JPH10248524A - クロロフィル含有微細物懸濁液又はその乾燥物 - Google Patents

クロロフィル含有微細物懸濁液又はその乾燥物

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JPH10248524A
JPH10248524A JP9053000A JP5300097A JPH10248524A JP H10248524 A JPH10248524 A JP H10248524A JP 9053000 A JP9053000 A JP 9053000A JP 5300097 A JP5300097 A JP 5300097A JP H10248524 A JPH10248524 A JP H10248524A
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JP
Japan
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chlorophyll
containing fine
suspension
basic compound
molasses
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JP9053000A
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Tatsuo Sasazaki
達夫 笹崎
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Rengo Co Ltd
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Rengo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱や光等による褐変や味の変質を防止し、ま
た、細胞内の生理活性物質を有効に利用できるクロレラ
等の緑藻類やモロヘイヤ等の緑色野菜の乾燥粉砕物等の
クロロフィル含有微細物を含有する懸濁液を提供するこ
とである。 【解決手段】 水にクロロフィル含有微細物、塩基性化
合物、及び未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なく
とも1種の糖類を懸濁させ、pHを8.5〜10にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、健康食品や食品
添加物として利用されるクロレラ等の緑藻類やモロヘイ
ヤ等の緑色野菜の乾燥粉砕物等のクロロフィル含有微細
物の懸濁液又はその乾燥物に関し、詳しくは、加熱をし
てもその緑色を保持するクロロフィル含有微細物懸濁液
又はその乾燥物に関する。
【0002】
【従来の技術】クロレラ等の緑藻類やモロヘイヤ等の緑
色野菜は、その中に緑色物質であるクロロフィルを含有
しており、緑藻類や緑色野菜特有の緑色はこれに起因す
るものである。このクロロフィルは、中心金属としてマ
グネシウムを含むキレート化合物であり、熱、酸、光等
によってマグネシウムが遊離して水素等と置換しやす
い。このとき、褐変現象を生じ、また、上記クロロフィ
ル含有微細物中のタンパク質の変質も生ずる。
【0003】クロレラ等の緑藻類やモロヘイヤ等の緑色
野菜の粉砕物は、保存するうえで取扱いの容易な乾燥粉
体や錠剤の形状に加工されるが、このように加工された
製品は、その緑色を保つため光、熱及び湿気を遮断して
保存される。
【0004】また、上記クロレラ等の緑藻類やモロヘイ
ヤ等の緑色野菜に含まれるポリペプチド等の生理活性物
質を利用するため、上記緑藻類や緑色野菜の細胞壁を破
砕し、細胞中の生理活性物質を抽出することも行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
乾燥粉体や錠剤は、熱や光等によって品質の変化を受け
やすいため、殺菌処理工程、保存期間、保存方法、使用
用途等が制約される問題があった。また、例えば、酸性
域(pH6.5以下)での加熱した場合、クロロフィル
中のマグネシウムが遊離して褐変を生じたり、フェオフ
ォルバイト等が生成する恐れがある。このフェオフォル
バイトは、皮膚炎等を発症することが知られており、食
品等中に多量混在することは好ましくない。
【0006】また、これを解決するため、単純にアルカ
リ処理を施すと、乾燥粉体や錠剤中に含まれるタンパク
質は変質を生じやすく、味を変質させるので好ましくな
い。
【0007】さらに、抽出により細胞中の生理活性物質
を使用する場合、変質を防止するうえで加熱条件が限ら
れているため、クロロフィルが細胞壁側等の非抽出液側
に残りやすく、抽出液は緑色に呈色しにくいと共に、抽
出されない生理活性物質が多く残る問題がある。
【0008】そこで、この発明の課題は、熱や光等によ
る褐変や味の変質を防止し、また、細胞内の生理活性物
質を有効に利用できるクロレラ等の緑藻類やモロヘイヤ
等の緑色野菜の乾燥粉砕物等のクロロフィル含有微細物
を含有する懸濁液又はその乾燥物を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、このクロロフィル含有微細物懸濁液にかかる発明
は、水にクロロフィル含有微細物、塩基性化合物、及び
未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なくとも1種の
糖類を懸濁させ、pHを8.5〜10にしてなる。
【0010】さらに、上記クロロフィル含有微細物、塩
基性化合物、及び糖類の混合比を重量比で、10:0.
1〜0.3:0.2〜2.0とすることができる。
【0011】さらにまた、塩基性化合物を、動物由来の
カルシウム含有物の焼結体とすることができる。
【0012】また、このクロロフィル含有微細物懸濁液
の乾燥物にかかる発明は、上記のいずれかに記載のクロ
ロフィル含有微細物懸濁液を乾燥することにより得られ
る。
【0013】さらに、このクロロフィル含有微細物懸濁
液の製造方法にかかる発明は、クロロフィル含有微細物
と塩基性化合物を水に懸濁し、pHを8.5〜10に調
整した後、未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なく
とも1種の糖類を添加してなる。
【0014】クロロフィル含有微細物を含有する懸濁液
のpHを比較的塩基性の緩やかな8.5〜10としたの
で、食品加工工程で行われる一般的な加熱処理をして
も、クロロフィル含有微細物中のタンパク質の変性を防
止することができる。
【0015】また、塩基性化合物として動物由来のカル
シウム含有物の焼結体を用いた場合は、懸濁液のpHを
より低く抑えることができ、褐変防止をより効果的に行
うことができる。
【0016】さらに、クロロフィル含有微細物、塩基性
化合物からなる懸濁液に未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選
ばれる少なくとも1種の糖類を加えたので、クロロフィ
ル含有微細物中のクロロフィルからマグネシウムが遊離
しにくくなり、褐変を防止することができる。
【0017】さらにまた、加熱により生じる脂肪酸等を
塩基性化合物が捕獲するため、これら脂肪酸等により生
じる味の変質を防止することができる。
【0018】また、上記の糖類よりも先に、塩基性化合
物をクロロフィル含有微細物と水に懸濁した場合、塩基
性化合物が乾燥クロロフィル含有微細物に効果的に含浸
し、結果として、最終懸濁液のpHをより低くすること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
【0020】この発明にかかるクロロフィル含有微細物
懸濁液は、水にクロロフィル含有微細物、塩基性化合
物、及び未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なくと
も1種の糖類(以下、「糖類」と略する。)を懸濁、反
応させ、pHを8.5〜10にしたものである。
【0021】上記のクロロフィル含有微細物は、緑藻類
や緑色野菜粉砕物等のクロロフィルを含む微細な物質を
いう。上記の緑藻類は、緑色植物のうち最も簡単な構造
を有し、クロロフィル類を多量に含む色素体をもつ緑色
の藻類をいい、その例として、クロレラをあげることが
できる。また、上記の緑色野菜は、クロロフィルを多量
に含有する野菜であり、その例として、モロヘイヤやケ
ール等をあげることができる。上記の緑藻類は、それ自
身が微細なため特に粉砕工程は必要でなく、これを乾燥
した乾燥粉末をクロロフィル含有微細物として使用する
ことができる。これに対し、上記の緑色野菜は、一般的
に粉末状でないため、乾燥し、粉砕することによりクロ
ロフィル含有微細物として使用される。
【0022】上記の塩基性化合物は、特に限定されるも
のではないが、例えば、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物や、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム等のアルカリ土類金属の水酸化物等をあげることがで
きる。これらの中でも、食品添加物として認定されてい
る点から水酸化カルシウムが好ましい。さらに、上記の
ような塩基性化合物を含有する混合物であってもよい。
また、食品に使用する点を考慮し、天然物から得られる
塩基性化合物を用いることもできる。
【0023】この天然物から得られる塩基性化合物の混
合物としては、動物由来のカルシウム含有物の焼結体が
あげられる。動物由来のカルシウム含有物を焼結する
と、主成分として酸化カルシウムを含み、他の成分とし
てカリウムやリンの酸化物、その他微量成分を含有す
る。動物由来のカルシウム含有物の例としては、真珠
貝、牡蠣等の貝殻、牛や豚等の獣の骨や魚の骨等の動物
骨、卵の殻、魚鱗等をあげることができる。これらを細
かく砕いて粉末とし、これを500〜1800℃で、1
0〜120分間焼結することにより焼結体を得ることが
できる。
【0024】上記塩基性化合物として、動物由来のカル
シウム含有物の焼結体を用いた場合は、塩基性を示す主
成分としての酸化カルシウム以外に、多くの微量成分を
含むので、水酸化カルシウム等の1種の塩基性化合物を
使用する場合と比べて、使用量を減らして、得られるク
ロロフィル含有微細物懸濁液のpHをより中性近くにし
ても、クロロフィル含有微細物中のタンパク質の変性を
防ぐことが可能となる。
【0025】上記の糖類は、未精製糖、糖蜜、廃糖蜜か
ら少なくとも1種選ばれる。未精製糖とは、精製されて
いない糖類であり、例えば、二温糖、三温糖等をあげる
ことができる。また、黒糖は、甘蔗等の搾汁を調整した
分蜜しない含蜜液を濃縮固化したものや、精製工程で生
じる各種着色糖があげられる。さらに、糖蜜は、甘蔗等
の黒糖や原料糖を分蜜したときに結晶と分離された液状
分である。結晶析出工程は数段階あり、各段階毎に糖蜜
が分離されるが、これらの糖蜜のなかでも、最終工程で
の糖蜜分、すなわち廃糖蜜を用いることもでき、これを
用いると最も安価となる。これらの糖類は、原料が有す
るアミノ酸系の不純分を含んでおり、このため、抗酸化
力を有し、かつ、鉄分を筆頭に多種の無機物を含んでい
る。よって、糖類を上記懸濁液に加えると、これらの抗
酸化力によって、熱処理等の際のタンパク質の変性を抑
止することができる。
【0026】また、鉄分がクロロフィルのマグネシウム
の一部と置換し、中心金属として鉄を含有するクロロフ
ィリンが生成することが考えられる。この置換錯化合物
は、少し黄褐色の色調を帯びるものの、緑色を保持して
いる。さらに、中心金属がマグネシウムの場合に比べて
錯体として安定しているので、熱や光等に対して安定性
が増すと考えられる。
【0027】上記の黒糖中の鉄分の含有率は、平均5〜
20ppmであり、廃糖蜜中の鉄分の含有率は、平均1
00〜500ppmである。
【0028】上記フロロフィル含有微細物は、上記塩基
性化合物と共に水に懸濁して、pHを8.5〜10に調
整する。この調整は上記塩基性化合物の量によって行う
ことができる。pHが8.5未満だと、得られたクロロ
フィル含有微細物懸濁液を熱処理する際、クロロフィル
中のマグネシウムが遊離したり、生成する遊離脂肪酸を
十分に捕獲できないため、褐変したり、味の変質を生じ
る。
【0029】また、上記懸濁液のpHが10を越えると
きは、食品等に多量に用いた場合、塩基性化合物による
舌の味蕾のざらつきが生じやすく、pHを10以下にす
るほうが好ましい。
【0030】したがって、上記懸濁液のpHを上記の範
囲内の塩基性とした場合、他の添加物等による保護や緩
衝がなくて直接接触しても、上記クロロフィル含有微細
物中のタンパク質の変性を生ぜず、かつ、クロロフィル
中のマグネシウムが遊離するのが防止される。また、得
られたクロロフィル含有微細物懸濁液を熱処理すること
によって遊離脂肪酸が生じても、この塩基性化合物によ
って十分に捕獲することができるので、味の変質を防止
することができる。
【0031】上記のクロロフィル含有微細物と塩基性化
合物の懸濁液に上記糖類を加えてクロロフィル含有微細
物懸濁液を生成する。この糖類を加えることによって、
得られたクロロフィル含有微細物懸濁液をその後に熱処
理する際、クロロフィル含有微細物中のタンパク質の変
性を防止し、クロロフィルの緑色を保持することができ
る。
【0032】上記クロロフィル含有微細物、塩基性化合
物、及び糖類の混合比は、特に限定されるものではな
く、これらからなる懸濁液のpHが上記の値を示し、糖
類の効果を示す量を加えれば十分である。そのような量
としては、クロロフィル含有微細物:塩基性化合物:糖
類=10:0.1〜0.35:0.2〜4.0(重量
比)が好ましく、10:0.1〜0.3:0.2〜2.
0がより好ましい。
【0033】上記糖類の添加量が上記の範囲より少ない
場合は、上記糖類の添加効果が現れにくい。また、上記
の範囲より多い場合は、特に問題は生じないが、この糖
類を含む懸濁液をそのまま食品等に供与する場合、上記
糖類自体が有する色により緑色が見えにくくなる場合が
生ずる。また、甘味が強くなりすぎる問題も生ずる。
【0034】調整されたクロロフィル含有微細物懸濁液
中のクロロフィル含有微細物の存在量は、特に限定され
るものではない。この懸濁液をそのまま加熱処理する場
合は、使用する割合に調整すればよい。加熱処理する場
合の好ましい懸濁液の濃度は、10〜40重量%であ
り、より好ましい濃度は20〜30重量%である。10
重量%未満の場合は、pH調整が不可能となるからであ
り、40重量%を越えると、粘度が上昇して攪拌が不可
能となるからである。また、この懸濁液を凍結乾燥やプ
レート乾燥等を行う場合は、懸濁液の濃度が濃い方が効
率がよい。また、噴霧乾燥する場合は、15〜20重量
%にすることが好ましい。
【0035】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液
は、必要に応じて凍結乾燥や噴霧乾燥、プレート乾燥
し、使用時まで保存することができる。
【0036】また、得られたクロロフィル含有微細物懸
濁液又はこの乾燥品を、必要に応じて加熱処理すること
ができる。この加熱処理方法は、特に限定されるもので
はなく、例えばオートクレーブを用いれば、どの温度に
も加熱することができる。また、加熱温度が100℃未
満のときは、湯煎、電熱器等により加熱することもでき
る。上記のオートクレーブは、蒸気式のものであっても
電気式ものであってもよい。
【0037】上記の緑色とは、一般的に緑味を帯びた色
相をいい、吸収スペクトルが480nm〜575nmの
青緑、緑、黄緑、薄茶緑等をいう。この中でも、吸収ス
ペクトルが495nm〜565nmの緑色はより鮮やか
な色調である。また、色の三属性のうち、色相以外の明
度や彩度は、特に限られるものではなく、色相が緑味を
帯びていれば、明るい色でも暗い色でも、また、鮮やか
な色であってもなくてもよい。
【0038】
【実施例】以下、この発明の実施例について示す。
【0039】まず、実施例及び比較例で用いた塩基性化
合物を示す。 ・塩基性化合物 牡蠣の貝殻の粉砕焼結物(以下、「貝焼結物」と称す
る。) 海宝社製:ハイセアーS 水酸化カルシウム(Ca(OH)2 ) ナカライ社
製試薬 水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 ) ナカライ社
製試薬。
【0040】〔実施例1〜8〕250ml三角フラスコ
に表1に記載のクロレラ(レンゴー(株)製:クロレラ
FA)又はケールのいずれかのクロロフィル含有微細物
10gに、表1に記載の塩基性化合物を表1に記載の量
を混合し、これに水を25ml加えた。その結果を表1
に示した。
【0041】次いで、表1に記載の黒糖(日新カップ社
製)、糖蜜(日新カップ社製)のいずれかの糖類の高濃
度液2mlを加えた。なお、加えられた糖類自体の添加
量は、表1に記載の量である。
【0042】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液を
5倍に希釈してpHを測定し、表1に示した条件で、オ
ートクレーブにて加熱処理を行った。
【0043】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液の
pHを測定し、表1に示した。また、得られたクロロフ
ィル含有微細物懸濁液の色及び味について下記の方法で
判定した。
【0044】(色の判定)加熱後、室温〜40℃に冷却
し、目視にてその色を判定した。 ◎:緑色 ○:緑色に少し黄味が加わる △:緑色に黄味が加わる ×:褐色 (味の判定)加熱後、室温〜40℃に冷却し、その懸濁
液を少量すくい取って味見をした。10人によって味見
をし、そのうち多数意見を採用した。なお、表中の記号
は下記の意味を示す。 ◎:渋みなし ○:渋みをほんの少し感じる △:渋みを少し感じる ×:渋みを感じる
【0045】
【表1】
【0046】〔実施例9〕250ml三角フラスコに表
2に記載のクロロフィル含有微細物10gに、実施例1
で用いた黒糖を表2に記載の量を25mlの水で懸濁
し、混合した。このときのpHを測定し、その結果を表
2に示した。
【0047】次いで、実施例1で用いた貝焼結物の高濃
度液2mlを加えた。なお、加えられた糖類自体の添加
量は、表2に記載の量である。このときのpHを測定
し、その結果を表2に示した。
【0048】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液を
表2に示した条件で、オートクレーブにて加熱処理を行
った。
【0049】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液の
pHを測定し、表2に示した。また、得られたクロロフ
ィル含有微細物懸濁液の色及び味について上記の方法で
判定した。
【0050】
【表2】
【0051】〔比較例1〜3〕実施例1で用いたクロレ
ラ、貝焼結物、黒糖を用い、また、糖類として、ショ糖
(ナカライ社製試薬)を用い、表1に記載の量を加え
て、実施例1と同様にしてクロロフィル含有微細物懸濁
液を調整した。
【0052】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液を
表1に示した条件で、オートクレーブにて加熱処理を行
った。
【0053】得られたクロロフィル含有微細物懸濁液の
pHを測定し、表2に示した。また、得られたクロロフ
ィル含有微細物懸濁液の色及び味について上記の方法で
判定した。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、クロロフィル含有微
細物に塩基性化合物を加えて、pHを比較的塩基性の緩
やかな8.5〜10としたので、食品加工工程で行われ
る一般的な加熱下においても、クロロフィル含有微細物
中のタンパク質の変性を防止することができる。
【0055】また、塩基性化合物として動物由来のカル
シウム含有物の焼結体を用いた場合は、懸濁液のpHを
より低く抑えることができ、褐変防止をより効果的に行
うことができる。
【0056】さらに、クロロフィル含有微細物、塩基性
化合物からなる懸濁液に糖類を加えたので、クロロフィ
ル含有微細物中のクロロフィルからマグネシウムが遊離
しにくくなり、また、遊離しても上記糖類中に含まれる
鉄分が置換することが考えられる。このため、褐変を防
止することができる。
【0057】さらにまた、加熱により生じる脂肪酸等を
塩基性化合物が捕獲するため、これら脂肪酸等により生
じる味の変質を防止することができる。
【0058】また、上記の糖類よりも先に、塩基性化合
物をクロロフィル含有微細物と水に懸濁した場合、塩基
性化合物が乾燥クロロフィル含有微細物に効果的に含浸
し、結果として、最終懸濁液のpHをより低くすること
ができる。
【0059】さらに、この発明により得られるクロロフ
ィル含有微細物懸濁液を用いると、より強度の加熱処理
を行うことにより、効率的にクロロフィル含有微細物に
含まれる生理活性物質等の有効成分を取り出すことがで
きる。
【0060】また、この発明によるクロロフィル含有微
細物懸濁液を健康ドリンク等のドリンク剤に使用でき、
牛乳その他の飲料との混合が可能となり、新たな飲料の
開発が可能となる。
【0061】さらに、クロロフィル含有微細物の緑色を
生かし、かつ、クロロフィル含有微細物中の生理活性物
質、各種タンパク質、鉄分をはじめとする各種ミネラル
等をそのまま利用して栄養価を向上させる添加剤とし
て、高含水率のムース、プリン等の和洋菓子、豆腐、コ
ンニャク等の食品や、低含水率の羊かん、蒸し菓子等の
食品、乾燥食品、ゲル又はペースト状の調味食材に使用
することができ、さらに、乾燥粉体や錠剤の形状で使用
することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 31/40 ADD A61K 31/40 ADD 35/78 35/78 C 35/80 35/80 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水にクロロフィル含有微細物、塩基性化
    合物、及び未精製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なく
    とも1種の糖類を懸濁させ、pHを8.5〜10にした
    クロロフィル含有微細物懸濁液。
  2. 【請求項2】 上記クロロフィル含有微細物、塩基性化
    合物、及び糖類の混合比が重量比で、10:0.1〜
    0.3:0.2〜2.0である請求項1に記載のクロロ
    フィル含有微細物懸濁液。
  3. 【請求項3】 塩基性化合物が、動物由来のカルシウム
    含有物の焼結体である請求項1又は2に記載のクロロフ
    ィル含有微細物懸濁液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のクロロ
    フィル含有微細物懸濁液を乾燥することにより得られる
    クロロフィル含有微細物乾燥物。
  5. 【請求項5】 クロロフィル含有微細物と塩基性化合物
    を水に懸濁し、pHを8.5〜10に調整した後、未精
    製糖、糖蜜、廃糖蜜から選ばれる少なくとも1種の糖類
    を添加してなるクロロフィル含有微細物懸濁液の製造方
    法。
JP9053000A 1997-03-07 1997-03-07 クロロフィル含有微細物懸濁液又はその乾燥物 Pending JPH10248524A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086269A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kirin Beverage Corp 緑色野菜容器詰飲料
JP2008278813A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Q P Corp 容器詰め緑色野菜加工食品および退色防止材
JP2014060962A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd ケール及び/又はモロヘイヤ含有食品、及び、ケール及び/又はモロヘイヤ含有食品の色調改善方法

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