JP2000344730A - 1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法 - Google Patents

1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法

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JP2000344730A
JP2000344730A JP11157014A JP15701499A JP2000344730A JP 2000344730 A JP2000344730 A JP 2000344730A JP 11157014 A JP11157014 A JP 11157014A JP 15701499 A JP15701499 A JP 15701499A JP 2000344730 A JP2000344730 A JP 2000344730A
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naphthalene
cobalt
naphthylene diisocyanate
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Yutaka Kanbara
豊 神原
Takashi Okawa
大川  隆
Tomoo Tsujimoto
智雄 辻本
Hirotsugu Matsunaga
裕嗣 松永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミノ)
ナフタレンの熱分解により1,5−ナフチレンジイソシ
アネートを高収率で工業的に有利に得る方法を提供す
る。 【解決手段】触媒としてコバルト化合物を、安定剤とし
て芳香族スルホン酸を用い、1,5−ビス(アルコキシ
カルボニルアミノ)ナフタレンを不活性溶媒中で熱分解
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,5−ビス(ア
ルコキシカルボニルアミノ)ナフタレンを熱分解して
1,5−ナフチレンジイソシアネートを製造する方法に
関する。1,5−ナフチレンジイソシアネートは、ポリ
ウレタンエラストマー等の製造原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】1,5−ナフチレンジイソシアネートの
工業的製造法は、1,5−ジアミノナフタレンとホスゲ
ンを反応させるホスゲン法が知られている。しかしなが
ら、この方法は原料に人体に有害な変異原性のある1,
5−ジアミノナフタレンと毒性の極めて強いホスゲンを
使用し、且つ腐食性の高い塩化水素を大量に副生する欠
点がある。また、このホスゲン法により製造された1,
5−ナフチレンジイソシアネート中には加水分解性塩素
が多く含まれており、ポリウレタン製品の耐候性、耐熱
性、耐黄変性等に悪影響を与える。このため、現行法に
代わる1,5−ナフチレンジイソシアネートの工業的製
造法の開発が望まれている。
【0003】ホスゲンを用いないイソシアネート類の製
造法として種々の方法が提案されているが、比較的収率
が高い方法の一つにカルバミン酸エステル類の熱分解法
がある。カルバミン酸エステルを熱分解する方法として
は、気相法と液相法とがあるが、工業的には液相法が有
利である。カルバミン酸エステル類の熱分解反応は可逆
反応であり、その平衡は高温でイソシアネート生成側に
有利となる。このため熱分解反応は通常高温下で行われ
るが、反応条件が厳しいことからイソシアネートが種々
の不可逆的な副反応を併発し、例えば、尿素類、アマイ
ド類、カルボジイミド類、ウレチジオン類及びイソシア
ヌレート類等を容易に生成する。これらの副反応は目的
とするイソシアネート類の選択率を低下させるだけでな
く、高沸点副生物の生成を引き起こし反応器及び配管の
閉塞等、長期間の運転を困難にする。これらの問題点を
解決するため触媒や溶媒を用いる方法、生成したイソシ
アネートを反応蒸留により短時間に系外に抜き出す方法
等が提案されている。
【0004】一般的なカルバミン酸エステルの熱分解法
としては、例えば、特公昭57−45736号には、元
素の周期律表IB、IIB、 IIIA、IVA、IVB、VB及
びVIII族の金属原子より成る群の中から選ばれた1種又
は2種以上の金属又はその化合物を溶媒中に溶解させた
触媒が開示されている。特開昭54−88201号には
アルカリ土類金属及びその無機化合物を触媒として用い
る方法が記載されている。特開昭57−158747号
には周期律表の銅族、亜鉛族、アルミニウム族、炭素以
外の炭素族、チタン族元素の単体及びこれらの元素の酸
化物又は硫化物から選ばれた単体又は化合物を1種又は
2種以上を溶媒中で不均一系触媒として用いる方法が開
示されている。特開平7−258194号には有機スル
ホン酸及びそのアルカリ金属塩を溶媒中で触媒として用
いる方法が開示されている。
【0005】また、カルバミン酸エステル類の熱分解に
おいて副生物の生成を抑制し収率良くイソシアネート類
を得る為に、安定剤を用いる方法も提案されている。例
えば、特開昭57−123159号ではカルボン酸クロ
ライド、スルホン酸エステル及びアルキル化剤を用いる
方法が開示されている。特開平1−125359号で
は、亜リン酸トリエステル類を用いる方法が開示されて
いる。特開平9−87239号では芳香族スルホン酸類
又は芳香族スルホンアミド類を用いる方法が開示されて
いる。
【0006】一方、ビス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)ナフタレンの熱分解法も提案されている。例えば、
特開昭56−65857号では亜鉛屑を充填した管型反
応器を用い1,5−ビス(エトキシカルボニルアミノ)
ナフタレンを減圧下、温度350℃で熱分解し、1,5
−ナフチレンジイソシアネートを収率80.5%で得た
実施例が記載されている。特開平2−295958号に
はスルホラン溶媒とジラウリン酸ジブチルスズ触媒共存
下、1,5−ビス(エトキシカルボニルアミノ)ナフタ
レンを常圧下、温度200℃、5時間の条件で熱分解
し、1,5−ナフチレンジイソシアネートを収率80.
6%で得た実施例が記載されている。
【0007】また、特開平11−5773号には、2種
類の反応溶媒及び1種類の捕集溶媒を用い、ジラウリン
酸ジブチルスズ触媒と、安定剤としてパラトルエンスル
ホン酸の共存下、2,6−ビス(メトキシカルボニルア
ミノ)ナフタレンを減圧下、温度250℃の条件で熱分
解し、2,6−ナフチレンジイソシアネートを収率9
3.5%で得た実施例が記載されている。本発明者らは
この方法を1,5−ビス(メトキシカルボニルアミノ)
ナフタレンに適用したところ、1,5−ナフチレンジイ
ソシアネートの収率は63.9%となり、1,5−ビス
(メトキシカルボニルアミノ)ナフタレンの場合には、
2,6−ビス(メトキシカルボニルアミノ)ナフタレン
に比べて反応性が低く、高収率を達成できないことが分
かった。以上のように、従来法により1,5−ビス(ア
ルコキシカルボニルアミノ)ナフタレンを熱分解した場
合には1,5−ナフチレンジイソシアネートの収率は8
1%以下であり、工業的に充分とは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1,
5−ビス(アルコキシカルボニルアミノ)ナフタレンの
熱分解により1,5−ナフチレンジイソシアネートを高
収率で工業的に有利に得る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を有する1,5−ナフチレンジイソシアネートの
製造法について鋭意研究を重ねた結果、1,5−ビス
(アルコキシカルボニルアミノ)ナフタレンの熱分解の
際に触媒としてコバルト化合物を使用することにより大
きな反応速度で収率良く1,5−ナフチレンジイソシア
ネートが得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち本発明は、1,5−ビス(アルコ
キシカルボニルアミノ)ナフタレンを不活性溶媒中で熱
分解して1,5−ナフチレンジイソシアネートを製造す
る方法において、触媒としてコバルト化合物を用いるこ
とを特徴とする1,5−ナフチレンジイソシアネートの
製造法である。
【0011】また、本発明の方法では、安定剤として芳
香族スルホン酸類が、不活性溶媒にはジベンジルトルエ
ンが好適に用いられ、熱分解により生成する1,5−ナ
フチレンジイソシアネートとアルコール類とを別々に回
収される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の方法において原料に用い
られる1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミノ)ナ
フタレンの具体例としては、例えば、1,5−ビス(メ
トキシカルボニルアミノ)ナフタレン、1,5−ビス
(エトキシカルボニルアミノ)ナフタレン、1,5−ビ
ス(ブトキシカルボニルアミノ)ナフタレン、1,5−
ビス(フェノキシカルボニルアミノ)ナフタレン等が挙
げられる。これらの1,5−ビス(アルコキシカルボニ
ルアミノ)ナフタレンは単一でも、2種以上の混合物で
も使用できる。
【0013】本発明において触媒としてコバルト化合物
を用いる。これには金属コバルトも含まれ、例えばコバ
ルト粉末、リン酸コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバル
ト、ヨウ化コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、安
息香酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、ナフ
テン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、コバルトセ
ン、Co23、CoSなどの無機及び有機酸塩、錯体、
酸化物、硫化物等が挙げられる。
【0014】本発明で用いる不活性溶媒としては、炭化
水素系の化合物が挙げられ、沸点の点から特にジベンジ
ルトルエンが好ましい。ジベンジルトルエンは1,5−
ナフチレンジイソシアネートよりも高沸点であり、溶媒
の沸騰状態下で1,5−ビス(アルコキシカルボニルア
ミノ)ナフタレンを熱分解させると同時に、生成した
1,5−ナフチレンジイソシアネートを系外に抜き出す
ことにより反応系内の1,5−ナフチレンジイソシアネ
ートの濃度を小さくできる。溶媒の使用量は、1,5−
ビス(アルコキシカルボニルアミノ)ナフタレンに対し
て0.05〜20重量倍、好ましくは0.1〜10重量
倍の範囲である。溶媒の使用量が多すぎる場合には経済
的に不利であり、少なすぎる場合には副生物の生成量が
増加する。溶媒に対する触媒の濃度は0.00001〜
10重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の範囲
である。前記の触媒は原料槽等で1,5−ビス(アルコ
キシカルボニルアミノ)ナフタレンの変質を促進するた
め、1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミノ)ナフ
タレンとは別に反応系に供給するのが好ましい。
【0015】本発明において安定剤として芳香族スルホ
ン酸を用いることが好ましい。具体例としては、ベンゼ
ンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、フェノールスルホン酸、スルファニル酸等が挙げら
れる。安定剤として上記の化合物の中から2種以上の混
合物も使用できる。使用する安定剤が固体の場合には反
応系への供給を容易にするために、反応系内で不活性の
溶媒に溶解させて用いることもできる。生成した1,5
−ナフチレンジイソシアネートが充填塔内で重合し、重
合物が付着するような場合には、本発明に用いられる安
定剤を反応系内だけでなく充填塔頂部より供給すること
により付着を防止できる。
【0016】安定剤の使用量は、溶媒に対して0.00
01〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の
範囲であり、多すぎると反応速度を減少させることがあ
り、少なすぎる場合は十分な効果が得られない。
【0017】1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)ナフタレンを熱分解する反応温度は150〜350
℃、好ましくは200〜300℃の範囲である。反応温
度が低過ぎると熱分解速度が小さく、また高過ぎるとと
副反応が促進されるので好ましくない。反応圧力は通
常、減圧下で実施されるが、必要に応じて常圧、又は加
圧下でも実施される。反応時間は、反応温度、圧力及び
反応型式等によって異なるが、通常は0.2〜10時間
の範囲である。
【0018】本発明の方法において1,5−ビス(アル
コキシカルボニルアミノ)ナフタレンは1,5−ナフチ
レンジイソシアネートとアルコールに熱分解されるが、
再結合して1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)ナフタレンに戻るのを防ぐために、通常イソシアネ
ートとアルコールとを別々に回収する。この回収方法と
して、例えばイソシアネートとアルコールの蒸気を反応
系外に抜き出し、凝縮温度の差を利用して各々分縮させ
る方法や、イソシアネート又はアルコールの低沸点の方
を選択的に抜き出す方法等が挙げられる。
【0019】本発明の方法において熱分解で生成するイ
ソシアネートの副反応を防ぐため、通常イソシアネート
は反応系から素早く分離する必要がある。この分離を促
進するために、例えば窒素、アルゴン及びメタン等の不
活性ガスや、低沸点で不活性な有機溶剤、例えばベンゼ
ン、ヘキサン等を反応系内に導入することもできる。し
かしながら、工業的には不活性ガス、低沸点の有機溶媒
の導入は、その分離、回収工程に負担がかかるため用い
ない方が好ましい。
【0020】1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)ナフタレンの熱分解は回分式によっても実施できる
が、実用的には完全混合型反応器又は管型反応器を用い
る流通式が好ましい。流通式では、例えば多段式の蒸留
塔を熱分解反応器として用い、1,5−ビス(アルコキ
シカルボニルアミノ)ナフタレン、溶媒及び安定剤等か
らなる原料溶液を、減圧下に保持された反応器へ連続的
に供給し、反応で生成する1,5−ナフチレンジイソシ
アネートとアルコールとの蒸気を系外で分縮させること
によって好適に実施できる。ここで得られたイソシアネ
ート留分は必要に応じて蒸留等によって高純度品に精製
される。一方、反応器からは滞留液を連続的又は間欠的
に抜液し、例えば蒸留等により高沸点副生物を除去した
後、イソシアネート、未反応のカルバミン酸エステル及
び溶媒等を含む留分は原料系へ循環される。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に具
体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0022】実施例1 反応器として、充填塔(ディクソンパッキン充填)、温
度計、サンプリング用ノズル、バブリング用窒素導入ノ
ズルを付した300mlのガラス製4つ口フラスコを使
用し、回分反応により1,5−ビス(アルコキシカルボ
ニルアミノ)ナフタレンの熱分解実験を行った。充填塔
頂には空冷捕集器、ドライアイス・メタノールにより冷
却したトラップ、真空ポンプ及び廃ガス用のベントを配
管で連結した。
【0023】反応器に1,5−ビス(メトキシカルボニ
ルアミノ)ナフタレン(以降NDUと略称する)15g
とジベンジルトルエン200gを仕込んだ後、ジベンジ
ルトルエンに対して50ppmとなるように酢酸コバル
トを添加した。系内の圧力を2.7kPaに保持しなが
ら、反応器をオイルバスに浸し反応器内液の温度を25
0℃まで昇温した。反応で生成したイソシアネート化合
物及びメタノールは空冷捕集器及びコールドトラップで
各々捕集した。
【0024】反応速度を調べるため、反応開始5分後に
サンプリングノズルより反応液を抜き出し液体クロマト
グラフ及びガスクロマトグラフを用い内部標準法でNDU
の組成分析を行った。反応は30分で終了とし、反応器
及び空冷捕集器、コールドトラップの液量を測定し組成
分析を行った。反応終了後の反応液は高沸点(高分子
量)副生物の生成量を測定するためGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)にて分析した。データ
を解析した結果、NDUの消失速度を1次反応と仮定した
場合の反応速度定数k1 は50.8(hr-1)、反応成
績はNDU反応率100%において1,5−ナフチレンジ
イソシアネート(以降NDIと略称する)選択率は9
0.1%、中間体のモノイソシアネート化合物(以降N
MIと略称する)の選択率0.9%、反応液中の高沸点
副生物の濃度は0.34wt%となった (結果を表1に
示す) 。なお、反応速度定数k1 は以下の値である。 反応速度定数k1 ={1/反応時間(hr)}×ln{ND
Uの初期濃度(mol/l)/反応時間後のNDU濃度(mol/l)}
【0025】実施例2、比較例1〜7 反応器に仕込む触媒を変えて実施例1と同様の方法で行
った。結果を表1に示す。
【0026】 (表1) 反応速度NDUNDINMI高沸物 触媒 安定剤 定数k1 反応率 選択率 選択率 濃度 [hr -1] [%] [%] [%] [wt%] 実施例1 酢酸 無 コバルト 50.8 100.0 90.1 0.9 0.30 実施例2 コバルト粉末 無 42.2 100.0 87.1 2.1 0.38 比較例1 無 無 8.5 95.7 74.0 5.0 0.49 比較例2 酢酸 無 マンガン 18.5 99.8 82.6 1.2 0.50 比較例3 トリフェニル 無 アンチモン 20.3 100.0 76.8 1.6 0.72 比較例4 酢酸 無 ニッケル 11.6 97.3 80.1 4.1 0.50 比較例5 ステアリン酸 無 鉄 19.0 98.0 82.1 0.5 0.96 比較例6 ジラウリン酸 無 ジブチルスズ 26.2 100.0 79.9 2.9 0.66 比較例7 酢酸亜鉛 無 31.2 100.0 84.3 1.5 0.61
【0027】実施例3 反応器に触媒として安息香酸コバルト、安定剤としてフ
ェノールスルホン酸をジベンジルトルエンに対して50
ppm添加した以外は実施例1と同様の方法で行った。
結果を表2に示す。
【0028】実施例4〜8、比較例8 反応器に仕込む触媒及び安定剤を変えて実施例3と同様
の方法で行った。結果を表2に示す。
【0029】 (表2) 反応速度NDUNDINMI高沸物 触媒 安定剤 定数k1 反応率 選択率 選択率 濃度 [hr -1] [%] [%] [%] [wt%] 実施例3 安息香酸 フェノール コバルト スルホン酸 50.2 100.0 93.1 1.3 0.04 実施例4 酢酸 パラトルエン コバルト スルホン酸 49.6 100.0 92.8 1.3 0.04 実施例5 ステアリン酸 ベンゼン コバルト スルホン酸 48.5 100.0 92.3 0.9 0.05 実施例6 酢酸 パラトルエンスルホン コバルト アミド 53.1 100.0 87.5 0.7 0.13 実施例7 酢酸 パラトルエンスルホン酸 コバルト メチル 42.3 100.0 81.6 3.3 0.18 実施例8 酢酸 亜リン酸 コバルト トリフェニル 55.6 100.0 87.4 2.4 0.15 比較例8 ジラウリン酸 パラトルエン ジブチルスズ スルホン酸 25.4 99.7 76.9 2.8 0.54
【0030】実施例9 反応器に仕込む1,5−ビス(アルコキシカルボニルア
ミノ)ナフタレンを、1,5−ビス(エトキシカルボニ
ルアミノ)ナフタレンとした以外は実施例1と同様の方
法で行った。データを解析した結果、5分後の反応速度
定数k1 は41.6(hr-1)、反応成績は1,5−ビ
ス(エトキシカルボニルアミノ)ナフタレン反応率10
0%においてNDI選択率は92.5%、中間体のモノ
イソシアネート化合物の選択率1.7%、反応液中の高
沸点副生物の濃度は0.05wt%であった。
【0031】実施例9 反応器として、充填塔(ディクソンパッキン充填、段数
8段)、原料供給ノズル、触媒供給ノズル、反応生成液
抜き出しノズル、熱電対保護管及び熱媒循環用のジャケ
ットを備えた500mlの電磁攪拌式オートクレーブを
使用し、流通反応により1,5−ビス(アルコキシカル
ボニルアミノ)ナフタレンの熱分解実験を行った。反応
装置は全てステンレス製(SUS−304)とした。充
填塔頂には凝縮器、空冷のミストトラップ、ドライアイ
ス・メタノールにより冷却したトラップ、真空ポンプ及
び廃ガス用のベントを配管で連結した。充填塔頂部の凝
縮器には140℃のオイルを循環し、還流比1の条件で
イソシアネート留出液を受器へ抜き出すように設定し
た。
【0032】窒素ガスで置換した室温の原料槽に、ジベ
ンジルトルエンをNDUに対して4:1の重量比で仕込ん
だ後、ジベンジルトルエンに対して200ppmとなる
ようにパラトルエンスルホン酸を添加し原料槽を調製し
た。原料槽を攪拌し窒素ガスを微量流した。反応槽にジ
ベンジルトルエン250gを仕込んだ。反応槽を攪拌し
内溶液温度を250℃、系内の圧力を2.7kPaに保
持しながら、原料液は定量ポンプを用いて200g/h
rの流速で反応槽に連続供給した。酢酸コバルト触媒を
ジベンジルトルエンに対して200ppmとなるように
反応槽に連続供給した。反応で生成した1,5−ナフチ
レンジイソシアネート及びメタノールは受器及びコール
ドトラップで各々捕集した。缶出液は反応槽の滞留液量
が250gを維持するように電磁調節弁を用いて連続的
に受器に抜き出した。
【0033】反応開始後、所定時間ごとに各受器及びコ
ールドトラップの液量を測定すると共に組成分析を行っ
た。10時間継続して運転を行い、定常状態においてデ
ータを解析した結果、NDU反応率99.0%においてN
DI選択率は91.0%、中間体のNMIの選択率4.
2%、反応液中の高沸点副生物濃度は0.3wt%とな
った。また、NDI留分中のNDI濃度は86.5wt
%、コールドトラップ中にNDIは検出されなかった。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により1,5−ビス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)ナフタレンの熱分解で触媒としてコバルト化合物を
用いることにより反応速度が大きくなり、1,5−ナフ
チレンジイソシアネートを高収率で得ることができる。
また安定剤として芳香族スルホン酸を用いることにより
1,5−ナフチレンジイソシアネートの高い選択率が得
られる。本発明の方法によれば、既存のホスゲン法の如
く原料に人体に有害な変異原性のある1,5−ジアミノ
ナフタレンや毒性の強いホスゲンを使用することなく、
1,5−ナフチレンジイソシアネートを高収率で効率良
く製造できるので、本発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 B01J 23/74 311X (72)発明者 松永 裕嗣 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC55 BA20 BA30 BA32 BA35 BA36 BA37 BA52 BB11 BB49 BB61 BC36 4H039 CA70 CE90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,5−ビス(アルコキシカルボニルア
    ミノ)ナフタレンを不活性溶媒中で熱分解して1,5−
    ナフチレンジイソシアネートを製造する方法において、
    触媒としてコバルト化合物を用いることを特徴とする
    1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法。
  2. 【請求項2】 安定剤として芳香族スルホン酸を用いる
    請求項1に記載の1,5−ナフチレンジイソシアネート
    の製造法。
  3. 【請求項3】 不活性溶媒としてジベンジルトルエンを
    用いる請求項1に記載の1,5−ナフチレンジイソシア
    ネートの製造法。
JP11157014A 1999-06-03 1999-06-03 1,5−ナフチレンジイソシアネートの製造法 Pending JP2000344730A (ja)

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