JP2014161319A - 悪臭の発生が抑制されたダイコンジュース - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイコンを搾汁液などの液状とした場合であっても悪臭が抑制され、長期間保存時においても品質及び風味が維持されるダイコンジュースを提供する。
【解決手段】Brix値を10に調整した搾汁液が波長505〜520nm域に極大吸収部を有する場合、その極大吸収部の吸光度が1.0以上であるダイコンを除く、4MTB−グルコシノレート欠失ダイコンを、ブランチング処理及び搾汁して製造され、メチルメルカプタン量が1.5×10以下、ジメチルジスルフィド量が2.0×10以下、ジメチルジスルフィド量が6.0×10以下、かつジメチルトリスルフィド量が2.0×10以下であることを特徴とするダイコンジュース。
【選択図】なし

Description

本発明は、悪臭が抑制されたダイコンジュース及びダイコンジュースを含有しながらも、風味及び品質が共に良好な野菜及び/又は果汁含有飲料に関するものである。
近年、様々な種類の野菜飲料が上市されており、健康志向の高まりと相まってその市場は伸長を続けている。近年は野菜の種類数や含有量を謳った野菜飲料が消費者の注目を集めており、野菜飲料として用いることが可能な素材の開発が進められている。
ダイコンはアブラナ科ダイコン属の越年草であり、主に肥大した根の部分が食用とされる野菜である。日本における年間生産量が野菜全体の約7%を占める重要な野菜の1つであり、国内消費量が非常に多く、好まれる野菜の品目別順位でもトップクラスに入るほど日本人が慣れ親しんでいる野菜である。しかしながら、ダイコンをジュース化した場合、ダイコン特有の悪臭や変色が発生することが問題となり、ダイコンを野菜飲料素材として用いることは困難であった。
このような問題を解決すべく、種々の試みがなされてきた。例えば特許文献1(特開2001−275602)には、アブラナ科の野菜を細断処理する前に加熱処理をし、その後細断処理及び搾汁を行うことにより、アブラナ科特有の不快臭を抑制しているが、根本的な解決には至っていない。また、種々の加工法による除去方法は有効なものも存在するが、同様に十分な効果を奏するものではなく、更に加工コストも増大するため、安価に消費者にジュースを提供する際の妨げになるなどの問題点があり、依然として改良の余地がある。
特開2001−275602号公報
そこで、本発明は、ダイコンを搾汁液などの液状とした場合であっても悪臭が抑制され、品質及び風味において良好なダイコンジュース及びダイコンジュースを含有する野菜汁及び/又は果汁含有飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、悪臭の原因となる物質を低減又は含有させないことにより、長期間保存した場合であっても悪臭低減効果を有し、品質及び風味が良好なまま維持されることを見出し、本発明を完成した。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。
(1)Brix値を10に調整した搾汁液が波長505〜520nm域に極大吸収部を有する場合、その極大吸収部の吸光度が1.0以上であるダイコンを除く、4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレート欠失ダイコンを、ブランチング処理及び搾汁して製造され、メチルメルカプタン量が1.5×10以下、ジメチルジスルフィド量が2.0×10以下、ジメチルジスルフィド量が6.0×10以下、かつジメチルトリスルフィド量が2.0×10以下であることを特徴とするダイコンジュース。
(2)4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレートを実質的に含有しないことを特徴とする(1)に記載のダイコンジュース。
本発明のダイコンジュースは、野菜及び/又は果汁飲料の一部として含有されるか、又はその原料汁として長期間保存した場合であっても、経時による悪臭の発生、風味や品質の劣化が抑制されたダイコンジュースを提供することができる。
比較例1〜3及び実施例1を5℃で2週間保管した場合のメチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド及びジメチルトリスルフィドの量を示したグラフである。 比較例1〜3及び実施例1を45℃で2週間保管した場合のメチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド及びジメチルトリスルフィドの量を示したグラフである。
本発明において、ダイコンジュースとは、1種又は2種以上のダイコンをジューサーなどで搾汁し、液状にしたものをいい、そのまま飲用するダイコンジュースや野菜及び/又は果汁含有飲料の一部として含有される飲料用原料その他加工飲食品の原料を含むものである。
(ダイコンの変色と悪臭発生のメカニズム)
前述のとおり、ダイコンは悪臭や変色が強い傾向にある。まず、その発生のメカニズムを説明したうえでその解決方法を説明する。ダイコンは、硫酸配糖体(グルコシノレート)及びそれを分解する酵素ミロシナーゼを有する。これらがダイコンを加工調理する際に接触し、辛味成分イソチオシアネートを生成する。ダイコンに含まれている主要なグルコシノレートは、「4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレート(4MTB−GSL)」であり、これが加工時にミロシナーゼ酵素の作用を受けてイソチオシアネートである「4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアネート(4MTB−ITC)」となる。生成した4MTB−ITCの一部は、トリプトファンのようなアミノ酸と反応して化学的に不安定な黄色色素2−[3−(2−チオキソピロリジン−3−イリデン)メチル]・トリプトファン(TPMT)などを生成する。この黄変の進行に伴い、メチルメルカプタン、メチルジスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドなどの香気成分が生成され、ダイコン臭や硫黄臭などの悪臭として消費者に認知されるようになる。
以上のダイコンの変色と悪臭発生のメカニズムから、4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレート(4MTB−GSL)を含有しないダイコンジュースを製造することにより、経時による悪臭の発生、風味や品質の劣化が抑制されたダイコンジュースを製造することが可能であることを本願発明者は見出した。
(原料)
原料とするダイコンは、Brix値を10に調整した搾汁液が波長505〜520nm域に極大吸収部を有する場合、その極大吸収部の吸光度が1.0以上であるダイコンを除くこととする。赤ダイコンなどの赤色系有色ダイコンは、Brix値を10に調整した搾汁液が波長505〜520nm域に極大吸収部を有し、吸光度が1.0以上となる。これは、本発明において、これらの赤色系有色ダイコンの原料としての使用を除くことを意味するものである。本発明のダイコンジュースを飲食品加工原料とした場合に、ダイコン自体の色が最終製品の外観に与える影響を低減することができるためである。好ましくは、白首ダイコン及び青首ダイコンなどの白色系ダイコンを原料として用いることとする。また、本発明において原料として用いられるダイコンは、4MTB−GSLを実質的に含有しないダイコン、いわゆる4MTB−GSL欠失品種が好ましい。通常のダイコンは、4MTB−GSL含有量が30μmol/gを超え、120μmol/g程度まで含有する(例えば、耐病総太り:41.4μmol/g、秋まさり2号:50.1μmol/g、西町理想54.0μmol/g、辛味199:110.4μmol/gなど)。最も好ましくは4MTB−GSLを含有しないダイコン品種「だいこん中間母本農5号」等を用いて育成された4MTB−GSL欠失ダイコンを使用する。なお、4MTB−GSLを実質的に含有しないとは、4MTB−GSL含有量が0か検出限界以下か、又は極微量(1μmol/g以下)にしか含まれていないことをいう。ダイコン中の4MTB−GSL含有量はHPLCで測定することが可能である。
(ダイコンジュースの製造方法)
上記原料ダイコンを加工処理して本発明のダイコンジュースを製造する。以下に、本発明のダイコンジュースの製造方法を説明するが、これに限定されるものではない。
ダイコンジュースは、(1)洗浄・剥皮、(2)切断、(3)加温、(4)破砕、(5)搾汁、(6)篩分及び(7)濃縮の工程を経て製造される。以下に、各工程の詳細を説明する。
(1)洗浄・剥皮
本発明においては、原材料となるダイコンは根菜であるため、ブラシウォッシャーなどでダイコンの表面を洗浄処理し、土砂を除去する。その後、所望によりピーラーなどで剥皮処理等を施す。剥皮は基本的に汚れを取り除くことができる程度に行えばよく、一般的に表皮から1〜2mm程度除去する。
(2)切断
洗浄・剥皮したダイコンは、次の加熱処理をギロチンカッターやスライサーなどの切断等の前処理を施してもよいし、切断等の前処理を施さなくてもよい。切断はブランチングを短時間で効率的に実施できるように行う下処理のようなものであり、切断サイズは特に限定されない。一般的には2.0〜2.5cm程度の厚さに切断する。
(3)加温(ブランチング)
植物体の加熱は、品温が85℃以上になるように行い、85〜110℃になるように行うのが好ましく、85℃を超える温度〜110℃になるように行うのがより好ましく、90〜100℃になるように行うのが特に好ましい。この範囲の品温となるように加熱することにより、搾汁後の変質の原因となる酵素を失活させることが出来る。ダイコンの加熱時間は、中心部まで火が通ればよく、ダイコンの切断サイズや加熱温度等に応じて適宜変更することができる。一般的には、3分から15分の間が好ましい。ダイコンを加熱する方法としては、ダイコンを直接的に加熱する方法であってもよいし、間接的に加熱する方法であってもよい。ダイコンを直接的に加熱する方法としては、例えば、ウォーターブランチャーなどの所定温度の熱水中でダイコンを加熱する方法、蒸気とダイコンとを接触させて加熱するスチームブランチャー等が挙げられ、間接的に加熱する方法としては、例えば、熱交換器、チューブラー加熱機、殺菌機等を用いて加熱する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(4)破砕
次に、上記のようにして加熱されたダイコンを破砕する。ダイコンの破砕方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。具体的には、ハンマーミルやグレーダーを用いて破砕する。歩留まりや固液分離のし易さ、成分の抽出性を考慮すると、最大でも5mm程度、好ましくは0.5〜1.0mm程度の大きさになるよう破砕する。
(5)搾汁
次に、破砕されたダイコンを搾汁して搾汁液を得る。ダイコンの搾汁方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。具体的には、二軸回転型エクストルーダー等の搾汁機を用いて搾汁してダイコンジュースを得るようにしてもよいし、デカンターやスクリュープレスにより搾汁してダイコン搾汁液を得るようにしてもよいし、その他の方法で搾汁してダイコン搾汁液を得るようにしてもよい。
(6)篩分
さらに篩分を行うことにより、ダイコンの繊維質を除去し、飲料原料などの飲食品加工物として扱い易い状態とすることができる。ダイコンの篩分方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができるが、具体的には、破砕後のダイコンや搾汁後のダイコンをネルろ過してもよいし、シフターを使用してもよい。篩のサイズは、ダイコンジュースの用途に応じて20〜150メッシュの間で適宜選択することが可能である。また、用途に応じ、遠心分離機を用いて更に清澄度を高めても良い。
(7)濃縮
必要に応じてダイコンジュースを濃縮する。この場合の濃縮方法としては、例えば、通常の加熱による濃縮、減圧濃縮、低温濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、及び逆浸透濃縮等が知られているが、コスト的観点から加熱減圧濃縮機を使用した濃縮が好ましい。
(ダイコンジュースの4MTB−GSL含有量)
上記方法により得られる本発明のダイコンジュースは、濃縮前の状態において4MTB−GSLを実質的に含有しておらず(0μmol/g)、含有していたとしても検出限界以下(N.D)か、又は極微量(1μmol/g以下)にしか含まれていない。これにより、長期間保存した場合であっても悪臭が抑制され、品質かつ風味の良好なダイコンジュースとなる。
(ダイコンジュースの香気成分)
本発明のダイコンジュースは、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド及びジメチルトリスルフィドの量が、特定量以下に抑制されていることを特徴とする。本発明において、これらの成分は、GC−MSで分析した面積値として表される。本発明のダイコンジュースは、5℃で2週間保持した際のメチルメルカプタン量が8.0×10以下、好ましくは5.0×10以下、更に好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルスルフィド量が5.0×10以下、好ましくは4.0×10以下、更に好ましくは3.8×10以下であり、ジメチルジスルフィド量が8.0×10以下、好ましくは1.0×10以下、更に好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルトリスルフィド量が3.0×10以下、好ましくは1.0×10以下、更に好ましくは1.0×10以下である。
また、45℃で2週間保持した際のメチルメルカプタン量が1.5×10以下、好ましくは1.0×10以下、更に好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルスルフィド量が2.0×10以下、好ましくは1.8×10以下、更に好ましくは1.6×10以下であり、ジメチルジスルフィド量が6.0×10以下、好ましくは4.0×10以下、更に好ましくは2.0×10以下であり、ジメチルトリスルフィド量が2.0×10以下、好ましくは1.0×10以下、更に好ましくは1.0×10以下である。
このような低い成分量であることにより、長期間保存した場合であっても、消費者が硫黄臭、刺激臭などの悪臭を感じにくくなり、風味及び品質的に良好なダイコンジュースとなる。
(ダイコンジュースのBx)
本発明のダイコンジュースは、必要に応じて濃縮或いは希釈して用いることができる。高Brixのダイコンジュースを得たい場合は、Brixが1〜60、好ましくは2〜55、更に好ましくは2.5〜50に調整するが、特に限定するものではない。なお、本明細書において、Brix値とは、溶液100g中に含まれる可溶性固形分(糖類など)のグラム量を計測する単位である。Brix値は、市販の屈折率計又は糖度計を用いて測定することができる。
(ダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料)
本発明のダイコンジュースは、牛乳などの乳飲料、豆乳飲料、果汁・果実飲料、コーヒー飲料、烏龍茶飲料、緑茶飲料、紅茶飲料、麦茶飲料、野菜飲料、雑穀茶飲料等の他の飲料と組み合わせることで、幅広い範囲の飲料を提供することが可能である。例えばソフトドリンクである炭酸飲料、果実エキス入り飲料、野菜エキス入りジュースや、ニアウォーター、スポーツ飲料、ダイエット飲料等に適宜添加することもできる。また、消費者の嗜好にあわせて茶葉の微粉末のような不溶性化合物を、あえて懸濁させた形態も使用できる。さらに、該成分の摂取について携帯性、保存性を考慮に入れた場合、該当成分を含有させた粉末飲料や、該当成分を利用者自らの操作による浸出により飲用が可能となるような食品とすることもできる。
(ダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料の香気成分)
本発明のダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲は、香気成分が、特定量以下に抑制されていることを特徴とする。本発明のダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料は、5℃で2週間保持した際のメチルメルカプタン量が5.0×10以下、好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルスルフィド量が4.0×10以下、好ましくは3.8×10以下であり、ジメチルジスルフィド量が1.0×10以下、好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルトリスルフィド量が1.0×10以下、好ましくは1.0×10以下である。
また、45℃で2週間保持した際のメチルメルカプタン量が1.0×10以下、好ましくは1.0×10以下であり、ジメチルスルフィド量が1.8×10以下、好ましくは1.6×10以下であり、ジメチルジスルフィド量が4.0×10以下、好ましくは2.0×10以下であり、ジメチルトリスルフィド量が1.0×10以下、好ましくは1.0×10以下である。
このような低い成分量とすることにより、長期間保存した場合であっても、硫黄臭、刺激臭などの悪臭が抑制され、風味及び品質的に良好な状態が維持されたダイコンジュースとなる。
ダイコンジュースは、ダイコン以外の野菜汁及び/又は果汁を含有し、ダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料としてもよい。これら原料となる野菜の種類としては、特に限定されることなく、例えば、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、ゴーヤ、ナーベラ、トウガン、オクラ、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、トウガラシ、トウモロコシ、キュウリ等の果菜類、ニンジン、ゴボウ、タマネギ、タケノコ、レンコン、カブ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ラッキョウ、ニンニク、ショウガ等の根菜類、モロヘイヤ、アスパラガス、セロリ、ケール、チンゲンサイ、ホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、ミツバ、パセリ、ネギ、シュンギク、ニラ等の葉茎類等が挙げられる。上記の野菜は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、ダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料は、果実汁を含んでもよく、これら果実の種類としては、本発明の効果が発揮される限りにおいて特に限定されることなく、例えば、イチゴ、キウイフルーツ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類、柑橘類果実類(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)等が挙げられる。上記の果実は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明に係るダイコン含有飲料は、上記成分の他、水や、公知の飲料に含まれる材料(成分)、例えば、糖類や甘味料などからなる甘味付与剤、酸味料、香料、ミネラル分、ビタミン類、色素成分、栄養成分、酸化防止剤等を含有してもよい。
水は、飲用に適した水であればよく、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水等のほか、これらの水を脱気処理した脱気水等が挙げられる。
甘味付与剤としては、糖類又は甘味料を使用することができ、糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、還元麦芽糖等が挙げられる。甘味料としては、例えば、砂糖、異性化糖、フラクトース、グルコース、キシリトール、ステビア抽出物、パラチノース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられる。また、シュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料、高甘味度甘味料等を含んでいてもよいし、ソルビトール等の糖アルコールを含んでいてもよい。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類が挙げられ、中でも、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸等が好ましい。
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、果汁又は果実ピューレ、植物の種実、根茎、木皮、葉等又はこれらの抽出物、乳又は乳製品、合成香料等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD及びビタミンB等が挙げられる。
ミネラル分としては、例えば、カルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛等が挙げられる。
色素成分としては、例えば、クロレラ、葉緑素等が挙げられる。
栄養成分としては、例えば、L−アスコルビン酸やそのナトリウム塩等が挙げられる。
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、鮫軟骨、牡蛎エキス、キトサン、プロポリス、オクタコサノール、トコフェロール、カロチン、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、乳酸菌、霊芝、アガリクス等が挙げられる。
また、本発明に係るトマト含有飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、pH調整剤、品質安定剤等を含有してもよい。
ダイコンジュース及びダイコンジュース含有野菜及び/又は果汁含有飲料は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
以下に、本発明の実施の態様について実施例をあげて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
<成分の測定方法>
(pHの測定方法)
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターにて品温20度にて測定した。
(Brixの測定方法)
デジタル屈折計を使用して測定した。糖度(%)は、示差濃度計「DD−7」(アタゴ社製)で測定した。
(香気成分(メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド及びジメチルトリスルフィド)の測定方法)
10倍に希釈したサンプル10mL、塩化ナトリウム3gを20mLヘッドスペースバイアルに取り、固層マイクロ抽出(SPME)にて揮発成分を捕集し、ガスクロマトグラフィー(GC/MS)にて分析された面積値を測定値とした。
SPMEの条件はファイバーとしてDVB/CAR/PDMSを用い、30℃で20分間香気成分の抽出を行った。続いてGCの注入口で240℃、2分間香気成分の脱着を行った。GC/MSによる測定では、カラムとしてDB−WAX60m×0.25mm×0.25μmを用い、35℃で3分間保持し、5℃/分の昇温条件で240℃まで加温した。キャリアガスとしてヘリウム0.9mLを用いた。それぞれの成分の面積値はメチルメルカプタンでm/z47、ジメチルスルフィドでm/z62、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドm/z79を用いた。
(グルコシノレートの測定法)
グルコシノレートは、凍結乾燥粉末0.1gが入った試験管に常温の80%メタノール溶液を4.8mL、内部標準として5mMのシニグリン溶液を0.2mL添加して25℃下で30分間静置した後にレシプロシェイカーで30分間往復振とう処理して抽出し、その後1,600Xgで10分間遠心分離して得られた上清をGSL粗抽出液として回収した。グルコシノレートの組成及び含量は、スルファターゼを用いて脱硫酸化し、デスルホグルコシノレートとしてHPLCで測定した。分析にはCOSMOSIL 5C18−II(150×4.6mm)カラムを用い、内部標準のシニグリンに対する相対的レスポンス・ファクターを用いて定量した。HPLC分析は、A液(蒸留水)とB液(20%アセトニトリル水溶液)によるグラジエントにより行った。グラジエントの条件は、99%A液+1%B液で1分間保持し、20分間の直線的グラジエントにより1%A液+99%B液とし、3分間保持した後、分析開始24分後に分析開始時の移動相割合とした。流速は1.5mL/分、カラムの温度は30℃、検出波長は229nm、注入量は20μLである。
(極大吸収部波長及び吸光度の測定方法)
ダイコン搾汁液を吸引濾過(ADVANTEC No.2、90mm)し、クエン酸緩衝液(pH3.0)を用いて2倍に希釈し、サンプルとした。極大吸収部波長及び吸光度は分光光度計V560(日本分光)を用いて測定した。
(試験例:ダイコンジュースの香気・官能分析)
表1の条件に基づき比較例1〜3及び実施例1を調製した。具体的には、ぞれぞれのダイコンを2cm程度に切断し、生のまま(生)又は熱湯で95℃10分間ブランチング処理(加熱)した後、ジューサーで搾汁し、Bx3に希釈調整した。
Figure 2014161319
(pH及びBxの測定)
各サンプルを5℃及び45℃で2週間及び4週間保持し、pH及びBxを測定した。
(官能評価)
各サンプルを45℃で2週間及び4週間保持し、硫黄臭、刺激臭、甘み及び辛味の4つの観点から各サンプルの官能評価を実施した。
官能評価は、比較例1をコントロール(5点)とし、1点(最も弱い)から9点(最も強い)の9段階で評価した。2週間経時品については10人のパネラー、4週間経時品のサンプルについては8人のパネラーにより評価した。結果を表1に示す。
<評価>
硫黄臭:1:弱い−2−3−4−5:コントロール(比較例1)−6−7−8−9:強い
刺激臭:1:弱い−2−3−4−5:コントロール(比較例1)−6−7−8−9:強い
甘 み:1:弱い−2−3−4−5:コントロール(比較例1)−6−7−8−9:強い
辛 味:1:弱い−2−3−4−5:コントロール(比較例1)−6−7−8−9:強い
(香気分析)
作製から2週間経過後の5℃保管サンプル及び45℃保管サンプルにつき、ダイコンの香気成分メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの量を測定した。結果を図1及び2に示す。
(結果)
比較例1〜3及び実施例1のダイコン汁は、いずれも白色系ダイコンであり、搾汁液は波長505〜520nm域に極大吸収部を有さなかった。
1.臭気(硫黄臭及び刺激臭)
実施例1の4MTB−グルコシノレート含有量が0μmol/gのダイコンジュースは、5℃及び45℃のいずれで保管した場合であっても、ダイコンの香気成分メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの量が低く抑えられており、官能評価においても他の加熱処理ダイコンジュース(比較例2及び3)と比較して硫黄臭及び刺激臭共に抑制されていた。以上より、本発明のダイコンジュースは、悪臭が低減され、風味的及び品質的に良好なダイコンジュースであると言える。
2.風味(甘味及び辛味)
実施例1の4MTB−グルコシノレート含有量が0μmol/gのダイコンジュースは、5℃及び45℃のいずれで保管した場合であっても、ダイコンの香気成分メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの量が低く抑えられており、官能評価においても甘味が最も高得点であり、かつ辛味は最も低い点数であった。以上より、本発明のダイコンジュースは、長時間経過後であっても甘味が感じられ、辛味は抑えられている、風味的及び品質的に良好なダイコンジュースであると言える。
本発明は、ダイコンを搾汁液などの液状とした場合であっても、通常経時により発生する悪臭が抑制されたダイコンジュースを提供するものであり、長期間保存した場合であっても、良好な風味及び品質を保持しており、かつ経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制されたダイコンジュース及びそれを含有する野菜及び/又は果汁含有飲料を提供することができる。

Claims (2)

  1. Brix値を10に調整した搾汁液が波長505〜520nm域に極大吸収部を有する場合、その極大吸収部の吸光度が1.0以上であるダイコンを除く、4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレート欠失ダイコンを、ブランチング処理及び搾汁して製造され、メチルメルカプタン量が1.5×10以下、ジメチルジスルフィド量が2.0×10以下、ジメチルジスルフィド量が6.0×10以下、かつジメチルトリスルフィド量が2.0×10以下であることを特徴とするダイコンジュース。
  2. 4−メチルチオ−3−ブテニルグルコシノレートを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1に記載のダイコンジュース。
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