JP2011244503A - 積層帯域通過フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接地電極形成層(101)の接地電極(109)とキャパシタ電極形成層(102)のキャパシタ電極(111〜115)との間にそれぞれ容量を形成し、ビア電極(131〜140)および線路電極(116〜120,416,418,420)によって複数のインダクタ電極を構成するとともに、それらのループ面をインダクタ電極の配列方向に見たときにループの面同士が一部で重なるようにする。
【選択図】図28
Description
このような積層帯域通過フィルタとして特許文献1〜4が開示されている。
図1の(A)はその回路図、(B)はその断面図である。このフィルタは複数のLC並列共振回路を誘導結合(磁気的結合)させたものであり、コイルL1,L2,L3・・・LnおよびコンデンサC1,C2,C3・・・Cnで複数の並列共振器を構成し、それぞれ隣接する共振器間のコイル同士を磁気的に結合させている。
複数の誘電体層と複数の電極層との積層体である積層帯域通過フィルタにおいて、
前記電極層のいずれかに形成した接地電極と、前記電極層のいずれかに形成したキャパシタ電極と、前記電極層のいずれかに形成した線路電極および前記誘電体層に形成したビア電極からなるインダクタ電極と、を備え、
前記インダクタ電極は、前記誘電体層の積層方向に通るビア電極と少なくとも前記誘電体層の積層方向に対して垂直方向に延びる線路電極とでそれぞれコイル状をなし、当該インダクタ電極およびキャパシタ電極は、前記誘電体層および前記電極層が積層される積層方向に対して垂直方向に配列されていて、
前記インダクタ電極の一端は前記キャパシタ電極と接続され、当該インダクタ電極の他端は前記接地電極と接続され、前記インダクタ電極で構成されるインダクタと前記キャパシタ電極と前記接地電極が対向して構成される容量とでLC並列共振器が構成され、
前記LC並列共振器は前記積層体内で3つ以上形成されるとともに、隣接するLC並列共振器同士で結合し、
前記複数のLC並列共振器のうち少なくとも1つのLC並列共振器は互いに並列に接続される複数の線路電極とを有し、
前記複数のLC並列共振器のうち入力側のLC並列共振器が接続される入力電極と、出力側のLC並列共振器が接続される出力電極とを備え、
前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極は、当該インダクタ電極の一方の端部と前記キャパシタ電極との接続点を始点とし、当該インダクタ電極の他方の端部と前記接地電極との接続点を終点とするループをそれぞれ形成し、
前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極によるループの面を前記インダクタ電極の配列方向に見たとき、互いに結合する複数の前記LC並列共振器のインダクタ電極によって囲まれる領域が少なくとも一部が重なっていることを特徴とする。
前記複数のLC並列共振器のうち、前記線路電極の配列方向に隣接する2つのLC並列共振器の一方のLC並列共振器と、他方のLC並列共振器を構成する線路電極の数が異なるように構成する。
前記入力側LC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向と、前記入力側LC並列共振器のインダクタ電極に隣接するLC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向とが逆であり、且つ前記出力側LC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向と、前記出力側LC並列共振器のインダクタ電極に隣接するLC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向とが逆であるものとする。
前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極に対して絶縁状態で横断する横断電極を設ける。
また、前記横断電極は必要に応じて接地する。
積層した誘電体層の側面に側面電極(通常は接地電位の電極)を備え、
前記LC並列共振器の接地側となる接地電極は少なくとも1本の接続電極を経由して前記側面電極に導通する。
前記接地電極は、前記複数のLC並列共振器のうち所定のLC並列共振器同士の接地間で電気的(高周波的)に分離された複数の接地電極で構成する。
前記入力電極と前記出力電極とを構成する入出力電極形成層を、前記キャパシタ電極または前記線路電極の少なくとも一方の電極を含む電極層とは別に設けるとともに、前記入力電極および前記出力電極がそれぞれ導通する入力端子および出力端子を前記積層体の側面に設ける。
前記入出力電極形成層は、前記線路電極を形成した電極層と前記キャパシタ電極を形成した電極層との間に配置する。
前記複数のLC並列共振器のキャパシタ電極は当該複数のキャパシタ電極の配置範囲に広がる共通の接地電極との間にそれぞれ容量を構成する電極であり、当該キャパシタ電極は同一(共通)の電極層で形成する。
前記線路電極は同一の電極層に形成する。
前記線路電極のそれぞれは、それら複数の線路電極が分布する範囲の中心を通り、且つ、前記線路電極に平行な仮想中心線に対して線対称に配置する。
隣接する少なくとも2つの前記線路電極の幅が互いに異なるものとする。
隣接する前記線路電極の幅方向の間隔を非等間隔とする。
前記線路電極にはそれぞれ2つのビア電極を接続するとともに、当該2つのビア電極の接続点間距離を、少なくとも2つの前記線路電極同士で異なるものとする。
前記複数の電極層のうち所定の電極層に、前記入力電極と前記出力電極との間を容量で接続するためのキャパシタ電極を設ける。
複数の前記線路電極のうち少なくとも1つをミアンダ形状またはコ字形状とする。
前記入力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と前記出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極とで挟まれる領域以外の領域に他のキャパシタ電極を形成する。
前記入力側および出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と、当該キャパシタ電極以外のキャパシタ電極とはそれぞれ異なる電極層に配置する。
前記線路電極を含む電極層に積層されている前記誘電体層の比誘電率は6以上80以下の範囲内にあり、前記キャパシタ電極を含む電極層が積層されている前記誘電体層の比誘電率は20以上とする。
前記誘電体層は低温焼結セラミックとする。
第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタについて図2〜図9を参照して説明する。
図2の(A)は第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、(B)はその外観斜視図である。
各誘電体層を形成する材料は、以降に示す別の実施形態についても同様である。
________________________________
インダクタ電極 ビア電極 線路電極 ループ方向
________________________________
第1 131,132 116 1
第2 133,134 117 0
第3 135,136 118 1
第4 137,138 119 0
第5 139,140 120 1
________________________________
インダクタ電極が形成する「ループ」は、キャパシタ電極とインダクタ電極との接続点を始点とした、インダクタ電極の経路により形成される。すなわち、キャパシタ電極とビア電極との接続点を始点とし、当該ビア電極、線路電極、別のビア電極との接続経路によりループは形成される。
図4は第2の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。この図4は第1の実施形態で示した図2の(A)と対比するように表した図である。したがって基本的に同一構成部分については同一符号を付している。
第1の実施形態と異なるのは、入出力電極の取り出し方と、隣接するLC並列共振器間の誘導結合の極性である。
接地電極形成層101には接地電極109および接地接続電極151,152を形成している。キャパシタ電極形成層202には、5つのキャパシタ電極111〜115を形成している。またこのキャパシタ電極形成層202には、キャパシタ電極111,115にそれぞれ導通するとともにキャパシタ電極形成層202の両端部にそれぞれ引き出した入出力電極221,222を形成している。線路電極形成層104には5つの線路電極116〜120を形成している。
________________________________
インダクタ電極 ビア電極 線路電極 ループ方向
________________________________
第1 231,232 116 1
第2 233,234 117 0
第3 235,236 118 0
第4 237,238 119 0
第5 239,240 120 1
________________________________
このように入力側LC並列共振器のインダクタ電極(第1のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第2のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。また、出力側LC並列共振器のインダクタ電極(第5のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第4のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。第3のインダクタ電極によるループの方向は第2・第4のインダクタ電極によるループの方向と同方向である。したがって、この帯域通過フィルタのLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は〈10001〉と表現できる。
第3の実施形態に係る積層帯域通過フィルタについて図5〜図9を参照して説明する。
この第3の実施形態に係る積層帯域通過フィルタは3つのLC並列共振器を備えたものであり、その等価回路は図5に示すとおりである。第1・第2の実施形態では5つ(5段)のLC並列共振器を結合させた例を示したが、同様にして各段のインダクタ電極は2つのビア電極と1つの線路電極とで構成することができる。
図10は第4の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図11はその外観斜視図である。
図2に示した第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタと異なるのは、入出力電極、接地接続電極、入出力端子、接地端子のそれぞれの位置である。
図12は第5の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図13はその等価回路図である。
この例では、接地電極109から4つの接地接続電極151〜154を引き出している。また、キャパシタ電極形成層102に、キャパシタ電極111〜115を形成するとともに、キャパシタ電極111,115に導通する入出力電極321,322を形成している。したがって図2の(A)において示した入出力電極形成層103に相当するものは存在しない。その他の構成は第1の実施形態の場合と同様である。
図14は第6の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図15はその斜視図である。
この例では、接地電極109から6つの接地接続電極151〜156を引き出している。また、キャパシタ電極形成層102に、キャパシタ電極111〜115を形成するとともに、キャパシタ電極111,115から入出力電極321,322を連続的に形成している。その他の構成は第5の実施形態の場合と同様である。これにより、所望の位置に入出力電極321,322を形成することができる。
図16はこの第7の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図17はその等価回路図である。
この例では線路電極形成層104に線路電極116〜120を形成するとともに、線路電極116,120にそれぞれ導通する入出力電極421,422を形成している。このように入出力電極421,422を線路電極形成層104に形成しているので、入出力電極専用の誘電体層は不要である。この積層帯域通過フィルタは、入出力電極421,422を線路電極116,120の中間位置(途中部分)から引き出すように形成しているので、その等価回路は図17のように表すことができる。
図18は第8の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。全体の基本的な構成は図2の(A)から第3のインダクタ電極とキャパシタ電極113とを除いたものと同様である。但し線路電極形成層104に形成する各線路電極216〜220の形状、寸法、形成位置については異なる。この線路電極216〜220の形状、寸法、形成位置を定めることによってLC並列共振器のインダクタンスおよびLC並列共振器間の結合の強さを定めることができる。
ビア電極441は入出力電極721とキャパシタ電極411とに導通し、ビア電極442は入出力電極722とキャパシタ電極414とに導通する。
したがって、この4つ(4段)のLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は〈1001〉である。
図22は、5段のLC並列共振器からなる帯域通過フィルタの線路電極形成層の平面図であり、互いに隣接する線路電極間の寸法A1〜A4を示している。図22において、範囲LAは線路電極が分布する範囲を示している。また直線VCLは、この範囲LAの中心を通り、且つ各線路電極に平行な仮想中心線を示している。この第9の実施形態は、上記線路電極の間隔A1〜A4を変化させたときのフィルタ特性の変化について示すものである。
図24の(A)〜(D)は図23に示した4つの条件でのフィルタの通過特性を示している。いずれも、上記仮想中心線VCLに対して線対称となるように5つの線路電極の長さおよび幅を定めるとともに上記寸法A1〜A4を定めている。
図25は、5段のLC並列共振器からなる帯域通過フィルタの線路電極形成層の平面図であり、線路電極間の寸法B1〜B4および線路電極の幅C1〜C5について示している。この第10の実施形態は、上記線路電極間の寸法B1〜B4および線路電極の幅C1〜C5を変化させたときのフィルタ特性の変化について示すものである。
図28は第11の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。この例では2つの線路電極形成層104,204を備えている。一方の線路電極形成層104には線路電極116〜120を形成している。もう1つの線路電極形成層204には線路電極416,418,420を形成している。ビア電極131は線路電極116および416の一端に導通している。また、ビア電極132は線路電極116および416の他方の端部に導通している。ビア電極135は線路電極118および418の一方の端部に導通している。ビア電極136は線路電極118および418の他方の端部に導通している。同様にビア電極139は線路電極120および420の一方の端部に導通している。ビア電極140は線路電極120および420の他方の端部に導通している。
図29は第12の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの2つの構成例のうちの一方の分解斜視図である。図30はその通過特性を示す図である。
このようにインダクタ電極(この例では特に線路電極116〜120)に対して絶縁状態で横断電極170が横断し且つその横断電極が接地されることになる。
図35は第13の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。
図2の(A)に示したものと異なり、この第13の実施形態では、接地電極形成層401に形成する接地接続電極155〜158の個数、幅および位置を適宜設定することによって接地電極109と積層体側面に形成する接地端子との間に生じるインダクタンス成分を積極的に定めるようにしたものである。
図38は第14の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。
この例では接地電極形成層501に、互いに分離した3つの接地電極209〜211およびそれらから引き出した接地接続電極251〜256を形成している。
図40は第15の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。また図41の(A)はこのフィルタの等価回路図である。図2の(A)に示した例では入出力電極形成層103に形成した入出力電極121とキャパシタ電極形成層102に形成したキャパシタ電極111とをビア電極141で導通させたが、この図40に示す例では、線路電極116の途中と入出力電極521とにそれぞれ導通するビア電極241を設けている。
図42は第16の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図43の(A)はその等価回路図、図43の(B)はその通過特性を示す図である。
ビア電極341は入出力電極621とキャパシタ電極311とに導通し、ビア電極342は入出力電極622とキャパシタ電極313とに導通する。
したがって、この3つ(3段)のLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は〈101〉である。
第17の実施形態は、4段のLC並列共振器を構成し、且つ入出力間キャパシタ電極を設けた例である。
ビア電極441は入出力電極721とキャパシタ電極411とに導通し、ビア電極442は入出力電極722とキャパシタ電極414とに導通する。
したがって、この4つ(4段)のLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は〈1001〉である。
第18の実施形態は、4段のLC並列共振器を構成し、且つ入出力間キャパシタ電極を設けた例である。
図48は第18の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図49はその等価回路図である。
なお、入出力電極821と823とは、積層体の一方の端面に形成する端子電極に接続される。また,入出力電極822と824とは、積層体の他方の端面に形成する端子電極に接続される。
第19の実施形態は、4段のLC並列共振器を構成し、入出力間キャパシタ電極を設けるとともに、最下層以外の層に内部接地電極を設けた例である。
第20の実施形態はチップインダクタを用いて5段のLC並列共振器を構成したものである。
図51の(A)はこの第20の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、(B)は外観斜視図である。
以上に示した各実施形態では、誘電体層おび電極層の積層方向に対して垂直方向にインダクタ電極およびキャパシタ電極を配列形成したが、第21の実施形態では、インダクタ電極およびキャパシタ電極を誘電体層および電極層の積層方向に配列する例を参考例として示す。
この積層帯域通過フィルタは、接地電極形成層21,23,25,27、インダクタ・キャパシタ電極形成層22,24,26、および外層28を積層して積層体200を構成するとともに、その側面に入出力端子70,80および接地端子60,61を形成したものである。
図54は第22の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図55の(A)はその等価回路図、図55の(B)はその通過特性および反射特性を示す図である。
図56は第23の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図である。第22の実施形態で図54に示した例と異なるのは、線路電極形成層904に形成した各線路電極のパターンである。この図56に示す例では、線路電極形成層904にそれぞれミアンダ状の線路電極1116,1117,1118を形成している。その他は図54に示したものと同様である。したがって、等価回路は図55の(A)と同様である。
図57は第24の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図58の(A)はその等価回路図、図58の(B)はその通過特性および反射特性を示す図である。
図59は第25の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの分解斜視図、図60の(A)はその等価回路図、図60の(B)はその通過特性および反射特性を示す図である。
6−接地端子
7,8−入出力端子
101,201,301・・・901,1001−接地電極形成層
102,202,302,402,902,1002,1006−キャパシタ電極形成層
103,203,303・・・603,903,1003−入出力電極形成層
104,204,304・・・504,904,1004−線路電極形成層
105,305,405,905,1005−外層
106−横断電極形成層
109,209〜211,309,409,509,1009−接地電極
111〜115,311〜313,411〜414,1011〜1014−キャパシタ電極
116〜120,216〜220,316〜319,416,418,420,516〜518,616〜619,1016〜1019−線路電極
121,221,321・・・821,1021,1022−入出力電極
122,222,322・・・722,821〜824−入出力電極
131〜140,231〜240,331〜336,431〜438,1031〜1038−ビア電極
141,241,341,441−入出力部ビア電極
142,342,442−入出力部ビア電極
151,152,153,154,155〜158,251〜256,351,352,451、452,551−接地接続電極
L1〜L5−インダクタ
C1〜C5−キャパシタ
C12,C23,C34,C45−結合容量
M1〜M4−誘導結合
100,200,300−積層体
160、260,360,460,1060−入出力間キャパシタ電極
170−横断電極
171〜175−チップインダクタ
507,607−入出力間キャパシタ電極形成層
(716A,716B)〜(720A,720B)−チップインダクタ接続電極
21,23,25,27−接地電極形成層
22,24,26−インダクタ・キャパシタ電極形成層
28−外層
33〜34−接地電極
41〜43−キャパシタ電極
51〜53−インダクタ電極
60,61−接地端子
71〜76−接地接続電極
81,82−入出力端子
91〜93−ビア電極
Claims (21)
- 複数の誘電体層と複数の電極層との積層体である積層帯域通過フィルタにおいて、
前記電極層のいずれかに形成した接地電極と、前記電極層のいずれかに形成したキャパシタ電極と、前記電極層のいずれかに形成した線路電極および前記誘電体層に形成したビア電極からなるインダクタ電極と、を備え、
前記インダクタ電極は、前記誘電体層の積層方向に通るビア電極と少なくとも前記誘電体層の積層方向に対して垂直方向に延びる線路電極とでそれぞれコイル状をなし、当該インダクタ電極およびキャパシタ電極は、前記誘電体層および前記電極層が積層される積層方向に対して垂直方向に配列されていて、
前記インダクタ電極の一端は前記キャパシタ電極と接続され、当該インダクタ電極の他端は前記接地電極と接続され、前記インダクタ電極で構成されるインダクタと前記キャパシタ電極と前記接地電極が対向して構成される容量とでLC並列共振器が構成され、
前記LC並列共振器は前記積層体内で3つ以上形成されるとともに、隣接するLC並列共振器同士で結合し、
前記複数のLC並列共振器のうち少なくとも1つのLC並列共振器は互いに並列に接続される複数の線路電極とを有し、
前記複数のLC並列共振器のうち入力側のLC並列共振器が接続される入力電極と、出力側のLC並列共振器が接続される出力電極とを備え、
前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極は、当該インダクタ電極の一方の端部と前記キャパシタ電極との接続点を始点とし、当該インダクタ電極の他方の端部と前記接地電極との接続点を終点とするループをそれぞれ形成し、
前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極によるループの面を前記インダクタ電極の配列方向に見たとき、互いに結合する複数の前記LC並列共振器のインダクタ電極によって囲まれる領域が少なくとも一部が重なっていることを特徴とする積層帯域通過フィルタ。 - 前記複数のLC並列共振器のうち、前記線路電極の配列方向に隣接する2つのLC並列共振器の一方のLC並列共振器と、他方のLC並列共振器を構成する線路電極の数が異なる、請求項1に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記入力側LC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向と、前記入力側LC並列共振器のインダクタ電極に隣接するLC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向とが逆であり、且つ前記出力側LC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向と、前記出力側LC並列共振器のインダクタ電極に隣接するLC並列共振器の前記インダクタ電極によるループの方向とが逆である請求項1または2に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記複数のLC並列共振器のインダクタ電極に対して絶縁状態で横断する横断電極を前記接地電極とは別の電極層に設けた、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記横断電極は前記LC並列共振器の接地側となる接地電極に導通するものである、請求項4に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 積層した誘電体層の側面に側面電極を備え、
前記LC並列共振器の接地側となる接地電極は少なくとも1本の接続電極を経由して前記側面電極に導通する、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。 - 前記接地電極は、前記複数のLC並列共振器のうち所定のLC並列共振器同士の接地間で電気的(高周波的)に分離された複数の接地電極からなる、請求項5または6に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記入力電極と前記出力電極とを構成する入出力電極形成層を、前記キャパシタ電極または前記線路電極の少なくとも一方の電極を含む電極層とは別に設けるとともに、前記入力電極および前記出力電極がそれぞれ導通する入力端子および出力端子を前記積層体の側面に設けた、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記入出力電極形成層は、前記線路電極を形成した電極層と前記キャパシタ電極を形成した電極層との間に配置されている、請求項8に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記複数のLC並列共振器のキャパシタ電極は当該複数のキャパシタ電極の配置範囲に広がる共通の接地電極との間にそれぞれ容量を構成する電極であり、当該キャパシタ電極は同一の電極層で形成されている、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記複数のLC並列共振器の各線路電極は同一の電極層に形成されたものである、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記キャパシタ電極および前記線路電極のそれぞれは、それら複数のキャパシタ電極および前記線路電極が分布する範囲の中心を通り、且つ、前記線路電極に平行な仮想中心線に対して線対称に配置されている、請求項11に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 隣接する少なくとも2つの前記線路電極の幅が互いに異なる、請求項11または12に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 隣接する前記線路電極の幅方向の間隔が非等間隔である、請求項11〜13のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記線路電極にはそれぞれ2つのビア電極が接続されるとともに、当該2つのビア電極の接続点間距離は、少なくとも2つの前記線路電極同士で異なる、請求項1〜14に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記複数の電極層のうち所定の電極層に、前記入力電極と前記出力電極との間を容量で接続するためのキャパシタ電極を設けた、請求項1〜15のういちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 複数の前記線路電極のうち少なくとも1つがミアンダ形状またはコ字形状である請求項1〜16のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記入力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と前記出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極とで挟まれる領域以外の領域に他のキャパシタ電極を形成した請求項1〜17のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記入力側および出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と、当該キャパシタ電極以外のキャパシタ電極とがそれぞれ異なる電極層に配置されている請求項1〜18のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記線路電極を含む電極層に積層されている前記誘電体層の比誘電率は6以上80以下の範囲内にあり、前記キャパシタ電極を含む電極層が積層されている前記誘電体層の比誘電率は20以上である、請求項1〜19のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
- 前記誘電体層は、低温焼結セラミックである、請求項1〜20のうちいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
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