JP4958971B2 - カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物 - Google Patents

カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4958971B2
JP4958971B2 JP2009507484A JP2009507484A JP4958971B2 JP 4958971 B2 JP4958971 B2 JP 4958971B2 JP 2009507484 A JP2009507484 A JP 2009507484A JP 2009507484 A JP2009507484 A JP 2009507484A JP 4958971 B2 JP4958971 B2 JP 4958971B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isomer
group
compound
ester
aromatic hydroxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009507484A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008120645A1 (ja
Inventor
雅亮 篠畑
信寿 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2009507484A priority Critical patent/JP4958971B2/ja
Publication of JPWO2008120645A1 publication Critical patent/JPWO2008120645A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4958971B2 publication Critical patent/JP4958971B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C271/00Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C271/06Esters of carbamic acids
    • C07C271/08Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C271/26Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C271/28Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring to a carbon atom of a non-condensed six-membered aromatic ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/04Preparation of derivatives of isocyanic acid from or via carbamates or carbamoyl halides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C269/00Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C269/08Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C271/00Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C271/06Esters of carbamic acids
    • C07C271/08Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C271/10Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atoms of the carbamate groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
    • C07C271/20Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atoms of the carbamate groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms to carbon atoms of hydrocarbon radicals substituted by nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C271/00Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C271/06Esters of carbamic acids
    • C07C271/08Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C271/24Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法に関する。さらに、本発明は、該組成物を含む、カルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物に関する。
カルバミン酸エステル(ウレタン)は、ポリウレタンフォーム、表面コーティング、エラストマー、塗料、接着剤等に広く用いられている、工業的に非常に有用な化合物である。また、カルバミン酸エステルは、ホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造するための原料としても有用である。
イソシアネートの主な工業的製造法は、アミン化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン法)であり、全世界の生産量のほぼ全量がホスゲン法により生産されている。しかしながら、ホスゲン法は多くの問題がある。
第1に、原料としてホスゲンを大量に使用することである。ホスゲンは極めて毒性が高く、従業者への暴露を防ぐためにその取扱いには特別の注意を要し、廃棄物を除害するための特別の装置も必要である。
第2に、ホスゲン法においては、腐食性の高い塩化水素が大量に副生するため、該塩化水素を除害するためのプロセスが必要となる上、製造されたイソシアネートには多くの場合加水分解性塩素が含有されることになり、ホスゲン法で製造されたイソシアネートを使用した場合に、ポリウレタン製品の耐候性、耐熱性に悪影響を及ぼす場合がある。
このような背景から、ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法が望まれている。ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法の一つとして、カルバミン酸エステルの熱分解による方法が提案されている。カルバミン酸エステルの熱分解によってイソシアネートとヒドロキシ化合物が得られることは古くから知られている(例えば、非特許文献1参照)。その基本反応は下記式によって例示される。
Figure 0004958971
(式中、Rは、x価の有機残基を表し、
R’は、1価の有機残基を表し、
xは、1以上の整数を表す。)
このように、カルバミン酸エステルは、工業的に有用な化合物であるが、カルバミン酸エステルは、カルバミン酸エステルを構成するエステル基により分子間で水素結合を形成しやすいことから、高い融点を有する場合が多い。一般的に、物質を工業的に使用する場合には、該物質を移送する操作や該物質を一定期間、貯槽に貯蔵する等の操作が必要となる。高い融点を有するカルバミン酸エステルを移送するにあたっては、例えば、固体のカルバミン酸エステルを粉砕したりペレット状に加工する等の賦形化処理をおこなったものを移送したり、あるいは、カルバミン酸エステルの融点よりも高い温度に加熱して該カルバミン酸エステルを液体状として移送する。しかしながら、賦形化処理をおこなった固体のカルバミン酸エステルを移送する場合、移送ラインの閉塞を招いたり、カルバミン酸エステルの形状にばらつきが多い場合に一定量のカルバミン酸エステルを安定的に移送するために煩雑な装置を必要としたり、該カルバミン酸エステルの形状をある範囲に揃える工程を必要とする場合が多い。一方、カルバミン酸エステルを加熱して液体状として移送する場合には、移送中の固化を防止することも考慮して、該カルバミン酸エステルの融点よりも高い温度(例えば200℃)に加熱する必要がある。このような高温下でカルバミン酸エステルを保持した場合、所望しない副反応が生起して、カルバミン酸エステルの収率が低下する場合がある。副反応としては、上記式(1)に示すようなカルバミン酸エステルの熱分解反応の生起によって生成するイソシアネートによって生じる下記式(2)や下記式(3)に示すような反応や、下記式(4)に示すようなカルバミン酸エステルの熱変性反応が挙げられる(非特許文献1、2参照)。
Figure 0004958971
(上記式中、RおよびR’は、各々独立に、脂肪族基、脂環式基等の有機基を示す。)
これらの副反応は、カルバミン酸エステルの収率低下を招くばかりでなく、特にカルバミン酸エステルを取り扱う場合においては、ポリマー状固形物が析出し、移送ラインを閉塞させたり、貯槽に蓄積されたりする場合があった。
このような問題に対して、いくつかの方法が提案されている。
特許文献1には、芳香族ウレタン(芳香族イソシアネートとヒドロキシ化合物との反応物に相当するカルバミン酸エステル)を、有機溶媒と共存させる芳香族ウレタンの貯蔵または輸送方法が開示されている。これは、芳香族ウレタンに対して1〜10重量倍の、該ウレタンおよび該ウレタンに対応するイソシアネートに対して不活性である有機溶媒を存在させることを特徴とするが、当該方法においてもウレタンの減少を抑制することはできず、構造不明物の生成量も多い。
また、特許文献2には、芳香族ウレタン溶液の保存方法として、ウレタンを溶解する溶媒として1,4−ジオキサンを使用する方法が開示されている。しかしながら、当該方法では、ウレタンに対して相当量(例えば20重量倍)の1,4−ジオキサンを使用しなければならず、該ウレタンの貯蔵効率が低下する等の問題があった。
このように、カルバミン酸エステルを変性させることなく移送したり貯蔵したりする方法については、未だに課題が残されている。
一方、カルバミン酸エステルの製造方法として、これまで様々な方法が提案されている。
特許文献3の記載によれば、脂肪族ジウレタンおよび/または脂環式ジウレタンおよび/または脂肪族ポリウレタンおよび/または脂環式ポリウレタンは、脂肪族第1級ジアミンおよび/または脂環式第1級ジアミンおよび/または脂肪族第1級ポリアミンおよび/または脂環式第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、アルコールの存在下にアミンのNH基:カルバメート:アルコールの比1:0.8〜10:0.25〜50で160℃〜300℃で、触媒の存在下または不存在下で反応させ、かつ必要に応じて生じるアンモニアを除去することによって得られる。
また、特許文献4の記載によると、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンは、芳香族第1級アミンおよび/または芳香族第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、触媒の存在下または不存在下、ならびに、尿素およびアルコールの存在下または不存在下で反応させ、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンを生じさせ、生じるアンモニアを必要に応じて除去する方法によって製造される。
他の刊行物には、カルボニル含有化合物、例えば、N−置換カルバメートおよび/またはジアルキルカーボネート、またはモノ置換尿素もしくはジ置換尿素またはモノ置換ポリ尿素もしくはジ置換ポリ尿素による、尿素および/またはジアミンの部分的置換に関する記載がある(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9参照)。特許文献10には、(環式)脂肪族ポリアミンを尿素および芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることにより脂肪族O−アリールウレタンを製造する方法が記載されている。
また、特許文献11によると、アミン化合物と炭酸ジメチルとから、カルバミン酸エステルを製造する方法が開示されている。該方法は、ルイス酸触媒、鉛、チタンあるいはジルコニウム系触媒、アルカリ触媒等の存在下、アミン化合物と炭酸ジメチルを反応させるものである。
このように、カルバミン酸エステルの製造方法としては、様々な方法が知られているが、該カルバミン酸エステルを使用するに際しては、これらの方法により製造されたカルバミン酸エステルを含有する混合物から、カルバミン酸エステルを回収する操作が必要である。カルバミン酸エステルの回収方法については、いくつかの方法が開示されている。
特許文献12には、1種類以上のジウレタンを、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数5もしくは6の脂環式炭化水素基を有する低沸点アルコールの存在下で蒸留する方法が開示されている。しかしながら、当該方法によっても、蒸留装置に固形物質が残留する問題があった。
また、特許文献13には、炭酸エステルとアミン化合物と反応させて得られる反応液から未反応のアミン化合物およびアルコールを蒸留分離する方法が記載されている。しかしながら、当該方法によっても蒸留分離の操作がおこなわれている間、カルバミン酸エステルを主とする溶液が蒸留塔底部にて加熱されている状態となり、上記したような熱変性反応を起こす場合があり、回収率は充分とは言えない。また、特許文献14には、ジアミンとジメチルカーボネートとを反応させてカルバミン酸エステルを合成し、該カルバミン酸エステルの熱分解によってイソシアネートを製造する方法が記載されている。当該方法において、カルバミン酸エステルは、蒸留精製により単離されるが、該蒸留精製は、このましくは、カルバミン酸エステルよりも10℃以上沸点の低い不活性溶媒共存下でおこなわれる。該蒸留精製の方法では、上述した方法と同様に、カルバミン酸エステルが蒸留塔底部にて加熱される状態となり、回収率は充分とは言えない。
このように、カルバミン酸エステルの製造工程において得られる混合液からカルバミン酸エステルを分離する方法については、未だ課題が残されている。
一方、カルバミン酸エステルを原料とするイソシアネートの製造方法としては、これまで様々な方法が提案されている。
特許文献3の記載によれば、脂肪族ジウレタンおよび/または脂環式ジウレタンおよび/または脂肪族ポリウレタンおよび/または脂環式ポリウレタンは、脂肪族第1級ジアミンおよび/または脂環式第1級ジアミンおよび/または脂肪族第1級ポリアミンおよび/または脂環式第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、アルコールの存在下にアミンのNH基:カルバメート:アルコールの比1:0.8〜10:0.25〜50で160℃〜300℃で、触媒の存在下または不存在下で反応させ、かつ必要に応じて生じるアンモニアを除去することによって得られる。生じるジウレタンおよび/またはポリウレタンは、必要に応じて、相応するジイソシアネートおよび/または高官能価ポリイソシアネートに変換することができる。熱分解についての詳細な反応条件は、当該特許文献には記載されていない。
特許文献4によると、芳香族ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、次の2工程を経て製造される。第1工程では、芳香族第1級アミンおよび/または芳香族第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、触媒の存在下または不存在下、ならびに、尿素およびアルコールの存在下または不存在下で反応させ、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンを生じさせ、生じるアンモニアを必要に応じて除去する。第2工程において、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンの熱分解によって、芳香族イソシアネートおよび/または芳香族ポリイソシアネートを得る。
(環式)脂肪族、ならびに殊に芳香族のモノウレタンおよびジウレタンの熱分解により対応するイソシアネートおよびアルコールを生成する方法は、いくつかが知られており、気相中で高温下において実施する方法や、液相中で比較的に低い温度条件下で実施する方法があるが、反応混合物が、例えば、上記した副反応を生起し、反応器および回収装置中で、沈殿物、ポリマー状物質および閉塞物を形成したり、また該物質が反応器壁面へ固着物を形成する場合があり、長い期間に亘ってイソシアネートを製造する場合には経済的効率が悪い。
したがって、ウレタンの熱分解における収量を改善するために、例えば、化学的方法、例えば、特殊な触媒の使用(特許文献15、特許文献16参照)または不活性溶剤との組み合わせ物の触媒(特許文献17参照)が開示されている。
具体的には、特許文献18には、ヘキサメチレンジイソシアネートの製造方法として、溶剤として使用されるジベンジルトルエンの存在下、ならびに、メチルトルエンスルホネートおよびジフェニルスズジクロリドからなる触媒混合物の存在下で、ヘキサメチレンジエチルウレタンを熱分解する方法が記載されている。しかし、出発成分の製造、および単離ならびに溶剤および触媒混合物の精製および任意の回収については何も詳細に記載されておらず、したがって、この方法の経済的効率を判断することは不可能であった。
特許文献19の記載の方法によれば、ウレタンは、触媒を使用することなしに炭素含有流動床中でイソシアネートおよびアルコールに容易に分解することができる。また、特許文献20の記載によれば、ヘキサメチレンジアルキルウレタンは、例えば、炭素、銅、黄銅、鋼、亜鉛、アルミニウム、チタン、クロム、コバルトまたは石英からなるガス透過性包装材料の存在下または不存在下で300℃を上回る温度で、ガス相中で、分解することができ、ヘキサメチレンジイソシアネートを生じる。特許文献14の記載によれば、当該方法は、水素ハロゲン化物および/または水素ハロゲン化物供与体の存在下に実施される。しかし、当該方法は、90%以上のヘキサメチレンジイソシアネートの収率を達成することができない。分解生成物は部分的に再結合しウレタン結合を生成するからである。したがって、更に、蒸留によるヘキサメチレンジイソシアネートの精製が必要となり、収率の損失が増大する場合が多い。
さらに、特許文献21には、モノカルバメートを、比較的に低い温度で、有利に減圧下に触媒および/または安定剤の存在下または不存在下で、溶剤を使用することなく、良好な収率で、分解できることが開示されている。分解生成物(モノイソシアネートおよびアルコール)は、沸騰する反応混合物から蒸留によって除去され、かつ分別縮合によって別々に捕集される。熱分解で形成された副生物を除去するために、反応混合物を部分的に除去する方法が、一般的な形で記載されている。従って反応器底部からは副生物を除去することはできるが、前記した反応器壁面に固着する場合に対する課題は依然として残されており、長期運転に対する課題は解決されていない。また、除去された(有用成分が多量に含まれる)この残分の工業的使用については何も記載されていない。
特許文献22の記載によれば、脂肪族、脂環式または芳香族ポリカルバメートの熱分解は、150〜350℃および0.001〜20バールで不活性溶剤の存在下、触媒および、助剤としての塩化水素、有機酸塩化物、アルキル化剤または有機スズ塩化物の存在下または不存在下で実施される。生成する副生物は、例えば反応溶液と一緒に反応器から連続的に除去することができ、相応する量の新しい溶剤、または回収された溶剤を、同時に加える。この方法の欠点は、例えば、還流する溶剤の使用により、ポリイソシアネートの空時収量の減少が生じ、その上、例えば、溶剤の回収を含めて大量のエネルギーが必要とされることにある。さらに、使用される助剤は反応条件下で揮発性であり、分解生成物の汚染を生じうる。また、生成したポリイソシアネートに対して残分の量が多く、経済的効率および工業的方法の信頼性については疑いの余地がある。
特許文献23には、高沸点溶剤の存在下に液状の形で、管状反応器の内面に沿って供給されるカルバメート、例えば、脂環式ジウレタン5−(エトキシカルボニルアミノ)−1−(エトキシカルボニルアミノメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンを連続的に熱分解する1つの方法が記載されている。この方法は、(環式)脂肪族ジイソシアネートの製造の際に収率が低く、選択性が低いという欠点を有する。また、再結合されたかまたは部分的に分解されたカルバメートの回収を伴う連続的方法については、何も記載されておらず、副生物および触媒を含有する溶剤の後処理についても述べられていない。
特許文献24の記載は、相応するジアミンをジウレタンに変換し、かつ、このウレタンを熱分解することによって、(環式)脂肪族ジイソシアネートを製造するための循環方法に関する。この方法は、アルコールとの反応後にウレタン分解工程からの生成物をウレタン化工程に再循環させることによって収率の減少を最小にする。再循環不可能な副生物は、ウレタン化生成物の混合物の蒸留による分離によって除去され、この場合、価値のない残分は、底部生成物として生じ、かつ、ジウレタンを含めて比較的に低沸点の全成分は、カラムの塔頂部から除去される。しかしながら、当該方法は、大量のエネルギーを使用するという欠点を有する。それというのも、全てのジウレタンを、触媒の存在下で蒸発させる必要があり、その上、このジウレタンは、ウレタン分解温度の範囲内のある温度水準で蒸発されなければならないからである。有用な生成物中に形成されるイソシアネート基は、残分のウレタン基と反応し、収率を減少させる比較的に高分子量の副生物を形成する場合が多い。
また、特許文献25の記載によると、ポリウレタンの熱分解をおこなう前に、価値のない副生物を部分的に除去する方法が開示されている。この方法の欠点は、部分的に除去する副生物に、ポリウレタンが含有されてしまうため、イソシアネートの収率が低下することである。また、反応器より排出されずに反応器中にとどまっている副生物が加熱されることによって、ポリマー状の化合物を形成し、該化合物が反応器に付着するため、長期に亘る連続的な運転が難しい。
以上のように、カルバミン酸エステルを原料とするイソシアネートの製造方法は、解決すべき課題が多く、未だに工業化されていないのが実情である。
日本国特許出願公開59−48452号公報 日本国特許出願公開2004−262831号公報 米国特許第4497963号公報 米国特許第4290970号公報 米国特許第4388238号公報 米国特許第4430505号公報 米国特許第4480110号公報 米国特許第4596678号公報 米国特許第4596679号公報 欧州特許出願公開第0320235号公報 米国特許第4395565号公報 日本国特許出願公開平10−87598号公報 日本国特許出願公開2001−48839号公報 日本国特許出願公開昭64−85956号公報 米国特許第2692275号公報 米国特許第3734941号公報 米国特許第4081472号公報 米国特許第4388426号公報 米国特許第4482499号公報 米国特許第4613466号公報 米国特許第4386033 米国特許第4388246号公報号公報 米国特許第4692550号公報 欧州特許出願第0355443号公報 日本国特許第3382289号公報 Berchte der Deutechen Chemischen Gesellschaft,第3巻,653頁,1870年 Journal of American Chemical Society,第81巻,2138頁,1959年
本発明の目的は、先行技術にみられるような種々の問題点がなく、カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いたイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステルを移送もしくは貯蔵するためのカルバミン酸エステル組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を重ねた結果、カルバミン酸エステルと、特定の芳香族ヒドロキシ化合物と、を含む組成物を使用する、特定の工程を含むイソシアネートの製造方法によりイソシアネートを収率よく製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、本発明者らは、カルバミン酸エステルと、特定の芳香族ヒドロキシ化合物と、を含む、カルバミン酸エステルの移送用または貯蔵用組成物として好適であることをも見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、第1の態様として、
[1] カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を用いてイソシアネートを製造する製造方法であって、
該組成物を、該カルバミン酸エステルの熱分解反応がおこなわれる反応器に移送する工程を含み、
該カルバミン酸エステルを構成するエステル基のモル数;A
該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数;B
のAに対するBの比率が0.1〜50の範囲であり、
該カルバミン酸エステルの融点が200℃以下であり、
該芳香族ヒドロキシ化合物の融点が190℃以下である、
イソシアネートを製造する製造方法、
[2] 以下の工程(1)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、または、工程(2)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、によりイソシアネートを製造する前項[1]記載の製造方法;
工程(1):アミン化合物と炭酸エステルとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと炭酸エステルを含有する混合物を得る工程、
工程(2):アミン化合物と尿素とアルコールとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと尿素化合物とを含有する混合物を得る工程、
工程(3):工程(1)または工程(2)の該混合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いて、該混合物に含有されるアルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離して、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を製造する工程、
工程(4):工程(3)で得られる該組成物を、液体の状態で工程(5)が実施される反応器に移送する工程、
工程(5):工程(4)で移送した該組成物を用いてイソシアネートを製造する工程、
[3] 芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、カルバミン酸エステルのエステル基を構成するRO(Rはアルキル基を表し、Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した構造を有する化合物ROHの標準沸点よりも高い前項[2]記載の製造方法、
[4] 該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、カルバミン酸エステルのエステル基を構成する基RO(Rはアルキル基を表し、Oは酸素原子を表す)がカルボニル基を介して結合した構造を有する化合物ROCOORの標準沸点よりも高い前項[3]記載の製造方法、
[5] 工程(3)が、工程(1)または工程(2)の混合物と、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離し、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る工程である、前項[4]記載の製造方法、
[6] 工程(3)が蒸留塔においておこなわれ、工程(1)または工程(2)の該混合物を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留塔に供給し、塔頂から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る工程である、前項[5]記載の製造方法、
[7] 工程(3)が、工程(1)または工程(2)の混合物から、一部または全部のアルコール、および/または、一部の、炭酸エステルまたは尿素を分離して得られる混合物と、芳香族ヒドロキシ化合物とを混合して混合液を得、該混合液から、炭酸エステルまたは尿素を分離する工程である、前項[6]記載の製造方法、
[8] 工程(3)が蒸留塔においておこなわれ、下記の工程(3−1)および工程(3−2)を含む工程である前項[7]記載の製造方法:
工程(3−1):工程(1)または工程(2)の混合物を蒸留塔に供給し、塔頂から、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を含有する混合液を回収する工程、
工程(3−2);工程(3−1)の混合液を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留塔に供給し、塔頂からアルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を回収する工程、
[9] 工程(3)で分離した炭酸エステルまたは尿素を、工程(1)の炭酸エステル、または工程(2)の尿素として再利用する工程を含む前項[2]記載の製造方法、
[10] 工程(4)が180℃以下でおこなわれる前項[2]記載の製造方法、
[11] 工程(5)が、工程(4)の組成物に含有されるカルバミン酸エステルを熱分解反応に付す工程であって、該熱分解反応によって生成する低沸点成分を、気体成分として、該熱分解反応がおこなわれる反応器から回収し、カルバミン酸エステルおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合物の一部または全部を、該反応器の底部から回収する工程である前項[2]記載の製造方法、
[12] 該低沸点成分が、カルバミン酸エステルに由来するアルコールである前項[11]記載の製造方法、
[13] 工程(5)が、工程(4)の該組成物を加熱して、該組成物に含有されるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、該芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基を有するカルバミン酸アリールを得、次いで、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する工程である前項[2]記載の製造方法、
[14] 工程(5)が、次の工程(5−1)および工程(5−2)を含む前項[13]記載の製造方法;
工程(5−1):工程(4)の該組成物に含有されるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、生成する低沸点成分を気体成分として回収し、該カルバミン酸アリールと該芳香族ヒドロキシ化合物とを含む反応液を、該反応がおこなわれる反応器底部から取り出す工程、
工程(5−2):工程(5−1)の反応液を、熱分解反応がおこなわれる反応器に供給して該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付し、生成するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気体成分として回収し、気体成分として回収されない、イソシアネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物および/またはカルバミン酸アリールを含有する混合液の一部または全部を該反応器底部から回収する工程、
[15] 工程の(5−1)の低沸点成分が、該カルバミン酸エステルに由来するアルコールである前項[14]記載の製造方法、
[16] 前項11]記載の、カルバミン酸エステルおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合物、または、前項[14]記載の工程(5−1)の反応液、前項[14]記載の工程(5−2)で反応器底部から回収された混合液および/または気体成分として回収された化合物から、芳香族ヒドロキシ化合物を回収し、該芳香族ヒドロキシ化合物を工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物として再利用する前項[11]または[14]の何れか一項に記載の製造方法、
[17] 前項[2]記載の工程(3)で分離されるアルコール、および/または、前項[10]および/または前項[13]のアルコールを、前項[2]記載の工程(2)におけるアルコールの一部または全部として使用する前項[2]記載の製造方法、
[18] 該芳香族ヒドロキシ化合物の分子量が、120〜370の範囲である前項[4]記載の製造方法、
[19] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を1つ有する化合物である前項[18]記載の製造方法、
[20] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、下記式(5)で表される、少なくとも1つの置換基Rを有する芳香族ヒドロキシ化合物である前項[19]記載の製造方法:
Figure 0004958971
(式中:
環Aは、置換基を有してもよい、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環を表し、単環でも複数環でもよく、
は、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、更にRは、Aと結合して環構造を形成してもよい。)、
[21] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、環Aが、ベンゼン環、ナフタレン環およびアントラセン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造である前項[20]記載の製造方法、
[22] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、下記式(6)で表される化合物である前項[21]記載の製造方法:
Figure 0004958971
(式中:
、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、もしくは、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、R、R、R、RおよびRのうち、少なくとも1つは水素原子以外である。)、
[23] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、上記式(6)で表される化合物のうち、Rが水素原子ではない化合物である前項[21]記載の製造方法、
[24] 該芳香族ヒドロキシ化合物が、上記式(6)で表される化合物のうち、RとRを構成する炭素原子の合計数が2〜20である前項[23]記載の製造方法、
[25] 工程(1)のアミン化合物がポリアミン化合物である前項[2]記載の製造方法、
[26] 該アミン化合物が、下記式(7)で表される化合物である前項[25]記載の製造方法、
Figure 0004958971
(式中、
は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
[27] 該ポリアミン化合物が、式(7)においてnが2であるジアミン化合物である前項[26]記載の製造方法、
[28] 該ジアミン化合物が、式(7)において、Rが、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基である化合物である前項[27]記載の製造方法、
[29] 該ジアミン化合物が、下記式(8)、(9)および(10)からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である前項[28]記載の製造方法、
Figure 0004958971
[30] 該炭酸エステルが、下記式(11)で表される化合物である前項[2]記載の製造方法:
Figure 0004958971
(式中、Rは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基を表す。)。
[31] 該炭酸エステルが、以下の工程(A)および工程(B)を含む工程によって製造される前項[30]記載の製造方法:
工程(A):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを含有する反応混合物を得る工程、
工程(B):該反応混合物から該炭酸エステルを分離するとともに残留液を得る工程、
[32] 前項[31]記載の工程(A)および工程(B)に加えて、以下の工程(C)および工程(D)をおこなう前項[31]記載の製造方法:
工程(C):工程(B)で得られた該残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程、
工程(D):工程(C)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(A)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程、
[33] 前項[2]記載の工程(3)で分離されるアルコール、および/または、前項[10]および/または前項[13]のアルコールを、前項[32]記載の工程(C)におけるアルコールの一部または全部として使用する前項[32]記載の製造方法、
[34] 工程(1)のアルコールが、炭酸エステルに由来するアルキル基を有するアルコールである前項[2]記載の製造方法、
[35] 工程(1)のアミン化合物と炭酸エステルとの反応が、金属アルコキシド化合物存在下におこなわれる前項[2]記載の製造方法、
[36] 該金属アルコキシド化合物が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物である前項[35]記載の製造方法、
[37] 該炭酸エステルを構成するアルキル基と、該金属アルコキシド化合物を構成するアルキル基が同一である前項[36]記載の製造方法、
[38] 工程(2)のアルコールが、下記式(12)で表される化合物である前項[2]記載の製造方法:
Figure 0004958971
(式中、
は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を表す。)、
[39] 該カルバミン酸エステルが、ポリカルバミン酸エステルである前項[2]記載の製造方法、
[40] 該ポリカルバミン酸エステルが、下記式(13)で表される化合物である前項[39]記載の製造方法、
Figure 0004958971
(式中;
は、上記定義した基を表し、
11は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
[41] 該ポリカルバミン酸エステルが、式(13)で表される化合物のうち、nが2である化合物である前項[40]記載の製造方法、
[42] 該ポリカルバミン酸エステルが、式(13)で表される化合物のうち、R11が炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜10の脂肪族基である前項[41]記載の製造方法、
[43] 該ポリカルバミン酸エステルが、式(13)で表される化合物のうち、Rが、炭素数1〜20のアルキル基、および炭素数5〜20のシクロアルキル基からなる群から選ばれる1つの基である化合物である前項[42]記載の製造方法、
[44] 該ポリカルバミン酸エステルが、下記式(14)、(15)、および(16)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前項[43]記載の製造方法:
Figure 0004958971
(式中:
11は上記定義した基である。)。
を提供する。
また、本発明の第2の態様では、
[45] カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む、カルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物であって、
該カルバミン酸エステルを構成するエステル基のモル数;A
該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数;B
のAに対するBの比率が0.1〜50の範囲であり、
該カルバミン酸エステルの融点が200℃以下であり、
該芳香族ヒドロキシ化合物の融点が190℃以下である、
カルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物、
を提供する。
本発明の組成物を使用すると、ホスゲンを使用することなく、収率よくイソシアネートを製造することができる。また、本発明の組成物は、移送および貯蔵の際の、カルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
まず、本実施の形態におけるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物について説明する。
本実施の形態におけるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物は、
該組成物中に含有される、カルバミン酸エステルを構成するエステル基のモル数;A
該組成物中に含有される芳香族ヒドロキシ化合物のモル数;B
のAに対するBの比率(B/A)が、好ましくは0.1〜50の範囲であり、かつ、該組成物の融点が150℃以下である。本実施の形態の好ましい態様では、前記組成物は、カルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物である。
本実施の形態にて用いるカルバミン酸エステルは、カルバミン酸エステルを構成するエステル基により分子間で水素結合を形成しやすいことから、高い融点を有する場合が多い。このようなカルバミン酸エステルを移送するにあたっては、例えば、固体のカルバミン酸エステルを粉砕したりペレット状に加工する等の賦形化処理をおこなったものを移送したり、あるいは、カルバミン酸エステルの融点よりも高い温度に加熱して該カルバミン酸エステルを液体状として移送する。しかしながら、賦形化処理をおこなった固体のカルバミン酸エステルを移送する場合、移送ラインの閉塞を招いたり、カルバミン酸エステルの形状にばらつきが多い場合に一定量のカルバミン酸エステルを安定的に移送するために煩雑な装置を必要としたり、該カルバミン酸エステルの形状をある範囲に揃える工程を必要とする場合が多い。一方、カルバミン酸エステルを加熱して液体状として移送する場合には、移送中の固化を防止することも考慮して、該カルバミン酸エステルの融点よりも高い温度(例えば200℃)に加熱する必要があるが、このような高温下でカルバミン酸エステルを保持した場合、所望しない場所でカルバミン酸エステルの熱分解反応が生起してイソシアネートが生成したり、上記したようなカルバミン酸エステルの熱変性反応を生起する場合が多い。本実施の形態の組成物は、該組成物を移送もしくは貯蔵の際、該組成物中のカルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制し、カルバミン酸エステルを安定に保持することができるという効果を奏する。該組成物が、カルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制する効果を奏する機構については明らかではないが、本発明者らは、該組成物を構成する芳香族ヒドロキシ化合物が、カルバミン酸エステルのウレタン結合(−NHCOO−)と芳香族ヒドロキシ化合物とが水素結合を形成することにより、ウレタン結合同士が近接しにくい状態を形成するため、例えば、上記式(2)で表される尿素結合を形成する反応のような、尿素結合を形成する反応を生起しにくいのではないかと推測している。
本実施の形態の組成物において、芳香族ヒドロキシ化合物のモル数(B)は、カルバミン酸エステルを構成するエステル基のモル数(A)に対して多いほうが好ましいが、一方で、カルバミン酸エステルの移送効率や、貯蔵の際の、貯槽の大きさを考慮すると、Aに対するBの比率(B/A)は0.2〜30、より好ましくは0.3〜20、さらに好ましくは0.5〜10である。
また、本実施の形態の組成物を構成するカルバミン酸エステルの融点は200℃以下であり、好ましくは芳香族ヒドロキシ化合物の融点が190℃以下であり、これらのカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物から構成される組成物は、好ましくは180℃で均一な液体である。該組成物を液体状として移送する際は、該組成物を融点以上の温度に加熱して液体状とするが、該組成物が均一な液体となる温度が180℃よりも高い場合は、該組成物を液体状とする際に、該組成物を構成するカルバミン酸エステルの熱分解反応が生起して、所望しない場所でイソシアネートを生成する場合があり好ましくない。このような観点から、該組成物が均一な液体となる温度は、好ましくは180℃以下であり、移送ラインの保温のしやすさ等から、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。
一般的に「融点」とは、固相と液相が平衡状態にあるとみなされるときの温度であって、圧力1気圧のもとでの値をいうが、本実施の形態では、公知の方法、例えば、文献(化学大辞典9、357頁、日本国共立出版株式会社、2003年)に記載の、融点測定装置によって測定することができる。また、簡易には、示差走査熱量測定法(DSC)や示差熱分析法(DTA)に測定することもでき、例えば、固体状の物質を、示差走査熱量測定装置において、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/分で加熱した際に観測される吸熱ピークの頂点を融点と規定することができる。
<カルバミン酸エステル>
本実施の形態におけるカルバミン酸エステルとしては、特に限定されないが、好ましくは、ポリカルバミン酸エステルである。ポリカルバミン酸エステルとしては、下記式(17)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 0004958971
(式中;
は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
11は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
上記式(17)において、nは、好ましくは2以上の整数より選ばれる数であり、更に好ましくは、nが2であるポリカルバミン酸エステルである。
上記式(17)において、R11は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜10の脂肪族基が好ましく、より好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基である。このようなR11の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜10の整数より選ばれる数であるアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の、該基を構成する炭素原子の数が5〜10の整数より選ばれる数であるシクロアルキル基が挙げられる。
上記式(17)におけるRは、より好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基が挙げられ、このようなRの例としては、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン等の直鎖炭化水素基;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビス(シクロヘキシル)アルカン等の無置換の脂環式炭化水素基;メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)等のアルキル置換シクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等のジアルキル置換シクロヘキサン;1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,5,5−トリエチルシクロヘキサン、1,5,5−トリプロピルシクロヘキサン(各異性体)、1,5,5−トリブチルシクロヘキサン(各異性体)等のトリアルキル置換シクロヘキサン;トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等のモノアルキル置換ベンゼン;キシレン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等のジアルキル置換ベンゼン;ジフェニルアルカン、ベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、ヘキサメチレン、フェニレン、ジフェニルメタン、トルエン、シクロヘキサン、キシレニル、メチルシクロヘキサン、イソホロンおよびジシクロヘキシルメタン基が好ましく使用される。
上記式(17)で表されるカルバミン酸エステルとしては、例えば、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジエチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジペンチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジヘキシルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジオクチルエステル(各異性体)、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジエチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジプロピル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジペンチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘキシル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘプチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジオクチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、3−(メトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル、3−(エトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸エチルエステル、3−(プロピルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、3−(ペンチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、3−(ヘプチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸オクチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジメチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジエチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジプロピルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジブチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジペンチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジヘキシルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジヘプチルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジオクチルエステル(各異性体)、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジメチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジエチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジプロピルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジペンチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジヘキシルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジヘプチルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジオクチルエステル等のカルバミン酸アルキルを挙げることができる。
これらの中でも、上記式(17)のRが、炭素数1〜20のアルキル基および炭素数5〜20のシクロアルキル基からなる群から選ばれる1つの基であるカルバミン酸アルキルが好ましく使用され、中でも、下記式(18)〜(20)で表されるカルバミン酸アルキルがより好ましく使用される。
Figure 0004958971
(式中:
11は上記定義した基である。)
式(18)で表されるポリカルバミン酸アルキルの例としては、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジエチルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジペンチルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジヘキシルエステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジオクチルエステル(各異性体)等を挙げることができる。また、式(19)で表されるポリカルバミン酸アルキルの例としては、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジエチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジプロピル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジペンチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘキシル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジヘプチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジオクチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)等を挙げることができる。さらに、式(20)で表されるポリカルバミン酸アルキルの例としては、3−(メトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル、3−(エトキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸エチルエステル、3−(プロピルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸プロピルエステル(各異性体)、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル(各異性体)、3−(ペンチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ペンチルエステル(各異性体)、3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘキシルエステル(各異性体)、3−(ヘプチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ヘプチルエステル(各異性体)、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸オクチルエステル(各異性体)等のポリカルバミン酸アルキルを挙げることができる。
該カルバミン酸エステルは、公知の方法を使用して製造することができ、例えば、アミン化合物と一酸化炭素、酸素、および、脂肪族アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物を反応させてカルバミン酸エステルを製造してもよいし、また、後述する、アミン化合物を、尿素および脂肪族アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物と反応させてカルバミン酸エステルを製造する方法をおこなってもよいし、炭酸エステルとアミン化合物とを反応させてカルバミン酸エステルを製造する方法をおこなってもよい。
<芳香族ヒドロキシ化合物>
本実施の形態における芳香族ヒドロキシ化合物は、特に制限されないが、好ましくは、該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、上記式(17)で表される、カルバミン酸エステルのエステル基を構成するR11O(Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した構造を有する化合物R11OHの標準沸点よりも高い芳香族ヒドロキシ化合物であり、より好ましくは、標準沸点がR11OHよりも20℃以上高い芳香族ヒドロキシ化合物であり、さらに好ましくは、標準沸点がR11OHよりも50℃以上高い芳香族ヒドロキシ化合物である。ここでいう「標準沸点」とは、1気圧下での沸点を指す。
また、該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点は、上記式(17)で表されるカルバミン酸エステルのエステル基を構成する基R11O(Oは酸素原子を表す)がカルボニル基を介して結合した構造を有する化合物R11OCOOR11の標準沸点よりも高いことが好ましく、より好ましくは、R11OCOOR11の標準沸点よりも10℃以上高い芳香族ヒドロキシ化合物であり、さらに好ましくは、R11OCOOR11の標準沸点よりも20℃以上高い芳香族ヒドロキシ化合物である。
このように、標準沸点が、R11OHもしくはR11OCOOR11の標準沸点よりも高い芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用されるが、これは、後述する、本実施の形態の組成物の好ましい製造方法において、上述した工程(1)または工程(2)で得られる混合液から、芳香族ヒドロキシ化合物存在下で、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を蒸留塔にて蒸留分離する際に、蒸留塔の塔底より、カルバミン酸エステルを芳香族ヒドロキシ化合物との組成物として回収するためである。
また、該芳香族ヒドロキシ化合物の分子量は、上述した好ましい標準沸点の範囲、および、本実施の形態における組成物におけるカルバミン酸エステルの重量分率があまりに小さくなって移送効率が低下しすぎないように考慮して、120〜370の範囲が好ましく、より好ましくは、200〜350の範囲である。
さらに、該芳香族ヒドロキシ化合物が、該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を1つ有する化合物であることが好ましい。該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を2つ以上有する芳香族ヒドロキシ化合物であっても、本実施の形態の組成物を構成する芳香族ヒドロキシ化合物として使用することが可能であるが、該組成物の粘度が高くなる場合があり、移送の際の効率低下を招くことがある。
このような該芳香族ヒドロキシ化合物として好ましい化合物としては、下記式(21)で表される、少なくとも1つの置換基Rを有する芳香族ヒドロキシ化合物を挙げることができる。
Figure 0004958971
(式中:
環Aは、置換基を有してもよい、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環を表し、単環でも複数環でもよく、
は、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、更にRは、Aと結合して環構造を形成してもよい。)
上記式(21)における環Aとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ビフェニレン環、アセナフチレン環、アセアントリレン環、アセフェナントリレン環等を例示することができ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環およびアントラセン環からなる群から選ばれる環である。また、これらの環は、上記のR以外の置換基を有していてもよく、該置換基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルコキシ基;フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリール基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリールオキシ基;フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキル基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキルオキシ基等を挙げることができる。これらの基は、さらに好ましくは、炭素、酸素、窒素、水素以外の原子を含まない基である。
上記式(21)におけるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルコキシ基;フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリール基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリールオキシ基;フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキル基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキルオキシ基等を例示することができる。これらの基は、さらに好ましくは、炭素、酸素、窒素、水素以外の原子を含まない基である。
このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、下記式(22)で表わされる化合物を例示することができる。
Figure 0004958971
(式中:
、R、R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、
、R、R、RおよびRのうち、少なくとも1つは水素原子以外である。)
、R、R、RおよびRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜20の整数より選ばれる数である脂肪族アルコキシ基;フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリール基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が6〜20のアリールオキシ基;フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキル基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が7〜20のアラルキルオキシ基等を挙げることができる。
芳香族ヒドロキシ化合物としては、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェノール(各異性体)、オクチルフェノール(各異性体)、ノニルフェノール(各異性体)、デシルフェノール(各異性体)、ドデシルフェノール(各異性体)、フェニルフェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミルフェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、ジブチルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルフェノール(各異性体)、ジヘプチルフェノール(各異性体)、ジオクチルフェノール(各異性体)、ジノニルフェノール(各異性体)、ジデシルフェノール(各異性体)、ジドデシルフェノール(各異性体)、ジフェニルフェノール(各異性体)、ジフェノキシフェノール(各異性体)、ジクミルフェノール(各異性体)メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、メチルペンチルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルフェノール(各異性体)、メチルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルオクチルフェノール(各異性体)、メチルノニルフェノール(各異性体)、メチルデシルフェノール(各異性体)、メチルドデシルフェノール(各異性体)、メチルフェニルフェノール(各異性体)、メチルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルクミルフェノール(各異性体)、エチルプロピルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェノール(各異性体)、エチルペンチルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルフェノール(各異性体)、エチルオクチルフェノール(各異性体)、エチルノニルフェノール(各異性体)、エチルデシルフェノール(各異性体)、エチルドデシルフェノール(各異性体)、エチルフェニルフェノール(各異性体)、エチルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルクミルフェノール(各異性体)プロピルブチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルノニルフェノール(各異性体)、プロピルデシルフェノール(各異性体)、プロピルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルクミルフェノール(各異性体)ブチルペンチルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルフェノール(各異性体)、ブチルノニルフェノール(各異性体)、ブチルデシルフェノール(各異性体)、ブチルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルクミルフェノール(各異性体)ペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルフェノール(各異性体)、ペンチルノニルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルフェノール(各異性体)、ペンチルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルクミルフェノール(各異性体)ヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、ヘキシルノニルフェノール(各異性体)、ヘキシルデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルクミルフェノール(各異性体)ヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルフェノール(各異性体)、ヘプチルデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルクミルフェノール(各異性体)オクチルノニルフェノール(各異性体)、オクチルデシルフェノール(各異性体)、オクチルドデシルフェノール(各異性体)、オクチルフェニルフェノール(各異性体)、オクチルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルクミルフェノール(各異性体)ノニルデシルフェノール(各異性体)、ノニルドデシルフェノール(各異性体)、ノニルフェニルフェノール(各異性体)、ノニルフェノキシフェノール(各異性体)、ノニルクミルフェノール(各異性体)ドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ドデシルクミルフェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチルフェノール(各異性体)、トリエチルフェノール(各異性体)、トリプロピルフェノール(各異性体)、トリブチルフェノール(各異性体)、トリペンチルフェノール(各異性体)、トリヘキシルフェノール(各異性体)、トリヘプチルフェノール(各異性体)、トリオクチルフェノール(各異性体)、トリノニルフェノール(各異性体)、トリデシルフェノール(各異性体)、トリドデシルフェノール(各異性体)、トリフェニルフェノール(各異性体)、トリフェノキシフェノール(各異性体)、トリクミルフェノール(各異性体)、ジメチルエチルフェノール(各異性体)、ジメチルプロピルフェノール(各異性体)、ジメチルブチルフェノール(各異性体)、ジメチルペンチルフェノール(各異性体)、ジメチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジメチルヘプチルフェノール(各異性体)、ジメチルオクチルフェノール(各異性体)、ジメチルノニルフェノール(各異性体)、ジメチルデシルフェノール(各異性体)、ジメチルドデシルフェノール(各異性体)、ジメチルフェニルフェノール(各異性体)、ジメチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジメチルクミルフェノール(各異性体)、ジエチルメチルフェノール(各異性体)、ジエチルプロピルフェノール(各異性体)、ジエチルブチルフェノール(各異性体)、ジエチルペンチルフェノール(各異性体)、ジエチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジエチルヘプチルフェノール(各異性体)、ジエチルオクチルフェノール(各異性体)、ジエチルノニルフェノール(各異性体)、ジエチルデシルフェノール(各異性体)、ジエチルドデシルフェノール(各異性体)、ジエチルフェニルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジエチルクミルフェノール(各異性体)ジプロピルメチルフェノール(各異性体)、ジプロピルエチルフェノール(各異性体)、ジプロピルブチルフェノール(各異性体)、ジプロピルペンチルフェノール(各異性体)、ジプロピルヘキシルフェノール(各異性体)、ジプロピルヘプチルフェノール(各異性体)、ジプロピルオクチルフェノール(各異性体)、ジプロピルノニルフェノール(各異性体)、ジプロピルデシルフェノール(各異性体)、ジプロピルドデシルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェニルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノキシフェノール(各異性体)、ジプロピルクミルフェノール(各異性体)ジブチルメチルフェノール(各異性体)、ジブチルエチルフェノール(各異性体)、ジブチルプロピルフェノール(各異性体)、ジブチルペンチルフェノール(各異性体)、ジブチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジブチルヘプチルフェノール(各異性体)、ジブチルオクチルフェノール(各異性体)、ジブチルノニルフェノール(各異性体)、ジブチルデシルフェノール(各異性体)、ジブチルドデシルフェノール(各異性体)、ジブチルフェニルフェノール(各異性体)、ジブチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジブチルクミルフェノール(各異性体)ジペンチルメチルフェノール(各異性体)、ジペンチルエチルフェノール(各異性体)、ジペンチルプロピルフェノール(各異性体)、ジペンチルブチルフェノール(各異性体)、ジペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、ジペンチルオクチルフェノール(各異性体)、ジペンチルノニルフェノール(各異性体)、ジペンチルデシルフェノール(各異性体)、ジペンチルドデシルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェニルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジペンチルクミルフェノール(各異性体)ジヘキシルメチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルエチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルプロピルフェノール(各異性体)、ジヘキシルブチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルペンチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、ジヘキシルノニルフェノール(各異性体)、ジヘキシルデシルフェノール(各異性体)、ジヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、ジヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、ジヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、ジヘキシルクミルフェノール(各異性体)ジヘプチルメチルフェノール(各異性体)、ジヘプチルエチルフェノール(各異性体)、ジヘプチルプロピルフェノール(各異性体)、ジヘプチルブチルフェノール(各異性体)、ジヘプチルペンチルフェノール(各異性体)、ジヘプチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、ジヘプチルノニルフェノール(各異性体)、ジヘプチルデシルフェノール(各異性体)、ジヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、ジヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、ジヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジヘプチルクミルフェノール(各異性体)ジオクチルメチルフェノール(各異性体)、ジオクチルエチルフェノール(各異性体)、ジオクチルプロピルフェノール(各異性体)、ジオクチルブチルフェノール(各異性体)、ジオクチルペンチルフェノール(各異性体)、ジオクチルヘキシルフェノール(各異性体)、ジオクチルヘプチルフェノール(各異性体)、ジオクチルノニルフェノール(各異性体)、ジオクチルデシルフェノール(各異性体)、ジオクチルドデシルフェノール(各異性体)、ジオクチルフェニルフェノール(各異性体)、ジオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、ジオクチルクミルフェノール(各異性体)、ジノニルメチルフェノール(各異性体)、ジノニルエチルフェノール(各異性体)、ジノニルプロピルフェノール(各異性体)、ジノニルブチルフェノール(各異性体)、ジノニルペンチルフェノール(各異性体)、ジノニルヘキシルフェノール(各異性体)、ジノニルヘプチルフェノール(各異性体)、ジノニルオクチルフェノール(各異性体)、ジノニルデシルフェノール(各異性体)、ジノニルドデシルフェノール(各異性体)、ジノニルフェニルフェノール(各異性体)、ジノニルフェノキシフェノール(各異性体)、ジノニルクミルフェノール(各異性体)、ジデシルメチルフェノール(各異性体)、ジデシルエチルフェノール(各異性体)、ジデシルプロピルフェノール(各異性体)、ジデシルブチルフェノール(各異性体)、ジデシルペンチルフェノール(各異性体)、ジデシルヘキシルフェノール(各異性体)、ジデシルヘプチルフェノール(各異性体)、ジデシルオクチルフェノール(各異性体)、ジデシルノニルフェノール(各異性体)、ジデシルドデシルフェノール(各異性体)、ジデシルフェニルフェノール(各異性体)、ジデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ジデシルクミルフェノール(各異性体)、ジドデシルメチルフェノール(各異性体)、ジドデシルエチルフェノール(各異性体)、ジドデシルプロピルフェノール(各異性体)、ジドデシルブチルフェノール(各異性体)、ジドデシルペンチルフェノール(各異性体)、ジドデシルヘキシルフェノール(各異性体)、ジドデシルヘプチルフェノール(各異性体)、ジドデシルオクチルフェノール(各異性体)、ジドデシルノニル
フェノール(各異性体)、ジドデシルデシルフェノール(各異性体)、ジドデシルドデシルフェノール(各異性体)、ジドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ジドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ジドデシルクミルフェノール(各異性体)、ジフェニルメチルフェノール(各異性体)、ジフェニルエチルフェノール(各異性体)、ジフェニルプロピルフェノール(各異性体)、ジフェニルブチルフェノール(各異性体)、ジフェニルペンチルフェノール(各異性体)、ジフェニルヘキシルフェノール(各異性体)、ジフェニルヘプチルフェノール(各異性体)、ジフェニルオクチルフェノール(各異性体)、ジフェニルノニルフェノール(各異性体)、ジフェニルデシルフェノール(各異性体)、ジフェニルドデシルフェノール(各異性体)、ジフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ジフェニルクミルフェノール(各異性体)、ジフェノキシメチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシエチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシプロピルフェノール(各異性体)、ジフェノキシブチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシペンチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシヘキシルフェノール(各異性体)、ジフェノキシヘプチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシオクチルフェノール(各異性体)、ジフェノキシノニルフェノール(各異性体)、ジフェノキシデシルフェノール(各異性体)、ジフェノキシドデシルフェノール(各異性体)、ジフェノキシフェニルフェノール(各異性体)、ジフェノキシクミルフェノール(各異性体)、ジクミルメチルフェノール(各異性体)、ジクミルエチルフェノール(各異性体)、ジクミルプロピルフェノール(各異性体)、ジクミルブチルフェノール(各異性体)、ジクミルペンチルフェノール(各異性体)、ジクミルヘキシルフェノール(各異性体)、ジクミルヘプチルフェノール(各異性体)、ジクミルオクチルフェノール(各異性体)、ジクミルノニルフェノール(各異性体)、ジクミルデシルフェノール(各異性体)、ジクミルドデシルフェノール(各異性体)、ジクミルフェニルフェノール(各異性体)、ジクミルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルエチルプロピルフェノール(各異性体)、メチルエチルブチルフェノール(各異性体)、メチルエチルペンチルフェノール(各異性体)、メチルエチルヘキシルフェノール(各異性体)、メチルエチルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルエチルオクチルフェノール(各異性体)、メチルエチルノニルフェノール(各異性体)、メチルエチルデシルフェノール(各異性体)、メチルエチルドデシルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェニルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルエチルクミルフェノール(各異性体)、メチルプロピルメチルプロピルブチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルペンチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルヘキシルフェノール(各異性体)、メチルプロピルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルオクチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルノニルフェノール(各異性体)、メチルプロピルデシルフェノール(各異性体)、メチルプロピルドデシルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェニルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルプロピルクミルフェノール(各異性体)、メチルブチルペンチルフェノール(各異性体)、メチルブチルヘキシルフェノール(各異性体)、メチルブチルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルブチルオクチルフェノール(各異性体)、メチルブチルノニルフェノール(各異性体)、メチルブチルデシルフェノール(各異性体)、メチルブチルドデシルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェニルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルブチルクミルフェノール(各異性体)、メチルペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、メチルペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルペンチルオクチルフェノール(各異性体)、メチルペンチルノニルフェノール(各異性体)、メチルペンチルデシルフェノール(各異性体)、メチルペンチルドデシルフェノール(各異性体)、メチルペンチルフェニルフェノール(各異性体)、メチルペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルペンチルクミルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、メチルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、メチルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、エチルプロピルブチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルペンチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルヘキシルフェノール(各異性体)、エチルプロピルヘプチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルオクチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルノニルフェノール(各異性体)、エチルプロピルデシルフェノール(各異性体)、エチルプロピルドデシルフェノール(各異性体)、エチルプロピルフェニルフェノール(各異性体)、エチルプロピルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルプロピルクミルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェノール(各異性体)、エチルブチルペンチルフェノール(各異性体)、エチルブチルヘキシルフェノール(各異性体)、エチルブチルヘプチルフェノール(各異性体)、エチルブチルオクチルフェノール(各異性体)、エチルブチルノニルフェノール(各異性体)、エチルブチルデシルフェノール(各異性体)、エチルブチルドデシルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェニルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルブチルクミルフェノール(各異性体)、エチルペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、エチルペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、エチルペンチルオクチルフェノール(各異性体)、エチルペンチルノニルフェノール(各異性体)、エチルペンチルデシルフェノール(各異性体)、エチルペンチルドデシルフェノール(各異性体)、エチルペンチルフェニルフェノール(各異性体)、エチルペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルペンチルクミルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、エチルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、エチルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、エチルオクチルフェノール(各異性体)、エチルオクチルノニルフェノール(各異性体)、エチルオクチルデシルフェノール(各異性体)、エチルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、エチルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、エチルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルオクチルクミルフェノール(各異性体)、エチルノニルデシルフェノール(各異性体)、エチルノニルドデシルフェノール(各異性体)、エチルノニルフェニルフェノール(各異性体)、エチルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルノニルクミルフェノール(各異性体)、エチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、エチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、エチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルデシルクミルフェノール(各異性体)、エチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、エチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、エチルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、エチルフェニルクミルフェノール(各異性体)、プロピルブチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルペンチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルブチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルブチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルブチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルペンチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルオクチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルノニルデシルフェノール(各異性体)、プロピルノニルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルノニルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルノニルクミルフェノール(各異性体)、プロピルデシルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルデシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルデシルクミルフェノール(各異性体)、プロピルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルドデシルクミルフェノール(各異性体)、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェノール(各異性体)、オクチルフェノール(各異性体)、ノニルフェノール(各異性体)、デシルフェノール(各異性体)、ドデシルフェノール(各異性体)、フェニルフェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミルフェノール(各異性体)、プロピルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルフェニルクミルフェノール(各異性体)、プロピルフェノキシクミルフェノール(各異性体)
プロピルブチルペンチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルブチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルブチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルブチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルブチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルブチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルペンチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルノニルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルデシルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルオクチルクミルフェノール(各異性体)、プロピルノニルデシルフェノール(各異性体)、プロピルノニルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルノニルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルノニルクミルフェノール(各異性体)、プロピルデシルドデシルフェノール(各異性体)、プロピルデシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルデシルクミルフェノール(各異性体)、プロピルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、プロピルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、クミルフェノール(各異性体)、プロピルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、プロピルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルヘキシルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルヘプチルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルオクチルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルノニルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルデシルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルペンチルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルペンチルクミルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルノニルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルデシルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルオクチルクミルフェノール(各異性体)、ブチルノニルデシルフェノール(各異性体)、ブチルノニルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルノニルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルノニルクミルフェノール(各異性体)、ブチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルデシルクミルフェノール(各異性体)、ブチルドデシルフェノール(各異性体)、ブチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、ブチルフェニルフェノール(各異性体)、ブチルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ブチルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルヘプチルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルオクチルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルノニルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルデシルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルヘキシルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルノニルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルデシルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルオクチルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルノニルデシルフェノール(各異性体)、ペンチルノニルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルノニルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルノニルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルデシルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルデシルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ペンチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、ペンチルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ペンチルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルオクチルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルノニルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルドデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルヘプチルクミルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルノニルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルオクチルクミルフェノール(各異性体)、ヘキシルノニルデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルノニルドデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルノニルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルノニルフェノキシヘキシルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ヘキシルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルデシルクミルフェノール(各異性体)、ヘキシルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ヘキシルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルドデシルクミルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルノニルフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルドデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルフェニルフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルオクチルクミルフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルドデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルフェニルフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルノニルクミルフェノール(各異性体)、ヘプチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ヘプチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ヘプチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルデシルクミルフェノール(各異性体)、ヘプチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ヘプチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、ヘプチルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチルフェニルクミルフェノール(各異性体)、オクチルノニルデシルフェノール(各異性体)、オクチルノニルドデシルフェノール(各異性体)、オクチルノニルフェニルフェノール(各異性体)、オクチルノニルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルノニルクミルフェノール(各異性体)、オクチルデシルドデシルフェノール(各異性体)、オクチルデシルフェニルフェノール(各異性体)、オクチルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルデシルクミルフェノール(各異性体)、オクチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、オクチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、オクチルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、オクチルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルドデシルクミルフェノール(各異性体)、オクチルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、オクチルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ノニルデシルドデシルフェノール(各異性体)、ノニルデシルフェニルフェノール(各異性体)、ノニルデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ノニルデシルクミルフェノール(各異性体)、ノニルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、ノニルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、ノニルドデシルクミルフェノール(各異性体)、ノニルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ノニルフェニルクミルフェノール(各異性体)、デシルドデシルフェニルフェノール(各異性体)、デシルドデシルフェノキシフェノール(各異性体)、デシルドデシルクミルフェノール(各異性体)、デシルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、デシルフェニルクミルフェノール(各異性体)、ドデシルフェニルフェノキシフェノール(各異性体)、ドデシルフェニルクミルフェノール(各異性体)、フェニルフェノキシクミルフェノール(各異性体)等のトリ置換フェノール類等を挙げることができる。これらの芳香族ヒドロキシ化合物は
、1種類であっても、複数種を組み合わせても差し支えない。
本発明者らは、驚くべきことに、芳香族ヒドロキシ化合物の共存下では、カルバミン酸エステルが上記したような熱変性反応を生起せず、安定であることを見出した。カルバミン酸エステルの変性が抑制される機構については明らかではないが、本発明者らは、例えば、カルバミン酸エステルのエステル基と芳香族ヒドロキシ化合物が水素結合を形成して、カルバミン酸エステルのエステル基同士が水素結合によって近接するのを抑制し、上記式(2)で示したような、カルバミン酸エステルのエステル基同士による脱炭酸エステル反応を抑制するためと推測している。また、さらに驚くべきことに、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む、本実施の形態の組成物が液体となる温度が、該カルバミン酸エステルの融点および該芳香族ヒドロキシ化合物の融点よりも低く、該組成物を液体状として移送または貯蔵の際に比較的低温下で保持することができるため、上述の、カルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制することができるという効果も奏する。
これらの芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、上記式(22)で表される化合物のうち、Rが水素原子以外の基である芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用され、さらに好ましくは、上記式(22)で表される化合物のうち、RとRを構成する炭素原子の合計数が2〜20である芳香族ヒドロキシ化合物である。RとRの組み合わせは、RとRを構成する炭素原子の合計数が2〜20となるような組み合わせであれば特に限定されない。
さらに好ましくは、上記式(22)において、RおよびRが、各々独立に、下記式(23)で表される基であって、R、RおよびRが水素原子である芳香族ヒドロキシ化合物、または、上記式(22)において、Rが、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基であり、RおよびRが、各々独立に、水素原子、または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基である芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく使用される。
Figure 0004958971
(式中、Xは、下記式(24)または(25)で表される構造から選ばれる1つの分岐構造を表す。)
Figure 0004958971
(式中、R12は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール(各異性体)、2−ブチルフェノール(各異性体)、2−ペンチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−ヘプチルフェノール(各異性体)、2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジエチルフェノール、2、6−ジエチルフェノール、2,4−ジプロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピルフェノール(各異性体)、2,4−ジブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジペンチルフェノール(各異性体)、2,4−ジヘキシルフェノール(各異性体)、2,4−ジヘプチルフェノール(各異性体)、2−メチル−6−エチルフェノール、2−メチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−クミルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−エチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−クミルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−エチルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−ブチル−4−クミルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−エチルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−ペンチル−4−クミルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−エチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−ヘプチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−ヘキシル−4−クミルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−メチルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−エチルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−オクチルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2−ヘプチル−4−クミルフェノール(各異性体)、2,4,6−トリメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−エチルフェノール、2,6−ジメチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジメチル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2,6−ジメチル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2,6−ジメチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6−ジメチル−4−フェニルフェノール、2,6−ジメチル−4−クミルフェノール、2,4,6−トリエチルフェノール、2,6−ジエチル−4−メチルフェノール、2,6−ジエチル−4−プロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジエチル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2,6−ジエチル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2,6−ジエチル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6−ジエチル−4−フェニルフェノール、2,6−ジエチル−4−クミルフェノール、2,4,6−トリプロピルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−エチルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−メチルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−ブチルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−ペンチルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−フェニルフェノール(各異性体)、2,6−ジプロピル−4−クミルフェノール(各異性体)、2,4−ジメチル−6−エチルフェノール、2−メチル−4,6−ジエチルフェノール、2−メチル−4−プロピル−6−エチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ブチル−6−エチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ペンチル−6−エチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ヘキシル−6−エチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−フェニル−6−エチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−クミル−6−エチルフェノール(各異性体)、2,4−ジメチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4,6−ジプロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−エチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ブチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ペンチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ヘキシル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−フェニル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−クミル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2,4−ジメチル−6−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジブチルフェノール、2−メチル−4−プロピル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−エチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ペンチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ヘキシル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−フェニル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−クミル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジメチル−6−ペンチルフェノール、2−メチル−4,6−ジペンチルフェノール、2−メチル−4−プロピル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ブチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−エチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ヘキシル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−フェニル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−クミル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4−ジメチル−6−ヘキシルフェノール、2−メチル−4,6−ジヘキシルフェノール、2−メチル−4−プロピル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ブチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−ペンチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−エチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−フェニル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−メチル−4−クミル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−メチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2,4−ジエチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4,6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ブチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ペンチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘキシル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘプチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−オクチル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−フェニル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−クミル−6−プロピルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−メチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジエチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4,6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−プロピル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ペンチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘキシル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘプチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−オクチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−フェニル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−クミル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−メチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2,4−ジエチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4,6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ブチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−プロピル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘキシル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘプチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−オクチル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−フェニル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−クミル−6−ペンチルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−メチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4−ジエチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4,6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−プロピル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ペンチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ブチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−ヘプチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−オクチル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−フェニル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−エチル−4−クミル−6−ヘキシルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−メチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2,4−ジプロピル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4,6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−エチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ペンチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ヘキシル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−ヘプチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−オクチル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−フェニル−6−ブチルフェノール(各異性体)、2−プロピル−4−クミル−6−ブチルフェノール(各異性体)等を挙げることができる。これらの芳香族ヒドロキシ化合物は、1種類であっても、複数種を組み合わせても差し支えない。
<イソシアネートの製造方法>
本実施の形態において、上記した、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を用いてイソシアネートを製造することができる。以下、本実施の形態におけるイソシアネートの製造方法について説明する。
本実施の形態におけるイソシアネートの製造方法は、上記した、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を、該カルバミン酸エステルの熱分解反応がおこなわれる反応器に移送してイソシアネートを製造することができる。当該方法は、以下の工程(1)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、または、工程(2)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、によってイソシアネートを製造する方法である。
工程(1):アミン化合物と炭酸エステルとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと炭酸エステルを含有する混合物を得る工程、
工程(2):アミン化合物と尿素アルコールとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと尿素化合物を含有する混合物を得る工程、
工程(3):工程(1)または工程(2)の混合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いて、該混合物に含有されるアルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離して、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を製造する工程、
工程(4):工程(3)で得られる該組成物を、液体の状態で工程(5)に移送する工程、
工程(5):工程(4)で移送した該組成物を用いてイソシアネートを製造する工程。
<工程(1)>
以下に、工程(1)における、炭酸エステルとアミン化合物との反応によるカルバミン酸エステルの製造工程を説明する。
炭酸エステルとしては、下記式(21)で表される炭酸エステルを使用することができる。
Figure 0004958971
(式中、Rは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
上記式(26)のRとしては、より好ましくは、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、直鎖状または分岐状の炭素数1〜8ノアルキル基である。このようなRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜8の整数より選ばれる数である脂肪族炭化水素基であるアルキル基が挙げられる。このような炭酸ジアルキルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル(各異性体)、炭酸ジブチル(各異性体)、炭酸ジペンチル(各異性体)、炭酸ジヘキシル(各異性体)、炭酸ジヘプチル(各異性体)、炭酸ジオクチル(各異性体)等が例示される。中でも、アルキル基を構成する炭素原子の数が4〜6の整数から選ばれる数である炭酸ジアルキルが好ましく使用される。
該炭酸エステルの製造方法としては、公知の方法を用いることができるが、好ましくは、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素を反応させて炭酸エステルを製造する。すなわち、該炭酸エステルは、以下の工程によって製造することができる。
工程(A):(炭酸エステル生成工程)スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを含有する反応混合物を得る工程、
工程(B):(炭酸エステル分離工程)該反応混合物から該炭酸エステルを分離するとともに残留液を得る工程。
また、これらの工程(A)および工程(B)に加えて、以下の工程(C)および工程(D)をおこない、
工程(C):(有機スズ化合物再生工程)工程(B)で得られた該残留液とアルコールとを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程、
工程(D):(リサイクル工程)工程(C)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(A)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
工程(A)で使用される有機スズ化合物として、好ましくはジアルキルスズ化合物を使用する。ジアルキルスズ化合物とは、1つのスズ原子に2個のアルキル基が結合している有機スズ化合物をいう。
該ジアルキルスズ化合物の例としては、下記式(27)で表されるジアルキルスズ化合物および下記式(28)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
Figure 0004958971
(式中:
13およびR14は、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、各々独立に、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
aおよびbは、各々0〜2の整数であり、a+b=2であり;
cおよびdは、各々0〜2の整数であり、c+d=2である。)
Figure 0004958971
(式中:
15、R16、R17およびR18は、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
e、f、g、hは、各々0〜2の整数であり、e+f=2、g+h=2である。)
上記式(27)で表されるジアルキルスズ触媒のR13およびR14、ならびに上記式(28)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のR15、R16、R17およびR18の例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜12の整数より選ばれる数である脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは、該基を構成する炭素原子の数が1〜8の整数より選ばれる数である直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該基を構成する炭素原子の数が以上に示した範囲以外のアルキル基であるジアルキルスズ化合物も使用できるが、流動性が悪くなったり、生産性を損なったりする場合がある。さらに工業的生産時の入手の容易さを考慮すれば、n−ブチル基、n−オクチル基がさらに好ましい。
上記式(27)で表されるジアルキルスズ化合物のXおよびX、ならびに式(28)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のXおよびXとしては、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基該基を表し、該基が、アルコキシ基および/またはアシルオキシ基である場合は、該基を構成する炭素原子の数が、0〜12の整数より選ばれる数である基であることが好ましい。このような例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブトキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基と酸素原子から構成されるアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ラウロイルオキシ基等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基とカルボニル基と酸素原子から構成されるアシルオキシル基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン原子が例示される。流動性や、溶解性を考慮し、また、炭酸エステル製造触媒として用いることを考慮すれば、さらに好ましい例としては、炭素数4〜6のアルコキシ基である。
式(27)で示されるジアルキルスズ化合物の例としては、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズ、ジメチル−ジアセトキシスズ、ジメチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジバレリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアシルオキシスズ、ジメチル−ジクロロスズ、ジメチル−ジブロモスズ、ジブチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジブチル−ジブロモスズ(各異性体)、ジオクチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブロモスズ(各異性体)等のジアルキル−ジハロゲン化スズ等を挙げることができる。
これらの中でも、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキルスズジアルコキシドが好ましく、中でもジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズがより好ましく、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(27)で表されるジアルキルスズ化合物は単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
式(28)で示されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアシルオキシジスタンオキサン、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジハロゲン化ジスタンオキサンを挙げることができる。
これらの中でも、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサンがより好ましく、中でも1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(28)で表されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
一般に、有機スズ化合物は会合構造をとりやすく、例えばジアルキルスズジアルコキシスズはダイマー構造を形成したり、テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは、2分子または3分子が会合したラダー構造を形成して存在する場合もあることが知られているが、このような会合状態が変化する場合であっても、単量体構造で化合物を表すことは、当業者にとっては一般的である。
また、上記で示したジアルキルスズ化合物は単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
該ジアルキルスズ化合物の製造方法としては、既に開示されている製造方法(WO2005/111049など)が好ましく利用できる。本工程はジアルキル酸化スズとアルコールとから、ジアルキルスズ化合物を製造する工程である。
本実施の形態において用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用される。
アルキルスズアルコキシド合成工程で使用するジアルキル酸化スズは、下記式(29)で示したジアルキル酸化スズを用いる。
Figure 0004958971
(式中:
19およびR20は、各々独立に、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
19およびR20の例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ウンデシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基であり、さらに好ましくは、n−ブチル基、n−オクチル基である。
該アルコールと該ジアルキル酸化スズとを脱水反応させ、生成する水を系外に除去しながらテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンおよび/またはジアルキルスズジアルコキシドを得る。該反応が実施される温度は、例えば、80〜180℃の範囲で、生成する水を系外に蒸留除去するために、反応圧力にもよるが、100℃〜180℃が好ましく、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、さらに好ましくは100℃〜160℃の範囲である。反応の圧力は、生成する水が系外に除去できる圧力であり、反応温度にもよるが、20〜1×10Paで行われる。脱水反応の反応時間に、特に制限はなく、通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜2時間である。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程1で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点では、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法も使用できるが、本工程で使用するジアルキル酸化スズが通常固体状であるため、まず、槽状反応器で実施し、次いで塔型反応器でジアルキルスズジアルコキシドの含有量をあげる方法が最も好ましい。反応器およびラインの材質は、悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程(A)は、上記方法によって製造したジアルキルスズ化合物と、ガス状の二酸化炭素とを反応させて、炭酸エステルを製造する工程である。該工程は、既に開示されている炭酸エステルの製造方法(WO 03/055840、WO 04/014840など)が好ましく使用される。
本工程に供給されるアルキルスズ化合物は、スタートアップ時にアルキルスズアルコキシド合成工程から供給される場合と、連続製造時に、後述する工程(C)のジアルキルスズ化合物製造工程から供給される場合がある。
該工程においては、まず、上記したジアルキルスズアルコキシドとガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させてジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含む混合物を得る。
該化学反応させる際には、該ジアルキルスズアルコキシドを液状として反応させる。液状とするには、加熱によって液状とする方法が好ましく使用できる。また、溶媒等によって液状としてもよい。反応させる圧力は、反応させる温度にもよるが、常圧〜1MPaの範囲が好ましく、常圧〜0.6MPaの範囲が更に好ましい。該反応させる温度は、反応させる圧力にもよるが、−40℃〜80℃の範囲が好ましく、移送の際の流動性を考慮すると、0℃〜80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば20℃)〜80℃である。反応時間は数秒〜100時間の範囲で実施してよく、生産性等を考慮すれば、数分〜10時間が好ましい。反応器は公知の槽型反応器、塔型反応器が使用できる。また、複数の反応器を組み合わせて使用してもよい。反応は二酸化炭素ガス(気体)とアルキルスズアルコキシド組成物(液体)の反応であるため、効率よく反応させるためには、気液界面を大きくしてガスと液の接触面積を大きくすることが好ましい。このような気液界面を大きくして反応させる方法は公知の知見が利用でき、例えば、槽型反応器では、攪拌速度を上げたり、液中に気泡を発生させるような方法が好ましく、塔型反応器では、充填塔を利用したり、棚段塔を利用する方法が好ましい。このような塔型反応器の例としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のもの等が利用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。反応は通常発熱反応であるから、冷却してもよいし、または反応器の放熱によって冷却してもよい。あるいは炭酸エステル化反応を併発させる目的であれば加熱してもよい。反応器の冷却、加熱はジャケットによる方法、内部コイルによる方法等公知の方法が使用できる。反応器に供給する二酸化炭素ガスとアルキルスズアルコキシド組成物はそれぞれ別々に反応器に供給してもよいし、反応器に供給する前に混合しておいてもよい。反応器の複数箇所から供給してもかまわない。反応終了は、例えば、119Sn−NMR分析によって決定することができる。
次に、上記で得られたジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体から、以下の方法により、炭酸エステルを含む反応液を得る。
反応条件は、110℃〜200℃の範囲、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、好ましくは120℃〜180℃の範囲であり、0.1時間〜10時間の範囲、反応圧力は、1.5MPa〜20MPa、好ましくは2.0MPa〜10MPaの範囲である。反応は所望の炭酸エステルが反応器中に生成してから終了すればよい。反応の進行は、反応器内の反応液をサンプリングし、H−NMRやガスクロマトグラフィー等の方法で生成した炭酸エステルを分析する方法等で確認できる。例えば、ジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中に含まれていたジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体のモル数に対して10%以上生成したら反応を終了してもよく、炭酸エステルの収量を多くしたい場合、該値を90%以上になるまで反応を続けてから終了する。反応器は公知の反応器が使用でき、塔型反応器、槽型反応器共に好ましく使用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
本実施の形態における工程(B)は、前述の工程(A)で得られた、炭酸エステルを含む反応液から、炭酸エステルを分離し、残留液を得る工程である。分離方法は公知の方法や装置が好適に利用できる。好ましい方法は蒸留による方法である。
前述の工程(A)から移送された反応液をバッチもしくはセミバッチ、または連続的に蒸留して炭酸エステルと残留液を得る。好ましい蒸留方法は、該反応液を蒸留器に供給し、炭酸エステルを気相成分として蒸留器上部から系外へ分離し、残留液を液状成分として蒸留器の底部から抜き出す方法である。本工程の温度は該炭酸エステルの沸点や圧力にもよるが、常温(例えば20℃)〜200℃の範囲でよく、高温では残留液中のスズ化合物の変性がおこる場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少してしまう場合もあるので常温(例えば20℃)〜150℃の範囲が好ましい。圧力は、炭酸エステルの種類や、実施する温度にもよるが、通常常圧から減圧条件でおこない、生産性を考慮すれば、100Pa〜80KPaの範囲が更に好ましく、100Pa〜50KPaが最も好ましい範囲である。時間は、0.01時間〜10時間の範囲で実施でき、高温で長時間で実施すると、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少する場合もあるため、0.01時間〜0.5時間の範囲が好ましく、0.01時間〜0.3時間の範囲が最も好ましい。蒸留器は公知の蒸留器が使用でき、塔型蒸留器、槽型蒸留器も好ましく使用することができるし、複数組み合わせて使用しても構わない。さらに好ましい蒸留器は薄膜蒸発器、薄膜蒸留器であり、蒸留塔を備えた薄膜蒸発器、薄膜蒸留器が最も好ましい。蒸留器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
以上、ジアルキルスズ化合物を使用した炭酸エステルの製造例を示したが、上述した工程(A)および工程(B)に加えて、以下の工程(C)および工程(D)をおこなうことができる。
工程(C)は、工程(B)で得られた残留液とアルコールを反応させてジアルキルスズ化合物を再生する工程である。
本工程で用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用されるが、より好ましくは、上記したアルキルスズアルコキシド合成工程で使用したアルコールと同じアルコールを使用する。
脱水反応の条件も上記したアルキルスズアルコキシド合成工程と同様の条件で実施することが好ましい。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程1で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。本工程では、アルキルスズアルコキシドの合成工程とは異なって、通常固体であるジアルキル酸化スズを使用しないので、反応器の制約は少ない。即ち、脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法が特に好ましい。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
以上の工程(C)で製造されるジアルキルスズ化合物は、次の工程(D)により、工程(A)で使用されるジアルキルスズ化合物として再利用される。
一方、工程(1)で使用されるアミン化合物としては、下記式(30)で表されるアミン化合物が好ましく使用される。
Figure 0004958971
(式中、Rは、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
上記式(30)において、好ましくはnが2以上のポリアミンであり、さらに好ましくはnが2であるジアミン化合物が使用される。
上記式(30)において、Rは上記で説明した基が好ましい。
このようなポリアミン化合物の例としては、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミン;フェニレンジアミン(各異性体)、トルエンジアミン(各異性体)4,4’−メチレンジアニリン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。中でもヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミンが好ましく使用され、中でも、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンがより好ましく使用される。
工程(1)の反応がおこなわれる反応条件は,反応させる化合物によって異なるが,該アミン化合物のアミノ基に対して該炭酸ジアルキルを化学量論比で、2〜1000倍の範囲、反応速度を高め、反応を早期に完結させるためには、炭酸ジアルキルはアミン化合物のアミノ基に対して過剰量が好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは2〜100倍の範囲、さらに好ましくは、2.5〜30倍の範囲である。反応温度は、通常、常温(20℃)〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では好ましくない反応も起こる場合があるので、好ましくは50℃〜150℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜5時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによってカルバミン酸アルキルが所望量生成していることを確認して反応を終了することもできる。本実施の形態において、必要に応じて触媒を使用することができ、例えば、スズ、鉛、銅、チタン等の有機金属化合物や無機金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属のアルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒等を使用することができる。
本実施の形態においては、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素およびアルキル置換芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンもしくはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類およびチオエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用する。これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。また、アミン化合物のアミノ基に対して過剰量使用される炭酸ジアルキルも、該反応における溶媒として好適に使用される。
反応器も公知の槽型反応器、塔型反応器、蒸留塔が使用でき、反応器およびラインの材質は、出発物質や反応物質に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。
該工程(1)によって、カルバミン酸エステルと、余剰の炭酸エステルと、反応によって副生したアルコールを含有する混合液が得られる。該混合液中のアルコールは、工程(1)で使用した炭酸エステルに由来するアルキル基を有するアルコールである。
<工程(2)>
次に、工程(2)の、尿素とアルコールとアミン化合物との反応によってカルバミン酸エステルを製造する工程について説明する。
アルコールとしては、下記式(31)で表されるアルコールを使用することができる。
Figure 0004958971
(式中:
は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
上記式(31)におけるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)が挙げられる。
アミン化合物としては、上記したアミン化合物を使用することができる。
反応条件は、反応させる化合物によっても異なるが、アルコールの量は、使用されるアミン化合物のアミノ基に対して化学量論比で1倍〜500倍の範囲である。1倍より少ない量では複雑に置換した尿素化合物が生成しやすくなるため、大過剰のアルコールを使用することが好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは1倍〜100倍の範囲、さらに好ましくは5倍〜50倍の範囲である。尿素の量は、ポリアミン化合物のアミノ基に対して化学量論比で0.5倍〜3倍の範囲である。0.5倍より少ない量では、複雑に置換した尿素化合物が生成しやすくなるため、過剰量の尿素を使用することが好ましいが、過剰の尿素を使用した場合でも複雑に置換した尿素化合物が生成しやすくなったり、未反応の尿素が残存するため、好ましくは0.8倍〜2倍の範囲である。反応温度は、150℃〜280℃の範囲が好ましい。150℃より低い温度では、アルコールとアミン化合物や尿素、副生するアンモニアが強く結合するために、反応が遅かったり、反応がほとんど起こらなかったり、あるいは、複雑に置換した尿素化合物が増加したりするため好ましくない。一方、280℃よりも高い温度では、尿素が分解したり、アルコールが脱水素変性したり、あるいは、生成物であるポリカルバミン酸エステルの分解や変性等が生じやすくなるため、好ましくない。この意味において、より好ましい温度は180℃〜260℃の範囲、さらに好ましくは200℃〜250℃の範囲である。
該反応は平衡反応であり、反応が原系に偏っているため、副生するアンモニアを系外に除去しながら反応をおこなうことが好ましく、その方法としては、反応蒸留法、不活性ガスによる方法、膜分離、吸着分離による方法等をおこなうことができる。例えば、該反応蒸留法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを蒸留によって気体状で分離する方法である。アンモニアの蒸留効率を上げるために、溶媒またはヒドロキシ化合物の沸騰下でおこなうこともできる。また、不活性ガスによる方法とは、反応下で逐次生成するアンモニアを、気体状で不活性ガスに同伴させることによって反応系から分離する方法である。このような不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパン等を、単独で、あるいは混合して使用し、該不活性ガスを反応系中に導入する方法が好ましい。吸着分離する方法において使用される吸着剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、各種ゼオライト類、珪藻土類等の、当該反応が実施される温度条件下で使用可能な吸着剤が挙げられる。これらのアンモニアを系外に除去する方法は、単独で実施しても、複数種の方法を組み合わせて実施してもよい。
該反応において、例えば、反応速度を高める目的で、触媒を使用することができる。このような触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒、希土類元素、アンチモン、ビスマスの単体およびこれらの元素の酸化物、硫化物および塩類、ホウ素単体およびホウ素化合物、周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素族、チタン族の金属およびこれらの金属酸化物および硫化物、周期律表の炭素を除く炭素族、チタン族、バナジウム族、クロム族元素の炭化物および窒化物が好ましく用いられる。触媒を使用する場合、その使用量は特に制限されないが、アミン化合物のアミノ基に対して化学量論比で0.0001〜100倍の範囲で使用することができる。
反応圧力は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置等によって異なるが、通常、0.01〜10MPaの範囲で実施されることが好ましく、工業的実施の容易性を考慮すると、0.1〜5MPaの範囲が好ましい。反応時間は、反応系の組成、反応温度、アンモニアの除去方法、反応装置、反応圧力等によって異なるが、通常、0.01〜100時間である。
当該反応において、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な溶媒、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素およびびアルキル置換芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)等のアルコール類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンまたはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジブチルフェノール(各異性体)、ジペンチルフェノール(各異性体)等の芳香族ヒドロキシ化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類およびチオエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を反応溶媒として好適に使用する。更に、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン、クロロトルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン等のハロゲン化芳香族炭化水素化合物、クロロヘキサン、クロロシクロヘキサン、トリクロロフルオロエタン、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素化合物またはハロゲン化脂環族炭化水素化合物を例示することもできる。
当該反応を実施する際に使用する反応装置は、特に制限がなく、公知の反応器が使用できる。例えば、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器等、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。反応器の材質にも特に制限はなく、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。
該工程(2)によって、カルバミン酸エステルと、尿素とアルコールを含有する混合液が得られる。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(1)または工程(2)の混合物と芳香族ヒドロキシ化合物を用いて、該混合物に含有されるアルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離して、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を製造する工程である。
以下、工程(3)について説明する。
工程(3)は、好ましくは、工程(1)または工程(2)の混合物と芳香族ヒドロキシ化合物との混合液から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離し、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る工程である。該工程(3)を実施する方法としては、いくつかの方法が考えられるが、一つの態様は、蒸留装置においておこなわれ、工程(1)または工程(2)の混合物を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留装置に供給し、塔頂から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る。
また、別の態様としては、工程(1)または工程(2)の混合物から、一部または全部のアルコール、および/または、一部の、炭酸エステルまたは尿素を分離して得られる混合物と、芳香族ヒドロキシ化合物とを混合し、該混合液から、炭酸エステルまたは尿素を分離する。すなわち、工程(3)が蒸留装置においておこなわれ、下記の工程(3−1)および工程(3−2)を含む工程にて実施される。
工程(3−1):工程(1)または工程(2)の混合物を蒸留装置に供給し、塔頂から、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を含有する混合液を回収する工程、
工程(3−2);工程(3−1)の混合液を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留装置に供給し、塔頂からアルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を回収する工程。
カルバミン酸エステルを製造して得られる反応液から、炭酸エステルとアルコール、または、尿素とアルコールを蒸留分離して、カルバミン酸エステルを得、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを混合する方法によっても、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得ることができる。しかしながら、当該方法では、蒸留分離において、例えば、上述の式(2)で示すように、カルバミン酸エステルのエステル基同士が脱炭酸エステル反応を起こして二量化またはは多量化する等によって、カルバミン酸エステルの熱変性反応が生起しやすく、カルバミン酸エステルの収量が低下するだけでなく、該蒸留分離がおこなわれる反応器にポリマー状の付着物が蓄積して長時間の運転に支障をきたす等の課題があった。本発明者らは、この課題に対して鋭意検討をおこなった結果、カルバミン酸エステルを製造して得られる反応液から、炭酸エステルとアルコール、または、尿素とアルコールの蒸留分離を、上述の芳香族ヒドロキシ化合物の共存下でおこない、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として回収する方法により、上記したようなカルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制し、当該課題を解決できることを見出した。カルバミン酸エステルの熱変性が抑制される機構については明らかではないが、本発明者らは、例えば、カルバミン酸エステルのエステル基と芳香族ヒドロキシ化合物とが水素結合を形成して、カルバミン酸エステルのエステル基同士が水素結合によって近接するのを抑制し、上記したような、カルバミン酸エステルのエステル基同士による脱炭酸エステル反応を抑制するためと推測している。
該蒸留分離をおこなうに際して使用する芳香族ヒドロキシ化合物の量は、該反応液に含有されるカルバミン酸エステルのエステル基のモル数と芳香族ヒドロキシ化合物のモル数の比が、1:0.1〜1:500の範囲であるが、上述したように、該反応液に含有されるカルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制するためには、使用する芳香族ヒドロキシ化合物は多い方が好ましいが、該蒸留分離をおこなう装置の大きさや該蒸留分離において必要とされる熱量を考慮すると、より好ましくは1:0.2〜1:300、さらに好ましくは1:0.3〜30の範囲であり、最終的に得られる、本実施の形態の組成物におけるカルバミン酸エステルのエステル基のモル数と芳香族ヒドロキシ化合物とのモル数の比を勘案し、さらに、蒸留分離における芳香族ヒドロキシ化合物の留出量等を考慮して決定することができる。
該蒸留分離がおこなわれる圧力は、該蒸留分離が実施される蒸留装置に供給される液の組成、温度、蒸留装置等によって異なるが、減圧下でも、大気圧下でも、加圧下でもおこなわれるが、通常、0.01kPa〜10MPaの範囲で実施されることが好ましく、工業的実施の容易性を考慮すると、より好ましくは0.1kPa〜1MPaの範囲、さらに好ましくは0.5kPa〜50kPaの範囲が好ましい。
蒸留分離がおこなわれる装置およびラインの材質は、出発物質や反応物質に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。蒸留装置の形式に、特に制限はなく、公知の蒸留装置が使用できる。該蒸留分離において、アルコール、炭酸エステルまたは尿素は、気体成分として蒸留装置から抜き出し、カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む混合液を蒸留装置下部から液状で抜き出すためのラインを具備しているものが好ましく使用される。このような蒸留装置として、例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む蒸留装置を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。
多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。このような多段蒸留塔としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のもの等、通常、多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。充填塔は、塔内に上記した公知の充填剤を充填した充填塔ならばどのようなものでも使用することができる。さらに、棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。該蒸留塔には、カルバミン酸エステルを製造して得られる反応液と芳香族ヒドロキシ化合物、または、これらの混合物を供給するためのラインと、アルコールと炭酸エステルまたは尿素を気相成分として抜き出すためのラインと、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む混合液を抜き出すためのラインを備えていることが好ましく、該気相成分を抜き出すためのラインは、蒸留がおこなわれる装置の気相成分を抜き出せる位置にあり、該カルバミン酸アリールと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む混合液を抜き出すためのラインが下方にあることが特に好ましい。アルコールと炭酸エステルまたは尿素は、当該蒸留分離がおこなわれる装置においてそれぞれ蒸留されて抜き出されてもよいし、混合物として抜き出されてもよい。
不活性ガスおよび/または液体状の不活性溶媒を該装置の下方から供給するラインを別途取り付けてもよいし、該蒸留操作によって得られる組成物が、所望しない量のアルコール、炭酸エステルまたは尿素を含有している場合は、該組成物の一部または全部を、再度、蒸留がおこなわれる装置に循環させるラインを取り付けてもよい。なお、前述の不活性溶媒を用いる場合、該不活性溶媒は気体状および/または液体状であってもよい。
該装置から抜き出したアルコール、炭酸エステル、尿素、共沸および/または同伴された芳香族ヒドロキシ化合物等は、蒸留塔等公知の方法も用いて精製しリサイクル使用してかまわない。それぞれのラインは詰まり等を考慮して、保温、冷却、加熱する設備を付加しても差し支えない。
蒸留分離で得られる、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物の混合物におけるカルバミン酸エステルのエステル基のモル数と芳香族ヒドロキシ化合物とのモル数の比が、所望するモル比に対して、芳香族ヒドロキシ化合物が少ない場合は、該混合物に芳香族ヒドロキシ化合物を添加して所望のモル比としてもよい。反対に、蒸留分離で得られる、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物との混合物におけるカルバミン酸エステルのエステル基のモル数と芳香族ヒドロキシ化合物とのモル数の比が、所望するモル比に対して、芳香族ヒドロキシ化合物が多い場合は、さらに蒸留によって芳香族ヒドロキシ化合物を分離して、所望のモル比としてもよい。
また、上記で説明した工程(3)において回収される、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を、工程(1)もしくは工程(2)で再利用することもできる。
<工程(4)>
工程(4)は、工程(3)で得られる組成物を、液体の状態で工程(5)が実施される反応器に移送する工程である。該工程(4)において、該組成物を移送する際の温度は、好ましくは180℃以下である。該組成物を液体状として移送する際は、該組成物が均一な液体となる温度以上の温度に加熱して液体状とするが、該組成物が均一な液体となる温度が180℃よりも高い場合は、該組成物を液体状とする際に、該組成物を構成するカルバミン酸エステルの熱分解反応が生起して、所望しない場所でイソシアネートを生成する場合があり好ましくない。このような観点から、該組成物が均一な液体となる温度は、好ましくは180℃以下であり、移送ラインの保温のしやすさ等から、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。
<工程(5)>
工程(5)は、工程(4)で移送した組成物を用いてイソシアネートを製造する工程である。該工程(5)は、該組成物に含有されるカルバミン酸エステルを、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物存在下で熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法、または、該組成物に含有されるカルバミン酸エステルを、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物と反応させて該芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基を有するカルバミン酸アリールを得、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを製造する方法、または、これらの方法を組み合わせた方法によっておこなうことができる。以下、工程(5)について説明する。工程(5)としては、次に示す2つの方法をおこなうことができる。
<直接法>
まず第1の方法として、該組成物に含有されるカルバミン酸エステルを、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物存在下で熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法について説明する。
該熱分解反応は、カルバミン酸エステルから、対応するイソシアネートと、ヒドロキシ化合物(カルバミン酸エステルに由来するアルコールもしくは芳香族ヒドロキシ化合物)と、を生成させる反応であり、上記した芳香族ヒドロキシ化合物存在下に実施される。
反応条件は、使用する化合物によって異なるが、芳香族ヒドロキシ化合物の使用量は、カルバミン酸エステルに対する化学量論比で、1〜100倍が好ましい。上述のような副反応を抑制する点から芳香族ヒドロキシ化合物の使用量は多い方が好ましいが、反応器の大きさ等を考慮すると、より好ましくは、2〜80倍、さらに好ましくは、2〜50倍である。該熱分解反応に際して、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物と同種の芳香族ヒドロキシ化合物をさらに添加してもよいし、生成するイソシアネート、ヒドロキシ化合物等との分離を考慮して、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物とは異なる種の芳香族ヒドロキシ化合物を添加して熱分解反応をおこなっても差し支えない。
反応温度は、通常、100℃〜400℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではカルバミン酸エステルおよび/または生成物であるイソシアネートによって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、好ましくは130℃〜300℃の範囲であり、さらに好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常、20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.01〜50時間、より好ましくは0.1〜30時間である。本実施の形態において、触媒を使用することができ、該触媒はカルバミン酸アリールの重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%で使用される。該触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナスオクトエート等の有機金属触媒、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等のアミン類が使用に適し、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエート等の有機金属触媒が好適である。これらの化合物は単独でも二種類以上の混合物として使用してもよい。
本実施の形態においては、溶媒を使用することもでき、例えば、ペンタン(各異性体)、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素およびアルキル置換芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル化合物;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンまたはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテル類およびチオエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル化合物;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類等を使用することができるが、該ヒドロキシ化合物の分離・回収の際に操作が煩雑となることから、好ましくは溶媒を使用することなく、カルバミン酸エステルの熱分解反応を実施する。
上述したように、本実施の形態における熱分解反応は、該カルバミン酸エステルから、対応するイソシアネートとヒドロキシ化合物を生成する反応であるが、該熱分解反応は平衡反応である。したがって、該熱分解反応において、効率よくイソシアネートを得るためには、該熱分解反応における生成物であるイソシアネートまたは該ヒドロキシ化合物の、少なくとも一方の化合物を、例えば、蒸留等の方法により、該熱分解反応の系より気体成分として取り出すことが好ましい。該イソシアネートと該ヒドロキシ化合物のどちらを気体成分として取り出すかは、使用する化合物によって任意に決定することができ、例えば、該イソシアネートと該ヒドロキシ化合物の各々の標準沸点を比較して、標準沸点の低い方を気体成分として取り出せばよい。
該熱分解反応は、好ましくは連続法によっておこなわれる。連続法とは、該カルバミン酸エステルを、反応器に連続的に供給して、熱分解反応に付し、生成するイソシアネートまたはヒドロキシ化合物の少なくとも一方を気体成分として反応器から取り出し、該カルバミン酸エステルおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を含有する溶液の一部または全部を該反応器の底部から取り出す方法である。
連続法により、該カルバミン酸エステルの熱分解反応がおこなわれる場合、該カルバミン酸エステルは、本実施の形態の、芳香族ヒドロキシ化合物との組成物として、熱分解反応がおこなわれる反応器に供給される。該カルバミン酸エステルは、常温(例えば25℃)において固体である場合が多いが、本実施の形態の組成物では液体である場合が多く、連続的に反応器に供給する上で有利である場合が多い。また、本実施の形態の組成物を反応器へ移送する際には、該組成物の粘度が低い方が有利である場合が多いことから、該組成物をある温度(例えば130℃)に保持された状態で反応器に供給される場合が多い。カルバミン酸エステルを、かかる温度条件下で長時間保持すると、上記したような副反応が生起して、最終的なイソシアネートの収率低下を招くことがあるが、本発明者らは、驚くべきことに、本実施の形態における組成物は、かかる温度条件下で長時間保持した場合でも、上記したような副反応を生起しにくいことを見出した。これらの芳香族ヒドロキシ化合物が副反応を抑制する機構については明らかではないが、本発明者らは、上述のように、芳香族ヒドロキシ化合物については、例えば、上記式(2)で表される尿素結合を形成する反応において、カルバミン酸エステルのウレタン結合(−NHCOO−)と芳香族ヒドロキシ化合物とが水素結合を形成することにより、ウレタン結合同士が近接しにくい状態を形成するため、尿素結合を形成する反応を生起しにくいのではないかと推測している。
該熱分解反応がおこなわれる反応器およびラインの材質は、該カルバミン酸エステルや生成物であるヒドロキシ化合物、イソシアネートに悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。反応器の形式に特にも制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。熱分解反応において生成するイソシアネートまたはヒドロキシ化合物の少なくとも一方を含む低沸点混合物は、気体成分として反応器から抜き出し、未反応のカルバミン酸エステルや気体成分として抜き出されなかった化合物を含む混合液の一部または全部を反応器下部から液状で抜き出すためのラインを具備しているものが好ましく使用される。このような反応器として、たとえば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、薄膜蒸発器、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
該反応器には、カルバミン酸エステルを供給するためのラインと、熱分解反応によって生成するイソシアネートまたはヒドロキシ化合物の少なくとも一方の化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインと、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバミン酸エステルと該活性水素を有する化合物を含む混合液を抜き出すためのラインと、を備えていることが好ましく、イソシアネートまたはヒドロキシ化合物の少なくとも一方の化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインは、反応器中の気体成分を抜き出せる位置にあり、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバミン酸エステルと該芳香族ヒドロキシ化合物とを含む混合液を抜き出すためのラインが下方にあることが特に好ましい。
また、不活性ガスおよび/または液体状の不活性溶媒を該反応器下方から供給するラインを別途取り付けてもよいし、反応器の底部から抜き出された、未反応のカルバミン酸エステルおよび/または該活性水素を有する化合物を含む混合液の、一部または全部を再度反応器に循環させるラインを取り付けてもよい。それぞれのラインは詰まり等を考慮して、保温、冷却、加熱する設備を付加しても差し支えない。
当該熱分解反応において取り出される気体成分、および/または、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を含む混合液は、イソシアネート以外の化合物として、芳香族ヒドロキシ化合物および/またはアルコールを含有する場合が多いが、このうち、該芳香族ヒドロキシ化合物は、工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物として再利用することができる。一方のアルコールは、炭酸エステルを製造する工程の、工程(A)のジアルキルスズ化合物の製造に使用されるアルコールとして再利用することもできるし、アミン化合物とアルコールと尿素とからカルバミン酸エステルを製造する際に使用されるアルコールとして再利用することもできる。
<エステル交換・分解法>
工程(5)の第2の方法として、工程(4)の組成物に含有されるカルバミン酸エステルを、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物と反応させて該芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基を有するカルバミン酸アリールを得、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを製造する方法について説明する。
該工程は、以下に示す工程(5−1)および工程(5−2)を含む工程である。
工程(5−1):工程(4)の組成物に含有されるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、生成する低沸点成分を気体成分として回収し、該カルバミン酸アリールと該芳香族ヒドロキシ化合物とを含む反応液を、該反応がおこなわれる反応器底部から取り出す工程、
工程(5−2):工程(5−1)の反応液を、熱分解反応がおこなわれる反応器に供給して該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付し、生成するイソシアネートを芳香族ヒドロキシ化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気体成分として回収し、気体成分として回収されない、イソシアネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物および/またはカルバミン酸アリールを含有する混合液の一部または全部を、該反応器底部から回収する工程。
<工程(5−1)>
工程(5−1)では、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を反応させて該芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基を有するカルバミン酸アリールを得る。該反応は、該カルバミン酸エステルのエステル基を、該芳香族ヒドロキシ化合物に由来するアリールオキシ基と交換させて、対応するカルバミン酸アリールと、該カルバミン酸エステルに由来するヒドロキシ化合物とを生成する反応(本明細書においてはエステル交換反応と呼称する)である。
該エステル交換反応における反応条件は、反応させる化合物によって異なるが、該カルバミン酸エステルのエステル基に対して該芳香族ヒドロキシ化合物を化学量論比で表して、2〜1000倍の範囲で使用する。本発明者らが鋭意検討した結果、驚くべきことに、該エステル交換反応において、上記したような、ヒドロキシル基に対して少なくとも1つのオルト位に置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物を使用することにより、該エステル交換反応におけるカルバミン酸エステルおよび/または生成物であるカルバミン酸アリールによる、上記したような副反応を抑制できることを見出した。エステル交換反応において、カルバミン酸エステルおよび/または生成物であるカルバミン酸アリールによる副反応を抑制し、また、反応を早期に完結させるためには、該芳香族ヒドロキシ化合物は該カルバミン酸エステルのエステル基に対して過剰量が好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは2〜100倍の範囲、さらに好ましくは、5〜50倍の範囲である。
該エステル交換反応に際して、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物と同種の芳香族ヒドロキシ化合物をさらに添加してもよいし、生成するイソシアネート、ヒドロキシ化合物等との分離を考慮して、該組成物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物とは異なる種の芳香族ヒドロキシ化合物を添加して熱分解反応をおこなっても差し支えない。
反応温度は、通常、100℃〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では副反応が生じやすくなる場合があるので、好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.01〜50時間、より好ましくは0.1〜30時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによってカルバミン酸アリールが所望量生成していることを確認して反応を終了することもできる。本実施の形態において、該触媒はカルバミン酸エステルの重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%で使用される、該触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナスオクトエート等の有機金属触媒、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等のアミン類が使用に適し、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエート等の有機金属触媒が好適である。これらの化合物は単独でも二種類以上の混合物として使用してもよい。
本実施の形態においては、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素およびアルキル置換芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンまたはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテルおよびチオエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類;シリコーン油等を反応溶媒として使用することができ、これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。
上述したように、本実施の形態におけるエステル交換反応は、該カルバミン酸エステルのエステル基を、該芳香族ヒドロキシ化合物に由来するアリールオキシ基と交換させて、対応するカルバミン酸アリールとアルコールとを生成する反応であるが、該エステル交換反応は平衡反応である。したがって、該エステル交換反応によって、効率よくカルバミン酸アリールを製造するためには、該反応系から生成物を除去することが好ましい。該反応系において、標準沸点の最も低い化合物は、エステル交換反応により生成するアルコールであるため、該アルコールを反応系から、例えば、蒸留分離する方法により除去することが好ましい。
また、該エステル交換反応を効率よく進行させるため、該エステル交換反応は、好ましくは、連続法でおこなわれる。即ち、該カルバミン酸エステルと該芳香族ヒドロキシ化合物を、反応器に連続的に供給して、エステル交換反応に付し、生成するアルコールを気体成分として反応器から取り出し、生成するカルバミン酸アリールと該芳香族ヒドロキシ化合物とを含む反応液を、反応器底部から連続的に取り出す方法が好ましい。該方法によりエステル交換反応をおこなった場合、驚くべきことに、エステル交換反応を促進させるのみではなく、上述したような副反応を抑制し、最終的なイソシアネートの収率を向上させる効果がある。
該エステル交換反応がおこなわれる反応器およびラインの材質は、出発物質や反応物質に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。反応器の形式に、特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。該エステル交換反応において生成する、アルコールを含む低沸点反応混合物は、気体成分として反応器から抜き出し、製造されるカルバミン酸アリールおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む混合液を反応器下部から液状で抜き出すためのラインを具備しているものが好ましく使用される。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという観点から、薄膜蒸発器、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また、生成するアルコールを気相にすみやかに移動させられる、気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。このような多段蒸留塔としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のもの等、通常多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。充填塔は、塔内に上記した公知の充填剤を充填した充填塔ならばどのようなものでも使用することができる。さらに、棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。該反応器には、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合物を供給するためのラインと、エステル交換反応によって生成するアルコールを含む気相成分を抜き出すためのラインと、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を含む混合液を抜き出すためのラインを備えていることが好ましく、該アルコール含む気相成分を抜き出すためのラインは、反応器中の気相成分を抜き出せる位置にあり、該カルバミン酸アリールと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む混合液を抜き出すためのラインが下方にあることが特に好ましい。
不活性ガスおよび/または液体状の不活性溶媒を該反応器下方から供給するラインを別途取り付けてもよいし、生成したカルバミン酸アリールと芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する混合液が、未反応のカルバミン酸エステルを含有している場合は、該混合液の一部または全部を再度反応器に循環させるラインを取り付けてもよい。なお、前述の不活性溶媒を用いる場合、該不活性溶媒は気体状および/または液体状であってもよい。
反応器から抜き出したアルコールを含む気体成分を蒸留塔等公知の方法も用いて精製し、共沸および/または同伴された該芳香族ヒドロキシ化合物等をリサイクル使用してかまわない。それぞれのラインは詰まり等を考慮して、保温、冷却、加熱する設備を付加しても差し支えない。
該エステル交換反応によって好ましく製造されるカルバミン酸アリールは、下記式(32)〜(34)で表されるカルバミン酸アリールである。
Figure 0004958971
(式中、環Bは、置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環およびアントラセン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造を表し、
21は、水素原子以外の基であって、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、
22は、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表す。)
これらの中でも、より好ましく製造されるカルバミン酸アリールは、下記式(35)〜(37)で表されるカルバミン酸アリールである。
Figure 0004958971
(式中、R21は、水素原子以外の基であって、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、
22、R23、R24、およびR25は、各々独立に、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、または水素原子を表す。)
式(35)で表されるポリカルバミン酸アリールの例としては、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−エチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−プロピルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−ブチルフェニル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−オクチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2−クミルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジエチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジブチルフェニル)(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジクミルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジメチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジエチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,3,6−トリメチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)エステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4,6−トリプロピルフェニル)エステル(各異性体)等を挙げることができる。また、式(36)で表されるポリカルバミン酸アルキルの例としては、ビス(2−エチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ビス(2−プロピルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−ブチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−ペンチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−ヘキシルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−ヘプチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−オクチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2−クミルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジプロピルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジブチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジペンチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジヘキシルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジヘプチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジオクチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4−ジクミルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,6−ジエチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,6−ジプロピルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ビス(2,4,6−トリプロピルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)等を挙げることができる。さらに、式(37)で表されるポリカルバミン酸アルキルの例としては、3−((2−エチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−エチルフェニル)エステル、3−((2−プロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−プロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2−ブチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−ブチルフェノキシ)エステル(各異性体)、3−((2−ペンチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2−ヘキシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2−ヘプチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2−オクチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−オクチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2−クミルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2−クミルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジエチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジエチルフェニル)エステル、3−((2,4−ジプロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジブチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジブチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジペンチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジペンチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジヘキシルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジヘプチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジオクチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジオクチルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4−ジクミルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4−ジクミルフェニル)エステル、3−((2,6−ジメチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジメチルフェニル)エステル、3−((2,6−ジエチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジエチルフェニル)エステル、3−((2,6−ジプロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジプロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−((2,4,6−トリメチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリメチルフェニル)エステル、3−((2,4,6−トリエチルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリエチルフェニル)エステル、3−((2,4,6−トリプロピルフェノキシ)カルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリプロピルフェニル)エステル(各異性体)等を挙げることができる。
該エステル交換反応において製造されたカルバミン酸アリールは、反応器から取り出された、カルバミン酸アリールと芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する混合液のまま、次の熱分解反応に供されてもよいし、該混合液からカルバミン酸アリールが精製されて、熱分解反応に供されてもよい。該反応液からカルバミン酸アリールを精製する方法としては、蒸留によって芳香族ヒドロキシ化合物を留去する方法、溶媒によって洗浄する方法、晶析による該カルバミン酸アリールを精製する方法等の、公知の方法をおこなうことができる。
本実施の形態におけるカルバミン酸アリールは、芳香族ヒドロキシ化合物とイソシアネートとからなるカルバミン酸エステルであるため、一般的に知られているように、熱分解温度が低い。また、本実施の形態におけるカルバミン酸アリールは、驚くべきことに、熱分解反応がおこなわれるような高温下(例えば200℃)において、副反応(例えば、上述したような尿素結合を形成する反応)が極めて生じにくい。副反応が抑制される機構は明らかではないが、上述したように、ヒドロキシル基に対してオルト位の置換基がウレタン結合を立体的に保護し、別のカルバミン酸エステルのウレタン結合との反応を阻害するためではないかと推測している。
さらに、本実施の形態におけるカルバミン酸アリールの熱分解反応により生成する芳香族ヒドロキシ化合物は、ヒドロキシル基に対してオルト位に置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物であるが、驚くべきことに、該芳香族ヒドロキシ化合物とイソシアネートの反応速度は遅く、即ち、熱分解反応における逆反応速度が小さいことから、該カルバミン酸アリールの熱分解反応をおこなった際に、該芳香族ヒドロキシ化合物とイソシアネートの分離が容易であるという利点を有する。
当該エステル交換工程において生成する、カルバミン酸エステルに由来するアルコールは、炭酸エステルを製造する工程の、工程(A)のジアルキルスズ化合物の製造に使用されるアルコールとして再利用することもできるし、アミン化合物とアルコールと尿素からカルバミン酸エステルを製造する際に使用されるアルコールとして再利用することもできる。
<工程(5−2)>
工程(5−2)におけるカルバミン酸アリールの分解反応について説明する。
本実施の形態における該分解反応は、カルバミン酸アリールから、対応するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物を生成させる熱分解反応である。
反応温度は、通常100℃〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではカルバミン酸アリールおよび/または生成物であるイソシアネートによって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.01〜50時間、より好ましくは0.1〜30時間である。本実施の形態において、触媒を使用することができ、該触媒はカルバミン酸アリールの重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%で使用される、該触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナスオクトエート等の有機金属触媒、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等のアミン類が使用に適し、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエート等の有機金属触媒が好適である。これらの化合物は単独でも二種類以上の混合物として使用してもよい。上述のエステル交換反応において触媒を使用した場合は、エステル交換反応後の混合液に含まれる触媒を、そのまま熱分解反応における触媒として使用してもよいし、該熱分解反応を実施するに際して、カルバミン酸アリールに触媒を新たに添加してもよい。
本実施の形態においては、必ずしも反応溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)、ノナン(各異性体)、デカン(各異性体)等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)、エチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン(各異性体)、ジブチルベンゼン(各異性体)、ナフタレン等の芳香族炭化水素およびアルキル置換芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(各異性体)、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン(各異性体)、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のハロゲンもしくはニトロ基によって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、ジベンジルトルエン(各異性体)等の多環炭化水素化合物類;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のエステル類;ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド等のエーテルおよびチオエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類;シリコーン油等を反応溶媒として使用することができ、これらの溶媒は単独でも2種類以上の混合物として使用することもできる。
上述したように、本実施の形態における熱分解反応は、該カルバミン酸アリールから、対応するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを生成する反応であるが、該熱分解反応は平衡反応である。したがって、該熱分解反応において、効率よくイソシアネートを得るためには、該熱分解反応における生成物であるイソシアネートまたは該芳香族ヒドロキシ化合物の、少なくとも一方の化合物を、例えば、蒸留等の方法により、該熱分解反応の系より気体成分として取り出すことが好ましい。該イソシアネートと該芳香族ヒドロキシ化合物のどちらを気体成分として取り出すかは、使用する化合物によって任意に決定することができ、例えば、該イソシアネートと該芳香族ヒドロキシ化合物の各々の標準沸点を比較して、標準沸点の低い方を気体成分として取り出せばよい。
該カルバミン酸アリールも、カルバミン酸エステルに比べると極めて程度は低いが、高温下で長時間保持された場合、上述したような副反応が生じる場合がある。また、熱分解反応によって生成したイソシアネートによって上述したような副反応が引き起こされる場合がある。したがって、該カルバミン酸アリールおよび該イソシアネートが高温下に保持される時間は、可能な限り短時間であることが好ましく、該熱分解反応は、好ましくは連続法でおこなわれる。連続法とは、該カルバミン酸アリールを、反応器に連続的に供給して、熱分解反応に付し、生成するイソシアネートまたは芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも一方を気体成分として反応器から取り出す方法である。
該熱分解反応がおこなわれる反応器およびラインの材質は、該カルバミン酸アリールや生成物である芳香族ヒドロキシ化合物、イソシアネートに悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。反応器の形式に特にも制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。熱分解反応において生成するイソシアネートまたは芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも一方を含む低沸点混合物は、気体成分として反応器から抜き出し、未反応のカルバミン酸アリールや気体成分として抜き出されなかった化合物を含む混合液を反応器下部から液状で抜き出すためのラインを具備しているものが好ましく使用される。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、薄膜蒸発器、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
該反応器には、カルバミン酸アリールを供給するためのラインと、熱分解反応によって生成するイソシアネートまたは芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも一方の化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインと、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバミン酸アリールとを含む混合液を抜き出すためのラインと、を備えていることが好ましく、イソシアネートまたは芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも一方の化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインは、反応器中の気体成分を抜き出せる位置にあり、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバミン酸アリールを含む混合液を抜き出すためのラインが下方にあることが特に好ましい。
また、不活性ガスおよび/または液体状の不活性溶媒を該反応器下方から供給するラインを別途取り付けてもよいし、未反応のカルバミン酸アリールと気体成分として取り出されなかった化合物を含む混合液の一部または全部を再度反応器に循環させるラインを取り付けてもよい。それぞれのラインは詰まり等を考慮して、保温、冷却、加熱する設備を付加しても差し支えない。なお、前述の不活性溶媒を用いる場合、該不活性溶媒は気体状および/または液体状であってもよい。
該熱分解反応において得られる芳香族ヒドロキシ化合物は、本実施の形態の組成物を製造する工程の工程(3)における芳香族ヒドロキシ化合物として再利用することができる。該芳香族ヒドロキシ化合物を再利用するに際しては、該芳香族ヒドロキシ化合物を、蒸留精製等の公知の方法によって精製したものを再利用してもよい。また、該熱分解反応において得られる芳香族ヒドロキシ化合物の全量を再利用しても、一部を再利用しても差し支えない。
表1は、以上に記した、本実施の形態における組成物、炭酸エステルおよび該炭酸エステルを用いる該組成物の製造工程、該組成物を使用したイソシアネートの製造工程、各工程において得られるアルコールおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物の再利用を組み合わせた、改良されたイソシアネートの製造方法の例のフローを示す表である。
Figure 0004958971
工程(A)および工程(B)を経て製造された炭酸エステル、および、アミン化合物を使用して、工程(1)においてカルバミン酸エステルを含有する混合物を製造する。該混合物に含有される過剰の炭酸エステルと副生物であるアルコールは、工程(3)において芳香族ヒドロキシ化合物存在下で蒸留分離し、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物と、含む本実施の形態の組成物を得る。アルコールは、工程(C)のジアルキルスズ化合物の再生工程におけるアルコールとして再利用され、炭酸エステルは工程(1)の炭酸エステルとして再利用される。次に、工程(3)で得た本実施の形態の組成物を使用してイソシアネートを製造するが、該イソシアネートの製造方法は、上記したように、該組成物を熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法をおこなっても、該組成物をエステル交換反応に付してカルバミン酸アリールを製造し、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付してイソシアネートを製造しても、あるいは両者を併せておこなってもよい。該イソシアネートの製造工程において、分離されるカルバミン酸エステルに由来するアルコールおよび芳香族ヒドロキシ化合物は、それぞれ、工程(C)のジアルキルスズ化合物再生工程、および、工程(3)のカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を製造する工程に再利用される。上記工程以外にも、精製工程等を付加しても構わない。
以上に記した本実施の形態の組成物は、カルバミン酸エステルの移送および貯蔵に好適な組成物であり、該組成物により、カルバミン酸エステルの、熱変性反応等による収量低下を抑制することができる。また、該組成物は、イソシアネートの製造に用いることができ、該組成物より製造されるイソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として好適に使用することができることから、本発明は、産業上極めて重要である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1)NMR分析方法
装置:日本国、日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
(1)H、13Cおよび119Sn−NMR分析サンプルの調製
サンプル溶液を約0.3g秤量し、重クロロホルム(米国、アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと内部標準物質としてテトラメチルスズ(日本国、和光純薬工業社製、和光一級)を0.05g加えて均一に混合した溶液をNMR分析サンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
2)液体クロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 LC−10ATシステム
カラム:日本国、東ソー社製 Silica−60カラム 2本直列に接続
展開溶媒:ヘキサン/テトラヒドロフラン=80/20(体積比)の混合液
溶媒流量:2mL/分
カラム温度:35℃
検出器:R.I.(屈折率計)
(1)液体クロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.1g秤量し、テトラヒドロフラン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてビスフェノールA(日本国、和光純薬工業社製、一級)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
3)ガスクロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 GC−2010
カラム:米国、アジレントテクノロジーズ社製 DB−1
長さ30m、内径0.250mm、膜厚1.00μm
カラム温度:50℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温
200℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温
検出器:FID
(1)ガスクロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.05g秤量し、アセトン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてトルエン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
[実施例1]
・工程(1−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
容積5000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)625g(2.7mol)および3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)2020g(22.7mol)を入れた。該フラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約145℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま大気圧窒素下で約40分間加熱したところで、水を含む3−メチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜35kPaの状態で過剰の3−メチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。該フラスコが室温(25℃)付近まで冷却されたのち、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を大気圧に戻した。該フラスコには反応液1173gが得られた。119Sn、H、13C−NMRの分析結果から、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジ−n−ブチルスズオキシドに対して収率99%で得られたことを確認した。同様の操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計10335g得た。
図1に示すような連続製造装置において、炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器102に、移送ライン4から上記で製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを4388g/hrで供給し、移送ライン2から蒸留塔101で精製された3−メチル−1−ブタノールを14953g/hrで供給した。該反応器内102は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール15037g/hrを、および、供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール825g/hrを、充填物Metal Gauze CYを充填し、リボイラー111およびコンデンサー121を備えた蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー121によって凝縮され回収ライン3から回収された。精製された3−メチル−1−ブタノールは、蒸留塔101の下部にある移送ライン2を経て塔型反応器102に輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置103において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー123、移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸発装置103の下部から移送ライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約5130g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブに移送ライン9より、二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調整し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む反応液を得た。該反応液を移送ライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、移送ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、移送ライン12を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し供給して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得、一方で蒸発残渣を移送ライン13と移送ライン4を介して、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環した。炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分はコンデンサー126および移送ライン14を経て、充填物Metal Gauze CYを充填しリボイラー117およびコンデンサー127を備えた蒸留塔107に959g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン16から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。移送ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによって分析したところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズは含まれていなかった。上記連続運転を約240時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を18g/hrで抜き出し、一方で供給ライン17から上記方法で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを18g/hrで供給した。
・工程(1−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
内溶液5Lの4つ口フラスコに工程(1−2)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)1537g(7.6mol)とヘキサメチレンジアミン(米国、Aldrich社製)220.8g(1.9mol)を入れ、撹拌子を入れ、ジムロート冷却器および三方コックを取り付けた。系内を窒素置換した後、該フラスコを、80℃に加熱したオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)に浸漬し、ナトリウムメトキシド(米国、Aldrich社製、25%メタノール溶液)18.3gをシリンジで添加し、反応を開始した。適宜、反応液をサンプリングしてNMR分析をおこない、ヘキサメチレンジアミンが検出されなくなった時点で反応を停止した。
得られた溶液を、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):米国ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって65℃に保温したカラムに供給し、該溶液中のナトリウムメトキシドの中和をおこなった。
該溶液を、液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを36.7wt%含有していた。
・工程(1−3):組成物の調製
工程(1−2)で得られた溶液および2,4−ジ−tert−アミルフェノール(日本国、東京化成社製)2218gを混合し、均一な溶液とした。該溶液を、300g/Hrで分子蒸留装置(日本国、柴田科学社製、MS−300型)に供給し温度約130℃、圧力約0.13kPaにおいて低沸点成分を除去し、留出物が1097g得られた。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)69.2wt%と3−メチル−1−ブタノール29.0wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを22.7wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は98%であった。N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2,4−ジ−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:5.0である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの濃度は、22.6wt%であった。
[実施例2]
・工程(2−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法で炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(2−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
工程(2−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)を2039g(10.1mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを244g(2.1mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を20.3g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを31.3wt%含有する溶液を得た。
・工程(2−3):組成物の調製
工程(2−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2−フェニルフェノール(日本国、東京化成社製)3560gを使用した以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を1097g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)75.1wt%と3−メチル−1−ブタノール22.0wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを16.9wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は97%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2−フェニルフェノールの化学量論比が1:9.9である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの濃度は、16.9wt%であった。
[実施例3]
・工程(3−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法で炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(3−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
工程(3−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)を2630g(13.0mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを291g(2.5mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を24.1g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを28.4wt%含有する溶液を得た。
・工程(3−3):組成物の調製
工程(3−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール(日本国、東京化成社製)2401gを使用した以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を2068g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)79.3wt%と3−メチル−1−ブタノール20.3wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを25.5wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は97%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの化学量論比が1:3.0である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの濃度は、25.3wt%であった。
[実施例4]
・工程(4−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチル(米国、Aldrich社製)を1517g(16.8mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを325g(2.8mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を5.4g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを33.4wt%含有する溶液を得た。
・工程(4−2):組成物の調製
工程(4−1)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,6−キシレノール(日本国、東京化成社製)6493gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を1326g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル77.9wt%とメタノール12.8wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを8.8wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの収率は95%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルと2,6−キシレノールの化学量論比が1:19.6である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの濃度は、8.8wt%であった。
[実施例5]
・工程(5−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチル(米国、Aldrich社製)を1113g(12.3mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを325g(2.8mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を5.4g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを44.6wt%含有する溶液を得た。
・工程(5−2):組成物の調製
工程(5−1)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4,6−トリメチルフェノール(米国、Aldrich社製)13915gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を1086g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル54.4wt%とメタノール15.7wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを4.4wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの収率は96%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルと2,4,6−トリメチルフェノールの化学量論比が1:37.1である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの濃度は、4.3wt%であった。
[実施例6]
・工程(6−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチルを1987g(22.0mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを256g(2.2mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を4.2g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを22.5wt%含有する溶液を得た。
・工程(6−2):組成物の調製
工程(6−1)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2−エトキシフェノール(米国、Aldrich社製)11092gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を2234g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル69.0wt%とメタノール5.9wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを4.5wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの収率は96%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルと2−エトキシフェノールの化学量論比が1:36.1である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で15日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの濃度は、4.3wt%であった。
[実施例7]
・工程(7−1):炭酸ジブチルの製造
容積3000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド692g(2.78mol)および1−ブタノール(日本国、和光純薬工業社製)2000g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を126℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜54kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液952gを得た。119Sn,H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジ−n−ブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計11480g得た。
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に供給ライン4から上記で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサン4201g/hrで、供給ライン2から蒸留塔101で精製した1−ブタノールを24717g/hrで、塔型反応器102に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約250kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約10分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む1−ブタノール24715g/hrおよび供給ライン1を経て1−ブタノール824g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111およびコンデンサー121を備えた蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー121によって凝縮され移送ライン3から回収された。蒸留塔101の下部にある移送ライン2を経て精製された1−ブタノールを輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブトキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置103において1−ブタノールを留去し、コンデンサー123、移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸発装置103の下部から移送ライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジブチルスズジブトキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの活性成分の流量が約4812g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブに供給ライン9を介し二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ジブチルを含む反応液を得た。該反応液を移送ライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、移送ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、移送ライン12を経て140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸発装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に輸送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4201g/hrになるように調節し供給して炭酸ジブチルを含む留分を得、一方で蒸発残渣を移送ライン13と移送ライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサン流量が約4201g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環する。炭酸ジブチルを含む留分はコンデンサー126および移送ライン14を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー117およびコンデンサー127を備えた蒸留塔107に830g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、移送ライン16から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を814g/hr得た。移送ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブトキシドは含まれていなかった。上記連続運転を約600時間行った後、抜き出しライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を16g/hrで、一方でフィードライン17から上記で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを16g/hrで供給した。
・工程(7−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに、工程(7−1)で得た炭酸ジブチルを2760g(15.8mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを209g(1.8mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を10.4g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを18.7wt%含有する溶液を得た。
・工程(7−3):組成物の調製
工程(7−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,6−ジメトキシフェノール(米国、Aldrich社製)3957gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を2441g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル85.1wt%と1−ブタノール5.4wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを12.3wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの収率は95%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルと2,6−ジメトキシフェノールの化学量論比が1:14.1である組成物であった。該組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で12日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの濃度は、12.3wt%であった。
[実施例8]
・工程(8−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法によって炭酸ジブチルを製造した。
・工程(8−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに、工程(8−1)で得た炭酸ジブチルを1821g(10.5mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを221g(1.9mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を11.0g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを28.8wt%含有する溶液を得た。
・工程(8−3):組成物の調製
工程(8−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに4−ノニルフェノール(米国、Aldrich社製)8710gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を1488g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル75.2wt%と1−ブタノール17.7wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを6.2wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの収率は83%であった。該溶液は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルと4−フェニルフェノールの化学量論比が1:24.7である組成物であった。該組成物は70℃において液体であり、窒素雰囲気下、70℃で70日間保持した後、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビスジブチルエステルの濃度は、6.2wt%であった。
[実施例9]
・工程(9−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(9−2):3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの製造
内溶液5Lの4つ口フラスコに工程(9−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)2549g(12.6mol)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(米国、Aldrich社製)358g(2.1mol)を入れ、撹拌子を入れ、ジムロート冷却器および三方コックを取り付けた。系内を窒素置換した後、該フラスコを、80℃に加熱したオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)に浸漬し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)20.3gをシリンジで添加し、反応を開始した。適宜、反応液をサンプリングしてNMR分析をおこない、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンが検出されなくなった時点で反応を停止した。
得られた溶液を、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):米国ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって65℃に保温したカラムに供給し、該溶液中のナトリウムメトキシドの中和をおこなった。
該溶液を、液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを28.2wt%含有していた。
・工程(9−3):組成物の調製
工程(9−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノール4654gを混合し、均一な溶液とした。該溶液を、300g/Hrで分子蒸留装置(日本国、柴田科学社製、MS−300型)に供給し温度約130℃、圧力約0.13kPaにおいて低沸点成分を除去し、留出物が2398g得られた。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)68.4wt%と3−メチル−1−ブタノール14.3wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを15.6wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの収率は96%であった。3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルと2,4−ジ−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:9.1である組成物であった。該組成物は80℃において液体であり、窒素雰囲気下、80℃で100日間保持した後、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの濃度は、15.5wt%であった。
[実施例10]
・工程(10−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(10−2):3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの製造
工程(10−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)2124g(10.5mol)、および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン358g(2.1mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)20.3gを使用した以外は、実施例9の工程(9−2)と同様の方法をおこない、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを33.0wt%含有する溶液を得た。
・工程(10−3):組成物の調製
工程(10−2)で得られた溶液を使用し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール2625gを使用した以外は、実施例9の工程(9−3)と同様の方法をおこない、留出物を1618g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)76.1wt%と3−メチル−1−ブタノール21.5wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルを23.2wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの収率は95%であった。3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルと2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの化学量論比は1:3.9である組成物であった。組成物は170℃において液体であり、窒素雰囲気下、170℃で3日間保持した後、3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステルの濃度は、23.1wt%であった。
[実施例11]
・工程(11−1):3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチル1820g(20.2mol)、および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン545g(3.2mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)12.3gを使用した以外は、実施例9の工程(9−2)と同様の方法をおこない、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルを38.2wt%含有する溶液を得た。
・工程(11−2):組成物の調製
工程(11−1)で得られた溶液を使用し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,6−キシレノール16720gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例9の工程(9−3)と同様の方法をおこない、留出物を2027g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル59.0wt%とメタノール9.6wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルを5.1wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの収率は95%であった。3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルと2,6−キシレノールの化学量論比は1:43.3である組成物であった。組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で10日間保持した後、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの濃度は、5.1wt%であった。
[実施例12]
・工程(12−1):3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチル1214g(13.4mol)、および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン478g(2.8mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)10.8gを使用した以外は、実施例9の工程(9−2)と同様の方法をおこない、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルを46.7wt%含有する溶液を得た。
・工程(12−2):組成物の調製
工程(12−1)で得られた溶液を使用し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4,6−トリメチルフェノール11960gを使用し、装置内を13.1kPaとした以外は、実施例9の工程(9−3)と同様の方法をおこない、留出物を1427g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル71.2wt%とメタノール17.1wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルを6.0wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの収率は94%であった。3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルと2,4,6−トリメチルフェノールの化学量論比は1:32.7である組成物であった。組成物は150℃において液体であり、窒素雰囲気下、150℃で2日間保持した後、3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステルの濃度は、6.0wt%であった。
[実施例13]
・工程(13−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(13−2):3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの製造
工程(13−1)で得た炭酸ジブチル2342g(13.4mol)、および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン477g(2.8mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)20.3gを使用した以外は、実施例9の工程(9−2)と同様の方法をおこない、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルを35.6wt%含有する溶液を得た。
・工程(13−3):組成物の調製
工程(13−2)で得られた溶液を使用し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに4−ノニルフェノール5805gを使用した以外は、実施例9の工程(9−3)と同様の方法をおこない、留出物を1633g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル82.6wt%と1−ブタノール10.4wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルを14.1wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−((ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの収率は90%であった。3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルと4−ノニルフェノールの化学量論比は1:10.2である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で100日間保持した後、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの濃度は、13.9wt%であった。
[実施例14]
・工程(14−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(14−2):3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの製造
工程(14−1)で得た炭酸ジブチル3403g(19.5mol)、および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン528g(3.1mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)12.0gを使用した以外は、実施例9の工程(9−2)と同様の方法をおこない、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルを28.3wt%含有する溶液を得た。
・工程(14−3):組成物の調製
工程(14−2)で得られた溶液を使用し、2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4−ジメトキシフェノール9443gを使用した以外は、実施例9の工程(9−3)と同様の方法をおこない、留出物を2814g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル81.0wt%と1−ブタノール15.3wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルを10.3wt%含有し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する3−((ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの収率は94.1%であった。3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルと2,4−ジメトキシフェノールの化学量論比は1:20.8である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で90日間保持した後、3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステルの濃度は、10.0wt%であった。
[実施例15]
・工程(15−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(15−2):ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
内溶液5Lの4つ口フラスコに工程(15−1)で得た炭酸ジブチル2305g(13.2mol)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)442g(2.1mol)を入れ、撹拌子を入れ、ジムロート冷却器および三方コックを取り付けた。系内を窒素置換した後、該フラスコを、80℃に加熱したオイルバスに浸漬し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)20.3gをシリンジで添加し、反応を開始した。適宜、反応液をサンプリングしてNMR分析をおこない、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)が検出されなくなった時点で反応を停止した。
得られた溶液を、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):米国ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって65℃に保温したカラムに供給し、該溶液中のナトリウムメトキシドの中和をおこなった。
該溶液を、液体クロマトグラフィーで分析した結果、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを30.8wt%含有していた。
・工程(15−3):組成物の調製
工程(15−2)で得られた溶液および2−tert−アミルフェノール6023gを混合し、均一な溶液とした。該溶液を、300g/Hrで分子蒸留装置(日本国、柴田科学社製、MS−300型)に供給し温度約130℃、圧力約0.13kPaにおいて低沸点成分を除去し、留出物が1977g得られた。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル78.2wt%と1−ブタノール15.2wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを12.4wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は97%であった。ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと2−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:17.6である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で85日間保持した後、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、12.2wt%であった。
[実施例16]
・工程(16−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(16−2):ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
炭酸ジブチルの代わりに工程(16−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)2270g(11.2mol)を使用し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)463g(2.2mol)、およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)21.2gを使用した以外は、実施例15の工程(15−2)と同様の方法をおこない、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを34.7wt%含有する溶液を得た。
・工程(16−3):組成物の調製
工程(16−2)で得られた溶液を使用し、2−tert−アミルフェノールの代わり2,4−ジ−tert−アミルフェノール2476gを使用した以外は、実施例15の工程(15−3)と同様の方法を実施し、留出物を1775g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)75.7wt%と3−メチル−1−ブタノール16.9wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを27.5wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は96%であった。ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと2,4−ジ−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:4.7である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で85日間保持した後、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、27.2wt%であった。
[実施例17]
・工程(17−1):ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
炭酸ジブチルの代わりに炭酸ジメチル1150g(12.7mol)を使用し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)547g(2.6mol)、およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)25.1gを使用した以外は、実施例15の工程(15−2)と同様の方法をおこない、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを48.3wt%含有する溶液を得た。
・工程(17−2):組成物の調製
工程(17−1)で得られた溶液を使用し、2−tert−アミルフェノールの代わり2,4−ジイソプロピルフェノール5287gを使用した以外は、実施例15の工程(15−3)と同様の方法を実施し、留出物を1045g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル63.8wt%とメタノール15.1wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを13.6wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は95%であった。ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと2,4−ジイソプロピルフェノールの化学量論比は1:11.5である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で98日間保持した後、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、13.2wt%であった。
[実施例18]
・工程(18−1):ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
炭酸ジブチルの代わりに炭酸ジメチル1625g(18.0mol)を使用し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)631g(3.0mol)、およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)17.4gを使用した以外は、実施例15の工程(15−2)と同様の方法をおこない、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを42.6wt%含有する溶液を得た。
・工程(18−2):組成物の調製
工程(18−1)で得られた溶液を使用し、2−tert−アミルフェノールの代わり2,6−キシレノール9600gを使用した以外は、実施例15の工程(15−3)と同様の方法を実施し、留出物を1699g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル62.6wt%とメタノール10.9wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを9.4wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は97%であった。ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと2,6−キシレノールの化学量論比は1:25.7である組成物であった。組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で3日間保持した後、ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、9.2wt%であった。
[実施例19]
・工程(19−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(19−2):ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
炭酸ジブチルの代わりに工程(16−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)3010g(14.9mol)を使用し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)505g(2.4mol)、およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)23.1gを使用した以外は、実施例15の工程(15−2)と同様の方法をおこない、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを29.5wt%含有する溶液を得た。
・工程(19−3):組成物の調製
工程(19−2)で得られた溶液を使用し、2−tert−アミルフェノールの代わり2−フェニルフェノール5492gを使用した以外は、実施例15の工程(15−3)と同様の方法を実施し、留出物を2511g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)79.0wt%と3−メチル−1−ブタノール16.1wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを15.0wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は91.2%であった。ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと2−フェニルフェノールの化学量論比は1:14.1である組成物であった。組成物は150℃において液体であり、窒素雰囲気下、150℃で1日間保持した後、ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、13.3wt%であった。
[実施例20]
・工程(20−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(20−2):ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
工程(20−1)で得た炭酸ジブチル3133g(18.0mol)を使用し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)652g(3.1mol)、およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)29.9gを使用した以外は、実施例15の工程(15−2)と同様の方法をおこない、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを33.0wt%含有する溶液を得た。
・工程(20−3):組成物の調製
工程(20−2)で得られた溶液を使用し、2−tert−アミルフェノールの代わり4−tert−ブチルフェノール4025gを使用した以外は、実施例15の工程(15−3)と同様の方法を実施し、留出物を2533g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル78.8wt%と1−ブタノール17.4wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートを21.4wt%含有し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対するジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの収率は87.4%であった。ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートと4−tert−ブチルフェノールの化学量論比は1:9.7である組成物であった。組成物は100℃において液体であり、窒素雰囲気下、100℃で30日間保持した後、ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの濃度は、21.0wt%であった。
[実施例21]
・工程(21−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(21−2):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
内溶液5Lの4つ口フラスコに工程(21−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)1529g(7.6mol)、2,4−トルエンジアミン(米国、Aldrich社製)257g(2.1mol)を入れ、撹拌子を入れ、ジムロート冷却器および三方コックを取り付けた。系内を窒素置換した後、該フラスコを、80℃に加熱したオイルバスに浸漬し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)28.4gをシリンジで添加し、反応を開始した。適宜、反応液をサンプリングしてNMR分析をおこない、2,4−トルエンジアミンが検出されなくなった時点で反応を停止した。
得られた溶液を、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):米国ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって65℃に保温したカラムに供給し、該溶液中のナトリウムメトキシドの中和をおこなった。
該溶液を、液体クロマトグラフィーで分析した結果、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを39.8wt%含有していた。
・工程(21−3):組成物の調製
工程(21−2)で得られた溶液および2,6−キシレノール5411gを混合し、均一な溶液とした。該溶液を、300g/Hrで分子蒸留装置(日本国、柴田科学社製、MS−300型)に供給し温度約130℃、圧力約0.13kPaにおいて低沸点成分を除去し、留出物が1461g得られた。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)46.4wt%と3−メチル−1−ブタノール23.9wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを12.3wt%含有し、2,4−トルエンジアミンに対するトルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は95%であった。トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:20.3である組成物であった。組成物は120℃において液体であり、窒素雰囲気下、120℃で2日間保持した後、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの濃度は、12.1wt%であった。
[実施例22]
・工程(22−1)トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチル1422g(15.8mol)を使用し、2,4−トルエンジアミン305g(2.5mol)を使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)33.8gを使用した以外は、実施例21の工程(21−2)と同様の方法をおこない、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルを33.1wt%含有する溶液を得た。
・工程(22−2):組成物の調製
工程(22−1)で得られた溶液、および2,6−キシレノールの代わりに2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール5554gを使用した以外は、実施例21の工程(21−3)と同様の方法をおこない、留出物を1179g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル81.2wt%とメタノール13.0wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルを9.4wt%含有し、2,4−トルエンジアミンに対するトルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルの収率は96%であった。トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルと2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノールの化学量論比は1:6.9である組成物であった。組成物は130℃において液体であり、窒素雰囲気下、130℃で1日間保持した後、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステルの濃度は、12.8wt%であった。
[実施例23]
・工程(23−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法により炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(23−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
内溶液5Lの4つ口フラスコに工程(23−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)2634g(13.0mol)、4,4’−メチレンジアニリン(米国、Aldrich社製)416.3g(2.1mol)を入れ、撹拌子を入れ、ジムロート冷却器および三方コックを取り付けた。系内を窒素置換した後、該フラスコを、80℃に加熱したオイルバスに浸漬し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)16.2gをシリンジで添加し、反応を開始した。適宜、反応液をサンプリングしてNMR分析をおこない、4,4’−メチレンジアニリンが検出されなくなった時点で反応を停止した。
得られた溶液を、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):米国ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって65℃に保温したカラムに供給し、該溶液中のナトリウムメトキシドの中和をおこなった。
該溶液を、液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを28.6wt%含有していた。
・工程(23−3):組成物の調製
工程(23−2)で得られた溶液および2,4−ジ−tert−アミルフェノール2339gを混合し、均一な溶液とした。該溶液を、300g/Hrで分子蒸留装置(日本国、柴田科学社製、MS−300型)に供給し温度約130℃、圧力約0.13kPaにおいて低沸点成分を除去し、留出物が2341g得られた。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)74.5wt%と3−メチル−1−ブタノール14.9wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを28.6wt%含有し、4,4’−メチレンジアニリンに対するN,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は95%であった。N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2,4−ジ−tert−アミルフェノールの化学量論比は1:4.5である組成物であった。組成物は30℃において液体であり、窒素雰囲気下、30℃で10日間保持した後、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの濃度は、28.3wt%であった。
[実施例24]
・工程(24−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(24−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジブチル1622g(9.3mol)を使用し、4,4’−メチレンジアニリン377g(1.9mol)およびナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)11.0gを使用した以外は、実施例23の工程(23−2)と同様の方法をおこない、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルを36.9wt%含有する溶液を得た。
・工程(24−3):組成物の調製
工程(24−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,4,6−トリメチルフェノール1988gを使用した以外は、実施例23の工程(23−3)と同様の方法をおこない、留出物を1430g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル66.5wt%と1−ブタノール18.8wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルを28.8wt%含有し、4,4’−メチレンジアニリンに対するN,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルの収率は96%であった。N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルと2,4,6−トリメチルフェノールの化学量論比は1:7.2である組成物であった。組成物は120℃において液体であり、窒素雰囲気下、120℃で3日間保持した後、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステルの濃度は、28.2wt%であった。
[実施例25]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2,4−ジ−tert−アミルフェノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物に、ジラウリン酸ジブチルスズ(日本国、和光純薬工業社製、化学用)58.7gを加え、均一な溶液とした。
該溶液を使用して、図2に示すような反応装置において、熱分解反応を実施した。
伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置202(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を200℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内の圧力を約1.3kPaとした。上記で調製した溶液を、フィードタンク201に投入し、ライン21を介して、約980g/hrで該薄膜蒸留装置に供給した。薄膜蒸留装置202の底部に具備されたライン23より、液体成分を抜き出し、ライン24を介してフィードタンク201に戻した。薄膜蒸留装置203の上部に具備されたライン22より、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1−ブタノールおよび2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含む気体成分を抜き出した。該気体成分を、蒸留塔203に導入し、3−メチル−1−ブタノールを分離し、高沸成分の一部は、蒸留塔203の底部に具備されたライン26を介し、ライン24を経由してフィードタンク201に戻した。蒸留塔203に具備されたライン27より、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含有する気体成分を抜き出し、蒸留塔204に導入した。該蒸留塔204において、ヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。13時間反応をおこなったところ、ライン32より294gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は91.9%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例26]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2−フェニルフェノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物の代わりに実施例2の工程(2−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ(化学用)64.2gを使用した以外は、実施例25と同様の方法をおこない、ライン32より301gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は85.2%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例27]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物の代わりに実施例3の工程(3−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ(化学用)76.4gを使用した以外は、実施例25と同様の方法をおこない、ライン32より378gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は90.0%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例28]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2,6−キシレノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
・工程(28−1):エステル交換反応によるN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(2,6−ジメチルフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物に、ジラウリン酸ジブチルスズ83.9g添加し、均一な溶液とした。該溶液をフィードタンク401に投入した。伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置402(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を240℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内を大気圧窒素雰囲気とした。該溶液を、供給ライン41を介して該薄膜蒸留装置に約1200g/hrで供給した。該薄膜蒸留装置402の上部に具備されたライン45より、3−メチル−1−ブタノールと2,6−キシレノールを含有する混合気体を抜き出し、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.製)を充填した蒸留塔403に供給した。蒸留403において、3−メチル−1−ブタノールと2,6−キシレノールを分離し、蒸留塔403の底部に具備されたライン46より2,6−キシレノールを薄膜蒸留装置402の上部に戻した。薄膜蒸留装置402の底部に具備されたライン42より反応液を抜き出し、ライン43を介してフィードタンク401に戻した。
該工程を62時間おこなったのち、ライン44より反応液を抜き出した。抜き出された反応液は6926g、蒸留塔203の上部に具備されたライン47から回収された溶液は166gであった。
抜き出された反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジメチルフェニル)エステルが15.2wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、メタノールを98wt%含有していた。
・工程(28−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(2,6−ジメチルフェニル)エステルの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネートの製造
図2に示すような反応装置において、熱分解反応を実施した。
伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置202(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を200℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内の圧力を約1.3kPaとした。工程(28−1)で得られた溶液を、フィードタンク201に投入し、ライン21を介して、約680g/hrで該薄膜蒸留装置に供給した。薄膜蒸留装置202の底部に具備されたライン23より、液体成分を抜き出し、ライン24を介してフィードタンク201に戻した。薄膜蒸留装置202の上部に具備されたライン22より、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,6−ジメチルフェノールを含む気体成分を抜き出した。該気体成分を、蒸留塔203に導入し、ヘキサメチレンジイソシアネートと2,6−ジメチルフェノールを分離し、蒸留塔203の塔頂部を経てライン25より2,6−ジメチルフェノールを抜き出し、蒸留塔203に具備されたライン27よりヘキサメチレンジイソシアネートを含有する気体成分を抜き出した。一方、蒸留塔の底部に具備されたライン26から高沸物を抜き出し、一部を、ライン24を介してフィードタンク201に戻した。ライン27から抜き出されたヘキサメチレンジイソシアネートを含有する気体成分は、蒸留塔204に移送され、該蒸留塔204において、ヘキサメチレンジイソシアネートを蒸留分離した。該蒸留塔204に具備されたライン31から高沸物を抜き出し、一部を、ライン24を介してフィードタンク201に戻した。一方、ライン30より気体成分を抜き出し、凝縮器を経てライン32よりヘキサメチレンジイソシアネートを抜き出した。11時間反応をおこなったところ、ライン32よりヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有する溶液が416g回収された。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は88.4%であった。
[実施例29]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステル/2,4,6−トリメチルフェノール組成物を使用したヘキサメチレンジイソシアネートの製造
工程(5−2)で得た組成物に、ジラウリン酸ジブチルスズを84.9g加え、均一な溶液とした。
該溶液を使用して、図4に示すような反応装置において、熱分解反応を実施した。
伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置502(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を200℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内の圧力を約1.3kPaとした。上記で調製した溶液を、フィードタンク501に投入し、ライン51を介して、約980g/hrで該薄膜蒸留装置に供給した。薄膜蒸留装置502の底部に具備されたライン53より、液体成分を抜き出し、ライン54を介してフィードタンク501に戻した。薄膜蒸留装置502の上部に具備されたライン52より、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタノールおよび2,4,6−トリメチルフェノールを含む気体成分を抜き出した。該気体成分を、蒸留塔503に導入し、メタノールを分離し、高沸成分の一部は、蒸留塔503の底部に具備されたライン56を介し、ライン54を経由してフィードタンク501に戻した。蒸留塔503に具備されたライン57より、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,4,6−トリメチルフェノールを含有する気体成分を抜き出し、蒸留塔504に導入した。該蒸留塔504において、2,4,6−トリメチルフェノールを分離し、ライン62より2,4,6−トリメチルフェノールを回収した。蒸留塔504に具備されたライン64よりヘキサメチレンジイソシアネートを含有する気体成分を抜き出し、蒸留塔505に導入した。該蒸留塔505において、ヘキサメチレンジイソシアネートを蒸留分離し、ライン67よりヘキサメチレンジイソシアネートを回収した。13時間反応をおこなったところ、ライン67より430gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は91.2%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例30]N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステル/2−エトキシフェノール組成物を使用したヘキサメチレンジイソシアネートの製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(6−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを66.7g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より330gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は89.3%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例31]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステル/2,6−ジメトキシフェノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
・工程(31−1):エステル交換反応によるN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジメトキシフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例7の工程(7−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ54.0gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を4088g回収した。反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジメトキシフェニル)エステルが19.1wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、ブタノールを96wt%含有していた。
・工程(31−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,6−ジメトキシフェニル)エステルの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネートの製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(31−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32よりヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有する溶液を267g回収した。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は88.4%であった。
[実施例32]:N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステル/4−ノニルフェノール組成物からのヘキサメチレンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物の代わりに実施例8の工程(8−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ(化学用)56.8gを使用した以外は、実施例25と同様の方法をおこない、ライン32より257gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は80.4%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例33]:3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステル/2,4−ジ−tert−アミルフェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物の代わりに実施例9の工程(9−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ(化学用)62.7gを使用した以外は、実施例25と同様の方法をおこない、ライン32より390gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、イソホロンジイソシアネートを99wt%含有していた。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は85.1%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例34]:3−((3−メチルブチル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(3−メチルブチル)エステル/2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
実施例1の工程(1−3)で得た組成物の代わりに実施例10の工程(10−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ(化学用)62.6gを使用した以外は、実施例25と同様の方法をおこない、ライン32より392gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、イソホロンジイソシアネートを99wt%含有していた。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は84.0%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例35]3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル/2,6−ジメチルフェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(11−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを96.1g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より588gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、イソホロンジイソシアネートを99wt%含有していた。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は82.7%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例36]3−(メチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸メチルエステル/2,4,6−トリメチルフェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
・工程(36−1):エステル交換反応による3−((2,4,6−トリメチルフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例12の工程(12−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ83.2gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を12410g回収した。 反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、エステル交換反応による3−((2,4,6−トリメチルフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルが10.1wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、メタノールを98wt%含有していた。
・工程(36−2):3−((2,4,6−トリメチルフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルの熱分解によるイソホロンジイソシアネートの製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(36−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32よりイソホロンジイソシアネートを99wt%含有する溶液を544g回収した。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は87.5%であった。
[実施例37]3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル/4−ノニルフェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
・工程(37−1):エステル交換反応による3−((4−ノニルフェニル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(4−ノニルフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例13の工程(13−3)で得た組成物に、ジラウリン酸ジブチルスズ83.2gを加えて均一な溶液とし、フィードタンク401に投入した。伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置402(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を240℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内を大気圧窒素雰囲気とした。該溶液を、供給ライン21を介して該薄膜蒸留装置に約1200g/hrで供給した。該薄膜蒸留装置402の上部に具備されたライン45より、1−ブタノールと4−ノニルフェノールを含有する混合気体を抜き出し、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.製)を充填した蒸留塔403に供給した。蒸留塔403において、1−ブタノールと4−ノニルフェノールを分離し、蒸留塔403の底部に具備されたライン46より4−ノニルフェノールを薄膜蒸留装置402の上部に戻した。薄膜蒸留装置402の底部に具備されたライン42より反応液を抜き出し、ライン43を介してフィードタンク401に戻した。
該工程を62時間おこなったのち、ライン44より反応液を抜き出した。抜き出された反応液は6419g、蒸留塔403の上部に具備されたライン47から回収された溶液は575gであった。
抜き出された反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、3−((4−ノニルフェニル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(4−ノニルフェニル)エステルが24.5wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、1−ブタノールを98wt%含有していた。
・工程(37−2):3−((4−ノニルフェニル)オキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(4−ノニルフェニル)エステルの熱分解によるイソホロンジイソシアネートの製造
図5に示すような反応装置において、熱分解反応を実施した。
伝熱面積0.2mの薄膜蒸留装置702(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を200℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内の圧力を約1.3kPaとした。工程(37−2)で得られた溶液を、フィードタンク701に投入し、ライン71を介して、約980g/hrで該薄膜蒸留装置に供給した。薄膜蒸留装置702の底部に具備されたライン73より、液体成分を抜き出し、ライン74を介してフィードタンク701に戻した。薄膜蒸留装置703の上部に具備されたライン72より、イソホロンジイソシアネートおよび4−ノニルフェノールを含む気体成分を抜き出した。該気体成分を、蒸留塔703に導入し、イソホロンジイソシアネートと4−ノニルフェノールを分離し、4−ノニルフェノールの一部は、蒸留塔703の底部に具備されたライン76を介し、ライン74を経由してフィードタンク701に戻された。13時間反応をおこなったところ、ライン75より484gの溶液が回収され、該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、イソホロンジイソシアネートを99wt%含有していた。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は77.8%であった。
[実施例38]3−(ブチルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸ブチルエステル/2,6−ジメトキシフェノール組成物からのイソホロンジイソシアネートの製造
・工程(38−1):エステル交換反応による3−((2,6−ジメトキシフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジメトキシフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例14の工程(14−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ92.1gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を10121g回収した。反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、エステル交換反応による3−((2,6−ジメトキシフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジメトキシフェニル)エステルが14.7wt%含有されていた。また、ライン27から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、1−ブタノールを98wt%含有していた。
・工程(38−2):3−((2,6−ジメトキシフェニルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(2,6−ジメトキシフェニル)エステルの熱分解によるイソホロンジイソシアネートの製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(38−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32よりイソホロンジイソシアネートを99wt%含有する溶液を579g回収した。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は84.0%であった。
[実施例39]ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/2−tert−アミルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(15−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを64.4g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より481gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は87.3%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例40]ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/2,4−ジ−tert−アミルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(16−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを66.7g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より498gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は86.4%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例41]ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/2,6−ジイソプロピルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(17−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを78.1g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より577gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は84.6%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例42]:ジメチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/2,6−ジメチルフェノール組成物からの4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
・工程(42−1):エステル交換反応によるビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例18の工程(18−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ78.1gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を5832g回収した。反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、ビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが25.2wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、メタノールを96wt%含有していた。
・工程(42−2):ビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネートの製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(42−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32より4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有する溶液を603g回収した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は88.5%であった。
[実施例43]:ビス(3−メチルブチル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/2−フェニルフェノール組成物からの4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
・工程(43−1):エステル交換反応によるビス(2−フェニルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例19の工程(19−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ72.8gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を6091g回収した。反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが25.2wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、3−メチル−1−ブタノールを96wt%含有していた。
・工程(43−2):ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネートの製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(43−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32より4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有する溶液を517g回収した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は82.0%であった。
[実施例44]ジブチル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート/4−tert−ブチルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(20−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを92.6g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より630gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルジイソシアネート)を99wt%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は77.5%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例45]トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2,6−ジメチルフェノール組成物を使用した2,4−トルエンジイソシアネートの製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(21−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを63.6g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より325gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、2,4−トルエンジイソシアネートを99wt%含有していた。2,4−トルエンジアミンに対する収率は89.1%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例46]トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジメチルエステル/2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノール組成物を使用した2,4−トルエンジイソシアネートの製造
・工程(46−1):エステル交換反応によるトルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例13の工程(13−3)で得た組成物の代わりに、実施例22の工程(22−2)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ46.3gを使用した以外は、実施例37の工程(37−1)と同様の方法をおこない、ライン44より5433gの反応液を抜き出した。
抜き出された反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)エステルが14.9wt%含有されていた。また、ライン47から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、メタノールを98wt%含有していた。
・工程(46−2):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ビス(2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)エステルの熱分解による2,4−トルエンジイソシアネートの製造
実施例37の工程(37−1)で得た溶液の代わりに、工程(38−1)で得た溶液を使用し、実施例37の工程(37−2)と同様の方法をおこない、ライン75より319gの溶液が回収された。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、2,4−トルエンジイソシアネートを99wt%含有していた。2,4−トルエンジアミンに対する収率は87.3%であった。
[実施例47]N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル/2,4−ジ−tert−アミルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の製造
工程(5−2)で得た組成物の代わりに、工程(23−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズを63.0g使用した以外は、実施例29と同様の方法をおこない、ライン67より469gの溶液を回収した。該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を99wt%含有していた。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は89.3%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例48]N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジブチルエステル/2,4,6−トリメチルフェノール組成物を使用した4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の製造
・工程(48−1):エステル交換反応によるN,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルの製造
図3に示すような反応装置において、エステル交換反応を実施した。
実施例4の工程(4−3)で得た組成物の代わりに、実施例24の工程(24−3)で得た組成物を使用し、ジラウリン酸ジブチルスズ57.6gを使用した以外は、実施例28の工程(28−1)と同様の方法をおこない、ライン44より反応液を2321g回収した。反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液には、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルが39.0wt%含有されていた。また、ライン27から回収された溶液についてHおよび13C−NMR測定をおこなったところ、該溶液は、1−ブタノールを98wt%含有していた。
・工程(48−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)エステルの熱分解による4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の製造
工程(28−1)で得られた溶液の代わりに工程(48−1)で得られた溶液を使用した以外は、実施例28の工程(28−2)と同様の方法をおこない、ライン32より4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を99wt%含有する溶液を420g回収した。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は88.3%であった。反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例49]
図6に示すような反応装置において、ヘキサメチレンジイソシアネートの製造をおこなった。
・工程(49−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル製造工程
撹拌槽801(内容積30L)を80℃に加熱した。ライン82を閉じた状態で、撹拌槽801に、実施例1の工程(1−1)と同様の方法で製造し、80℃に予熱した炭酸ビス(3−メチルブチル)をライン80より1820g/hrで移送し、同時に、ヘキサメチレンジアミンと3−メチル−1−ブタノールとナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)の混合溶液(混合比:ヘキサメチレンジアミン50部/3−メチル−1−ブタノール50部/ナトリウムメトキシド4.2部)をライン81より209g/hrで移送した。5時間後、ライン83を閉じた状態でライン82を開き、水分を除去して調整した酸性スルホン酸イオン交換樹脂(Amberlyst−15(球状):ROHM&HAAS社製)を収容し、かつ外部ジャケットによって80℃に保温したイオン交換樹脂塔812に供給し、ナトリウムメトキシドの中和をおこない、ライン84を通して反応液をタンク802に移送した。該反応液からの固形分の析出を防ぐために、ライン82、ライン83は80℃に保温した。
タンク802に移送された反応液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該反応液に含有されるN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルは29.7%であった。
・工程(49−2):低沸成分留去工程
工程(49−1)で製造した反応液を、タンク802よりライン84を通じて、80℃に保温された撹拌槽803に130g/hrで移送した。同時に、撹拌槽803に、ライン85より、80℃に加熱された2,4−ジ−tert−アミルフェノールを131g/hrで投入し、均一な溶液とした。該溶液を261g/hrで、80℃に保温されたライン86を通して、150℃に加熱し、装置内の圧力を0.1kPaとした薄膜蒸留装置804(日本国、神鋼環境ソリューション社製、伝熱面積0.2m)に移送し、該溶液に含まれる低沸成分の留去をおこなった。留去された低沸成分は、ライン87より薄膜蒸留装置803から抜き出された。一方、高沸成分を、80℃に保温されたライン88より薄膜蒸留装置803から抜き出し、80℃に保温されたタンク805に移送した。ジラウリン酸ジブチルスズをライン89より16.7g/hrでタンク805に投入した。
該タンク605に貯蔵された溶液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該溶液にはN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが24.1wt%含有されていた。
・工程(49−3): N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネート製造工程
200℃に加熱し、装置内の圧力を約1.3kPaとした薄膜蒸留装置806(日本国、神鋼環境ソリューション社製、伝熱面積0.1m)に、タンク805に貯蔵された溶液を、ライン90より800g/hrで供給した。薄膜蒸留装置806の上部に具備されたライン95より、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1−ブタノールおよび2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含む気体成分を抜き出した。該気体成分を、蒸留塔807に導入し、3−メチル−1−ブタノールを分離し、高沸成分の一部は、蒸留塔807の底部に具備されたライン94を介し、ライン93を経由して薄膜蒸留装置806に戻した。蒸留塔807に具備されたライン97より、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含有する気体成分を抜き出し、蒸留塔810に導入した。該蒸留塔810において、ヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。12時間反応をおこなったところ、ライン99より約88g/hrで溶液を回収し、該溶液のHおよび13C−NMR分析の結果、該溶液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを99wt%含有していた。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は92%であった。また、反応後、該薄膜蒸発装置内に付着物は見られなかった。
[実施例50]
・工程(50−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
容積5000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)688g(3.0mol)および3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)2222g(25.0mol)を入れた。該フラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約145℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま大気圧窒素下で約40分間加熱したところで、水を含む3−メチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜35kPaの状態で過剰の3−メチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。該フラスコが室温(25℃)付近まで冷却されたのち、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を大気圧に戻した。該フラスコには反応液1290gが得られた。119Sn、H、13C−NMRの分析結果から、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジ−n−ブチルスズオキシドに対して収率99%で得られたことを確認した。同様の操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計11368g得た。
図7に示すような連続製造装置において、炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器A102に、移送ラインA4から上記で製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを4388g/hrで供給した。一方、タンクA100からラインA1より蒸留塔A101に3−メチル−1−ブタノール供給し、蒸留塔A101において精製した3−メチル−1−ブタノールを、ラインA2より塔型反応器A102に14953g/hrで供給した。該反応器内A102は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラーA112によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ラインA6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール15037g/hrを、および、供給ラインA1を経て3−メチル−1−ブタノール825g/hrを、充填物Metal Gauze CYを充填し、リボイラーA111およびコンデンサーA121を備えた蒸留塔A101に輸送し、蒸留精製を行った。蒸留塔A101の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサーA121によって凝縮され回収ラインA3から回収された。精製された3−メチル−1−ブタノールは、蒸留塔A101の下部にある移送ラインA2を経て塔型反応器A102に輸送した。塔型反応器A102の下部からジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、移送ラインA5を経て薄膜蒸発装置A103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置A103において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサーA123、移送ラインA8および移送ラインA4を経て塔型反応器A102に戻した。薄膜蒸発装置A103の下部から移送ラインA7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約5130g/hrになるように調節しオートクレーブA104に供給した。オートクレーブに移送ラインA9より、二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調整し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む反応液を得た。該反応液を移送ラインA10と調節バルブを介して除炭槽A105に移送し残存二酸化炭素を除去し、移送ラインA11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、移送ラインA12を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置A106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し供給して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得、一方で蒸発残渣を移送ラインA13と移送ラインA4を介して、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4388g/hrになるように調節し塔型反応器A102に循環した。炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分はコンデンサーA126および移送ラインA14を経て、充填物Metal Gauze CYを充填しリボイラーA117およびコンデンサーA127を備えた蒸留塔A107に959g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ラインA15から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。該炭酸ビス(3−メチルブチル)はタンクA108に貯蔵した。移送ラインA13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによって分析したところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズは含まれていなかった。上記連続運転を約240時間行った後、抜き出しラインA16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を20g/hrで抜き出し、一方で供給ラインA17から上記方法で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)ジスタンオキサンを20g/hrで供給した。
・工程(50−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステル製造工程
撹拌槽A110を80℃に加熱した。ラインA22を閉じた状態で、撹拌槽A110に、タンクA108からラインA21より炭酸ビス(3−メチルブチル)を1214g/hrで移送し、同時に、ヘキサメチレンジアミンと3−メチル−1−ブタノールとナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)の混合溶液(混合比:ヘキサメチレンジアミン50部/3−メチル−1−ブタノール50部/ナトリウムメトキシド0.42部)をライン61より234g/hrで移送した。4時間後、ラインA23を閉じた状態でラインA22を開き、80℃に保温された撹拌槽A111に、該反応液を1448g/hrで移送を開始した。該反応液からの固形分の析出を防ぐために、ラインA22は80℃に保温した。同時に、撹拌槽A111に、タンクA109より2,4−ジ−tert−アミルフェノールを、ラインA25と通じて2225g/hrで移送し、撹拌槽A111にて均一な溶液とした。該溶液をラインA23を経て、80℃に保温したタンクA112に貯蔵した。
タンクA112に移送された混合液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該溶液に含有されるN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルは9.2wt%であった。
・工程(50−3):低沸成分留去工程
薄膜蒸留装置A113(日本国、神鋼環境ソリューション社製、伝熱面積0.2m)を150℃に加熱し、装置内の圧力を約0.1kPaとした。
タンクA112に貯蔵された溶液を、80℃に保温したラインA24より、3673g/hrで薄膜蒸留装置A113に移送し、該溶液に含まれる低沸成分の留去をおこなった。留去された低沸成分は、ラインA27より薄膜蒸留装置A113から抜き出された。抜き出した低沸成分を蒸留塔A118に導入し、蒸留分離をおこない、ラインA30より3−メチル−1−ブタノールを回収し、タンクA100に貯蔵した。一方、高沸成分を、150℃に保温されたラインA26より薄膜蒸留装置A113から抜き出し、80℃に保温された撹拌槽A114に移送した。同時に、ジラウリン酸ジブチルスズをライン67より29g/hrで撹拌槽A114に移送し、均一な溶液とした。
撹拌槽A114で調製された混合液は、ラインA33を閉じた状態で、ラインA32よりタンクA115に移送し、該タンクA115に貯蔵した。該タンクA115に貯蔵した溶液について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該溶液にはN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルが13.4wt%含有されていた。
・工程(50−4):エステル交換反応によるN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)エステルの製造工程
薄膜蒸留装置A116(日本国、神鋼環境ソリューション社製、伝熱面積0.2m)を240℃に加熱した。
ラインA36を閉じた状態で、タンクA115に貯蔵されたN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルと2,4−ジ−tert−アミルフェノールとジラウリン酸ジブチルスズの混合液を、ラインA32を介して、2436g/hrで薄膜蒸留装置A116に移送し、エステル交換反応をおこなった。薄膜蒸留装置A116の上部に具備されたラインA37より、3−メチル−1−ブタノールと2,4−ジ−tert−アミルフェノールを含有する混合気体を抜き出し、蒸留塔A119に供給した。蒸留塔A119において、3−メチル−1−ブタノールと2,4−ジ−tert−アミルフェノールを分離し、3−メチル−1−ブタノールをラインA39より抜き出し、ラインA40を経てタンクA100に貯蔵した。一方、2,4−ジ−tert−アミルフェノールは、蒸留塔A119の底部に具備されたラインA38より薄膜蒸留装置A116の上部に戻した。薄膜蒸留装置A116の底部に具備されたラインA34より反応液を抜き出し、ラインA35を経て薄膜蒸留装置A116に供給した。ラインA35より抜き出される反応液中のN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)エステルが25.2wt%となったところで、ラインA41を閉じた状態でラインA36を開き、該反応液をタンクA121に移送した。
・工程(50−5):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)エステルの熱分解によるヘキサメチレンジイソシアネート製造工程
200℃に加熱し、装置内の圧力を約1.3kPaとした薄膜蒸留装置A122(日本国、神鋼環境ソリューション社製、伝熱面積0.1m)に、タンクA121に貯蔵された溶液を、ラインA41より2306/hrで供給した。薄膜蒸留装置A122の上部に具備されたラインA43より、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む気体成分を抜き出し、蒸留塔A123に供給した。蒸留塔A123で蒸留分離をおこない、ラインA45よりヘキサメチレンジイソシアネートを447g/hrで回収した。
蒸留塔A123で分離された高沸成分は、ラインA47より抜き出し、ラインA48を介して蒸留塔A126に導入した。蒸留塔A126において、該高沸成分から2,4−ジ−tert−アミルフェノールを分離し、ラインA49よりタンクA109に移送した。
上記の一連の工程をおこない、ヘキサメチレンジイソシアネートを643kg回収したが、反応後、薄膜蒸留装置および薄膜蒸留装置に付着物はみられなかった。
[比較例1]
・工程(A−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法で炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(A−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
工程(A−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)を1537g(7.6mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを232g(2.0mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を19.3g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを37.7wt%含有する溶液を得た。
・工程(A−3):低沸物の留去
工程(A−2)で得た溶液を、三方コック、冷却器、留出液受器および温度計を備えた内容積10Lのフラスコにいれ、該フラスコ内を真空−窒素置換した。該フラスコを、約130℃に加熱したオイルバスに浸漬した。装置内を徐々に減圧しながら蒸留をおこない、最終的に、装置内を0.13kPaとした。留出物を1078g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)68.1wt%と3−メチル−1−ブタノール31.5wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを59.8wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は60.3%であった。該残留物は160℃で液体であった。該残留物を160℃で1日間保持した後、該残留物中のN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルは32.2wt%であった。
[比較例2]
・工程(B−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに炭酸ジメチルを1625g(18.0mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを349g(3.0mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を28.9g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを34.1wt%含有する溶液を得た。
・工程(B−2):組成物の調製
工程(B−1)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりにトルエン(日本国、和光純薬工業社製)2702gを使用した以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を3972g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジメチル27.5wt%とメタノール4.7wt%、およびトルエン67.7wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルを67.3wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの収率は70.5%であった。該残留物は50℃で液体であった。該残留物を50℃で10日間保持した後、該残留物中のN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルは31.6wt%であった。
[比較例3]
・工程(C−1):炭酸ジブチルの製造
実施例7の工程(7−1)と同様の方法により炭酸ジブチルを製造した。
・工程(C−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルの製造
炭酸ビス(3−メチルブチル)の代わりに工程(C−1)で製造した炭酸ジブチルを2324g(13.3mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを267g(2.3mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を13.3g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを27.4wt%含有する溶液を得た。
・工程(C−2):組成物の調製
工程(C−1)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりにフタル酸ベンジルブチル(日本国、和光純薬工業社製)2850gを使用した以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を1901g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ジブチル78.4wt%と1−ブタノール16.8wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルを14.9wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジメチルエステルの収率は71.3%であった。該残留物は70℃で液体であった。該残留物を70℃で1日間保持した後、該残留物中のN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジブチルエステルは8.6wt%であった
[参考例4]
・工程(D−1):炭酸ビス(3−メチルブチル)の製造
実施例1の工程(1−1)と同様の方法で炭酸ビス(3−メチルブチル)を製造した。
・工程(D−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
工程(D−1)で得た炭酸ビス(3−メチルブチル)を1922g(9.5mol)使用し、ヘキサメチレンジアミンを221g(1.9mol)使用し、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液)を18.3g使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこない、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを29.4wt%含有する溶液を得た。
・工程(D−3):組成物の調製
工程(D−2)で得られた溶液、および2,4−ジ−tert−アミルフェノールの代わりに2,6−ジメチルフェノール3117gを使用した以外は、実施例1の工程(1−3)と同様の方法をおこない、留出物を4190g得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、該留出物は、炭酸ビス(3−メチルブチル)27.8wt%と3−メチル−1−ブタノール8.1wt%、および2,6−ジメチルフェノール64.4wt%を含有する溶液であった。また、該フラスコ内に得られた残留物について液体クロマトグラフィー分析をおこなったところ、該残留物は、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルを80.7wt%含有し、ヘキサメチレンジアミンに対するN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの収率は85.1%であった。該残留物は150℃で液体であった。該残留物を150℃で1日間保持した後、該残留物中のN,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルは42.1wt%であった
本発明の組成物は、カルバミン酸エステルの熱変性反応を抑制することができる。また、該組成物を使用したイソシアネートの製造方法は、猛毒のホスゲンを使用することなく、効率よくイソシアネートを製造することができるため、本発明の組成物および該組成物を使用したイソシアネートの製造方法は産業上大いに有用であり商業的価値が高い。
本発明の実施例にて用いた炭酸エステルの連続製造装置を示す概念図である。 本発明の実施例にて用いたイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にて用いたエステル交換反応装置を表す概念図である。 本発明の実施例にて用いたイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にて用いたイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にて用いたイソシアネート連続製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にて用いたイソシアネート連続製造装置を表す概念図である。
符号の説明
(図1)
101,107:蒸留塔、102:塔型反応器、103,106:薄膜蒸留装置、104:オートクレーブ、105:除炭槽、111,112,117:リボイラー、121,123,126,127:コンデンサー、1,9:供給ライン、2,4,5,6,7,8,10,11,12,13,14:移送ライン、3,15:回収ライン、16:抜き出しライン、17:フィードライン
(図2)
201:タンク、202:薄膜蒸留装置、203,204:蒸留塔、205,207:コンデンサー、206,208:リボイラー、21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33:移送ライン
(図3)
401:タンク、402:薄膜蒸留装置、403:蒸留塔、404:コンデンサー、41,42,43,44,45,46,47,48,49:移送ライン
(図4)
501:タンク、502:薄膜蒸留装置、503,504,505:蒸留塔、507,509,511:コンデンサー、506,508,510:リボイラー、51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68:移送ライン、
(図5)
701:タンク、702:薄膜蒸留装置、703:蒸留塔、704:リボイラー、705:コンデンサー、71,72,73,74,75,76,77,78,79:移送ライン
(図6)
801,803:撹拌槽、812:イオン交換塔、802,805:タンク、804,806:薄膜蒸留装置、807,810:蒸留塔、808,812:コンデンサー、809,811:リボイラー、80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101:移送ライン
(図7)
A100,A108,A109,A112,A115,A121:タンク、A101,A107,A118,A119,A123,A126:蒸留塔、A102:塔型反応器、A103,A106,A113,A116,A122:薄膜蒸留装置、A104:オートクレーブ、A105:除炭槽、A110,A111,A114:撹拌槽、A129:イオン交換塔、A132,A133,A136,A130,A125,A127:リボイラー、A131,A137,A134,A135,A117,A120,A124,A128:コンデンサー、A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12,A13,A14,A15,A16,A17,A20,A21,A22,A23,A24,A25,A26,A27,A28,A29,A30,A31,A32,A33,A34,A35,A36,A37,A38,A39,A40,A41,A42,A43,A44,A45,A46,A47,A48,A49,A50,A51:移送ライン

Claims (43)

  1. カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を用いてイソシアネートを製造する製造方法であって、
    該組成物を、該カルバミン酸エステルの熱分解反応がおこなわれる反応器に移送する工程を含み、
    該カルバミン酸エステルを構成するエステル基のモル数;A
    該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数;B
    のAに対するBの比率が0.1〜50の範囲であり、
    該カルバミン酸エステルの融点が200℃以下であり、
    該芳香族ヒドロキシ化合物の融点が190℃以下であって、下記式(1)で表される、少なくとも1つの置換基R1を有する芳香族ヒドロキシ化合物である、
    イソシアネートを製造する製造方法。
    Figure 0004958971
    (式中:
    環Aは、置換基を有してもよい、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環を表し、単環でも複数環でもよく、
    1は、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、更にR1は、Aと結合して環構造を形成してもよい。)。
  2. 以下の工程(1)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、または、工程(2)、工程(3)、工程(4)および工程(5)を含む工程、によりイソシアネートを製造する請求項1記載の製造方法;
    工程(1):アミン化合物と炭酸エステルとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと炭酸エステルを含有する混合物を得る工程、
    工程(2):アミン化合物と尿素とアルコールとを反応させて、カルバミン酸エステルとアルコールと尿素化合物とを含有する混合物を得る工程、
    工程(3):工程(1)または工程(2)の該混合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いて、該混合物に含有されるアルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離して、該カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を製造する工程、
    工程(4):工程(3)で得られる該組成物を、液体の状態で工程(5)が実施される反応器に移送する工程、
    工程(5):工程(4)で移送した該組成物を用いてイソシアネートを製造する工程。
  3. 芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、カルバミン酸エステルのエステル基を構成するRO(Rはアルキル基を表し、Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した構造を有する化合物ROHの標準沸点よりも高い請求項2記載の製造方法。
  4. 該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点が、カルバミン酸エステルのエステル基を構成する基RO(Rはアルキル基を表し、Oは酸素原子を表す)がカルボニル基を介して結合した構造を有する化合物ROCOORの標準沸点よりも高い請求項3記載の製造方法。
  5. 工程(3)が、工程(1)または工程(2)の混合物と、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を分離し、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る工程である、請求項4記載の製造方法。
  6. 工程(3)が蒸留塔においておこなわれ、工程(1)または工程(2)の該混合物を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留塔に供給し、塔頂から、アルコール、および、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を得る工程である、請求項5記載の製造方法。
  7. 工程(3)が、工程(1)または工程(2)の混合物から、一部または全部のアルコール、および/または、一部の、炭酸エステルまたは尿素を分離して得られる混合物と、芳香族ヒドロキシ化合物とを混合して混合液を得、該混合液から、炭酸エステルまたは尿素を分離する工程である、請求項4記載の製造方法。
  8. 工程(3)が蒸留塔においておこなわれ、下記の工程(3−1)および工程(3−2)を含む工程である請求項7記載の製造方法:
    工程(3−1):工程(1)または工程(2)の混合物を蒸留塔に供給し、塔頂から、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと、アルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を含有する混合液を回収する工程、
    工程(3−2);工程(3−1)の混合液を、芳香族ヒドロキシ化合物との混合物として蒸留塔に供給し、塔頂からアルコール、および/または、炭酸エステルまたは尿素を回収し、塔底より、カルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を回収する工程。
  9. 工程(3)で分離した炭酸エステルまたは尿素を、工程(1)の炭酸エステル、または工程(2)の尿素として再利用する工程を含む請求項2記載の製造方法。
  10. 工程(4)が180℃以下でおこなわれる請求項2記載の製造方法。
  11. 工程(5)が、工程(4)の組成物に含有されるカルバミン酸エステルを熱分解反応に付す工程であって、該熱分解反応によって生成する低沸点成分を、気体成分として、該熱分解反応がおこなわれる反応器から回収し、カルバミン酸エステルおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合物の一部または全部を、該反応器の底部から回収する工程である請求項2記載の製造方法。
  12. 該低沸点成分が、カルバミン酸エステルに由来するアルコールである請求項11記載の製造方法。
  13. 工程(5)が、工程(4)の該組成物を加熱して、該組成物に含有されるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、該芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基を有するカルバミン酸アリールを得、次いで、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する工程である請求項2記載の製造方法。
  14. 工程(5)が、次の工程(5−1)および工程(5−2)を含む請求項13記載の製造方法;
    工程(5−1):工程(4)の該組成物に含有されるカルバミン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、生成する低沸点成分を気体成分として回収し、該カルバミン酸アリールと該芳香族ヒドロキシ化合物とを含む反応液を、該反応がおこなわれる反応器底部から取り出す工程、
    工程(5−2):工程(5−1)の反応液を、熱分解反応がおこなわれる反応器に供給して該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付し、生成するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気体成分として回収し、気体成分として回収されない、イソシアネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物および/またはカルバミン酸アリールを含有する混合液の一部または全部を該反応器底部から回収する工程。
  15. 工程の(5−1)の低沸点成分が、該カルバミン酸エステルに由来するアルコールである請求項14記載の製造方法。
  16. 請求項11記載の、反応器底部から回収されたカルバミン酸エステルおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を含有する混合物、または、請求項14記載の工程(5−1)の反応液、請求項14記載の工程(5−2)で反応器底部から回収された混合液および/または気体成分として回収された化合物から、芳香族ヒドロキシ化合物を回収し、該芳香族ヒドロキシ化合物を工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物として再利用する請求項11または14の何れか一項に記載の製造方法。
  17. 請求項2記載の工程(3)で分離されるアルコール、および/または、請求項10および/または請求項13のアルコールを、請求項2記載の工程(2)におけるアルコールの一部または全部として使用する請求項2記載の製造方法。
  18. 該芳香族ヒドロキシ化合物の分子量が、120〜370の範囲である請求項4記載の製造方法。
  19. 該芳香族ヒドロキシ化合物が、該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を1つ有する化合物である請求項18記載の製造方法。
  20. 該芳香族ヒドロキシ化合物が、環Aが、ベンゼン環、ナフタレン環およびアントラセン環からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を含有する構造である請求項記載の製造方法。
  21. 該芳香族ヒドロキシ化合物が、下記式(2)で表される化合物である請求項20記載の製造方法:
    Figure 0004958971
    (式中:
    2、R3、R4、R5およびR6は、各々独立に、水素原子、もしくは、炭素、酸素、窒素からなる群から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数1〜20の脂肪族アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基を表し、R2、R3、R4、R5およびR6のうち、少なくとも1つは水素原子以外である。)。
  22. 該芳香族ヒドロキシ化合物が、上記式(2)で表される化合物のうち、R2が水素原子ではない化合物である請求項21記載の製造方法。
  23. 該芳香族ヒドロキシ化合物が、上記式(2)で表される化合物のうち、R2とR6を構成する炭素原子の合計数が2〜20である請求項22記載の製造方法。
  24. 工程(1)のアミン化合物がポリアミン化合物である請求項2記載の製造方法。
  25. 該アミン化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項24記載の製造方法。
    Figure 0004958971
    (式中、
    7は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
    nは、2〜10の整数である。)
  26. 該ポリアミン化合物が、式(3)においてnが2であるジアミン化合物である請求項25記載の製造方法。
  27. 該ジアミン化合物が、式(3)において、R7が、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基である化合物である請求項26記載の製造方法。
  28. 該ジアミン化合物が、下記式(4)、(5)および(6)からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項27記載の製造方法。
    Figure 0004958971
  29. 該炭酸エステルが、下記式(7)で表される化合物である請求項2記載の製造方法:
    Figure 0004958971
    (式中、R8は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基を表す。)。
  30. 該炭酸エステルが、以下の工程(A)および工程(B)を含む工程によって製造される請求項29記載の製造方法:
    工程(A):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを含有する反応混合物を得る工程、
    工程(B):該反応混合物から該炭酸エステルを分離するとともに残留液を得る工程。
  31. 請求項30記載の工程(A)および工程(B)に加えて、以下の工程(C)および工程(D)をおこなう請求項30記載の製造方法:
    工程(C):工程(B)で得られた該残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程、
    工程(D):工程(C)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(A)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
  32. 請求項2記載の工程(3)で分離されるアルコール、および/または、請求項10および/または請求項13のアルコールを、請求項31記載の工程(C)におけるアルコールの一部または全部として使用する請求項31記載の製造方法。
  33. 工程(1)のアルコールが、炭酸エステルに由来するアルキル基を有するアルコールである請求項2記載の製造方法。
  34. 工程(1)のアミン化合物と炭酸エステルとの反応が、金属アルコキシド化合物存在下におこなわれる請求項2記載の製造方法。
  35. 該金属アルコキシド化合物が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物である請求項34記載の製造方法。
  36. 該炭酸エステルを構成するアルキル基と、該金属アルコキシド化合物を構成するアルキル基が同一である請求項35記載の製造方法。
  37. 工程(2)のアルコールが、下記式(8)で表される化合物である請求項2記載の製造方法:
    Figure 0004958971
    (式中、
    9は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を表す。)。
  38. 該カルバミン酸エステルが、ポリカルバミン酸エステルである請求項2記載の製造方法。
  39. 該ポリカルバミン酸エステルが、下記式(9)で表される化合物である請求項38記載の製造方法。
    Figure 0004958971
    (式中;
    7は、上記定義した基を表し、
    11は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族基を表し、
    nは、2〜10の整数である。)
  40. 該ポリカルバミン酸エステルが、式(9)で表される化合物のうち、nが2である化合物である請求項39記載の製造方法。
  41. 該ポリカルバミン酸エステルが、式(9)で表される化合物のうち、R11が炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜10の脂肪族基である請求項40記載の製造方法。
  42. 該ポリカルバミン酸エステルが、式(9)で表される化合物のうち、R7が、炭素数1〜20のアルキル基、および炭素数5〜20のシクロアルキル基からなる群から選ばれる1つの基である化合物である請求項41記載の製造方法。
  43. 該ポリカルバミン酸エステルが、下記式(10)、(11)、および(12)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項42記載の製造方法:
    Figure 0004958971
    (式中:
    11は上記定義した基である。)。
JP2009507484A 2007-03-30 2008-03-26 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物 Active JP4958971B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009507484A JP4958971B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007091073 2007-03-30
JP2007091073 2007-03-30
JP2009507484A JP4958971B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物
PCT/JP2008/055772 WO2008120645A1 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012037847A Division JP4981997B2 (ja) 2007-03-30 2012-02-23 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008120645A1 JPWO2008120645A1 (ja) 2010-07-15
JP4958971B2 true JP4958971B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=39808227

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009507484A Active JP4958971B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物
JP2012037847A Active JP4981997B2 (ja) 2007-03-30 2012-02-23 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012037847A Active JP4981997B2 (ja) 2007-03-30 2012-02-23 カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物

Country Status (8)

Country Link
US (2) US9056819B2 (ja)
EP (1) EP2147909B1 (ja)
JP (2) JP4958971B2 (ja)
CN (1) CN101652344B (ja)
CA (1) CA2682512C (ja)
ES (1) ES2619508T3 (ja)
TW (2) TWI458698B (ja)
WO (1) WO2008120645A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2483058C2 (ru) 2008-05-15 2013-05-27 Асахи Касеи Кемикалз Корпорейшн Способ получения изоцианата
BRPI0920794B1 (pt) * 2009-08-21 2019-04-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation Método para produzir um éster de ácido carbâmico n-substituído, e, composição para transferência e armazenamento de um o-ar éster de ácido carbâmico n-substituído
KR101489100B1 (ko) 2010-10-04 2015-02-02 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 분리 방법 및 이소시아네이트의 제조 방법
EP2679575B1 (en) 2011-02-21 2019-04-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for producing carbonyl compounds
SG2013017017A (en) * 2012-01-25 2014-09-26 Asahi Kasei Chemicals Corp A method of separation
CN113880741A (zh) * 2013-03-05 2022-01-04 旭化成株式会社 异硫氰酸酯的制造方法
WO2014163017A1 (ja) * 2013-04-03 2014-10-09 三井化学株式会社 キシリレンジイソシアネートの製造方法およびキシリレンジイソシアネートの製造装置
WO2016156188A1 (de) 2015-03-31 2016-10-06 Basf Se Verfahren zur herstellung von isocyanaten durch carbamatspaltung
EP3450424A1 (de) * 2017-09-04 2019-03-06 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von isocyanaten
EP3459930A1 (en) * 2017-09-26 2019-03-27 Covestro Deutschland AG Multistep process for the preparation of hexamethylene diisocyanate, pentamethylene diisocyanate or toluene diisocyanate
EP3459931A1 (en) * 2017-09-26 2019-03-27 Covestro Deutschland AG Multistep process for the preparation of diisocyanates
WO2021100131A1 (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 旭化成株式会社 イソシアネートの製造方法
WO2023106377A1 (ja) * 2021-12-08 2023-06-15 旭化成株式会社 ブロックイソシアネート化合物の製造方法及びイソシアネート化合物の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0987239A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Mitsubishi Gas Chem Co Inc イソシアネート類の製造法

Family Cites Families (52)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2692275A (en) 1953-01-23 1954-10-19 Rohm & Haas Preparation of 1, 8-diisocyanato-p-menthane
US3734941A (en) 1968-09-06 1973-05-22 American Cyanamid Co Process for converting urethanes to isocyanates
JPS5219624A (en) 1975-08-07 1977-02-15 Mitsui Toatsu Chem Inc Process for preparation of isocyanates
US3992430A (en) 1975-09-11 1976-11-16 Chevron Research Company Process for preparing aromatic isocyanates
DE2917490A1 (de) 1979-04-30 1980-11-13 Basf Ag Verfahren zur herstellung von aliphatischen und cycloaliphatischen di- und polyurethanen
DE2942503A1 (de) 1979-10-20 1981-05-07 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von aromatischen di- und/oder polyisocyanaten
DE2943480A1 (de) 1979-10-27 1981-05-07 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von n,o-disubstituierten urethanen, sowie ihre verwendung als ausgangsmaterial zur herstellung von isocyanaten
DE2943551A1 (de) 1979-10-27 1981-05-07 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von n,o-disubstituierten urethanen, sowie ihre verwendung zur herstellung von isocyanaten
DE2943550A1 (de) 1979-10-27 1981-05-14 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von urethanen und ihre verwendung als ausgangsmaterial zur herstellung von isocyanaten
JPS5679658A (en) 1979-12-05 1981-06-30 Mitsui Toatsu Chem Inc Novel polyisocyanate composition
JPS5679657A (en) 1979-12-04 1981-06-30 Mitsui Toatsu Chem Inc Novel preparation of polyisocyanate
DE3040692A1 (de) * 1980-10-29 1982-06-03 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung aliphatischer isocyanate
DE3047898A1 (de) 1980-12-19 1982-07-15 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlichen thermischen spaltung von carbamidsaeureestern und die verwendung von hierbei anfallenden isocyanate und carbamidsaeureester aufweisenden gemischen zur herstellung von isocyanaten
IT1141960B (it) 1981-01-28 1986-10-08 Anic Spa Procedimento per la preparazione di uretani aromatici
DE3108990A1 (de) 1981-03-10 1982-09-23 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
US4388426A (en) 1981-06-26 1983-06-14 Eschem Inc. Stabilization of epoxy systems in non-flammable solvents
DE3142627A1 (de) 1981-10-28 1983-05-05 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von isocyanaten durch thermische spaltung von urethanen
DE3215591A1 (de) 1982-04-27 1983-10-27 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlichen thermischen spaltung von carbamidsaeureestern
EP0100047B1 (de) 1982-07-24 1986-02-12 BASF Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von Hexamethylen-diisocyanat-1,6 und/oder isomeren Diisocyanaten mit 6 Kohlenstoffatomen im Alkylenrest
JPS5948452A (ja) 1982-09-10 1984-03-19 Mitsubishi Chem Ind Ltd 芳香族ウレタンの貯蔵又は輸送方法
JPS5962561A (ja) * 1982-10-04 1984-04-10 Mitsubishi Chem Ind Ltd 芳香族ウレタンの貯蔵又は輸送方法
DE3314788A1 (de) 1983-04-23 1984-10-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Mehrstufenverfahren zur herstellung von hexamethylendiisocyanat-1,6 und/oder isomeren aliphatischen diisocyanaten mit 6 kohlenstoffatomen im alkylenrest
DE3314790A1 (de) 1983-04-23 1984-10-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Mehrstufenverfahren zur herstellung von 3-isocyanatomethyl-3,5,5-trimethyl-cyclohexylisocyanat
IT1164223B (it) 1983-05-13 1987-04-08 Anic Spa Procedimento perfezionato per la produzione di isocianati alchilici
IT1183332B (it) 1985-02-08 1987-10-22 Enichem Sintesi Procedimento per la produzione di n-metilcarbammati
JPH0780830B2 (ja) 1987-01-13 1995-08-30 ダイセル化学工業株式会社 イソシアネート化合物の製造方法
US5773643A (en) 1987-01-13 1998-06-30 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for preparation of isocyanate compounds
US4925971A (en) 1987-12-08 1990-05-15 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing aliphatic o-arylurethanes
DE3828033A1 (de) 1988-08-18 1990-03-08 Huels Chemische Werke Ag Kreislaufverfahren zur herstellung von (cyclo)aliphatischen diisocyanaten
DE3915181A1 (de) 1989-05-10 1990-11-15 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
DE3915183A1 (de) 1989-05-10 1990-11-15 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
DE4213099A1 (de) 1992-04-21 1993-10-28 Basf Ag Mehrstufiges Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von organischen Polyisocyanaten
DK169700B1 (da) 1993-02-12 1995-01-16 Topsoe Haldor As Fremgangsmåde til fremstilling af organiske isocyanater
JPH06172292A (ja) 1993-09-02 1994-06-21 Daicel Chem Ind Ltd ジイソシアネート化合物の製造方法
JPH07165696A (ja) 1993-12-14 1995-06-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンの製造方法
US5545600A (en) 1994-12-21 1996-08-13 Knudsen; George A. Process for the preparation of dialkyltin dialkoxide
EP0795544B1 (de) 1996-03-15 2001-10-31 Bayer Ag Verfahren zur thermischen Spaltung von Carbamidsäureestern
DE19627906A1 (de) 1996-07-11 1998-01-15 Bayer Ag Verfahren zur destillativen Reinigung von Diurethanen
EP0986535A1 (en) * 1997-05-31 2000-03-22 Huntsman Ici Chemicals Llc Method for the preparation of organic isocyanates
JP3128576B1 (ja) 1999-07-15 2001-01-29 工業技術院長 二酸化炭素から炭酸エステルを製造する方法
JP2001048839A (ja) 1999-08-09 2001-02-20 Mitsui Chemicals Inc カルバメート類の製造方法
ES2245685T3 (es) 2000-02-29 2006-01-16 Huntsman International Llc Procedimiento para la preparacion de poliisocianatos organicos.
JP3385359B2 (ja) 2000-03-07 2003-03-10 独立行政法人産業技術総合研究所 二酸化炭素とアルコールからの炭酸エステルの製造方法
KR100545615B1 (ko) 2001-12-27 2006-01-24 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 탄산에스테르의 제조 방법
SG115512A1 (en) 2001-12-28 2005-10-28 Mitsui Takeda Chemicals Inc Method for producing carbamates and method for producing isocyanates
BR0313190B1 (pt) 2002-08-07 2013-04-02 mÉtodo para produzir um Éster carbânico.
JP4299020B2 (ja) * 2003-02-13 2009-07-22 三井化学ポリウレタン株式会社 アルキルカルバメートの製造方法
JP2004262831A (ja) 2003-02-28 2004-09-24 Mitsui Chemicals Inc 芳香族ウレタン溶液の保存方法
RU2329250C2 (ru) 2003-06-27 2008-07-20 Асахи Касеи Кемикалз Корпорейшн Способ получения ароматического карбоната
WO2005111049A1 (ja) 2004-05-19 2005-11-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation アルキルスズアルコキシド類の製造方法
WO2008059953A1 (fr) 2006-11-17 2008-05-22 Asahi Kasei Chemicals Corporation Procédé de production d'isocyanate
TW200844080A (en) 2007-01-11 2008-11-16 Asahi Kasei Chemicals Corp Process for producing isocyanate

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0987239A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Mitsubishi Gas Chem Co Inc イソシアネート類の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2619508T3 (es) 2017-06-26
CA2682512A1 (en) 2008-10-09
CN101652344B (zh) 2014-06-04
TWI458698B (zh) 2014-11-01
JPWO2008120645A1 (ja) 2010-07-15
TW200909397A (en) 2009-03-01
JP4981997B2 (ja) 2012-07-25
US20150259279A1 (en) 2015-09-17
US9637445B2 (en) 2017-05-02
CA2682512C (en) 2012-03-06
CN101652344A (zh) 2010-02-17
EP2147909A1 (en) 2010-01-27
US20100113823A1 (en) 2010-05-06
US9056819B2 (en) 2015-06-16
TWI441805B (zh) 2014-06-21
WO2008120645A1 (ja) 2008-10-09
JP2012097123A (ja) 2012-05-24
EP2147909B1 (en) 2016-12-14
TW201329027A (zh) 2013-07-16
EP2147909A4 (en) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4958971B2 (ja) カルバミン酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物を含む組成物を用いるイソシアネートの製造方法、ならびにカルバミン酸エステル移送用および貯蔵用組成物
JP5591289B2 (ja) イソシアネートの製造方法
JP4859255B2 (ja) イソシアネートの製造方法
ES2710177T3 (es) Proceso para la producción de isocianato
US8895774B2 (en) Process for producing isocyanates using diaryl carbonate
JP6140768B2 (ja) カルボニル化合物の製造方法
TWI408120B (zh) A process for producing isocyanates using diaryl carbonates
TWI496763B (zh) Preparation of isocyanates

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20120116

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20120127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120319

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4958971

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350