JP2008161094A - 緑色系飲料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】鮮やかな緑色が着色料を用いないでも常温で長期間にわたって安定的に保たれ、さらには緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれる緑色系飲料用組成物とすることである。
【解決手段】野菜汁、抹茶およびクロレラなどのクロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として配合し、安定剤としてグルコン酸銅4×10−3〜21.4×10−3重量%およびジェランガム0.01〜0.07重量%またはセルロース系安定剤0.35〜1.0重量%を添加してなる緑色系飲料用組成物とする。
【選択図】なし

Description

この発明は、クロロフィルを含有する植物の緑色を経時的に安定して保持する野菜ジュース、抹茶飲料等の緑色系飲料用組成物に関する。
一般に、野菜ジュースや抹茶飲料などの緑色系の容器詰飲料は、例えば黄色4号(タートラジン)と青色1号(ブリリアントブルー)などを組み合わせた合成着色料、またはクチナシ青色素とベニバナ黄色素などを組み合わせた天然着色料を添加して緑色を演出しているものが多い。
その理由としては、原材料の素材自体(葉緑素)が緑色であったとしても、加熱殺菌工程を経て容器詰めされると緑色ではなくなり、茶色くなって製品としての価値がなくなり、仮に加熱しなくても保存時に酸化され茶色く変色するからである。通常、これらの飲料を上市する際には、上記着色料を添加して緑色にする方法か、あるいは冷凍保存して色調の変化に耐える方法がなされてきた。
因みに、絞った野菜汁を流通時に冷凍保存して販売すると、液体飲料中に含有されている植物組織は、葉緑素に含有されるマグネシウムが酸化などによって失われると、緑色を失って茶色に退色する性質がある。
この茶色の成分は、フィオフィチンと呼ばれクロロフィル(葉緑素)構造のポリフィリン環の中心に位置するMgが水素イオンと置換することにより生じる。これを阻止する一般的な方法は、クロロフィル(葉緑素)構造のポリフィリン環の中心に位置するMgを銅と置換することにより安定化させる方法である。
また、植物組織の緑色(クロロフィル)を安定化させて保持する方法として、以下のような方法が講じられてきた。
例えば植物を金属含有酵母液に接触させて緑色に保持する方法(特許文献1)、または緑茶葉に銅を置換反応させ緑色を安定化させる方法(特許文献2)などである。
このように健康志向の高まりにより着色料無添加の飲料が消費者に好まれるようになってきているにも拘わらず、緑色を呈する常温流通可能な容器詰飲料について着色料を無添加にして製造することは容易なことではなかった。
特許第3538190号公報 特開平7−112号公報
しかし、上記した従来の方法により冷凍保存等された容器詰飲料でも、保存時や販売時において経時的に沈殿が生じ、また容器詰飲料を長期間にわたって保存すると色調の変化が大きく外観が見苦しくなり商品価値が低下する。
このような変色の原因として、クロロフィルは水溶性ではなく脂溶性であるという性質があり、葉緑体という色素体の内部に存在し、更には細胞壁に包まれた状態(植物組織)で脂溶性のクロロフィルは存在しているからである。
そして、不溶性固形分である緑色に着色した植物組織が沈殿すると、残りの飲料の液体の色が徐々に出現し、その結果、液体色の二層分離が生じて商品としては不適切なものになるという問題点がある。このような二層分離した飲料の変色及び沈殿は消費者にとって視覚的に魅力を減じるものではなく、商品価値を低下させることになる。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、鮮やかな緑色が着色料を用いないでも常温で長期間にわたって安定的に保たれ、さらには緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれる緑色系飲料用組成物とすることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、クロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として配合し、安定剤としてグルコン酸銅およびジェランガムを添加してなる緑色系飲料用組成物としたのである。
上記したように構成されるこの発明の緑色系飲料用組成物は、クロロフィルを含有する植物組織にグルコン酸銅が作用してクロロフィル(葉緑素)構造のポリフィリン環の中心に位置するMgを銅と置換することにより安定化させることができる。
銅イオンのみでも一時的にはクロロフィルの緑色は保たれるが、飲料全体として均一に緑色を安定的に保つことはできない。そこで、グルコン酸銅と共にジェランガムを添加することにより、層分離することなく飲料全体として均一にクロロフィルの緑色は保たれるようになる。
また、飲料全体として均一に緑色を安定的に保つようにすることにより、グルコン酸の呈味改善効果も飲料全体に均一に奏されるようになり、風味の良さも経時的に安定的に保たれる。
このようなグルコン酸銅の作用は、緑色系飲料用組成物100重量%におけるグルコン酸銅の添加量が、4×10−3〜21.4×10−3重量%である場合に添加効率よく奏される。
さらに、緑色系飲料用組成物100重量%におけるジェランガムの含有量が、0.01〜0.07重量%であれば、ジェランガムの添加効率もよく、上記の作用が確実に発揮される緑色系飲料用組成物になる。
また、同様の作用を得るために、前記のクロロフィルを含有する緑色系飲料用組成物において、ジェランガムに代えてセルロース系安定剤を添加した緑色系飲料用組成物とすることもできる。
その際、緑色系飲料用組成物100重量%におけるセルロース系安定剤の含有量は、0.35〜1.0重量%であることが好ましい。
前記したクロロフィルを含有する植物組織としては、例えば野菜汁、抹茶およびクロレラから選ばれる1種以上のクロロフィルを含有する植物組織を採用すると、好ましい結果が確実に得られる緑色系飲料用組成物になる。
そして、上述のようにして得られた緑色系飲料用組成物を、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ガラス瓶、スチール缶、アルミニウム缶製の容器に充填し封入して容器入り緑色系飲料用組成物を製造することができる。
この発明は、クロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として配合し、安定剤としてグルコン酸銅およびジェランガムを添加した緑色系飲料用組成物としたので、鮮やかな緑色が着色料を用いないでも常温で長期間にわたって安定的に保たれ、さらには緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれる緑色系飲料用組成物とすることのできる利点がある。
この発明でいう緑色系飲料用組成物は、緑色を呈した飲料組成物をいい、例えば、野菜飲料、抹茶飲料等をクロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として100%の割合または任意の割合で配合したものである。
この発明の緑色系飲料用組成物の第1実施形態は、クロロフィル構造を持つ植物組織成分にグルコン酸銅及びジェランガムを配合したものである。
この発明で用いるジェランガムは、特にその種類を限定しなければ使用できないものではないが、例えばネイティブ型ジェランガムが好ましい。市販品としては、ケルコ社製:ケルコゲルHT(登録商標)等のジェランガムを用いることができる。
緑色系飲料用組成物に対するジェランガムの含有量は、0.01〜0.07重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.06重量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.05重量%である。このような所定の範囲よりジェランガムの含有量が多ければ、飲料用組成物がゲル化して飲用に好適でなくなり、所定の範囲未満の少量では、沈殿を大量に生じて保存安定性が悪くなり好ましくないからである。
この発明で用いるグルコン酸銅は、具体的には扶桑化学工業株式会社製:ヘルシャスCu(商品名)等を用いることができる。緑色系飲料用組成物に対するグルコン酸銅の配合量は、好ましくは4×10−3〜21.4×10−3重量%、より好ましくは4×10−3〜14.3×10−3重量%、さらに好ましくは5×10−3〜8.5×10−3重量%である。
このような所定範囲よりグルコン酸銅の配合量が多ければ、飲料用組成物の風味が悪化して好ましくなく、所定範囲より少なければ緑色安定性が不良となって好ましくない。
次に、この発セルロース系安定剤明の第2実施形態の緑色系飲料用組成物について説明すると、クロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として配合し、安定剤としてグルコン酸銅およびセルロース系安定剤を配合することを特徴としている。
この発明で用いるセルロース系安定剤は、市販されている周知のものを用いることができ、具体的には、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製:サンアーティスト(登録商標)PG等の発酵セルロース及びグァーガムの配合製剤を用いることができる。
緑色系飲料用組成物に対するセルロース系安定剤の配合量は、0.35〜1.0重量%、好ましくは0.35〜0.8重量%、より好ましくは0.4〜0.6重量%である。これよりセルロース製剤の含有量が多いと、どろどろした粘度の高い食感になって好ましくなく、これより少ないと沈殿を生じて保存安定性が悪くなって好ましくない。
第3実施形態の緑色系飲料用組成物は、クロロフィルを含有する植物組織として、野菜汁、抹茶およびクロレラから選ばれる1種以上のクロロフィルを含有する植物組織を採用するものである。例えば野菜汁としては、ケール汁、ほうれん草汁、セロリ汁、パセリ汁、キャベツ汁、ピーマン汁、ブロッコリー汁、モロヘイヤ汁等が挙げられる。
上記の抹茶としては、クロロフィルを含有する植物組織としての茶の葉を原料とするものであれば良く、具体例としては抹茶パウダー(宇治の露製茶株式会社製)等を用いることができる。
前記のクロレラとしては、飲料の配合可能な状態のクロレラであればよく、特にその製法や種、変種、亜種などの種や、特別な形質獲得のための変異性を問わないが、例えば入手の容易な市販のクロレラパウダー(株式会社ダンフーズ製)等を用いてもよい。
因みに、緑色系飲料用組成物は、食品衛生法に準じた所定の殺菌を施したものであり、例えば9ヶ月間以上、25℃の温度で保管しても腐敗しないものとして製品化可能なものであるが、必ずしも全ての製品が未殺菌で冷凍流通または冷凍保存しなければ市販できないようなものでなくてもよい。
この発明の緑色系飲料用組成物には、牛乳、脱脂粉乳、生クリーム、ヨーグルト(発酵乳)、全脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳、豆乳等の乳成分を添加しても良い。
また、この発明の緑色系飲料用組成物には、この発明の効果を阻害しない限り酸味料を添加してもよく、酸味料としては例えばクエン酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸等が挙げられる。中でも好ましくは、クエン酸を採用することでさっぱりとした爽快な酸味を付与することができる。
この発明の緑色系飲料用組成物には、乳化剤を添加してもよく、例えば蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる1種またはこれらの混合物が挙げられる。市販の蔗糖脂肪酸エステルとしては、三菱化学フーズ社製の「菱糖エステル」、第一工業社製の「DKエステル」等が挙げられる。
更に、この発明の緑色系飲料用組成物には、この発明の効果を阻害しない限りアラビアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、タマリンドシードガム及び寒天から選ばれる1種以上の増粘剤を添加しても良い。
この発明の緑色系飲料用組成物は、前記したような種々の成分の他に、周知の甘味料を配合してもよい。因みに甘味料の具体例としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、デキストリン、オリゴ糖、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分が挙げられる。
この発明の緑色系飲料用組成物には、以上説明した原材料または添加成分の他に、この発明の効果を損なわないように、果汁、コーヒー、緑茶、烏龍茶、紅茶、香料、ビタミン類、ミネラル類およびアミノ酸類から選ばれる一種以上を添加しても良く、これらの添加により飲料として、風味の向上、飲食者の健康補助効果など付加価値を高めることができる。
この発明の緑色系飲料用組成物を製造するには、上述したような原材料を選択的に採用し、例えばジェランガム、セルロース製剤、グルコン酸銅、野菜汁、酸味料及びその他の原料を水、好ましくは蒸留水に加熱攪拌溶解し、冷却することによって調製することができる。
このような緑色系飲料用組成物は、容器に充填すれば簡便に飲食することができるのは勿論であり、そのような充填用容器としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ガラス瓶、スチール缶、アルミニウム缶製の容器が挙げられる。
すなわち、この発明の緑色系飲料用組成物は、例えばペットボトル、缶、ガラス瓶、紙パック等の容器に充填し、密封状態とすれば、均一に緑色を維持した状態で流通や販売をすることができ、携帯して飲食しても美味しく、この発明の効果が奏されるものである。
このような容器充填の緑色系飲料用組成物は、常温で流通や販売されるものであってもよく、チルド状態で流通や販売がなされるものであっても良い。
緑色系飲料用組成物は、上記した容器に充填された状態で、室温の温度条件に保存した場合においても少なくとも9ヶ月は安定に品質を維持することも可能である。
[実施例1]:野菜・果実ドリンク
下記の処方に示す組成の内、香料以外を水に加え、80℃で10分間加熱溶解した後、香料を加え、クエン酸にてpHを3.8に調整し、95℃で30秒間加熱殺菌後にスチール缶に充填し、缶入り野菜・果実ドリンクを得た。
(処方1)
グルコン酸銅(扶桑化学社製:ヘルシャスCu) 7×10−3重量%
ジェランガム(ケルコ社製:ケルコゲルHT) 0.03重量%
クロレラパウダー 0.1重量%
りんご透明7倍濃縮果汁(マインフルーツ社製) 11重量%
ケール汁 20重量%
クエン酸 pH3.8まで
香料(高砂香料製:アップルフレーバー) 0.1重量%
純水(残部)にて全量100重量%とする
得られた野菜・果実ドリンクについて、以下に段階評価の詳細を示すように、目視判定時の色、緑色の指標(a値)、総合評価を行ない、これらの結果をまとめて表1中に示した。
上記の緑色の指標であるa値a値は、飲料の緑色度の指標となるLab表色系におけるa値のことであり、厚さ5mmの角セルを使用し、日本電色工業社製の「分光色彩計 SD−5000」を用い、透過法にて測定した。因みに、a値は、マイナスの値が大きくなれば緑色が強くなり、プラスの値では赤色を呈するものと評価される。通常、−6以下の数値では、飲料として適した鮮やかな緑色組成物である。
得られた飲料用組成物に対する評価試験方法と評価の基準を以下に列記する。
[組成物の目視判定]
容器詰飲料を55℃の恒温機内で48時間保持した後、保存前の容器詰飲料を基準として、目視による緑色の状態、沈殿・凝集状態の変化を判定した。
1 鮮やかな緑色で、ほとんど沈殿・凝集が認められない
2 緑色が薄く、やや沈殿・凝集がみとめられる
3 沈殿・凝集が認められる
[味・喉越し]
容器詰飲料の味、喉越しのバランスを成人男女多数のパネラーに判定させ、多数意見を考慮して以下の基準にて評価した。
1 程よい味わいで、喉越しも良い
2 後に引く味があり好ましく思わない
3 味わいが悪く、飲用できない
[総合評価]
沈殿・凝集状態、及び味・喉越しの総合的な判断を、以下の基準にて評価し、その点数を表中に示した。
1 目視判定、味共に1であるもの
2 目視判定、味の少なくとも一方が1以外であるもの(但し、総合評価3であ
る場合を除く。)
3 目視判定、味共に3であるもの
Figure 2008161094
実施例1の参考実験Aとして、グルコン酸銅の添加量を変化させたこと以外は、実施例1と同様にして野菜・果実ドリンクを調製し、前記同様の評価を行なってその結果を表2中にまとめて示した。
表2の結果からも明らかなように、参考例A8〜A13の野菜・果実ドリンクは、緑色が鮮やかで、凝集・沈殿も見られず、飲用しても飲み心地のよいさっぱりとした爽快な喉越しの良好な野菜・果実ドリンクとなった。すなわち、特に参考例A8〜A13は、緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれるという優れた評価が得られた。
一方、参考例A1〜A7の野菜・果実ドリンクは、緑色ではなく、茶色または枯れ葉色を呈しているか、または沈殿、凝集または味の状態が悪くなり、概観(見栄え)と共に味も良い飲料とは言えなかった。参考例A14は、緑色であるが味の点では後に引く味があった。
なお、グルコン酸銅が無添加の参考例A1以外は、温度や保存時間を調整すれば使用に耐えるものであった。
Figure 2008161094
実施例1の参考実験Bとして、ジェランガムの添加量を変化させたこと以外は、実施例1と同様にして野菜・果実ドリンクを調製した。結果を表3に示した。
Figure 2008161094
表3の結果からも明らかなように、参考例B6〜B9の野菜・果実ドリンクは、緑色が鮮やかで、凝集・沈殿も見られず、飲用しても飲み心地のよいさっぱりとした爽快な喉越しの良好な野菜・果実ドリンクとなった。すなわち、参考例B6〜B9は、緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれるという優れた評価が得られた。
一方、参考例B3〜B5、B10〜B13の野菜・果実ドリンクは、沈殿、凝集または味の状態が悪くなり、概観(見栄え)と共に味も良い飲料とは言えなかった。参考例B1、B2は、目視、味の判定共に飲料中の凝集・沈殿が見られ、飲用してみても、喉越しがよい飲料とは言えなかった。
[実施例2]:野菜・果実ドリンク
下記の処方に示す組成のうち、香料以外を水に加え、80℃で10分間加熱溶解した後、香料を加え、クエン酸にてpHを3.8に調整し、95℃で30秒間加熱殺菌した後にスチール缶に充填し、缶入り野菜・果実ドリンクを得た。
(処方2)
グルコン酸銅(扶桑化学社製:ヘルシャスCu) 7×10−3重量%
セルロース製剤(三栄源エフエフアイ社製:サンアーティストPG) 0.4重量%
りんご透明7倍濃縮果汁(マインフルーツ社製) 11重量%
ケール汁 20重量%
クエン酸 pH3.8まで
香料(アップルフレーバー:高砂香料製) 0.1重量%
純水(残部)にて全量100重量%とする。
得られた結果を表4に記す。
Figure 2008161094
実施例2の参考実験Cとして、セルロース製剤の添加量を変化させたこと以外は、実施例2と同様にして野菜・果実ドリンクを調製し、結果を表5に示した。
Figure 2008161094
表5の結果からも明らかなように、参考例C10〜C13の野菜・果実ドリンクは、緑色が鮮やかで、凝集・沈殿も見られず、飲用しても飲み心地のよいさっぱりとした爽快な喉越しの良好な野菜・果実ドリンクとなった。すなわち、参考例C10〜C13は、緑色成分の分散状態が安定していて沈殿物も層状分離もなく、風味の良さも経時的に安定的に保たれるという優れた評価が得られた。
一方、参考例C3〜C9、C14、C15の野菜・果実ドリンクは、沈殿、凝集または味の状態が悪くなり、概観(見栄え)と共に味も良い飲料とは言えなかった。参考例C1、C2は、目視、味の判定共に飲料中の凝集・沈殿が見られ、飲用してみても、喉越しがよい飲料とは言えなかった。
[実施例3]:抹茶ミルク
下記の処方に示す組成のうち、水にジェランガムを攪拌溶解し、80℃まで加熱した。また、水に、乳化剤を加え、70℃で10分間攪拌溶解し、30℃とした後、前記水とジェランガム溶液を加え、更に、砂糖、牛乳、グルコン酸銅、抹茶、香料を添加し、全量補正する。14700KPaにてホモジナイズし、138℃に達温した後、30℃まで冷却し、無菌的処理(過酸化水素、過酢酸、無菌水洗浄)を施されたペットボトルに充填し、キャップで密封され、ペットボトル入り抹茶ミルクを得た。
(処方3)
グルコン酸銅(扶桑化学社製:ヘルシャスCu) 10重量%
ジェランガム(ケルコ社製:ケルコゲルHT) 0.03重量%
乳化剤(三菱化学フーズ社製:菱糖エステルP-1670) 0.06重量%
牛乳 18重量%
砂糖 7重量%
抹茶パウダー(宇治の露製茶社製) 0.2重量%
ビタミンC(日本ロシュ社製) 0.01重量%
香料(抹茶フレーバー:小川香料製) 0.1重量%
純水(残部)にて全量100重量%とする。
得られた結果を表6に記す。
Figure 2008161094
[実施例4]:抹茶ドリンク
下記の処方に示す組成のうち、水にセルロース製剤を攪拌溶解し、80℃まで加熱する。また、水に、ぶどう糖、麦芽糖を加え攪拌溶解し、前記水とセルロース製剤溶液を加え、更に、グルコン酸銅、抹茶、クエン酸を添加し、全量補正する。90℃で30分間加熱殺菌後にペットボトルに充填し、キャップで密封してペットボトル入り抹茶ドリンクを得た。
(処方4)
グルコン酸銅(扶桑化学社製:ヘルシャスCu) 12重量%
セルロース製剤(三栄源エフエフアイ社製:サンアーティストPG) 0.4重量%
ぶどう糖 10重量%
麦芽糖 5重量%
抹茶パウダー(宇治の露製茶社製) 0.2重量%
クエン酸 0.01重量%
純水(残部)にて全量100重量%とする
得られた結果を表7に記す。
Figure 2008161094

Claims (6)

  1. クロロフィルを含有する植物組織を緑色系飲料成分として配合し、安定剤としてグルコン酸銅およびジェランガムを添加してなる緑色系飲料用組成物。
  2. 緑色系飲料用組成物100重量%におけるグルコン酸銅の添加量が、4×10−3〜21.4×10−3重量%である請求項1に記載の緑色系飲料用組成物。
  3. 緑色系飲料用組成物100重量%におけるジェランガムの含有量が、0.01〜0.07重量%である請求項1または2に記載の緑色系飲料用組成物。
  4. 請求項1または2に記載のクロロフィルを含有する緑色系飲料用組成物において、ジェランガムに代えてセルロース系安定剤を添加してなる緑色系飲料用組成物。
  5. 緑色系飲料用組成物100重量%におけるセルロース系安定剤の含有量が、0.35〜1.0重量%である請求項4に記載の緑色系飲料用組成物。
  6. クロロフィルを含有する植物組織が、野菜汁、抹茶およびクロレラから選ばれる1種以上のクロロフィルを含有する植物組織である請求項1〜5のいずれかに記載の緑色系飲料用組成物。
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