JP2022109409A - ライスバーガー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライスバーガーの具材が粘性の低い具材等であっても、ライスパテによる保持が容易で食べ易く、かつ外観の形状が変形し難いライスバーガー及びその製造方法を提供する。【解決手段】ライスバーガー1は、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状に成形された一対のライスパテ11の間に具材12を挟んだライスバーガー形状体の表面に、衣13を付けたものを油で揚げて構成される。ライスパテ11は、もち米由来のアミロペクチンを含んで構成してもよい。また、具材12は、カレー、きんぴら、納豆、焼肉とすることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、ライスバーガー及びその製造方法に関する。
従来、米飯は日本人の主食として親しまれ、パンに比べて腹持ちがよく、脂質が低いことなど健康上の利点や、米本来の美味しさがあることから、様々な食品に加工されて食されてきた。その1つに、ハンバーガーのパン(バンズ)の代わりにライスパテ(米飯を円盤形状に成形したもの)で具材を挟んだライスバーガーがある。ライスバーガーはハンバーガーと同様に、手軽に食することができるため、ファーストフード店で人気が出た商品であるが、近年はコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど様々な店舗で販売されており、販売の形態(例えば冷凍食品)や具材のバリエーションも豊富になっている。
しかし、ライスバーガーのライスパテは粒状の米飯から作られるため、具材から出た水分が透過しやすく、柔らかくなり崩れやすいという性質がある。そのため、ライスパテは表面を焼いて固くすることで円盤形状を保つように工夫されているが、バンズと比較すると柔軟性がなく、具材を挟んだときに具材を保持し難い。図6は、従来のライスバーガー2の一例を示しており、具材22は牛肉と玉葱を焼いて味付けしたものである。このライスバーガー2の場合、具材22が上下のライスパテ21で保持し難く、食べる際に横からはみ出てこぼれ落ち易かった。ハンバーグやカツなどの比較的大きくて固い具材であれば、ライスバーガーを手で持ったときに保持しやすいが、粘性の低い具材、例えばカレー等や、図6の具材のような細かな物の集合体の具材、例えばきんぴら、納豆、焼肉等の場合には、具材が横からはみ出てこぼれ落ち易く、食べづらいという課題がある。
しかしながら、米飯は、カレー等の粘性の低い具材や、きんぴら、納豆等の細かな物の集合体の具材(以下、これらの具材を「粘性の低い具材等」と略称する)と相性がよく、ライスバーガーには、このような具材を使用することが好まれる。粘性の低い具材等のライスバーガーを食べる際に、包装紙でライスバーガーの形状を保持するように持って食べる方法もあるが、具材がはみ出しやすい場合には包装紙が汚れてしまい、食べづらいという課題は解決しない。
さらに、包装紙に包まれたライスバーガーは、時間が経ってから開けると、中の具材からライスパテに熱や蒸気などの水分が加わり、ライスパテが柔らかくなって変形し易くなる。そのため、包装紙を開いた時にライスバーガー全体が水分を含んで変形し、外観が悪い状態になり得る。
ライスバーガーの具材がはみ出すことを防ぐために、ライスパテで具材を包むことが考えられる。一例として特許文献1には、おかず(具材)を飯米で包んで、その外側に鶏卵薄層を形成し、全体を焼いて作ったライスバーガーが開示されている。この発明によると、米飯の美味しさを保ちながら、新規な食品を得ることができ、手軽に食することができるとされている。
特許文献1に記載のライスバーガーは、外側に鶏卵薄層が形成されているため、ライスパテの変形を多少は防ぐ効果はあると思われる。しかし、鶏卵薄層も柔らかい層であるため、ライスバーガーを手で持って食べづらいという課題がある。粘性の低い具材等の場合には、ライスパテで具材が包まれていても、具材がライスパテや鶏卵薄層に浸み込み、ライスバーガー全体が柔らかくなり得る。その場合、具材がライスバーガーからはみ出してこぼれ落ちやすく、食べづらいという課題や外観が悪くなるという課題が生じる。
本発明は上記課題に鑑み、ライスバーガーの具材が粘性の低い具材等であっても、ライスパテによる保持が容易で食べ易く、かつ外観の形状が変形し難いライスバーガー及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状に成形された一対のライスパテの間に具材を挟んだライスバーガー形状体の表面に、衣を付けたものを油で揚げて構成されることを特徴とするライスバーガーである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のライスバーガーであって、前記ライスパテは、もち米由来のアミロペクチンを含んで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のライスバーガーであって、前記具材は、カレー、きんぴら、納豆、焼肉であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、炊飯工程と、炊き上がった米を円盤板状に成形して一対のライスパテを成形する工程と、一対の前記ライスパテを、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状の一対の型枠に入れてドーム形状のライスパテを成形する工程と、一方の前記型枠に入った前記ライスパテの凹状部の上に具材を載せ、両方の前記型枠に入った両方の前記ライスパテの周縁で重なるように圧着してライスバーガー形状体を成形する工程と、前記ライスバーガー形状体の表面に衣を付けたものを油で揚げる工程と、を含むことを特徴とするライスバーガーの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のライスバーガーの製造方法であって、前記油で揚げる工程の前に、前記ライスバーガー形状体を冷却する冷却工程を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のライスバーガーの製造方法であって、前記炊飯工程において、炊飯前の米にもち米由来のアミロペクチンを入れて炊飯することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4~6のいずれかに記載のライスバーガーの製造方法であって、前記ライスパテを作成する工程と、前記ドーム形状の前記ライスパテを成形する工程を同時に行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のライスバーガーであって、前記ライスパテは、もち米由来のアミロペクチンを含んで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のライスバーガーであって、前記具材は、カレー、きんぴら、納豆、焼肉であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、炊飯工程と、炊き上がった米を円盤板状に成形して一対のライスパテを成形する工程と、一対の前記ライスパテを、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状の一対の型枠に入れてドーム形状のライスパテを成形する工程と、一方の前記型枠に入った前記ライスパテの凹状部の上に具材を載せ、両方の前記型枠に入った両方の前記ライスパテの周縁で重なるように圧着してライスバーガー形状体を成形する工程と、前記ライスバーガー形状体の表面に衣を付けたものを油で揚げる工程と、を含むことを特徴とするライスバーガーの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のライスバーガーの製造方法であって、前記油で揚げる工程の前に、前記ライスバーガー形状体を冷却する冷却工程を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のライスバーガーの製造方法であって、前記炊飯工程において、炊飯前の米にもち米由来のアミロペクチンを入れて炊飯することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4~6のいずれかに記載のライスバーガーの製造方法であって、前記ライスパテを作成する工程と、前記ドーム形状の前記ライスパテを成形する工程を同時に行うことを特徴とする。
本発明のライスバーガーによると、具材が粘性の低い具材等であっても、ライスパテによる保持が容易で食べ易く、かつ外観の形状が変形し難い。また、本発明のライスバーガーの製造方法によると、上記の性質を持つ本発明のライスバーガーを効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と略称する)を、図面に基づいて説明する。以下の図面において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。
[ライスバーガー1の構成]
本発明の一実施例に係るライスバーガー1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1(A)は本発明の一実施例に係るライスバーガー1の断面、(B)は上から見た表面を示す写真である。また、図2は、本発明の一実施例に係るライスバーガーの断面を示す模式図である。本発明のライスバーガー1は、一対のライスパテ11の間に具材12を挟んで、ライスバーガーの形状にしたもの(以下、ライスバーガー形状体と記す)の表面に、衣13を付けたものを油で揚げて構成される。
本発明の一実施例に係るライスバーガー1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1(A)は本発明の一実施例に係るライスバーガー1の断面、(B)は上から見た表面を示す写真である。また、図2は、本発明の一実施例に係るライスバーガーの断面を示す模式図である。本発明のライスバーガー1は、一対のライスパテ11の間に具材12を挟んで、ライスバーガーの形状にしたもの(以下、ライスバーガー形状体と記す)の表面に、衣13を付けたものを油で揚げて構成される。
図2に示すように、ライスパテ11は、具材12を挟みこむため、一対のライスパテ11aと11bで構成され、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状に成形されている。ライスバーガー1は、一対のライスパテ11aと11bで具材12を包みこみ、具材12が外部に露出しない構成であるため、前述の粘性の低い具材等(カレー等の粘性の低い具材や、きんぴら、納豆等の細かな物の集合体の具材)であっても封入することができる。そのため、広範囲なおかずを具材12として使用することができる。また、ライスパテ11aと11bをドーム形状にすることにより、中の空間を大きく取ることができるため、単に挟む場合(例えば図6のライスバーガー)よりも多くの量の具材12を封入することができ、需要者に満足感を与えることができる。
本実施例では、図1(A)、(B)に示すように、ライスパテ11は、真上から見て円形で形成され、寸法は厚さ約8~10mm、直径約60~120mmの円盤状に形成されている。ライスパテ11の形状や寸法はこれに限定されず、いかなる形状、寸法でもよい。例えば、ライスパテ11を真上から見て円形ではなく、楕円形や三角、四角等の多角形に形成してもよい。
ライスパテ11は、米を炊いたものを成形して作成するが、本実施例では米に、うるち米を使用する。米の種類はうるち米に限定されず、より粘性の高いもち米やその他の種類の米を使用してもよい。通常の方法でうるち米を炊いてドーム状にしようとすると、粘性が不足するため、円盤の中心部が割れてしまう場合がある。本実施例では、うるち米1カップに対して、約大匙2分の1杯を基本とした任意の割合で、もち米由来のアミロペクチン(澱粉)を付加して炊飯し、ライスパテ11aと11bを成形している。それにより、うるち米に対して、この成形に耐えうる必要十分な粘性を付加でき、成形する際に割れないようにすることができる。なお、ジャガイモ由来のアミロペクチン(いわゆる片栗粉)をまぶすことでも成形可能な粘性を得ることができるが、米由来のアミロペクチンとは分子配列が異なることにより、保水力に欠け、粘っこく、食味も悪く、また、米が短時間で硬化するため、もち米由来のアミロペクチンを使用することが好ましい。使用する米の種類や状態によって、炊飯後の成形に十分な粘性を有する場合には、もち米由来のアミロペクチンを加えなくてもよい。
具材12は、従来のライスバーガーで使用されているハンバーグやカツなど大きな具材でもよいが、前述のように本発明のライスバーガー1は、具材12を包み込むため、カレー等の粘性の低い具材や、きんぴら、納豆等の細かな物の集合体の具材を入れることもできる。このような粘性の低い具材等は従来のライスバーガーでは使用するのが難しかったが、本発明のライスバーガー1はあらゆる種類のおかずの具材を入れることができる。例えば、従来のライスバーガーの具材に使用されていないピザやパスタのトッピング具材や、いわゆるシュクメルリ(グルジア料理でシチューのようなもの)を入れることができる。本実施例では、具材12にカレー(具材を含む)を使用する。さらに、ライスバーガー1の具材12は、おかずの具材だけでなく、中華デザート(点心)の芝麻球(ゴマ団子)のように、豆類、サツマイモ、栗、南瓜等の甘い餡や、カスタードクリーム、チョコ、ジャムやフルーツ等を具材として入れてもよい。
ライスパテ11aと11bの間に具材12を挟んだ後は、ライスバーガー形状体になるが、その外側全体に衣13を付けて食用油で揚げることでその形状を強固に保持できる。本実施例では、衣13にパン粉を使用するが、パン粉の代わりにパンを細かく砕いた物や米粉、お麩を砕いた物、おからや高野豆腐を砕いた物、ゴマ等などを使用してもよい。ライスバーガー形状体に衣13を付ける際には、従来のコロッケ等と同様に、卵と小麦粉又は片栗粉を接着剤としてライスバーガー形状に付けて、衣13をその外側全体に満遍なく付ける。
以上のように、本発明のライスバーガー1が構成されているため、従来のライスバーガーでは具材がこぼれ落ちないように、また、手や服が汚れないように、包装紙に入れたまま、常に両手で持って気を遣いながら食べざるを得なかったのに対し、カジュアルに片手で持って歩きながらでも食べることができる。従来のライスバーガーは、ライスパテ11の米の本来の柔らかさや硬さと、具材の食感を楽しむことができるが、本発明のライスバーガー1では、更に揚げているため、衣のサクサクとした食感も楽しむことができる。また、本発明のライスバーガー1は長時間、形状を強固に保持できるため、持ち帰り用の商品としても適している。
[ライスバーガー1の製造方法]
次にライスバーガー1の製造方法について、図3~5を参照して説明する。図3は、ライスバーガー1の製造工程を示すフローチャート図である。図4は、炊飯の準備工程を示すフローチャート図である。図5は、図3の製造工程中のライスバーガー形状体に成形する工程を示す説明図である。以下、図3、図4のフローチャート図に沿って説明する。
次にライスバーガー1の製造方法について、図3~5を参照して説明する。図3は、ライスバーガー1の製造工程を示すフローチャート図である。図4は、炊飯の準備工程を示すフローチャート図である。図5は、図3の製造工程中のライスバーガー形状体に成形する工程を示す説明図である。以下、図3、図4のフローチャート図に沿って説明する。
[ステップS11:炊飯工程]
最初に、一対のライスパテ11aと11bを作るために、その原料である米を炊く。前述のように、本実施例ではうるち米を使用し、ライスパテ11aと11bを湾曲したドーム形状に成形するために、その成形に耐えうるような粘性を付加してから炊飯する。そのため、本実施例では、通常の炊飯ではなく、図4に示す炊飯の準備工程を経てから炊飯する。
最初に、一対のライスパテ11aと11bを作るために、その原料である米を炊く。前述のように、本実施例ではうるち米を使用し、ライスパテ11aと11bを湾曲したドーム形状に成形するために、その成形に耐えうるような粘性を付加してから炊飯する。そのため、本実施例では、通常の炊飯ではなく、図4に示す炊飯の準備工程を経てから炊飯する。
炊飯の準備工程として、まず洗米する(洗米工程S21)。洗米後に、米を約1時間水に浸す(浸水工程S22)。この洗米工程と浸水工程は、通常の炊飯と同様に行われる。なお、浸水工程で米を水に浸す時間は約1時間に限定されず、気温や米の種類、米の状態によって変更可能である。
浸水工程の後、米を水切りして、米を炊飯器に入れた後、生米1カップに対して、約大匙2分の1杯を基本とした任意割合(その時々の米の状態によって加減を加える)のもち米由来のアミロペクチン(澱粉)微粉末を入れて攪拌させる(米由来のアミロペクチンを加えて攪拌する工程S23)。それにより、湾曲したドーム形状の成形に耐えうる十分な粘性を付加でき、ライスパテ11aと11bを成形する際に割れないようにすることができる。なお、前述のように、炊飯後の成形に十分な粘性を有する米を使用する場合には、もち米由来のアミロペクチンを加えなくてもよく、その場合には工程S23を省略する。
その後、約30分間放置する(所定時間放置する工程S24)。このように放置することで、米由来のアミロペクチンをうるち米に十分に馴染ませる(一体化させる)ことができる。この工程は、通常の炊飯にはない工程であり、もち米由来のアミロペクチンを加えない場合には、この工程S24を省略する。なお、放置する時間は約30分に限定されず、気温や米の種類、米の状態によって変更可能である。
以上のような事前準備を行った上で、通常の炊飯の場合と同量の水を加えて炊飯する(炊飯工程S25)。このように炊飯することによって、ドーム状に曲げても割れない粘性を持つライスパテ11aと11bを作成することができる。更に、もち米由来のアミロペクチンを使用することで食味が向上するという効果もある。
[ステップS12:円盤板状のライスパテを作成する工程]
炊飯後、炊きあがった米を冷ましてから円形型枠(例えばセルクル型)にご飯を詰め入れてライスパテ11aと11bを円盤板状に成形する。ライスパテ11aと11bの寸法は特に限定されないが、本実施例では、厚さ約8~10mm、直径約60~120mmの寸法で円盤状に形成する。ライスパテ11aと11bを円盤板状に成形する方法は、円形型枠を使用する方法に限定されず、いかなる方法を用いてもよい。例えば、ライスを手で丸めて平らにして円盤板状に成形してもよい。
炊飯後、炊きあがった米を冷ましてから円形型枠(例えばセルクル型)にご飯を詰め入れてライスパテ11aと11bを円盤板状に成形する。ライスパテ11aと11bの寸法は特に限定されないが、本実施例では、厚さ約8~10mm、直径約60~120mmの寸法で円盤状に形成する。ライスパテ11aと11bを円盤板状に成形する方法は、円形型枠を使用する方法に限定されず、いかなる方法を用いてもよい。例えば、ライスを手で丸めて平らにして円盤板状に成形してもよい。
[ステップS13:ライスパテを型枠に載せて成形する工程]
次に、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状の一対の型枠10(図5参照)に、円盤板状に成形されたライスパテ11aと11bを湾曲面に接するように載せてドーム形状になるように成形する。ドーム形状の一対の型枠10は、プラスチック、陶磁器、ステンレス等の素材で作られている。なお、前のライスパテを成形する工程(S12)と同時に、ドーム形状になるように成形することもできる。それにより、効率よくライスパテ11aと11bを作成することができる。同時に行うためには、ライスパテ11aと11bを円盤板状に成形すると共にドーム形状になるように、この型枠10を使用する必要がある。その際、ライスパテ11aと11bの厚みが中央で厚くならないように、均一な厚みで成形することが好ましい。ライスパテ11aと11bの厚みが均一でないと、ライスバーガー1を食する際に、場所によって食感に偏りが生じてしまうからである。
次に、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状の一対の型枠10(図5参照)に、円盤板状に成形されたライスパテ11aと11bを湾曲面に接するように載せてドーム形状になるように成形する。ドーム形状の一対の型枠10は、プラスチック、陶磁器、ステンレス等の素材で作られている。なお、前のライスパテを成形する工程(S12)と同時に、ドーム形状になるように成形することもできる。それにより、効率よくライスパテ11aと11bを作成することができる。同時に行うためには、ライスパテ11aと11bを円盤板状に成形すると共にドーム形状になるように、この型枠10を使用する必要がある。その際、ライスパテ11aと11bの厚みが中央で厚くならないように、均一な厚みで成形することが好ましい。ライスパテ11aと11bの厚みが均一でないと、ライスバーガー1を食する際に、場所によって食感に偏りが生じてしまうからである。
[ステップS14:ライスバーガー形状体に成形する工程]
図5に示すように、一方(図5の下側)のドーム形状の型枠10上のライスパテ11bの凹状部の上に具材12を載せる。前述のように、具材12には、あらゆる種類のおかず等を入れることができるが、本実施例では具材12にカレー(具材を含む)を使用する。具材12は、図5に示すように、ライスパテ11bの中央部分に多めに載せて、ライスパテ11aと11bのドーム形状に合うように隙間なく充分な量を載せることが好ましいが、具材12がはみ出ない程度の量を載せる必要がある。ライスパテ11aと11bの間に隙間があると、完成後のライスバーガー1の形状が変形し易くなるからである。また、具材12がライスパテ11aと11bの間からはみ出す程の量を載せてしまうと、具材12を包みきれず、完成後のライスバーガー1から具材12が外部に露出してしまうからである。
図5に示すように、一方(図5の下側)のドーム形状の型枠10上のライスパテ11bの凹状部の上に具材12を載せる。前述のように、具材12には、あらゆる種類のおかず等を入れることができるが、本実施例では具材12にカレー(具材を含む)を使用する。具材12は、図5に示すように、ライスパテ11bの中央部分に多めに載せて、ライスパテ11aと11bのドーム形状に合うように隙間なく充分な量を載せることが好ましいが、具材12がはみ出ない程度の量を載せる必要がある。ライスパテ11aと11bの間に隙間があると、完成後のライスバーガー1の形状が変形し易くなるからである。また、具材12がライスパテ11aと11bの間からはみ出す程の量を載せてしまうと、具材12を包みきれず、完成後のライスバーガー1から具材12が外部に露出してしまうからである。
ライスパテ11bの凹状部の上に具材12を載せた後、両方の型枠10に入ったライスパテ11aと11bの周縁で重なるように圧着してライスバーガー形状体を成形する。例えば、図5に示すように、矢印方向に上側のドーム形状の型枠10を下側のドーム形状の型枠10に合わせて圧力を加え、ライスパテ11aと11bの周縁で重なるように圧着する。それにより、一対のライスパテ11aと11bで具材12を包みこみ、具材12が外部に露出しない構成のライスバーガー形状体を成形できる。
[ステップS15:ライスバーガー形状体を冷却する工程]
次に、圧着成形されたライスバーガー形状体を冷凍庫に入れ、型崩れがしなくなる程度まで30分から1時間程冷やす。冷やす時間は適宜、変更可能である。冷やすことで、ライスバーガー形状体が固まるため、型崩れを防ぎ、後の工程の作業がし易くなる。なお、気温等により、ライスバーガー形状体が型崩れしない状態の場合には、この冷却工程(S15)は省略してもよい。
次に、圧着成形されたライスバーガー形状体を冷凍庫に入れ、型崩れがしなくなる程度まで30分から1時間程冷やす。冷やす時間は適宜、変更可能である。冷やすことで、ライスバーガー形状体が固まるため、型崩れを防ぎ、後の工程の作業がし易くなる。なお、気温等により、ライスバーガー形状体が型崩れしない状態の場合には、この冷却工程(S15)は省略してもよい。
[ステップS16:ライスバーガー形状体に衣をつけて油で揚げる工程]
最後にライスバーガー形状体に衣13をつけて油で揚げる。まず、ライスバーガー形状体を、卵と小麦粉又は片栗粉を攪拌したいわゆるバッター液に含浸させた後、衣13のパン粉をその外側全体に満遍なく付ける。前述のように、本実施例では、衣13にパン粉を使用するが、パン粉の代わりにパンを細かく砕いた物や米粉、お麩を砕いた物、おからや高野豆腐を砕いた物、ゴマ等などを使用してもよい。また、ライスバーガー形状体に、小麦粉又は片栗粉を外側全体に付けた後に、卵を外側全体に付けて、衣13を付けてもよい。
最後にライスバーガー形状体に衣13をつけて油で揚げる。まず、ライスバーガー形状体を、卵と小麦粉又は片栗粉を攪拌したいわゆるバッター液に含浸させた後、衣13のパン粉をその外側全体に満遍なく付ける。前述のように、本実施例では、衣13にパン粉を使用するが、パン粉の代わりにパンを細かく砕いた物や米粉、お麩を砕いた物、おからや高野豆腐を砕いた物、ゴマ等などを使用してもよい。また、ライスバーガー形状体に、小麦粉又は片栗粉を外側全体に付けた後に、卵を外側全体に付けて、衣13を付けてもよい。
ライスバーガー形状体に衣13を付けた後、通常のコロッケ等と同様に、食用油で揚げる。例えば、170~180℃の油で2~3分ほど、全体がきつね色になるまで揚げる。その途中で、ライスバーガー形状体の上下を何度か返しながら、万遍なく揚げる。油の温度や揚げる時間は、気温や油の種類、状態によって変更可能である。以上の製造工程により、本発明のライスバーガー1が完成する。
以上説明した様に、本発明のライスバーガーは、具材が粘性の低い具材等であっても、ライスパテによる保持が容易で食べ易く、かつ外観の形状が変形し難い。また、本発明のライスバーガーは、油で揚げて製造されるため、米本来の柔らかさや硬さと、衣のサクサクとした食感を楽しむことができる。さらに、本発明のライスバーガーの製造方法により、これらの性質を持つライスバーガーを効率よく製造することができる。
なお、上述した実施例のライスバーガーとその製造方法は一例であり、その構成や方法は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
1 ライスバーガー
2 従来のライスバーガー
10 ドーム形状の型枠
11,11a,11b ライスパテ
12 具材
13 衣
21 具材
22 ライスパテ
2 従来のライスバーガー
10 ドーム形状の型枠
11,11a,11b ライスパテ
12 具材
13 衣
21 具材
22 ライスパテ
Claims (7)
- それぞれ凹型に湾曲したドーム形状に成形された一対のライスパテの間に具材を挟んだライスバーガー形状体の表面に、衣を付けたものを油で揚げて構成されることを特徴とするライスバーガー。
- 前記ライスパテは、もち米由来のアミロペクチンを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のライスバーガー。
- 前記具材は、カレー、きんぴら、納豆、焼肉であることを特徴とする請求項1又は2に記載のライスバーガー。
- 炊飯工程と、
炊き上がった米を円盤板状に成形して一対のライスパテを作成する工程と、
一対の前記ライスパテを、それぞれ凹型に湾曲したドーム形状の一対の型枠に入れてドーム形状の前記ライスパテを成形する工程と、
一方の前記型枠に入った前記ライスパテの凹状部の上に具材を載せ、両方の前記型枠に入った両方の前記ライスパテの周縁で重なるように圧着してライスバーガー形状体を成形する工程と、
前記ライスバーガー形状体の表面に衣を付けたものを油で揚げる工程と、
を含むことを特徴とするライスバーガーの製造方法。 - 前記油で揚げる工程の前に、前記ライスバーガー形状体を冷却する冷却工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のライスバーガーの製造方法。
- 前記炊飯工程において、炊飯前の米にもち米由来のアミロペクチンを入れて炊飯することを特徴とする請求項4又は5に記載のライスバーガーの製造方法。
- 前記ライスパテを作成する工程と、前記ドーム形状の前記ライスパテを成形する工程を同時に行うことを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のライスバーガーの製造方法。
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2021
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