JP4699562B1 - 粒子含有炭酸飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしの良い炭酸飲料及び当該炭酸飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まない粒子含有炭酸飲料。水不溶性固形分量は、0.001〜1.2質量%であることが好ましく、粒度分布積算値の10%累積頻度径は1〜260μmであり、かつ90%累積頻度径は300〜650μmであることが好ましく、炭酸ガスボリュームは1.8〜3.1であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、果実や野菜を由来とする粒子を含有する炭酸飲料及びその製造方法に関するものである。
果汁を含む果汁飲料又は野菜汁を含む野菜飲料は、果汁又は野菜汁に含まれる栄養素、各種ビタミン類、食物繊維等を手軽に摂取できることから、広く普及している。
近年、飲料に対する嗜好の多様化により、果実や野菜を破砕又は磨砕して得られる粒子を含有する果汁飲料又は野菜飲料が提供されている(例えば、特許文献1,2等)。このような飲料は、含有される粒子によって、飲用したときに果実感又は野菜感が得られるという特徴がある。
国際公開第WO2005/067740号公報 特開2009−159818号公報
しかしながら、上記のような従来の果汁飲料又は野菜飲料では、粒子状になった果実や野菜を感じることで、果実感又は野菜感は得られても、のどごしが悪いという問題があった。
ところで、炭酸飲料は、飲用した時に炭酸ガスの刺激によって清涼感を得ることができる清涼飲料であり、従来より広く普及している。しかしながら、かかる炭酸飲料に、前述したような粒子を配合することは殆ど行われていない。
そこで、本発明は、果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしの良い炭酸飲料及び当該炭酸飲料の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まないことを特徴とする粒子含有炭酸飲料を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、粒径が3μm以上の粒子を含むことで、果実感又は野菜感が得られ、粒径が811μm以上の粒子を含まないことで、のどごしの良いものとなる。
上記発明(発明1)においては、前記粒子が果実由来のものであることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、水不溶性固形分量が0.001〜1.2質量%であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)においては、粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μmであり、かつ90%累積頻度径が300〜650μmであることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)においては、炭酸ガスボリュームが1.8〜3.1であることが好ましい(発明5)。
第2に本発明は、粒径が3μm以上の粒子を配合し、粒径が811μm以上の粒子を配合しないことを特徴とする粒子含有炭酸飲料の製造方法を提供する(発明6)。
上記発明(発明6)においては、前記粒子として、果実由来のものを使用することが好ましい(発明7)。
上記発明(発明6,7)においては、水不溶性固形分量が0.001〜1.2質量%となるように、前記粒子の配合量を調整することが好ましい(発明8)。
上記発明(発明6〜8)においては、粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μm、かつ90%累積頻度径が300〜650μmとなるように、前記粒子の粒度分布を調整した上で、前記粒子を配合することが好ましい(発明9)。
上記発明(発明6〜9)においては、炭酸ガスを、ガスボリュームが1.8〜3.1となるように封入することが好ましい(発明10)。
第3に本発明は、粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まないように、含有させる粒子を調整することを特徴とする粒子含有炭酸飲料ののどごし改善方法を提供する(発明11)。
本発明によれば、果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしの良い炭酸飲料が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まないものである。ここで、粒子の粒径は、粒子の長径を測定したものであり、具体的には島津製作所社製のレーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100によって測定した値である。
粒子としては、果実由来の粒子、野菜由来の粒子、又はそれらの混合物が挙げられ、中でも、炭酸ガスによる清涼感とマッチした果実由来の粒子を使用することが好ましい。粒子には、繊維状のものも含まれるものとする。
粒子の原料となる果実の種類としては、本発明の効果が発揮される限りにおいて特に限定されることなく、例えば、イチゴ、キウイフルーツ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類、柑橘類果実類(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)等が挙げられる。上記の果実は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、リンゴは、上記粒径を有する粒子範囲に調整した場合、パルプの苦渋味が炭酸ガスの刺激と重なり、エグ味が強く感じるようになり、良質な果実感を得ることができなかったため、使用しないことが好ましい。
粒子の原料となる野菜の種類としては、特に限定されることなく、例えば、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、ゴーヤ、ナーベラ、トウガン、オクラ、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、トウガラシ、トウモロコシ、キュウリ等の果菜類、ニンジン、ゴボウ、タマネギ、タケノコ、レンコン、カブ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ラッキョウ、ニンニク、ショウガ等の根菜類、モロヘイヤ、アスパラガス、セロリ、ケール、チンゲンサイ、ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、ミツバ、パセリ、ネギ、シュンギク、ニラ等の葉茎類等が挙げられる。上記の野菜は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
果実由来の粒子又は野菜由来の粒子は、常法によって得ることができ、例えば、破砕、磨砕等の処理により、さらに所望により裏ごしすることにより、得ることができる。また、粒径が811μm以上の粒子を除くために、さらにふるい等を使用して濾過することが好ましい。
破砕又は磨砕する場合には、例えば、原料としての果実又は野菜に対して、温める、煮る、蒸す等の加熱処理や、十分な水洗い、水にさらす、薬品処理する等の非加熱処理を施してから、ラインミキサー、エマルダー、カッターミル、ディスパー、ジューサーミキサー、マイルダー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の装置を使用して、破砕又は磨砕する。裏ごしは、裏ごし機等を使用して行うことができる。また、粒径が811μm以上の粒子を除くために使用するふるいとしては、通常は、24〜60メッシュ、特に40メッシュのふるいが好ましいが、その果実の粉砕状況や繊維の硬さなどの質的なものにより、また処理時の圧力によっても変わるため、これに限定されるものではない。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、粒径が3μm以上の粒子を含むことで、果実感又は野菜感が得られ、粒径が811μm以上の粒子を含まないことで、のどごしの良いものとなる。すなわち、粒子を含まない、又は粒径が3μm未満の粒子のみを含む場合には、果実感又は野菜感は得られず、粒径が811μm以上の粒子を含むと、当該粒子がのどに引っ掛かり、のどごしが悪いものとなる。なお、本明細書において「粒径が811μm以上の粒子を含まない」とは、粒径が811μm以上の粒子の粒子全体に対する分布比率が0.001%未満であることを意味する。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、好ましくは粒径が30μm以上、特に好ましくは粒径が60μm以上の粒子を含み、また、好ましくは粒径が730μm以上、特に好ましくは粒径が659μm以上の粒子を含まない。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料が含有する粒子においては、粒度分布を測定したときに、粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μmであることが好ましく、30〜260μmであることが特に好ましく、60〜180μmであることがさらに好ましく、かつ、粒度分布積算値の90%累積頻度径が300〜650μmであることが好ましく、300〜600μmであることが特に好ましく、400〜600μmであることがさらに好ましい。ここで、「a%累積頻度径」とは、累積粒子数が全粒子のa%に達したときの粒子径をいう。なお、粒度分布の測定は、粒度分布計を使用して行うことができ、具体的には、島津製作所社製のレーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100によって測定した値である。
10%累積頻度径及び90%累積頻度径が上記範囲にあることで、より優れた果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしがより良いものとなる。すなわち、10%累積頻度径が1μm未満であると、果実感又は野菜感が不足するおそれがあり、10%累積頻度径が260μmを超えると、のどごしが悪くなるおそれがある。また、90%累積頻度径が300μm未満であると、果実感又は野菜感が不足するおそれがあり、90%累積頻度径が650μmを超えると、のどごしが悪くなるおそれがある。
上記のような粒度分布を有する粒子は、破砕又は磨砕、裏ごし、濾過等を適宜行うことにより得ることができる。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、水不溶性固形分を含有する。この水不溶性固形分は、上記の粒子が主なものであるが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料における水不溶性固形分量は、0.001〜1.2質量%であることが好ましく、0.01〜0.29質量%であることが特に好ましく、0.03〜0.21質量%であることがさらに好ましい。なお、水不溶性固形分量の測定方法は、後述する水不溶性固形分量測定試験に示す通りである。
水不溶性固形分量が上記範囲にあることで、より優れた果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしがより良いものとなる。水不溶性固形分量が0.001質量%未満であると、果実感又は野菜感が不足するおそれがあり、水不溶性固形分量が1.2質量%を超えると、のどごしが悪くなるおそれがある。
水不溶性固形分量を上記範囲に調整するには、本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料における上記粒子の含有量を適宜調整することで行うことが好ましい。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料が含有する炭酸ガスのガスボリュームは、1.8〜3.1であることが好ましく、2.0〜2.8であることが特に好ましく、2.2〜2.6であることがさらに好ましい。なお、本実施形態におけるガスボリュームとは、20℃において、炭酸飲料中に溶解している炭酸ガスの体積を炭酸飲料の体積で除したものをいう。
炭酸ガスボリュームが1.8以上であることで、炭酸ガスの清涼感と、それによるのどごしの良さを得ることができる。すなわち、炭酸ガスボリュームが1.8未満であると、炭酸ガスの清涼感が薄れ、のどごしが悪くなるおそれがある。一方、炭酸ガスボリュームが3.1以下であると、含有する粒子によって得られる果実感又は野菜感を損なうことがない。すなわち、炭酸ガスボリュームが3.1を超えると、果実感又は野菜感が損なわれるおそれがある。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、果実由来の粒子又は野菜由来の粒子を製造するときに得られた果汁又は野菜汁、又はそれらの混合物を含有するのが好ましい。それにより、飲用したときに得られる果実感又は野菜感を、味、香り等の点から、より向上させることができる。
また、本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、上記成分の他、水や、公知の飲料に含まれる材料(成分)、例えば、糖類や甘味料などからなる甘味付与剤、酸味料、香料、ミネラル分、ビタミン類、色素成分、栄養成分、酸化防止剤等を含有してもよい。
水は、飲用に適した水であればよく、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水等のほか、これらの水を脱気処理した脱気水等が挙げられる。
甘味付与剤としては、糖類又は甘味料を使用することができ、糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、還元麦芽糖等が挙げられる。甘味料としては、例えば、砂糖、異性化糖、フラクトース、グルコース、キシリトール、ステビア抽出物、パラチノース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられる。また、シュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料、高甘味度甘味料等を含んでいてもよいし、ソルビトール等の糖アルコールを含んでいてもよい。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類が挙げられ、中でも、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸等が好ましい。
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、果汁又は果実ピューレ、植物の種実、根茎、木皮、葉等又はこれらの抽出物、乳又は乳製品、合成香料等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD及びビタミンB等が挙げられる。
ミネラル分としては、例えば、カルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛等が挙げられる。
色素成分としては、例えば、クロレラ、葉緑素等が挙げられる。
栄養成分としては、例えば、L−アスコルビン酸やそのナトリウム塩等が挙げられる。
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、鮫軟骨、牡蛎エキス、キトサン、プロポリス、オクタコサノール、トコフェロール、カロチン、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、乳酸菌、霊芝、アガリクス等が挙げられる。
また、本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、pH調整剤、品質安定剤等を含有してもよい。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料のpHは、2.0〜4.2であることが好ましく、2.5〜4.0であることがより好ましい。粒子含有炭酸飲料のpHが上記範囲内にあると、果実感又は野菜感を損なうことなく、ほどよい酸味が得られる。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、容器に充填した形態で提供することができる。当該容器としては、炭酸ガスのガス圧を考慮すると、金属缶、PETボトル等のプラスチック製ボトル、瓶などの所定の強度を有する容器であるのが好ましい。
本実施形態に係る粒子含有炭酸飲料は、特定の粒子を特定量使用する以外、従来公知の方法により製造することができる。例えば、水に、前述した方法によって得られた果実由来の粒子及び/又は野菜由来の粒子、そして所望により果汁及び/又は野菜汁、さらに所望により前述した他の成分を添加して攪拌し、飲料原液を調製する。そして、必要に応じてpHの調整及び/又は加熱殺菌をしてから冷却した後、ガスボリュームが所定の範囲になるように炭酸ガスをガス封入(カーボネーション)し、容器に充填して、殺菌する工程により製造することができる。なお、炭酸飲料の製法には、プレミックス法とポストミックス法とがあるが、いずれを採用してもよい。
以上の粒子含有炭酸飲料は、飲用したときに、果実感又は野菜感が得られるとともに、のどごしが良いものである。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
〔試料1〕
丸源エフピージェー社が販売するイチゴピューレ50gを40メッシュで濾過し、果糖ぶどう糖液糖100g及びリンゴ酸1.2gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料1)。
〔試料2〕
カーギルジャパン社が販売するキウイフルーツピューレ50gを40メッシュで濾過し、果糖ぶどう糖液糖94g及び酸度が0.3になるようクエン酸を添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料2)。
〔試料3〕
カーギルジャパン社が販売するオレンジ混濁果汁(Brix64)8.6gを40メッシュで濾過し、果糖ぶどう糖液糖94g及びクエン酸1.0gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料3)。
〔試料4〕
日本果実加工社が販売するピーチピューレ50gを40メッシュで濾過し、果糖ぶどう糖液糖94g及びリンゴ酸0.6gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料4)。
〔試料5〕
ガスボリュームを3.1に調整した以外は試料1と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料5)。
〔試料6〕
ガスボリュームを1.8に調整した以外は試料1と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料6)。
〔試料7〕
キウイフルーツピューレを150g使用した以外は試料2と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料7)。
〔試料8〕
キウイフルーツピューレを200g使用した以外は試料2と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料8)。
〔試料9〕
雄山社が販売するイチゴ透明果汁(Brix49)8.2gに、果糖ぶどう糖液糖100gを添加するとともに、リンゴ酸1.2gを添加してpHを調整した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた果汁含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料9)。
〔試料10〕
日本果実加工社が販売する桃混濁果汁12.5gに、果糖ぶどう糖液糖94g及びリンゴ酸0.6gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料10)。
〔試料11〕
日本果実加工社が販売する桃混濁果汁12.5gを40メッシュで濾過し、果糖ぶどう糖液糖94g及びリンゴ酸0.6gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料11)。
〔試料12〕
市販品のレモン粒子入り容器詰め炭酸飲料を試料12とした。
〔試料13〕
丸源エフピージェー社が販売するイチゴピューレ50gに、果糖ぶどう糖液糖100g及びリンゴ酸1.2gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた粒子含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料13)。
〔試料14〕
丸菱食品社が販売するピーチピューレ50gに、果糖ぶどう糖液糖94g及びリンゴ酸0.6gを添加した後、98℃40秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。得られた含有シロップ液に対して、後殺菌後にガスボリュームが2.2になるよう、無添加炭酸水によって1000gにメスアップし、洗浄殺菌済みのPETボトルに充填した。その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行い、容器詰め炭酸飲料を得た(試料14)。
〔試料15〕
炭酸ガスのガスボリュームを3.5に調整した以外は試料1と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料15)。
〔試料16〕
炭酸ガスのガスボリュームを0.8に調整した以外は試料1と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料16)。
〔試料17〕
キウイフルーツピューレを250g使用した以外は試料1と同様の操作により、容器詰め炭酸飲料を得た(試料17)。
〔粒度分布測定試験〕
試料1〜17の各炭酸飲料(サンプル)について、飲料に含有される粒子の粒度分布を島津製作所社製レーザ解析式粒度分布測定装置SALD−2100により、体積基準で測定した。なお、サンプルは、脱気処理した後、測定に供した。得られた粒子径の平均値、標準偏差、モード径、10%累積頻度径、50%累積頻度径、90%累積頻度径、及び811μmの差分値を表1に示す。
なお、「811μmの差分値」は、811μm以上の粒子径を有する粒子数の全粒子数に対する体積基準での頻度を表し、この値が0であるということは、装置の測定性能から、811μm以上の粒子径を有する粒子がサンプル中に粒子全体の0.001%未満しか含まれないことを表す。
〔水不溶性固形分量測定試験〕
試料1〜17の各炭酸飲料(サンプル)を恒温水槽に30分以上入れて静置して25℃に調整した後、完全に炭酸ガスを抜き、よく攪拌して均一な状態にした。そのサンプル10.00gを遠沈管に定量し、冷却遠心機を20℃1万Gに設定して、10分間の条件で遠心分離した。保留粒子径が1μmの濾紙の乾燥質量を測定した後、遠心後、遠沈管内の上清固形分を減圧濾過により集めた。次に、遠沈管中にイオン交換水を加えて攪拌し、再び同条件で10分間遠心した。遠心後、遠沈管内の上清固形分を同じ濾紙を用いて減圧濾過により集めた。さらに遠沈管中にイオン交換水を加えて攪拌し、同条件で10分間遠心した。遠沈管内の遠心後の上清固形分を同じ濾紙を用いて減圧濾過により集めた。残った固形分も同じ濾紙上に集めて水洗し、減圧濾過した。水洗に用いたイオン交換水は、全量で100mlとした。得られた濾紙を乾燥させた後、質量を測定した。そして、水不溶性固形分量(質量%)を、以下の式により算出した。
水不溶性固形分量(質量%)=[濾過乾燥後の濾紙質量(g)−濾紙の初期乾燥質量(g)]/10(g)×100
〔炭酸ガス量測定試験〕
JAS法に基づく検査方法に準拠し、以下のようにして炭酸ガス量を測定した。試料1〜17の各炭酸飲料(サンプル)を恒温水槽に30分以上入れて静置して20℃に調整した後、容器詰め炭酸飲料(サンプル)を静かに取り出し、ガス内圧計を取り付けて針先で、キャップを穿孔し、一度活栓を開いてガス抜き(以下「スニフト」という。)し、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、ゲージの指針が一定の位置に達したときの値(MPa)を読み取り記録した。
スニフトした後ガス内圧計を取り外し、開栓して温度計で液温を測定し記録した。測定して得たガス内圧力と液温を炭酸ガス吸収係数表に当てはめ、必要なガス内圧力の温度補正を行い、炭酸ガスボリュームを導いた。
〔官能評価試験〕
試料1〜17の各容器詰め炭酸飲料(サンプル)について、官能評価試験を行った。かかる官能評価試験は、飲料の開発を担当する訓練された7人のパネラーにより、5℃に冷却保管されたサンプル30mlを試飲することにより行った。次に示す基準で果実感及びのどごしの2項目に関し、4段階にて評価した。最も多かった評価を表1に示す。
=果実感の評価=
◎:強く、良好である。
○:良好である。
△:やや弱い。
×:弱い。
=のどごしの評価=
◎:のどごし時の喉奥への炭酸気泡の刺激が強い。
○:のどごし時の喉奥への炭酸気泡の刺激が程よくある。
△:のどごし時の喉奥への炭酸気泡の刺激がやや弱い。
×:のどごし時の喉奥への炭酸気泡の刺激をあまり感じない。
=総合評価=
◎:非常に良好
○:良好
△:やや難があるが、概ね良好
×:不可
Figure 0004699562
表1から分かるように、本願発明の要件を満たす炭酸飲料は、果実感及びのどごしのいずれも優れるものであった。
本発明によれば、果実感又は野菜感、及びのどごしのいずれも優れる、新規な粒子含有炭酸飲料を提供することができる。

Claims (7)

  1. 粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まない粒子含有炭酸飲料であって、
    水不溶性固形分量が0.001〜1.2質量%であり、
    粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μmであり、かつ90%累積頻度径が300〜650μmである
    ことを特徴とする粒子含有炭酸飲料。
  2. 前記粒子が果実由来のものであることを特徴とする請求項1に記載の粒子含有炭酸飲料。
  3. 炭酸ガスボリュームが1.8〜3.1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子含有炭酸飲料。
  4. 粒径が3μm以上の粒子を配合し、粒径が811μm以上の粒子を配合しない粒子含有炭酸飲料の製造方法であって、
    水不溶性固形分量が0.001〜1.2質量%となるように、かつ粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μm、90%累積頻度径が300〜650μmとなるように、前記粒子の配合量及び粒度分布を調整した上で、前記粒子を配合する
    ことを特徴とする粒子含有炭酸飲料の製造方法。
  5. 前記粒子として、果実由来のものを使用することを特徴とする請求項に記載の粒子含有炭酸飲料の製造方法。
  6. 炭酸ガスを、ガスボリュームが1.8〜3.1となるように封入することを特徴とする請求項4又は5に記載の粒子含有炭酸飲料の製造方法。
  7. 粒径が3μm以上の粒子を含み、粒径が811μm以上の粒子を含まないように、含有させる粒子を調整する粒子含有炭酸飲料ののどごし改善方法であって、
    水不溶性固形分量が0.001〜1.2質量%となるように、かつ粒度分布積算値の10%累積頻度径が1〜260μm、90%累積頻度径が300〜650μmとなるように、前記粒子の配合量及び粒度分布を調整する
    ことを特徴とする粒子含有炭酸飲料ののどごし改善方法。
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