JP5592786B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

イソシアネートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5592786B2
JP5592786B2 JP2010511823A JP2010511823A JP5592786B2 JP 5592786 B2 JP5592786 B2 JP 5592786B2 JP 2010511823 A JP2010511823 A JP 2010511823A JP 2010511823 A JP2010511823 A JP 2010511823A JP 5592786 B2 JP5592786 B2 JP 5592786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isomer
group
phenol
reaction
carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010511823A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009139062A1 (ja
Inventor
雅亮 篠畑
信寿 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Publication of JPWO2009139062A1 publication Critical patent/JPWO2009139062A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5592786B2 publication Critical patent/JP5592786B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/04Preparation of derivatives of isocyanic acid from or via carbamates or carbamoyl halides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/18Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • C07C265/02Derivatives of isocyanic acid having isocyanate groups bound to acyclic carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • C07C265/14Derivatives of isocyanic acid containing at least two isocyanate groups bound to the same carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、イソシアネートの製造方法に関する。
イソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として広く用いられている。イソシアネートの主な工業的製造法は、アミン化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン法)であり、全世界の生産量のほぼ全量がホスゲン法により生産されている。しかしながら、ホスゲン法は多くの問題がある。
第1に、原料としてホスゲンを大量に使用することである。ホスゲンは極めて毒性が高く、従業者への暴露を防ぐためにその取扱いには特別の注意を要し、廃棄物を除害するための特別の装置も必要である。
第2に、ホスゲン法においては、腐食性の高い塩化水素が大量に副生するため、該塩化水素を除害するためのプロセスが必要となる上、製造されたイソシアネートには多くの場合加水分解性塩素が含有されることになる。そのため、ホスゲン法で製造されたイソシアネートを使用する場合に、ポリウレタン製品の耐候性、耐熱性に悪影響を及ぼす場合がある。
このような背景から、ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法が望まれている。ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法の一つとして、カルバミン酸エステルの熱分解による方法が提案されている。カルバミン酸エステルの熱分解によってイソシアネートとヒドロキシ化合物が得られることは古くから知られている(例えば、非特許文献1参照)。その基本反応は下記式によって例示される。
Figure 0005592786
(式中、Rは、a価の有機残基を表し、
R’は、1価の有機残基を表し、
aは、1以上の整数を表す。)
一方、カルバミン酸エステルの熱分解反応において、カルバミン酸エステルの好ましくない熱変性反応や、該熱分解によって生成するイソシアネートの縮合反応など、種々の不可逆な副反応を併発しやすい。副反応としては、例えば下記式(2)で表される尿素結合を形成する反応や、例えば下記式(3)で表されるカルボジイミド類を生成する反応や、例えば下記式(4)で表されるイソシアヌレート類を生成する反応が挙げられる(非特許文献1、2参照)。
Figure 0005592786
なお、上記式中におけるRおよびR’は、脂肪族アルキル基又は芳香族アルキル基等を示す。
これらの副反応は、目的とするイソシアネートの収率や選択率の低下を招くばかりでなく、特にポリイソシアネートの製造においては、ポリマー状固形物が析出し、反応器を閉塞させるなど長期操業が困難となる場合があった。
ホスゲンを含まない方法によってイソシアネートを製造する方法としては、これまで様々な方法が提案されている。
特許文献1の記載によれば、脂肪族ジウレタンおよび/または脂環式ジウレタンおよび/または脂肪族ポリウレタンおよび/または脂環式ポリウレタンは、脂肪族第1級ジアミンおよび/または脂環式第1級ジアミンおよび/または脂肪族第1級ポリアミンおよび/または脂環式第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、アルコールの存在下に、アミンのNH基:カルバメート:アルコールの比1:0.8〜10:0.25〜50で160℃〜300℃で触媒の存在下または不存在下で反応させ、かつ必要に応じて生じるアンモニアを除去することによって得られる。生じるジウレタンおよび/またはポリウレタンは、必要に応じて、相応するジイソシアネートおよび/または高官能価ポリイソシアネートに変換することができる。熱分解についての詳細な反応条件は、当該特許文献には記載されていない。
特許文献2の記載によれば、芳香族ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、次の2工程を経て製造される。具体的には、第1工程では、芳香族第1級アミンおよび/または芳香族第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、触媒の存在下または不存在下、ならびに、尿素およびアルコールの存在下または不存在下で反応させ、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンを生じさせ、生じるアンモニアを必要に応じて除去する。第2工程において、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンの熱分解によって、芳香族イソシアネートおよび/または芳香族ポリイソシアネートを得る。
他の刊行物には、カルボニル含有化合物、例えば、N−置換カルバメートおよび/またはジアルキルカーボネート、またはモノ置換尿素もしくはジ置換尿素またはモノ置換ポリ尿素もしくはジ置換ポリ尿素による、尿素および/またはジアミンの部分的置換に関する記載がある(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。特許文献8には、(環式)脂肪族ポリアミンを尿素および芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることにより脂肪族O−アリールウレタンを製造する方法が記載されている。
(環式)脂肪族および殊に芳香族のモノウレタンおよびジウレタンの熱分解により対応するイソシアネートおよびアルコールを生成する方法はいくつかが知られており、気相中で高温下において実施する方法や、液相中で比較的に低い温度条件下で実施する方法がある。しかし、これらの方法において、反応混合物が、例えば、上記した副反応を生起し、例えば、反応器および回収装置中で、沈殿物、ポリマー状物質および閉塞物を形成したり、また該物質が反応器壁面へ固着物を形成する場合があり、長い期間に亘ってイソシアネートを製造する場合には経済的効率が悪い。
したがって、ウレタンの熱分解における収量を改善するために、例えば、化学的方法、例えば、特殊な触媒の使用(特許文献9、特許文献10参照)または不活性溶剤との組み合わせ物の触媒(特許文献11参照)が開示されている。
例えば、特許文献12には、ヘキサメチレンジイソシアネートの製造方法として、溶剤として使用されるジベンジルトルエンの存在下、ならびに、メチルトルエンスルホネートおよびジフェニルスズジクロリドからなる触媒混合物の存在下で、ヘキサメチレンジエチルウレタンを熱分解する方法が記載されている。しかし、出発成分の製造、および単離ならびに溶剤および触媒混合物の精製および任意の回収については何も詳細に記載されておらず、したがって、この方法の経済的効率を判断することは不可能であった。
特許文献13の記載の方法によれば、ウレタンは、触媒を使用することなしに炭素含有流動床中でイソシアネートおよびアルコールに容易に分解することができる。また、特許文献14の記載によれば、ヘキサメチレンジアルキルウレタンは、例えば、炭素、銅、黄銅、鋼、亜鉛、アルミニウム、チタン、クロム、コバルトまたは石英からなるガス透過性包装材料の存在下または不存在下で300℃を上回る温度で、ガス相中で、分解することができ、ヘキサメチレンジイソシアネートを生じる。
また、特許文献14の記載によれば、当該方法は、水素ハロゲン化物および/または水素ハロゲン化物供与体の存在下に実施される。しかし、当該方法は、90%以上のヘキサメチレンジイソシアネートの収率を達成することができない。分解生成物は部分的に再結合しウレタン結合を生成するからである。したがって、更に、蒸留によるヘキサメチレンジイソシアネートの精製が必要となり、収率の損失が増大する場合が多い。
更に、特許文献15の記載によれば、モノカルバメートを、比較的に低い温度で、有利に減圧下に触媒および/または安定剤の存在下または不存在下で、溶剤を使用することなく、良好な収率で、分解できることが開示されている。分解生成物(モノイソシアネートおよびアルコール)は、沸騰する反応混合物から蒸留によって除去され、かつ分別縮合によって別々に捕集される。熱分解で形成された副生物を除去するために、反応混合物を部分的に系外に除去する方法が、一般的な形で記載されている。したがって、反応器底部からは副生物を除去することはできるが、前記した反応器壁面に固着する場合に対する課題は依然として残されており、長期運転に対する課題は解決されていない。また、除去された(有用成分が多量に含まれる)反応混合物の工業的使用については何も記載されていない。
特許文献16の記載によれば、脂肪族、脂環式または芳香族ポリカルバメートの熱分解は、150〜350℃および0.001〜20バールで不活性溶剤の存在下、触媒および助剤としての塩化水素、有機酸塩化物、アルキル化剤または有機スズ塩化物の存在下または不存在下で実施される。生成する副生物は、例えば反応溶液と一緒に反応器から連続的に除去することができ、相応する量の新しい溶剤、または回収された溶剤を、同時に加える。この方法の欠点は、例えば、還流する溶剤の使用により、ポリイソシアネートの空時収量の減少が生じ、その上、例えば、溶剤の回収を含めて大量のエネルギーが必要とされることにある。更に、使用される助剤は反応条件下で揮発性であり、分解生成物の汚染を生じうる。また、生成したポリイソシアネートに対して残分の量が多く、経済的効率および工業的方法の信頼性については疑いの余地がある。
特許文献17の記載によれば、高沸点溶剤の存在下に液状の形で、管状反応器の内面に沿って供給されるカルバメート、例えば、脂環式ジウレタン5−(エトキシカルボニルアミノ)−1−(エトキシカルボニルアミノメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンを連続的に熱分解する1つの方法が記載されている。この方法は、(環式)脂肪族ジイソシアネートの製造の際に収率が低く、選択性が低いという欠点を有する。また、再結合されたかまたは部分的に分解されたカルバメートの回収を伴う連続的方法については、何も記載されておらず、副生物および触媒を含有する溶剤の後処理についても述べられていない。
特許文献18の記載によれば、相応するジアミンをジウレタンに変換し、かつ、このウレタンを熱分解することによって、(環式)脂肪族ジイソシアネートを製造するための循環方法が開示されている。この方法は、アルコールとの反応後にウレタン分解工程からの生成物をウレタン化工程に再循環させることによって収率の減少を最小にする。再循環不可能な副生物は、ウレタン化生成物の混合物の蒸留による分離によって除去され、この場合、価値のない残分は、底部生成物として生じ、かつジウレタンを含めて比較的に低沸点の全成分は、カラムの塔頂部から除去される。しかしながら、当該方法は、大量のエネルギーを使用するという欠点を有する。それというのも、全てのジウレタンを、触媒の存在下で蒸発させる必要があり、その上、このジウレタンは、ウレタン分解温度の範囲内のある温度水準で蒸発されなければならないからである。有用な生成物中に形成されるイソシアネート基は、残分のウレタン基と反応し、収率を減少させる比較的に高分子量の副生物を形成する場合が多い。
特許文献19の記載によれば、ポリウレタンの熱分解をおこなう前に、価値のない副生物を部分的に系外に除去する方法が開示されている。この方法の欠点は、部分的に系外に除去された副生物に、ポリウレタンが含有されてしまうため、イソシアネートの収率が低下することである。また、ポリウレタンの熱分解工程において得られる、反応していないポリウレタン、高沸点オリゴマーおよび他の再使用可能な価値のない副生物を含有する反応混合物の熱分解されていない成分は、分離され、熱分解装置から連続的に除去され、かつ、直接または必要に応じてアルコールとの反応後にウレタン化工程に再循環して、イソシアネートの収率増加を図っているが、該ウレタン化工程において系中に再循環された高沸点オリゴマーが、該ウレタン化反応器において析出して、徐々に反応器壁面に蓄積し、長時間に亘る運転を妨げる場合があった。
また、特許文献20の記載によれば、カルバミン酸エステルを含む反応媒体を、ガス容量が50%より多い2相混合物が形成されるように加熱し、ガス相を反応器から連続的に排出し、液体相を反応器から連続的に排出する方法により、カルバミン酸エステルを連続的に熱開裂分解することでイソシアネートを製造する。該方法においても、反応していないポリウレタン、高沸点オリゴマーおよび他の再使用可能な価値のない副生物を含有する反応混合物の熱分解されていない成分は、分離され、熱分解装置から連続的に除去され、かつ、直接または必要に応じてアルコールとの反応後にウレタン化工程に再循環して、イソシアネートの収率増加を図っているが、上記方法と同様に、該ウレタン化工程において系中に再循環された高沸点オリゴマーが、該ウレタン化反応器において析出して、徐々に反応器壁面に蓄積し、長時間に亘る運転を妨げる場合があった。
特許文献21は、炭酸ジメチルとアミンを塩基性触媒存在下で反応させて得られるメチルウレタンを蒸発させて、熱分解反応器に導入し、熱分解をおこなう方法を開示している。該方法の欠点は、メチルウレタンの蒸発に際して、蒸発しなかった成分は該蒸発器底部より除去されるが、該除去成分にはメチルウレタンが含有されてしまうため、イソシアネートの収率が低下することである。また、メチルウレタンの蒸気を高温下で移送するため、メチルウレタンの熱変性反応を生起しやすい傾向があった。
米国特許第4497963号公報 米国特許第4290970号公報 米国特許第4388238号公報 米国特許第4430505号公報 米国特許第4480110号公報 米国特許第4596678号公報 米国特許第4596679号公報 欧州特許出願公開第0320235号公報 米国特許第2692275号公報 米国特許第3734941号公報 米国特許第4081472号公報 米国特許第4388426号公報 米国特許第4482499号公報 米国特許第4613466号公報 米国特許第4386033号公報 米国特許第4388246号公報 米国特許第4692550号公報 欧州特許出願第0355443号公報 米国特許第5386053号公報 日本国特許第3238201号公報 米国特許第5315034号公報 Berchte der Deutechen Chemischen Gesellschaft,第3巻,653頁,1870年 Journal of American Chemical Society,第81巻,2138頁,1959年
上述したように、猛毒のホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造する方法については、様々な検討がなされている。しかしながら、高沸点副生物の生成や、該高沸点副生物の反応器への付着により長時間に亘って連続的に製造することが難しいといった課題があり、工業的にはほとんど実施されていないのが実状である。
本発明の目的は、ホスゲンを使用せずイソシアネートを製造するに際し、先行技術にみられるような種々の問題点がなく、イソシアネートを長期間安定して製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、カルバミン酸エステルを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法において、熱分解反応器底部から回収した液相成分を、熱分解反応器の上部に供給する方法によれば、副生成物の反応器への付着や閉塞をもたらさず、長期間に亘って連続的に運転することが可能になるということを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] カルバミン酸エステルを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法であって、
該熱分解反応がおこなわれる熱分解反応器より低沸点成分を気相成分として回収する工程と、
該熱分解反応器の底部よりカルバミン酸エステルを含有する液相成分を回収する工程と、
該液相成分の一部または全部を、該熱分解反応器の上部に供給する工程と、
を含むイソシアネートの製造方法、
[2] カルバミン酸エステルを、50℃〜180℃の温度範囲で、熱分解反応器に供給する前項[1]に記載の製造方法、
[3] 該カルバミン酸エステルを液体として熱分解反応器に供給する前項[1]または[2]に記載の製造方法、
[4] 該カルバミン酸エステルが、炭酸エステルとアミン化合物とを反応させて製造されるカルバミン酸エステルである前項[1]ないし[3]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[5] 該カルバミン酸エステルを製造する反応器と、該熱分解反応器とが、同一であっても異なっていてもよく、該カルバミン酸エステルを製造する反応器および該熱分解反応器が、塔型反応器および槽型反応器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器である前項[4]に記載の製造方法、
[6] 該熱分解反応器が、蒸発缶、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器および流下膜蒸発器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器から構成される反応器である前項[1]ないし[5]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[7] 該熱分解反応が、液相でおこなわれる前項[1]ないし[6]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[8] 炭酸エステルとアミン化合物を反応させて製造される、カルバミン酸エステルを含有する混合物から、一部または全部のヒドロキシ化合物を、および/または、一部または全部の炭酸エステルを、分離した混合物を、熱分解反応装置に供給する前項[4]ないし[7]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[9] 該分離が、蒸留分離によっておこなわれ、該蒸留分離が、180℃以下でおこなわれる前項[8]に記載の製造方法、
[10] 熱分解反応器の底部より回収される液相成分の一部または全部を、50℃〜180℃の温度範囲で、該熱分解反応器の上部に供給する前項[1]ないし[9]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[11] 炭酸エステルを、アミン化合物を構成するアミノ基に対して化学量論比で1倍以上使用する前項[4]ないし[10]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[12] 該熱分解反応器に付着した高沸点副生物を酸によって洗浄する工程をさらに含む前項[1]ないし[11]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[13] 該酸が、芳香族ヒドロキシ化合物である前項[12]に記載の製造方法、
[14] 該炭酸エステルが、下記式(5)で表わされる化合物である、
Figure 0005592786
(式中;
は、炭素数1〜12の脂肪族基または炭素数6〜12の芳香族基を表す。)
前項[4]ないし[13]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[15] 該炭酸エステルが、金属原子を0.001ppm〜10%含有する前項[14]に記載の製造方法、
[16] 該金属原子が、鉄、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、銅、チタンの中からなる群から選ばれる1種または複数種の金属である前項[15]に記載の製造方法、
[17] 該炭酸エステルが、Rが、炭素数5〜7の脂肪族基または炭素数6〜7の芳香族基である前項[14]ないし[16]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[18] 該アミン化合物が、下記式(6)で表わされる化合物である、
Figure 0005592786
(式中;
は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
前項[4]ないし[17]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[19] 該アミン化合物が、式(6)で表される化合物のうち、nが2であるジアミン化合物である前項[18]に記載の製造方法、
[20] 熱分解反応によって生成し気相成分として回収される低沸点成分から、該低沸点成分を気体成分として蒸留塔に供給し、該蒸留塔において、カルバミン酸エステルに由来するヒドロキシ化合物と、カルバミン酸エステルに由来するイソシアネートと、を分離する前項[1]ないし[19]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[21] 熱分解反応によって生成し気体成分として回収される低沸点成分から、該薄膜蒸発器より、カルバミン酸エステルに由来するヒドロキシ化合物と、カルバミン酸エステルに由来するイソシアネートと、を別々に回収する前項[1]ないし[20]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[22] 該液相成分よりイソシアネートを蒸留分離によって回収する前項[1]ないし[21]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[23] 該炭酸エステルが、式(5)においてRが炭素数1〜12の脂肪族基であって、下記の工程(1)および工程(2)を含む方法によって製造される前項[14]ないし[22]のうち何れか一項に記載の製造方法:
工程(1):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程;
工程(2):該反応混合物を分離して、炭酸ジアルキルと残留液とを得る工程、
[24] 該炭酸エステルが、式(5)においてRが炭素数6〜12の芳香族基であって、上記の工程(1)および工程(2)に加えて、下記工程(3)を含む方法によって製造される前項[14]ないし[22]のうち何れか一項に記載の製造方法:
工程(3):工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程、
[25]
該炭酸エステルが、工程(1)および工程(2)、または、工程(1)〜工程(3)に加えて、下記の工程(4)および工程(5)を含む工程によって製造される炭酸エステルである前項[23]または[24]に記載の製造方法;
工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程;
工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程、
[26] 工程(3)で回収されるアルコールを、工程(4)のアルコールとして再利用する前項[25]に記載の製造方法、
[27] 該ヒドロキシ化合物がアルコールの場合は、工程(4)のアルコールとして使用し、該ヒドロキシ化合物が芳香族ヒドロキシ化合物の場合は、工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物Aとして使用する前項[24]または[25]に記載の製造方法。
[28] 分離した炭酸エステルを、炭酸エステルとして再利用する前項[8]ないし[27]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[29] カルバミン酸エステルの熱分解反応が、溶媒の非存在下でおこなわれる前項[1]ないし[28]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[30] 炭酸エステルとアミン化合物とを反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、液体の状態でおこなわれる前項[4]ないし[29]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[31] 炭酸エステルとアミン化合物を反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、アルコール、水、または炭酸エステルとの混合物としておこなわれる前項[4]ないし[30]のうち何れか一項に記載の製造方法、
を提供する。
本発明によれば、ホスゲンを使用することなくイソシアネートを製造することができ、かつ、長期間に亘って連続運転が可能となる。
本発明の実施例にかかる炭酸エステルの連続製造装置を示す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる低沸成分留去装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる低沸成分留去装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。
符号の説明

(図1)
101,107:蒸留塔、
102:塔型反応器、
103,106:薄膜蒸留装置、
104:オートクレーブ、
105:除炭槽、
111,112,117:リボイラー、
121,123,126,127:凝縮器
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17:ライン
(図2)
201,202,203,206:貯槽
204:攪拌槽
205:カラム
21,22,23,24,25:ライン
(図3)
302:連続多段蒸留塔
305,306:貯槽
301:予熱器
303:凝縮器
304:リボイラー
31,32,33,34,35:ライン
(図4)
402:連続多段蒸留塔
405,406:貯槽
401:予熱器
403:凝縮器
404:リボイラー
41,42,43,44,45:ライン
(図5)
501:薄膜蒸留装置
502,505:連続多段蒸留塔
508,509,510:貯槽
503,506:凝縮器
504,507:リボイラー
50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64:ライン
(図6)
701:薄膜蒸留装置
702,705,708:連続多段蒸留塔
703,706,709:凝縮器
704,707,710:リボイラー
711:貯槽
70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89:ライン
(図7)
721,722,723,725:貯槽
724:攪拌槽
A1,A2,A3,A4:ライン
(図8)
801,804,807:連続多段蒸留塔
802,805,808:凝縮器
803,806,809:リボイラー
B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9,B10,B11,B12,B13,B14,B15:ライン
(図9)
901,902,903,906:貯槽
904:攪拌槽
905:カラム
C1,C2,C3,C4,C5,C6:ライン
(図10)
1001,1002,1003,1006:貯槽
1004:攪拌槽
1005:カラム
1007:凝縮器
D1,D2,D3,D4,D5,D6:ライン
(図11)
1102,1409,1411:貯槽
1104:攪拌槽
1105,1106:連続多段蒸留塔
1107,1110:凝縮器
1108,1112:リボイラー
E1,E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E10,E11,E12,E13:ライン
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態におけるイソシアネートの製造方法は、炭酸エステルとアミン化合物を反応させて製造されるカルバミン酸エステルを、溶媒の非存在下において、熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法であって、該熱分解反応がおこなわれる熱分解反応器より低沸点成分を気相成分として回収する工程と、該熱分解反応器の底部よりカルバミン酸エステルを含有する液相成分を回収する工程と、該液相成分の一部または全部を、該熱分解反応器の上部に供給する工程と、を含む。
<カルバミン酸エステル>
本実施の形態におけるイソシアネートの製造方法において使用するカルバミン酸エステルとしては、特に限定されないが、好ましくは、下記式(7)で表わされるカルバミン酸エステルが使用される。
Figure 0005592786
(式中、Rは、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基を表し、
nは、1〜10の整数である。)
上記式(7)において、nは、好ましくは2以上の整数より選ばれる数であり、更に好ましくは、nが2であるポリカルバミン酸エステルである。
式(7)におけるRの例としては、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン等の直鎖炭化水素基;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビス(シクロヘキシル)アルカン等の無置換の脂環式炭化水素基;メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)等のアルキル置換シクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等のジアルキル置換シクロヘキサン;1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,5,5−トリエチルシクロヘキサン、1,5,5−トリプロピルシクロヘキサン(各異性体)、1,5,5−トリブチルシクロヘキサン(各異性体)等のトリアルキル置換シクロヘキサン;トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等のモノアルキル置換ベンゼン;キシレン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等のジアルキル置換ベンゼン;ジフェニルアルカン、ベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、ヘキサメチレン、フェニレン、ジフェニルメタン、トルエン、シクロヘキサン、キシレニル、メチルシクロヘキサン、イソホロンおよびジシクロヘキシルメタン基が好ましく使用される。
上記式(7)におけるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基(各異性体)、メトキシプロピル基(各異性体)、メトキシブチル基(各異性体)、メトキシペンチル基(各異性体)、メトキシヘキシル基(各異性体)、メトキシヘプチル基(各異性体)、メトキシオクチル基(各異性体)、メトキシノニル基(各異性体)、メトキシデシル基(各異性体)、メトキシウンデシル基(各異性体)、メトキシドデシル基(各異性体)、メトキシトリデシル基(各異性体)、メトキシテトラデシル基(各異性体)、メトキシペンタデシル基(各異性体)、メトキシヘキサデシル基(各異性体)、メトキシヘプタデシル基(各異性体)、メトキシオクタデシル基(各異性体)、メトキシノナデシル(各異性体)、エトキシメチル基、エトキシエチル基(各異性体)、エトキシプロピル基(各異性体)、エトキシブチル基(各異性体)、エトキシペンチル基(各異性体)、エトキシヘキシル基(各異性体)、エトキシヘプチル基(各異性体)、エトキシオクチル基(各異性体)、エトキシノニル基(各異性体)、エトキシデシル基(各異性体)、エトキシウンデシル基(各異性体)、エトキシドデシル基(各異性体)、エトキシトリデシル基(各異性体)、エトキシテトラデシル基(各異性体)、エトキシペンタデシル基(各異性体)、エトキシヘキサデシル基(各異性体)、エトキシヘプタデシル基(各異性体)、エトキシオクタデシル基(各異性体)、プロピルオキシメチル基(各異性体)、プロピルオキシエチル基(各異性体)、プロピルオキシプロピル基(各異性体)、プロピルオキシブチル基(各異性体)、プロピルオキシペンチル基(各異性体)、プロピルオキシヘキシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプチル基(各異性体)、プロピルオキシオクチル基(各異性体)、プロピルオキシノニル基(各異性体)、プロピルオキシデシル基(各異性体)、プロピルオキシウンデシル基(各異性体)、プロピルオキシドデシル基(各異性体)、プロピルオキシトリデシル基(各異性体)、プロピルオキシテトラデシル基(各異性体)、プロピルオキシペンタデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘキサデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプタデシル基(各異性体)、ブチルオキシメチル基(各異性体)、ブチルオキシエチル基(各異性体)、ブチルオキシプロピル基(各異性体)、ブチルオキシブチル基(各異性体)、ブチルオキシペンチル基(各異性体)、ブチルオキシヘキシル基(各異性体)、ブチルオキシヘプチル基(各異性体)、ブチルオキシオクチル基(各異性体)、ブチルオキシノニル基(各異性体)、ブチルオキシデシル基(各異性体)、ブチルオキシウンデシル基(各異性体)、ブチルオキシドデシル基(各異性体)、ブチルオキシトリデシル基(各異性体)、ブチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ブチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ブチルオキシヘキサデシル基(各異性体)、ペンチルオキシメチル基(各異性体)、ペンチルオキシエチル基(各異性体)、ペンチルオキシプロピル基(各異性体)、ペンチルオキシブチル基(各異性体)、ペンチルオキシペンチル基(各異性体)、ペンチルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンチルオキシヘプチル基(各異性体)、ペンチルオキシオクチル基(各異性体)、ペンチルオキシノニル基(各異性体)、ペンチルオキシデシル基(各異性体)、ペンチルオキシウンデシル基(各異性体)、ペンチルオキシドデシル基(各異性体)、ペンチルオキシトリデシル基(各異性体)、ペンチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ペンチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキシルオキシブチル基(各異性体)、ヘキシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘキシルオキシオクチル基(各異性体)、ヘキシルオキシノニル基(各異性体)、ヘキシルオキシデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシドデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシトリデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシテトラデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシメチル基、ヘプチルオキシエチル基(各異性体)、ヘプチルオキシプロピル基(各異性体)、ヘプチルオキシブチル基(各異性体)、ヘプチルオキシペンチル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘプチルオキシオクチル基(各異性体)、ヘプチルオキシノニル基(各異性体)、ヘプチルオキシデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシドデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシトリデシル基(各異性体)、オクチルオキシメチル基、オクチルオキシエチル基(各異性体)、オクチルオキシプロピル基(各異性体)、オクチルオキシブチル基(各異性体)、オクチルオキシペンチル基(各異性体)、オクチルオキシヘキシル基(各異性体)、オクチルオキシヘプチル基(各異性体)、オクチルオキシオクチル基(各異性体)、オクチルオキシノニル基(各異性体)、オクチルオキシデシル基(各異性体)、オクチルオキシウンデシル基(各異性体)、オクチルオキシドデシル基(各異性体)、ノニルオキシメチル基(各異性体)、ノニルオキシエチル基(各異性体)、ノニルオキシプロピル基(各異性体)、ノニルオキシブチル基(各異性体)、ノニルオキシペンチル基(各異性体)、ノニルオキシヘキシル基(各異性体)、ノニルオキシヘプチル基(各異性体)、ノニルオキシオクチル基(各異性体)、ノニルオキシノニル基(各異性体)、ノニルオキシデシル基(各異性体)、ノニルオキシウンデシル基(各異性体)、デシルオキシメチル基(各異性体)、デシルオキシエチル基(各異性体)、デシルオキシプロピル基(各異性体)、デシルオキシブチル基(各異性体)、デシルオキシペンチル基(各異性体)、デシルオキシヘキシル基(各異性体)、デシルオキシヘプチル基(各異性体)、デシルオキシオクチル基(各異性体)、デシルオキシノニル基(各異性体)、デシルオキシデシル基(各異性体)、ウンデシルオキシメチル基、ウンデシルオキシエチル基(各異性体)、ウンデシルオキシプロピル基(各異性体)、ウンデシルオキシブチル基(各異性体)、ウンデシルオキシペンチル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ウンデシルオキシオクチル基(各異性体)、ウンデシルオキシノニル基(各異性体)、ドデシルオキシメチル基(各異性体)、ドデシルオキシエチル基(各異性体)、ドデシルオキシプロピル基(各異性体)、ドデシルオキシブチル基(各異性体)、ドデシルオキシペンチル基(各異性体)、ドデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ドデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ドデシルデシルオキシオクチル基(各異性体)、トリデシルオキシメチル基(各異性体)、トリデシルオキシエチル基(各異性体)、トリデシルオキシプロピル基(各異性体)、トリデシルオキシブチル基(各異性体)、トリデシルオキシペンチル基(各異性体)、トリデシルオキシヘキシル基(各異性体)、トリデシルオキシヘプチル基(各異性体)、テトラデシルオキシメチル基(各異性体)、テトラデシルオキシエチル基(各異性体)、テトラデシルオキシプロピル基(各異性体)、テトラデシルオキシブチル基(各異性体)、テトラデシルオキシペンチル基(各異性体)、テトラデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンタデシルオキシメチル基、ペンタデシルオキシエチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシプロピル基(各異性体)、ペンタデシルオキシブチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシブチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシメチル基、ヘプタデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシプロピル基(各異性体)、オクタデシルオキシメチル基(各異性体)、オクタデシルオキシエチル基(各異性体)等のアルコキシアルキル基、フェニル基、メチル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ヘプチル−フェニル基(各異性体)、オクチル−フェニル基(各異性体)、ノニル−フェニル基(各異性体)、デシル−フェニル基(各異性体)、ドデシル−フェニル基(各異性体)、フェニル−フェニル基(各異性体)、フェノキシ−フェニル基(各異性体)、クミル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジフェニル−フェニル基(各異性体)、ジフェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、メチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、メチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−クミル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、エチル−デシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−クミル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェニル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ブチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェニル
基(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、トリメチル−フェニル基(各異性体)、トリエチル−フェニル基(各異性体)、トリプロピル−フェニル基(各異性体)、トリブチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジメチル−クミル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジエチル−クミル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジブチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−エチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘキシル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−クミル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)等の芳香族基を例示することができる。
これらの中でも、該基を構成する炭素原子の数が5〜12の整数より選ばれる数であるアルキル基または該基を構成する炭素原子の数が6〜12の整数より選ばれる数であるアリール基が好ましく、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)の、該基を構成する炭素原子の数が5〜7の整数より選ばれる数であるアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が5〜7の整数より選ばれる数であるアリール基がより好ましく使用される。炭素原子の数が4以下であるアルキル基またはアリール基の場合は、カルバミン酸エステルの沸点が充分に高くなく、後述するカルバミン酸エステルの熱分解反応条件において、該カルバミン酸エステルが気相に留出して、該イソシアネート等との分離が困難になる場合がある。また、炭素原子の数が8以上であるアルキル基またはアリール基の場合は、該熱分解反応において生成するヒドロキシ化合物の沸点と、イソシアネートの沸点の差が小さくなり、分離に支障をきたす場合がある。
このようなポリカルバミン酸アルキルとしては、例えば、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジペンチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジヘキシルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジヘプチルエステル(各異性体)、ジペンチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘキシル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘプチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、3−(ペンチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、3−(ヘプチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジペンチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジヘキシルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジヘプチルエステル(各異性体)、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジペンチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジヘキシルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジヘプチルエステル等のカルバミン酸アルキル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル(各異性体)、ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジ(メチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステル(各異性体)、3−((メチルフェノキ)シカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(メチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジフェニルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル等のカルバミン酸アリール等を挙げることができる。
これらのカルバミン酸エステルは、公知の方法を使用して製造することができ、例えば、アミン化合物と一酸化炭素、酸素、および、脂肪族アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物を反応させてカルバミン酸エステルを製造してもよいし、また、アミン化合物と尿素と脂肪族アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させてカルバミン酸エステルを製造する方法をおこなってもよいし、炭酸エステルとアミン化合物とを反応させてカルバミン酸エステルを製造する方法をおこなってもよいが、好ましくは、炭酸エステルとアミン化合物とを反応させる製造方法である。
炭酸エステルとしては、下記式(8)で表される炭酸エステルを使用することができる。
Figure 0005592786
(式中、Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜20の脂肪族基または炭素数6〜20の芳香族基を表す。)
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基(各異性体)、メトキシプロピル基(各異性体)、メトキシブチル基(各異性体)、メトキシペンチル基(各異性体)、メトキシヘキシル基(各異性体)、メトキシヘプチル基(各異性体)、メトキシオクチル基(各異性体)、メトキシノニル基(各異性体)、メトキシデシル基(各異性体)、メトキシウンデシル基(各異性体)、メトキシドデシル基(各異性体)、メトキシトリデシル基(各異性体)、メトキシテトラデシル基(各異性体)、メトキシペンタデシル基(各異性体)、メトキシヘキサデシル基(各異性体)、メトキシヘプタデシル基(各異性体)、メトキシオクタデシル基(各異性体)、メトキシノナデシル(各異性体)、エトキシメチル基、エトキシエチル基(各異性体)、エトキシプロピル基(各異性体)、エトキシブチル基(各異性体)、エトキシペンチル基(各異性体)、エトキシヘキシル基(各異性体)、エトキシヘプチル基(各異性体)、エトキシオクチル基(各異性体)、エトキシノニル基(各異性体)、エトキシデシル基(各異性体)、エトキシウンデシル基(各異性体)、エトキシドデシル基(各異性体)、エトキシトリデシル基(各異性体)、エトキシテトラデシル基(各異性体)、エトキシペンタデシル基(各異性体)、エトキシヘキサデシル基(各異性体)、エトキシヘプタデシル基(各異性体)、エトキシオクタデシル基(各異性体)、プロピルオキシメチル基(各異性体)、プロピルオキシエチル基(各異性体)、プロピルオキシプロピル基(各異性体)、プロピルオキシブチル基(各異性体)、プロピルオキシペンチル基(各異性体)、プロピルオキシヘキシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプチル基(各異性体)、プロピルオキシオクチル基(各異性体)、プロピルオキシノニル基(各異性体)、プロピルオキシデシル基(各異性体)、プロピルオキシウンデシル基(各異性体)、プロピルオキシドデシル基(各異性体)、プロピルオキシトリデシル基(各異性体)、プロピルオキシテトラデシル基(各異性体)、プロピルオキシペンタデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘキサデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプタデシル基(各異性体)、ブチルオキシメチル基(各異性体)、ブチルオキシエチル基(各異性体)、ブチルオキシプロピル基(各異性体)、ブチルオキシブチル基(各異性体)、ブチルオキシペンチル基(各異性体)、ブチルオキシヘキシル基(各異性体)、ブチルオキシヘプチル基(各異性体)、ブチルオキシオクチル基(各異性体)、ブチルオキシノニル基(各異性体)、ブチルオキシデシル基(各異性体)、ブチルオキシウンデシル基(各異性体)、ブチルオキシドデシル基(各異性体)、ブチルオキシトリデシル基(各異性体)、ブチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ブチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ブチルオキシヘキサデシル基(各異性体)、ペンチルオキシメチル基(各異性体)、ペンチルオキシエチル基(各異性体)、ペンチルオキシプロピル基(各異性体)、ペンチルオキシブチル基(各異性体)、ペンチルオキシペンチル基(各異性体)、ペンチルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンチルオキシヘプチル基(各異性体)、ペンチルオキシオクチル基(各異性体)、ペンチルオキシノニル基(各異性体)、ペンチルオキシデシル基(各異性体)、ペンチルオキシウンデシル基(各異性体)、ペンチルオキシドデシル基(各異性体)、ペンチルオキシトリデシル基(各異性体)、ペンチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ペンチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキシルオキシブチル基(各異性体)、ヘキシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘキシルオキシオクチル基(各異性体)、ヘキシルオキシノニル基(各異性体)、ヘキシルオキシデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシドデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシトリデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシテトラデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシメチル基(各異性体)、ヘプチルオキシエチル基(各異性体)、ヘプチルオキシプロピル基(各異性体)、ヘプチルオキシブチル基(各異性体)、ヘプチルオキシペンチル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘプチルオキシオクチル基(各異性体)、ヘプチルオキシノニル基(各異性体)、ヘプチルオキシデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシドデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシトリデシル基(各異性体)、オクチルオキシメチル基(各異性体)、オクチルオキシエチル基(各異性体)、オクチルオキシプロピル基(各異性体)、オクチルオキシブチル基(各異性体)、オクチルオキシペンチル基(各異性体)、オクチルオキシヘキシル基(各異性体)、オクチルオキシヘプチル基(各異性体)、オクチルオキシオクチル基(各異性体)、オクチルオキシノニル基(各異性体)、オクチルオキシデシル基(各異性体)、オクチルオキシウンデシル基(各異性体)、オクチルオキシドデシル基(各異性体)、ノニルオキシメチル基(各異性体)、ノニルオキシエチル基(各異性体)、ノニルオキシプロピル基(各異性体)、ノニルオキシブチル基(各異性体)、ノニルオキシペンチル基(各異性体)、ノニルオキシヘキシル基(各異性体)、ノニルオキシヘプチル基(各異性体)、ノニルオキシオクチル基(各異性体)、ノニルオキシノニル基(各異性体)、ノニルオキシデシル基(各異性体)、ノニルオキシウンデシル基(各異性体)、デシルオキシメチル基(各異性体)、デシルオキシエチル基(各異性体)、デシルオキシプロピル基(各異性体)、デシルオキシブチル基(各異性体)、デシルオキシペンチル基(各異性体)、デシルオキシヘキシル基(各異性体)、デシルオキシヘプチル基(各異性体)、デシルオキシオクチル基(各異性体)、デシルオキシノニル基(各異性体)、デシルオキシデシル基(各異性体)、ウンデシルオキシメチル基、ウンデシルオキシエチル基(各異性体)、ウンデシルオキシプロピル基(各異性体)、ウンデシルオキシブチル基(各異性体)、ウンデシルオキシペンチル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ウンデシルオキシオクチル基(各異性体)、ウンデシルオキシノニル基(各異性体)、ドデシルオキシメチル基、ドデシルオキシエチル基(各異性体)、ドデシルオキシプロピル基(各異性体)、ドデシルオキシブチル基(各異性体)、ドデシルオキシペンチル基(各異性体)、ドデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ドデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ドデシルデシルオキシオクチル基(各異性体)、トリデシルオキシメチル基(各異性体)、トリデシルオキシエチル基(各異性体)、トリデシルオキシプロピル基(各異性体)、トリデシルオキシブチル基(各異性体)、トリデシルオキシペンチル基(各異性体)、トリデシルオキシヘキシル基(各異性体)、トリデシルオキシヘプチル基(各異性体)、テトラデシルオキシメチル基(各異性体)、テトラデシルオキシエチル基(各異性体)、テトラデシルオキシプロピル基(各異性体)、テトラデシルオキシブチル基(各異性体)、テトラデシルオキシペンチル基(各異性体)、テトラデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンタデシルオキシメチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシエチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシプロピル基(各異性体)、ペンタデシルオキシブチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシメチル基、ヘキサデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシブチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシプロピル基(各異性体)、オクタデシルオキシメチル基(各異性体)、オクタデシルオキシエチル基(各異性体)等のアルコキシアルキル基、フェニル基、メチル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ヘプチル−フェニル基(各異性体)、オクチル−フェニル基(各異性体)、ノニル−フェニル基(各異性体)、デシル−フェニル基(各異性体)、ドデシル−フェニル基(各異性体)、フェニル−フェニル基(各異性体)、フェノキシ−フェニル基(各異性体)、クミル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジフェニル−フェニル基(各異性体)、ジフェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、メチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、メチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−クミル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、エチル−デシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、エチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−クミル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェニル−フェニル基(各異性体)、プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ブチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ブチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−オクチル
−フェニル基(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ヘキシル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、トリメチル−フェニル基(各異性体)、トリエチル−フェニル基(各異性体)、トリプロピル−フェニル基(各異性体)、トリブチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−ドデシル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジメチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジメチル−クミル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−デシル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジエチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジエチル−クミル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジプロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジブチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェニル−フェニル基(各異性体)、ジブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−エチル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、ジペンチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−メチル−フェニル基(各異性体)、ジヘキシル−エチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−プロピル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−エチル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−デシル−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−プロピル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−ブチル−クミル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、メチル−ヘキシル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−ノニル−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−プロピル−クミル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−オクチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェニル基(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシ−フェニル基(各異性体)等を例示することができる。これらの中でも、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数であるアルキル基である。これらの中でも、好ましくは、炭素数が1〜12のアルキル基または炭素数が6〜12の芳香族基、より好ましくは、炭素数が5〜7のアルキル基もしくは炭素数5〜7の芳香族基である。ここのような炭酸エステルとしては、炭酸ジペンチル(各異性体)、炭酸ジヘキシル(各異性体)、炭酸ジヘプチル(各異性体)、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(メチルフェニル)が例示される。
これらの炭酸エステルは、金属原子を、好ましくは0.001ppm〜10%の範囲で、より好ましくは0.001ppm〜5%の範囲で、さらに好ましくは0.002ppm〜3%の範囲で含有していることが好ましい。また、該金属原子は、金属イオンとして存在していても、金属原子単体として存在していてもよい。金属原子としては、2価ないし4価の原子価をとりうる金属原子が好ましく、中でも、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、銅、チタンから選ばれる1種もしくは複数種の金属がより好ましい。本発明者らは、驚くべきことに、上記範囲の濃度で金属原子を含有する炭酸エステルを使用すると、炭酸エステルとアミン化合物との反応において、生成するカルバミン酸エステルの変性反応を抑制する効果を奏することを見出した。このような効果を奏するメカニズムについては明らかではないが、本発明者らは、これらの金属原子が、該反応において生成するカルバミン酸エステルのウレタン結合(−NHCOO−)に配位し、該ウレタン結合を安定化させて、例えば、上記式(2)、下記式(9)等で示されるような副反応を抑制するためではないかと推測している。
Figure 0005592786
(式中;
RおよびR’は、各々独立にアルキル基または芳香族基を表す。)
また、金属原子によるカルバミン酸エステルの変性反応を抑制する効果は、後述する、カルバミン酸エステルを含有する反応液の移送においても認められるが、そのメカニズムについても、上記と同様ではないかと推測している。
炭酸エステルとアミン化合物とを混合して混合物を製造し、該混合物に上記で例示した金属原子を、上記した範囲で添加しても同様の効果が得られると期待されるが、本発明者らの鋭意検討した結果、炭酸エステルとアミン化合物との混合物に、金属原子を添加するだけでは、上記のような効果は得られにくいことが判明した。このような結果となる理由は明確ではないが、本発明者らは、該炭酸エステルに含有されている金属原子は、該炭酸エステルが金属原子に配位しているのに対して、炭酸エステルとアミン化合物との混合物に添加された金属原子は、金属原子と炭酸エステルとの相互作用に比べて、金属原子とアミン化合物との相互作用が大きいために、金属原子がアミン化合物に強く配位し、生成するカルバミン酸エステルのウレタン結合に配位しにくいためではないかと推測している。
本実施の形態における炭酸エステルは、好ましくは、後述する方法によって製造されるが、該方法によって製造される炭酸エステルに、上で例示した金属原子が、上記の好ましい範囲で含有される場合は、該炭酸エステルをそのまま使用することができる。該炭酸エステルに含有される該金属原子の量が、上記した範囲よりも少ない場合は、別途金属原子を、例えば、酢酸塩、ナフテン酸塩などの有機酸塩、塩化物、アセチルアセトン錯体として添加することができる。また、上記した範囲よりも多い場合は、例えば、溶媒洗浄、蒸留精製、晶析、イオン交換樹脂による除去、キレート樹脂による除去等の方法によって、該金属原子の量を上記した範囲まで低減して、使用することができる。
なお、炭酸エステルに上記の範囲で含有される金属原子には、炭酸エステルとアミン化合物との反応における触媒作用が認められない場合がほとんどであり、その意味で、後述するカルバミン酸エステル製造用の触媒とは明確に区別される。
該炭酸ジアリールに含有される金属原子の量は、公知の方法によって定量することができ、例えば、原子吸光分析法、誘導結合型プラズマ発光分析法、誘導結合型プラズマ質量分析法、蛍光X線分析法、X線光電子分光法、電子線マイクロアナライザ、二次イオン質量分析法等の種々の方法から、試料の形態や、含有される金属成分の量を勘案して選択することができる。
該炭酸エステルは、該炭酸エステルが炭酸ジアルキルの場合は、好ましくは、下記の工程(1)および工程(2)によって、該炭酸エステルが炭酸ジアリールの場合は、工程(1)〜工程(3)を含む方法によって製造される。
工程(1):(炭酸ジアルキル生成工程)スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程;
工程(2):(炭酸ジアルキル分離工程)該反応混合物から該炭酸ジアルキルを分離するとともに残留液を得る工程;
工程(3):(炭酸ジアリール製造工程)工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程。
また、これらの工程(1)および工程(2)、または、工程(1)〜工程(3)に加えて、以下の工程(4)および工程(5)をおこなうこともできる。
工程(4):(有機スズ化合物再生工程)工程(B)で得られた該残留液とアルコールとを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程;
工程(5):(リサイクル工程)工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
工程(1)で使用される有機スズ化合物として、好ましくはジアルキルスズ化合物を使用する。ジアルキルスズ化合物とは、1つのスズ原子に2個のアルキル基が結合している有機スズ化合物をいう。
該ジアルキルスズ化合物の例としては、下記式(10)で表されるジアルキルスズ化合物および下記式(11)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
Figure 0005592786
(式中:
およびRは、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、各々独立に、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
aおよびbは、各々0〜2の整数であり、a+b=2であり;
cおよびdは、各々0〜2の整数であり、c+d=2である。)
Figure 0005592786
(式中:
、R、R10およびR11は、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
e、f、g、hは、各々0〜2の整数であり、e+f=2、g+h=2である。)
上記式(10)で表されるジアルキルスズ触媒のRおよびR、ならびに上記式(11)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のR、R、R10およびR11の例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜12の整数より選ばれる数である脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは、該基を構成する炭素原子の数が1〜8の整数より選ばれる数である直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該基を構成する炭素原子の数が以上に示した範囲以外のアルキル基であるジアルキルスズ化合物も使用できるが、流動性が悪くなったり、生産性を損なったりする場合がある。さらに工業的生産時の入手の容易さを考慮すれば、n−ブチル基、n−オクチル基がさらに好ましい。
上記式(10)で表されるジアルキルスズ化合物のXおよびX、ならびに式(11)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のXおよびXとしては、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基該基を表し、該基が、アルコキシ基および/またはアシルオキシ基である場合は、該基を構成する炭素原子の数が、0〜12の整数より選ばれる数である基であることが好ましい。このような例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブトキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基と酸素原子から構成されるアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ラウロイルオキシ基等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基とカルボニル基と酸素原子から構成されるアシルオキシル基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン原子が例示される。流動性や、溶解性を考慮し、また、炭酸エステル製造触媒として用いることを考慮すれば、さらに好ましい例としては、炭素数4〜8のアルコキシ基である。
式(10)で示されるジアルキルスズ化合物の例としては、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズ、ジメチル−ジアセトキシスズ、ジメチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジバレリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアシルオキシスズ、ジメチル−ジクロロスズ、ジメチル−ジブロモスズ、ジブチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジブチル−ジブロモスズ(各異性体)、ジオクチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブロモスズ(各異性体)等のジアルキル−ジハロゲン化スズ等を挙げることができる。
これらの中でも、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキルスズジアルコキシドが好ましく、中でもジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズがより好ましく、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(10)で表されるジアルキルスズ化合物は単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
式(11)で示されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアシルオキシジスタンオキサン、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジハロゲン化ジスタンオキサンを挙げることができる。
これらの中でも、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサンがより好ましく、中でも1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(11)で表されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
一般に、有機スズ化合物は会合構造をとりやすく、例えばジアルキルスズジアルコキシスズはダイマー構造を形成したり、テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは、2分子または3分子が会合したラダー構造を形成して存在する場合もあることが知られているが、このような会合状態が変化する場合であっても、単量体構造で化合物を表すことは、当業者にとっては一般的である。
また、上記で示したジアルキルスズ化合物は単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
ジアルキルスズ化合物の製造方法としては、既に開示されている製造方法(WO2005/111049など)が好ましく利用できる。本工程はジアルキル酸化スズとアルコールとから、ジアルキルスズ化合物を製造する工程である。
本実施の形態において用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用される。
アルキルスズアルコキシド合成工程で使用するジアルキル酸化スズは、下記式(12)で示したジアルキル酸化スズを用いる。
Figure 0005592786
(式中:
12およびR13は、各々独立に、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
12およびR13の例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ウンデシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基であり、さらに好ましくは、n−ブチル基、n−オクチル基である。
アルコールとジアルキル酸化スズとを脱水反応させ、生成する水を系外に除去しながらテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンおよび/またはジアルキルスズジアルコキシドを得る。該反応が実施される温度は、例えば、80〜180℃の範囲で、生成する水を系外に蒸留除去するために、反応圧力にもよるが、100℃〜180℃が好ましく、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、さらに好ましくは100℃〜160℃の範囲である。反応の圧力は、生成する水が系外に除去できる圧力であり、反応温度にもよるが、20〜1×10Paで行われる。脱水反応の反応時間に、特に制限はなく、通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜2時間である。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程(1)で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点では、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法も使用できるが、本工程で使用するジアルキル酸化スズが通常固体状であるため、まず、槽状反応器で実施し、次いで塔型反応器でジアルキルスズジアルコキシドの含有量をあげる方法が最も好ましい。反応器およびラインの材質は、悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程(1)は、上記方法によって製造したジアルキルスズ化合物と、ガス状の二酸化炭素とを反応させて、炭酸エステルを製造する工程である。該工程は、既に開示されている炭酸エステルの製造方法(WO03/055840、WO04/014840など)が好ましく使用される。
本工程に供給されるアルキルスズ化合物は、スタートアップ時にアルキルスズアルコキシド合成工程から供給される場合と、連続製造時に、後述する工程(4)のジアルキルスズ化合物製造工程から、工程(5)を経て供給される場合がある。
工程(1)においては、まず、上記したジアルキルスズアルコキシドとガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させてジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含む混合物を得る。化学反応させる際には、該ジアルキルスズアルコキシドを液状として反応させる。ジアルキルスズアルコキシドが固体の場合に該ジアルキルスズアルコキシドを液状とするには、加熱によって液状とする方法が好ましく使用できる。また、溶媒等によって液状としてもよい。反応させる圧力は、反応させる温度にもよるが、常圧〜1MPaの範囲が好ましく、常圧〜0.6MPaの範囲が更に好ましい。該反応させる温度は、反応させる圧力にもよるが、−40℃〜80℃の範囲が好ましく、移送の際の流動性を考慮すると、0℃〜80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば20℃)〜80℃である。反応時間は数秒〜100時間の範囲で実施してよく、生産性等を考慮すれば、数分〜10時間が好ましい。反応器は公知の槽型反応器、塔型反応器が使用できる。また、複数の反応器を組み合わせて使用してもよい。反応は二酸化炭素ガス(気体)とアルキルスズアルコキシド組成物(液体)の反応であるため、効率よく反応させるためには、気液界面を大きくしてガスと液の接触面積を大きくすることが好ましい。このような気液界面を大きくして反応させる方法は公知の知見が利用でき、例えば、槽型反応器では、攪拌速度を上げたり、液中に気泡を発生させるような方法が好ましく、塔型反応器では、充填塔を利用したり、棚段塔を利用する方法が好ましい。このような塔型反応器の例としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のもの等が利用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。反応は通常発熱反応であるから、冷却してもよいし、または反応器の放熱によって冷却してもよい。あるいは炭酸エステル化反応を併発させる目的であれば加熱してもよい。反応器の冷却、加熱はジャケットによる方法、内部コイルによる方法等公知の方法が使用できる。反応器に供給する二酸化炭素ガスとアルキルスズアルコキシド組成物はそれぞれ別々に反応器に供給してもよいし、反応器に供給する前に混合しておいてもよい。反応器の複数箇所から供給してもかまわない。反応終了は、例えば、119Sn−NMR分析によって決定することができる。
次に、上記で得られたジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体から、以下の方法により、炭酸エステルを含む反応液を得る。
反応条件は、110℃〜200℃の範囲、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、好ましくは120℃〜180℃の範囲であり、0.1時間〜10時間の範囲、反応圧力は、1.5MPa〜20MPa、好ましくは2.0MPa〜10MPaの範囲である。反応は所望の炭酸エステルが反応器中に生成してから終了すればよい。反応の進行は、反応器内の反応液をサンプリングし、H−NMRやガスクロマトグラフィー等の方法で生成した炭酸エステルを分析する方法等で確認できる。例えば、ジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中に含まれていたジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体のモル数に対して10%以上生成したら反応を終了してもよく、炭酸エステルの収量を多くしたい場合、該値を90%以上になるまで反応を続けてから終了する。反応器は公知の反応器が使用でき、塔型反応器、槽型反応器共に好ましく使用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
本実施の形態における工程(2)は、前述の工程(1)で得られた、炭酸エステルを含む反応液から、炭酸エステルを分離回収するとともに、残留液を得る工程である。分離方法は公知の方法や装置が好適に利用できる。好ましい方法は蒸留による方法である。
前述の工程(1)から移送された反応液をバッチもしくはセミバッチ、または連続的に蒸留して炭酸エステルと残留液を得る。好ましい蒸留方法は、該反応液を蒸留器に供給し、炭酸エステルを気相成分として蒸留器上部から系外へ分離し、残留液を液状成分として蒸留器の底部から抜き出す方法である。本工程の温度は該炭酸エステルの沸点や圧力にもよるが、常温(例えば20℃)〜200℃の範囲でよく、高温では残留液中のスズ化合物の変性がおこる場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少してしまう場合もあるので常温(例えば20℃)〜150℃の範囲が好ましい。圧力は、炭酸エステルの種類や、実施する温度にもよるが、通常常圧から減圧条件でおこない、生産性を考慮すれば、100Pa〜80KPaの範囲が更に好ましく、100Pa〜50KPaが最も好ましい範囲である。時間は、0.01時間〜10時間の範囲で実施でき、高温で長時間実施すると、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少する場合もあるため、0.01時間〜0.5時間の範囲が好ましく、0.01時間〜0.3時間の範囲が最も好ましい。蒸留器は公知の蒸留器が使用でき、塔型蒸留器、槽型蒸留器も好ましく使用することができるし、複数組み合わせて使用しても構わない。さらに好ましい蒸留器は薄膜蒸発器、薄膜蒸留器であり、蒸留塔を備えた薄膜蒸発器、薄膜蒸留器が最も好ましい。蒸留器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程(3)は、工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程である。ここでいう、芳香族ヒドロキシ化合物とは、前述の式(8)で表わされる炭酸ジアリールを構成する基RO(Rは上記で定義した芳香族基であり、Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した化合物ROHに相当する化合物である。具体的には、好ましく使用される芳香族ヒドロキシ化合物Aの例として、フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、メチルペンチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチルフェノール(各異性体)、トリエチルフェノール(各異性体)、ジメチルエチルフェノール(各異性体)、ジメチルプロピルフェノール(各異性体)、ジメチルブチルフェノール(各異性体)等のトリ置換フェノール類、ナフトール(各異性体)等を挙げることができる。
本実施の形態における工程(3)は、工程(2)で分離した主に炭酸エステルを含む成分と芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて、炭酸ジアリールを得る工程である。炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物から炭酸アルキルアリール、炭酸ジアリールを得る方法は、これまで多くの提案があり、本実施の形態においても、これらの技術は好ましく適用できる。
工程(3)の反応は、炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物のエステル交換反応と、該エステル交換反応で得られる炭酸ジアルキルアリールの不均化反応からなる。
エステル交換反応は平衡反応であって、反応を有利に進めようとすれば、エステル交換反応で脱離生成するアルコールを抜き出しながら反応させることが好ましく、この場合には、工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の沸点が、工程(2)で得られる炭酸アルキルを構成するアルキルアルコールの沸点よりも高いことが好ましい。特に、工程(1)〜工程(3)の工程を一回以上繰り返して連続して実施する場合には、アルキルアルコールの沸点は芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点より低いことが好ましく、その沸点差は好ましくは2℃、分離の容易さを考えれば、10℃であることが更に好ましい。
工程(3)で用いられる炭酸ジアルキルの例としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル(各異性体)、炭酸ジブチル(各異性体)、炭酸ジペンチル(各異性体)、炭酸ジヘキシル(各異性体)、炭酸ジヘプチル(各異性体)、炭酸ジオクチル(各異性体)、炭酸ジノニル(各異性体)、炭酸ジデシル(各異性体)、炭酸ジシクロペンチル、炭酸ジシクロヘキシル、炭酸ジシクロヘプチル(各異性体)、炭酸ジベンジル、炭酸ジフェネチル(各異性体)、炭酸ジ(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸ジ(クロロベンジル)(各異性体)、炭酸ジ(メトキシベンジル)(各異性体)、炭酸ジ(メトキシメチル)、炭酸ジ(メトキシエチル)(各異性体)、炭酸ジ(クロロエチル)(各異性体)、炭酸ジ(シアノエチル)(各異性体)、炭酸メチルエチル、炭酸メチルプロピル(各異性体)、炭酸メチルブチル(各異性体)、炭酸エチルプロピル(各異性体)、炭酸エチルブチル(各異性体)、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が用いられる。使用する炭酸エステルは1種類であってもよいし、混合物であってもよい。
これらの炭酸ジアルキルの中で、本実施の形態において好ましく使用されるのは、炭酸エステルを構成するアルコールの標準沸点が、水の標準沸点よりも高いアルコールであって、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルアルコール、直鎖状または分岐鎖状の炭素数4〜12のアルケニル基を有するアルケニルアルコール、シクロアルキルアルコール、アラルキルアルコールである。工程(3)でおこなう反応を有利に進めるために、工程(3)の反応で生成するアルコールを除去することを考慮すれば、工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点よりも、標準沸点の低いアルコールが更に好ましい。すなわち、水よりも標準沸点が高く、芳香族ヒドロキシ化合物よりも標準沸点の低いアルコールから構成される炭酸ジアルキルが好ましい。
工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の量は、工程(2)で分離され、工程(3)で使用する炭酸ジアルキルの量に対して、化学量論比で、0.1倍〜10000倍の範囲で使用できる。工程(3)の反応は、主に平衡反応であるから、芳香族ヒドロキシ化合物の量は多い方が有利であるが、使用量が増えれば反応器が大きくなり、後の生成物の分離にも大きな蒸留塔等が必要となるため、炭酸ジアルキルに対して1〜1000倍の範囲が好ましく、より好ましくは1〜100倍の範囲である。
工程(3)に供給する化合物は、主に炭酸ジアルキル、芳香族ヒドロキシ化合物、必要であれば触媒であるが、反応に特に悪影響を及ぼさない不純物が混入しても差し支えない。
これらの供給原料中に、生成物であるアルコール、炭酸アルキルアリール、および炭酸ジアリール等が含まれていてもよいが、本反応は可逆反応であるため、これらの生成物の濃度があまりに高い場合には原料の反応率を低下させるため好ましくない場合もある。供給する炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物との量比は、触媒の種類および量、ならびに反応条件によっても変わり得るが、通常、供給原料中の該炭酸ジアルキルに対して芳香族ヒドロキシ化合物はモル比で0.01〜1000倍の範囲で供給するのが好ましい。
工程(3)のエステル交換反応における反応時間は、反応条件や反応器の種類や内部構造によっても異なるが、通常、0.001〜50時間、好ましくは、0.01〜10時間、より好ましくは、0.05〜5時間である。反応温度は、反応器内の温度であり、用いる原料化合物である炭酸ジアルキルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の種類によって異なるが、通常、50℃〜350℃、好ましくは、100℃〜280℃の範囲でおこなわれる。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や反応温度などによって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常、10Pa〜20MPaの範囲でおこなわれる。
本実施の形態においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いることができる。また、反応に不活性な物質として、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点副生物の留去を加速する目的で、連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよい。
工程(3)のエステル交換反応の実施の際には、触媒を添加してもよい。上記したように、エステル交換によって炭酸エステルから炭酸アルキルアリールと炭酸ジアリールを得るが、該エステル交換反応は、平衡が原系に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって炭酸ジアリールを製造する際には、これらを改良するためにいくつかの提案がされており、公知の方法が本実施の形態においても好ましく使用できる。
本実施の形態において使用する場合の触媒量は、使用する触媒の種類、反応器の種類、炭酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の種類やその量比、反応温度、反応圧力等の反応条件の違いによっても異なるが、供給原料である炭酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の合計重量に対する割合で表して、通常、0.0001〜50重量%で使用される。また、固体触媒を使用する場合には、反応器の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく使用される。
反応速度を速くするための触媒に関する提案としては、数多くの金属含有触媒が知られている。公知のエステル交換反応触媒が本実施の形態においても使用できる。炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を反応させて炭酸アルキルアリールおよび/または炭酸アルキルアリールと炭酸ジアリールを含んだ混合物を製造する方法では、このような触媒として、例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸またはルイス酸を精製させる化合物類、有機スズアルコキシドや有機スズオキシド類等のスズ化合物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩類およびアルコキシド類、鉛化合物類、銅、鉄、ジルコニウム等の金属錯体類、チタン酸エステル類、ルイス酸とプロトン酸の混合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物、酢酸第2鉄等が提案されている。炭酸ジアリールの生成は、エステル交換反応のみでも起こりうるが、エステル交換反応で生成した炭酸アルキルアリールの不均化反応によっても生成する。ここでいう不均化反応とは、2分子の炭酸アルキルアリールから炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールと生成する反応である。炭酸アルキルアリールが、更に、芳香族ヒドロキシ化合物と反応して、炭酸ジアリールになる反応も起こるが、不均化反応の方が速いため、炭酸ジアリールを得たい場合には、炭酸アルキルアリールを不均化させて炭酸ジアリールを得る。いずれの反応も平衡反応である。炭酸アルキルアリールを製造するエステル交換反応では、アルキルアルコールを抜き出しながら反応させ、不均化工程では炭酸ジアルキルを抜き出しながら反応させることが有利である。従って、各段階において好ましい反応条件が異なる。連続的に反応をおこなう場合には、2段階に分けて反応させることが必要となるが、回分式でおこなう場合には、同一の反応器内で逐次おこなうこともできる。
従って、上記したエステル交換触媒とともに、不均化反応を触媒する触媒を共存させても構わない。このような触媒の例も多く提案されている。このような触媒として、例えば、ルイス酸およびルイス酸を発生しうる遷移金属化合物、ポリマー性スズ化合物、一般式R−X(=O)OH(式中、Xは、SnおよびTiから選択され、Rは1価の炭化水素基から選択される)で表される化合物、ルイス酸とプロトン酸の混合物、鉛触媒、チタンやジルコニウム化合物、スズ化合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物等が提案されている。
不均化工程は、エステル交換工程で得られた炭酸アルキルアリールを不均化して、炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールを得る工程である。先に述べたように、エステル交換反応実施の際に不均化触媒を加えてエステル交換反応と不均化反応を同時に実施してもよいし、エステル交換反応と不均化反応とを別々に連続的に、または、回分式におこなってもよい。また、エステル交換反応と不均化反応とを別々におこなった場合のエステル交換反応でも、炭酸アルキルアリールと同時に炭酸ジアリールが得られる場合があるが、この場合も、そのまま不均化反応を実施できる。不均化反応は、先に示したように、炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応によって炭酸アルキルアリールを得る工程であって、この平衡反応を有利に進めるためには、アルコールを抜き出しながら反応を進める方法が有利である。不均化反応も、平衡の制約を受けるため、有利に進めようとすれば、不均化反応で生成する炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールのうちの一方を系外に抜き出しながら反応させる方法が有利である。本実施の形態においては、生成物のうち、炭酸ジアルキルが炭酸ジアリールよりも低沸となるようにそれぞれのアルコキシ基、アリール基を選択して、炭酸ジアルキルを系外に抜き出しながら不均化反応をおこなうことが好ましい。抜き出した炭酸ジアルキルは、不均化反応以前の工程に戻して使用してもよい。炭酸ジアリールの生産量を多くしようとすれば、抜き出した炭酸ジアルキルをエステル交換工程に戻して使用することが好ましい。
不均化工程では、不均化反応の触媒を使用してもよい。このような触媒の例も多く提案されている。このような触媒として、例えば、ルイス酸およびルイス酸を発生しうる遷移金属化合物、ポリマー性スズ化合物、一般式R−X(=O)OH(式中、Xは、SnおよびTiから選択され、Rは1価の炭化水素基から選択される)で表される化合物、ルイス酸とプロトン酸の混合物、鉛触媒、チタンやジルコニウム化合物、スズ化合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物等が提案されている。
本実施の形態における不均化反応触媒として、エステル交換工程で使用するエステル交換反応触媒と同じ触媒を使用することができる。
不均化工程で用いられる炭酸アルキルアリールは、炭酸アルキルアリールエステルである。炭酸アルキルアリールの例としては、炭酸メチルフェニル、炭酸エチルフェニル、炭酸プロピルフェニル(各異性体)、炭酸ブチルフェニル(各異性体)、炭酸アリルフェニル(各異性体)、炭酸ペンチルフェニル(各異性体)、炭酸ヘキシルフェニル(各異性体)、炭酸ヘプチルフェニル(各異性体)、炭酸オクチルトリル(各異性体)、炭酸ノニル(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸デシル(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸メチルトリル(各異性体)、炭酸エチルトリル(各異性体)、炭酸プロピルトリル(各異性体)、炭酸ブチルトリル(各異性体)、炭酸アリルトリル(各異性体)、炭酸メチルキシリル(各異性体)、炭酸メチル(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(クロロフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(ニトロフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(メトキシフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(ピリジル)(各異性体)、炭酸エチルクミル(各異性体)、炭酸メチル(ベンゾイルフェニル)(各異性体)、炭酸エチルキシリル(各異性体)、炭酸ベンジルキシリル(各異性体)等が挙げられる。これらの炭酸アルキルアリールは1種類であってもよいし、2種類以上の混合物であってもよい。
これらの炭酸アルキルアリールの中で、本実施の形態において好ましく用いられるのは、炭酸アルキルアリールを構成するアルコールが、水よりも沸点の高いアルコールであって、炭酸アルキルアリールを構成するアルコールの沸点が、炭酸アルキルアリールを構成する芳香族ヒドロキシ化合物の沸点より低く、例えば、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルアルコール、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素巣4〜12のアルケニル基を有するアルケニルアルコール、シクロアルキルアルコール、アラルキルアルコールの中から選ばれ、不均化反応を有利に進めるために、不均化反応で生成する炭酸ジアルキルを除去することを考慮すれば、不均化反応で得る炭酸ジアリールよりも沸点の低い炭酸ジアルキルであることが好ましい。このような最適な組み合わせとしては、アルコール、上記式(9)および式(10)で表される金属−炭素−酸素結合を有する金属化合物のアルコキシ基に相当するアルコール、炭酸ジアルキルを構成するアルコールが、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)の群から選ばれるアルコールであり、芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノール、クレゾールから選ばれる芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。
不均化工程に供給する化合物は、主に炭酸アルキルアリールであり、必要であれば触媒であるが、反応に特に悪影響を与えない不純物が混入していてもかまわない。
本実施の形態で触媒を用いる場合の触媒量は、使用する触媒の種類、反応器の種類、炭酸アルキルアリールの種類やその量、反応温度ならびに反応圧力等の反応条件等によっても異なるが、供給原料である炭酸アルキルアリールの重量に対する割合で表して、通常0.0001〜50重量%で使用される。また、固体触媒を使用する場合には、反応器の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく使用される。
これらの供給原料中に、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物、および炭酸ジアリール等が含まれていてもよいが、本反応は可逆反応であるため、これらの成分のうち、濃度があまりに高い場合には、原料の反応率を低下させるため好ましくない場合もある。
不均化反応の反応時間は、反応条件や反応器の種類や内部構造によっても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましくは、0.01〜10時間、より好ましくは、0.05〜5時間である。反応温度は、用いる炭酸アルキルアリールの種類によっても異なるが、通常50℃〜350℃、より好ましくは100℃〜280℃の温度範囲でおこなわれる。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や反応温度等によっても異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常10Pa〜20MPaの範囲でおこなわれる。
本実施の形態における不均化工程において、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で、適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として使用することができる。また、反応に不活性な物質として、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点副生成物の留去を加速する目的で、連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよい。
不均化反応終了後は、公知の方法で触媒、炭酸アルキルアリール、芳香族ヒドロキシ化合物、アルコールを分離し、炭酸ジアリールを得る。
エステル交換工程および不均化工程で使用する反応器の形式には、特に制限はなく、撹拌槽方式、多段撹拌槽方式、多段蒸留塔を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。これらの反応器は、バッチ式、連続式のいずれでも使用することができる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、多段蒸留塔を用いる方法が好ましく、多段蒸留塔を用いた連続法が特に好ましい。多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。このような多段蒸留塔としては、例えば、泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バブルトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のものなど、通常多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。さらには、棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。多段蒸留塔を用いて連続法を実施する場合、出発物質と反応物質とを連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内において金属含有触媒の存在下に、液相または気−液相で両物質間のエステル交換反応、および/または不均化反応をおこなわせると同時に、製造される炭酸アルキルアリールおよび/または炭酸ジアリールを含む高沸点反応混合物を該蒸留塔の下部から液状で抜き出し、一方、生成する副生物を含む低沸点反応混合物を蒸留によって該蒸留塔の上部からガス状で連続的に抜き出すことにより炭酸ジアリールが製造される。
以上、ジアルキルスズ化合物を使用した炭酸ジアルキルおよび炭酸ジアリールの製造例を示したが、上述した工程(1)〜工程(3)に加えて、以下の工程(4)および工程(5)をおこなうことができる。
工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程。
工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
工程(4)は、工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させてジアルキルスズ化合物を再生する工程である。
本工程で用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用されるが、より好ましくは、上記したアルキルスズアルコキシド合成工程で使用したアルコールと同じアルコールを使用する。
脱水反応の条件も上記したアルキルスズアルコキシド合成工程と同様の条件で実施することが好ましい。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程(1)で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。本工程では、アルキルスズアルコキシドの合成工程とは異なって、通常固体であるジアルキル酸化スズを使用しないので、反応器の制約は少ない。即ち、脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法が特に好ましい。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
以上の工程(4)で製造されるジアルキルスズ化合物は、次の工程(5)(リサイクル工程)である、工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程により、工程(1)で使用されるジアルキルスズ化合物として再利用される。
本実施の形態における製造方法に用いるアミン化合物としては、下記式(13)で表されるアミン化合物が好ましく使用される。
Figure 0005592786
(式中、R14は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、1〜10の整数である。)
上記式(13)において、好ましくは、nは1〜3であり、さらに好ましくは、nが2であるポリアミン化合物が使用される。
このようなポリアミン化合物の例としては、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミン;フェニレンジアミン(各異性体)、トルエンジアミン(各異性体)4,4’−メチレンジアニリン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。中でもヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミンが好ましく使用され、中でも、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンが更に好ましく使用される。
アミン化合物は、好ましくは、カルバミン酸エステルの製造をおこなう反応器に液体の状態で供給される。一般的に、上で例示したアミン化合物は、常温(例えば20℃)で固体のものが多いが、そのような場合には、該アミン化合物の融点以上に加熱して、液体の状態で供給することもできるが、あまりに高温でアミン化合物を供給すると、加熱による熱変性反応等の副反応を生じる場合があることから、好ましくは、該アミン化合物を、アルコール、水または炭酸エステルとの混合物とし、比較的低い温度で、液体の状態で供給することが好ましい。
反応条件は,反応させる化合物によって異なるが,該アミン化合物のアミノ基に対して該炭酸エステルを化学量論比で、1.1〜1000倍の範囲、反応速度を高め、反応を早期に完結させるためには、炭酸エステルはアミン化合物のアミノ基に対して過剰量が好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは2〜100倍の範囲、さらに好ましくは、2.5〜30倍の範囲である。反応温度は、通常、常温(20℃)〜200℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では好ましくない反応も起こる場合があるので、好ましくは50℃〜150℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜5時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによってカルバミン酸エステルが所望量生成していることを確認して反応を終了することもできる。本実施の形態において、必要に応じて触媒を使用することができ、例えば、スズ、鉛、銅、チタン等の有機金属化合物や無機金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属のアルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒等を使用することができる。本実施の形態においては、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)などのアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素及びアルキル置換芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)等のアルコール類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンもしくはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジブチルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェノール(各異性体)等の芳香族ヒドロキシ化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類及びチオエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用する。これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。また、アミン化合物のアミノ基に対して過剰量使用される炭酸エステルも、該反応における溶媒として好適に使用される。
当該反応を実施する際に使用する反応装置は、特に制限がなく、公知の反応器が使用できる。例えば、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器など、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。反応器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。
<ヒドロキシ化合物の除去>
以上に例示した、炭酸エステルとアミン化合物との反応によって得られるカルバミン酸エステルを含有する反応液は、そのまま、カルバミン酸エステルの熱分解がおこなわれる反応器(以下、熱分解反応器という)に供給されてもよいし、該反応液よりカルバミン酸エステルを精製したのち熱分解反応器に供給されてもよい。しかしながら、該カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成するイソシアネートは、ヒドロキシ化合物(アルコールおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物)と反応してカルバミン酸エステルを生成することから、該熱分解反応における反応効率を高めるためには、該熱分解反応をおこなう前に、予め、該反応液からヒドロキシ化合物(アルコールおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物)を除去しておくことが好ましい。
本実施の形態においては、該反応液から、蒸留によって、ヒドロキシ化合物および/または炭酸エステルおよび/または反応溶媒を使用した場合には該反応溶媒等の低沸点成分を留去する方法や、カルバミン酸エステルに対して不活性で、且つ、カルバミン酸エステルに対する溶解度の低い溶媒によって洗浄する方法や、晶析による精製等の、公知の方法によって、カルバミン酸エステルを精製して、該熱分解反応器に供給することもできる。これらの方法のうち、操作の容易さ等を考慮すると、蒸留によって、ヒドロキシ化合物および/または炭酸エステルおよび/または反応溶媒を使用した場合には該反応溶媒等の低沸点成分を留去する方法が好ましく実施される。
該反応液から、蒸留によってヒドロキシ化合物や炭酸エステルを分離する装置としては、公知の蒸留装置を使用することができる。例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、落膜蒸発器、落滴蒸発器塔の装置を用いる方法、および、これらを組み合わせた方法等が用いられる。該蒸留分離がおこなわれる条件は、該反応液に含有される化合物の種類にも依るが、好ましくは、常温(20℃)〜180℃の範囲であり、高温では好ましくない反応が起こる場合があるので、好ましくは50℃〜150℃の範囲である。温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、圧力は、該反応液に含有される化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。特に、該蒸留分離においては、高温で長時間操作をおこなった場合に、該反応液に含有されるカルバミン酸エステルの熱変性反応が生起し、カルバミン酸エステルの収量を低下させる場合があるので、圧力を、該蒸留装置が達し得る減圧度に可能な限り近い減圧条件下とし、該反応液より除去したい化合物が気相に留出するに充分な温度範囲であって、該カルバミン酸エステル、もしくは、蒸留分離後の、該カルバミン酸エステルを含有する混合物が、液体として存在し得る温度範囲の中で、可能な限り低い温度を選択することが好ましい。該蒸留操作は、該反応液よりヒドロキシ化合物(アルコールおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物)を分離することが主な目的であるが、該反応液に含有される炭酸エステルおよび反応溶剤を使用した場合は該反応溶媒も分離するのが好ましい。炭酸エステルおよび/または反応溶剤を含有した状態で、後述する熱分解反応をおこなうと、生成するイソシアネートもしくはヒドロキシ化合物との分離工程が必要となり、操作が煩雑となる場合があるためである。
該反応において分離回収されたヒドロキシ化合物および/または炭酸エステル、該反応液が溶剤を含有している場合には該溶剤は、それぞれ、再利用することが好ましい。ヒドロキシ化合物は、炭酸エステル製造工程におけるヒドロキシ化合物(アルコールおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物)として、炭酸エステルはカルバミン酸エステルの製造における炭酸エステルとして、溶剤はカルバミン酸エステルの製造における溶剤として再利用される。
カルバミン酸エステル製造に触媒を使用し、該反応液に触媒もしくは触媒残渣が含有される場合は、該反応液もしくはカルバミン酸エステルに含有される触媒を、そのまま熱分解反応の触媒として使用することができるし、あるいは、該反応液もしくはカルバミン酸エステルから触媒を除去してもよい。特に、塩基性触媒を使用した場合には、熱分解反応時に該触媒に由来する反応が起こり、収率が低下する場合もあるので、そのような場合には触媒を除去してから熱分解反応を実施することが好ましい。触媒の除去には公知の方法が使用できる。好ましい方法としては、均一相又は不均一相で有機酸又は無機酸で処理することによって中和する方法である。触媒の除去には、好ましくは、モノ及びジカルボン酸、アルキルまたはアリールスルホン酸及びリン酸、イオン交換樹脂、活性炭等が使用される。該触媒の除去は、低温ではカルバミン酸エステルが固化する場合があり、恒温では熱変性反応を生起する場合もあるので、常温(20℃)〜180℃の範囲で実施される。好ましくは、カルバミン酸エステルを製造する工程を実施した後に、該カルバミン酸エステル製造工程の反応液から生成したカルバミン酸エステルが析出しない温度を維持したまま引き続いて実施される。該カルバミン酸エステル製造工程の反応液より、溶剤および/またはヒドロキシ化合物および/または炭酸エステルを分離する場合は、該反応液より触媒を除去したのち、上記した分離操作をおこなうことが好ましい。
<カルバミン酸エステルの移送>
炭酸エステルとアミン化合物との反応によって得られるカルバミン酸エステルを含有する反応物(以下、反応物という)は、または、該反応液より上記方法によってヒドロキシ化合物を除去したカルバミン酸エステルを含有する混合物(以下、残留物という)は、熱分解反応器に供給される。
カルバミン酸エステルは、カルバミン酸エステルを構成するエステル基により分子間で水素結合を形成しやすいことから、高い融点を有する場合が多い。高い融点を有するカルバミン酸エステルを移送するにあたっては、例えば、固体のカルバミン酸エステルを粉砕したりペレット状に加工する等の賦形化処理をおこなったものを移送したり、あるいは、カルバミン酸エステルの融点よりも高い温度に加熱して該カルバミン酸エステルを液体状として移送する。しかしながら、賦形化処理をおこなった固体のカルバミン酸エステルを移送する場合、移送ラインの閉塞を招いたり、カルバミン酸エステルの形状にばらつきが多い場合に一定量のカルバミン酸エステルを安定的に移送するために煩雑な装置を必要としたり、該カルバミン酸エステルの形状をある範囲に揃える工程を必要とする場合が多い。したがって、該反応物または該残留物は、好ましくは液状で移送される。
該反応物または該残留物を液体状として移送する場合には、移送中の固化を防止することを考慮すると高い温度に加熱することが好ましいが、あまりに高い温度で移送すると、該反応液または該残留物に含有される該カルバミン酸エステルの熱変性反応が生起する場合が多いので、好ましくは、30℃〜200℃の温度範囲で、より好ましくは、50℃〜180℃、さらに好ましくは80℃〜150℃の温度範囲にて移送される。
<カルバミン酸エステルの熱分解反応>
次に、カルバミン酸エステルの熱分解反応によるイソシアネートの製造について説明する。
本実施の形態における熱分解反応は、カルバミン酸エステルから、対応するイソシアネートとヒドロキシ化合物(アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物)とを生成させる反応である。
反応温度は、通常100℃〜350℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではカルバミン酸エステルおよび/または生成物であるイソシアネートによって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、好ましくは150℃〜300℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.005〜50時間、より好ましくは0.01〜10時間である。
カルバミン酸エステルは、高温下で長時間保持された場合、上述したような副反応を生起する場合がある。また、熱分解反応によって生成したイソシアネートが、上述したような副反応を引き起こす場合がある。したがって、該カルバミン酸エステルおよび該イソシアネートが高温下に保持される時間は、可能な限り短時間であることが好ましく、該熱分解反応は、好ましくは連続法でおこなわれる。連続法とは、該カルバミン酸エステルを含有する混合物を、反応器に連続的に供給して、熱分解反応に付し、生成するイソシアネートおよびヒドロキシ化合物を、該熱分解反応器から連続的に抜き出す方法である。該連続法において、カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成する低沸点成分は、好ましくは、気相成分として該熱分解反応器の上部より回収され、残りは液相成分として該熱分解反応器の底部より回収される。熱分解反応器中に存在する全ての化合物を気相成分として回収することもできるが、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、カルバミン酸エステルおよび/またはイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状化合物を溶解して、該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を防止する効果がある。カルバミン酸エステルの熱分解反応により、イソシアネートとヒドロキシ化合物が生成するが、これらの化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気相成分として回収する。どの化合物を気相成分として回収するかは、熱分解反応条件に依存する。
ここで、本実施の形態で用いる用語「カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成する低沸点成分」とは、該カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成するヒドロキシ化合物および/またはイソシアネートが相当するが、特に、当該熱分解反応が実施される条件下において、気体として存在しうる化合物を指す。
熱分解反応によって生成するイソシアネートとヒドロキシ化合物とを気相成分として回収し、カルバミン酸エステルおよび/または炭酸エステルを含有する液相成分を回収する方法を採用することができる。当該方法において、熱分解反応器でイソシアネートとヒドロキシ化合物を別々に回収してもよい。回収されたイソシアネートを含有する気相成分は、好ましくは、気相で、該イソシアネートを精製分離するための蒸留装置に供給される。一方の、カルバミン酸エステルおよび/または炭酸エステルを含有する液相成分は、熱分解反応器底部から回収され、該液相成分の一部または全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸エステルを、再度、熱分解反応に付す。ここでいう、熱分解反応器の上部とは、例えば、該熱分解反応器が蒸留塔の場合は、理論段数で塔底より2段目以上上の段を指し、該熱分解反応器が薄膜蒸留器の場合は、加熱されている伝面部分よりも上の部分を指す。該液相成分の一部または全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。該液相成分が炭酸エステルを含有する場合は、該液相成分から炭酸エステルを分離回収したのち、該液相成分を熱分解反応器に供給してもよい。分離回収された該炭酸エステルは、好ましくは再利用される。
先にも述べたが、該熱分解反応においては、液相成分を該熱分解反応器の底部より回収することが好ましい。それは、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、カルバミン酸エステルおよび/またはイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状副生物を溶解して、液相成分として熱分解反応器から排出させることができ、以って該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を低減する効果があるためである。
該液相成分の一部もしくは全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸エステルを、再度、熱分解反応に付すが、この工程を繰り返すと、液相成分にポリマー状副生物が蓄積される場合がある。その場合には、該液相成分の一部もしくは全部を反応系から除去し、ポリマー状副生物の蓄積を減少させる、もしくは、一定の濃度に保持することができる。
以上の熱分解反応において得られる気相成分および/または液相成分に含有されるヒドロキシ化合物および/または炭酸エステルは、それぞれ、分離回収して、再利用することができる。具体的には、ヒドロキシ化合物は、炭酸エステルの製造にかかる工程(3)のヒドロキシ化合物として再利用できるし、炭酸エステルは、カルバミン酸エステルの製造における原料として再利用することができる。
該熱分解反応器の形式に、特に制限はないが、気相成分を効率よく回収するために、好ましくは、公知の蒸留装置を使用する。例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、好ましくは、管状反応器、より好ましくは、管状薄膜蒸発器、管状流下膜蒸発器等の反応器を用いる方法であり、生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
熱分解反応器およびラインの材質は、該カルバミン酸エステルや生成物であるヒドロキシ化合物、イソシアネート等に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。
<熱分解反応器の洗浄>
本実施の形態において、該カルバミン酸エステルの熱分解反応に伴って、例えば、上記式(2)、式(3)、式(4)等で表される副反応に由来するポリマー副生成物等が生成するが、この熱分解反応による副生物は、上記方法による熱分解反応をおこなう場合でも、長期間に亘って運転した場合に、該熱分解反応器に付着する場合がある。これら熱分解反応に付着した化合物は、ある程度蓄積すると、該熱分解反応器の運転の妨げとなり、長期間に亘る運転が難しい場合が多いため、該熱分解反応器を解体して清掃する等の作業が必要であった。
本発明者らは、驚くべきことに、該熱分解反応器に付着する化合物が、酸に溶解しやすいことを見出した。この知見を基に、該熱分解反応器に高沸物が付着した場合は、該熱分解反応器の壁面を酸で洗浄し、これらの高沸物を溶解して、該熱分解反応器より除去することにより、該熱分解反応器内(特に壁面)を清浄に保つ方法を考案し、完成させた。該方法により、該熱分解反応器を解体し、分掃することなく、該熱分解反応器の壁面を洗浄できることから、該熱分解反応器の運転停止期間を大幅に短縮することができ、イソシアネートの生産効率が高い。
洗浄溶剤の酸としては、該ポリマー状副生物を溶解するものであれば、特に限定されず、有機酸、無機酸のいずれが用いられてもよいが、好ましくは、有機酸が用いられる。有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、フェノール類、エノール類、チオフェノール類、イミド類、オキシム類、芳香族スルホンアミド類等を例示することができるが、好ましくはカルボン酸、フェノール類が使用される。このような化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、イソカプロン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、ヘプタン酸(各異性体)、オクタン酸(各異性体)、ノナン酸(各異性体)、デカン酸(各異性体)、ウンデカン酸(各異性体)、ドデカン酸(各異性体)、テトラデカン酸(各異性体)、ヘキサデカン酸(各異性体)、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、アリル酢酸、ウンデセン酸(各異性体)等の飽和もしくは不飽和脂肪族モノカルボン酸化合物、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸(各異性体)、オクタン二酸(各異性体)、ノナン二酸(各異性体)、デカン二酸(各異性体)、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、ペンテン二酸(各異性体)、イタコン酸、アリルマロン酸等の飽和もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−プロペントリカルボン酸、2,3−ジメチルブタン−1,2,3−トリカルボン酸等の飽和もしくは不飽和脂肪族トリカルボン酸化合物、安息香酸、メチル安息香酸(各異性体)、エチル安息香酸(各異性体)、プロピル安息香酸(各異性体)、ジメチル安息香酸(各異性体)、トリメチル安息香酸(各異性体)等の芳香族者カルボン酸化合物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルイソフタル酸(各異性体)等の芳香族ジカルボン酸化合物、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸等の芳香族トリカルボン酸化合物、フェノール、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェノール(各異性体)、ジクミル−フェノール(各異性体)メチル−エチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−クミル−フェノール(各異性体)プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−クミル−フェノール(各異性体)ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−クミル−フェノール(各異性体)ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−クミル−フェノール(各異性体)ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−クミル−フェノール(各異性体)ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチル−フェノール(各異性体)、トリエチル−フェノール(各異性体)、トリプロピル−フェノール(各異性体)、トリブチル−フェノール(各異性体)、トリペンチル−フェノール(各異性体)、トリヘキシル−フェノール(各異性体)、トリヘプチル−フェノール(各異性体)、トリオクチル−フェノール(各異性体)、トリノニル−フェノール(各異性体)、トリデシル−フェノール(各異性体)、トリドデシル−フェノール(各異性体)、トリフェニル−フェノール(各異性体)、トリフェノキシフェノール(各異性体)、トリクミル−フェノール(各異性体)、ジメチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジメチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジエチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジエチル−クミル−フェノール(各異性体)ジプロピル−メチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−エチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−デシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジプロピル−クミル−フェノール(各異性体)ジブチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジブチル−クミル−フェノール(各異性体)ジペンチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘキシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)
、ジヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘプチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)ジオクチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジオクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジノニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジフェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシメチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシエチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシプロピル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシブチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシオクチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシノニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシクミル−フェノール(各異性体)、ジクミル−メチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−エチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−デシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−メチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−プロピル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−プロピル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェニル−
フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシ−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−ドデシル−フ
ェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェノキシヘキシル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノキシクミル−フェノール(各異性体)等のトリ置換フェノール類等を挙げることができる。これらの有機酸の中でも、熱分解反応器に残留した場合の、該熱分解反応において生成するイソシアネートとの分離を考慮して、該イソシアネートの標準沸点との沸点差が10℃以上の有機酸を選択することが好ましい。
上記洗浄溶剤を使用して該熱分解反応器を洗浄する方法としては、該熱分解反応器上部より洗浄溶剤を導入して該熱分解反応器を洗浄する方法、該熱分解反応器の底部に洗浄溶剤を導入し、該洗浄溶剤を該熱分解反応器内で炊き上げて内部を洗浄する方法等、様々な方法を使用できる。
該洗浄操作は、該熱分解反応を実施する度に毎回おこなう必要はなく、使用する化合物、運転レート等により任意に決定することができ、好ましくは、運転時間1時間〜20000時間に1回、より好ましくは、運転時間1日〜1年に1回、さらに好ましくは、運転時間1ヶ月〜1年に1回の頻度で洗浄操作をおこなうことができる。該熱分解反応器は、洗浄溶剤を導入するラインを、該熱分解反応器に具備していてもよい。
また、該熱分解反応器の洗浄を目的として、カルバミン酸エステルの熱分解反応をおこなう際に、該熱分解反応の条件において上記した洗浄溶剤を共存させることもできる。これは、従来技術(例えば、米国特許第4081472号公報参照)でいう不活性溶媒とは異なる。例えば、該特許文献によれば、不活性溶媒は、カルバミン酸エステルの熱分解によって生成するイソシアネートと反応しない化合物を指すが、これに対して、例えば、文献(Journal of the American Chemical Society,第64巻,2229頁,1942年)に、芳香族ヒドロキシ化合物とフェニルイソシアネートの反応によりウレタンが生成するとの記述があるように、芳香族ヒドロキシ化合物はイソシアネートと反応し得る。該芳香族ヒドロキシ化合物は、炭酸エステルとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物、または、該反応混合物からヒドロキシ化合物および/または炭酸エステルおよび/または反応溶剤を分離した残留物を熱分解反応器に移送する際に、該反応混合物または該残留物に混合されて熱分解反応器に供給されてもよいし、該反応混合物を供給するラインとは別に、該芳香族ヒドロキシ化合物を供給するラインを設けて供給してもよい。
本実施の形態における製造方法で得られるイソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として好適に使用することができる。また、本実施の形態における製造方法によって、猛毒のホスゲンを使用することなくイソシアネートを収率よく製造できるため、本発明は、産業上極めて重要である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1)NMR分析方法
装置:日本国、日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
(1)Hおよび13C−NMR分析サンプルの調製
サンプル溶液を約0.3g秤量し、重クロロホルム(米国、アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと内部標準物質としてテトラメチルスズ(日本国、和光純薬工業社製、和光一級)を0.05g加えて均一に混合した溶液をNMR分析サンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
2)液体クロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 LC−10ATシステム
カラム:日本国、東ソー社製 Silica−60カラム 2本直列に接続
展開溶媒:ヘキサン/テトラヒドロフラン=80/20(体積比)の混合液
溶媒流量:2mL/分
カラム温度:35℃
検出器:R.I.(屈折率計)
(1)液体クロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.1g秤量し、テトラヒドロフラン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてビスフェノールA(日本国、和光純薬工業社製、一級)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
3)ガスクロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 GC−2010
カラム:米国、アジレントテクノロジーズ社製 DB−1
長さ30m、内径0.250mm、膜厚1.00μm
カラム温度:50℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温
200℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温
検出器:FID
(1)ガスクロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.05g秤量し、アセトン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてトルエン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
4)誘導結合型プラズマ質量分析法
装置:日本国、セイコー電子社製、SPQ−8000
(1)誘導結合型プラズマ質量分析サンプル
試料約0.15gを希硫酸で灰化させた後、希硝酸に溶解した。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した
[参考例1] 炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
・工程(I−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積5000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)625g(2.7mol)および3−メチル−1−ブタノール(日本国、和光純薬工業社製)2020g(22.7mol)を入れた。該フラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約145℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま大気圧窒素下で約40分間加熱したところで、水を含む3−メチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜35kPaの状態で過剰の3−メチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。該フラスコが室温(25℃)付近まで冷却されたのち、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を大気圧に戻した。該フラスコには反応液886gが得られた。119Sn、H、13C−NMRの分析結果から、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが、ジ−n−ブチルスズオキシドに対して、収率99%で得られたことを確認した。同様の操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計10635g得た。
・工程(I−2):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
図1に示すような連続製造装置において、炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器102に、ライン4から上記で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを4388g/hrで供給し、ライン2から連続多段蒸留塔101で精製された3−メチル−1−ブタノールを14953g/hrで供給した。該反応器102は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール15037g/hrを、および、ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール825g/hrを、充填物Metal Gauze CYを充填し、リボイラー111および凝縮器121を備えた連続多段蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。該蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮されライン3から回収された。精製された3−メチル−1−ブタノールを、連続多段蒸留塔101の下部にあるライン2を経て塔型反応器102に輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸留装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸留装置103において3−メチル−1−ブタノールを留去し、凝縮器123、ライン8およびライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸留装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約5130g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブ104にライン9より、二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ104内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブ104における温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調整し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸留装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し供給して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得、一方で蒸発残渣をライン13とライン4を介して、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環した。炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分は凝縮器126および移送ライン14を経て、充填物Metal Gauze CYを充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた連続多段蒸留塔107に959g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン15から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。移送ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによって分析したところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズは含まれていなかった。上記連続運転を約240時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を18g/hrで抜き出し、一方でライン17から上記方法で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを18g/hrで供給した。得られた炭酸ビス(3−メチルブチル)は、金属原子として鉄を23ppm含有していた。
[参考例2] 炭酸ジブチルの製造
・工程(II−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積3000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド692g(2.78mol)および1−ブタノール(日本国、和光純薬工業社製)2001g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を126℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間、回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜54kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液847gを得た。119Sn,H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンが、ジ−n−ブチルスズオキシド基準で、収率99%で得られた。同様な操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計10180g得た。
・工程(II−2):炭酸ジブチルの製造
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に供給ライン4から工程(II−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを4201g/hrで、ライン2から連続多段蒸留塔101で精製した1−ブタノールを24717g/hrで、塔型反応器102に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約10分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む1−ブタノール24715g/hrおよび供給ライン1を経て1−ブタノール824g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111および凝縮器121を備えた連続多段蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。連続多段蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮され移送ライン3から回収された。連続多段蒸留塔101の下部にあるライン2を経て精製された1−ブタノールを輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブチルオキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸留装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸留装置103において1−ブタノールを留去し、凝縮器123、移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸留装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブチルオキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの活性成分の流量が約4812g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブに供給ライン9を介し二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ジブチルを含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸留装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に輸送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4201g/hrになるように調節し供給して炭酸ジブチルを含む留分を得、一方で蒸発残渣をライン13とライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサン流量が約4201g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環した。炭酸ジブチルを含む留分は凝縮器126およびライン14を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた蒸留塔107に830g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、移送ライン15から99wt%の炭酸ジブチルを814g/hr得た。移送ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブチルオキシドは含まれていなかった。上記連続運転を約600時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を16g/hrで、一方でライン17から工程(II−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを16g/hrで供給した。得られた炭酸ジブチルは、金属原子として鉄を0.3ppm含有していた。
[参考例3] 炭酸ビス(2−エチルブチル)の製造
・工程(III−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積5000mLのナス型フラスコに、ジ−n−オクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)893g(2.48mol)及び2−エチル−1−ブタノール2403g(23.6mol)を入れた。該フラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約165℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま大気圧窒素下で約40分間加熱したところで、水を含む2−エチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜25kPaの状態で過剰の2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。該フラスコが室温(25℃)付近まで冷却されたのち、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を大気圧に戻した。該フラスコには反応液1125gが得られた。119Sn、H、13C−NMRの分析結果から、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが、ジ−n−オクチルスズオキシドに対して、収率99%で得られたことを確認した。同様の操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計13510g得た。
・工程(III−2):炭酸エステルの製造およびジアルキルスズ触媒の失活体組成物の回収
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal Gauze CYを充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器102に、ライン4から上記で製造した1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを6074g/hrで供給し、ライン2から連続多段蒸留塔101で精製された2−エチル−1−ブタノールを12260g/hrで供給した。該反応器102は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む2−エチル−1−ブタノール12344g/hrを、および、ライン1を経て2−エチル−1−ブタノール958g/hrを、充填物Metal Gauze CYを充填しリボイラー111および凝縮器121を備えた連続多段蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。連続多段蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮され回収ライン3から回収された。精製された2−エチル−1−ブタノールは、連続多段蒸留塔101の下部にあるライン2を経て塔型反応器102に輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−オクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸留装置103に供給した。薄膜蒸留装置103において2−エチル−1−ブタノールを留去し、凝縮器123、ライン8およびライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸留装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−オクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンの流量が約6945g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブにライン9より、二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調整し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ビス(2−エチルブチル)を含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸留装置106に移送し、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンの流量が約6074g/hrになるように調節し供給して、炭酸ビス(2−エチルブチル)を含む留分を得、一方で蒸発残渣をライン13とライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンの流量が約6074g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環した。炭酸ビス(2−エチルブチル)を含む留分は凝縮器126およびライン14を経て、充填物Metal Gauze CYを充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた蒸留塔107に959g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン15から99wt%の炭酸ビス(2−エチルブチル)を1075g/hrで得た。ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−オクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズは含まれていなかった。上記連続運転を約220時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を18g/hrで、一方で供給ライン17から上記方法で製造した1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを18g/hrで供給し、抜き出しライン16から、1,1,3,3−テトラ−n−オクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)ジスタンオキサンの失活体組成物を180g抜き出した。得られた炭酸ビス(2−エチルブチル)は、金属原子として鉄を4.8ppm含有していた。
[参考例4] 炭酸ジヘプチルの製造
・工程(IV−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積3000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド692g(2.78mol)および1−ヘプタノール(日本国、和光純薬工業社製)3137g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、系内を39kPaとした。オイルバス温度を150℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が39〜10kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液952gを得た。119Sn,H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジヘプチルオキシ−ジスタンオキサンが、ジ−n−ブチルスズオキシド基準で、収率99%で得られた。同様な操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジヘプチルオキシ−ジスタンオキサンを合計11431g得た。
・工程(IV−2):炭酸ジヘプチルの製造
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器にライン4から工程(V−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンを4757g/hrで、ライン2から連続多段蒸留塔101で精製した1−ヘプタノールを13967g/hrで、塔型反応器102に供給した。該反応器内は液温度が170℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約10分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む1−ヘプタノール14051g/hrおよび、ライン1を経て1−ヘプタノール1086g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111および凝縮器121を備えた連続多段蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。該蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮されライン3から回収された。蒸留塔101の下部にある移送ライン2を経て精製された1−ヘプタノールを輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ヘプチルオキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸留装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸留装置103において1−ヘプタノールを留去し、凝縮器123、ライン8およびライン4を経て、塔型反応器102に戻した。薄膜蒸留装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ヘプチルオキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンの活性成分の流量が約5764g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブにライン9を介し二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ジヘプチルを含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存の二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸留装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に輸送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンの流量が約4757g/hrになるように調節し供給して炭酸ジブチルを含む留分を得、一方で蒸発残渣をライン13とライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサン流量が約5764g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環する。炭酸ジブチルを含む留分は凝縮器126およびライン14を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた蒸留塔107に1223g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、ライン15から99wt%の炭酸ジヘプチルを1208g/hr得た。ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ヘプチルオキシドは含まれていなかった。上記連続運転を約600時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を22g/hrで抜き出し、一方でフィードライン17から工程(IV−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ−n−ヘプチルオキシ−ジスタンオキサンを22g/hrで供給した。得られた炭酸ジヘプチルは、金属原子として鉄を26ppm含有していた。
[参考例5] 炭酸ビス(2−エチルヘキシル)の製造
・工程(V−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積3000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド692g(2.78mol)および2−エチル−1−ヘキサノール(日本国、和光純薬工業社製)3516g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、系内を約26kPaとした。オイルバス温度を150℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が26〜10kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液990gを得た。119Sn,H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンが、ジ−n−ブチルスズオキシド基準で、収率99%で得られた。同様な操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを合計11880g得た。
・工程(V−2):炭酸ビス(2−エチルヘキシル)の製造
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器にライン4から工程(V−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサン4943g/hrで、ライン2から連続多段蒸留塔101で精製した2−エチル−1−ヘキサノールを15653g/hrで、塔型反応器102に供給した。該反応器内は液温度が170℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約10分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む2−エチル−1−ヘキサノール15737g/hrおよび、ライン1を経て2−エチル−1−ヘキサノール1217g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111および凝縮器121を備えた連続多段蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。該蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮されライン3から回収された。蒸留塔101の下部にあるライン2を経て精製された2−エチル−1−ヘキサノールを輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチルスズ−ビス(2−エチルヘキシルオキシド)と1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸留装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸留装置103において2−エチル−1−ヘキサノールを留去し、凝縮器123、ライン8およびライン4を経て、塔型反応器102に戻した。薄膜蒸留装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチルスズ−ビス(2−エチルヘキシルオキシド)と1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンの活性成分の流量が約6083g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブにライン9を介し二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ビス(2−エチルヘキシル)を含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存の二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸留装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に輸送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4943g/hrになるように調節し供給して炭酸ジブチルを含む留分を得、一方で蒸発残渣を移送ライン13と移送ライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサン流量が約4943g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環する。炭酸ジブチルを含む留分は凝縮器126およびライン14を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた蒸留塔107に1354g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、ライン15から99wt%の炭酸ビス(2−エチルヘキシル)を1339g/hr得た。ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチルスズ−ビス−(2−エチルヘキシルオキシド)は含まれていなかった。上記連続運転を約600時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を23g/hrで抜き出し、一方でフィードライン17から工程(V−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを23g/hrで供給した。得られた炭酸ビス(2−エチルヘキシル)は、金属原子として鉄を30ppm含有していた。
[参考例6] 炭酸ジフェニルの製造
参考例2で得られた炭酸ジブチルを使用して炭酸ジフェニルを製造した。
・工程(VI−1):芳香族炭酸エステルの製造
[触媒の調製]
フェノール79gと一酸化鉛32gを180℃で10時間加熱し、生成する水をフェノールと共に留去した。10時間で水を約2.5g抜き出した。その後、反応器上部からフェノールを留去し、触媒を調製した。
[芳香族炭酸エステルの製造]
図2に示すような装置を使用した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填して内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔202の中段に、工程(I−2)で得た炭酸ジブチル、フェノール、および上記で調製した触媒からなる混合液(混合液中の炭酸ジブチルとフェノールの重量比が約65/35、鉛濃度が約1重量%となるように調製した)を、予熱器201を経て、ライン21から約270g/hrで液状で連続的にフィードして反応をおこなった。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部の液を、ライン23とリボイラー204を経て循環させることによって供給した。連続多段蒸留塔202の塔底部の液温度は238℃、塔頂圧力は約250kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔202の塔頂から留出するガスをライン22より抜き出し、凝縮器203を経て、ライン24より約67g/hrで、貯槽205に連続的に抜き出した。塔底からはライン23を経て貯槽206に約204g/hrで連続的に抜き出した。
ライン24から抜き出された液の組成は、1−ブタノール約33重量%、フェノール約65重量%、炭酸ジブチル約2重量%であった。貯槽206へ抜き出された液の組成は、フェノール約11重量%、炭酸ジブチル約60重量%、炭酸ブチルフェニル約26重量%、炭酸ジフェニル約1.6重量%、鉛濃度約1重量%であった。
次に、図3に示すような装置を使用した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に抜き出された液を、予熱器301を経て、ライン31から約203g/hrで液状で連続的にフィードした。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は240℃、塔頂圧力は約27kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスをライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約165g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約39g/hrで連続的に抜き出した。
ライン34より抜き出された液の組成は、1−ブタノール約500ppm、フェノール約13重量%、炭酸ジブチル約85重量%、炭酸ブチルフェニル約2重量%であった。貯槽306に抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.3重量%、炭酸ブチルフェニル約32重量%、炭酸ジフェニル約61重量%、鉛濃度約7重量%であった。
[アルコールのリサイクル]
図4に示すような装置を使用して、アルコールのリサイクルをおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の塔最下部より約0.7mに、上記工程において貯槽205に連続的に抜き出された液を、ライン41から予熱器401を経て約201g/hrで連続的にフィードして、蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は145℃、塔頂圧力は約13kPaであり、還流比は約0.3とした。連続多段蒸留塔402より留出するガスをライン42を経て、凝縮器403で凝縮し、ライン44より貯槽405へ約68g/hrで抜き出した。塔底からは、ライン43を経て、貯槽406へ、約133g/hrで連続的に抜き出した。
ライン44から抜き出された液の組成は、1−ブタノール約99重量%、フェノール約100ppmであった。貯槽406へ抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約2重量%、フェノール約98重量%であった。
[炭酸ジアリールの精製]
図5、6に示すような装置を使用して、炭酸ジアリールの精製をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、貯槽306に抜き出された液をライン51から予熱器501を経て、役195g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン53とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約1.5kPaであり、還流比は約1とした。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン52を経て凝縮器503で凝縮してライン54より連続的に抜き出した。塔底からはライン53を経て貯槽506へ約14g/hrで抜き出した。
ライン54より抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.3重量%、炭酸ブチルフェニル約34重量%、炭酸ジフェニル約66重量%であった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔602の中段に、ライン54より抜き出された液をライン61から予熱器601を経て、役181g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン63とリボイラー604を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔602の塔底部の液温度は232℃、塔頂圧力は約15kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔602の塔頂から留出するガスを、ライン62を経て凝縮器603で凝縮してライン64より連続的に抜き出した。塔底からはライン63を経て貯槽606へ約119g/hrで抜き出した。
ライン64より抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.6重量%、炭酸ブチルフェニル約99重量%、炭酸ジフェニル約0.4重量%であった。貯槽606に抜き出された液の組成は、炭酸ブチルフェニル0.1重量%、炭酸ジフェニル約99.9重量%であった。該炭酸ジフェニルは、金属成分として鉄を8.2ppm含有していた。
[実施例1]
・工程(1−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
図2のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン24を閉止した状態で、参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)3333g(16.5mol)を貯槽201よりライン21を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器204に供給し、ヘキサメチレンジアミン(米国、Aldrich社製)383.5g(3.3mol)を貯槽202よりライン22を経て該反応器204に供給した。該反応器204内の液温度を約80℃に調整し、ナトリウムメトキシド(日本国、和光純薬工業社製、28%メタノール溶液)6.4gを貯槽203よりライン23を経て該SUS製反応器204に供給し、反応をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率99.7%で生成していた。
ライン24を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(1−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約43g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約237g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約237g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約150g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約87g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.2重量%含有していた。
・工程(1−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(1−2)で貯槽406に回収した混合物を160℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製)を約25.2g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約130g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約11g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は96.7%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例2]
・工程(2−1):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を3394g(16.8mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(米国、Aldrich社製)を596g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルが収率99.5%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(2−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約43g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約237g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約237g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約138g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約98g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを約99.0重量%含有していた。
・工程(2−3):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(2−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約200g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製)を約25.2g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約107g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約9g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は96.5%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例3]
・工程(3−1):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)にアセチルアセトナト鉄(II)を添加し、金属原子として鉄を7.4%含有する炭酸ビス(3−メチルブチル)を調製した。該炭酸ビス(3−メチルブチル)を2917g(14.4mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに4,4’−メチレンジアニリン(米国、Aldrich社製)を753g(3.8mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を7.3g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステが収率99.1%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(3−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約270g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約48g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約222g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約237g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約102g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約120g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.5重量%含有していた。
・工程(3−3):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図6のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置701を270℃に加熱し、内部の圧力を約1.3kPaとした。工程(3−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン70を経て、約190g/hrで薄膜蒸発器701の上部に供給した。また、ライン71より、ジラウリン酸ジブチルスズを約14g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置701の底部より、液相成分をライン73より抜き出し、ライン74を経て、薄膜蒸留装置701の上部に循環させた。気相成分をライン72より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔702中段に、薄膜蒸留装置701よりライン72を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン76とリボイラー704を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔702の塔底部の液温度は200℃、塔頂圧力は60kPaであった。連続多段蒸留塔702の塔頂から留出するガスを、ライン75を経て凝縮器703で凝縮してライン77より連続的に抜き出した。ライン78より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔705の中段に、ライン78より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン81とリボイラー707を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔705の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約2.5kPaであった。連続多段蒸留塔705の塔頂から留出するガスを、ライン80を経て凝縮器706で凝縮して、ライン82を経て連続的に抜き出した。ライン84より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔708の中段に、ライン84より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー710を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔708の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.5kPaであった。連続多段蒸留塔708の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器709で凝縮して、ライン87を経て約105g/hrで連続的に抜き出した。ライン87より抜き出された液は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを約99.9重量%含有していた。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は95.3%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置701の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例4]
・工程(4−1):ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を3064g(15.2mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)を778g(3.7mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を7.1g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが収率99.0%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(4−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約270g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約45g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約225g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約225g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約111g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約114g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを約99.1重量%含有していた。
・工程(4−3):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステの熱分解によるイソシアネートの製造
図6のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置701を270℃に加熱し、内部の圧力を約1.3kPaとした。工程(4−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン70を経て、約200g/hrで薄膜蒸発器701の上部に供給した。また、ライン71より、ジラウリン酸ジブチルスズを約14g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置701の底部より、液相成分をライン73より抜き出し、ライン74を経て、薄膜蒸留装置701の上部に循環させた。気相成分をライン72より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔702中段に、薄膜蒸留装置701よりライン72を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン76とリボイラー704を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔702の塔底部の液温度は200℃、塔頂圧力は60kPaであった。連続多段蒸留塔702の塔頂から留出するガスを、ライン75を経て凝縮器703で凝縮してライン77より連続的に抜き出した。ライン78より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔705の中段に、ライン78より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン81とリボイラー707を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔705の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約2.5kPaであった。連続多段蒸留塔705の塔頂から留出するガスを、ライン80を経て凝縮器706で凝縮して、ライン82を経て連続的に抜き出した。ライン84より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔708の中段に、ライン84より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー710を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔708の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.5kPaであった。連続多段蒸留塔708の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器709で凝縮して、ライン87を経て約105g/hrで連続的に抜き出した。ライン87より抜き出された液は4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を約99.8重量%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は93.2%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置701の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。30日間連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置701の壁面に付着物の蓄積が見られた。
[実施例5]
・工程(5−1):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの製造
参考例3の炭酸ビス(2−エチルブチル)を、内容積が10Lのナス型フラスコに入れ、該ナス型フラスコに、三方コック、ヘリパックNo.3を充填した蒸留カラムおよび留出液受器と連結した還流冷却器付分留塔および温度計を取り付け、系内を真空−窒素置換し、炭酸ビス(2−エチルブチル)を蒸留精製した。該蒸留精製物についてH−NMR測定をおこなったところ、炭酸ビス(2−エチルブチル)を約99.9重量%含有していた。また、金属原子として鉄を0.003ppm含有していた。
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに、上記の炭酸ビス(2−エチルブチル)を3589g(15.6mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに2,4−トルエンジアミン(米国、Aldrich社製)を464g(3.8mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を7.3g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルが収率98.5%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(5−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約300g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約60kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約56g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約244g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約244g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約0.7kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約138g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約106g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルを約98.9重量%含有していた。
・工程(5−3):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(5−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約190g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約15.7g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約83g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約16g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、2,4−トリレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。2,4−トルエンジアミンに対する収率は94.7%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例6]
・工程(6−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの製造
炭酸ビス(2−メチルブチル)の代わりに、参考例3の炭酸ビス(2−エチルブチル)を3483g(15.1mol)供給し、ヘキサメチレンジアミンの代わりに、ヘキサメチレンジアミン418g(3.6mol)と2−エチル−1−ブタノール368g(3.8mol)との混合液を供給し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.9g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルが収率99.5%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(6−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約270g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約60kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約69g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約201g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約201g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約0.7kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約115g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約86g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルを約98.3重量%含有していた。
・工程(6−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(6−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約270g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約22.7g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約116g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約22g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は95.5%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例7]
・工程(7−1):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ラインA4を閉止した状態で、参考例6の炭酸ジフェニル1992g(9.3mol)を貯槽721よりラインA1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器724に供給し、フェノール1311g(14.0mol)を貯槽722よりラインA2を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器724内の液温度を約50℃に調整し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン528g(3.1mol)を貯槽723よりラインA3を経て該反応器724に約250g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルが収率99.3%で生成していた。
ラインA4を開き、該反応液を、ラインA4を経て貯槽725に移送した。
・工程(7−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、フェノールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約300g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約60kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約155g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約145g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約145g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約0.4kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約55g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約90g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルを約99.1重量%含有していた。
・工程(7−3):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を220℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(5−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て、約300g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.3kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509約135g/hrで連続的に抜き出した。
ライン92より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は95.3%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例8]
・工程(8−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ヘプチル)エステルの製造
炭酸ビス(2−メチルブチル)の代わりに、参考例4の炭酸ジヘプチルを3445g(13.3mol)、ヘキサメチレンジアミンを360g(3.1mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.0g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ヘプチル)エステルが収率98.9%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(8−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約13kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約52g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約228g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約228g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は170℃、塔頂圧力は約0.13kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約136g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約92g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ヘプチル)エステルを約98.6重量%含有していた。
・工程(8−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ヘプチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(8−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約270g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約19.6g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約107g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約21g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は94.9%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例9]
・工程(9−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を2687g(13.3mol)、ヘキサメチレンジアミンを407g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率99.5%で生成していた。
ライン24を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(9−2):低沸成分の留去
連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約300g/hrで、液状で連続的にフィードし、塔底から液相成分を、ライン33を経て貯槽306へ約241g/hrで連続的に抜き出し、連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約241g/hrで、液状で連続的にフィードした以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約123g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約118g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.5重量%含有していた。
・工程(9−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(9−2)で貯槽406に回収した混合物を200℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給し、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約25.3g/hrでフィードした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこなった。ライン62を経て貯槽509へ約107g/hrで連続的に液を抜き出した。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約82g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は79.6%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例10]
・工程(10−1):ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を3272g(16.2mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)を757g(3.6mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.9g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが収率98.9%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(10−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約44g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約236g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約236g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約127g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約109g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを約99.0重量%含有していた。
・工程(10−3):ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔801の中段に、工程(10−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ラインB0を経て、約220g/hrでフィードし、同時にラインB1よりジラウリン酸ジブチルスズを15.7g/hrでフィードし、熱分解反応をおこなった。熱分解反応に必要な熱量は、塔下部液をラインB3とリボイラー803を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔801の塔底部の液温度は280℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔801の塔頂から留出するガスを、ラインB2を経て凝縮器802で凝縮してラインB4より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔801の底部より、液相成分を、ラインB3を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔804の中段に、ラインB6を経て抜き出した液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液を、ラインB8およびリボイラー806を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔804の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約5.2kPaであった。連続多段蒸留塔804の塔頂から留出するガスを、ラインB7を経て凝縮器805で凝縮してラインB9より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔804の底部より、液相成分を、ラインB8およびラインB11を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔807の中段に、ラインB8より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインB14とリボイラー809を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔807の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.40kPaであった。連続多段蒸留塔807の塔頂から留出するガスを、ラインB12を経て凝縮器808で凝縮して、ラインB13を経て連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約108g/hrであった。
ラインB13より抜き出された液は、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)を約99.8重量%含有する溶液であった。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は82.2%であった。10日間連続運転をおこなったところ、連続多段蒸留塔801の内部に付着物の蓄積がみられた。
[実施例11]
・工程(11−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの製造
炭酸ビス(2−メチルブチル)の代わりに、参考例3の炭酸ビス(2−エチルブチル)を3547g(15.4mol)、ヘキサメチレンジアミンを407g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルが収率99.1%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(11−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(11−1)で貯槽206に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約790g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約21.9g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留総理501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約112g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約182g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は88.2%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例12]
・工程(12−1):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を3224g(16.0mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンを647g(3.8mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を7.3g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルが収率98.8%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(12−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約48g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約232g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約237g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は200℃、塔頂圧力は約7.9kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約123g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約109g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを約84.0重量%含有していた。
・工程(12−3):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(2−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約200g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製)を約25.2g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、気相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約90.0g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約44g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は81.5%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった
[実施例13]
・工程(13−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルヘキシル)エステルの製造
炭酸ビス(2−メチルブチル)の代わりに、参考例5の炭酸ビス(2−エチルヘキシル)を3609g(12.6mol)、ヘキサメチレンジアミンを349g(3.0mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を5.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルヘキシル)エステルが収率98.5%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(13−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約300g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約13kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約58g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約242g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約219g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約0.13kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約145g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約98g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルヘキシル)エステルを約73.9重量%含有していた。
・工程(13−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルヘキシル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(13−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約270g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約22.7g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約75.1g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約82g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は70.9%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例14]
・工程(14−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの製造
炭酸ビス(2−メチルブチル)の代わりに、参考例2の炭酸ジブチルを3293g(18.9mol)、ヘキサメチレンジアミンを523g(4.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を8.7g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ブチル)エステルが収率98.8%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(14−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約290g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約50g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約240g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約240g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.3kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約132g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約108g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ブチル)エステルを約98.5重量%含有していた。
・工程(14−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(n−ブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(14−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約260g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約25.6g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、気相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約75.1g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約104g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は75.1%であった。
48時間連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置501内の上部および側部の壁面に付着物の蓄積が見られた。
[実施例15]
・工程(15−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
図10のような装置を使用した。
ラインD4を閉止し、ヘキサメチレンジアミン639g(5.5mol)と水64gの混合液を貯槽1001よりラインD1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器1004に供給した。該反応器1004内の液温を約80℃に調整し、該反応器1004内を30kPaに減圧し、水を留去した。水は、凝縮器1007で凝縮され、ラインD6を経て抜き出した。
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)3333g(16.5mol)を貯槽1002よりラインD2を経て該反応器1004に供給し、該反応器1004内の液温度を約80℃に調整した。ナトリウムメトキシド(日本国、和光純薬工業社製、28%メタノール溶液)6.4gを貯槽1003よりラインD3を経て該SUS製反応器1004に供給し、反応をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率99.7%で生成していた。
ラインD4を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム1005に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ラインD5を経て貯槽1006に移送した。
・工程(15−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽1006に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約67g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約213g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約213g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約78g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約135g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.2重量%含有していた。
・工程(15−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(15−2)で貯槽406に回収した混合物を160℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製)を約25.2g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン54を経て、薄膜蒸留装置501の上部に循環させた。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約131g/hrであった。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約11g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は97.2%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
参考例A
・工程(16−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を内容積が10Lのナス型フラスコに入れ、該ナス型フラスコに、三方コック、ヘリパックNo.3を充填した蒸留カラムおよび留出液受器と連結した還流冷却器付分留塔および温度計を取り付け、系内を真空−窒素置換し、炭酸ビス(3−メチルブチル)を蒸留精製した。仕込み量の約3分の2の留出物を得た時点で該フラスコを冷却し、蒸留精製を終了した。留出物について1H−NMR測定をおこなったところ、該留出物は炭酸ビス(3−メチルブチル)を約99.9重量%含有していた。また、該留出物中に含有される金属原子は、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、銅、チタンについて、検出下限界(0.001ppm)以下であった。
留出物として回収された炭酸ビス(3−メチルブチル)を3535g(17.5mol)、ヘキサメチレンジアミンを407g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率94.0%で生成していた。
ライン24を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(16−2):低沸成分の留去
連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードし、塔底から液相成分を、ライン33を経て貯槽306へ約239g/hrで連続的に抜き出し、連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約239g/hrで、液状で連続的にフィードした以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約157g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約82g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.4重量%含有していた。
・工程(16−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(16−2)で貯槽406に回収した混合物を200℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給し、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約25.3g/hrでフィードした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこなった。ライン62を経て貯槽509へ約131g/hrで連続的に液を抜き出した。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約77g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は91.7%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
参考例B
・工程(17−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)にアセチルアセトナト鉄(II)を添加し、金属原子として鉄を11%含有する炭酸ビス(3−メチルブチル)を調製した。該炭酸ビス(3−メチルブチル)を3434g(17.0mol)、ヘキサメチレンジアミンを395g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.6g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率92.0%で生成していた。
ライン24を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(17−2):低沸成分の留去
連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードし、塔底から液相成分を、ライン33を経て貯槽306へ約240g/hrで連続的に抜き出し、連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約240g/hrで、液状で連続的にフィードした以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約160g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約80g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.1重量%含有していた。
・工程(17−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(17−2)で貯槽406に回収した混合物を200℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給し、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約25.2g/hrでフィードした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこなった。ライン62を経て貯槽509へ約127g/hrで連続的に液を抜き出した。
40時間運転後、液相成分をライン64より貯槽510へ約85g/hrで抜き出した。
ライン62より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は87.5%であった。
10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例18]
・工程(18−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を2969g(14.7mol)、ヘキサメチレンジアミンを488g(4.2mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を8.1g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率99.1%で生成していた。
ライン24を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(18−2):低沸成分の留去
連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約300g/hrで、液状で連続的にフィードし、塔底から液相成分を、ライン33を経て貯槽306へ約221g/hrで連続的に抜き出し、連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約221g/hrで、液状で連続的にフィードした以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約104g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約117g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約98.7重量%含有していた。
・工程(18−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図11のような装置を使用して反応をおこなった。
図2のSUS製反応器204と同じ形状のSUS製反応器1104を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。該反応器1104に、工程(18−2)で貯槽406に抜き出したN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを280g/hrで供給し、同時に、貯槽1102からラインE2を経由して、ジラウリン酸ジブチルスズを25.3g/hrで、反応器1104に供給した。気相成分をラインE4より抜き出し、ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1105の中段に、該気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインE6とリボイラー1108を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1105の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔1102の塔頂から留出するガスを、ラインE5を経て凝縮器1107で凝縮してラインE7より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1105の、ラインE4より低い位置にあるラインE9より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1106の中段に、ラインE9より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインE11とリボイラー1112を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1106の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔1106の塔頂から留出するガスを、ラインE10を経て凝縮器1110で凝縮して、ラインE12を経て貯槽1111へ約88g/hrで連続的に抜き出した。貯槽1111に回収された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は64.4%であった。
10時間連続運転をおこなったところ、該反応器1104の壁面に付着物の蓄積が見られた。
[実施例19]反応器の洗浄
実施例4において付着物の蓄積がみられた薄膜蒸留装置701の洗浄操作をおこなった。薄膜蒸留装置701を180℃に加熱し、薄膜蒸留装置701内部を大気圧窒素雰囲気とした。ライン70よりフェノールを約1200g/hrで供給し、ライン83より抜き出し、ライン89を経て貯槽711に液相成分を回収した。この操作を1時間おこなったところ、薄膜蒸留装置701の内部に付着物はみられなかった。
[実施例20]〜[実施例27]
実施例4の操作を連続しておこない、30日ごとに、種々の洗浄溶剤を使用して、実施例19と同様の方法で洗浄操作をおこなった結果を表1に示す。
[比較例1]
・工程(A−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
図9のような装置を使用して反応をおこなった。
ラインC4およびC6を閉止した状態で、参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)2909g(14.4mol)を貯槽901よりラインC1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器904に供給し、ヘキサメチレンジアミン349g(3.0mol)を貯槽902よりラインC2を経て該反応器904に供給した。該反応器904内の液温度を約80℃に調整し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)8.7gを貯槽903よりラインC3を経て該SUS製反応器904に供給し、反応をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが収率99.0%で生成していた。
ラインC4を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム905に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ラインC5を経て貯槽906に移送した。
・工程(A−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約44g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約236g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約236g/hrで、液状で連続的にフィードした。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約146g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約90g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約97.6重量%含有していた。
・工程(A−3):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン54を閉止し、伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(A−2)で貯槽406に回収した混合物を160℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製)を約25.1g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン64を経て貯槽510に回収した。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。
・工程(A−4):繰り返しおこなうカルバミン酸エステルの製造
図9のような装置を使用して、カルバミン酸エステルの製造を繰り返した。
ラインC4を閉止し、貯槽510に抜き出された混合物約220gを、ラインC5を経て反応容器904に供給し、炭酸ビス(3−メチルブチル)2909g(14.4mol)を貯槽901よりラインC1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器904に供給し、ヘキサメチレンジアミン349g(3.0mol)を貯槽902よりラインC2を経て該反応器904に供給した。該反応器904内の液温度を約80℃に調整し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)8.7gを貯槽903よりラインC3を経て該SUS製反応器904に供給し、反応をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが、供給したヘキサメチレンジアミンに対して収率92.0%で生成していた。
ラインC4を開き、該反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム905に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ラインC5を経て貯槽906に移送した。
・工程(A−5):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約39g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約241g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約241g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約144g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約97g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを約94.3重量%含有していた。
・工程(A−6):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン54を閉止し、伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(A−5)で貯槽406に回収した混合物を160℃に加熱し、ライン50を経て約280g/hrで薄膜蒸発器501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約24.2g/hrでフィードした。薄膜蒸留装置501の底部より、液相成分をライン53より抜き出し、ライン64を経て、貯槽510に回収した。気相成分をライン52より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン55を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。ライン62より約38.7g/hrで液が回収され、該液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有していた。
上記工程(A−4)〜工程(A−6)を繰り返して、10日間連続運転をおこなったところ、反応器904、カラム905、貯槽906、薄膜蒸留装置501、貯槽510、およびこれらを接続しているラインの壁面に付着物の蓄積がみられた。
[比較例2]
・工程(B−1):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの製造
参考例1の炭酸ビス(3−メチルブチル)を3394g(16.8mol)、ヘキサメチレンジアミンの代わりに3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンを596g(3.5mol)、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を6.8g供給し、反応をおこなった以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法を実施した。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルが収率99.5%で生成していた。反応液を、水分を除去して調整した酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したカラム205に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこなった。該溶液を、ライン25を経て貯槽206に移送した。
・工程(B−2):低沸成分の留去
図3のような装置を使用して、アルコールの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に回収した混合物を、予熱器301を経て、ライン31から約280g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約70kPaとした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約43g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約237g/hrで連続的に抜き出した。
図4のような装置を使用して、炭酸エステルの留去をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の中段に、貯槽306に回収した混合物を、予熱器401を経て、ライン41から約237g/hrで、液状で連続的にフィードした。蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は160℃、塔頂圧力は約2.6kPaとした。連続多段蒸留塔402の塔頂から留出するガスを、ライン42を経て凝縮器403で凝縮してライン44より貯槽405へ、約138g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン43を経て貯槽406へ約98g/hrで連続的に抜き出した。
貯槽406に抜き出された混合物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該混合物は、3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを約99.0重量%含有していた。
・工程(B−3):3−((3−メチルブチルオキシ)カルボニルアミノ−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図5のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置501を270℃に加熱し、内部の圧力を約0.13kPaとした。工程(B−2)で貯槽406に回収した混合物を170℃に加熱し、ライン50を経て約200g/hrで薄膜蒸発装置501の上部に供給した。また、ライン51より、ジラウリン酸ジブチルスズを約25.2g/hrでフィードし、気相成分をライン52より抜き出した。薄膜蒸留装置501の底部からはほとんど液相成分が回収されなかった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、薄膜蒸留装置501よりライン52を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン56とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約50kPaであった。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン555を経て凝縮器503で凝縮してライン57より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔502の、ライン52より低い位置にあるライン59より、気相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔505の中段に、ライン59より抜き出された気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン61とリボイラー507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔505の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔505の塔頂から留出するガスを、ライン60を経て凝縮器506で凝縮して、ライン62を経て貯槽509へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約101g/hrであった。
ライン62より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は91.5%であった。
24時間連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置501の壁面に付着物の蓄積がみられた。
[比較例3]〜[比較例5]
実施例4の操作を連続しておこない、30日ごとに、種々の洗浄溶剤を使用して、実施例15と同様の方法で洗浄操作をおこなった結果を表1に示す。
Figure 0005592786
本発明によるイソシアネートの製造方法は、猛毒のホスゲンを使用することなく、効率よくイソシアネートを製造することができるため、本発明の製造方法は産業上大いに有用であり商業的価値が高い。

Claims (27)

  1. カルバミン酸エステルを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法であって、
    鉄原子を0.001ppm〜10%含有する炭酸エステルと、アミン化合物と、を反応させてカルバミン酸エステルを製造する工程と、
    該熱分解反応がおこなわれる熱分解反応器より低沸点成分を気相成分として回収する工程と、
    該熱分解反応器の底部よりカルバミン酸エステルを含有する液相成分を回収する工程と、
    該液相成分の一部または全部を、該熱分解反応器の上部に供給する工程と、
    を含む、
    イソシアネートの製造方法。
  2. カルバミン酸エステルを、50℃〜180℃の温度範囲で、熱分解反応器に供給する請求項1に記載の製造方法。
  3. 該カルバミン酸エステルを液体として熱分解反応器に供給する請求項1に記載の製造方法。
  4. 該カルバミン酸エステルを製造する反応器と、該熱分解反応器とが、同一であっても異なっていてもよく、該カルバミン酸エステルを製造する反応器および該熱分解反応器が、塔型反応器および槽型反応器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器である請求項1に記載の製造方法。
  5. 該熱分解反応器が、蒸発缶、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器および流下膜蒸発器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器から構成される反応器である請求項1に記載の製造方法。
  6. 該熱分解反応が、液相でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  7. 炭酸エステルとアミン化合物を反応させて製造される、カルバミン酸エステルを含有する混合物から、一部または全部のヒドロキシ化合物を、および/または、一部または全部の炭酸エステルを、分離した混合物を、熱分解反応装置に供給する請求項1に記載の製造方法。
  8. 該分離が、蒸留分離によっておこなわれ、該蒸留分離が、180℃以下でおこなわれる請求項7に記載の製造方法。
  9. 熱分解反応器の底部より回収される液相成分の一部または全部を、50℃〜180℃の温度範囲で、該熱分解反応器の上部に供給する請求項1に記載の製造方法。
  10. 炭酸エステルを、アミン化合物を構成するアミノ基に対して化学量論比で1倍以上使用する請求項1に記載の製造方法。
  11. 該熱分解反応器に付着した高沸点副生物を酸によって洗浄する工程をさらに含む請求項1に記載の製造方法。
  12. 該酸が、芳香族ヒドロキシ化合物である請求項11に記載の製造方法。
  13. 該炭酸エステルが、下記式(1)で表わされる化合物である、
    Figure 0005592786
    (式中;
    1は、炭素数1〜12の脂肪族基または炭素数6〜12の芳香族基を表す。)
    請求項1に記載の製造方法。
  14. 該炭酸エステルが、R1が、炭素数5〜7の脂肪族基または炭素数6〜7の芳香族基である請求項13に記載の製造方法。
  15. 該アミン化合物が、下記式(2)で表わされる化合物である、
    Figure 0005592786
    (式中;
    2は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
    nは、2〜10の整数である。)
    請求項1に記載の製造方法。
  16. 該アミン化合物が、式(2)で表される化合物のうち、nが2であるジアミン化合物である請求項15に記載の製造方法。
  17. 熱分解反応によって生成し気相成分として回収される低沸点成分から、該低沸点成分を気体成分として蒸留塔に供給し、該蒸留塔において、カルバミン酸エステルに由来するヒドロキシ化合物と、カルバミン酸エステルに由来するイソシアネートと、を分離する請求項1に記載の製造方法。
  18. 熱分解反応によって生成し気体成分として回収される低沸点成分から、該熱分解反応器より、カルバミン酸エステルに由来するヒドロキシ化合物と、カルバミン酸エステルに由来するイソシアネートと、を別々に回収する請求項1に記載の製造方法。
  19. 該液相成分よりイソシアネートを蒸留分離によって回収する請求項1に記載の製造方法。
  20. 該炭酸エステルが、式(1)においてR1が炭素数1〜12の脂肪族基であって、下記の工程(1)および工程(2)を含む方法によって製造される請求項13に記載の製造方法:
    工程(1):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程;
    工程(2):該反応混合物を分離して、炭酸ジアルキルと残留液とを得る工程。
  21. 該炭酸エステルが、式(1)においてR1が炭素数6〜12の芳香族基であって、上記の工程(1)および工程(2)に加えて、下記工程(3)を含む方法によって製造される請求項20に記載の製造方法:
    工程(3):工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程。
  22. 該炭酸エステルが、工程(1)および工程(2)、または、工程(1)〜工程(3)に加えて、下記の工程(4)および工程(5)を含む工程によって製造される炭酸エステルである請求項20または21に記載の製造方法;
    工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程;
    工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
  23. 工程(3)で回収されるアルコールを、工程(4)のアルコールとして再利用する請求項22に記載の製造方法。
  24. 分離した炭酸エステルを、炭酸エステルとして再利用する請求項7に記載の製造方法。
  25. カルバミン酸エステルの熱分解反応が、溶媒の非存在下でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  26. 炭酸エステルとアミン化合物とを反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、液体の状態でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  27. 炭酸エステルとアミン化合物を反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、アルコール、水、または炭酸エステルとの混合物としておこなわれる請求項1に記載の製造方法。
JP2010511823A 2008-05-15 2008-05-15 イソシアネートの製造方法 Active JP5592786B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/058952 WO2009139062A1 (ja) 2008-05-15 2008-05-15 イソシアネートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009139062A1 JPWO2009139062A1 (ja) 2011-09-15
JP5592786B2 true JP5592786B2 (ja) 2014-09-17

Family

ID=41318444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010511823A Active JP5592786B2 (ja) 2008-05-15 2008-05-15 イソシアネートの製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US9233918B2 (ja)
EP (1) EP2275406B1 (ja)
JP (1) JP5592786B2 (ja)
KR (2) KR101525641B1 (ja)
CN (1) CN102026965B (ja)
BR (1) BRPI0822694B1 (ja)
CA (1) CA2721359C (ja)
ES (1) ES2710177T3 (ja)
RU (1) RU2483058C2 (ja)
WO (1) WO2009139062A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200844080A (en) * 2007-01-11 2008-11-16 Asahi Kasei Chemicals Corp Process for producing isocyanate
CA2721359C (en) 2008-05-15 2014-05-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Isocyanate production process
RU2523201C2 (ru) * 2008-05-15 2014-07-20 Асахи Касеи Кемикалз Корпорейшн Способ получения изоцианатов с использованием диарилкарбоната
ES2331505B2 (es) * 2008-07-04 2010-09-20 Universidad Politecnica De Valencia Preparacion de carbamatos con catalizadores solidos.
EP2491011A1 (de) * 2009-10-21 2012-08-29 Basf Se Verfahren zur herstellung von urethanen
JP5949563B2 (ja) * 2011-02-09 2016-07-06 宇部興産株式会社 イソシアネート化合物の製造方法
CN102896103B (zh) * 2011-07-25 2014-12-03 中国石油天然气股份有限公司 一种清洗氨基甲酸酯热分解反应器结焦的方法
KR101348229B1 (ko) * 2011-12-14 2014-01-08 경희대학교 산학협력단 지방족 디이소시아네이트의 제조방법
CA2857821C (en) 2012-01-25 2015-09-08 Asahi Kasei Chemicals Corporation A method of separation
WO2013191987A1 (en) * 2012-06-22 2013-12-27 Invista Technologies S.A R.L. Improved alkanolysis process and method for separating catalyst from product mixture and apparatus therefor
CN103848758A (zh) * 2012-12-06 2014-06-11 中国科学院成都有机化学有限公司 一种催化热分解制备异氰酸酯的方法
CN105143177B (zh) * 2013-04-03 2018-07-10 三井化学株式会社 苯二甲撑二异氰酸酯的制造方法及苯二甲撑二异氰酸酯的制造装置
JP6757468B2 (ja) * 2017-05-15 2020-09-16 旭化成株式会社 イソシアネートの製造方法
RU2655386C1 (ru) * 2017-05-19 2018-05-28 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Российский химико-технологический университет имени Д.И. Менделеева" Способ получения алкилизоцианатов
EP3872062B1 (en) * 2017-12-27 2022-09-07 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Organic amine collection method
CN110256296A (zh) * 2019-05-20 2019-09-20 江苏蓝丰生物化工股份有限公司 1,5-萘二异氰酸酯的合成方法
US20230022080A1 (en) * 2019-12-10 2023-01-26 Showa Denko K.K. Method for producing n-vinylacetamide and pyrolysis device
KR20220095867A (ko) * 2020-12-30 2022-07-07 한화솔루션 주식회사 이소시아네이트 화합물의 제조 방법

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5782361A (en) * 1980-09-19 1982-05-22 Bayer Ag Manufacture of n,o-disubstituted urethane
JPH0426665A (ja) * 1990-05-23 1992-01-29 Asahi Chem Ind Co Ltd カルバミン酸エステルの熱分解方法
JPH05148217A (ja) * 1991-04-23 1993-06-15 Bayer Ag ジフエニルメタン系のポリ(o−アルキルウレタン)の製造方法
JPH0625136A (ja) * 1992-04-21 1994-02-01 Basf Ag 有機ポリイソシアネートを連続的に製造するための多工程法
JPH06192204A (ja) * 1992-12-28 1994-07-12 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリカルバミン酸エステル化合物の熱分解方法
JPH0925262A (ja) * 1995-07-06 1997-01-28 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族ウレタンの製造方法
JPH09100265A (ja) * 1995-07-06 1997-04-15 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族カルバメートの製造方法
JPH111462A (ja) * 1997-05-29 1999-01-06 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族ウレタンの合成方法
WO2003055840A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Procede de production d'ester carbonique
JP2003201275A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Mitsui Chemicals Inc 芳香族ウレタン化合物の製造方法
WO2005111049A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation アルキルスズアルコキシド類の製造方法
JP2006069941A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Kagawa Industry Support Foundation イソシアネート系化合物の分解回収方法
WO2009066616A1 (ja) * 2007-11-19 2009-05-28 Asahi Kasei Chemicals Corporation イソシアネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
WO2009139061A1 (ja) * 2008-05-15 2009-11-19 旭化成ケミカルズ株式会社 炭酸ジアリールを用いるイソシアネートの製造方法

Family Cites Families (74)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE925496C (de) 1943-03-27 1955-03-24 Dehydag Gmbh Verfahren zur Herstellung superpolymerer Verbindungen
US2692275A (en) 1953-01-23 1954-10-19 Rohm & Haas Preparation of 1, 8-diisocyanato-p-menthane
NL246083A (ja) * 1958-12-06
US3382289A (en) * 1963-04-01 1968-05-07 Exxon Research Engineering Co Preparation of isoprene feedstock
JPS4627593Y1 (ja) 1967-11-22 1971-09-22
FR1601198A (ja) 1968-01-17 1970-08-10
US3734941A (en) 1968-09-06 1973-05-22 American Cyanamid Co Process for converting urethanes to isocyanates
JPS5219624A (en) * 1975-08-07 1977-02-15 Mitsui Toatsu Chem Inc Process for preparation of isocyanates
US3992430A (en) * 1975-09-11 1976-11-16 Chevron Research Company Process for preparing aromatic isocyanates
IT1051034B (it) * 1975-12-03 1981-04-21 Snam Progetti Procedimento per la preparazione di uretani aromatici
JPS6024096B2 (ja) 1976-05-10 1985-06-11 日本ポリウレタン工業株式会社 カルバメ−ト化合物の製造法
JPS5439002A (en) 1977-08-30 1979-03-24 Mitsubishi Chem Ind Ltd Preparation of isocyanates
US4123450A (en) * 1977-09-22 1978-10-31 Fmc Corporation Process for preparing alkyl isocyanates
DE2917490A1 (de) * 1979-04-30 1980-11-13 Basf Ag Verfahren zur herstellung von aliphatischen und cycloaliphatischen di- und polyurethanen
DE2942503A1 (de) 1979-10-20 1981-05-07 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von aromatischen di- und/oder polyisocyanaten
DE2943551A1 (de) * 1979-10-27 1981-05-07 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von n,o-disubstituierten urethanen, sowie ihre verwendung zur herstellung von isocyanaten
DE2943550A1 (de) * 1979-10-27 1981-05-14 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von urethanen und ihre verwendung als ausgangsmaterial zur herstellung von isocyanaten
DE2943480A1 (de) * 1979-10-27 1981-05-07 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von n,o-disubstituierten urethanen, sowie ihre verwendung als ausgangsmaterial zur herstellung von isocyanaten
DE3040692A1 (de) * 1980-10-29 1982-06-03 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung aliphatischer isocyanate
DE3047898A1 (de) 1980-12-19 1982-07-15 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlichen thermischen spaltung von carbamidsaeureestern und die verwendung von hierbei anfallenden isocyanate und carbamidsaeureester aufweisenden gemischen zur herstellung von isocyanaten
DE3108990A1 (de) 1981-03-10 1982-09-23 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
US4388426A (en) * 1981-06-26 1983-06-14 Eschem Inc. Stabilization of epoxy systems in non-flammable solvents
DE3142627A1 (de) * 1981-10-28 1983-05-05 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von isocyanaten durch thermische spaltung von urethanen
DE3215591A1 (de) 1982-04-27 1983-10-27 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlichen thermischen spaltung von carbamidsaeureestern
EP0100047B1 (de) 1982-07-24 1986-02-12 BASF Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von Hexamethylen-diisocyanat-1,6 und/oder isomeren Diisocyanaten mit 6 Kohlenstoffatomen im Alkylenrest
JPH0645586B2 (ja) 1982-12-13 1994-06-15 三菱化成株式会社 芳香族ウレタンの熱分解法
DE3314790A1 (de) * 1983-04-23 1984-10-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Mehrstufenverfahren zur herstellung von 3-isocyanatomethyl-3,5,5-trimethyl-cyclohexylisocyanat
DE3314788A1 (de) * 1983-04-23 1984-10-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Mehrstufenverfahren zur herstellung von hexamethylendiisocyanat-1,6 und/oder isomeren aliphatischen diisocyanaten mit 6 kohlenstoffatomen im alkylenrest
IT1164223B (it) * 1983-05-13 1987-04-08 Anic Spa Procedimento perfezionato per la produzione di isocianati alchilici
JPS60231640A (ja) 1984-05-02 1985-11-18 Asahi Chem Ind Co Ltd イソシアナ−トの連続的製法
IT1183332B (it) 1985-02-08 1987-10-22 Enichem Sintesi Procedimento per la produzione di n-metilcarbammati
JPH0627593B2 (ja) 1985-09-12 1994-04-13 鐘紡株式会社 吸着式ヒ−トポンプ
US4925971A (en) * 1987-12-08 1990-05-15 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing aliphatic o-arylurethanes
JPH01230550A (ja) 1988-03-11 1989-09-14 Asahi Chem Ind Co Ltd アルキルポリカルバミン酸アリールエステルの製造方法
JPH026665A (ja) 1988-06-10 1990-01-10 Kao Corp 衣料用柔軟仕上剤
DE3828033A1 (de) * 1988-08-18 1990-03-08 Huels Chemische Werke Ag Kreislaufverfahren zur herstellung von (cyclo)aliphatischen diisocyanaten
JPH0613361B2 (ja) 1990-02-14 1994-02-23 株式会社アイ・エフ・プランニング ごみ容器
EP0446514B1 (en) 1990-03-16 1993-03-10 Council of Scientific and Industrial Research Process for the preparation of aryl esters of n-alkyl carbamic acids
SU1836336A3 (ru) * 1991-01-22 1993-08-23 Yurij A Nechaj Способ получения изоцианатов термолизом уретанов в присутствии добавки
DE4124671A1 (de) * 1991-07-25 1993-01-28 Basf Ag Reaktor und verfahren zur thermischen spaltung von carbamidsaeureestern
DE4231417A1 (de) * 1992-05-05 1993-11-11 Huels Chemische Werke Ag Kontinuierliches mehrstufiges Verfahren zur Herstellung von (cyclo)aliphatischen Diisocyanaten
IT1255763B (it) * 1992-05-15 1995-11-15 Franco Rivetti Procedimento per la preparazione di isocianati alchilici
JP3100008B2 (ja) 1992-08-07 2000-10-16 旭化成工業株式会社 芳香族ポリカーボネートの製法
US5498319A (en) * 1993-06-29 1996-03-12 General Electric Company Process for purifying diaryl carbonates
JPH0725830A (ja) 1993-07-08 1995-01-27 Daicel Chem Ind Ltd 炭酸ジエステルの精製法及びその精製法によって得られた炭酸ジエステルを用いて製造したポリカーボネート
US5457732A (en) 1994-02-28 1995-10-10 Motorola, Inc. Method and apparatus for delivery of a response in a messaging system
JP3083039B2 (ja) * 1994-03-18 2000-09-04 三菱瓦斯化学株式会社 イソシアネート類の製造方法
JP3674642B2 (ja) 1995-09-22 2005-07-20 三菱瓦斯化学株式会社 イソシアネート類の製造法
DE59705128D1 (de) * 1996-03-15 2001-12-06 Bayer Ag Verfahren zur thermischen Spaltung von Carbamidsäureestern
EP0902014A1 (en) * 1997-02-14 1999-03-17 Ube Industries Limited Process for producing aryl carbamates
JP4462644B2 (ja) 1997-05-20 2010-05-12 宇部興産株式会社 カルバメートの製造法
JP2002500654A (ja) 1997-05-31 2002-01-08 ハンツマン・アイシーアイ・ケミカルズ・エルエルシー 有機イソシアネート類の製造方法
JP4029225B2 (ja) 1997-06-17 2008-01-09 三菱瓦斯化学株式会社 イソシアネート化合物の製造方法
EP0957073A1 (en) 1998-05-12 1999-11-17 Schwarz Pharma Ag Novel derivatives of 3,3-diphenylpropylamines
JP2000344730A (ja) 1999-06-03 2000-12-12 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法
JP2001031639A (ja) * 1999-07-15 2001-02-06 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造方法
JP2001048855A (ja) 1999-08-11 2001-02-20 Takeda Chem Ind Ltd イソシアネート基含有化合物の製造方法、イソシアネート基含有化合物およびイソシアネート基含有ポリシロキサン化合物
IT1317756B1 (it) * 2000-02-03 2003-07-15 Eni Spa Procedimento integrato per la preparazione di isocianati aromatici eprocessi per la realizzazione delle relative fasi intermedie.
CN1186317C (zh) * 2000-02-29 2005-01-26 亨茨曼国际有限公司 制备有机多异氰酸酯的方法
JP4458620B2 (ja) 2000-05-12 2010-04-28 株式会社Adeka カラーフィルター用耐光性付与剤及びこれを用いたカラーフィルター用感光性樹脂組成物
JP4993827B2 (ja) 2001-08-17 2012-08-08 日本曹達株式会社 試料導入管閉塞防止方法
JP3992178B2 (ja) * 2001-12-27 2007-10-17 旭化成ケミカルズ株式会社 炭酸エステルの製造方法
SG115512A1 (en) * 2001-12-28 2005-10-28 Mitsui Takeda Chemicals Inc Method for producing carbamates and method for producing isocyanates
JP4397810B2 (ja) * 2002-08-07 2010-01-13 旭化成ケミカルズ株式会社 炭酸エステルの製造方法
JP4299020B2 (ja) * 2003-02-13 2009-07-22 三井化学ポリウレタン株式会社 アルキルカルバメートの製造方法
JP2004262834A (ja) 2003-02-28 2004-09-24 Mitsui Chemicals Inc 芳香族ウレタン化合物の製造方法
JP2004262835A (ja) 2003-02-28 2004-09-24 Mitsui Chemicals Inc 芳香族イソシアネートの製造方法
BRPI0411714B1 (pt) 2003-06-27 2015-06-02 Asahi Kasei Chemicals Corp Método para produzir um carbonato aromático
DE102004022626A1 (de) * 2004-05-07 2005-12-15 Degussa Ag Mehrstufiges Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von cycloaliphatischen Diisocyanaten
CN1324007C (zh) 2004-09-17 2007-07-04 中国科学院成都有机化学有限公司 一种氨基甲酸酯的合成方法
US8053595B2 (en) * 2006-11-17 2011-11-08 Asahi Kasei Chemicals Corporation Process for producing isocyanates
TW200844080A (en) * 2007-01-11 2008-11-16 Asahi Kasei Chemicals Corp Process for producing isocyanate
CA2682512C (en) * 2007-03-30 2012-03-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Isocyanate production process using composition containing carbamic acid ester and aromatic hydroxy compound, and composition for transfer and storage of carbamic acid ester
CA2721359C (en) 2008-05-15 2014-05-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Isocyanate production process

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5782361A (en) * 1980-09-19 1982-05-22 Bayer Ag Manufacture of n,o-disubstituted urethane
JPH0426665A (ja) * 1990-05-23 1992-01-29 Asahi Chem Ind Co Ltd カルバミン酸エステルの熱分解方法
JPH05148217A (ja) * 1991-04-23 1993-06-15 Bayer Ag ジフエニルメタン系のポリ(o−アルキルウレタン)の製造方法
JPH0625136A (ja) * 1992-04-21 1994-02-01 Basf Ag 有機ポリイソシアネートを連続的に製造するための多工程法
JPH06192204A (ja) * 1992-12-28 1994-07-12 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリカルバミン酸エステル化合物の熱分解方法
JPH0925262A (ja) * 1995-07-06 1997-01-28 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族ウレタンの製造方法
JPH09100265A (ja) * 1995-07-06 1997-04-15 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族カルバメートの製造方法
JPH111462A (ja) * 1997-05-29 1999-01-06 Ministero Dell Univ E Della Ric Scient & Tecnol 芳香族ウレタンの合成方法
WO2003055840A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Procede de production d'ester carbonique
JP2003201275A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Mitsui Chemicals Inc 芳香族ウレタン化合物の製造方法
WO2005111049A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation アルキルスズアルコキシド類の製造方法
JP2006069941A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Kagawa Industry Support Foundation イソシアネート系化合物の分解回収方法
WO2009066616A1 (ja) * 2007-11-19 2009-05-28 Asahi Kasei Chemicals Corporation イソシアネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
WO2009139061A1 (ja) * 2008-05-15 2009-11-19 旭化成ケミカルズ株式会社 炭酸ジアリールを用いるイソシアネートの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013031143; Gazzetta Chimica Italiana V115, 1985, P275-277 *

Also Published As

Publication number Publication date
RU2010146085A (ru) 2012-05-20
CN102026965A (zh) 2011-04-20
US9233918B2 (en) 2016-01-12
BRPI0822694B1 (pt) 2018-11-27
RU2483058C2 (ru) 2013-05-27
JPWO2009139062A1 (ja) 2011-09-15
KR101525641B1 (ko) 2015-06-03
CN102026965B (zh) 2014-02-26
CA2721359A1 (en) 2009-11-19
CA2721359C (en) 2014-05-06
KR20130127550A (ko) 2013-11-22
BRPI0822694A2 (pt) 2015-07-07
EP2275406A4 (en) 2015-10-14
WO2009139062A1 (ja) 2009-11-19
US20110092731A1 (en) 2011-04-21
KR20100139076A (ko) 2010-12-31
EP2275406A1 (en) 2011-01-19
ES2710177T3 (es) 2019-04-23
EP2275406B1 (en) 2018-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5592786B2 (ja) イソシアネートの製造方法
JP5242678B2 (ja) 炭酸ジアリールを用いるイソシアネートの製造方法
JP4958971B2 (ja) カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物
KR101347403B1 (ko) N-치환 카르밤산 에스테르의 제조 방법, 상기 n-치환 카르밤산 에스테르를 이용하는 이소시아네이트의 제조 방법, 및 n-치환 카르밤산 에스테르 및 방향족 히드록시 화합물을 포함하는 n-치환 카르밤산 에스테르의 이송용 및 저장용 조성물
JP4257798B2 (ja) アルキルスズアルコキシド類の製造方法
JP5116109B2 (ja) イソシアネートの製造方法
JP5650777B2 (ja) 炭酸ジアリールを用いるイソシアネートの製造方法
TWI408120B (zh) A process for producing isocyanates using diaryl carbonates
TWI496763B (zh) Preparation of isocyanates
SG190662A1 (en) Process for producing isocyanates using diaryl carbonate

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130823

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140702

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5592786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350