JP3985689B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワードゲート及びセレクトゲートにより制御される不揮発性メモリ素子を備えた不揮発性半導体記憶装置に関する。
【0002】
【背景技術】
不揮発性半導体記憶装置の一例として、チャネルとゲートとの間のゲート絶縁膜が、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の積層体からなり、窒化シリコン膜に電荷がトラップされるMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductorまたは-substrate)型が知られている。
【0003】
MONOS型不揮発性半導体記憶装置として、1つの選択ゲートと、1つの制御ゲートにより制御される不揮発性メモリ素子(MONOSメモリ素子)を備えたMONOSフラッシュメモリセルが開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−181319号公報
【特許文献2】
特開平11−74389号公報
【特許文献3】
米国特許5408115号明細書
【特許文献4】
米国特許5969383号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レイアウト面積の小さい不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、行方向及び列方向に複数のメモリセルが配設されて構成されたメモリセルアレイを有し、前記メモリセルアレイは、複数の素子分離領域を有し、前記複数のメモリセルの各々は、第1の不純物層と、第2の不純物層と、前記第1の不純物層及び前記第2の不純物層間のチャネル領域と、前記チャネル領域と対向して配置されたワードゲート及びセレクトゲートと、前記ワードゲートと前記チャネル領域との間に形成された不揮発性メモリ素子とを有し、複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと前記複数のワードゲートの少なくとも一つとを接続するワード線接続部が、前記複数の素子分離領域の少なくとも一つの前記素子分離領域上に配置されている。
【0007】
前記メモリセルアレイは、複数のメモリブロックを有することができる。前記複数のメモリブロックの各々は、複数のメモリセルで構成されることができる。前記複数のメモリセルの各々に保持されている情報を消去する動作は、前記複数のメモリブロックの各々を一つの単位として、前記メモリブロック毎に一括して行われることができる。
【0008】
前記列方向で隣り合う各2本の前記ワードゲートを、前記ワード線接続部が配置されている前記素子分離領域上で接続する複数の共通接続部をさらに有することができる。
【0009】
前記ワード線接続部は、前記複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと、前記複数の共通接続部一つと、を接続することができる。
【0010】
あるいは、前記メモリブロック内のすべての前記ワードゲート及び前記メモリブロック内のすべての前記ワードゲート用配線が共通接続されることができる。
【0011】
前記複数のワードゲート用配線は、前記行方向に沿って延びる第1の配線と、前記列方向に沿って延びる第2の配線とを、有することができる。前記ワード線接続部は、前記複数の共通接続部一つと前記第2の配線とを接続する第2ワード線接続部を含むことができる。
【0012】
前記メモリセルアレイは、少なくとも1つのソース用配線と、複数のソース線接続部と、を有することができる。前記複数のソース線接続部の各々は、前記少なくとも一つのソース用配線と、前記第1の不純物層とを接続することができる。
【0013】
あるいは、前記複数のソース線接続部の各々は、前記少なくとも一つのソース用配線と、前記第2の不純物層とを接続することができる。
【0014】
前記複数のソース用配線は、前記行方向に沿って延びる第3の配線と、前記列方向に沿って延びる第4の配線とを、有することができる。前記複数のソース線接続部の少なくとも一つは、前記第3の配線と、前記第4の配線とを接続する第2ソース線接続部を含むことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(全体構成とメモリブロック)
図1は、本実施形態の全体構成を表すブロック図である。メモリセルアレイ4000は、行方向X及び列方向Yに沿って配列された複数のメモリセル410(後に図示する)を備える。また、メモリセルアレイ4000は、複数のメモリブロック400を備える。各メモリブロック400は複数のメモリセル410(後に図示する)で構成される。電源回路100からは複数種の電圧が発生される。発生された複数種の電圧は、複数の電圧供給線により各メモリブロック400へ供給される。また、メモリセルアレイ4000は、メモリセルアレイ4000中のビット線60(後に図示する)を駆動するビット線駆動部(図示せず)を備える。
【0017】
図2は、メモリブロック400の一部を示した回路図である。メモリブロック400は、複数のワード線50、複数のビット線60、複数のセレクト線70、複数のソース線80及び複数のメモリセル410を備える。また、メモリブロック400は、ワード線駆動部300、セレクト線駆動部(図示せず)及びソース線駆動部800を備える。図2中で点線で丸く囲まれた部分は、メモリセル410の一つを示す。
【0018】
メモリセル410は、セレクトゲート411、ワードゲート412及びONO膜413を有する。メモリセル410の構造については、後に詳細を述べる。
【0019】
ワード線駆動部300は、複数の単位ワード線駆動部310から構成されている。複数のワード線50の各々は、メモリブロック400内の行方向Xに沿って配置された複数のメモリセル410のワードゲート412を共通接続する。
【0020】
セレクト線駆動部(図示せず)は、メモリブロック400内のすべてのセレクト線70を駆動する。複数のセレクト線70の各々は、メモリブロック400内の行方向Xに沿って配置された複数のメモリセル410のそれぞれのセレクトゲート411を共通接続する。
【0021】
ソース線駆動部800は、複数の単位ソース線駆動部810から構成されている。複数のソース線80の各々は、メモリブロック400内の行方向Xに沿って配置された複数のメモリセル410のそれぞれの第1の不純物層(以下、ワードライン側不純物層WLDという)を共通接続する。複数のビット線60の各々は列方向Yに、複数のメモリセル410のそれぞれの第2の不純物層(以下、セレクトゲート側不純物層SGDという)を共通接続する。
【0022】
図3は、メモリブロック400の一部について、各層の接続関係、位置関係が模式的に表された平面図である。符号900は素子分離領域(例えばSTI(Shallow-Trench-Isolation))を表し、符号CONTはコンタクトを表す。コンタクトCONTのうち、符号951は第1ワード線接続部を示し、符号980は第1ソース線接続部を示し、符号981は第2ソース線接続部を示す。また、符号ALAは第1配線層を表し、符号ALBは第2配線層を表し、符号ALCは第3配線層を表す。なお、各配線層ALA〜ALCのうち、第1配線層が基板に一番近い最下層の配線層である。
【0023】
列方向Yに沿って複数のビット線60が第2配線層ALBに配置されている。また、行方向Xに沿って複数のソース用配線(ソース線80)及び複数のセレクト線70が配置されている。各ソース線80は、第3配線層ALCに配置されている。各セレクト線70は、行方向Xで各セレクトゲート411を共通接続するように第1配線層ALAに配置されている。さらに列方向Yに沿って、複数の第4の配線(ソース用配線81)が素子分離領域900上の第2配線層ALBに配置されている。各ソース用配線81は各ソース線80と各ワードライン側不純物層WLD(後に図示する)をそれぞれ接続する。また、行方向Xに沿って複数配置されたワードゲート412の上層の第3配線層ALCに複数のワード用配線である第1の配線(以下ワード線50と言う)が配置されている。点線で丸く囲まれた部分は、隣り合う2つのワードゲート412を接続する共通接続部950を表す。
【0024】
図3によると、素子分離領域900上の共通接続部950にワードゲート412用のコンタクトCONT(第1ワード線接続部951)が配置されている。つまり、ワードゲート412用のコンタクトCONTは、素子分離領域900上に配置され、ワード用配線50とワードゲート412を接続している。符号A−A、符号B−B及び符号C−Cはそれぞれ、以下に図示する断面図の切り口位置を示す。以下の図においても、同符号のものは、同様の意味を表す。
【0025】
図4〜6は、A−A断面、B−B断面、C−C断面のそれぞれについて示された図である。
【0026】
図4を参照してA−A断面を説明する。図4の横方向は、列方向Yと同方向を表す。符号414は基板を表す。また、符号I1は第1絶縁層を表し、符号I2は第2絶縁層を表し、符号I3は第3絶縁層を表す。素子分離領域900上にセレクトゲート411及びワードゲート412が配置されている。セレクトゲート411と素子分離領域900との間には、絶縁体膜(例えばSiO2)が配置されている。また、ワードゲート412と素子分領域900との間に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。セレクトゲート411は導電体(例えばポリシリコン)で形成されている。
【0027】
第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。各セレクト線70は、それぞれのすぐ下層にて第1絶縁層I1により覆われているセレクトゲート411へ、コンタクトCONT(第1配線層ALAからセレクトゲート411へ接続する接続部)により接続されている。第3配線層ALCには、複数のワード線50及び複数のソース線80が形成されている。各ワード線50は、それぞれの下方にて第1絶縁層I1により覆われている共通接続部950(ワードゲート412)へワード線接続部(第1ワード線接続部951)により接続されている。また、基板414内には、素子分領域900が形成されているので、チャネル領域が形成されない。なお、以下の図において、同符号のものは、同様の意味を表す。
【0028】
次に図5を参照してB−B断面を説明する。基板414内には、複数のセレクトゲート側不純物層SGD及び複数のワードライン側不純物層WLDが形成されている。基板414内の各セレクトゲート側不純物層SGD及び各ワードライン側不純物層WLDの間には、チャネル領域が形成される。各セレクトゲート側不純物層SGDは、各セレクトゲート側不純物層SGDの列方向Yでの両端側に配置されている2つのメモリセル410に共用される。また、各ワードライン側不純物層WLDは、各ワードライン側不純物層WLDの列方向Yでの両端側に配置されている2つのメモリセル410に共用される。複数のセレクトゲート411及び複数のワードゲート412は、第1絶縁層I1により覆われている。また、ワードゲート412とチャネル領域との間にL字状(または逆L字状)に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。この窒化膜417と、その表裏側の絶縁体膜(例えばSiO2)とで、トラップ層としてのONO膜413を形成している。第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。第2配線層ALBには、一本のビット線60が形成されている。ビット線60は、導電体(例えばメタル)で形成することができる。このビット線60は、複数のコンタクトCONT(第2配線層ALBから基板414へ接続する接続部)により、基板414内の複数のセレクトゲート側不純物層SGDに接続されている。第3配線層ALCには、複数のワード線50及び複数のソース線80が形成されている。
【0029】
次に図6を参照してC−C断面を説明する。基板414内には、複数の素子分領域900及び複数のワードライン側不純物層WLDが形成されている。複数のセレクトゲート411及び複数のワードゲート412は、第1絶縁層I1により覆われている。また、ワードゲート412と素子分領域900との間にL字状(または逆L字状)に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。各セレクト線70は、それぞれのすぐ下層にて第1絶縁層I1により覆われているセレクトゲート411へ、コンタクト(第1配線層ALAからセレクトゲート411へ接続する接続部)により接続されている。第2配線層ALBには、各ソース線80をそれぞれ各ワードライン側不純物層WLDへ接続するための橋渡しをする第4の配線(ソース用配線81)が複数形成されている。ソース用配線81は例えば、金属で形成できる。第3配線層ALCには、複数のワード線50及び複数のソース線80が形成されている。各ソース線80はソース線接続部(第2ソース線接続部981)により第2配線層ALBに形成された各ソース用配線81に一旦接続される。さらに各ソース用配線81は、ソース線接続部(第1ソース線接続部980)により、各ワードライン側不純物層WLDへ接続される。なお、基板414内には、複数の素子分領域900が形成されているため、チャネル領域は形成されない。
【0030】
上述されたメモリセル410の構成は一例であり、例えば、メモリセル410の窒化膜417は、セレクトゲート411及びワードゲート412の間に延在形成させなくてもよい。また、ワードゲート412の表面には、シリサイド(図示せず)を形成することができる。シリサイド(図示せず)として、例えばCoシリサイドまたはTiシリサイドを使用することができる。これによりワードゲート412の負荷抵抗値を下げることができる。
【0031】
上記の構造とは別に、セレクトゲート側不純物層SGDとワードライン側不純物層WLDとは互いに入れ替えて構成することもできる。その場合の構成については、後に記載する。
【0032】
(動作説明)
本実施形態では、各メモリセル410へのアクセスは、メモリブロック400単位で行われる。つまり、メモリセル410を選択するためには、まず、メモリブロック400を選択し、その後メモリセル410を選択する。選択されたメモリセル410を選択メモリセルと呼ぶ。選択メモリセルを有するメモリブロック400を選択メモリブロック、それ以外のメモリブロック400を非選択メモリブロックと呼ぶ。
【0033】
複数のワード線50のうち、選択されたワード線50を選択ワード線、それ以外のワード線50を非選択ワード線と呼ぶ。複数のビット線60のうち、選択されたビット線60を選択ビット線、それ以外のビット線60を非選択ビット線と呼ぶ。複数のセレクト線70のうち、選択されたセレクト線70を選択セレクト線、それ以外のセレクト線70を非選択セレクト線と呼ぶ。複数のソース線80のうち、選択されたソース線80を選択ソース線、それ以外のソース線80を非選択ソース線と呼ぶ。
【0034】
また、非選択メモリブロック中のワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80は、すべての動作において、すべて非選択メモリブロック電圧(0V)に設定されている。以下に、図7を参照しながら、各動作(スタンバイ、リード、プログラム、イレーズ)を説明する。図7の点線で丸く囲まれた符号SMは、選択メモリセルを表す。また、符号USM及び符号A〜Dは非選択メモリセルを表す。
【0035】
(スタンバイ)
各ワード線50はすべてスタンバイ用ワード電圧(0V)に設定される。各ビット線60はすべてスタンバイ用ビット電圧(0V)に設定される。各セレクト線70はすべてスタンバイ用セレクト電圧(0V)に設定される。また、各ソース線80はすべてスタンバイ用ソース電圧(0V)に設定される。
【0036】
スタンバイ時は、メモリセルアレイ4000内(選択メモリブロック内及び非選択メモリブロック内)のすべてのメモリセル410は、上述のような電圧印加状態にある。
【0037】
(リード)
図7の選択メモリセルSMに接続されたワード線50(選択ワード線)はリード用選択ワード電圧(電源電圧Vcc)にチャージアップされる。選択メモリブロック内の非選択ワード線はすべてリード用非選択ワード電圧(0V)に設定される。選択メモリセルSMに接続されたセレクト線70(選択セレクト線)はリード用選択セレクト電圧(電源電圧Vcc)にチャージアップされる。選択メモリブロック内の非選択セレクト線はすべてリード用非選択セレクト電圧(0V)に設定される。選択メモリセルSMに接続されたソース線80(選択ソース線)はリード用選択ソース電圧(電源電圧Vcc)にチャージアップされる。選択メモリブロック内の非選択ソース線はすべてリード用非選択ソース電圧(0V)に設定される。また、選択メモリセルに接続されているビット線50(選択ビット線(選択メモリセルSMに接続されているビット線50を含む))はすべてリード用選択ビット電圧(Vcc−Vth)に設定される。その他のビット線60つまり選択メモリブロック中の非選択ビット線はすべてリード用非選択ビット電圧(0V)に設定される。
【0038】
前述のような電圧印加状態になると、選択メモリセルのワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDの間のチャネル領域にチャネルが形成される。そして、選択メモリセルSMのワードゲート412はリード用選択ワード電圧(Vcc)にチャージアップされているので、チャネル領域に飛び出した電子はホットエレクトロンとなる。さらに、選択メモリセルSMのセレクトゲート411はリード用選択セレクト電圧(Vcc)にチャージアップされているので、ホットエレクトロンはセレクトゲート411側に引き寄せられる。このようにして、選択メモリセルSMの両側にあるワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDの間のチャネル領域に電流(IDS)が流れる。
【0039】
メモリセル410のワードゲート412、ONO膜413、チャネル領域の3つの領域構造を、MOSトランジスタとみなすことができる。このとき、ONO膜413に電荷がトラップされている状態では、電荷がトラップされていない状態より閾値が高くなる。図8が前述の電荷の有無と、ワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDとの間に流れる電流についての相関関係を表した図である。
【0040】
図8によると、ワードゲート412に電圧Vreadを印加した時において、ONO膜に電荷がトラップされていない場合では電流IDSは約20μA流れるが、電荷がトラップされている場合では電流IDSはあまり流れない。つまり、ONO膜に電荷がトラップされていると、トランジスタの閾値が高くなるので、ワードゲート412への印加電圧が、電圧Vreadでは、電流IDSがあまり流れないのである。
【0041】
この電流の大小を各ビット線60に配置されているセンスアンプ(図示せず)で読みとることで、選択メモリセルに保持されているデータを読みとることができる。
【0042】
以上が選択メモリセルに対してのデータ読み込み(リード)の原理である。なお、上述のリード動作は、フォワードリードである。つまり、ワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDとにおいて、プログラム時と同様にワードライン側不純物層WLDに高電圧を印加している。読み出し方法としてリバースリードを用いることも可能である。
【0043】
以下の表1に、リード時の電圧印加状態(フォワードリード及びリバースリードについて)を示した。表1の非選択メモリセルは図7の非選択メモリセルUSMを示し、表1の選択メモリセルは図7の選択メモリセルSMを示す。表1のセル内の数値または、Vccは電圧値を表している。符号WLはワード線50を示し、符号SGはセレクト線70を示す。また、符号SLはソース線80を示し、符号BLはビット線60を示す。なお、以下において、表1の符号と同符号のものは、表1の同符号のものと同じものを示す。
【0044】
【表1】
表1の非選択ブロックは、スタンバイ時の状態と全く同じである。プログラム時と、イレーズ時も同様に、非選択ブロックは、スタンバイ時の状態と同じ状態である。
【0045】
なお、非選択メモリセルは、非選択メモリセルUSMを含めて、電圧印加状態に応じて5種類に分類できる。残りの4種類が、非選択メモリセルA〜Dである。図7の非選択メモリセルAには、選択ワード線、選択ビット線、非選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている。図7の非選択メモリセルBには、非選択ワード線、選択ビット線、非選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている。図7の非選択メモリセルCには、選択ワード線、非選択ビット線、選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている。図7の非選択メモリセルDには、選択ワード線、非選択ビット線、非選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている。表2に非選択メモリセルA〜Dについての電圧印加状態を示した。
【0046】
【表2】
上述の原理から、選択メモリセルには、選択ワード線、選択ビット線、選択セレクト線及び選択ソース線が接続される必要がある。メモリセル410に一つでも非選択系の線(非選択ワード線、非選択ビット線、非選択セレクト線、非選択ソース線)が接続されている場合は、そのメモリセル410は非選択メモリセルである。
【0047】
(プログラム)
選択メモリセルSMに接続されているワード線50(選択ワード線)はプログラム用選択ワード電圧(5.5V)にチャージアップされる。選択メモリブロック内の非選択ワード線はすべてプログラム用非選択ワード電圧(0V)に設定されている。選択メモリセルSMに接続されたセレクト線70(選択セレクト線)はプログラム用選択セレクト電圧(1V)にチャージアップされ、非選択セレクト線はすべてプログラム用非選択セレクト電圧(0V)に設定される。選択メモリセルSMに接続されたソース線80(選択ソース線)はプログラム用選択ソース電圧(5V)にチャージアップされ、非選択ソース線はすべてプログラム用非選択ソース電圧(0V)に設定されている。また、選択メモリセルSMに接続されたビット線60(選択ビット線)はすべてプログラム用選択ビット電圧(0V)に設定され、選択メモリブロック中の非選択ビット線はすべてプログラム用非選択ビット電圧(Vcc)に設定される。
【0048】
上述のような電圧印加状態になると、選択メモリセルのワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDの間のチャネル領域にチャネルが形成される。そして、選択メモリセルSMのセレクトゲート411はプログラム用選択セレクト電圧(1V)にチャージアップされているので、チャネル領域に飛び出した電子はホットエレクトロンとなる。さらに選択メモリセルのワードゲート412はプログラム用選択ワード電圧(5.5V)にチャージアップされているので、ホットエレクトロンはワードゲート412側に引き寄せられる。このとき、引き寄せられたホットエレクトロンは、ONO膜413によりトラップされる。なお、前述のような電圧印加状態は、選択メモリセルSMに“0”データを書き込む場合の状態である。選択メモリセルSMに“1”データを書き込む場合は、選択ビット線に“1”プログラム用選択ビット電圧(Vcc)を印加する。以上が選択メモリセルに対してのデータ書き込み(プログラム)の原理である。
【0049】
表3にプログラム時の電圧印加状態を示した。
【0050】
【表3】
表3の非選択メモリセルは、図7の非選択メモリセルUSMを示す。また、表3の選択メモリセルは、図7の選択メモリセルSMを示す。
【0051】
リード動作と同様に、プログラム時にも非選択メモリセルには、5種類の電圧印加状態(非選択メモリセルUSM及び非選択メモリセルA〜D)がある(図7参照)。この5つのうち、非選択メモリセルA〜Dの電圧印加状態について表4に示した。
【0052】
【表4】
(イレーズ)
イレーズは、選択メモリブロック内すべてのメモリセル410に対して行われる。つまり、選択メモリブロック内のすべてのメモリセル410が選択メモリセルとなる。選択メモリブロック内のすべてのワード線50は消去用ワード(−3V)にチャージアップされている。選択メモリブロック内のすべてのセレクト線70は消去用セレクト電圧(0V)に設定されている。また、選択メモリブロック内のすべてのソース線80は消去用ソース電圧(5V)にチャージアップされている。さらに、選択メモリブロック内のすべてのビット線60は消去用ビット電圧(0V)に設定される。また、選択メモリブロックの基板414には消去用基板電圧(0V)が印加される。
【0053】
前述のような電圧印加状態になると、ワードライン側不純物層WLDとセレクトゲート側不純物層SGDの間のチャネル領域にチャネルが形成される。ところが、選択ブロック内のメモリセル410の各ワードゲート412は消去用ワード電圧(−3V)にチャージアップされているので、各ワードゲート412とセレクトゲート側不純物層SGDの間に電界が生じる。その結果で生じたホットホールにより、ONO膜413にトラップされていた電荷(電子)を消去できるのである。
【0054】
表5にイレーズ時の電圧印加状態を示した。
【0055】
【表5】
イレーズ動作時の非選択メモリブロックについては、スタンバイ時と同様の電圧印加状態にある。
【0056】
(効果)
図3のレイアウトでは、素子分離領域900上にワードゲート412用のコンタクト及びワードライン側不純物層WLD用のコンタクトが設置されている。このため、コンタクト配置専用の領域を別途用意する必要がないので、レイアウト面積の縮小効果がある。
【0057】
(第1実施形態の変形例の構成)
図9は、第1実施形態の変形例のメモリブロック400の一部を示した回路図である。第1実施形態との相違は、各メモリセル410と各ビット線60及び各ソース線80との接続関係である。本実施形態では、複数のソース線80の各々は、メモリブロック400内の行方向Xに沿って配置された複数のメモリセル410のそれぞれのセレクトゲート側不純物層SGDを共通接続する。また、複数のビット線60の各々は列方向Yに、複数のメモリセル410のそれぞれのワードライン側不純物層WLDを共通接続する。メモリブロック400において、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0058】
図10は、メモリブロック400の一部について、各層の接続関係、位置関係が模式的に表された平面図である。図10によると、各ソース線80は複数のコンタクトCONT(第1ソース線接続部980)によって、基板414上のセレクトゲート側不純物層SGDに接続されている。また、各ビット線60は、複数のコンタクトCONT(第2配線層から基板414へ接続する接続部)によって、基板414上のワードライン側不純物層WLDに接続されている。なお、図10中の符号A−A、符号B−B及び符号C−Cはそれぞれ、後に示す断面図の切り口位置を表す。
【0059】
図11、12は、図10のB−B断面、C−C断面のそれぞれについて示された図である。図10のA−A断面については、第1実施形態の図4と同様の構成であるので、図示しない(図4参照)。
【0060】
次に図11を参照してB−B断面を説明する。第1実施形態の図5との相違は、第2配線層ALBのビット線60と基板414との接続構成である。本実施形態では、ビット線60(第2配線層ALB)は図11のように各ワードライン側不純物層WLDにそれぞれ接続される。その他の構成は、第1実施形態の図4と同様である。
【0061】
次に図12を参照してC−C断面を説明する。第1実施形態の図6との相違は、基板414内のセレクトゲート側不純物層SGDまたはワードライン側不純物層WLDの形成の有無と、第3配線層ALCの各ソース線80と基板414との接続構成である。図12によると、本実施形態では、基板414内にセレクトゲート側不純物層SGDが複数形成され、ワードライン側不純物層WLDは形成されない。また、基板414内に複数形成されたセレクトゲート側不純物層SGDの各々に、第3配線層の各ソース線80がソース線接続部(第1ソース線接続部980)によって接続されている。
【0062】
本実施形態のONO膜413は、第1実施形態と同様に、メモリセル410の窒化膜417をセレクトゲート411及びワードゲート412の間に延在形成させなくてもよい。また、ワードゲート412の表面には、シリサイド(図示せず)を形成することができる。シリサイド(図示せず)として、例えばCoシリサイドまたはTiシリサイドを使用することができる。これによりワードゲート412の負荷抵抗値を下げることができる。
【0063】
(第1実施形態の変形例の動作)
基本的な動作原理は、第1実施形態と同様である。第1実施形態と本実施形態との動作の相違は、各ビット線60及び各ソース線80への印加電圧である。表6に、本実施形態における各線(ワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80)への印加電圧(オペレーション方法)を示した。
【0064】
なお、すべての動作時において非選択メモリブロックは、各線(ワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80)のすべてに、電圧0Vを印加するので、表6に記載するのを省略した。表6には、各動作毎に各線(ワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80)のそれぞれの印加電圧が非選択時及び選択時に応じて示されている。たとえば、表6によると、リード動作時(フォワードリード)での各ワード線50のうち、選択ワード線には電圧Vccが印加される。表6に従って本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は動作する。
【0065】
【表6】
なお、第1実施形態と同様に本実施形態においてもフォワードリード、リバースリードが可能である。
【0066】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態について図を参照しながら説明する。
【0067】
(第2実施形態の構成)
図13は、本実施形態のメモリブロック400一部を表す回路図である。第1実施形態との違いは、各ワード線50及び各ソース線80がそれぞれ共通接続されている点である。図13によると、各メモリブロック400内のすべてのワード線50は、各メモリブロック400内で共通接続されている。また、各メモリブロック内のソース線80は、各メモリブロック400内で共通接続されている。
【0068】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0069】
図14は、メモリブロック400の一部について、各層の接続関係、位置関係が模式的に表された平面図である。行方向Xに沿って複数配置されたワードゲート412の上層の第3配線層ALCに複数のワード用配線である第1の配線(以下ワード線50と言う)が配置されている。点線で丸く囲まれた部分は、隣り合う2つのワードゲート412を接続する共通接続部950を表す。
【0070】
図14によると、素子分離領域900上の共通接続部950にワードゲート412用のコンタクトCONT(第1ワード線接続部951または、第2ワード線接続部952)が配置されている。また、列方向Yに沿って複数のワード用配線である第2の配線(ワード線接続線51)が第2配線層ALBに配置されている。ワード線接続線51はメモリブロック内の複数のワード線50を共通接続する。つまり、ワードゲート412用のコンタクトCONTは、素子分離領域900上で複数のワード線50と複数のワードゲート412を共通接続している。
【0071】
また、行方向Xに沿って複数のソース用配線(ソース線80)が配置されている(図14では、1本のソース線80を図示してある)。各ソース線80は、第3配線層ALCに配置されている。さらに列方向Yに沿って、第4の配線(ソース用配線81)が素子分離領域900上の第2配線層ALBに配置されている。ソース用配線81は複数のソース線80と複数のワードライン側不純物層WLD(後に図示する)を共通接続する。符号A−A、符号B−B及び符号C−Cはそれぞれ、以下に図示する断面図の切り口位置を示す。以下の図においても、同符号のものは、同様の意味を表す。
【0072】
図15〜17は、A−A断面、B−B断面、C−C断面のそれぞれについて示された図である。
【0073】
図15を参照してA−A断面を説明する。図15の横方向は、列方向Yとおなじである。素子分離領域900上にセレクトゲート411及びワードゲート412が配置されている。セレクトゲート411と素子分離領域900との間には、絶縁体膜(例えばSi O2)が介されている。前記絶縁体膜は、窒化酸化膜でも形成することができる。また、ワードゲート412と素子分領域900との間に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。セレクトゲート411は導電体(例えばポリシリコン)で形成されている。
【0074】
第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。各セレクト線70は、それぞれのすぐ下層にて第1絶縁層I1により覆われているセレクトゲート411へ、コンタクトCONT(第1配線層ALAから基板414へ接続する接続部)により接続されている。第3配線層ALCには、ワード線50及びソース線80が形成されている。各ワード線50は、コンタクトCONT(第1ワード線接続部951)によって、各共通接続部950へ接続されるが、この構成を以下に説明する。各ワード線50は、コンタクトCONT(第3配線層ALCから第2配線層ALBに接続する接続部)により下層(第2配線層ALB)に配設されているワード線接続線51に接続されている。ワード線接続線51は導電体(例えばメタル)で形成できる。ワード線接続線51は、下方にて第1絶縁層I1により覆われている各共通接続部950(ワードゲート412)へ、コンタクトCONT(第2ワード線接続部952)により接続されている。この構成により、第3配線層ALCに形成されている各ワード線50は、メモリブロック400内のワードゲート412を共通接続することができる。また、基板414内には、素子分領域900が形成されているので、チャネル領域が形成されない。
【0075】
次に図16を参照してB−B断面を説明する。ビット線60は、導電体(例えばメタル)で形成することができる。基板414内には、複数のセレクトゲート側不純物層SGD及び複数のワードライン側不純物層WLDが形成されている。基板414内の各セレクトゲート側不純物層SGD及び各ワードライン側不純物層WLDの間には、チャネル領域が形成される。各セレクトゲート側不純物層SGDは、各セレクトゲート側不純物層SGDの列方向Yでの両端側に配置されている2つのメモリセル410に共用される。また、各ワードライン側不純物層WLDは、各ワードライン側不純物層WLDの列方向Yでの両端側に配置されている2つのメモリセル410に共用される。複数のセレクトゲート411及び複数のワードゲート412は、第1絶縁層I1により覆われている。また、ワードゲート412とチャネル領域との間にL字状(または逆L字状)に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。第2配線層ALBには、一本のビット線60が形成されている。このビット線60は、コンタクトCONT(第2配線層ALBから基板414へ接続する接続部)により、基板414内の複数のセレクトゲート側不純物層SGDのそれぞれに接続されている。第3配線層ALCには、複数のワード線50及び複数のソース線80が形成されている。
【0076】
次に図17を参照してC−C断面を説明する。基板414内には、複数の素子分領域900及び複数のワードライン側不純物層WLDが形成されている。複数のセレクトゲート411及び複数のワードゲート412は、第1絶縁層I1により覆われている。また、ワードゲート412と素子分領域900との間にL字状(または逆L字状)に窒化膜417(例えばSiN)が形成されている。第1配線層ALAには、複数のセレクト線70が形成されている。各セレクト線70は、それぞれのすぐ下層にて第1絶縁層I1により覆われているセレクトゲート411へ、コンタクトCONT(第1配線層ALAからセレクトゲート411へ接続する接続部)により接続されている。第2配線層ALBには、ソース線80(第3配線層ALC)をそれぞれ各ワードライン側不純物層WLDへ共通接続するための橋渡しをする第4の配線(ソース配線81)が形成されている。ソース用配線81は例えば、金属で形成することができる。第3配線層ALCには、ワード線50及びソース線80が形成されている。ソース線80はソース線接続部(第2ソース線接続部981)により第2配線層ALBに形成された各ソース配線81に一旦接続される。さらに各ソース配線81は、ソース線接続部(第1ソース線接続部980)により、各ワードライン側不純物層WLDへ接続される。なお、基板414内には、複数の素子分領域900が形成されているため、チャネル領域は形成されない。
【0077】
上述されたメモリセル410の構成は一例であり、例えば、メモリセル410の窒化膜417は、セレクトゲート411及びワードゲート412の間に延在形成させなくてもよい。また、ワードゲート412の表面には、シリサイド(図示せず)を形成することができる。シリサイド(図示せず)として、例えばCoシリサイドまたはTiシリサイドを使用することができる。これによりワードゲート412の負荷抵抗値を下げることができる。
【0078】
(第2実施形態の動作)
基本的な動作原理は、第1実施形態と同様である。第1実施形態と本実施形態との動作の相違は、メモリブロック400内の各ワード線50及び各ソース線80への印加電圧である。本実施形態では、メモリブロック400内の各ワード線50が1本のワード線50に共通接続されている。また、メモリブロック400内の各ソース線80も、1本のソース線80に共通接続されている。これにより、本実施形態のすべての動作において、選択メモリブロック内の各ワード線50はすべて選択ワード線となり、選択メモリブロック内の各ソース線80はすべて選択ソース線となる。本実施形態における各線(ワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80)への印加電圧(オペレーション方法)を表7に示した。
【0079】
なお、表7は表6の表記方式にしたがって記載されている。表7に従って本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は動作する。
【0080】
【表7】
なお、非選択メモリセルは、電圧印加状態に応じて3種類(非選択メモリセルE〜G)に分類できる。非選択メモリセルEは、選択ワード線、選択ビット線、非選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている非選択メモリセルである。非選択メモリセルFは、選択ワード線、非選択ビット線、選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている非選択メモリセルである。非選択メモリセルGは、選択ワード線、非選択ビット線、非選択セレクト線及び選択ソース線が接続されている非選択メモリセルである。また、本実施形態においてもフォワードリード、リバースリードが可能である。
【0081】
表8にリード、プログラムの各動作についての非選択メモリセルE〜Gの電圧印加状態を示した。なお、イレーズ動作は選択ブロック内のメモリはすべて選択メモリになるので、表8にはイレーズ動作は記載されていない。
【0082】
【表8】
次に本実施形態のような電圧印加を行っても、非選択メモリセルE〜Gが誤動作を起こさない理由を説明する。各メモリセル410のONO膜413内の情報に対してリード、プログラムを行うためには、各メモリセル410のチャネル領域にチャネルが形成され、さらにチャネル領域に電流が流れる必要がある。しかし、表8の非選択メモリセルF、Gについては、各ソース線80及び各ビット線60の間には所定の電位差がないためチャネルが形成されない。つまり、非選択メモリセルF、Gは、各ワード線50及び各セレクト線70の電圧印加状態に関わらない。また、表8の非選択メモリセルE、Gについては、各セレクト線70が0Vなので、チャネルが形成されても、チャネル領域に電流が流れない。上記の理由から、本実施形態においても、正常な動作が可能である。
【0083】
(第2実施形態の効果)
本実施形態では、メモリブロック400毎に、各ワード線50が共通接続され、さらに、各ソース線80も共通接続されている(図13参照)。これにより、各メモリブロック400内には、単位ワード線駆動部310および単位ソース線駆動部810がそれぞれ一つ設ければよい。その場合のレイアウト方式が図14に示されている。図14のようなレイアウトは、素子分離領域900上に各ワード線50及び各ソース線80の共通接続するためのコンタクトが設置されているので、レイアウト面積の縮小効果がある。さらに、単位ワード線駆動部310及び単位ソース線駆動部810をそれぞれ1つずつ配置すれば良いので、メモリブロック400の配線ピッチを狭めることができる。これも、レイアウト面積縮小効果を奏する。
【0084】
(第2実施形態の変形例の構成)
図18は、第2実施形態の変形例のメモリブロック400の一部を示した回路図である。第2実施形態との相違は、各メモリセル410と各ビット線60及び各ソース線80との接続関係である。本実施形態では、複数のソース線80の各々は、メモリブロック400内の行方向Xに沿って配置された複数のメモリセル410のそれぞれのセレクトゲート側不純物層SGDを共通接続する。また、複数のビット線60の各々は列方向Yに、複数のメモリセル410のそれぞれのワードライン側不純物層WLDを共通接続する。メモリブロック400において、その他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0085】
図19は、メモリブロック400の一部について、各層の接続関係、位置関係が模式的に表された平面図である。図19によると、各ソース線80(第3配線層ALC)は複数のソース線接続部(第2ソース線接続部981)によって、第2配線層ALBに列方向Yに沿って配置されている第4の配線(ソース用配線81)へ接続される。ソース用配線81は複数のソース線接続部(第1ソース線接続部980)によって、基板414上の各セレクトゲート側不純物層SGDに接続されている。また、各ビット線60(第2配線層)は、複数のコンタクトCONT(第2配線層ALBから基板414へ接続する接続部)によって、基板414上の各ワードライン側不純物層WLDに接続されている。その他の構成は第2実施形態と同様である。なお、図19中の符号A−A、符号B−B及び符号C−Cはそれぞれ、後に示す断面図の切り口位置を表す。
【0086】
図20、21は、図19のB−B断面、C−C断面のそれぞれについて示された図である。図19のA−A断面については、第2実施形態の図15と同様の構成であるので、図示しない(図15参照)。
【0087】
次に図20を参照してB−B断面を説明する。第1実施形態の図16との相違は、第2配線層ALBのビット線60と基板414との接続構成である。本実施形態では、ビット線60(第2配線層ALB)は図20のように複数のコンタクトCONT(第2配線層ALBから基板414へ接続する接続部)によって、各ワードライン側不純物層WLDにそれぞれ接続される。その他の構成は、第1実施形態の図4と同様である。
【0088】
次に図21を参照してC−C断面を説明する。第2実施形態の図17との相違は、基板414内のセレクトゲート側不純物層SGDまたはワードライン側不純物層WLDの形成の有無と、第3配線層ALCの各ソース線80と基板414との接続構成である。図21によると、本実施形態では、基板414内にセレクトゲート側不純物層SGDが複数形成され、ワードライン側不純物層WLDは形成されない。また、基板414内に複数形成されたセレクトゲート側不純物層SGDの各々に、第3配線層ALCのソース線80が接続されている。このとき、ソース線80(第3配線層ALC)はソース線接続部(第2ソース線接続部981)によって、ソース用配線81に一旦接続される。ソース用配線81は、列方向Yに沿って第2配線層ALBに配置されている。ソース用配線81は、ソース線接続部(第1ソース線接続部980)により、基板414上に形成されている複数のセレクトゲート側不純物層SGDの各々に接続される。ソース用配線81は導電体(例えばメタル)で形成できる。
【0089】
本実施形態のONO膜413は、第2実施形態と同様に、メモリセル410の窒化膜417をセレクトゲート411及びワードゲート412の間に延在形成させなくてもよい。また、ワードゲート412の表面には、シリサイド(図示せず)を形成することができる。シリサイド(図示せず)として、例えばCoシリサイドまたはTiシリサイドを使用することができる。これによりワードゲート412の負荷抵抗値を下げることができる。
【0090】
(第2実施形態の変形例の動作)
基本的な動作原理は、第2実施形態と同様である。第2実施形態と本実施形態との動作の相違は、各ビット線60及び各ソース線80への印加電圧である。表6に、本実施形態における各線(ワード線50、ビット線60、セレクト線70及びソース線80)への印加電圧(オペレーション方法)を示した。
【0091】
なお、すべての動作時において非選択メモリブロックは、代2実施形態と同様の理由から、表9に記載するのを省略した。表9に従って本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は動作する。
【0092】
【表9】
なお、第2実施形態と同様に本実施形態においてもフォワードリード、リバースリードが可能である。
【0093】
以上のようにして、本発明はレイアウト面積の小さい不揮発性半導体記憶装置を提供できる。
【0094】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る全体図である。
【図2】 本発明の第1実施形態にかかるメモリブロックの構成図である。
【図3】 第1実施形態に係るメモリブロックの平面構造図である。
【図4】 第1実施形態に係るメモリブロックの断面構造図である。
【図5】 第1実施形態に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【図6】 第1実施形態に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【図7】 第1実施形態に係るメモリブロックの他の構成図である。
【図8】 ONO膜内の電荷の有無と流れる電流の関係を表す図である。
【図9】 第1実施形態の変形例にかかるメモリブロックの構成図である。
【図10】 第1実施形態の変形例に係るメモリブロックの平面構造図である。
【図11】 第1実施形態の変形例に係るメモリブロックの断面構造図である。
【図12】 第1実施形態の変形例に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【図13】 第2実施形態にかかるメモリブロックの構成図である。
【図14】 第2実施形態に係るメモリブロックの平面構造図である。
【図15】 第2実施形態に係るメモリブロックの断面構造図である。
【図16】 第2実施形態に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【図17】 第2実施形態に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【図18】 第2実施形態にかかるメモリブロックの構成図である。
【図19】 第2実施形態に係るメモリブロックの平面構造図である。
【図20】 第2実施形態に係るメモリブロックの断面構造図である。
【図21】 第2実施形態に係るメモリブロックの他の断面構造図である。
【符号の説明】
50 第1の配線(ワード線)、 51 第2の配線(ワード線接続線)、60 ビット線、 80 第3の配線(ソース線)、 81 第4の配線(ソース用配線)、 400 メモリブロック、 410 メモリセル、 411セレクトゲート、 412 ワードゲート、 413 不揮発性メモリ素子(ONO膜)、 414 基板、417 窒化膜、 900 素子分離領域、 950 共通接続部、 951 ワード線接続部、 952 第2ワード線接続部、 980 第1ソース線接続部、 981 第2ソース線接続部
Claims (5)
- 行方向及び列方向に複数のメモリセルが配設されて構成されたメモリセルアレイを有し、
前記メモリセルアレイは、複数の素子分離領域を有し、
前記複数のメモリセルの各々は、第1の不純物層と、第2の不純物層と、前記第1の不純物層及び前記第2の不純物層間のチャネル領域と、前記チャネル領域と対向して配置されたワードゲート及びセレクトゲートと、前記ワードゲートと前記チャネル領域との間に形成された不揮発性メモリ素子とを有し、
複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと前記複数のワードゲートの少なくとも一つとを接続するワード線接続部が、前記複数の素子分離領域の少なくとも一つの前記素子分離領域上に配置され、
前記列方向で隣り合う各2本の前記ワードゲートを、前記ワード線接続部が配置されている前記素子分離領域上で接続する複数の共通接続部をさらに有し、
前記ワード線接続部は、前記複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと、前記複数の共通接続部の一つと、を接続し、
前記複数のワードゲート用配線は、前記行方向に沿って延びる第1の配線と、前記列方向に沿って延びる第2の配線とを、有し、
前記ワード線接続部は、前記複数の共通接続部一つと前記第2の配線とを接続する第2ワード線接続部を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 請求項1において、
前記メモリセルアレイは、複数のメモリブロックを有し、
前記複数のメモリブロックの各々は、複数のメモリセルで構成され、
前記複数のメモリセルの各々に保持されている情報を消去する動作は、前記複数のメモリブロックの各々を一つの単位として、前記メモリブロック毎に一括して行われることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 請求項2において、
前記メモリブロック内のすべての前記ワードゲート及び前記メモリブロック内のすべての前記ワードゲート用配線が共通接続されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 行方向及び列方向に複数のメモリセルが配設されて構成されたメモリセルアレイを有し、
前記メモリセルアレイは、複数の素子分離領域を有し、
前記複数のメモリセルの各々は、第1の不純物層と、第2の不純物層と、前記第1の不純物層及び前記第2の不純物層間のチャネル領域と、前記チャネル領域と対向して配置されたワードゲート及びセレクトゲートと、前記ワードゲートと前記チャネル領域との間に形成された不揮発性メモリ素子とを有し、
複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと前記複数のワードゲートの少なくとも一つとを接続するワード線接続部が、前記複数の素子分離領域の少なくとも一つの前記素子分離領域上に配置され、
前記列方向で隣り合う各2本の前記ワードゲートを、前記ワード線接続部が配置されている前記素子分離領域上で接続する複数の共通接続部をさらに有し、
前記ワード線接続部は、前記複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと、前記複数の共通接続部の一つと、を接続し、
前記メモリセルアレイは、少なくとも一つのソース用配線と、複数のソース線接続部と、を有し、
前記複数のソース線接続部の各々は、前記少なくとも一つのソース用配線と、前記第1の不純物層とを接続し、
前記少なくとも一つのソース用配線は、前記行方向に沿って延びる第1の配線と、前記列方向に沿って延びる第2の配線とを、含み、
前記複数のソース線接続部の少なくとも一つは、前記第1の配線と、前記第2の配線とを接続する第2ソース線接続部を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 行方向及び列方向に複数のメモリセルが配設されて構成されたメモリセルアレイを有し、
前記メモリセルアレイは、複数の素子分離領域を有し、
前記複数のメモリセルの各々は、第1の不純物層と、第2の不純物層と、前記第1の不純物層及び前記第2の不純物層間のチャネル領域と、前記チャネル領域と対向して配置されたワードゲート及びセレクトゲートと、前記ワードゲートと前記チャネル領域との間に形成された不揮発性メモリ素子とを有し、
複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと前記複数のワードゲートの少なくとも一つとを接続するワード線接続部が、前記複数の素子分離領域の少なくとも一つの前記素子分離領域上に配置され、
前記列方向で隣り合う各2本の前記ワードゲートを、前記ワード線接続部が配置されている前記素子分離領域上で接続する複数の共通接続部をさらに有し、
前記ワード線接続部は、前記複数のワードゲート用配線の少なくとも一つと、前記複数の共通接続部の一つと、を接続し、
前記メモリセルアレイは、少なくとも一つのソース用配線と、複数のソース線接続部と、を有し、
前記複数のソース線接続部の各々は、前記少なくとも一つのソース用配線と、前記第2の不純物層とを接続し、
前記少なくとも一つのソース用配線は、前記行方向に沿って延びる第1の配線と、前記列方向に沿って延びる第2の配線とを、含み、
前記複数のソース線接続部の少なくとも一つは、前記第1の配線と、前記第2の配線とを接続する第2ソース線接続部を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
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