JP2014226099A - パウチ詰めレトルト米飯 - Google Patents

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Abstract

【課題】米飯の潰れやパウチ下部へのべたつきが防止され、粽のような食感がなく、香りが良く、米粒表面のざらつきのない、ふっくらと美味しいレトルトパウチ詰め米飯を提供する。【解決手段】生米と炊飯用水をパウチにヘッドスペースを設けて充填密封し、レトルト殺菌を行って成るパウチ詰め米飯であって、米飯の空隙率が25〜50%の範囲であり、且つパウチ下面に付着した米飯の面積率が50〜70%の範囲にあることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、パウチ詰めレトルト米飯に関するものであり、より詳細には、米飯のパウチへのべたつき、及び潰れが抑制されたパウチ詰めレトルト米飯に関する。
従来より、パウチに米及び炊飯用水を充填して加熱調理・殺菌を行って、常温保存可能としたパウチ詰めレトルト米飯は知られており、このようなレトルト米飯は、長期保存が可能で、保管スペースや携帯性、或いは廃棄性にも優れ、種々のパウチ詰めレトルト米飯が市場に提供されているが、このようなパウチ詰めレトルト米飯は、非常食等として有用であるが、食した際の美味しさの点で未だ十分満足できるものではない。
これに対し、うるち米、炊飯のための水溶液を含む耐熱性パウチを、加熱殺菌工程に供する所定温度まで昇温する加熱殺菌工程前の耐熱性パウチ内の含気量を、うるち生米及び炊飯のための水溶液の体積の合計に対して25〜40%とし、且つ少なくとも加熱昇温工程における品温(冷点)が70〜90℃において耐熱性密封パウチを1〜2分毎に、回転速度1〜15rpmで半回転させるレトルト米飯の製造方法が提案されている。(特許文献1)
また、成型米飯の空隙率が5容量%〜30容量%である成型米飯、包装容器内に米および炊き水を充填し、ヘッドスペースを有するように前記包装容器を密封した後、加熱し、当該包装容器内で炊飯および成型を行う成形米飯の製造方法が提案されている。(特許文献2)
特開平9−149766号公報 特開2003−102410号公報
しかしながら、特許文献1のレトルト米飯の製造方法によれば、生米充填法を採用して、炊飯時におけるパウチ内の水分分布を均一に調整でき、得られる米の形状が崩れてモチ状になることを防止し、しかも米飯をパウチ内に均一に、且つ容易に分散できても、レトルト殺菌時の圧力による米飯の潰れに関しては対応していない。このため、ふっくら感を有し、べたつきが防止されたパウチ詰めレトルト米飯を得るには更なる改良が必要である。
一方、特許文献2の成型米飯及びその製造方法によれば、成型米飯の空隙率を5容量%〜30容量%として、ふっくらとした食感と外観を有し、スナック感覚で手軽に喫食することができても、洗米後の米、或いは無洗米を水に浸漬して浸漬米を調製し、この浸漬米に蒸煮処理を行っているためその製造方法が煩雑となる。また、前述した特許文献1と同様に、殺菌時の加圧による米飯の潰れに関しては対応しておらず、ふっくら感を有し、べたつきが防止された美味しいパウチ詰めレトルト米飯を得るには、更なる改良が必要である。
即ち、パウチ詰めレトルト米飯は、生米と炊飯用水をパウチに充填・密封してレトルト殺菌を行うが、炊き上がった米飯がレトルト殺菌時の圧力によって押し潰されて粽のような状態になることや、パウチ内の下部と上部、中心部と端部では水分が不均一になることから、米飯がべたつき、ふっくら感が欠如するという問題があった。
従って本発明の目的は、レトルト米飯の製造時に、その製造工程を創意、工夫して製造された、米飯の潰れやパウチ下面へのべたつきが防止され、ふっくらとした、べたつきが無い美味しさ、食感に優れた長期保存が可能なパウチ詰め米飯を提供することである。
本発明によれば、生米と炊飯用水をパウチにヘッドスペースを設けて充填密封し、レトルト殺菌を行って成るパウチ詰め米飯であって、米飯の空隙率が25〜50%の範囲であり、且つパウチ下面に付着した米飯の面積率が50〜70%の範囲にあることを特徴とするパウチ詰め米飯が提供される。
本発明のパウチ詰め米飯においては、
1.生米と炊飯用水の重量比が1:0.9〜1.2の範囲にあり、前記ヘッドスペースが、生米及び炊飯用水の合計充填容量に対して20〜50容量%であること、
2.レトルト殺菌が、昇温工程、殺菌工程、及び冷却工程から成り、レトルト殺菌の全工程において、パウチに加わる圧力をパウチ内圧力よりも低く調節されていること、
3.レトルト殺菌が、昇温工程において、米の吸水完了後にパウチを1回のみ反転する反転工程を含むこと、
が好適である。
本発明のパウチ詰め米飯においては、米飯の潰れやパウチ下面へのべたつきが防止され、このため、ふっくらとした、べたつきが無い美味しさ、食感に優れた長期保存が可能なパウチ詰め米飯とすることができる。
実施例で得られたパウチ詰め米飯のX線CTの3D画像を示す図である。 実施例で得られたパウチ詰め米飯のX線CTの2D画像を示す図である。 実施例における品温及び圧力(レトルト釜及びパウチ)の経時変化を示す図である。
本発明のパウチ詰め米飯は、生米と炊飯用水をパウチにヘッドスペースを設けて充填密封し、レトルト殺菌を行って成るパウチ詰め米飯であり、米飯の空隙率が25〜50%、好適には30〜40%の範囲であり、且つパウチ下面に付着した米飯の面積率が50〜70%、好適には60〜70%の範囲にあることが特徴である。これによりふっくら感を有すると共に、べたつきが抑制された美味しさ、食感に優れたパウチ詰め米飯とすることができる。
本発明において、米飯の空隙率は、一定体積の米飯中に占める空気の割合であり、米飯のふっくら感(潰れがないこと)を表わす指標であり、図1に示すようなX線CT3D画像から算出することができる。空隙率が前記範囲内にあることにより、米飯は適度に米粒間に間隔があり、ふっくら感を有している。そして、前記範囲よりも空隙率が小さい場合には、米粒がくっついていてふっくら感がなく、一方前記範囲よりも空隙率が大きい場合には、パウチ容量に対する米飯の量が少なく、米飯に加熱にムラが生じている恐れがあり、米飯の味が損なわれ商品価値が低下し、またパウチが破袋する可能性も高くなる。
また、本発明において、パウチ下面に付着した米飯の面積率は、レトルト殺菌装置の殺菌棚に載置された状態において、殺菌棚に接する面(パウチ下面)の一定面積の米飯に占めるパウチに付着した米飯の割合で、米飯のべたつきを表わす指標であり、図2に示すようなX線CT2D画像から算出することができる。面積率が前記範囲にあることにより、米飯のベタつきが抑制されている。そして、前記範囲よりも面積率が小さい場合は、パウチの容量に対する米飯の割合が少なく、空隙率が小さい場合と同様に、米飯に加熱にムラが生じている恐れがあり、米飯の味が損なわれて商品価値が低下し、またパウチが破袋する可能性も高くなる。一方前記範囲よりも面積率が大きい場合は、米粒がパウチ下面に多量付着し、べたついた食感の悪いパウチ詰め米飯となってしまう。
(パウチ)
本発明に使用されるパウチは、レトルト殺菌加熱に使用可能な耐熱性パウチであれば、材質等、特に制限なく使用できるが、パウチ内の均一な加熱を可能にするという観点から、その形状は、相対する2枚のフィルムの全周をシールして密封するパウチ、1枚の矩形フィルムを2つに折畳み3辺をシールして密封するパウチ、或いは1枚のフィルムの両辺を中央で折り合わせシールし、更に該シール部と直交する上下の辺をシールして密封するパウチ等、2つの相対するフィルム面から成る平面状のパウチであることが特に好適である。またマチをつける場合であっても、左右及び上下が対称であることが、加熱の偏りを防止する上で好適である。
(生米)
米飯として使用される生米は、洗米前のうるち米、もち米等、または無洗米であり、白米の他、玄米、七分づき米でも良い。また生米のほか、本発明の目的の達成を妨げない限度において、麦、粟その他の穀類や具材を添加することも可能である。また、炊飯用水は、生米の洗米時に吸水する水とパウチ内に充填される充填炊飯水から成り、さらに充填炊飯水は、味付けのため調味料やビタミン剤等の添加剤を少量溶解した水溶液を使用してもよい。尚、前記した洗米時に吸水した水の量は、洗米前後の生米の重量を計測し、その重量差を求めれば良い。
(パウチ詰め米飯の製造方法)
本発明のパウチ詰め米飯において、パウチ内に充填する、生米と炊飯用水の含有比率は、重量比で生米1に対し炊飯用水0.9〜1.2であることが好ましい。前記炊飯用水の含有比率が0.9未満であると、炊き上がり時の米飯が黄色くなり色味が悪く、また、吸水不足のためにかたい食感となってしまう。一方、前記炊飯用水の含有比率が1.2を超えると、水分過多で炊き上がりが柔らかすぎたり、パウチ内に水分が残存し、柔らかい米が水分に浸った状態になったりしてしまう。生米は水洗い(無洗米の場合は水洗い不要)、水切りをした後、充填炊飯用水とともにパウチに充填する。充填前の生米の水への浸漬は必要としない。
尚、パウチの満注容量に対する生米及び炊飯用水の合計量は、45〜65容量%の範囲にあることが好適である。これによりパウチ対する米飯の容量が適量となり、米飯を均一に加熱することが可能で、べたつきがなくふっくらとした美味しい食感を有するパウチ詰め米飯とすることができる。
生米と炊飯用水を充填したパウチは、生米及び炊飯用水の合計充填容量に対して20〜50容量%、好適には25〜45容量%のヘッドスペース(含気量)を形成するように、空気を含ませて公知の方法により密封する。このヘッドスペースが20%未満の場合は、後述するパウチ内の米飯の上部と下部、中心部と端部の間の水分の不均一を防止する反転効果が得られず、また、パウチに加わる圧力を調整しても、パウチが米飯を潰してしまう。一方、ヘッドスペースが50%を超えると、パウチ内の熱伝導率が低下して米への加熱、殺菌のムラが生じるため殺菌時間が長くなって商品価値が低下し、また、パウチが破袋する可能性も高くなる。
更に、パウチに含有させる気体としては空気でもよいが、香りが良く、さらに、酸化を防止するためには、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが好ましい。このパウチ内の気体は、後述する反転効果を確実に得るために必須の要素であり、このためヘッドスペースを前記の値に調節する必要がある。
本発明のパウチ詰め米飯は、上述した、生米及び炊飯用水を充填し、所定のヘッドスペースを形成して密封したパウチを、公知のレトルト殺菌に賦することにより、米飯の炊き上げと同時にパウチ及び米飯のレトルト殺菌を行う。
本発明のパウチ詰め米飯の製造に際しては、生米及び炊飯用水を充填密封したパウチの一方の面を載置する殺菌棚を有するレトルト殺菌装置が用いられ、パウチ内の米の品温を所定の殺菌温度まで昇温させる昇温工程と、米の品温を殺菌温度で保持する殺菌工程と、殺菌終了後の冷却工程とから成るレトルト殺菌を順次行うことにより、本発明のパウチ詰め米飯を製造することができる。
本発明のパウチ詰め米飯における空隙率を前述した範囲にするためには、パウチ内の最上層の米粒と、その上方のパウチ壁の内面との間に一定範囲の隙間が維持されるように、昇温開始時から冷却終了時までのレトルト殺菌の全工程において、圧力制御装置を使用して米の品温に応じてレトルト釜内のパウチに加わる圧力を、パウチ内圧力以下に調節することが重要である。この圧力調節により、昇温工程、殺菌工程、冷却工程におけるパウチの厚みが、充填、密封直後のパウチの厚み以上となる。
すなわち、パウチ内の最上層の米粒と、その上方のパウチ壁の内面との間に隙間が維持されるように、レトルト釜内のパウチに加わる圧力を調節することにより、米飯がパウチによって押し潰されることが防止され、本発明で規定する空隙率が得られる。また、前記隙間を維持することにより、後述するパウチの反転工程における反転効果を確実にする。
尚、パウチの厚みとは、相対する2つのフィルム面から成るパウチにおいて、2つのフィルム面の間の距離を意味する。
また、レトルト釜内では、米デンプンの糊化と米への吸水が進むと米が膨らむが、昇温工程における米の品温(冷点)が90℃を越え、所定の殺菌温度に達する工程においては、より米の膨らみが増す。このため、特に、前記工程において、前述した隙間を維持することより、米飯のパウチによる押し潰しを防止して炊き上げ、米飯をよりふっくらとさせることができる。
更に、殺菌工程中は米の品温が高く、パウチ内の膨張した気体によってパウチが膨れ上がり過ぎると、気体の熱伝導率が低いことに起因して殺菌時間が長くなり、米飯の一部が過加熱状態になるとともに、加熱・殺菌が米飯全体に均一に行われなくなる恐れがある。このため、米の品温が所定の殺菌温度に到達した後は、パウチ内の最上層の米粒とその上方のパウチ壁の内面との間の隙間を、一定範囲に維持するようにレトルト釜内の圧力を一定にして殺菌を行うことが望ましい。
次いで、冷却工程においても、前述した隙間を一定範囲に維持するように圧力調整を行うことによって、冷却工程における米飯が、炊飯釜中で米飯が蒸らされる状態と同様に、自然に蒸らすことができる。尚、冷却工程では、パウチ内の圧力は減圧状態に移行していくため、米飯がパウチによって押し潰されないことが重要で、前述した昇温工程や殺菌工程よりも、パウチ内の最上層の米粒とその上方のパウチ壁の内面との間の隙間を若干大きくなるように、レトルト釜内の圧力を調節するとより好適である。
また、前述した昇温工程において、米の吸水が完了した後に、パウチを1回反転し、パウチの上面及び下面を入れ替える反転工程を有することが、前述したパウチ詰め米飯の面積率を前記範囲内にして、米飯のべたつきを防止する上で重要である。
すなわち、昇温工程において、品温が90℃を超えた状態で米は吸水がほぼ完了して柔らかくなっているが、パウチ内の米飯の上部はその表面が高温の気体層に接触しているので、比較的乾燥した状態となっている。一方、気体層から遠いパウチ内の米飯の下部は、上部に比べて水分を多く含んでおり、パウチ内の米飯の上部と下部との間に水分の不均衡が発生する。
本発明においては、米飯がこのような状態にある時にパウチを反転させて、パウチ内の米飯の上部と下部の位置を反転することにより、反転前の下部にあった水分が上部に位置して余分な水分が下降し、反転前に比較的乾燥状態であった上部に浸透し、一方、反転前の下部は、高温の気体に触れて適当な水分状態まで乾燥される。この結果、上部と下部の間の水分の不均衡が是正され、米飯の水分が上部、下部を通じて全体として均一化され、前述した面積率を得ることが可能になり、パウチ下面のべたつきが抑制される。
また、パウチの反転は、特に昇温工程で行うことが、米飯全体の水分の均一化や米飯のパウチ下面へのべたつきを防止する上で重要であるが、殺菌工程及び/または冷却工程においても行うことが好ましい。即ち、パウチの反転を殺菌工程においても行うことにより、米飯の水分をより一層均一なものとすることができる。一方、殺菌工程において水蒸気となっていた炊飯用水の水分は、冷却工程において温度が下がると水滴となって米飯の表面に付着しやすい。その結果、冷却工程において米飯の上部、特に表面付近の部分は水分が過多となり、米飯の下部との間に水分の不均一を生じやすい。従って、冷却工程においてもパウチの反転を行うことにより、このような米飯中の水分の不均衡を是正し、米飯の水分を一層均一なものとすることができる。
尚、前記殺菌工程、冷却工程における反転回数も、反転を連続して行うと米粒の割れや米飯の潰れが生じるため1回のみが好ましい。
米飯の加熱殺菌と炊飯を行う殺菌方法としては、殺菌を熱水により行う方式、シャワーにより行う方式、蒸気により行う方式のいずれの方法も使用することができるが、熱水による殺菌を使用することにより、レトルト装置内が熱水で満たされ、殺菌棚の反転によりパウチが受ける反動を熱水中の浮力で緩和し、殺菌棚によるパウチの傷付き、穴あきが防止されるので、特に好ましい。
米飯の殺菌条件としては、食品衛生法により定められたF値3.1以上が必要であり、ボツリヌス菌等の殺菌も考慮すればF値4以上が必要である。一方、炊飯釜による米飯の炊飯は、通常、98℃で20分〜30分であり、所望の殺菌条件に必要な時間と、炊飯に必要な時間の双方を考慮して最適な殺菌・炊飯時間を設定すればよい。
(実施例1)
1.パウチ
パウチとして、150mm×160mmのレトルトパウチを使用した。パウチ構成は、パウチの外側から、ポリエチレンテレフタレート12μm/ナイロン15μm/アルミ箔7μm/酸素吸収層25μm/ポリプロピレン30μmのラミネートフィルム材とした。パウチ満注容量は350mLであった。
2.内容物の調整
生米としてはうるち白米を使用し、うるち白米95gを常温(20℃)の流水で3分間洗米を行い、30分水切りした後、浸漬は行わなかった。この洗米の重量は103gで、洗米時に吸水した水は8g(103g−95g)であった。洗米後、レトルトパウチに前述した洗米103g、充填炊飯水104g、合計207gを充填後、パウチに窒素ガス60mlを吹き込んでヘッドスペースを置換し、ヒートシールして密封した。
そして、炊飯用水としては、洗米時に吸水した水8gとパウチに充填した充填炊飯水104gの合計112gとなり、生米と炊飯用水の重量比はおよそ1:1.2とした。また、パウチのヘッドスペースは、生米及び炊飯用水の合計充填容量が186mlであり、この合計充填容量に対して32容量%とした。
3.レトルト殺菌
密封したパウチを、レトルト殺菌装置(東洋製罐社製 シュミレーターレトルト
H130−C100−S・SHW.P.WR−A)の殺菌棚に載置し、昇温工程、殺菌工程、冷却工程から成る米飯の殺菌・炊飯処理を行った。
また、各工程においては、レトルト釜前面にある覗き窓からの目視によりパウチの厚み(殺菌棚戴置後の垂直方向へのパウチ高さ)を確認し、パウチ内の最上層の米粒とその上方のパウチ壁内面の間に一定範囲の隙間が維持されるように、圧力制御装置を使用して米の品温(冷点)に応じてレトルト釜内圧力をパウチ内圧力以下に調節した。
尚、パウチ内圧力は、ボイル・シャルルの法則より導き出した下記式により計算した値である。
<パウチ内圧力の計算式>
P=Pw+(Pg・T/T
P:パウチ内圧力(絶対圧・MPa)
:殺菌開始前の品温の絶対温度
(品温℃+273K)
:加熱時の品温Xの絶対温度(X℃+273K)
Pw:品温Tに相当する飽和水蒸気圧(MPa)
Pg:品温Tでのヘッドスペースガス分圧(MPa)
前記の式でのパウチ内圧力は絶対圧であるため、下記式に変換してゲージ圧でのパウチ内圧力を計算し、データとして用いた。
尚、殺菌開始前の品温は20℃(293K)、品温Tでのヘッドスペースガス分圧Pgは大気圧の絶対圧(0.1013MPa)として計算した。
P(ゲージ圧)=
Pw+(0.1013・293/X+273)−0.1013
昇温工程、殺菌工程、冷却工程におけるレトルト釜内雰囲気温度(℃)、品温(℃)、レトルト釜内圧力(MPa)、パウチ内圧力の計算値(MPa)を図3に示す。
尚、本発明における米の品温とは、温度センサ(Ellab社製 CMC821 サーモプロセッサー)の先端が、パウチ内の米の冷点(米飯の中心点)に保持されるようにパウチに取り付けて固定し、測定した温度とした。
(1)昇温工程
レトルト殺菌装置を始動後、熱水を用い、15分間を要してレトルト釜内雰囲気を殺菌温度の115℃に上昇させ、後述する殺菌工程の終了時まで30分間115℃を維持した。一方、パウチ内の米の品温は100℃まで上昇させた後、殺菌棚を1回のみ半回転させてパウチを反転し、次いで、パウチ内の米の品温を殺菌温度の115℃まで上昇させた。
また、レトルト釜内圧力は、パウチ内の米の品温が100℃までは0.020MPaから0.116MPa、100℃から115℃までは0.116MPaから0.157MPaにそれぞれ上昇させ、一方、パウチ内圧力は、0.024MPaから0.126MPa、0.128MPaから0.195MPaまでそれぞれ上昇し、パウチに加わる圧力(レトルト釜内圧力)をパウチ内圧力よりも71〜97%の範囲で低く調整した。
(2)殺菌工程
前記昇温工程後、パウチ内の米の品温を殺菌温度の115℃に維持し、F値5以上となるよう熱水による殺菌を行った。このF値5以上の加熱殺菌は、前述したレトルト釜内雰囲気を115℃で30分間維持することにより達成される。
また、レトルト釜内圧力は、0.153〜0.159MPaの圧力に維持し、一方、パウチ内圧力は、品温から0.195〜0.201MPaと計算され、パウチに加わる圧力(レトルト釜内圧力)をパウチ内圧力よりも76〜80%の範囲で低く調整した。
尚、殺菌工程においては、吸水が終了して炊飯状態にある膨らんだ米がパウチで潰されないように、昇温工程よりもパウチがやや膨らみ気味となるように圧力調整を行った。
また、殺菌工程の終了直前に、殺菌棚を1回のみ半回転させてパウチを反転した。
(3)冷却工程
前記殺菌工程が終了した後、冷却水を注入してパウチ内の米の品温を115℃から30℃まで冷却した。
この冷却工程においては、レトルト釜内圧力を0.156MPaから0.021MPaまで下降させ、一方、パウチ内圧力は、0.200MPaから0.029MPaまで下降し、パウチに加わる圧力(レトルト釜内圧力)をパウチ内圧力よりも49〜76%の範囲で低く調整した。
尚、冷却工程においての米は、炊飯が終了して米飯となり膨らんでいるため、米飯がパウチで潰されないように、昇温工程や殺菌工程よりもパウチが膨らみ気味となるように圧力調整を行った。
また、レトルト釜内雰囲気が80℃に下降した時点で、殺菌棚を1回のみ半回転させてパウチを反転した。
4.米飯の空隙率、面積率、容積
(1)空隙率
X線CTスキャン装置(ヤマト科学社製 TDM100−IW)を用いて、米飯の3D画像を撮影した。この3D画像から3D解析装置(NVS日本ビジュアルサイエンス社製 VG STUDIO MAX2.1)を用いて、一定体積(V1=縦3cm×横3cm×米飯の厚み1.5cm)中に占める空気の体積(V2)を算出し、下記式から空隙率を求めた。
空隙率(%)=(V2/V1)×100
前記式より、空隙率は32%であった。
(2)面積率
前記X線CTスキャン装置を用いて、パウチ下面に付着した米飯の2D画像を撮影した。この2D画像において、一定面積(S1=3cm×3cm)中に占めるパウチに付着した米飯の面積(S2)を前記画像解析ソフトを用いて算出し、下記式から面積率を求めた。
面積率(%)=(S2/S1)×100
前記式より、面積率は60%であった。
(実施例2)
生米と炊飯用水の重量比が1:1.1、ヘッドスペースが20容量%(37ml)であること以外は、実施例1と同様にしてパウチ詰め米飯を作成した。空隙率は25%、面積率は70%であった。
(実施例3)
生米と炊飯用水の重量比が1:1.0、ヘッドスペースが50容量%(93ml)であること以外は、実施例1と同様にしてパウチ詰め米飯を作成した。空隙率、面積率共に50%であった。
(比較例1)
昇温工程における殺菌棚の回転を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてパウチ詰め米飯を作成した。空隙率は29%、面積率は94%であった。
(比較例2)
レトルト殺菌の全工程において等圧制御をし、レトルト釜内圧力をパウチ内圧力より110〜120%の範囲で大きくなるよう調整した以外は、実施例1と同様にしてパウチ詰め米飯を作成した。空隙率は15%、面積率は92%であった。
(比較例3)
生米と炊飯用水の重量比が1:0.8であること以外は、実施例1と同様にしてパウチ詰め米飯を作成した。空隙率は22%、面積率は65%であった。
(評価)
1.食味(美味しさ、食感)
製造したパウチ詰め米飯を、10人のパネラーに食べてもらい、ふっくら感、べたつきのそれぞれについて評価し、よい2点、普通1点、悪い0点で算定し、平均値を求め、以下の基準で評価した。
○:1.5以上、×:1.5未満
前記実施例及び比較例から明らかなように、空隙率及び面積率が本発明の範囲にあるパウチ詰め米飯は、崩れ、潰れ等による粽状の部分がなく、パウチ下面へのべたつきが防止されていると共に、米飯の上部と下部、中心部と端部の間の水分の不均一が防止されて水分のむらが低減し、米飯全体として均一でふっくら感があり、食感が良いパウチ詰め米飯が得られていることが分かる。

Claims (4)

  1. 生米と炊飯用水をパウチにヘッドスペースを設けて充填密封し、レトルト殺菌を行って成るパウチ詰め米飯であって、米飯の空隙率が25〜50%の範囲であり、且つパウチ下面に付着した米飯の面積率が50〜70%の範囲にあることを特徴とするパウチ詰め米飯。
  2. 前記生米と炊飯用水の重量比が1:0.9〜1.2の範囲にあり、前記ヘッドスペースが、生米及び炊飯用水の合計充填容量に対して20〜50容量%である請求項1記載のパウチ詰め米飯。
  3. 前記レトルト殺菌が、昇温工程、殺菌工程、及び冷却工程から成り、該レトルト殺菌の全工程において、パウチに加わる圧力をパウチ内圧力よりも低く調節されている請求項1または2に記載のパウチ詰め米飯。
  4. 前記レトルト殺菌が、前記昇温工程において、米の吸水完了後にパウチを1回のみ反転する反転工程を含む請求項1〜3の何れかに記載のパウチ詰め米飯。
JP2013109245A 2013-05-23 2013-05-23 パウチ詰めレトルト米飯 Pending JP2014226099A (ja)

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