JP5377660B2 - イソシアネートの製造法 - Google Patents

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Description

本発明の対象は、相応するジアミンと炭酸誘導体およびアルコールとをモノマーの低分子量ウレタン中で反応させ、この反応混合物を熱分解することによって、ジイソシアネートを連続的に製造するための改善された多工程法である。
有機ポリイソシアネート、例えば芳香族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを製造するための工業的方法は、相応する有機ポリアミンをホスゲン化し、ポリカルバミド酸クロリドに変え、このポリカルバミド酸クロリドをポリイソシアネートと塩化水素に熱分解することに基づく。ホスゲンの使用が必然的に伴なう重大な環境保護問題、廃棄物問題および安全性の問題を除いて、前記方法は、他の決定的な欠点をもっている。即ち、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの製造は、出発ポリアミンの強塩基性のためにまさに適度な空時収量でのみ成功する。既に痕跡で存在し、ポリイソシアネートの強い変色をまねきうる、望ましくない副生成物の形成は、不利である。ヘキサメチレン−ジイソシアネート−1,6(HDI)の製造の場合には、例えば多数の副生成物が生じ、その上、この副生成物の中で、最も重大な6−クロロヘキシルイソシアネートは、多大な蒸留費用をかけてのみHDIと分離することができるという欠点を有する。
この処理形式の場合、殊に塩化水素へのホスゲンおよびカルバミド酸クロリドを経ての塩素の高い変換率、ホスゲンの毒性ならびに反応混合物の腐食性、一般に使用される溶剤の不安定性およびハロゲン含有残留物の形成は、問題である。
相応するイソシアネートとアルコールへの(環状)脂肪族、殊に芳香族のモノウレタンおよびジウレタンの熱分解は、久しく公知であり、気相中で高い温度で、ならびに液相中で比較的低い温度で実施されうる。
ジアミンと尿素およびアルコールとの反応の場合、望ましい分解可能なジウレタンと共に副生成物としてカーボネートが形成され、ならびにしばしばカルバミン酸エステルも形成される。
欧州特許出願公開第566925号明細書A2、欧州特許出願公開第1512680号明細書A、欧州特許出願公開第1512681号明細書A、欧州特許出願公開第1512682号明細書Aおよび欧州特許出願公開第1602643号明細書A1には、相応するジアミン、尿素およびアルコールを場合によりカーボネートおよび/またはカルバミン酸エステルの存在下で反応させることによって、ジイソシアネートを製造することが記載されている。これらのカーボネートおよびカルバミン酸エステルは、蒸留により反応混合物から分離され、場合により反応に返送されることができる。蒸留による精製以外に分離されたカーボネートの特殊な利用または処理は、行われない。更に、反応へのカーボネートの1回の返送が連続的な運転において量水標(Aufpegelung)を生じることは、不利である。カーボネートは、強いアルキル化剤であるので、カーボネートが反応において存在することは、使用されたジアミンのアルキル化を生じ、それによって、このジアミンは、イソシアネート形成のアルキル化後にもはや自由に使用されず、副生成物として反応混合物中に残存する。
この方法の欠点は、反応の際に生じるカーボネートが反応工程への1回の返送によって利用され得なくなるかまたは不完全にのみ利用され得ることである。分離されたカーボネートのための利用の可能性として、前記方法以外に純粋物質としてのカーボネートの利用または熱利用、即ち燃焼および廃熱の利用が残っている。
本発明の課題は、反応の際に生じるカーボネートが方法内で使用され得ることにより、ジアミン、尿素およびアルコールからジイソシアネートを製造するための方法を準備することであった。
この課題は、相応するジアミンと尿素および少なくとも1つのアルコールとを反応させて使用されたアルコールのカーボネートの形成下に相応するウレタンに変え(ウレタン化)、こうして得られたウレタンをイソシアネートに分解すること(ウレタン分解)により、その際、形成されたカーボネートの少なくとも一部分を反応混合物から分離し、ウレタン化の外でアンモニアと反応させ、こうして形成された反応混合物をウレタン化に導入することで、ジイソシアネートを製造するための方法によって解決することができた。
更に、本発明の対象は、相応するジアミンと尿素および少なくとも1つのアルコールとを使用されたアルコールのカーボネートの形成下に少なくとも1つの反応器中で相応するウレタンに反応させ、ウレタンを熱分解させることによってジイソシアネートを連続的に製造するための多工程法であり、この多工程法は、次の工程を含み、その際、
a)ジアミンと尿素とは、少なくとも1つのクロリド不含の触媒の存在下または特に触媒の不在下で、およびアルコールの不在下または特に少なくとも1つのアルコールの存在下で混合され、
b)a)から得られた混合物は、少なくとも1つの滞留時間反応器中で相応するウレタンおよびカーボネートに反応され、
c)その際生じるアンモニアは、分離され、
d)c)から搬出される過剰のアルコール、カーボネートおよび他の低沸点副成分は、分離され、
e)(d)からのアルコールおよび低沸点成分を取り除いたウレタンは、少なくとも部分的に蒸留に供給され、
f)(e)からの留出液中のウレタンおよび場合により蒸留(e)に供給されなかった、(d)からの含分は、連続的分解装置中で相応するジイソシアネートおよびアルコールに分解され、
g)(f)から得られた粗製イソシアネートは、少なくとも1回の蒸留で精製され、生じる蒸留残留物は、再び分解(f)に供給され、および/またはアルコールでウレタンに変換され、反応ユニット(b)に供給され、
h)高い割合のウレタンおよび利用可能な化合物を含有する、(f)からの反応排出量は、少なくとも1つのアルコールとの反応によって再びウレタンに変換され、この反応混合物は、工程a)および/またはb)に導入され、および
i)d)で分離されたカーボネートは、少なくとも部分的にアンモニアと反応され、この反応の生成物は、工程a)および/またはb)に導入される。
本発明による方法は、公知技術水準で公知の方法よりも、副生成物として生じるカーボネートの効果的な利用を有する。
純粋に形式的に考慮すると、本発明による方法は、型どおりに次の方程式によって総括することができる:
R−(NH2n+nH2N(CO)NH2+nR'OH→R(NCO)n+nR'OH+2nNH3
本明細書の範囲内で、使用されるアルコールの有機カーボネートは、次式
R'−O−(CO)−O−R'
を有する「カーボネート」で示される。
カルバミン酸と使用されるアルコールとのエステルは、「カルバミン酸エステル」と呼称され、このエステルは、次式
R'−O−(CO)−NH2
を有する。
中間生成物として使用可能なモノマーのウレタンの製造のために、Rが多価、特に2価の有機基、例えば場合により置換された、例えばアルキル基で置換された芳香族基または特に直鎖状または分枝鎖状の脂肪族または場合により置換された脂環式基を表わすような式R(NH2nで示されるアミンは、適している。
適した芳香族ポリアミンとして、例示的に2,4−トルイレンジアミンおよび2,6−トルイレンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、2,4’−ジアミノ−ジフェニルメタンおよび2,2’−ジアミノ−ジフェニルメタンならびに相応する異性体混合物が挙げられる。
脂肪族または脂環式のポリアミンとして、例えば次のものがこれに該当する:ブタンジアミン−1,4、2−エチルブタンジアミン−1,4、オクタンジアミン−1,8、デカンジアミン−1,10、ドデカンジアミン−1,12、シクロヘキサンジアミン−1,4、2−メチル−シクロヘキサンジアミン−1,3、4−メチル−シクロヘキサンジアミン−1,3、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサンおよび1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、4,4’−ジ(アミノシクロヘキシル)メタンおよび3(または4),8(または9)−ビス(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン異性体混合物。特に、2−メチルペンタンジアミン−1,5、2,2,4−トリメチルヘキサンジアミン−1,6または2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン−1,6、ジシクロヘキシルメチレンジアミン(H12MDA)および殊にヘキサンジアミン−1,6および3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンが使用される。
アルコールとして、原理的に全ての脂肪族アルコールおよび脂環式アルコール、有利に脂肪族アルコールが適している。しかし、特に、沸点が熱分解によって得られたジイソシアネートの沸点から十分に遙かに離れているようなものが選択され、したがって分解生成物ジイソシアネートおよびアルコールのできるだけ定量的な分離が可能である。
従って、この理由から、特に、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノールまたは記載されたアルコールの混合物、有利にメタノール、n−ブタノールおよび/またはイソブタノールが使用されるが、しかし、殊にn−ブタノールおよび/またはイソブタノールが使用される。
本方法の個々の工程は、次に記載される:
a)反応成分の混合
反応体流は、当業者に自体公知である任意の装置中で混合することができる。工程(a)での混合は、工程(b)における反応と一緒に行なってもよい。好ましくは、この混合は、適当に個別の混合装置中、特に有利に僅かな混合時間を示す特殊な混合装置中で行なうことができる。
個別の混合装置は、例えば混合循環路、攪拌釜、カスケード型攪拌釜、静的混合機を備えた管または混合ポンプである。
工程(a)(混合)と(b)(ウレタン形成)とを切り離すことも可能であるし、合わせることも可能である。多くの場合に、反応条件に応じて、ウレタン形成は、既に反応体の混合の際に開始される。
反応工程(a)においてウレタンを製造するために、ジアミンと尿素および少なくとも1つ、有利に正確には1つのアルコールとは、アミンと尿素とアルコールとのモル比1:2〜20:5〜40で50〜300℃の温度、殊に180〜220℃で0.1〜30バール、特に5〜20バールの圧力下で反応される。前記の反応条件の場合、本発明による方法のためには、数秒ないし数分の一部分の平均反応時間がもたらされる。
ウレタン形成の重要な開始を既に成分の混合中に阻止するかまたは遅らせるためには、一般に、前記成分を150℃未満の温度で混合することで十分である。
反応工程(a)での反応は、ジアミンに対して、有利に0.1〜30モル%、特に1〜10モル%の量のジアルキルカーボネートの存在下または有利に1〜20モル%、特に5〜15モル%の量のカルバミド酸アルキルエステルの存在下で実施されることができる。この場合には、殊にジアルキルカーボネートとカルバミド酸アルキルエステルとの混合物が本発明による工程i)に由来する前記の量比で使用される。ジアルキルカーボネートおよび/またはカルバミド酸アルキルエステルとして、有利には、これらのアルキル基が使用されるアルコールのアルキル基に相当するものが使用される。
既に説明したように、反応工程(a)での反応は、触媒の存在下で行なうこともできる。前記触媒は、有利にアミンの質量に対して0.001〜20質量%、特に0.001〜5質量%、殊に0.01〜0.1質量%の量で使用される。
触媒として、Handbook of Chemistry and Physics 第14版、Chemical Rubber Publishing Co.社刊,23 Superior Ave.N.E.,Cleveland,Ohio在、の記載により定義された、元素の周期律表の第IA族、第1B族、第IIA族、第IIB族、第IIIB族、第IVA族、第IVB族、第VA族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIIIB族の金属の1つまたはそれ以上のカチオン、特に1つのカチオンを含有する無機化合物または有機化合物が適している。
例示的に次の金属のカチオンが挙げられる:リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、錫、鉛、ビスマス、アンチモン、銅、銀、金、亜鉛、水銀、セリウム、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン、マンガン、鉄およびコバルト。
更に、触媒は、少なくとも1つのアニオン、例えばハロゲン化物、例えばクロリドおよびブロミド、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、アルコラート、フェノラート、スルホネート、酸化物、オキシド水和物、水酸化物、カルボキシレート、キレート、カーボネートおよびチオカルバメートまたはジチオカルバメートを含有することができる。
触媒を使用する場合には、本発明によれば、高められた腐食性を有しないような触媒、特に有利にクロリド不含の触媒、殊に有利にハロゲン化物不含の触媒が使用され、とりわけ触媒は、反応工程中に計量供給されない。
触媒は、識別可能な明らかな欠点なしに水和物またはアンモニアケート(Ammoniakate)(金属塩にアンモニアが付着して生じる化合物)の形で使用することができる。
典型的な触媒として、例示的に次の化合物が挙げられる:リチウムメタノラート、リチウムエタノラート、リチウムプロパノラート、リチウムブタノラート、ナトリウムメタノラート、カリウム−t−ブタノラート、マグネシウムメタノラート、カルシウムメタノラート、錫(II)クロリド、錫(IV)クロリド、酢酸鉛、燐酸鉛、アンチモン(III)クロリド、アンチモン(V)クロリド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム−イソブチラート、アルミニウムトリクロリド、ビスマス(III)クロリド、銅(II)アセテート、銅(II)スルフェート、銅(II)ニトレート、ビス−(トリフェニルホスフィンオキシド)−銅(II)クロリド、モリブデン酸銅、酢酸銀、酢酸金、酸化亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛アセトニルアセテート、オクタン酸亜鉛、蓚酸亜鉛、亜鉛ヘキシラート、亜鉛ベンゾエート、亜鉛ウンデシレネート、セリウム(IV)オキシド、ウラニルアセテート、チタンテトラブタノラート、チタンテトラクロリド、チタンテトラフェノラート、チタンナフテネート、バナジウム(III)クロリド、バナジウムアセチルアセトネート、クロム(III)クロリド、モリブデン(VI)オキシド、モリブデンアセチルアセトネート、タングステン(VI)オキシド、マンガン(II)クロリド、マンガン(II)アセテート、マンガン(III)アセテート、鉄(II)アセテート、鉄(III)アセテート、燐酸鉄、蓚酸鉄、鉄(III)クロリド、鉄(III)ブロミド、酢酸コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ナフテン酸コバルト、塩化ニッケル、酢酸ニッケルおよびナフテン酸ニッケルならびにこれらの混合物。
好ましい触媒として、例示的に次の化合物が挙げられる:リチウムブタノラート、アルミニウムアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、チタンテトラブタノラートおよびジルコニウムテトラブチラート。
短い混合時間を有する特殊な混合装置中での混合時間は、通常、0.0001秒〜2秒、有利に0.0005〜1秒、特に有利に0.001〜0.5秒、殊に有利に0.005〜0.2秒、殊に0.007〜0.1秒である。混合工程の開始から経過して得られた混合物の流動要素が97.5%になるまで、得られる混合物の混合分数の理論的な最終値の値に対して、完全な混合物の状態が達成された際に混合分数の前記最終値から2.5%未満ずれている混合分数を有する時間は、混合時間であるとして理解すべきである。
混合装置として有利に、混合循環路、攪拌容器、混合ポンプまたはノズル混合装置、例えば同軸混合ノズル、Y字型ミキサーまたはT字型ミキサー、またはボルテックス衝突噴流装置(Vortex−Impinging−Jet−Mischkonfiguration)、有利に混合循環路、攪拌容器、混合ポンプまたはノズル混合装置が使用される。
混合循環路または攪拌容器を混合装置として使用する場合には、アミン溶液を高い速度で噴入することが重要である。通常、速度は、10〜100m/秒、有利に20〜80m/秒である。
好ましくは、混合ノズルおよび混合ポンプが混合装置として使用される。特に好ましくは、混合ノズルが混合装置として使用される。この場合、アルコールダクト流ならびにアミンダクト流を高い速度で混合ノズル中に導入することは、重要である。速度は、10〜100m/秒、有利に20〜80m/秒である。
この場合、ノズルへの流入管内での圧力は、混合ノズルの出口よりも著しく高いが、しかし、通常は、110バール(絶対)以下、有利に100バール(絶対)以下であり、特に好ましくは、圧力は、5〜95バール(絶対)、殊に有利に10〜50バール(絶対)、殊に10〜30バール(絶対)である。
混合装置の出口での圧力は、一般に、工程b)での反応圧を上廻り、例えば5〜100バール、有利に10〜80バール、特に有利に10〜50バールである。
混合装置からの搬出温度は、一般に25〜240℃、有利に30〜190℃、特に有利に40〜180℃である。
混合装置からの排出量は、工程b)への導入前に熱交換器を用いてそこで望ましい温度にもたらすことができる。
次の工程への工程a)からの反応排出量の移送は、有利に圧力保持弁を介して行なうことができ、この場合工程a)の出口での圧力は、工程b)で占めている圧力を少なくとも1バール、有利に少なくとも2バール、特に有利に少なくとも3バール上廻る。
b)a)からの混合物の反応
更に、混合装置を離れる液相は、少なくとも1つの反応器、有利に正確には2相(ガス状/液状)で運転される反応器に供給される。この場合には、逆混合されない、例えば攪拌釜、または有利に逆混合されないかまたは殆んど逆混合されない反応器、例えば管状反応器またはカスケード型攪拌釜が重要である。好ましくは、混合物は、管状反応器に供給されるか、または滞留時間分布が管状反応器に類似し、気相と液相が並流で導かれる管状反応器に類似している多数の反応器に供給される。
管状反応器は、有利に十分に逆混合を有していないはずであった。これは、例えば管状反応器の直径と長さとの比によって、または内部構造物、例えば多孔板、スリット板または静的混合機によって達成される。好ましくは、逆混合を含まないことは、管状反応器の長さと直径との比によって達成される。
管状反応器として、例えば長さと直径との比が5を上廻る、有利に6を上廻る、特に有利に10を上廻るような管は、適している。
管状反応器の床石数(Bodensteinzahl)は、5を上廻り、有利に6を上廻り、特に有利に10を上廻り、殊に有利に10〜600,殊に10〜100である。
本質的に本発明に貢献する1つの見方は、1つの流れが存在し、この流れが理想的には栓流(ピストン流、プラグ流れ)であり、この流れに現実的に必要とされる程度にほぼ一致されることである。そのために、軸方向の混合、即ち流動方向に沿っての混合は、反応器によってできるだけ減少され、流れは、理想的に乱流となる。
これは、実際に高い流速および例えば流動管における僅かな断面積によって達成される。
管状反応器は、空間内で任意の配向を有することができる。好ましくは、この管状反応器は、垂直方向の管状反応器として構成され、特に好ましくは、下向きから上向きに貫流される。
管状反応器は、等温で実施されてもよいし、好ましくは温度調節されて実施されてもよい。温度処理は、ジャケット加熱によって行なうこともできるし、内在する管または板によって行なうこともできる。加熱は、有利にジャケットによって行なわれる。
勿論、管状反応器は、逆混合を含まないことが保証されたままである場合には、多数の直列接続された管断片から構成されていてもよい。必要な場合には、場合により管状反応器の接続ライン中、例えばこの種の管断片の間に液相とガス相を分離するための相分離器が設けられていてよく、この相分離器中で反応中に生じたアンモニアを分離することができ、したがって、反応の平衡は、ずれる。
生産能力を増大させるために、本発明によれば、多数の管状反応器は、平行に接続されていてよい。
場合によっては、管状反応器中には、上記したように、1つ以上の位置で、例えば管状反応器の開始部および中央部でなお尿素および/またはアルコールまたは有利にアミンがさらに計量供給されてよい。
管状反応器中での平均滞留時間は、一般に10秒〜5秒、有利に20秒〜20分、特に有利に30秒〜10分である。
後続工程のためのガス負荷を僅かになるように維持するために、管状反応器からの排出量は、1つの好ましい実施態様において、相分離器に供給され、相分離器から取り出された液相は、さらに後続工程に供給される。
このような相分離器は、ガス相と液相との相分離が並流反応器から流出する2相の流れが静止することによって達成されるような容器である。
相分離器は、等温で実施されてもよいし、有利に加熱されて実施されてもよく、難溶性副生成物の沈殿は、阻止される。加熱は、例えばジャケットにより行なうことができるかまたは外部の熱交換器を有する循環路により行なうことができる。外部の熱交換器を使用する場合には、熱交換器の通常の絶縁が達成される。
管状反応器中および場合により存在する相分離器中の温度は、一般に50℃〜300℃、有利に180℃〜220℃である。
工程b)における圧力は、一般に0.1バール(絶対)〜30バール(絶対)、有利に5〜20バール(絶対)である。
次の工程への工程b)からの反応排出量の移送は、有利に圧力保持弁を介して行なうことができ、この場合工程b)における圧力は、一般に、工程c)で占めている圧力を少なくとも0.1バール上廻る。これに当てはまらない場合には、移送は、例えばポンプを用いて行なうことができるし、気圧で行なうことができる。
工程b)における滞留時間は、使用されるジアミン中のアミノ基に関連する、ウレタン基に対する変換率が(管状)反応器からの流出後に少なくとも95%、有利に少なくとも98%、特に有利に少なくとも99%、殊に有利に少なくとも99.5%、殊に少なくとも99.8%であるように選択される。完全な変換を生じる反応条件を達成しようと努力される。
通常、工程a)とb)における一緒になった全滞留時間は、10時間未満、有利に6時間未満、特に有利に4時間未満である。
(b)からの反応混合物の排出量は、ウレタンへのアミン基の完全な変換の際に直接アンモニア分離部(c)に供給されてよいか、またはこの排出量は、完全な変換のために他の反応器または反応器系に供給されてよい。反応器として、他の管状反応器、カスケード型混合反応器または必要な平均滞留時間を有する塔を使用することができる。
使用されるジアミン中のアミノ基に関連する、ウレタン基に対する変換率が管状反応器からの流出後になお完全でなく、例えば95%未満である場合には、前記排出量は、再度さらに反応されてよい。
そのために、反応混合物は、変換を完全なものにするために他の管状反応器中でさらに反応させることができるか、または逆混合された反応器中で、有利に変換率が98%またはそれ以上になるまでさらに反応させることもできる。
この場合、逆混合された反応器系は、反応器系の床石数が5未満、有利に4未満である。
c)アンモニアの分離
アンモニアの分離のために、有利に塔が使用され、好ましくは、アンモニアは、蒸留1回ごとに分離される。それによって、アルコールとアンモニアとの良好な分離が成功する。通常、分離は、0.01〜20バール、特に0.04〜15バールの圧力範囲内で行なわれる。必要な温度は、使用されるアルコールまたはアルコール混合物により左右される。n−ブタノールについては、温度は、例えば60〜150℃、有利に80〜140℃である。
生じるアンモニアを直ちに反応混合物から分離することは、好ましいことが判明した。従って、アンモニアおよび二酸化炭素から少量で尿素の分解によって形成されるカルバミン酸アンモニアによる被覆は、回避することができる。
この蒸留ユニットは、自体公知の構造形式を有し、通常の内部構造物を有する。塔内部構造物として原則的に全ての通常の内部構造物、例えばトレイ、規則充填物および/または不規則充填物がこれに該当する。トレイの中では、バブルキャップトレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トルマントレイ(Thormannboeden)および/またはデュアルフロートレイが好ましく、不規則充填物の中では、リング、スパイラル、サドル、ラシヒリング、イントス(Intos−)リングまたはポールリング、バレルサドルまたはインタロクス(Intalox−)サドル、トップパック(Top−Pak)等または網状物(Geflechten)を有するかかるものが好ましい。有利には、規則充填物が使用される。
蒸留塔は、有利に10〜20段の理論的分離段を有する。
d)過剰のアルコールの分離
更に、得られたアンモニア含量が減少された反応混合物から、アルコール、含有されたジアルキルカーボネートまたはかかるものが形成された場合に反応混合物中に存在するカルバミド酸アルキルエステル、または前記成分の少なくとも2つからなる混合物は、分離され、少なくとも部分的に本発明による工程i)に導入される。
前記成分の分離のために、反応混合物は、有利に反応工程(b)の圧力水準から1〜50ミリバール、特に2〜100ミリバールの範囲内の圧力に放圧される。この場合には、主にアルコール量ならびにジアルキルカーボネート1〜30質量%、特に2〜10質量%および/またはカルバミド酸アルキルエステル1〜50質量%、特に5〜15質量%を含有するガス状蒸気、および本質的にモノマーのジウレタンからなり、場合によりオリゴ尿素−ポリウレタンおよび高沸点オリゴマーを含有する液状排出量が得られる。
得られた蒸気(dL)は、次の好ましい蒸留による精製工程で、特に精留によって分離され、その際単離された価値のある生成物アルコール、カーボネートおよびカルバミド酸アルキルエステルは、個別的にかまたは混合物として、特にモノマーのウレタンの形成のために反応工程(a)に返送されるかまたは少なくとも部分的に本発明による工程(i)に導入される。
分離されたカーボネート含有蒸気(dL)の少なくとも一部分を本発明による工程(i)に導入することは、本発明の1つの好ましい実施態様である。更に、分離されたカーボネート含有蒸気(dL)の一部分は、なお工程(a)に導入されてもよい。
工程(a)に導入された流れと工程(i)に導入された流れとの比は、0:100〜90:10、有利に10:90〜90:10、特に有利に20:80〜80:20である。この記載された分離に対して他の選択可能な方法として、第1の蒸留による分離において単に本質的にアルコールを低沸点物として反応混合物から分離し、ジウレタンと共になおジアルキルカーボネートおよび場合によりカルバミド酸アルキルエステルを含有する蒸留塔底物をさらに蒸留に掛け、その際にジアルキルカーボネートおよび場合によりカルバミド酸アルキルエステルを低沸点物として分離し、ジウレタンを蒸留塔底物中に留め、直ぐ次の工程に導入するという方法も示すことができる。更に、カーボネートおよびカルバミン酸エステルは、前記の記載と同様に少なくとも部分的に工程i)に導入され、場合により工程i)に導入されなかった残分は、工程a)および/またはb)に導入される。
アルコールまたはアルコール混合物を蒸留により分離するために、しばしばいわゆるフラッシュ蒸留が使用される。この装置は、1つの容器または容器と塔との組合せ、特に1つの塔であることができ、この場合には、塔頂部でアルコールまたはアルコール混合物を取り出すことができ、塔底部でウレタンを取り出すことができる。塔の頭頂部では、アルコールと共にウレタンよりも低沸点の他の物質が含有されていてもよい。分離は、0.001〜2バール、特に0.02〜0.5バールの圧力範囲内で行なわれる。
e)ウレタンの精製
反応工程(d)で蒸気の分離後に一般に塔底排出量として得られる、モノマーのジウレタンおよび場合によりオリゴ尿素ポリウレタンおよび高沸点オリゴマーを含有する液状反応混合物(d)は、完全に後続工程に導入されるかまたは有利に2つの部分流に分割され、この場合この部分流の質量比は、5〜50:95〜50質量部、特に10〜30:90〜70質量部である。
同じ大きさの部分量または特によりいっそう大きい部分量は、通常の蒸留装置、特に薄膜蒸発器を用いて170〜240℃、特に180〜230℃の温度および0.001〜1バール、特に0.002〜0.01バールの圧力で、ジウレタンおよび低沸点の副生成物を含有する価値のある生成物(eL)と、製造法から分離されかつ通常利用不可能な残留物として廃棄される蒸留不可能な副生成物(eH)とに蒸留により分離される。価値のある生成物(留出物)は、同じ大きさの部分量または特によりいっそう大きい別の部分量と合わされ、合わされたジウレタンを含有する反応混合物は、熱分解(f)に供給される。
反応工程(e)における前記処理手段によって、蒸留不可能な副生成物の割合は、順次に進行する部分反応の際に形成されかつ反応循環路中への利用可能な使用物質の返送によって絶えず含量が増加されるであろう反応混合物中で3〜30質量%、特に5〜20質量%の含量に制限され、それによって高い選択性で支障なく進行する反応が保証される。
蒸留装置として薄膜蒸発器または短路蒸発器を使用することができる。ウレタンは、0.001〜1バール、特に0.002〜0.01バールの範囲内の圧力で蒸留される。留出物(eL)は、分解部(f)に供給される。
高沸点物含有の塔底物(eH)は、有利には廃棄されるかまたは僅かに有利には部分的に再ウレタン化部(h)に供給されることができる。
1つの好ましい実施態様において、場合により含有される残基含有のモノマーは、前記の高沸点物が乳の塔底物から分離される。これは、例えば国際特許出願WO 2007/036479の記載と同様に行なうことができ、この場合この刊行物は、本発明の開示内容に参考のために含まれている。
好ましくは、高沸点物含有の塔底物は、210〜330℃の温度および300hPa未満の圧力で処理され、したがって、利用可能な成分、例えばモノマーは、駆出される。好ましくは、この処理は、次の装置の1つの中で行なわれる:
a)パドル型乾燥器、有利に冷却帯域なし、有利に強制排出装置を備えたパドル型乾燥器、
b)ベント式押出機および
c)強制排出装置を備えた垂直方向の薄膜プロセッサー。
特に好ましいのは、パドル型乾燥器である。
f)ウレタンの分解
反応工程(e)で得られたジウレタンを含有する反応混合物は、適当な装置中で、有利に溶剤不含で、触媒の存在下で200〜300℃、特に220〜280℃の温度で0.01〜0.6バール、特に0.02〜0.1バールの範囲内の減圧下で液相に連続的に熱分解される。熱分解装置中でのウレタンの変換は、使用されるウレタンに依存して十分に自由に選択されることができ、有利に供給されるウレタン量に対して10〜98質量%、特に40〜90質量%の範囲内にある。
未反応のウレタン、オリゴ尿素−ポリウレタン、高沸点オリゴマー、および別の再利用可能な副生成物および利用不可能な副生成物を含有する反応混合物の分解されていない割合は、分離され、連続的に分解装置から排出され(fH)、直接に、または場合により再ウレタン化部(h)でのアルコールとの反応後に反応工程(a)および/または(b)に返送される。
ウレタンの化学的分解のための触媒としては、例えばウレタン形成を促進する前記の無機化合物および有機化合物が使用される。
特に有用であることが見い出された触媒は、それ故に有利にジブチル錫ジラウレート、鉄(III)アセチルアセトネート、コバルト(II)アセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、ジルコニウムテトラ−n−ブタノラートおよび錫(II)ジオクトエートが使用される。
分解装置としては、例えば円筒状分解反応器、例えば管状炉または特に蒸発器、例えば薄膜蒸発器もしくはバルク蒸発器、例えばロバート蒸発器(Robertverdampfer)、ヘルベルト蒸発器(Herbertverdampfer)、キャドル型蒸発器(caddle−type−Verdampfer)、プレート型分解装置、加熱プラグ蒸発器、特にプレート型分解装置が適している。
分解生成物は、1つの塔内で分離され、この場合には、通常、イソシアネートは、側方で取り出され(fM)、アルコール(fL)は、塔頂部で取り出される。
1つの好ましい実施態様によれば、粗製イソシアネート(f)の蒸留による精製の際に生じる塔頂部画分は、反応工程(a)に返送され、本質的に純粋なイソシアネートからなる側方画分は、貯蔵のために1つの容器に取られ、塔底画分は、反応工程(a)または(d)または(a)および(d)に返送される。
g)イソシアネートの精製
粗製イソシアネート混合物は、引続く蒸留により再結合生成物、副生成物および存在する場合には溶剤が取り除かれる。副生成物は、特に熱分解に返送される。一部分は、廃棄されてもよい。
その後に、特にアルコール、ジイソシアネートおよび部分的に分解されたウレタンから構成されている、熱分解の際に形成された分解生成物は、有利に1つ以上の蒸留塔により、特に精留によって、100〜240℃、特に120〜200℃の温度および1〜200ミリバール、特に5〜50ミリバールで低沸点物と特にアルコール(gL)と85〜99質量%、特に95〜99質量%のイソシアネート含量を有する粗製イソシアネート混合物(gM)とに分離される。蒸留の際に生じる高沸点副生成物(gH)、および殊に分解されていないウレタンおよび部分的に分解されたウレタンは、特に分解装置(f)および/または再ウレタン化部(h)に導入される。
この場合、個々の段階の低沸点物の流れは、係数「L」で示され、高沸点物は、係数「H」で示され、中位の沸点物は、係数「M」で示される。
特に精留によって得られた粗製イソシアネート混合物(gM)は、蒸留によって100〜180℃の温度および1〜50ミリバールの圧力下で精製され、この場合個々の画分は、返送されるかまたは純粋物質として単離される。既述したように、有利に使用される純粋蒸留の際に、特にジイソシアネートからなる塔頂部画分は、場合により遊離イソシアネート基とアルコールとの反応後に反応工程(a)および/または(b)に返送され、特に少なくとも98質量%、殊に99.8質量%の純度を有する純粋なジイソシアネートからなる側方画分は、導出され、貯蔵に供給され、本質的な成分として部分的に分解されたウレタンおよびイソシアネートを含有する塔底部画分は、特に熱分解のために分解装置中に返送される。
しかし、別の変法によれば、塔底部画分(gH)は、粗製ジイソシアネートとアルコールとの分離のために蒸留塔(d)中に返送されてもよいし、反応工程(a)および/または(b)、ウレタン形成、に返送されてもよい。塔底部画分を2つまたは3つの生成物流に分割することも可能であり、この場合これらの生成物流は、特にウレタン形成部(a)および/または分解装置(f)ならびに場合により蒸留塔(g)および/または再ウレタン化部(h)に返送される。
h)再ウレタン化
f)からの反応排出量(fH)および/または(g)からの蒸留残留物(gH)の反応は、有利にプロセスにフィードバックされる。この場合、前記混合物中に含有されているイソシアネート基および/またはアロファネートおよび/または尿素または他の反応性成分は、アルコールと反応され、ウレタンに変換される。前記反応は、別々の反応器中、例えば混合反応器または流動管中で実施することができ、(b)中で実施することもできる。残留物のアルコール分解のためには、100〜250℃、特に150〜220℃の温度が必要とされる。この場合、平均滞留時間は、数分ないし数時間の範囲内にある。一般に、反応は、有利に一段階で液相中で実施される。この場合、反応中の圧力は、この圧力が反応混合物を液相中で維持するのに十分であるという事実以外に特別な役を演じない。
そのために、例えば流れ(fH)および/または(gH)ならびに場合により流れ(eH)の一部分は、アルコールと一緒に導くことができ、この場合NCO基またはその等価物、即ち例えばウレタン基とヒドロキシ基とのモル比は、1:100まで、有利に1:20まで、特に有利に1:10までである。
この場合、アルコールは、例えば工程(d)からの低沸点物の流れ(dL)および/またはウレタン分解部(f)からのアルコール含有の流れ(fL)であることができ、および/または新しいアルコールであってもよい。
反応混合物は、触媒の存在下または不在下で1〜150分間、有利に3〜60分間で20〜200℃、有利に50〜170℃の温度で0.5〜20バール、有利に1〜15バールの圧力で反応される。
触媒を使用する場合には、ウレタン形成(b)の工程と同じ触媒が好ましい。反応は、連続的カスケード型釜中または管状反応器中で実施されてよい。
触媒としては、原則的にNCO基とOH基との反応を促進する全ての化合物がこれに該当する。例えば、オクタン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、塩化錫、二塩化亜鉛、錫(II)ジオクトエートおよびトリエチルアミンが挙げられる。
i)カーボネートの反応
本発明によれば、少なくとも1つのカーボネート含有の流れは、アンモニアと反応され、カーボネートの少なくとも一部分を相応するカルバミン酸エステルに変換する。
カーボネート含有の流れは、カーボネートと共になお5質量%までの量のアルコールならびに25質量%までの量のカルバミン酸エステルを含有することができる。更に、アンモニアは、約0.5質量%までの量で含有されていてよい。他の成分は、これがカルバメートの沸点とカルバミン酸エステルの沸点との間で揮発性を有する場合には、同様に微少量で含有されていてよい。
工程(i)において、アンモニアとカーボネートとは、モル比1:1〜100:1、有利に1.5:1〜80:1、特に有利に2:1〜50:1で反応される。
反応における温度は、一般に50〜250℃、有利に50〜200℃、特に有利に60〜180℃である。
反応時間は、一般に1分〜6時間、有利に5分〜4時間、特に有利に10分〜2時間である。
反応における圧力は、1バール(絶対)〜50バール、有利に2〜40バール、特に有利に3〜30バール、殊に有利に5〜20バールである。
場合により、少なくとも1つの触媒は、(a)の記載と同様に反応中に存在していてもよく、好ましくは、少なくとも1つの触媒が存在する。
工程(i)は、非連続的または連続的、有利に連続的に実施されてよい。
好ましくは、この反応は、例えば載置された蒸留塔を備えたカスケード型攪拌釜中または反応蒸留塔中で形成されたアルコールの不断の分離下に実施される。
特に有利には、工程(i)は、管状反応器中で行なわれ、この場合この反応混合物は、アンモニアの分離のために終結時に放圧される。
もう1つの実施態様において、工程d)から得られたカーボネートは、蒸留により別の低沸点物および中位の沸点物と分離され、蒸発器中で100〜250℃の温度で蒸発され、および気相中で管状反応器中でアンモニアガスと反応される。この滞留時間反応器中の圧力は、20ミリバール〜10バール、有利に100ミリバール〜9バール、特に有利に1〜8バール、殊に有利に1.1〜7バール、殊に1.2〜6バール(絶対)によって調節されることができる。気相反応器の実施態様において、触媒的に活性の表面上で促進される。
気相反応を高められた圧力で実施する場合には、反応混合物を常圧に放圧し、液状反応生成物を凝縮させるという好ましい実施態様が示される。引続き、過剰のアンモニアは、例えばWO 2008/025659の記載と同様に、圧縮されてよく、再び反応に返送されてよいかまたは熱的に利用されてよい。
これは、別々の分離で行なうことができるが、しかし、例えば上記の工程c)で行なうこともできる。
更に、カーボネートの少なくとも一部分がカルバミン酸エステルに変換される工程(i)の反応混合物は、工程a)および/またはb)に導入することができる。しかし、好ましくは、工程(i)の反応混合物は、特に有利に前記の記載と同様にアンモニアの分離後に工程(d)に導入され、そこで蒸留により主にカーボネート含有の流れと主にカルバミン酸エステルを含有する流れとに分離される。カーボネート含有の流れは、そこから再び工程i)に導入され、カルバミン酸エステルを含有する流れは、工程a)および/またはb)に導入される。
ジイソシアネートを再循環させながら連続的に製造し、副生成物を排出するための本発明による多工程法により、副生成物として生じるカーボネートは、良好に利用されることができる。
こうして製造されたジイソシアネートは、ポリイソシアネートポリ付加法によりウレタン基、イソシアネート基、アミド基および/または尿素基を含有するプラスチックを製造するのに特に好適である。更に、このポリ付加法は、ウレタン基、ビウレット基および/またはイソシアヌレート基で変性されたポリイソシアネート混合物の製造に使用される。脂肪族ジイソシアネートまたは脂環式ジイソシアネートからなるこの種のポリイソシアネート混合物は、殊に光安定性ポリウレタン塗料および光安定性ポリウレタン塗膜の製造に使用される。
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

実施例1−液相中での反応
攪拌機を備えた1.5リットルの反応器中に、ジ−n−ブチルカーボネート77%、o−ブチルカルバメート11%、n−ブタノール2%および他の二次化合物からなる混合物600gを装入する。付加的に触媒500ppmを混合物中に添加する。触媒としてジルコニウムテトラブチラートを使用した。5バールの圧力を引続く反応中に接続されたアンモニア瓶を用いて一定に維持する。反応器を急速に210℃に加熱し、4時間攪拌する。その後に、冷却し、放圧する。反応混合物は、ジ−n−ブチルカーボネート24.6%、o−ブチルカルバメート38%およびn−ブタノール26.2%を含有していた。カーボネートの変換率は、約68%であった。
比較例1
比較例において、実施例1と同様に行なったが、反応をアンモニアの代わりに窒素を用いて実施した。変換を観察することができなかった。
実施例2−気相反応
質量分析器と結合された、直径0.1mmおよび長さ4メートルを有するカラムを備えた変換型ガスクロマトグラフ中で、インゼクター、炉および200℃の検出器温度で噴入されたジ−n−ブチルカーボネート62.8%の変換率を既に分析することができた。キャリヤーガスまたは反応ガスとして、アンモニア50%とヘリウムとの混合物を使用した。前記化合物の特性を示す断片により分析を行なった。トレーサーでの較正が必要であった。

Claims (10)

  1. 相応するジアミンと尿素および少なくとも1つのアルコールとを反応させて使用されたアルコールのカーボネートの形成下に相応するウレタンに変え(ウレタン化)、こうして得られたウレタンをイソシアネートに分解すること(ウレタン分解)により、ジイソシアネートを製造するための方法において、形成されたカーボネートの少なくとも一部分を反応混合物から分離し、ウレタン化の外でアンモニアと反応させ、こうして形成されたカルバメートに富む反応混合物をウレタン化に導入することを特徴とする、ジイソシアネートを製造するための方法。
  2. ウレタン化からの排出から本質的にアンモニアを取り除き、こうして得られた混合物からアルコール、カーボネートならびに存在する場合にはカルバミン酸エステルを分離し、こうして得られたカーボネートを少なくとも部分的にアンモニアと反応させる、請求項1記載の方法。
  3. アンモニアとカーボネートとの反応をモル比1:1〜100:1で行なう、請求項2記載の方法。
  4. アンモニアとカーボネートとの反応を50〜250℃で行なう、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. アンモニアとカーボネートとの反応を1バール(絶対)〜50バール(0.1MPa〜5.0MPa)の圧力で行なう、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. アンモニアとカーボネートとの反応を少なくとも1つの触媒の存在下で行なう、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  7. アンモニアとカーボネートとの反応を形成されたアルコールの不断の分離下に行なう、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  8. アミンをジシクロヘキシルメチレンジアミン(H12MDA)、1,6−ヘキサンジアミンおよび3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  9. アルコールをメタノール、n−ブタノールおよびイソブタノールからなる群から選択する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  10. 相応するジアミンと尿素および少なくとも1つのアルコールとを反応させて、使用されたアルコールのカーボネートの形成下に、少なくとも1つの反応器中で相応するウレタンを形成し、こうして得られたウレタンを熱分解させることによってジイソシアネートを連続的に製造するための多工程法であり、この多工程法は、次の(a)〜(i)の工程:
    (a)ジアミンと尿素とは、少なくとも1つのクロリド不含の触媒の存在下または触媒の不在下で、およびアルコールの不在下または少なくとも1つのアルコールの存在下で混合され、
    (b)(a)から得られた混合物が反応し、少なくとも1つの滞留時間反応器中で相応するウレタンおよびカーボネートを形成し、
    (c)その際生じるアンモニアは、分離され、
    (d)(c)からの搬出物から、過剰のアルコール、カーボネートおよび他の低沸点副成分を分離し、
    (e)(d)からのアルコールおよび低沸点成分を取り除いたウレタンは、少なくとも部分的に蒸留に供給され、
    (f)(e)からの留出液中のウレタンおよび蒸留(e)に供給されなかった(d)からの含分は、連続的分解装置中で相応するジイソシアネートおよびアルコールに分解され、
    (g)(f)から得られた粗製イソシアネートは、少なくとも1回の蒸留で精製され、生じる蒸留残留物は、再び分解(f)に供給され、および/またはアルコールでウレタンに変換され、反応ユニット(b)に供給され、
    (h)高い割合のウレタンおよび利用可能な化合物を含有する(f)からの反応排出物は、少なくとも1つのアルコールとの反応によって再びウレタンに変換され、この反応混合物は、工程(a)および/または(b)に導入され、および
    (i)(d)で分離されたカーボネートは、少なくとも部分的にアンモニアと反応され、こうして形成されたカルバメートに富む反応混合物は、工程(a)および/または(b)に導入される、
    を含む、前記多工程法。
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