JP2021000128A - 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料 - Google Patents

長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2021000128A
JP2021000128A JP2020159349A JP2020159349A JP2021000128A JP 2021000128 A JP2021000128 A JP 2021000128A JP 2020159349 A JP2020159349 A JP 2020159349A JP 2020159349 A JP2020159349 A JP 2020159349A JP 2021000128 A JP2021000128 A JP 2021000128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green juice
juice beverage
calcium
ppm
green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020159349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021000128A5 (ja
Inventor
裕子 矢作
Yuko Yahagi
裕子 矢作
純平 中瀬
Jumpei Nakase
純平 中瀬
皓二 佐塚
Koji Sazuka
皓二 佐塚
亜優美 齋藤
Ayumi Saito
亜優美 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ito En Ltd
Original Assignee
Ito En Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ito En Ltd filed Critical Ito En Ltd
Priority to JP2020159349A priority Critical patent/JP2021000128A/ja
Publication of JP2021000128A publication Critical patent/JP2021000128A/ja
Publication of JP2021000128A5 publication Critical patent/JP2021000128A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】長期間緑色を保持することが可能な青汁飲料等の提供。【解決手段】銅イオンを2.5〜15ppm、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する、容器詰青汁飲料。銅イオンの濃度がカルシウムイオンの濃度未満である、前記容器詰青汁飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、所定量の銅イオンとカルシウムイオンとを含有する、長期間緑色を保持可能
な容器詰青汁飲料、その製造方法等に関する。
青汁飲料は簡易に野菜成分を摂取できる健康飲料として消費者に認知されている。近年
、健康志向のさらなる高まりを受け、青汁飲料が更に注目を集めている。
青汁などの緑色飲料には、その鮮やな緑色が経時的に劣化するという問題が潜在的に存
在しており、従来、そのような変色を抑制するために、亜鉛イオンや銅イオンなどの二価
の金属イオンの添加などが検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−165439号公報
特許文献1では、緑色を保持する観点からは亜鉛イオンや銅イオンの濃度を30〜50
ppmとすることが好ましい旨記載されている。この濃度範囲であれば青汁飲料における
緑色を長期間保持することができるものの、このような金属イオンの濃度が増大するにつ
れて金属味などの不快味も増大し、所望とする青汁飲料の呈味バランスが損なわれるとい
う問題が顕在化した。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、緑色を長期間保持することが可能
な青汁飲料等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、二価の金属イオンの中から銅イオンを選択
し、従来緑色保持効果がないと考えられていたカルシウムイオンと組み合わせ、各濃度が
所定の範囲に調節された青汁飲料を調製したところ、緑色の保持が長期間実現可能である
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]銅イオンを2.5〜15ppm、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する、
容器詰青汁飲料。
[2]銅イオンの濃度がカルシウムイオンの濃度未満である、[1]に記載の容器詰青汁
飲料。
[3]カルシウムイオンの濃度が銅イオンの濃度の2〜12倍の範囲にある、[1]又は
[2]に記載の容器詰青汁飲料。
[4]更に飲食品に添加可能な微生物を含み、当該微生物に銅イオンが含まれている、[
21]〜[3]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[5]カルシウムイオンが、青汁の原料及びその他の原料に由来する、[1]〜[4]の
いずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[6]その他の原料として、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム及び塩化カルシウムから成
る群から選択されるカルシウム製剤を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器詰青
汁飲料。
[7]更にクロロフィルを10〜50ppm含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載
の容器詰青汁飲料。
[8]青汁の原料が大麦若葉である、[1]〜[7]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料

[9]製造時の前記青汁飲料が、ハンターLab表色系において0.6〜1.3の範囲内
の−a/b値を示す、[1]〜[8]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[10]亜鉛イオンの含有量が0.1ppm未満である、[1]〜[9]のいずれかに記
載の容器詰青汁飲料。
[11]銅イオンを2.5〜15ppm、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する
、容器詰青汁飲料の緑色保持剤。
[12]容器詰青汁飲料を製造する方法であって、
銅イオンの含有量を2.5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200p
pmに調節する工程を含む、方法。
[13]容器詰青汁飲料の緑色を保持する方法であって、
銅イオンの含有量を2.5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200p
pmに調節する工程を含む、方法。
本発明によれば、銅イオンとカルシウムイオンを所定の濃度とすることで、青汁飲料に
特有の緑色を長期間自然な色として保持することが可能になる。銅イオンとカルシウムイ
オンに加え、更にクロロフィルの量も所定の範囲に調節することにより、高温下でも緑色
保持効果を維持しつつ、銅イオンなどの金属イオンのマスキングも実現することができる
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が
可能である。
(容器詰青汁飲料)
第一の実施形態において、容器詰青汁飲料は、銅イオンを2.5〜15ppm、カルシ
ウムイオンを6〜200ppm含有する。
本明細書で使用する場合、青汁飲料とは、青汁などの原料として一般的に使用される緑
色野菜を主要な原料として調製される飲料を意味する。
緑色野菜の例としては、大麦若葉、小麦若葉、ケール、モリンガ、明日葉、よもぎ、ゴ
ーヤ、クワ若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツなどが挙げられる。これらの中
でも、大麦若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケールが好ましく、大麦若葉
、ケールがさらに好ましく、大麦若葉が特に好ましい。大麦の種類は限定されず、六条大
麦、二条大麦、裸麦、皮麦等を使用することができる。農作物には抹茶や緑茶等の茶も含
まれる。また、緑色野菜と同様にクロロフィルを豊富に含むユーグレナ、スピルリナ、及
びクロレラも原料として使用可能である。
青汁の原料として一般的に用いられる大麦を例に、その茎葉の粉砕物から粉末を得て、
最終的に青汁飲料を製造する方法を例示する。例えば、大麦の茎葉から粉末を得る場合、
まず茎葉を乾燥処理及び粉砕処理にかけることにより粉砕物が得られる。乾燥処理又は粉
砕処理のいずれかの処理が他の処理に先行して行われるが、乾燥処理を先に行うことが好
ましい。粉砕処理を行う回数は1回でも複数回でもよい。2回以上の粉砕処理を行う場合
、最初に粗粉砕処理を行い、その後、より細かく粉砕する微粉砕処理を組合せることが好
ましい。
乾燥粉末は、植物体全部又はその一部、例えば、茎や葉などの可食部を乾燥し、それを
ミル及び臼等の機械的手法によって粉砕するか、あるいは植物体全部又はその一部を粉砕
してから得られた粉砕物を乾燥することにより得ることができる。また、植物体全部又は
その一部の搾汁液を乾燥することなどにより乾燥粉末を得てもよい。
得られた粉砕物は、更に必要に応じブランチング処理、殺菌処理などの処理から選ばれ
る1種又は2種以上の処理にかけられる。これにより粉末状の物質が得られる。ブランチ
ング処理は野菜等を加熱してその変質や変色を防ぐ工程であり、その条件は当業者が適宜
決定することができる。また、ブランチングを経ることで、得られる搾汁液などの呈味が
より向上する傾向にある。
乾燥粉末の重量は、最終製品によって変動する。通常の青汁飲料の場合、例えば、飲料
の重量あたり0.2〜3.0質量%、好ましくは0.4〜2質量%程度の乾燥粉末が配合
される。
乾燥粉末は、分散性の観点から、好ましくは粒径70μm以下が90%以上のもの、よ
り好ましくは粒径50μm以下が90%以上のもの、特に好ましくは粒径35μm以下が
90%以上のものが使用される。このような乾燥粉末は、例えば、原料をジェットミル等
で破砕して得ることができる。また、ここでいう粒径とは、例えばレーザ回折・散乱法に
て水を溶媒として測定することができる。
青汁飲料に含まれる銅イオンとカルシウムイオンは、大麦若葉などの青汁飲料の原料に
由来するか、別途添加したものを利用することができる。青汁飲料における銅イオンの濃
度は、2.5〜15ppm、好ましくは3〜10ppm、より好ましくは3〜5ppmで
あり、カルシウムイオンの濃度は6〜200ppm、好ましくは7〜100ppm、より
好ましくは7〜35ppm、である。銅イオンとカルシウムイオンの濃度は各々独立して
上記範囲内で調節されるが、銅イオンの濃度は、カルシウムイオンの濃度未満であること
が好ましい。
各イオンを上記範囲に調節するために、飲食品に配合可能な無機塩類を添加することが
できる。銅イオンの無機塩類として、例えば、グルコン酸塩、硫酸塩等の銅塩類が挙げら
れる。飲食品に配合可能な微生物、乳酸菌や酵母などの中から、銅を豊富に含むものを選
んで青汁飲料に添加してもよい。銅塩類の代わりに、銅を含有する乳酸菌や酵母を添加す
るのが好ましい。
カルシウムイオンの無機塩類として、例えば、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム及び塩
化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム製剤が例示される。乳酸カルシウムが特に
好ましい。
青汁飲料にはその他の金属イオンが配合されていてもよい。例えば、亜鉛イオンは青汁
飲料の緑色を保持する成分として知られており、銅イオンとカルシウムイオンの組み合わ
せによる緑色保持効果を阻害しない範囲で添加してもよい。亜鉛は、それ単体で添加して
も良いが、グルコン酸塩、硫酸塩、塩化亜鉛、クエン酸塩等の水溶性塩の形態で添加する
か、あるいは亜鉛を高濃度に含有させた乳酸菌や酵母として配合することが好ましい。
金属味低減の観点から、亜鉛イオンの濃度は0.1ppm未満であることが好ましい。
青汁飲料は、大麦若葉等などの緑色野菜に含まれる葉緑素の主成分に由来するクロロフ
ィルを10〜50ppm含有していもよい。この範囲内であれば、銅イオンとカルシウム
イオンによる緑色保持効果が高温下でも顕著で、尚且、金属味、特に銅イオンの金属味も
マスキングされ得る。なお、本明細書において、クロロフィルの含有量はクロロフィルα
とクロロフィルβの総量で表される。
本実施形態に係る青汁飲料の色調は、鮮やかではあるが、自然な緑色であることが好ま
しい。ここで、本実施形態に係る青汁飲料において、ハンターLab表色系のa値とb値
を用いて液色の緑色度を−a/bで表すことができ、L、a、bの値は市販の一般的な分
光色差計を用いて青汁飲料を測定することができる。−a/bは1に近いほど鮮やかな緑
色であることを示す。しかしながら、−a/bと、製品として好ましい青汁飲料の緑色と
は必ずしも相関しないため、本実施形態に係る青汁飲料においては、緑色を−a/bとパ
ネラーによる目視で評価するものとした。本実施形態に係る青汁飲料の−a/bは、0.
6〜1.3であることが好ましい。−a/bがかかる範囲にあれば、青汁飲料の緑色が鮮
やかではあるが「自然な緑色」ということができる。
本実施形態に係る青汁飲料は、容器に充填された形、すなわち容器詰飲料で提供される
。この場合において、使用される容器は特に限定されず、PETボトル、プラスチックフ
ィルムと複合された紙容器、瓶等の通常用いられる飲料用容器であればよい。なお、本実
施形態に係る青汁飲料は、沈殿が生じ難く外観が良好であるため、透明の飲料用容器(例
えば、PETボトル等)を用いてもよい。なお、本実施形態に係る青汁飲料が容器に充填
された容器詰飲料として提供される場合、通常は希釈せずにそのまま飲用できるものであ
るが、これに限定されるものではない。
本実施形態にあっては、前述した成分の他、本実施形態の効果を損なわない範囲におい
て、ビタミン類、ミネラル分、甘味付与剤、香料、酸味料、糊料、機能性成分等を含有し
てもよい。例えば、銅イオンやカルシウムイオンが高濃度である場合、それらの金属味を
マスキングするために、甘味付与剤や香料などが使用され得る。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK及びビタミンB群
等が挙げられる。
ミネラル分としては、例えば、マグネシウム、カリウム、クロム、フッ素、ヨウ素、鉄
、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン等が挙げられる。これらは、無機塩とし
て配合されてもよく、他の原料(例えば、前述した緑系植物由来物)の含有成分として配
合されてもよい。
甘味付与剤としては、例えば、ショ糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、還元麦芽
糖等の糖類;砂糖、グラニュー糖、異性化糖、キシリトール、パラチノース、エリスリト
ール等の甘味料;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出
物、サッカリン、スクラロース等の高甘味度甘味料;ソルビトール等の糖アルコールなど
が挙げられ、さらにシュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料等を含んでいてもよい
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、植物の種実、根茎、木皮、
葉等またはこれらの抽出物、乳または乳製品から得られる香料、合成香料等が挙げられる
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸
、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられる。
糊料としては、例えば、ペクチン、セルロース、ゼラチン、コラーゲン、寒天、アルギ
ン酸ナトリウム、大豆多糖類、ガラクトマンナン類、アラビアガム、カラギーナン、キサ
ンタンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム等が挙げられるが、一部の食物繊維に
ついては本発明の沈殿防止効果を阻害しないように配合されるべきである。
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、ヒア
ルロン酸、プラセンタ、牡蠣エキス、キトサン、プロポリス、ローヤルゼリー、トコフェ
ロール、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、霊芝、アガリクス等が挙げられる。これら
の添加物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本実施形態に係る青汁飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味
料、着色料(色素)、油、pH調整剤、品質安定剤、増粘剤等を含有してもよい。更に、
カルシウムイオンと銅イオン以外の緑色保持に有効な成分を青汁飲料に添加することがで
きる。
青汁飲料の糖度(Brix)は、本発明の効果を損なわない限り、目的とする最終製品
に応じて当業者が適宜調節できる。例えば、青汁飲料中のBrixを、約0.5〜8.0
、好ましくは約1.0〜7.0、より好ましくは約1.0〜3.0の範囲に調節してもよ
い。本明細書で使用するBrixは特に断らない限り屈折糖度計を用いて測定した値を意
味する。
なお、本実施形態に係る青汁飲料は、本発明の効果を損なわない限り、果汁を10質量
%未満、又は2質量%未満含有してもよい。
本実施形態に係る青汁飲料のpHは、長期間にわたって自然な緑色を保持する観点から
、好ましくは6〜8、より好ましくは6〜7.7、特に好ましくは6.2〜7.5である
。青汁飲料のpHがこの範囲にあると、調合時から流通時までクロロフィルの分解が生じ
にくくなるため、長期間にわたって自然な緑色を保持することができる。なお、青汁飲料
のpHは、常法に従ってpHメーターにて測定することができる。
本実施形態に係る青汁飲料の粘度は特に限定されないが、すっきりとした飲み心地を得
る観点からは、20℃における粘度が1〜10mPa・sであることが好ましく、1.2
〜8mPa・sであることがさらに好ましく、1.3〜6mPa・sであることが特に好
ましい。なお、青汁飲料の粘度は、常法に従って、TVB−10型粘度計(東機産業社製
)等の粘度計を用いて測定することができる。
(緑色保持剤)
第二の実施形態において、容器詰青汁飲料の緑色保持剤は銅イオンを2.5〜15pp
m、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する。これらのイオン濃度は、容器詰青汁
飲料中の各イオン濃度を考慮して適宜決定される。緑色保持剤は、亜鉛イオンなどの公知
の緑色保持成分を更に含有していてもよい。
(製造方法)
第三の実施形態において、容器詰青汁飲料を製造する方法は、銅イオンの含有量を2.
5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200ppmに調節する工程を含む
。これらのイオン濃度は、容器詰青汁飲料中の各イオン濃度を考慮して適宜決定される。
銅イオン、カルシウムイオンに加えて、亜鉛イオンなどの公知の緑色保持成分を更に配合
してもよい。
限定することを意図するものではないが、配合工程以外の青汁飲料の製造に必要な工程
、例えば大麦若葉等の原料などの調製工程については上述した工程や公知の工程を使用す
ることができる。
(緑色保持方法)
第四の実施形態において、容器詰青汁飲料の緑色を保持する方法は、銅イオンの含有量
を2.5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200ppmに調節する工程
を含む。これらのイオン濃度は、容器詰青汁飲料中の各イオン濃度を考慮して適宜決定さ
れる。銅イオン、カルシウムイオンに加えて、亜鉛イオンなどの公知の緑色保持成分を更
に配合してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実
施例によって何ら限定されるものではない。
下記表に記載の配合割合となるように、大麦若葉(乾燥粉末、佐々木食品社製、クロロ
フィル含有量4500ppm、カルシウム3500ppm)、銅(オリエンタル酵母社製
、イーストミネラル銅、銅含有量1.1質量%)及び亜鉛(オリエンタル酵母社製、イー
ストミネラル亜鉛、亜鉛含有量5.9質量%)をそれぞれ配合し、純水でメスアップし、
各1000gの青汁飲料液を作成した。pHは、炭酸水素ナトリウムを用いて5.8に調
整した。
得られた青汁飲料液をそれぞれ超高温加熱(UHT)殺菌機で殺菌し、200mlPE
Tボトルに充填し、青汁飲料を得た(実施例1〜11、比較例1〜3)。殺菌は、F0
30以上(139.0℃±2.0℃、60秒以上)で出口品温が136.0℃以上となる
ように行った。
(クロロフィル含有量)
各青汁飲料中のクロロフィル含有量は、分光光度計(島津社製UV1650PC)を用
いた吸光光度法によって以下の波長で測定した。
Chl a=13.43*A663.8−3.47*A646.8
Chl b=22.90*A646.8−5.38*A663.8
Chls a+b=19.43*A646.8+8.05*A663.8nm
。なお、クロロフィル含有量は、クロロフィルa及びクロロフィルbの合計値を示す。
(銅含有量、亜鉛含有量、カルシウム含有量)
各青汁飲料中の銅含有量、亜鉛含有量及びカルシウム含有量は、ICP発光分析法(原
子吸光光度法)によって測定した。測定にはAgilent社製バリアンVISTA-PRO(Ax)型を使
用した。
(Lab、−a/b及びΔE)
分光色差計(日本電色工業社製,SE7700)を用いて各青汁飲料のLabを測定し
た。そして得られた値から、−a/b(緑色度)及びΔE([(L(加温前)−L(加温
後))2+(a(加温前)−a(加温後))2+(b(加温前)−b(加温後))21/2
を算出した。なお、−a/bの数値は、「1」に近いほど鮮やかな緑色を示し、ΔEの数
値は、高い程液色の変化が生じでいると判断した。
下記表の記載に基づき調製した青汁飲料サンプルを野菜飲料の開発業務に従事する、官
能試験の専門パネラー7人によって、下記の評価項目に従って官能評価を実施し、最も多
かった評価を採用した。また、45℃の環境で1週間保管した後、再度同様に官能評価を
実施した。なお、パネラーは事前に銅を添加していない従来品相当サンプル(比較例1)
を官能評価し、評価基準を共有した。
<官能評価項目>
目視 ○:緑色の変化があまり見られない
△:やや緑色の変化が見られるものの、許容範囲(比較例1よりも良好)
×:緑色の変化が見られる(比較例1と同等、あるいはそれ以上)
青汁の香味劣化
○:香味の劣化があまり見られない
△:やや香味の劣化が見られるものの、許容範囲(比較例1よりも良好)
×:香味の劣化が見られる(比較例1と同等、あるいはそれ以上)
Cuの金属味の強さ
○:金属味をあまり感じない(比較例1と同等)
△:やや金属味を感じるが、許容範囲
×:金属味を感じる
Caの苦味の強さ
○:苦味をあまり感じない(比較例1と同等)
△:やや苦味を感じるが、許容範囲
×:苦味を感じる
(銅イオンの濃度についての検討)
青汁飲料の全質量を基準として、大麦若葉の乾燥粉末の含有量が1質量%となるように
それぞれの試料を調製した結果を以下の表1に示す。カルシウム濃度はいずれも35.0
ppmとなるようカルシウム製剤(扶桑化学工業社製、乳酸カルシウム)調整した。
Figure 2021000128
銅イオンの濃度が0〜2.0ppmの試料はいずれも、製造直後から−a/b値が0.
6未満と低く、目視の結果も良好ではなかった。一方、銅イオンの濃度が3.0ppm以
上の試料はいずれも−a/b値が高く、目視の結果も緑色が鮮やかであった。なお、銅イ
オンが15ppm以上の試料は−a/b値や目視の結果が悪くなかったが、銅特有の金属
味が強く、飲料に適さないものであった(結果は示さず)。
(カルシウムイオンの濃度についての検討)
表1の結果より、銅イオンは3.0〜10.0ppm程度の濃度範囲で緑色保持効果を
有することが確認できたことから、銅イオンの濃度を上限値及び下限値付近で固定しつつ
、カルシウムイオンの濃度のみ異なる青汁飲料を調製し、カルシウムイオンの濃度の影響
を確認した。結果を以下の表2に示す。
Figure 2021000128
表2の試料は表1の試料との比較でカルシウムイオンの濃度が異なるが、いずれも良好
な−a/b値を示し、目視の結果も緑色が鮮やかであった。一方、結果は示さないが、カ
ルシウムイオンの濃度が表2の範囲外である場合、緑色保持が劣るという傾向が確認され
た。
(大麦若葉の濃度の検討)
表1と表2の結果から銅イオンとカルシウムイオンの濃度が所定の範囲内の場合に高い
い緑色保持効果が確認されたことから、続いて、大麦若葉の量が少ない試料を調製してそ
の効果を確認した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2021000128
表3に示すとおり、大麦若葉の量を減少させても銅イオンとカルシウムイオンの組み合
わせによる緑色保持効果が維持された。更に、上記の試料は、45℃の環境で1週間保管
した後でも−a/b値が0.6以上で尚且目視の結果も良好であった。
表3の試料はカルシウムイオン濃度が同じであるにもかかわらず、大麦若葉の量が0.
1ppmの試料(実施例9)において銅イオンの金属味が強調されていた。このことから
、大麦若葉が所定量配合されている場合に銅イオンの金属味がマスキングされることも明
らかとなった。

Claims (13)

  1. 銅イオンを2.5〜15ppm、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する、容器
    詰青汁飲料。
  2. 銅イオンの濃度がカルシウムイオンの濃度未満である、請求項1に記載の容器詰青汁飲
    料。
  3. カルシウムイオンの濃度が銅イオンの濃度の2〜12倍の範囲にある、請求項1又は2
    に記載の容器詰青汁飲料。
  4. 更に飲食品に添加可能な微生物を含み、当該微生物に銅イオンが含まれている、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  5. カルシウムイオンが、青汁の原料及びその他の原料に由来する、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の容器詰青汁飲料。
  6. その他の原料として、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム及び塩化カルシウムから成る群
    から選択されるカルシウム製剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰青汁
    飲料。
  7. 更にクロロフィルを10〜50ppm含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    容器詰青汁飲料。
  8. 青汁の原料が大麦若葉である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  9. 製造時の前記青汁飲料が、ハンターLab表色系において0.6〜1.3の範囲内の−
    a/b値を示す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  10. 亜鉛イオンの含有量が0.1ppm未満である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    容器詰青汁飲料。
  11. 銅イオンを2.5〜15ppm、カルシウムイオンを6〜200ppm含有する、容器
    詰青汁飲料の緑色保持剤。
  12. 容器詰青汁飲料を製造する方法であって、
    銅イオンの含有量を2.5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200p
    pmに調節する工程を含む、方法。
  13. 容器詰青汁飲料の緑色を保持する方法であって、
    銅イオンの含有量を2.5〜15ppmに、カルシウムイオンの含有量を6〜200p
    pmに調節する工程を含む、方法。
JP2020159349A 2020-09-24 2020-09-24 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料 Pending JP2021000128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020159349A JP2021000128A (ja) 2020-09-24 2020-09-24 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020159349A JP2021000128A (ja) 2020-09-24 2020-09-24 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019035646A Division JP6790151B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021000128A true JP2021000128A (ja) 2021-01-07
JP2021000128A5 JP2021000128A5 (ja) 2022-02-03

Family

ID=73993598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020159349A Pending JP2021000128A (ja) 2020-09-24 2020-09-24 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021000128A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086269A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kirin Beverage Corp 緑色野菜容器詰飲料
JP2008167743A (ja) * 2006-12-12 2008-07-24 S F C:Kk イグサ青汁
JP2009165439A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Ito En Ltd 容器詰青汁飲料を製造する方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086269A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kirin Beverage Corp 緑色野菜容器詰飲料
JP2008167743A (ja) * 2006-12-12 2008-07-24 S F C:Kk イグサ青汁
JP2009165439A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Ito En Ltd 容器詰青汁飲料を製造する方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
株式会社フルーティヤフーズのウェブページ『成分分析一覧表』(アーカイブ2016年3月5日), vol. [オンライン], JPN6023008484, pages 2023 - 2, ISSN: 0005117590 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6480204B2 (ja) 緑色系飲料及びその製造方法
CN102196734A (zh) 含有罗汉果提取物及三氯蔗糖的低卡路里饮料组合物
JP5119356B1 (ja) 容器詰炭酸飲料及びその製造方法
JP2013247872A (ja) オリーブゼリー食品
JP2014030388A (ja) 容器詰トマト含有飲料及びその製造方法、並びに容器詰トマト含有飲料の食感及び呈味改善方法
JP7429763B2 (ja) 混合茶飲料
JP2014030387A (ja) 容器詰トマト含有飲料及びその製造方法、並びに容器詰トマト含有飲料の食感及び呈味改善方法
KR101869497B1 (ko) 과실분과 유기산을 포함하는 액상 조성물 및 이를 함유하는 과실 식초음료
JP6749793B2 (ja) 異味マスキング剤、乳酸菌含有飲料およびその製造方法
JP6790151B2 (ja) 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料
JP7248486B2 (ja) 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁含有ゼリー飲料
JP2017158548A (ja) ナトリウム含有容器詰飲料
KR101444875B1 (ko) 히비스커스 및 l-카르니틴을 포함하는 관능성 및 안정성이 개선된 다이어트 음료 조성물
JP2021000128A (ja) 長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料
JP2020039257A (ja) 青汁飲料用の沈殿防止剤
JP6883448B2 (ja) ヌートカトン含有容器詰飲料
JP6790163B2 (ja) 高温下で長期間緑色を保持可能な容器詰青汁飲料
JP6646126B2 (ja) 緑色系飲料及びその製造方法
JP2020171233A (ja) 酸性領域で香味を保持可能な容器詰青汁飲料
JP6867443B2 (ja) 緑系植物低含有飲料およびその製造方法
JP6794488B2 (ja) 緑系植物低含有飲料およびその製造方法
JP7438696B2 (ja) 乳酸菌含有無糖飲料およびその製造方法、並びに、乳酸菌含有無糖飲料における異味抑制方法
JP7374636B2 (ja) 可食フィルム
JP2018139557A (ja) 容器詰緑茶飲料としての好ましい香味を保持しつつ、加熱殺菌後の緑色安定性が十分に改善された容器詰緑茶飲料
JP2014030390A (ja) トマト含有飲料及びその製造方法、並びにトマト含有飲料の食感及び呈味改善方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230731