の範囲にあり、亜鉛添加品の殺菌後pHはいずれも6〜7の範囲にあった。殺菌直後の液色について銅、亜鉛無添加品と目視で比較した。その結果、銅・亜鉛いずれについても、無添加品より緑色を保持できていた。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%にグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛をそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから121℃20分の殺菌を行った。なお、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛はそれぞれ銅、亜鉛として0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm、1000ppmとなるよう添加した。銅添加品の殺菌前pHは、0.1ppm、1ppm、10ppm添加時で6〜7、100ppm添加時で5〜6、1000ppm添加時で4〜5の範囲にあり、亜鉛添加品の殺菌前pHは、0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm添加時で6〜7、1000ppm添加時で5〜6の範囲にあった。銅添加品の殺菌後pHは、 0.1ppm、1ppm、10ppm添加時で5〜6、100ppm添加時で4〜5、1000ppm添加時で3〜4の範囲にあり、亜鉛添加品の殺菌後pHは、いずれも5〜6の範囲にあった。殺菌直後の香味について銅、亜鉛無添加品と比較した。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%にグルコン酸銅、さらにはクエン酸、重曹をそれぞれ添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、それぞれ、80℃10分及び121℃20分の殺菌を行った。なお、グルコン酸銅は銅として10ppmとなるよう添加した。クエン酸添加品の殺菌前pHは3〜4の範囲にあり、殺菌後pHに変化はなかった。また、重曹添加品の殺菌前pHは8〜9の範囲にあり、殺菌後pHは7〜8の範囲にあった。殺菌直後の液色についてそれぞれ銅無添加品と目視で比較した。その結果、いずれも無添加品より緑色を保持できていた。因みに、クエン酸添加品は殺菌前において、時間の経過とともに一時的に緑色が退色したが、殺菌を行うことで緑色が元に戻った。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%にグルコン酸銅を添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから111℃10分、121℃10分、121℃20分の殺菌を行った。また、137℃30秒の殺菌を行った後、ペットボトルに充填した。なお、グルコン酸銅は銅として10ppmとなるよう添加した。いずれのサンプルも殺菌前pHは6〜7の範囲にあり、殺菌後pHは5〜6の範囲にあった。殺菌直後の液色について銅無添加品と目視で比較した。その結果、いずれも無添加品より緑色を保持できていた。
国産ケール粉末(100メッシュパス画分80重量%以上)1重量%にグルコン酸銅、さらにはクエン酸を添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、透明ビン容器に充填してから80℃10分、111℃10分、121℃10分、121℃20分の殺菌行った。また、90℃60秒の殺菌を行なった後、ペットボトルに充填した。なお、グルコン酸銅は銅として10ppmとなるよう添加した。いずれのサンプルも殺菌前pHは3〜4の範囲にあり、殺菌後pHに変化はなかった。殺菌直後の液色について銅無添加品と目視で比較した。その結果、いずれも無添加品より緑色を保持できていた。因みに111℃10分、121℃10分、121℃20分の殺菌を行ったものは80℃10分、90℃60秒の殺菌を行ったものより鮮やかな緑色を保持できていた。
国産大麦若葉粗粉砕物(30メッシュパス画分80重量%以上)と粉末(100メッシュパス画分80重量%以上及び200メッシュパス画分90重量%以上)をそれぞれ1重量%にグルコン酸銅を添加した後、水で規定量までメスアップした。その後、121℃20分の殺菌を行った。なお、グルコン酸銅は銅として10ppmとなるよう添加した。粗粉砕物使用品の殺菌前pHは7〜8の範囲にあり、殺菌後pHは6〜7の範囲にあった。粉末使用品の殺菌前pHは6〜7の範囲にあり、殺菌後pHは5〜6の範囲にあった。粗粉砕物使用品については殺菌直後に100メッシュパス画分80重量%以上に粉砕した後、殺菌直後の液色について目視で比較した。
Claims (3)
- 100メッシュ パス画分が80重量%以上になるように微細化した緑色野菜粉砕物を含む液に、銅イオン及び/又は亜鉛イオンを供給する添加物由来の銅及び/又は亜鉛の飲料中の濃度が、0.1〜100ppmになるように添加・調整された緑色野菜の緑色を安定化させた容器詰飲料。
- 銅イオン及び/又は亜鉛イオンを供給する添加物が、銅及び/又は亜鉛のグルコン酸塩であることを特徴とする請求項1記載の緑色野菜の緑色を安定化させた容器詰飲料。
- 緑色野菜原料が、ケール若しくは大麦若葉であることを特徴とする請求項1又は2記載の緑色野菜の緑色を安定化させた容器詰飲料。
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