JPH115773A - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

イソシアネートの製造方法

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JPH115773A
JPH115773A JP9159809A JP15980997A JPH115773A JP H115773 A JPH115773 A JP H115773A JP 9159809 A JP9159809 A JP 9159809A JP 15980997 A JP15980997 A JP 15980997A JP H115773 A JPH115773 A JP H115773A
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isocyanate
solvent
alcohol
reaction
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Masaharu Dotani
正晴 銅谷
Shuichi Ueno
修一 上野
Hirotsugu Matsunaga
裕嗣 松永
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルバミン酸エステルを熱分解してイソシアネ
ートを製造する方法において、イソシアネートへのアル
コールの溶解およびアルコールへのイソシアネートの同
伴なくイソシアネートとアルコールを分離し、収率良く
イソシアネートを製造する方法を提供する。 【解決手段】カルバミン酸エステルを熱分解して得られ
たイソシアネートとアルコールを気相にて反応系から分
離した後、イソシアネート捕集溶媒を用いてイソシアネ
ートとアルコールを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルバミン酸エス
テルを熱分解してイソシアネートを製造する方法に関す
る。イソシアネートは、塗料、殺虫剤、除草剤、ポリウ
レタン及びポリウレア等の製造原料として有用であり、
大規模に商業生産されている。
【0002】
【従来の技術】イソシアネートの製造法としては、第1
級アミン類とホスゲンとの反応が最も広く工業的に採用
されている。この製造法は、極めて毒性の強いホスゲン
を使用し、かつ腐食性の高い塩化水素を大量に副生す
る。このことから、ホスゲンを用いないイソシアネート
の工業的製造法が望まれている。
【0003】イソシアネートの製造法の1つとして、カ
ルバミン酸エステルの熱分解法が提案されている。カル
バミン酸エステルの熱分解反応は可逆反応であり、その
平衡は高温でイソシアネート生成側に有利となる。この
ため熱分解反応は高温下で行われるが、高温での熱分解
反応は様々な副反応を併発し、例えば、アロファネート
類、カルボジイミド類およびイソシアヌレート類等を副
生する。この副反応は、目的とするイソシアネートの収
率や選択率を低下させるだけでなく、高沸点副生物の生
成を引き起こし、反応器及び配管の閉塞等により、長期
間の運転が困難となる恐れがある。そこで、カルバミン
酸エステルの熱分解反応速度を高め、副反応等を抑制し
良好なイソシアネート収率を得る方法として、触媒の使
用(特開昭52−19624号)、安定剤等の使用(特
開昭54−39002号)、ストリッピング剤の使用
(特開昭51−29445号)および搬送剤の使用(特
開昭51−13745号)等、種々提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の不活性溶媒中で
の熱分解により生成したイソシアネートとアルコールの
分離方法は、沸点の相違により順次凝縮し分離する方法
である。この方法の場合、凝縮イソシアネート中へアル
コールが溶解、あるいはアルコールへイソシアネートが
同伴され、逆反応によりカルバミン酸エステルが生成す
る。このために種々工夫を行いイソシアネートとアルコ
ールを高収率で得ていながら捕集後のイソシアネート収
率が低い、といった欠点を有する。また特に生成イソシ
アネートの融点が高い場合には、凝縮温度をイソシアネ
ートの融点以上にしなければならないことから、イソシ
アネート凝縮分離後のアルコールへ同伴されるイソシア
ネートの量が非常に多くなるために、イソシアネート収
率の大幅な低下およびイソシアネート凝縮分離以降の配
管でのイソシアネートあるいはイソシアネートとアルコ
ールとの反応により生成するウレタンの析出による閉塞
トラブルを生ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を有するイソシアネートの製造方法について鋭意
研究を重ねた結果、イソシアネート捕集溶媒を使用する
ことにより、イソシアネートへのアルコールの溶解およ
びアルコールへのイソシアネートの同伴なくイソシアネ
ートとアルコールを分離し、収率良くイソシアネートを
捕集できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、カルバミン酸エステルを熱
分解してイソシアネートを製造する方法において、カル
バミン酸エステルを熱分解して得られたイソシアネート
とアルコールを気相にて反応系から分離した後、イソシ
アネート捕集溶媒を用いてイソシアネートとアルコール
を分離することを特徴とするイソシアネートの製造方法
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明方法を具体的に説明
する。本発明の方法では、カルバミン酸エステルを熱分
解して得られたイソシアネートとアルコールを気相にて
反応系から分離した後、溶媒を使用してイソシアネート
とアルコールを分離するが、このためカルバミン酸エス
テル熱分解反応器は、反応部、分離部及び塔頂冷却部か
らなる反応装置を使用することが望ましい。カルバミン
酸エステルの熱分解は、通常、イソシアネートに対して
不活性な高沸点溶媒中で、触媒及び安定剤の存在下、1
50〜350℃の温度で行われる。反応で生成したイソ
シアネートとアルコールは分離部において気相にて反応
系から分離した後、塔頂冷却部にて捕集溶媒の還流下で
イソシアネートを溶解捕集される。
【0008】本発明の方法において原料として用いられ
るカルバミン酸エステルは、特に限定されないが、通常
は次式で示される化合物である。 R1 (NHCOOR2 )n 〔R1 及びR2 は、飽和または不飽和の脂肪族基、脂環
族基、芳香族基及びアラルキル基から選ばれた有機基で
あり、R1 及びR2 は同一でも互いに異なっていても良
い。nは1〜4の整数を表す。〕 このカルバミン酸エステルを熱分解することにより、R
1 (NCO)n で示されるイソシアネートと、R2 OH
で示されるアルコールが生成するが、本発明の方法は生
成するイソシアネートの融点が40℃以上であるものに
好適に用いられる。
【0009】カルバミン酸エステルの具体例としては、
例えば、1,4-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ブタ
ン、1,6-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ヘキサン、
1,8-(メトキシカルボニルアミノ)オクタン等の脂肪族
カルバミン酸エステル類;1,3-又は1,4-ビス(メトキシ
カルボニルアミノ)シクロヘキサン、1,3-又は1,4-ビス
(メトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサン、
3-メトキシカルボニルアミノメチル-3,5,5- トリメチル
-1- メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン、ビス
(4-メトキシカルボニルアミノシクロヘキシル)メタ
ン、1-メチル-2,4-ビス(メトキシカルボニルアミノ)
シクロヘキサン等の脂環族カルバミン酸エステル類;1,
3-又は1,4-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ベンゼ
ン、1-メチル-2,4- ビス(メトキシカルボニルアミノ)
ベンゼン、1-メチル-2,6- ビス(メトキシカルボニルア
ミノ)ベンゼン、2,4'- 又は4,4'- ビス(メトキシカル
ボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4'- ビス(メトキ
シカルボニルアミノ)ビフェニル、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノ)ナフタレン等の芳香族カ
ルバミン酸エステル類;1,3-又は1,4-ビス(メトキシカ
ルボニルアミノメチル)ベンゼン、1,5-又は2,6-ビス
(メトキシカルボニルアミノメチル)ナフタレン等のア
ラルキルカルバミン酸エステル類;及び各化合物のメト
キシカルボニルアミノ置換基に代えてエトキシカルボニ
ルアミノ置換基又はフェノキシカルボニルアミノ置換基
を有するカルバミン酸エステル類等が挙げられる。これ
らのカルバミン酸エステルは単一でも、2種以上の混合
物でも使用できる。
【0010】カルバミン酸エステルの熱分解に用いられ
る溶媒は、イソシアネートに対して不活性で、生成する
イソシアネートより高沸点の溶媒であり、例えば、脂肪
族、脂環族及び芳香族の置換又は非置換の炭化水素、エ
ステル類、ケトン類、エーテル類等である。具体例とし
ては、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン等のアルカ
ン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ジイソ
プロピルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビフェニル、ナ
フタレン、ベンジルトルエン、ジベンジルトルエン、ピ
レン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ベン
ゼンナフタレン、ベンジルナフタレン等の芳香族炭化水
素類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリクレジル等のエステル類;メチルエチル
ケトン、アセトフェノン等のケトン類;アニソール、ジ
フェニルエーテル等のエーテル類、等が挙げられる。本
発明では、これら溶媒の中から生成イソシアネートに対
応して、該イソシアネートよりも高沸点の溶媒が適宜選
択して用いられる。また、この際用いられる溶媒は1種
類でも2種類以上の混合物でも良い。溶媒の使用量は、
カルバミン酸エステルに対して0.05〜20重量倍の範囲、
好ましくは 0.1〜10重量倍の範囲である。
【0011】熱分解に用いられる触媒には、元素の周期
律表IB、IIA,IIB、 IIIB、IVA、IVB、VA、V
B及びVIII族の金属原子より成る群の中から選ばれた1
種又は2種以上の金属又はその化合物等が用いられる。
例えば、銅、酸化銅、銅ナフテネート、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化バリウム、亜鉛、亜鉛アセテ
ート、アルミニウム、アルミニウムベンゾエート、チタ
ニウム、チタニウムフェノレート、錫、錫アセテート、
ジブチル錫ジラウレート、硫化鉛、バナジウム、アンチ
モン、鉄、コバルト、およびニッケル等が挙げられる。
触媒量は、熱分解溶媒に対して0.0001〜10重量%の範
囲、好ましくは 0.001〜1 重量%の範囲で添加される。
【0012】熱分解の安定剤には、カルボン酸クロライ
ド類、スルホン酸クロライド類、スルホン酸エステル類
および亜リン酸トリエステル類等が用いられる。安定剤
の具体例としては、アセチルクロライド、ベンゾイルク
ロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、p−ト
ルエンスルホン酸メチル、亜リン酸トリエチル、亜リン
酸トリブチルおよび亜リン酸トリフェニル等が挙げられ
る。これらの安定剤の添加量は、熱分解溶媒に対して0.
0001〜10重量%の範囲、好ましくは 0.001〜1 重量%の
範囲である。添加量は多すぎるとイソシアネートの生成
を阻害することがある。
【0013】カルバミン酸エステルを熱分解する反応温
度は 150〜350 ℃の範囲、好ましくは 200〜300 ℃の範
囲である。反応温度が 150℃より低いと熱分解速度が小
さく、また 350℃より反応温度が高いと副反応が促進さ
れるので好ましくない。反応圧力は通常、減圧下で実施
されるが、必要に応じて常圧、又は加圧下でも実施され
る。反応時間は、反応温度、反応圧力及び反応型式等に
よって異なるが、通常は 0.2〜10時間の範囲である。
【0014】本発明の方法において、カルバミン酸エス
テルの熱分解により生成したイソシアネートとアルコー
ルは、例えば図1に示されるような装置を用い、気相に
て反応部3 から分離して、反応器上部に設置された分離
部4 を経てミストを分離し、捕集部5 にて、塔頂冷却部
6 からの捕集溶媒の還流下、イソシアネートを溶解捕集
して受器8 に入り、流路7 からの気相アルコールと好適
に分離される。イソシアネートの捕集溶媒への溶解温度
は、低いとアルコールも溶解することから、生成イソシ
アネートの沸点の範囲で高い方が好ましい。また捕集溶
媒を還流するための冷却温度は、気相のアルコールへの
捕集溶媒の同伴を少なくするために低い方が好ましい。
【0015】本発明で使用されるイソシアネート捕集溶
媒には、イソシアネートとアルコールに不活性であり、
反応圧力下で沸点が20℃より高く、生成イソシアネー
トの沸点より低い溶媒が用いられる。通常は、脂肪族、
脂環族および芳香族の置換または非置換の炭化水素、エ
ステル類、ケトン類およびエステル類等である。具体例
としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカ
ン等のアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、ジイソプロピルベンゼン、ドデシルベンゼン、ナ
フタレン、ベンジルトルエン等の芳香族炭化水素類;安
息香酸メチル、安息香酸エチル等のエステル類;メチル
エチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;アニソー
ル、フェネトール等のエーテル類、等が挙げられる。イ
ソシアネート捕集溶媒の使用量は、原料のカルバミン酸
エステルに対して0.05〜20重量倍の範囲、好まし
くは0.1〜10重量倍範囲である。イソシアネート捕
集溶媒の添加は捕集部へ直接添加しても良いが、反応部
へ添加した方が、反応で生成したイソシアネートを反応
系から気相へ分離するために効率的である。
【0016】カルバミン酸エステルを熱分解する反応操
作は、回分式によっても実施できるが、実用的には完全
混合型反応器又は塔型反応器を用いる流通式が好まし
い。流通式では、例えば上部に充填塔を付した撹拌槽型
反応器を用い、カルバミン酸エステル、高沸点溶媒、触
媒、安定剤および捕集溶媒等からなる原料溶液を減圧下
に保持された反応器へ連続的に供給し、反応で生成する
イソシアネート、アルコールおよび捕集溶媒の蒸気を分
離部を経て塔頂へ導き、捕集溶媒還流下、イソシアネー
トのみを捕集溶媒へ溶解しアルコール類と分離捕集す
る。得られた捕集溶媒へ溶解したイソシアネートは、必
要に応じて晶出や蒸留等によって高純度品に精製され
る。一方、反応器からは滞留液を連続的又は間欠的に抜
液し、例えば蒸留等により高沸点副生物を除去した後、
イソシアネート、未反応のカルバミン酸エステル及び溶
媒等を含む留分は原料系へ循環される。
【0017】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に具
体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0018】実施例1 撹拌機、温度計、上部にイソシアネート捕集部および捕
集溶媒還流冷却器を付した20mmφ×300mmデクソン
パッキング充填塔、原料供給ノズルおよび反応液抜き出
しノズル、を付した500mlガラス製反応器を使用し
た。高沸点溶媒にバーレルサーム400(主成分;ジベ
ンジルトルエン)を使用し、バーレルサーム400に対
して、触媒としてジブチル錫ジラウレート50ppmおよ
び安定剤として亜リン酸トリフェニル200ppm 、を溶
かした溶液350mlを反応器に仕込み、油浴中に浸し
た。また、イソシアネート捕集部を120℃、捕集溶媒
還流冷却器を20℃とし、捕集部の下に受器を設置し
た。還流冷却器の先はドライアイスで冷却したメタノー
ル捕集用トラップを通して真空ラインに接続した。反応
液抜き出しノズルは、調節弁、次いで受器を通して別途
真空ラインに連結した。
【0019】原料槽に1,3-ビス(メトキシカルボニルア
ミノメチル)ベンゼン(以下、MXDUと称す。)とバ
ーレルサーム400および捕集溶媒としてネオSKオイ
ル240(主成分;アルキルナフタレン、沸点22mmHg
で130℃)を重量比1/3/0.5で仕込んだ後、バ
ーレルサーム400に対してジブチル錫ジラウレート5
0ppm および亜リン酸トリフェニル200ppm を添加
し、窒素ガス導入下140℃で加熱溶解し、原料液を調
整した。油浴を加熱し、反応器の内温を250℃、反応
系内の圧力を22mmHgに保持しながら、原料液を定量ポ
ンプを用いて135g/h の流速でノズルより反応器へ供
給した。反応で生成したメタキシリレンジイソシアネー
ト(以下、MXDIと称す。)とメタノールおよび捕集
溶媒は、充填塔を経て、塔頂のイソシアネート捕集部
で、捕集部の上部に設置した捕集溶媒還流冷却器で冷却
され還流してくる捕集溶媒へイソシアネートを溶解分離
し、次いで溶媒還流冷却器で捕集溶媒とメタノールを分
離した。反応器内の滞留液は液面を一定のレベルに維持
するように連続的に受器へ抜き出した。反応開始後、所
定時間毎に各受器の液量を測定し、また液体クロマトグ
ラフィー及びガスクロマトグラフィーを用いて組成分析
を行った。12時間継続して運転を行い、定常状態におけ
るデータを解析した結果、MXDU分解率は98.5
%、選択率は、MXDIが95.6%、中間体のモノイ
ソシアネート(以下、MXMIと称す。)が1.9%で
あり、トラップの回収メタノール中にMXDI,MXM
IおよびMXDUは認められなかった。
【0020】比較例1 塔頂イソシアネート捕集部および捕集溶媒を無くし、原
料液を120g/h の流速で供給した以外は実施例1と同
様にして熱分解実験を行った。定常状態のデータを解析
した結果、MXDU分解率は98.7%、選択率は、M
XDIが91.9%、中間体のモノイソシアネートが
5.1%であり、トラップの回収メタノール中のMXD
Iは0.5%であった。
【0021】実施例2 原料カルバミン酸エステルにイソホロンジカルバミン酸
メチル(以下、IPDUと称す。)を使用した以外は実
施例1と同様にして熱分解実験を行った。定常状態にお
けるデータを解析した結果、IPDU分解率は98.8
%、選択率は、イソホロンジイソシアネート(以下、I
PDIと称する。)が96.5%、中間体のモノイソシ
アネート(以下、IPMIと称す。)が1.2%であ
り、トラップの回収メタノール中にIPDI,IPMI
およびIPDUは認められなかった。
【0022】実施例3 原料カルバミン酸エステルに1,4-ビス(メトキシカルボ
ニルアミノ)ベンゼン(以下、PPDUと称す。)を使
用し、捕集部の温度を100℃とした以外は実施例1と
同様にして熱分解実験を行った。定常状態におけるデー
タを解析した結果、PPDU分解率は97.2%、選択
率は、p-フェニレンジイソシアネート(以下、PPDI
と称す。)が95.5%、中間体のモノイソシアネート
(以下、PPMIと称す。)が1.6%であり、トラッ
プの回収メタノール中にPPDI、PPMIおよびPP
DUは認められなかった。
【0023】比較例2 塔頂イソシアネート捕集部および捕集溶媒を無くし、塔
頂還流冷却器の温度を生成PPDIが結晶として析出し
ないようにPPDIの融点(94℃)以上の100℃と
し、原料液を120g/h の流速で供給した以外は実施例
3と同様な方法で実験を行った。定常状態におけるデー
タを解析した結果、PPDU分解率は97.5%、選択
率は、PPDIが89.9%、PPMIが1.8%であ
り、トラップの回収メタノール中のPPDIは4.7%
であった。
【0024】実施例4 実施例1と同一の装置で、高沸点溶媒にフタル酸ジヘプ
チルを使用し、フタル酸ジヘプチルに対して、触媒とし
てジブチル錫ジラウレート50ppm および安定剤として
亜リン酸トリフェニル200ppm を溶かした溶液350
mlを反応器に仕込み、油浴中に浸した。またイソシアネ
ート捕集部を160℃、捕集溶媒還流冷却器を20℃と
し、捕集部の下に受器を設置した。還流冷却器の先はド
ライアイスで冷却したメタノール捕集用トラップを通し
て真空ラインに接続した。反応液抜き出しノズルは、調
節弁、次いで受器を通して別途真空ラインに連結した。
原料槽に2,6-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ナフタ
レン(以下、2,6-NDUと称す。)とフタル酸ジヘプチ
ルおよび捕集溶媒としてネオSKオイル1300(主成
分;ベンジルトルエン、沸点20mmHgで165℃)を重
量比1/4/1、およびフタル酸ジヘプチルに対してジ
ブチル錫ジラウレート50ppm および亜リン酸トリフェ
ニル200ppm を添加し、原料スラリー液を調整した。
【0025】油浴を加熱し、反応器の内温を250℃、
反応系内の圧力を20mmHgに保持しながら、原料スラリ
ー液を定量ポンプを用いて135g/h の流速でノズルよ
り反応器へ供給した。反応で生成した2,6-ナフタレンジ
イソシアネート(以下、2,6-NDIと称す。)とメタノ
ールおよび捕集溶媒は、充填塔を経て、塔頂のイソシア
ネート捕集部で、捕集部の上部に設置した捕集溶媒還流
冷却器で冷却され還流してくる捕集溶媒へイソシアネー
トを溶解分離し、次いで溶媒還流冷却器で捕集溶媒とメ
タノールを分離した。反応器内の滞留液は液面を一定の
レベルに維持するように連続的に受器へ抜き出した。反
応開始後、所定時間毎に各受器の液量を測定し、また液
体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーを用
いて組成分析を行った。12時間継続して運転を行い、定
常状態におけるデータを解析した結果、2,6-NDU分解
率は98.7%、選択率は、2,6-NDIが94.7%、
中間体のモノイソシアネート(以下、2,6-NMIと称
す。)が2.2%であり、トラップの回収メタノール中
に2,6-NDI,2,6-NMIおよび2,6-NDUは認められ
なかった。
【0026】比較例3 塔頂イソシアネート捕集部および捕集溶媒を無くし、塔
頂還流冷却器の温度を生成2,6-NDIが結晶として析出
しないように2,6-NDIの融点(160℃)以上の16
5℃とし、原料液を113g/h の流速で供給した以外は
実施例4と同様な方法で熱分解実験を行った。原料供給
3時間で、塔頂還流冷却器以降のラインに結晶が析出
し、閉塞のため実験を中止した。
【0027】
【発明の効果】以上の実施例に示される如くに、本発明
の方法では、イソシアネートへのアルコールの溶解およ
びアルコールへのイソシアネートの同伴なくイソシアネ
ートとアルコールを分離できることから、イソシアネー
トを高収率で得ることができ、且つ、ラインでの結晶の
析出による閉塞トラブルもないことから長時間安定した
運転ができる。従って、本発明の方法によってイソシア
ネート類が工業的に極めて有利に製造でき、本発明の工
業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による反応装置の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1:原料入口 2:反応液出口 3:反応部 4:分離部 5:捕集部 6:塔頂冷却部 7:アルコール出口 8:イソシアネート(捕集溶媒)受器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルバミン酸エステルを熱分解してイソ
    シアネートを製造する方法において、カルバミン酸エス
    テルを熱分解して得られたイソシアネートとアルコール
    を気相にて反応系から分離した後、イソシアネート捕集
    溶媒を用いてイソシアネートとアルコールを分離するこ
    とを特徴とするイソシアネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応圧力下で沸点が20℃より高く生成
    イソシアネートの沸点より低いイソシアネート捕集溶媒
    を使用し、カルバミン酸エステル熱分解反応装置の塔頂
    冷却部にて該溶媒の還流下にイソシアネートを溶解捕集
    する請求項1記載のイソシアネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 イソシアネートの融点が40℃以上であ
    る請求項1または請求項2記載のイソシアネートの製造
    方法。
JP9159809A 1997-06-17 1997-06-17 イソシアネートの製造方法 Pending JPH115773A (ja)

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JP9159809A JPH115773A (ja) 1997-06-17 1997-06-17 イソシアネートの製造方法

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