JPH0780830B2 - イソシアネート化合物の製造方法 - Google Patents

イソシアネート化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH0780830B2
JPH0780830B2 JP62316180A JP31618087A JPH0780830B2 JP H0780830 B2 JPH0780830 B2 JP H0780830B2 JP 62316180 A JP62316180 A JP 62316180A JP 31618087 A JP31618087 A JP 31618087A JP H0780830 B2 JPH0780830 B2 JP H0780830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aliphatic
alicyclic
reaction
producing
diisocyanate compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62316180A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6485956A (en
Inventor
豊和 楊井
輝雄 糸数
憲治 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP62316180A priority Critical patent/JPH0780830B2/ja
Priority to PCT/JP1988/000026 priority patent/WO1988005430A1/ja
Priority to DE3850647T priority patent/DE3850647T2/de
Priority to EP88900845A priority patent/EP0323514B1/en
Publication of JPS6485956A publication Critical patent/JPS6485956A/ja
Priority to US08/358,680 priority patent/US5773643A/en
Publication of JPH0780830B2 publication Critical patent/JPH0780830B2/ja
Priority to US08/560,517 priority patent/US5914428A/en
Priority to US08/940,364 priority patent/US5789614A/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、脂肪族または脂環族ジアミンとジメチルカー
ボネートとを出発原料とする2段階反応からなる脂肪族
または脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法に関す
る。
《技術の背景》 イソシアネート化合物は工業的に有用な化合物であり、
中でもジイソシアネート化合物はポリウレタンの原料と
して特に有用である。
今日、ジイソシアネート化合物は、工業的には全量が、
アミン化合物とホスゲンとの反応により製造されてい
る。
周知のように、ホスゲンは選択性の高い反応性を有する
物質である。
しかし、同時に強い毒性も有し、その取扱いには厳重な
管理が必要である。
したがって、ホスゲンを用いる製造を続ける限り、ホス
ゲンの漏洩に伴う災害の危険を皆無にすることは不可能
である。
《従来技術》 アミン化合物から、ホスゲンを用いずにジイソシアネー
ト化合物を製造する方法として、アミン化合物を、尿素
及びアルコールと反応させて、まずウレタン化合物を製
造し、次いでそのウレタン化合物を気相で熱分解してジ
イソシアネート化合物を得る方法が提案されている(特
開昭59−205352、同59−205353)。
しかし、この方法は実施例では、第1工程が6〜8バー
ルの圧力で、第2工程は気相で410℃の反応温度で実施
されており、装置的に高価な製造方法となってしまう。
また、尿素を出発原料としていることにより第1工程で
アンモニアが発生するため製造プロセスが複雑になる。
上記の尿素およびアルコールに変えてジアミンとジメチ
ルカーボネートを使用する方法が考えられる。ジメチル
カーボネートはホスゲンと比較して特別な除害設備や監
視の必要の無い安全な化合物である。
また、ジメチルカーボネートは安価なメタノール、一酸
化炭素および酸素とから製造される化合物である[例え
ば、特願昭61−201568(特開昭63−57552)、特願昭61
−215178(特開昭63−72650)、特願昭61−215179(特
開昭63−72651)など]。このことからジアミンをジメ
チルカーボネートと反応させてウレタン化合物とし、さ
らに熱分解してジイソシアネート化合物を収率よく得ら
れれば経済的に有利な、かつ、ホスゲン法に替わり得る
方法になる。
このジアミンをジメチルカーボネートと反応させてウレ
タン化合物とし、さらに熱分解してイソシアネート化合
物を合成する2段の反応を反応式で表わすと以下のよう
になる。
第1段反応:ウレタン化合物の合成反応 第2段反応:ウレタン化合物の熱分解反応 上記の第1段反応単独の反応については幾つかの方法が
提案されている。
ジアルキルカーボネートとジアミン化合物との反応は温
和な温度と圧力では反応は非常に遅く,実用的な方法と
するためには触媒が必要である。触媒としてルイス酸を
用いる方法が例えば、特公昭51−33095号公報に開示さ
れている。同公報実施例には芳香族アミン、脂肪族アミ
ンが示されているが、触媒の使用量が多く、また触媒の
種類も高価なウランやアンチモンであり、経済的ではな
い。
また、塩基触媒存在下、炭酸エステルとアミン化合物と
の反応によりウレタン化合物を製造する方法も提案され
ている(特開昭54−163527)。
この公報には芳香族アミンであるアニリンを用いた実施
例のみが示されている。
この反応においては副反応であるN−メチル化反応がウ
レタン化合物の生成反応よりも優勢であるため目的とす
るウレタン化合物の収率が不充分である。
また、塩基触媒存在下の反応として別の方法も提案され
ている(USP 4395465=GB 2091730)。
この公報にはジメチルカーボネートと芳香族アミンを用
いる実施例において芳香族アミンとしてアニリンを用い
た実施例が幾つか示されている。最初の一例はオートク
レーブによる加圧下でジメチルカーボネートの沸点(90
℃)以上の温度(120℃)で反応を行なっているが、5
時間後の転化率は40%に過ぎない。
また、メチル化物が無視できない程度の量生成してい
る。別の一例は70℃、常圧で、アニリン18.5g(0.199モ
ル)、ジメチルカーボネート22g(0.244モル)、ナトリ
ウムメチラート1.24g、メタノール25ml(17.4g)、合計
61.4g(メタノール以外の成分の濃度は準に3.2モル/k
g、4.0モル/kg、2.0wt%である)の条件で5時間反応さ
せた結果、アニリンの転化率は15.3%に過ぎず、空時得
率が良いとはいえない。
この特許では100〜140℃が特に好ましい範囲として示さ
れている。
すなわち、従来、塩基性触媒を用いる方法ではジメチル
カーボネートと芳香族アミンは不十分な収率または空時
得率でしか反応しなかった。
ところが、アルカリ金属アルコラート触媒存在下での脂
肪族または脂環族ジアミン[本発明においては、ベンゼ
ン核にアミノ基が直接結合していないものも脂肪族ジア
ミンと見做す]のジメチルカーボネートとの反応を検討
したところ、驚くべきことに高い収率と優れた空時得率
が達成されることが見出だされた。
また、第2段目の単独の反応についても幾つかの方法が
開示されている。
例えば、前記特開昭59−205352、特開昭59−205353(US
P 4596679)には本願の第1段目に対応する反応に引き
続いて400℃以上と反応温度で分解させる方法が提案さ
れているが、気相反応のため設備費が高価となり、不利
である。
第2段目を液相で反応させる方法としては、例えば、特
公昭57−45736号(USP 4081472)号公報や特開昭51−19
721(USP 3,919,279)号公報に各種の金属または金属塩
触媒を用いて高沸点溶媒中でウレタン化合物を熱分解さ
せてジイソシアネート化合物を得る方法が紹介されてい
る。
しかしながら、前者は用いられている触媒がマンガン、
モリブデン、タングステンを含まない金属または金属塩
であり、また、触媒の添加の方法も本願のようなメタノ
ールに溶解した溶液として添加するような工夫もなされ
ず、高沸点溶媒中にウレタン化合物と同時に仕込んでお
くため反応の効率が今一つ充分ではない。
また、収率を向上させるのに極めて有効な助触媒である
亜リン酸トリフェニルを併用することなどはなされてい
ない。また、触媒の使用量も多量である。
また、特開昭51−19721(USP 3,919,270)号公報には上
記金属または金属塩を触媒として用い、加熱分解する方
法が開示されてはいるが、上記と同様に細かい配慮がな
されていないため経済的に実施するには不十分である。
しかも、ウレタン化合物を製造後、一定時間内にそれを
熱分解すれば収率良くジイソシアネート化合物を製造す
ることができることなどはいずれの公報にも開示されて
いない。
また、芳香族ジイソシアネート化合物を製造する実施例
しか示されていない。
このような状況下で、反応性の低い脂肪族、特に脂環族
のジイソシアネート化合物を経済的に製造する方法が待
ち望まれていた。
《発明の目的》 および 《発明が解決しようとする課題》 本発明の目的は、高い圧力や気相反応を用いず、その結
果、設備的に高価でなく、また使用する原料は安価で、
目的生成物の収率も良く、空時収率も良い脂肪族または
脂環族のジイソシアネート化合物の製造方法を提供する
ことにある。
同時に、ホスゲンを必要としない、すなわち、脂肪族ま
たは脂環族のジアミン化合物とジメチルカーボネートと
をアルカリ触媒存在下で反応させて対応するウレタン化
合物とし、次いで一定の時間内に該ウレタン化合物を高
沸点溶媒中で脂肪族または脂環族のジイソシネート化合
物を工業的に製造する一連の方法を提供することも本発
明の目的の一つである。
《発明の構成》 すなわち、本発明は 「アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラート触
媒の存在下、脂肪族または脂環族ジアミンとジメチルカ
ーボネートとを反応させて対応する脂肪族または脂環族
ウレタン化合物を合成する第1段反応、次いで該脂肪族
または脂環族ウレタン化合物を高沸点溶媒中で触媒存在
下1〜700Torrの減圧下で熱分解させ、対応するジイソ
シアネート化合物を得る第2段反応からなることを特徴
とする脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の製
造方法」 である。
本発明における第1段反応は前記したように以下の反応
式のように進行する。
ジメチルカーボネートは、市販品をそのまま、又は必要
な場合は精製して用いられる。
ジアミン化合物は、化学的反応性から、芳香族ジアミン
化合物の脂肪族ジアミン化合須に分類されるが、本発明
では脂肪族または脂肪族アミン化合物を使用することが
必要である。
脂肪族ジアミンは、分子内に脂環式骨格を有する脂環式
ジアミン化合物と、鎖状の骨格を持つ鎖状脂肪族ジアミ
ンに分類され、鎖状脂肪族ジアミンにも好適に応用でき
るが、脂環式アミンが特に適している。本発明に用い得
る脂肪族または脂環族ジアミン化合物としては、以下の
ようなジアミンを例として上げることが出来る。なお、
本発明においては、アミノ基が直接ベンゼン核に結合し
ていないものは脂肪族アミンと見做す。脂環式ジアミン
としては、イソホロンジアミン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、水添
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、水添トルイレンジ
アミンなどがある。
これらから有用な環状骨格を有するジイソシアネート化
合物が合成されるので価値が高く、中でもイソホロンジ
アミンを出発原料として最終生成物である耐候性に優れ
たジイソシアネート化合物であるイソホロンジイソシア
ネートを製造することは工業的価値がある。
イソホロンジアミンには、アミノ基−NH2とアミノメチ
ル基−CH2NH2がシクロヘキサン環において、シス位にあ
るものとトランス位にあるものがあるが、どちらの異性
体も本発明の原料として用いられ、市販のイソホロンジ
アミンのように、シス体、トランス体の混合物であって
も何ら差支えない。
前記したように、アミノ基が飽和の炭素に結合している
ジアミンで骨格内に芳香環を有していても原料として好
ましく用いられ、m−キシリレンジアミン等を例として
挙げることができる。
鎖状脂肪族アミンとしてはヘキサメチレンジアミン、2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、1、12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。
全てのアミンについてエーテル結合、スルホン基、カル
ボニル基、ハロゲン基など安定な基を骨格中に含んでい
ても差し支えはない。
これら用いられるジアミンは予め水分量を1%未満にし
ておくことが好ましい。
その理由は後述するジメチルカーボネート中の水分と同
様触媒の活性を低下させないようにするためである。
また、本発明のジイソシアネート化合物の製造方法にお
ける第1段反応において触媒として使用されるのはアル
カリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートであっ
て、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バ
リウムのメチラート、エチラート、ターシャリブチラー
ト等をその例として挙げることができる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートは
固体でも、また溶液の状態でも使用される。上記の物質
中、入手が容易で、かつ経済的であることなどより、ナ
トリウムメチラートが特に好ましい。ナトリウムメチラ
ートの本発明における使用量は経済的に影響を及ぼす量
ではなく、必ずしもリサイクル使用をする必要はない。
したがって、設備は簡単になる。しかも、ナトリウムメ
チラートはメタノール溶液品が市販されており、取扱も
容易である。
本発明の製造方法は加圧する必要がなく、常圧で充分実
施できるが、装置構造上の圧力損失を補う程度の加圧条
件でも良好に実施し得る。
また、ジメチルカーボネート/ジアミンをモル比率2〜
50(ジメチルカーボネート/アミノ基のモル比=1〜2
5)にするのが好ましい。
特にジメチルカーボネート/アミンのモル比を4以上に
するのが好ましい。
ジメチルカーボネート/アミンのモリ比2〜50にする理
由は二量化反応が抑制され、必然的にウレタン化合物の
収率が向上するからである。
なお、ジメチルカーボネートの使用量を50倍モル以上に
すると効果的ではなくなる。使用するジメチルカーボネ
ートは水分量を0.2%未満にするのが好ましい。その理
由はジメチルカーボネート中の水分が触媒と反応して金
属の水酸化物となり、金属の水酸化物は触媒作用を有し
ていないため触媒の使用量を増加させる必要があるから
である。
通常の方法で製造されるジメチルカーボネートは比較的
水を溶解する性質があり、水が混入する危険性が高い。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属触媒の使用量は、
触媒の活性に応じて、反応が実用的な時間で完結するよ
う決定される。ナトリウムメチラートの場合、反応粗液
中0.001〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の添加で
反応が進行する。
ナトリウムメチラートの使用量が0.001重量%より少な
いと反応が遅く、また、5重量%より多いと触媒の析出
が問題となり、経済的にも不利となる。
反応熱の管理上ジメチルカーボネート中にジアミン化合
物を滴下していく方が好ましい。
反応温度は0℃から反応粗液の沸点までの範囲で選ぶこ
とが実用的に可能であるが、低温では反応が遅く、高温
では副生するメタノールの沸とうが激しくなることか
ら、30℃〜80℃の範囲で選ぶことが好ましい。
原料が固体の場合や、生成するウレタン化合物の析出を
防止したい場合は溶媒を用いても差支えなく、たとえば
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ベンゼン、トルエンなど原料及び生成物に対して
不活性である溶剤を用いることが出来る。
溶媒は溶解しにくい原料又は生成物を溶解するよう反応
条件に応じて種類、量を選んで使用するが、使用量が多
く、希釈率が高いと反応の進行が遅くなって不利であ
り、使用量は溶解に必要な最低量にとどめるのが有利で
ある。
生成するウレタン化合物に対して1〜10倍量用いるのが
望ましい。
また、出発原料中のジメチルカーボネート/ジアミン化
合物のモル比が2に近いとき、反応粗液中に生成したウ
レタン化合物の濃度は高くなるので、ウレタン化合物の
結晶性が高いものの場合は析出の危険性を防ぐため溶解
力の高い溶媒を選ぶ必要がある。
また、溶媒の沸点は生成するウレタン化合物より10℃以
上沸点の低いものを用いるのが蒸留精製が容易となり、
経済的に有利である。
原料の混合方法では、特にバッチ反応の場合、触媒の添
加方式は第1段反応の進行に伴って連続添加または複数
回の断続分割添加方式にする方が一括添加方式より使用
量を1/2〜1/3にすることができるので好ましい。
この理由は明らかではないが、実施例に示すように触媒
を反応中に連続的または断続的に追加する方が触媒使用
量が少なくてすむことが見い出された。
ジアミンと触媒の仕込み速度が早いと、副生メタノール
の沸とうが激しくなるので、反応温度とともに、触媒の
仕込み速度を管理する必要がある。また、第1段反応を
連続式で行なう場合、ジアミンと触媒を反応器の入口だ
けではなく、反応器の中間部から仕込む方法をとること
もできる。
たとえば、数基の完全混合槽に直列に反応粗液を流す場
合などは触媒を各槽に分割して仕込む方法をとることが
できる。
生成したウレタン化合物粗液は、蒸留、晶析、水洗、再
沈等の一般的精製方法で必要な純度まで精製することが
できる。
中でも、先ずリン酸を用いて金属アルコラートに由来す
るアルカリ分を中和後,過剰に添加したリン酸を水洗に
より除去する。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコラートを中
和する酸としてはその他硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸な
どの酸も使用し得る。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属触媒はウレタン化
合物と一緒に加熱されるとウレタン化合物をさらに変化
させて目的外の高沸点物に変化させるので、この中和工
程が必要になる。
中和工程で生成した塩の除去は水洗、濾過、遠心分離な
どの一般的方法で可能であり、メタノールの除去操作と
組み合わせて実施される。
さらにウレタン化合物をフラッシュ蒸発させて精製する
方式が好ましい。
中和の際、リン酸を用いるメリットは以下の通りであ
る。すなわち、添加量が多過ぎても少な過ぎてもPHの変
動幅が小さく、その後の精製工程でウレタン化合物に悪
影響を与えることが少ない。
また、ウレタン化合物粗液をベンゼン/水系で洗浄後、
蒸留精製する方法も同程度の効果を有する。ベンゼンは
ウレタン化合物を溶解し易く、且つ、水への溶解性が小
さいので好ましい。
ベンゼンと水の使用量の比率は、ウレタン化合物が水洗
処理される温度においてベンゼン中に溶解するような比
率、すなわち、通常は水に対して1〜10倍量である。
生成するウレタン化合物の種類によって溶解性が異なる
ので、それに合わせて上記の範囲内で選ばれる。
また、ベンゼン以外でもトルエン、キシレンなどの芳香
族化合物、その他、ハロゲン化炭化水素,エーテル化合
物、エステル化合物など不活性で水溶性でない化合物で
あれば使用し得る。
水洗回数、及び水洗水の使用量は有機液層中の水溶性不
純物が所定の残存量に低下するまで行う。水洗はバッチ
方式で実施しても良いし、ミキサー/セトラー方式や抽
出塔のような連続方式でも実施できる。
水洗後フラッシュする方法など、得られた粗ウレタン化
合物の性質に応じて中和、水洗後フラッシュする方法な
ど精製法を組み合わせることが可能である。
この精製度合いが後述する第2段反応の収率などに影響
をおよぼす。
ウレタン化合物は、原料として使用するジアミンに対応
して、次のようなウレタンが得られる。3−メトキシカ
ルボニルアミノメチル−3,5,5−トリメチル−1−メト
キシカルボニルアミノシクロヘキサン、ビス(4−メト
キシカルボニルアミノシクロヘキシル)メタン、1、4
ビス(メトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサン、
1、4ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロ
ヘキサン、1、3ビス(メトキシカルボニルアミノメチ
ル)シクロヘキサン等をあげることができる。
これらの化合物を後述する第2段反応である熱分解によ
りアルコールの脱離が起き、原料ウレタン化合物の骨格
に対応してイソホロンジイソシアネート、水添MDI、シ
クロヘキサンジイソシアネート、水添XDI等のイソシア
ネート化合物が生成する。
この製造方法の第1段反応で用いるジアルキルカーボネ
ートは工業的には一部ホスゲンから合成されてはいる
が、一酸化炭素とアルコールから直接合成する製造も実
施されており、後者の直接合成品を用いることで、本発
明の目的であるホスゲンを使わないことと何ら矛盾する
ものではない。では次に、本発明の連続反応における第
2段反応であるウレタン化合物の熱分解反応について詳
細に説明する。本発明における第2段反応である熱分解
反応は前述した第1段反応において生成したウレタン化
合物を精製後、48時間以内、好ましくは、24時間以内、
さらに好ましくは、16時間以内に行なうのがよい。
その理由は第1段反応において生成した脂肪族または脂
環族ウレタン化合物はたとえ精製後でも放置した後に使
用した場合、第2段反応における生成物である脂肪族ま
たは脂環族ジイソシアネート化合物の収率が経時的に徐
々に低下していくからである。
これらの脂肪族または脂環族ウレタン化合物はマンガ
ン、モリブデン、タングステン、亜鉛等の金属単体、ま
たは無機化合物、または有機化合物の存在下、減圧下、
不活性溶媒中で熱分解することにより収率よくジイソシ
アネートに転換させることが出来る。触媒の使用でより
速い反応速度が達成され、また反応を溶媒中でかつ、生
成する脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物が留
出する減圧下で、行なうことにより、反応系中のジイソ
シアネート化合物濃度が低く保たれ、ジイソシアネート
基の2量化、3量化、ウレタン結合のNH基とジイソシア
ネート基の下記付加反応を制御し、高収率を達成するこ
とができる。
触媒として用いられる化合物としては、金属マンガン、
酸化マンガン(MnO、又はMn2O3)塩化マンガン、硫酸マ
ンガン、リン酸マンガン、ホウ酸マンガン、炭酸マンガ
ン、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、マンガン(I
I)アセチルアセトナート、マンガン(III)アセチルア
セトナート、金属モリブデン、三酸化モリブデン、モリ
ブデンアセチルアセトナート(MoO2(acac))二酸化
モリブデン、金属タングステン、タングステンヘキサカ
ルボニル、無水タングステン酸、タングステン酸、等を
例示することが出来る。
これらは含水塩の形でも、また無水物でも用いることが
出来る。
工業的に入手が容易であること、安価であること、活性
の高さから、塩化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガ
ン、ナフテン酸マンガンが特に好ましい。
特に、酢酸マンガンは反応粗液中、低濃度で充分な活性
を有しているため好ましい。触媒の使用量は使用する原
料の反応性、温度、触媒の種類や量に応じて最適な量が
決められる。量が少なすぎると反応が遅くなり、多すぎ
ると高沸副生物が増える傾向が認められ、通常、溶媒中
の触媒量が0.0005重量%から5重量%の領域が最も好ま
しい。
反応温度は150℃より低いと脂肪族または脂環族ジイソ
シアネートの発生が遅くなって実用的でなく、300℃よ
り高いと工業的に実施しにくく不利となる。即ち、150
℃から300℃が好ましい。
溶媒は、脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物及
びウレタン化合物に対し不活性であることが必要で、脂
肪族化合物、芳香族化合物、アルキル化芳香族化合物、
エーテル化合物等から選んで用いることが出来る。ハロ
ゲン基等の不活性な基を含んでいても溶媒として差支え
ない。
また、溶媒は脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合
物と精製分離し易いものが好ましい。脂肪族または脂環
族ジイソシアネート化合物と沸点が離れている溶媒は、
蒸留による精製分離が可能であり、好ましい。
溶媒の沸点は、生成する脂肪族または脂環族ジイソシア
ネート化合物より低いものは脂肪族または脂環族ジイソ
シアネート化合物とともに留出し、実用上工程が複雑に
なって不利であり、生成する脂肪族または脂環族ジイソ
シアネートより高沸点のものが好ましい。
さらに、生成する脂肪族または脂環族ジイソシアネート
化合物より10℃以上沸点の高い溶媒は後工程で蒸留によ
り分離精製し易いので特に好ましい。
また、溶媒中には経時的に高沸反応副生物が蓄積するの
で、再生を工業的に実施しうる沸点を有する溶媒が望ま
しい。
好ましい溶媒としては、o−ターフェニル、m−ターフ
ェニル、p−ターフェニル、混合ジフエニルベンゼン、
部分水添トリフェニル、ジベンジルベンゼン、ジベンジ
ルトルエン、ビフェニル、フェニルエーテル、フェニル
シクロヘキサン、ヘキサデカン、テトラデカン,オクタ
デカン、アイコサン、ベンジルエーテル、テトラメチレ
ンスルホンなどがある。
目的とする脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物
に応じて好適な溶媒が選ばれるべきであるが、例えば、
代表的な脂環族ジイソシアネート化合物であるイソホロ
ンジイソシアネートの製造の場合は部分水添トリフェニ
ルが特に好ましい。反応は、反応系より生成する脂肪族
または脂環族ジイソシアネート化合物が留出してくる減
圧下で実施する。
これにより系中の脂肪族または脂環族ジイソシアネート
化合物の濃度が低く保たれ、高い反応収率が達成される
が、この効果は、溶媒の沸とう下に行なうと特に有効で
あり、この点から反応圧力は反応温度で溶媒が沸とうす
る減圧度で行なうことが好ましい。減圧度が高すぎる
と、副生するアルコールの回収が難しくなり、また、設
備的にも用役面でも不利になるので通常1Torr以上、ま
た、700Torr以下が好適である。
第2段反応における原料である脂肪族または脂環族ウレ
タン化合物は、最初から反応させるべき全量を溶媒中に
仕込んでおいても良いが、使用する溶媒量が多くなり不
利である。連続反応において、0.0005重量%〜5重量%
の触媒を含有した溶媒は毎時処理すべき脂肪族または脂
環族ウレタン化合物の量に対して0.2〜20重量倍用いる
のが良い。20重量倍以上になると装置規模が大になり,
経済的ではなくなる。
この点から、触媒を含む溶媒を減圧下沸とうさせてお
き、そこへウレタン化合物を仕込んでいく連続反応が有
利である。
触媒として酢酸マンガンを用いる場合,酢酸マンガンの
メタノールに対する溶解性が高いので好ましい。
触媒は固体状または粉末状などで添加するよりメタノー
ルのような溶媒に溶解して添加する方が触媒量が少なく
てすむので好ましい。
また、生成する脂肪族または脂環族ジイソシアネート化
合物に溶媒や未反応原料の混入する量が低くなるよう、
反応器から発生する蒸気を還流器つきの蒸留塔に導き、
脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物に富んだ留
分が塔の上部において得られるような構造を有する反応
装置を用いて行うと、脂肪族または脂環族ジイソシアネ
ートの精製が容易となり特に有利である。
副生するメタノールと脂肪族または脂環族ジイソシアネ
ート化合物の分離を行う場合、脂肪族または脂環族ジイ
ソシアネート化合物が分縮して捕捉されるコンデンサー
をメタノールが凝縮しない程度の高い温度に保ちなが
ら、第2の、より低い温度のコンデンサーで凝縮させる
ことにより脂肪族または脂環族ジイソシアネート及びメ
タノールが有利に分離、回収される。
また、メタノールを分離,回収する場合、第2のコンデ
ンサーに替えて不活性溶媒に吸収させても良い。
また,溶媒中に経時的に高沸点副生物が生成し、この副
生物が製品である脂肪族または脂環族ジイソシアネート
化合物のイソシアネート基と付加反応を起こし、そのた
め脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の収率が
低下する。
これを防ぐ方法として、反応器中の粗液混合物を連続的
に抜き出してフラッシュ蒸発させて、フラッシュ蒸発器
の缶残である高沸点副生物を除去すると同時に、蒸発し
た高沸点溶媒リッチの混合気を凝縮させて、凝縮された
溶媒と未反応のウレタン化合物、製品である脂肪族また
は脂環族イソシアネート化合物などの混合液を反応器へ
戻すことにより行う。
このとき、触媒も抜き出される高沸点副生物に同伴され
て失われるので,相当分を反応器に追加仕込みされる。
高沸点副生物に同伴される触媒を回収して再使用するこ
とも可能であるが、本発明の方法で用いる触媒は比較的
安価で、また、使用量も少ないので、使い捨てにしても
それほどコストアップにはならない。
以上の第2段反応を連続で行う場合の状況を示すと第1
図のようになる。
第1図において、1−1は反応器、2−2は還流器つき
の蒸留塔、3−3はイソシアネート化合物が分縮して捕
捉されるコンデンサー、4−4がメタノールが凝縮して
捕捉される第2のコンデンサー、5−5がフラッシュ蒸
発器、6−6がフラッシュ蒸発器5−5で蒸発した高沸
点溶媒リッチの混合気を凝縮するためのコンデンサー、
矢印は各所における物質の流れ方向を示す。
なお、第2段反応においては触媒だけでなく、助触媒を
用いると脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の
収率が著しく向上する。
用いられる助触媒としては亜リン酸トリフェニルが特に
好ましい。
《発明の効果》 本発明により、ホスゲンを用いない脂肪族または脂環族
ジイソシアネートの工業的な製造が可能になった。
以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明を説明する。
参考例−1 (脂肪族アミン化合物のウレタン化反応) 3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミン74.2g、(0.53
モル)、ジメチルカーボネート56.1g(0.62モル)、28
%ナトリウムメチラート4.3g、さらに溶媒としてメタノ
ール42.0gを加えた混合液を70℃で5時間反応させた。
各成分の濃度は以下の通りである。
*3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミン 3.0モル/k
g *ジメチルカーボネート 3.5モル/kg *ナトリウムメチラート 0.68重量% (純品換算) 反応後、反応粗液を酢酸で中和し、ガスクロマトグラフ
ィーで分析した結果、原料である3,3,5−トリメチルシ
クロヘキシルアミン3.7gと1−メトキシカルボニルアミ
ノ3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの存在を確認し
た。
原料アミンの転化率は95%であり、従来技術に記載され
た反応例と比較して本願の方法が優れていることが明ら
かである。
本方法における収率の高さは以下の実施例によって明ら
かにされる。
[実施例−1] イソホロンジアミン85g、ジメチルカーボネート360gを
攪拌器をセットした丸底フラスコに仕込み、攪拌、窒素
気流下70℃に昇温した。次にナトリウムメチラートの28
%メタノール溶液8.9gを10分間で滴下、さらに50分熟成
後反応粗液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、イソホロンジアミンに対応するジウレタン化合物、
すなわち、イソホロンジカーバメートがイソホロンジア
ミンに対する収率で91%生成していることを確認した。
[実施例−2] 反応温度が50℃である以外は実施例−1と同様の操作で
反応を行なった。
反応粗液のガスクロマトグラフィーによる分析ではイソ
ホロンジアミンに対応するジウレタン化合物、すなわ
ち、イソホロンジカーバメートがイソホロジアミンに対
する収率で77%生成していること確認した。
[実施例−3] ジメチルカーボネート360gを攪拌機を備えた丸底フラス
コに仕込み、撹拌しながら窒素気流下で70℃に昇温し
た。
次に上記フラスコ中へナトリウムメチラートの28%メタ
ノール溶液8.9gおよびイソホロンジアミン85gを2機の
仕込みポンプにより均等な仕込み速度で2時間かけて仕
込んだ。
この間反応粗液温度は70℃に保った。
さらに、仕込み終了後、同温度で3時間熟成し,その後
リン酸で中和した反応粗液をガスクロマトグラフィーで
分析したところイソホロンジアミンに対応するジウレタ
ン化合物、すなわち、イソホロンジカーバメートがイソ
ホロンジアミンに対する収率で99%、および消費された
ジメチルカーボネートに対する収率99%で生成している
ことを確認した。
[実施例−4] ジメチルカーボネート720gを使用し、ナトリウムメチラ
ートの28%メタノール溶液16.4gを使用した以外は実施
例3と同様の反応を行った。
対応するジウレタン化合物が定量的に生成していること
を確認した。
[実施例−5] 実施例−1〜実施例−4と同様の装置で以下の反応を行
った。
70℃に保持されたジメチルカーボネート723.1gが仕込ま
れている反応器中にヘキサメチレンジアミン121.1g、ナ
トリウムメチラートの28%メタノール溶液17.3gを4分
割したものを30分毎に滴下させながら仕込んだ。
滴下終了後,更に1時間70℃で熟成し,1/10規定HClO4
滴定し、メチラート分の補正を行った結果、99.6%の転
化率でアミンが転化していることを確認した。
その後85%リン酸7.5gで中和した反応粗液をガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、1,6ビス(メトキシカ
ルボニルアミノ)ヘキサンがジアミンに対して98.4%の
収率で生成していることを確認した。
[実施例−6] (触媒の分割仕込みによる効果の確認) 実施例−1と同様の装置で以下の反応を行った。(イ)
触媒の一括仕込み 70℃に保持されたジメチルカーボネート360gが仕込まれ
ている反応器中にイソホロンジアミン85gを仕込みポン
プにより均等な仕込み速度で2時間かけて仕込んだ。触
媒であるナトリウムメチラートの28%メタノール溶液4.
45gは反応開始時ジメチルカーボネート中に一括して仕
込んだ。
反応粗液中のアミン価を測定することにより仕込み終了
後のイソホロンジアミンの濃度変化を追跡した。
検出されるナトリウムメチラートの量を補正した後のア
ミン転化率は1時間後79.9%、2時間後81%であり、反
応の進行が緩慢であることが確認された。
(ロ)触媒の分割仕込み ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液4.45gを4
分割したものをイソホロンジアミンの仕込み開始から30
分毎に滴下して仕込んだ以外は上記と同様に行った。イ
ソホロンジアミン仕込み終了後のジアミンの転化率の経
時変化は1時間後97.5%,2時間後98.6%であり、触媒の
分割仕込みによる効果が著しいことを確認した。
[実施例−7] (第2段反応の触媒の探索) 触媒活性を評価しようとする化合物がイソホロンジカー
バメート30gと共にナス型フラスコ中に仕込み、30Torr
の減圧下で210℃に保持したオイルバスに浸漬して加熱
した。
1時間浸漬後、ガスクロマトグラフを用いてフラスコ中
の内容物を分析した。
活性が認められた化合物の種類と仕込み量,および分析
結果を表−1に示す。
表−1におけるIPMI(イソホロンモノイソシアネート)
は目的化合物であるIPDI(イソホロンジイソシアネー
ト)の前駆体で、その後反応が進行してIPDIとなる。
したがって、表−1において、熱分解触媒の効果の判定
はIPDIの濃度ではなく、未反応IPDCの含有量の多少によ
る。
すなわち、未反応IPDCの含有量の少ないものが有効であ
ることを示している。
[実施例−8] 還流器つきガラス製10段オルダーショー塔に300mlフラ
スコをセットし、新日鉄化学製サームS900溶媒(部分水
添トリフェニル)100g、酢酸マンガン4水物0.05gを仕
込み、減圧下に加熱、缶液が230℃で沸とうするよう減
圧度を調製した。
次にウレタン化合物を流動する温度に熱媒で加温した二
重管式滴下漏斗より60g/Hrの速度でフラスコに滴下し
た。
仕込み開始後、塔内にイソホロンジイソシアネートに富
む液が上がって来たので、これをウレタンの滴下速度に
見合う留出速度で塔頂より留出させた。
2時間運転後、イソシアネートの発生がなくなるまで留
出を続けた後、運転を停止した。
留出液を集合し、ガスクロマトグラフィーによりイソホ
ロンジイソシアネートの濃度から収率を求めたところ、
原料ウレタンに対し93%であることを確認した。
[実施例−9〜実施例−14] 触媒および溶媒の種類を変更した以外は実施例−8と同
様に反応を行なった。
また、反応終了後フラスコ内の溶媒のガスクロマトグラ
フによる分析を行い、未反応のIPDCの残存量を測定し
た。
結果を表−2に示す。
[実施例−15] サームS900を200g仕込む以外は実施例−8と同様の操作
で反応させた。
仕込んだIPDCに対し、溜出液中に97%収率のIPDI及び3
%収率のIPMIの存在が確認された。
[実施例−16] IPDCに代えて1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)
−ヘキサンを120g仕込む以外は実施例−8と同様の操作
で反応させた。
仕込んだ1,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)−ヘ
キサンに対し、溜出液中に55%収率のヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)及び19%収率の対応するモノイ
ソシアネートの存在が確認された。
[実施例−17] サームS900を200g仕込むことと、触媒を酢酸マンガン4
水物0.05gに代えて酢酸マンガン無水物0.05重量%メタ
ノール溶液17.9gを使用する以外は実施例−8と同様の
操作で反応させた。
仕込んだIPDCに対し、溜出液中に92%収率のIPDI及び6
%収率のIPMIの存在が確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2段反応を連続で行う場合の状況をブロック
図で示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 263/04 269/04 271/08 // C07B 61/00 300

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属またはアルカリ土類金属アル
    コラート触媒の存在下、脂肪族または脂環族ジアミンと
    ジメチルカーボネートとを反応させて対応する脂肪族ま
    たは脂環族ウレタン化合物を合成する第1段反応、次い
    で該脂肪族または脂環族ウレタン化合物を高沸点溶媒中
    で触媒存在下1〜700Torrの減圧下で熱分解させ、対応
    する脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物を得る
    第2段反応からなることを特徴とする脂肪族または脂
    環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】脂肪族または脂環族ジアミンがイソホロン
    ジアミンである特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族
    または脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】第1段反応におけるアルカリ金属アルコラ
    ートまたはアルカリ土類金属触媒がナトリウムメチラー
    トである特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または
    脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】第1段反応における触媒であるアルカリ金
    属またはアルカリ土類金属アルコラートを連続添加また
    は断続添加する特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族
    または脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】第1段反応におけるジメチルカーボネート
    /脂肪族または脂環族ジアミンの仕込みモル比率が2〜
    50である特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または
    脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】第1段反応で使用するジメチルカーボネー
    中の水分を0.2%未満にする特許請求の範囲第(1)項
    記載の脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】第1段反応の生成物である脂肪族または脂
    環族ウレタン化合物粗液をリン酸で中和する特許請求の
    範囲第(1)項記載の脂肪族または脂環族ジイソシアネ
    ート化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】第1段反応の生成物である脂肪族または脂
    環族ウレタン化合物粗液をリン酸で中和した後水洗する
    特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または脂環族ジ
    イソシアネート化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】第1段反応の生成物である脂肪族または脂
    環族ウレタン化合物粗液をリン酸で中和した後フラッシ
    ュ蒸発させる特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族ま
    たは脂環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】第1段反応で使用する脂肪族または脂環
    族ジアミン中の水分を1%未満にする特許請求の範囲第
    (1)項記載の脂肪族または脂環族ジイソシアネート化
    合物の製造方法。
  11. 【請求項11】第1段反応の生成物である脂肪族または
    脂環族ウレタン化合物粗液をベンゼン/水系で洗浄する
    特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または脂環族ジ
    イソシアネート化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】第1段反応の生成物である脂肪族または
    脂環族ウレタン化合物粗液をベンゼン/水系で洗滌後,
    ウレタン化合物を融解して蒸溜精製する特許請求の範囲
    第(1)項記載の脂肪族または脂環族ジイソシアネート
    化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】第2段反応である熱分解工程において副
    生するメタノールを50Torr未満の真空ラインにより除去
    する特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または脂環
    族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】第2段反応における高沸点溶媒が部分水
    添トリフェニルである特許請求の範囲第(1)項記載の
    脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】第2段反応における触媒が酢酸マンガン
    である請求項(1)記載の脂肪族または脂環族ジイソシ
    アネート化合物の製造方法。
  16. 【請求項16】第2段反応における触媒が硫酸マンガ
    ン、塩化マンガン、ナフテン酸マンガンのいずれか一つ
    である特許請求の範囲第(1)項記載の脂肪族または脂
    環族ジイソシアネート化合物の製造方法。
  17. 【請求項17】第2段反応における触媒が臭化亜鉛であ
    る請求項(1)記載の脂肪族または脂環族ジイソシアネ
    ート化合物の製造方法。
  18. 【請求項18】第2段反応における触媒をメタノール溶
    液として連続的に添加する特許請求の範囲第(1)項記
    載の脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物の製造
    方法。
JP62316180A 1987-01-13 1987-12-16 イソシアネート化合物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0780830B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62316180A JPH0780830B2 (ja) 1987-01-13 1987-12-16 イソシアネート化合物の製造方法
PCT/JP1988/000026 WO1988005430A1 (en) 1987-01-13 1988-01-13 Process for preparing isocyanate compounds
DE3850647T DE3850647T2 (de) 1987-01-13 1988-01-13 Verfahren zur herstellung von isocyanat-verbindungen.
EP88900845A EP0323514B1 (en) 1987-01-13 1988-01-13 Process for preparing isocyanate compounds
US08/358,680 US5773643A (en) 1987-01-13 1994-12-19 Process for preparation of isocyanate compounds
US08/560,517 US5914428A (en) 1987-01-13 1995-11-16 Process for preparation of isocyanate compounds
US08/940,364 US5789614A (en) 1987-01-13 1997-09-30 Process for preparation of aliphatic diisocyanate compounds

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP408587 1987-01-13
JP62-4085 1987-06-18
JP62-152032 1987-06-18
JP15203287 1987-06-18
JP62316180A JPH0780830B2 (ja) 1987-01-13 1987-12-16 イソシアネート化合物の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5218747A Division JPH06172292A (ja) 1993-09-02 1993-09-02 ジイソシアネート化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6485956A JPS6485956A (en) 1989-03-30
JPH0780830B2 true JPH0780830B2 (ja) 1995-08-30

Family

ID=27276100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62316180A Expired - Lifetime JPH0780830B2 (ja) 1987-01-13 1987-12-16 イソシアネート化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0780830B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2794861B2 (ja) * 1989-12-28 1998-09-10 三菱瓦斯化学株式会社 イソシアネート化合物の製造方法
JPH06172292A (ja) * 1993-09-02 1994-06-21 Daicel Chem Ind Ltd ジイソシアネート化合物の製造方法
JP4107846B2 (ja) * 2002-01-24 2008-06-25 三井化学ポリウレタン株式会社 アルキルカルバメートの製造方法
US9056819B2 (en) 2007-03-30 2015-06-16 Asahi Kasei Chemicals Corporation Isocyanate production process using composition containing carbamic acid ester and aromatic hydroxy compound, and composition for transfer and storage of carbamic acid ester
ES2551731T3 (es) 2007-11-19 2015-11-23 Asahi Kasei Chemicals Corporation Procedimiento para la fabricación de isocianatos y compuestos hidroxi aromáticos
JP5377660B2 (ja) * 2009-08-04 2013-12-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造法
JP5728344B2 (ja) * 2011-09-15 2015-06-03 三井化学株式会社 ジイソシアネートの精製方法
CN104837813B (zh) * 2012-12-14 2017-09-22 宇部兴产株式会社 氨基甲酸酯化合物的制造方法
JP2015137255A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 宇部興産株式会社 カルバメート化合物の製造方法
CN115069174B (zh) * 2022-07-05 2023-10-31 中国科学院过程工程研究所 一种利用dmc羰化合成pdc的反应装置及反应方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2091730A (en) 1981-01-28 1982-08-04 Anic Spa Preparation of aromatic urethanes

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2091730A (en) * 1934-08-06 1937-08-31 Armour & Co Production of active concentrates
US3919279A (en) * 1974-06-26 1975-11-11 Atlantic Richfield Co Catalytic production of isocyanates from esters of carbamic acids
JPS57158747A (en) * 1981-03-26 1982-09-30 Asahi Chem Ind Co Ltd Preparation of isocyanate
DE3314788A1 (de) * 1983-04-23 1984-10-25 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Mehrstufenverfahren zur herstellung von hexamethylendiisocyanat-1,6 und/oder isomeren aliphatischen diisocyanaten mit 6 kohlenstoffatomen im alkylenrest

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2091730A (en) 1981-01-28 1982-08-04 Anic Spa Preparation of aromatic urethanes

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6485956A (en) 1989-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5087739A (en) Circulation process for the production of aliphatic and cycloaliphatic diisocyanates
JPH0573737B2 (ja)
JPH0574584B2 (ja)
EP0323514B1 (en) Process for preparing isocyanate compounds
JP2006036778A (ja) 脂環式ジイソシアネートを連続的に製造するための多工程法
EP0123412B1 (en) Method for manufacture of diphenylmethane diisocyanates
JPH0780830B2 (ja) イソシアネート化合物の製造方法
US5773643A (en) Process for preparation of isocyanate compounds
JPH0672982A (ja) アルキルモノ−及びジイソシアネートの製法
JP2005068146A (ja) 脂環式ジイソシアネートを連続的に製造する多段法
US5914428A (en) Process for preparation of isocyanate compounds
JPH06172292A (ja) ジイソシアネート化合物の製造方法
JP2004262835A (ja) 芳香族イソシアネートの製造方法
US5789614A (en) Process for preparation of aliphatic diisocyanate compounds
EP0436800B1 (en) Process for producing isocyanate compound
WO1999050234A1 (fr) Nouveaux composes d'urethane et procede de production de diisocyanate aliphatique polycyclique
US5166414A (en) Process for producing isocyanate compound
JP4307588B2 (ja) 脂肪族イソシアネート化合物の製造法
JP2538222B2 (ja) イソホロンジイソシアネ−トの製造方法
JPH02311452A (ja) ジイソシアネート化合物
JP2804132B2 (ja) カルバミン酸エステルの精製方法
JP2956749B2 (ja) ポリウレタン化合物の製造方法
JP2000344730A (ja) 1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法
JP2997501B2 (ja) ウレタン樹脂製造用組成物
JP2684078B2 (ja) ジイソシアネート化合物の製造方法