JP2011023366A - アウトレットアドオンモジュール - Google Patents

Abstract

【課題】専門家による設置を必要とせずに、容易で、簡単なアウトレットの高性能化を可能にする方法およびシステムを提供する
【解決手段】建物内の既存のサービスアウトレット（例えば、ＬＡＮ、電話、電力またはＣＡＴＶアウトレット）に機能を付加することにより、既存のアウトレットを高性能化す
る方法と装置を提供する。上記機能は、既存のアウトレット（４２）に電気的に接続され、かつ機械的に固定されたアドオンモジュール（３０）によって付加される。表面取り付け、サイドクランプ、スナップロック、紐による固定およびねじ留めを含む、いくつかの取り付け装置が例示される。アドオンモジュールは、既存のアウトレットの基本機能を維持するサービスコネクタ（２６３）を含んでもよい。モジュールは、永久的にまたは着脱
可能に取り付けられる。
【選択図】図４ｂ

Description

本発明は、アウトレットを用いる配線分野に関し、より具体的には、そのようなアウトレットに機能を付加するアドオンモジュールに関する。

アウトレット
本明細書において、「アウトレット」という用語は、建物内に設置された配線に対する外部装置の簡単かつ迅速な接続および切断を容易にする電気機械装置を意味する。一般に、アウトレットは、配線への固定接続を有し、通常はフェースプレート内の統合コネクタを用いて、所望の外部装置の簡単な接続を可能にする。アウトレットは、通常、壁または類似の表面に機械的に取り付けられるか、またはその内部に設置される。一般的なアウトレットとして、例えば、電話機および関連装置を接続する電話アウトレット、テレビジョン受信機およびビデオカセットレコーダー等を接続するＣＡＴＶアウトレット、ＬＡＮ配線（別名、構造化配線）の一部として用いられるアウトレット、および電力を電気器具に接続する電気アウトレットが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において、「壁」という用語は、垂直壁のほかに、これらに限定されないが、天井および床を含む建物のあらゆる内面または外面を意味する。

本明細書において、アウトレット（またはモジュール）の後部とは、設置後、壁に面している側であり、通常は壁内の共用配線へのコネクタも含む。前部とは、その反対側で、通常は部屋に面しており、共用配線に結合するコネクタを含む。

本明細書において「データユニット」、「コンピュータ」および「パーソナルコンピュータ（ＰＣ）」という用語は、ローカルエリアネットワークに接続するためのインタフェースを備えたワークステーション、携帯情報端末（ＰＤＡ）および他のデータ端末装置（ＤＴＥ）に加えて、データ送信装置またはデータ受信装置（あるいは両方）の役割を果たすデータステーションのあらゆる機能単位を含み、区別なく用いられる。

ＬＡＮ環境
図１は、典型的な先行技術によるＬＡＮ環境１０を示す。このようなネットワークは、通常、１０ＢａｓｅＴまたは１００ＢａｓｅＴＸ、イーサネットＩＥＥＥ８０２．３インタフェースおよびトポロジーを用い、すべての装置が接続される集線装置としてのハブ１１を特徴とする。各装置は、ネットワークアウトレット１５ａ、１５ｂおよび１５ｃ内にそれぞれ収納されたデータコネクタ１４ａ、１４ｂおよび１４ｃによって、ハブ１１に接続される。ハブ１１への接続は、ケーブル１３ａ、１３ｂおよび１３ｃを介してなされる。データコネクタ１４ａ、１４ｂおよび１４ｃは、例えば、ＲＪ−４５型コネクタであり、ケーブル１３ａ、１３ｂおよび１３ｃは、例えば、カテゴリー５ケーブルである。上記構成は、例えば、ＥＩＴ／ＴＩＡ−５６８およびＥＩＡ／ＴＩＡ−５７０に記載されている。ネットワーク１０のデータ部は、ケーブル１６ａ、１６ｂおよび１６ｃを介してネットワークコネクタ１４ａ、１４ｂおよび１４ｃにそれぞれ接続しているデータユニット（コンピュータでもよい）７ａ、７ｂおよび７ｃを用いる。サーバ１２をハブ１１に接続してもよく、外部接続機能および当該技術で適用される他のサーバ機能を行うことができる。

図１は、集線装置としてハブ１１を示しているが、複数のネットワークインタフェースを備え、適切な接続性をサポートするいかなる種類の装置でも用いることができると理解される。このような装置として、例えば、共用ハブ、スイッチ（交換ハブ）、ルータ、およびゲートウェイが挙げられるが、これらに限定されない。ゆえに、本明細書において、「ハブ」という用語は、限定されることなく、上述のあらゆる装置を意味する。さらに、ネットワーク１０は、ＬＡＮまたはインターネットのような、構内または分散型のパケット網となり得る。

ホームネットワーキング
ほとんどの既存のオフィスと一部の新築ビルは、ネットワーク１０のネットワーク構造を容易にする。しかし、このようなネットワークを既存の建物に構築する場合、一般に、新しい配線基盤の設置が必要となる。新しい配線の設置は、非実用的で、費用がかかり、問題となる可能性がある。その結果、新しい配線を追加せずに、建物内のＬＡＮを容易にするために、「ノーニューワイヤ（no new wires）」技術と呼ばれる多くの技術が提案されている。これらの技術のいくつかは、主として電話、電気およびケーブルテレビ（ＣＡＴＶ）等の他の目的で設置された既存の共用配線を用いる。この方法には、建物内に別の配線を設置するのにかかる、たいていかなりの追加コストを伴わずに、上記システムおよびネットワークを導入できるという利点がある。

配線を介して、サービス（電話通信、電気およびＣＡＴＶ等）だけでなく、データ通信信号も搬送させる技術的側面は、通常、ＦＤＭ（周波数分割多重化）方式を用いることである。このような構成では、サービス信号およびデータ通信信号は、それぞれ異なる周波数スペクトル帯を用いた共用回線を介して搬送される。ＦＤＭの概念は当該技術において公知であり、配線等の媒体によって搬送される帯域幅を分割する手段を提供する。電話信号およびデータ通信信号の両方を搬送する電話配線の場合、周波数スペクトルを、アナログ電話信号を搬送可能な低周波帯域と、データ通信信号またはその他の信号を搬送可能な高周波帯域とに分割する。このようなメカニズムは、例えば、ライヒェルト（Reichert）らの特許文献１に記載されている。また、ｘＤＳＬシステム、主として非対称ディジタル加入者ループ（ＡＤＳＬ）システムにも広く用いられている。

ＦＤＭまたは他のいかなる方式の場合でも、配線システムは、通常、データユニットと媒体によって搬送されるデータ通信信号との接続をサポートする必要がある。さらに、このような接続には、通常、標準データ通信コネクタを有する標準インタフェースを利用する必要がある。一つの方法は、既存のアウトレットとデータユニットとの間に接続される専用独立型卓上式アダプタ装置を用いることである。以下に、その他の方法を説明する。

機能アウトレットによる方法
この方法では、既存のサービスアウトレットの代わりに「ネットワーク」能動アウトレットを用いる。一般に、アウトレット（ＬＡＮ構造化配線、電力アウトレット、電話アウトレットおよびケーブルテレビアウトレットを含む）は、宅内基盤の配線システムの一部であり、壁内の配線へアクセスする目的に限って機能する受動装置として発展してきた。しかし、アウトレットをホーム／オフィスネットワークの一部として用いるために、通常は標準データ通信インタフェースを提供するために、能動回路をアウトレットに組み込もうとする傾向がある。ほとんどの場合、追加された能動回路は、アウトレットに対して、その基本的な受動接続機能のほかに、データインタフェース接続性を付加する働きをする。

電話配線に用いられ、電話通信およびデータインタフェースの両方をサポートするアウトレットは、ビンダー（Binder）の特許文献２「電話回線を介したローカルエリアネットワークを実現する電話アウトレットおよびこれを用いたローカルエリアネットワーク」に記載されている。このようなアウトレットは、米国マサチューセッツ州サウスボロ（Southborough）のセルコネット社（SercoNet Inc.）による「ＮｅｔＨｏｍｅ」（登録商標）システムの一部として使用可能である。

別の電話アウトレットは、ディヒター（Dichter）の特許文献３「自動構成可能コンピュータネットワーク」に記載されている。アウトレットを用いたＣＡＴＶ同軸ケーブルを介したホームネットワーキングの一例は、２００２年８月２２日に公開されたコーエン（Cohen）らの特許文献４「同軸ケーブルを介したＣａｂｌｅＲＡＮ（登録商標）ネットワーキング」に記載されている。このようなアウトレットは、イスラエル国エルサレムのティーエムティー社（TMT Ltd.）による「ＨｏｍｅＲＡＮ」（登録商標）システムの一部として使用可能である。電話、データおよび娯楽に関する信号を搬送する配線と共に用いられるアウトレットは、アルコック（Alcock）の特許文献５「無線周波数および同軸ケーブルを用いたローカルエリアおよびマルチメディアネットワーク」に記載されている。電力線によるデータと電力との組合せに用いられるアウトレットは、シェッファー（Schaeffer）らの特許文献６「電力線ブリッジ装置」に記載されている。このような電力アウトレットは、米国カリフォルニア州サンカルロス（San Carlos）のアソカＵＳＡ社（Asoka USA Corporation）による「ＰｌｕｇＬＡＮ」（登録商標）の一部として使用可能である。

能動アウトレットを、基本サービス（例えば、電話、ＣＡＴＶおよび電力）用の配線を介して形成されるネットワークについて説明したが、本発明は、専用配線によるネットワークに用いられるアウトレットにも同様に適用できると理解される。この場合、アウトレット回路は、アウトレットに対して、１つのデータ接続インタフェースの基本サービスのほかに、追加インタフェースを提供する。例えば、配線が１つのそのようなデータ接続をサポートする複数のデータインタフェースを提供してもよい。このようなアウトレットの一例として、米国カリフォルニア州サンタクララ（Santa Clara）のスリーコム社（3Com）（登録商標）により製造された「Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｊａｃｋ」（登録商標）の製品系列が挙げられる。さらに、上記アウトレットは、トンプソン（Thompson）の特許文献７「屋内における多重信号分配のための単一媒体配線方式およびそれに用いるアクセスポート」、および２００３年６月１９日に公開されたマクナマラ（McNamara）らの特許文献８「能動壁付きコンセント」に記載されている。

能動アウトレットを、ワイヤおよびケーブル等の導電媒体に基づくアウトレットおよびネットワークについて説明したが、能動アウトレットは、ネットワーク媒体が、光ファイバケーブル等の非導電性である場合にも同様に適用できると理解される。光ファイバケーブルに基づき、データインタフェースをサポートする能動アウトレットは、２００２年１０月１０日に公開されたチュー（Chu）の特許文献９「ファイバコンバータフェースプレートアウトレット（Fiber Converter Faceplate Outlet）」、およびトンプソン（Thompson）の特許文献１０「屋内における多重信号分配のための単一媒体配線方式およびそれに用いるアクセスポート」に記載されている。従って、本願および添付の請求項で用いられる「配線」という用語は、光ファイバケーブル等の非導電媒体に基づくネットワークを含むと解釈されるべきである。

上記アウトレットは、データ信号とサービス信号を分割する能動回路を用いるが、受動的な実施も可能である。受動アウトレットの一例は、ビンダー（Binder）の特許文献１１「ローカルエリアネットワーク配線を介した電話通信システムおよび方法」に開示されている。このようなアウトレットは、米国テキサス州カレッジステーション（College Station）のキューリンクコミュニケーション社（QLynk Communication Inc.）による「ｅｔｈｅｒＳＰＬＩＴ」（登録商標）システムの一部として使用可能である。

上記アウトレットは、完全な内蔵装置である。従って、通常の単純な受動アウトレットの代わりに、新しい家屋に容易に設置できる。しかし、既存の配線システムを改良する場合、上述した解決法は適切ではない。ほとんどの場合、どんな改良でも、既存のアウトレットを撤去し、機能を改善した新しいアウトレットを設置する必要がある。このような作業は煩雑で、費用がかかり、なおかつ専門技能を要することが多い。さらに、危険な電圧（電力線内および電話線内等）を扱う際の安全面から、地方条例によって、資格を持つ作業員だけが配線を扱うように規定される場合もある。そのため、費用がかかる上に、自ら取り組むこと（do-it-yourself approach）の妨げになる。

さらに、技術と環境がやがて変化するにつれて、アウトレットの機能、特徴および特性の向上、改良または変更の必要性が生じるだろう。例えば、新たな標準と連動するように、データインタフェースを高性能化しなければならないだろう。別の例としては、より高い帯域幅をサポートするために、回路を高性能化しなければならないだろう。同様に、管理およびサービス品質（ＱｏＳ）機能を導入するか、または向上しなければならないだろう。さらに別の例としては、追加の機能およびインタフェースを付加しなければならないだろう。既存のアウトレットの代替品として、完全な内蔵アウトレットを用いた場合も、上述した不利点がもたらされる。

プラグイン装置
既存のアウトレットに機能を付加する一つの方法は、プラグインモジュールを用いることである。図２に、電力線接続に適したモジュール２０の描画図を示す。このモジュールを、２つのピン２２ａ、２２ｂによって通常の電力アウトレットに差し込み、データコネクタ２１（図中では、１０／１００Ｂａｓｅ−Ｔ、ＩＥＥＥ８０２．３インタフェース用ＲＪ−４５）を介して、データユニットへのアクセスを提供する。任意の可視インジケータ２３ａ、２３ｂおよび２３ｃを用いてもよい。ピン２２ａ、２２ｂは、電気的接続だけでなく、ユニット２０の電力アウトレットへの機械的取り付けにも用いられる。このようなプラグインモジュールは、スマート（Smart）らの特許文献１２「高データ転送率の電力線ネットワークシステムおよび方法」、ヴァルベック（Walbeck）らの特許文献１３「モジュラー電力線ネットワークアダプタ」、およびシェッファー（Schaeffer）らの特許文献１４「電力線ブリッジ装置」に記載されている。また、「ＨｏｍｅＰｌｕｇ」（登録商標）技術を用いたモジュールは、例えば、米国カリフォルニア州サンカルロス（San Carlos）のアソカＵＳＡ社（Asoka USA Corporation）による「ＰｌｕｇＬｉｎｋ」（登録商標）製品の一部をはじめ多数の製造業者から入手できる。「ＨｏｍｅＰｌｕｇ」は、米国カリフォルニア州サンラモン（San Ramon）のホームプラグ・パワーライン・アライアンス社（HomePlug Powerline Alliance, Inc.）の登録商標である。

しかし、上記プラグインモジュールは、電力アウトレットに関してのみ知られており、電話アウトレットまたはＣＡＴＶアウトレットには使用できない。さらに、電力アウトレットを含む一般のアウトレットは、プラグ接続以外の機械的支持を提供するように設計されたのではないため、プラグインモジュールは、壁／アウトレットに機械的に固定されない。従って、このような取り付けは持続できず、信頼性がないと考えられる。また、上記プラグインモジュールは、外観が大きく、美的ではない。

２００３年９月１０日に公開された特許文献１５（ヨコオ（Yokoo））は、本体部と、交流電源を直流電源に変換し、ケーブルを介して本体部に直流電源を供給する電源供給部とを備えた電力線通信モデムを開示している。交流電源を入力するための差込みプラグおよび差込みプラグに接続されたコンセントを電源供給部に設け、このコンセントからパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に電源が供給される。

２００２年５月３０に公開された特許文献１６（クロド
フェルター（Clodfelter））は、既存の壁付きコンセントの上に重ねて、それを完全に覆うように適応されたアウトレット付照明器具を開示している。アウトレット付照明器具は、平らな前板と、この前板に平行である平らな裏板とを含む。また、裏板から突き出た複数のピンを備え、これらのピンを既存の壁付きコンセントに差し込み、電気的に接続する。さらに、両側板にも側面電気アウトレットを備える。照明器具は、その上板から伸び、白熱電球が挿入される１つまたはそれ以上の中空の細長い棒（ステム）を支える。ステムは、配線と、白熱電球をアウトレットに接続するオン−オフスイッチとを有する。上記照明器具によれば、スタンド照明および付属のコードが不要になる。

１９８４年１１月２０日に公開された特許文献１７（グレーブス（Graves））は、過電流保護装置を含み、アウトレットボックスの差込口に取り付けられる安全プラグと、この安全プラグアダプタを、アウトレットボックスのフェースプレートに設けられたフランジ部および電気コードの両方に係合させるための係合装置とを開示している。これにより、小さな子供が、電気コードが接続されたプラグをアダプタから抜くこと、またはアダプタをアウトレットボックスの差込口から抜くことが困難になる。

２０００年９月１９日に公開された特許文献１８（ヴェイガ（Veiga）ら）は、壁付きアウトレットのＧＦＩ保護において、ケース内に配置された市販のＧＦＩ壁付きコンセントを有するＧＦＩアダプタを用いることを開示している。

２００２年４月４日に公開された特許文献１２（スマート（Smart）ら）は、宅内またはオフィス内の電力線を用いて、複数のノードが、高速に、かつ低い誤り率で、ディジタルデータを通信できるようにする電力線ネットワークの物理層を開示している。物理層は、周波数分割多重化（ＦＤＭ）による複数のチャネルを提供する。各ＦＤＭチャネルは、独立し、差動２相位相変調（ＤＢＰＳＫ）または差動４相位相変調（ＤＱＰＳＫ）を用いて、別々に変調されてデータを搬送する。

２００２年５月１５日に公開された特許文献２０（リー（Lee）ら）は、本体の対向する側面に、プラグおよびソケットをそれぞれ備えたアダプタを開示している。そのため、１つのアダプタのプラグを別のアダプタのソケットに差し込むことにより、複数のアダプタを直列に接続できる。また、結合溝および一対の結合板が、本体の対向する側面に沿って長手方向に伸びているので、１つのアダプタの結合溝に別のアダプタの結合板を嵌めることができる。さらに、結合板の端部に連結孔が形成されているため、ねじを連結孔に挿通させて、アダプタを結合できる。アダプタ本体は、電話ジャックおよびプラグ、または同軸ケーブルコネクタとともに用いてもよい。

ゆえに、好ましくは専門家による設置を必要とせずに、信頼性のある、容易で、簡単なアウトレットの高性能化を可能にする方法およびシステムに対する要求は、広く認識されており、かかる方法およびシステムを有することは非常に有利である。

米国特許第４，７８５，４４８号明細書 米国特許第６，５４９，６１６号明細書 米国特許第６，２１６，１６０号明細書 国際公開ＷＯ０２／０６５２２９号パンフレット 米国特許出願公開２００３／００９９２２８号明細書 米国特許出願公開２００３／００６２９９０号明細書 米国特許第６，１０８，３３１号明細書 米国特許出願公開２００３／０１１２９６５号明細書 米国特許出願公開２００２／０１４６２０７号明細書 米国特許第６，１０８，３３１号明細書 国際公開ＷＯ０２／２５９２０号パンフレット 米国特許出願公開２００２／００３９３８８号明細書 米国特許出願公開２００２／００６０６１７号明細書 米国特許出願公開２００３／００６２９９０号明細書 欧州特許出願公開１３４３２５３号明細書 米国特許出願公開２００２／００６４０３９号明細書 米国特許第４，４８４，１８５号明細書 米国特許第６，１２０，３２０号明細書 米国特許出願公開２００２／０００３８７３号明細書 英国特許出願公開２３６８９７９号明細書 国際公開ＷＯ０３／０３９１５０号パンフレット 国際公開ＷＯ０３／００５６９１号パンフレット 米国特許出願公開２００３／０１１２９６５号明細書 国際公開ＷＯ０１／８０５４３号パンフレット 米国特許第６，４７３，６０９号明細書 米国特許第６，３６６，６７１号明細書 カナダ特許出願２，４２０，５１５号明細書 米国特許第５，４７３，５１７号明細書 米国特許第６，５１８，７２４号

従って、本発明は、好ましくは専門家による設置を必要とせずに、容易で、簡単なアウトレットの高性能化を可能にする方法およびシステムを提供することを目的とする。アドオンモジュールは、既存のアウトレットに追加機能を付与するために用いられる。

本発明は、電話、電力およびＣＡＴＶ等の既存の配線およびＬＡＮ配線等の専用配線に対応するアウトレット（総称して「サービス配線」、「サービスアウトレット」とする）に機能を付加するアドオンモジュールを記載する。光ファイバ等に基づく非導電性基盤も含まれる。

上記アドオンモジュール（以下、「モジュール」とする）は、既存のアウトレットに電気的に接続され、かつ機械的に取り付けられる。機械的取り付けは、永久的でも、着脱可能でもよく、後者の場合、手で行うか、または特定の道具を用いて行うことができる。電気的接続には、機械的に固定されたコネクタまたは有線式コネクタ（「ドングル」）を用いることができる。本発明の一つの側面において、モジュールは、アウトレット表面への取り付けにより、既存のアウトレットに装着される。このような取り付けには、吸着力、接着材料（例えば、接着剤）またはベルクロを用いることができる。ベルクロは、ベルクロ社（Velcro Industries B.V.）の登録商標である。本発明の別の側面において、モジュールは、アウトレットの側面に取り付けられる。このような取り付けには、圧力または偏心レバーあるいは固定紐を用いることができる。本発明の別の側面において、モジュールは、アウトレットと壁との間にタブを挿入することにより、取り付けられる。本発明の別の側面において、モジュールは、締付けねじをモジュールおよびアウトレットの孔を介して挿通させることにより、取り付けられる。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、機械的アダプタを用いることにより、アウトレットに取り付けられる。アダプタはアウトレットに取り付けられ、モジュールは、このアダプタに独立して取り付けられる。アダプタのアウトレットへの取り付けには、上記機械的取り付け方法のいずれかを用いることができる。同様に、モジュールのアダプタへの取り付けにも、上記方法のいずれかに加えて、係止、磁力の使用およびロッキングを用いることができる。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、同時に基本サービスを供給する配線を介して搬送されるデータネットワークと共に用いられる。基本サービスは、例えば、電話配線を介して搬送される電話通信、電力線を介して搬送される電力、同軸ケーブルテレビジョン基盤を介して搬送されるＣＡＴＶおよび専用ＬＡＮ配線を用いたデータネットワーキングである。この場合、アウトレットは、配線を介して搬送されるデータサービス信号を分離するデータ／サービスのスプリッタ／コンバイナを含み、各コネクタ（電話、電力またはＣＡＴＶコネクタ）により、配線へのアクセスを可能にする。データ信号は、各媒体モデムにより分離され、アダプタに結合されたコネクタを介して、データユニットに結合される。上述のように、ハブおよび管理は任意に用いられる。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、アナログビデオ、アナログ音声および電話等のアナログインタフェースを提供するアダプタをさらに含む。

本発明の別の側面において、光（例えば、赤外線）、音声または無線周波数（無線）に基づく無線インタフェースが、データユニットへの結合に用いられる。この場合、データユニットコネクタは、適切な無線トランシーバに置き換えられる。

有線ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）と共に、マルチポート能動ネットワークアウトレットが記載される。このようなアウトレットは、ネットワーク配線を介してデータ通信を可能にするトランシーバを含む。アウトレットは、１つまたはそれ以上のコネクタをサポートし、各コネクタは、それぞれのトランシーバによって、データユニットのデータ通信信号への結合を可能にする。さらに、アウトレットは、アダプタと、別個のインタフェースを介してデータユニットのデータ通信信号への結合を可能にする接続されたそれぞれのコネクタ含む。アウトレットは、さらに、結合される複数のデータストリームのためのハブを任意に含んでもよい。任意の管理／処理機能もアウトレットに組み込むことができる。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、ネットワーキング機能のための受動部品を含む。本発明の別の側面において、モジュールは、提供された機能（例えば、ネットワーキング）のための能動部品を含む。後者の場合、モジュール内の能動回路は、適正に作動するために、給電されなければならない。モジュールは、ローカル電源（例えば、直接またはＡＣ／ＤＣ変換器を介した交流電力）への専用の接続によってローカル給電されてもよい。あるいは、モジュールは、配線を介して搬送された電力信号から給電される。本発明の別の側面において、モジュールは、このモジュールに接続された電気器具により給電される。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、非ネットワーキング機能を提供するために用いられる。この場合、通常はアウトレットに接続する装置の機能の一部または全部が、モジュールに組み込まれる。本発明の別の側面において、モジュールは、サービスアウトレットへの電気的結合および機械的支持の両方を提供するために用いられる。このような機械的支持によって、電気器具および装置をモジュールに保持し、取り付ける（および取り外す）ことができる。電気的接続は、サービス信号（電力モジュールの場合は交流電力）への接続だけを含めばよい。他の実施形態では、電気的接続は、サービス配線を介して搬送されるデータ信号への結合を含むこともある（例えば、電話配線を介して搬送されるデータ信号への結合を提供する電話モジュール）。他の実施形態は、機械的に取り付けられた電気器具を、配線を介して搬送されるサービス信号およびデータ信号の両方に結合することを含む場合がある。例えば、ＰＤＡおよび携帯電話等のモバイル機器およびハンドヘルド機器が記載される。本発明の一つの側面において、上記モジュールは、アウトレットにサービス接続を付加するために用いられる。

本発明の一つの側面において、電力モジュールは、複数の交流電源ソケット、電力スイッチ、調光器、安全手段（例えば、ヒューズ）、避雷、可視または可聴インジケータ、負荷制御（ファン速度制御等）、タイマー切り換え、フィルタ（例えば、ノイズフィルタ）およびセンサ（セキュリティ、熱および浸水センサ等）等の電力に関連した複数の機能を含む。本発明の一つの側面において、電力モジュールは、ＡＣ／ＤＣ変換器および充電器（例えば、ＰＤＡおよび携帯電話用充電器）等の電力変換器具を含む。充電器（例えば、ＰＤＡおよび携帯電話用充電器）の場合、モジュールは、充電中に機械的支持を提供する架台機能（例えば、機械的収納部）を含んでもよい。本発明の一つの側面において、電力モジュールは、電力配線を介して搬送されるデータ信号への結合を提供する。

本発明の一つの側面において、電話モジュールは、複数の電話ジャック、フィルタ（ＡＤＳＬ／ＨｏｍｅＰＮＡマイクロフィルタおよびノイズフィルタ等）、安全手段（例えば、ヒューズ）、避雷、可視または可聴インジケータおよびセンサ（セキュリティ、熱および浸水センサ等）等の電話に関連した複数の機能を含む。本発明の一つの側面において、電話モジュールは、電力変換器および充電器（例えば、ＰＤＡおよび携帯電話用充電器）等の電力変換器具を含む。充電器（例えば、ＰＤＡおよび携帯電話用充電器）の場合、モジュールは、充電中に機械的支持を提供する架台機能（例えば、機械的収納部）を含んでもよい。本発明の一つの側面において、電話配線を介して搬送されるデータ信号への結合を提供する。電話モジュールに（部分的にまたは完全に）組み込まれる、または電話モジュールによって機械的に支持される他の電話器具は、例えば、留守番電話装置、モデム（ダイアルアップまたはｘＤＳＬ等）、電話機（地上通信線またはコードレス）および発信者電話番号通知ユニット等である。

本発明の一つの側面において、ＣＡＴＶモジュールは、ＲＦスプリッタ、フィルタ、安全手段（例えば、ヒューズ）、避雷、可視または可聴インジケータおよびセンサ（セキュリティ、熱および浸水センサ等）等の電話に関連した複数の機能を含む。ＣＡＴＶモジュールに（部分的にまたは完全に）組み込まれる、またはＣＡＴＶモジュールによって機械的に支持されるＣＡＴＶ関連器具は、例えば、ケーブルモデム、セットトップボックス、ＶＣＲ、ＤＶＤ、ＤＶＲ、テレビジョン受信機およびＤＲＭ装置等である。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、モジュール状態を監視する可視（または可聴あるいは両方）のインジケータを含む。このようなインジケータは、電力の利用可能率、モジュールに含まれる回路の一部または全部の正常動作、通信状態（配線通信およびモジュールに接続された装置の一方あるいは両方）およびサービス信号の状態を示すことができる。

本発明の別の側面において、上記モジュールは、アウトレットに、美的面の向上、または見た目を美しくするあらゆる方法等の無形の追加機能を付与する。例えば、モジュールの色、質感および芸術的形状が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明の他の実施形態は、以下の説明から、当業者に直ちに明らかになると理解される。ここでは、本発明の実施形態は、例証として示されているに過ぎない。本発明は、他の異なる実施形態を行うことができ、そのいくつかの詳細は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、さまざまな別の側面において変更できることが認められよう。ゆえに、図面および詳細な説明は、本質的に例証であって、限定的なものではないとされる。

本発明を、限定されない例のみを用いて、添付の図面を参照しながら説明する。
図１は、例示的な従来技術によるローカルエリアネットワークを示す。 図２は、例示的な従来技術による電力モジュールの描画図である。 図３ａは、例示的な従来技術による電話アウトレットの背面および正面をそれぞれ示す模式図である。 図３ｂは、例示的な従来技術による電話アウトレットの背面および正面をそれぞれ示す模式図である。 図４ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略背面図である。 図４ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図４ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの描画背面図である。 図５ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略背面図である。 図５ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図６は、本発明の例示的な電話モジュールの描画背面図の一部である。 図７ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図７ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図８ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略背面図である。 図８ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの描画背面図の一部である。 図８ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図９ａは、本発明の例示的なＣＡＴＶモジュールの概略正面図である。 図９ｂは、本発明の例示的なＣＡＴＶモジュールの概略正面図である。 図９ｃは、本発明の例示的なＣＡＴＶモジュールの概略背面図である。 図１０ａは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図１０ｂは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図１１ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１１ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略背面図である。 図１１ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１１ｄは、本発明の例示的な電話モジュールの描画正面図とその一部である。 図１２ａは、本発明のモジュールに用いる紐の模式図である。 図１２ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１３ａは、本発明のモジュールに用いる紐の模式図である。 図１３ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１３ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの描画正面図である。 図１４ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１４ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１５ａは、本発明のモジュールに用いるアダプタの模式図である。 図１５ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１５ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１５ｄは、本発明の例示的な電話モジュールの描画図である。 図１６ａは、本発明のモジュールに用いるアダプタの模式図である。 図１６ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１６ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１６ｄは、本発明のモジュールに用いるアダプタとアウトレットの描画図である。 図１７ａは、本発明のモジュールに用いるアダプタとアウトレットの描画図である。 図１７ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１７ｃは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図１７ｄは、本発明の例示的な電話モジュールの描画正面図である。 図１８ａは、本発明の例示的な電話モジュールとアダプタの概略正面図である。 図１８ｂは、本発明の例示的な電話モジュールとアダプタの概略背面図である。 図１８ｃは、本発明のモジュールに用いるアダプタとアウトレットの模式図である。 図１８ｄは、本発明の例示的な電話モジュール概略正面図である。 図１８ｅは、本発明の例示的な電話モジュール概略正面図である。 図１８ｆは、本発明の例示的な電話モジュールの描画正面図の一部である。 図１８ｇは、本発明の例示的な電話モジュールの描画背面図の一部である。 図１９ａは、本発明の例示的な電話モジュールの概略背面図である。 図１９ｂは、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図２０は、本発明の例示的なモジュールの機能ブロック図である。 図２１は、本発明の例示的な電話モジュールの機能ブロック図である。 図２２は、本発明の例示的な電力モジュールの機能ブロック図である。 図２３は、本発明の例示的なＣＡＴＶモジュールの機能ブロック図である。 図２４は、本発明の例示的なＬＡＮモジュールの機能ブロック図である。 図２５は、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図２６は、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図２７は、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図２８は、本発明の例示的なモジュールの機能ブロック図である。 図２９は、本発明の例示的なモジュールの機能ブロック図である。 図３０ａは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３０ｂは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３１は、本発明の例示的な電話モジュールの概略正面図である。 図３２ａは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３２ｂは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３２ｃは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３３ａは、本発明の例示的な電力モジュールの概略正面図である。 図３３ｂは、本発明の例示的な電力モジュールの概略背面図である。 図３３ｃは、本発明の例示的なＰＤＡを備えた電力モジュールの概略正面図である。 図３３ｄは、本発明の例示的な携帯電話を備えた電力モジュールの概略正面図である。 図３３ｅは、本発明の例示的なＰＤＡを備えた電話モジュールの概略正面図である。 図３４ａは、本発明の例示的な芸術的形状の電力モジュールの概略正面図である。 図３４ｂは、本発明の例示的な芸術的形状の電力モジュールの概略正面図である。 図３５は、本発明の例示的なモジュールの機能ブロック図である。

本発明によるネットワークの原理および動作は、図面とそれに付随する説明を参照することにより、理解されるだろう。図面および説明は、概念的なものにすぎない。実際の実施では、１つの部品は、１つまたはそれ以上の機能を果たすことができる。あるいは、各機能は、複数の部品および回路によって実行される。図面および説明において、同一の符号は、異なる実施形態または構成に共通の部品を示す。

モジュール
本発明は、既存のアウトレットに電気的に接続され、かつ機械的に取り付けられるモジュールに関する。簡略化を図って、本発明は、まず、アウトレットへの電気的接続を実現するために、電話アウトレットと共に用いられるモジュールについて説明する。例示的な基本電話モジュール３０の正面図および背面図を、それぞれ図３ｂおよび図３ａに示す。ＲＪ−１１電話プラグ３１は、アウトレットのＲＪ−１１電話ソケットにつながるため、モジュール３０の背面から外側に突出するように取り付けられている。モジュールの前面には、通常、電話機との接続性を維持するために、２つのＲＪ−１１ソケット３２ａ、３２ｂが設けられ、さらに、データ通信接続（一般的な１０／１００Ｂａｓｅ−Ｔイーサネットインタフェース等）のためのＲＪ−４５コネクタ３４が設けられている。モジュールは、可視インジケータ３３ａ、３３ｂを用いてもよい。

表面取り付け
本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、モジュールは、既存のアウトレットの前面に機械的に取り付けられる。これは、例えば、吸着を用いて行われる。

本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、機械的取り付けは、機械的取り付けのための吸着を用いる。図４ａは、吸着によって既存のアウトレットの前面に取り付けられる場合のモジュールを示す。基本モジュール３０に加えて、モジュール４０は２つの吸着盤４１ａ、４１ｂを含み、これらを図４ｂに示された既存のアウトレット４２の表面に押し当てることにより、モジュールが取り付けられる。同時に、コネクタ３１をコネクタ４３に接続する。２つの吸着器具４１ａ、４１ｂが図示されているが、モジュールの重さを支えるのに十分な吸着をもたらす場合に限り、任意の数の器具を用いることができる。図４ｃはモジュール４０の描画図であり、解除レバー４４をさらに示す。モジュール４０をアウトレット４２から取り外すためには、解除レバー４４を押し下げてコネクタ３１を抜く。

本発明の別の実施形態によれば、モジュールは、既存のアウトレットの前面に、接着剤や粘着ステッカー等の接着材料を用いて機械的に取り付けられる。接着材料は、既存のアウトレットの、モジュールとの接触が必要である表面積の全部または一部に塗布すればよい。図５ａおよび図５ｂは、このようなモジュール５０のアウトレット４２への取り付けを示し、接着剤は、モジュール５０の特定の領域５１（網掛け部分）および／またはアウトレット４２の対向する面５２に塗布される。ほとんどの場合、接着材料による取り付けは永久的である。

一方、ベルクロ等のいわゆる面ファスナー（hook and loop fasteners）または他のあらゆる剥離可能な接合面を用いることによって、着脱可能な機械的取り付けを実現できる。この方法において、互いに接合するベルクロストリップは、既存のアウトレットおよびモジュールの対向する接触面のそれぞれに（例えば接着剤で）取り付けられる。その結果、互いに接合するベルクロストリップを並置することにより、機械的取り付けが行われる。
ベルクロファスナーを剥がす程度の力を加えれば、モジュールをアウトレットから取り外すことができる。

以上のように、本発明は、永久式および着脱式という２つの方法を機械的取り付けに用いる。接着のような永久式の場合、モジュールは、既存のアウトレットに取り付けて容易に外れないため、結合アウトレット／モジュールユニットを形成する。一方、例えば、吸着またはベルクロを用いた着脱式の場合、モジュールは、アウトレットから取り外して分離されるため、取り付け前の状態に戻ることが可能である。モジュールのアウトレットからの分離は簡単であり、素手（例えば、ベルクロの場合）でもよく、標準または特定の道具（例えば、ドライバー）を用いてもよい。

既存のアウトレットとモジュールとの電気的接続は、上記電話通信用ＲＪ−１１ジャック等のユーティリティコネクタを介してなされる。本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、コネクタは、機械的取り付けを強化するのにも役立つ。上述のように、ＲＪ−１１プラグは、モジュールに固定して取り付けられることにより、さらなる機械的支持を実現する。しかし、なかには機械的応力を意図して設計されていないコネクタもあり、このような使い方で損傷したり、または電気的接続の信頼性に影響を及ぼす可能性がある。本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、コネクタは、電気的接続に限って用いられる。この場合、モジュール内の接合コネクタは、筐体に固定されるのではなく、ケーブルを介して接続される（「ドングル」法）。図６に、ＲＪ−１１プラグ３１が、短いケーブル６１を介してモジュール６０（後部の一部分を図示）に接続されている例示的な構成を示す。モジュールを既存のアウトレットに取り付ける際は、通常、モジュール内のコネクタをアウトレット内の接合コネクタに接続した後、機械的取り付けを行う必要がある。機械的取り付けが永久的ではない場合、分離プロセスの一環として、モジュールのコネクタを抜かなければならない。

サイドクランプ
本発明の別の実施形態によれば、サイドクランプを用いることにより、モジュールは、既存のアウトレットの側面に押し当てられたモジュール部品によって取り付けられる。図７ａおよび図７ｂに、このような構成を示す。モジュール７０は、基本モジュール３０に基づいているが、アウトレット４２の縁部７２ａ、７２ｂのそれぞれと係合するように、外側に広げて緩めることができる可動サイドバー７１ａ、７１ｂをさらに有する。凹部７１ａ、７１ｂは、互いに外側に分離できるように、アウトレットの外面に弾性的に取り付けられてもよい。あるいは、アウトレット４２の縁部７２ａ、７２ｂに、外側に突出する隆起部を設けて、凹部７１ａ、７１ｂのそれぞれと係合させてもよい。その場合、凹部とそれぞれの隆起部とのスナップ嵌めを確実にするためには、アウトレット外被の弾力性に頼れば十分である。ばねを用いて、押圧力を与えてもよい。図７ｂに、アウトレット４２に取り付けられたモジュール７０を示す。図７ｂにおいて、周縁凹部７１ａ、７１ｂはアウトレットの両側の縁部に取り付けられているが、アウトレットの上側と下側の縁部にも同様に取り付けることができる。

図８ａは、偏心レバーメカニズムを構成する一対の偏心レバー８１ａ、８１ｂを有するモジュール８０を示す。図８ｂの詳細図８２に示されているように、レバー８１ｂは、軸８３を中心に回転できる。図８ｃに示すように、モジュール８０をアウトレット４２に取り付けて、２つのレバーを第１の方向（例えば、上向き）に押すことにより、レバー８１ａ、８１ｂがアウトレット４２の側面７２ａ、７２ｂにそれぞれ押し当てられて、モジュール８０をアウトレット４２に「ロック」する。レバー８１を反対の第２の方向（例えば、下向き）に回転させることにより、モジュール８０とアウトレット４２のロックを解除する。

本発明を電話アウトレットに取り付けるモジュールについて説明したが、本発明は、電力アウトレットおよびＣＡＴＶアウトレット等の他のアウトレットにも同様に適用できると理解される。図９ａに、上記サイドクランプを用いたモジュール９０の例を示す。上記モジュール７０と同様に、モジュール９０は、データコネクタ３４と、インジケータ３３ａ、３３ｂと、可動サイドバー７１ａ、７１ｂとを含む。モジュール７０の電話ジャック３２ａ、３２ｂの代わりに、ＲＦコネクタ９１が用いられる。コネクタ９１は、北米におけるＣＡＴＶシステムに共通のＦ型コネクタ、ＢＣＮ型または他のどんなコネクタでもよい。図９ｂに示すように、モジュール９０は、ＲＦコネクタ９９を有するＣＡＴＶアウトレット９２に取り付けられる。ＲＦコネクタ９９は、北米におけるＣＡＴＶシステムに共通のＦ型ジャック、ＢＮＣ型または他のどんな同軸ケーブルコネクタでもよい。上記と同様の方法で、モジュール９０は、アウトレット９２の両側の縁部７２ａ、７２ｂのそれぞれと係合する周縁凹部７１ａ、７１ｂを介して、アウトレット９２に取り付けられ、固定される。

図９（ｃ）は、短いケーブル９５を介して屈曲自在に取り付けられたＲＦプラグ９４を有するスナップ式モジュール９０を示す。しかし、プラグは、固定された状態でアウトレットに取り付けることもできる。

図１０ａに、電力アウトレットに用いるモジュールの例として、モジュール１００を示す。電力線とともに使用されることから、モジュールは、北米において一般的な２ピンの電気器具を差し込める電源ソケット１０１を含む。その他の構成は、上述した各モジュールと同様である。図１０ｂに示すように、モジュール１００は、アウトレットの電源ソケット９３に接続し、上述のように、アウトレットの側面７２ａ、７２ｂに機械的に取り付けられることにより、電力アウトレット１０２にはめ込むことができる。２ピンのアウトレットおよびプラグを示したが、同じことは、３ピンのアウトレットおよびプラグにもいえると理解される。

スナップロック
本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、モジュールは、既存のアウトレットのフェースプレートと壁との間にタブを挿入することにより、アウトレットに取り付けられる。図１１ａに、このようなモジュール１１０を示す。モジュール１１０は、モジュール３０に基づいているが、図１１ｂに示すように、２つのスイング式掛け金１１１ａ（図１１ｄに示す）、１１１ｂが追加されている。モジュール１１０をアウトレット４２に取り付けると、掛け金１１１ａ、１１１ｂが回転することにより、スナップロック作用が働く。そのため、アウトレット４２とアウトレット４２が取り付けられている壁との間に、掛け金が押し込まれる。この作用によって、図１１ｃに示すように、モジュール１１０がアウトレット４２に取り付けられる。図１１ｄに、掛け金１１１ａの詳細図１１２を示す。この例では、掛け金１１１の簡単な解除メカニズムは説明されていない。

帯／紐による固定
本発明をモジュールの一部を構成する取り付け手段について説明したが、本発明は、機械的取り付け手段が、既存のアウトレットおよびモジュールの両方から切り離される場合にも同様に適用できると理解される。ここでは、そのような方法を、例えば、固定用の紐または帯を用いることにより実証するが、これらに限定されない。

図１２ａおよび図１２ｂに、Ｕ字形の固定帯／紐１２０を示す。帯１２０は堅いが、ある程度の弾力性があり、２つの剛性接合部１２１ａ、１２１ｂを含む。帯１２０を用いてモジュール３０をアウトレット４２に押し付けると、接合部１２１ａ、１２１ｂが、アウトレット４２の背面に当接するため、機械的取り付けが確保される。

図１３ａに、接合部１２１ａ、１２１ｂが、レバー１３１ａ、１３１ｂにそれぞれ連結されている同様の帯１３０を示す。図１３ｂおよび図１３ｃに、帯１３０によってアウトレット４２に取り付けられたモジュール３０を示す。レバー１３１ａ、１３１ｂは、２つの面１２１ａ、１２１ｂを所定の位置に係止し、固定するために用いられる。あるいは、それらの圧力を緩めるために用いられ、これにより、モジュール３０をアウトレット４２から簡単に、素早く分離することを可能にする。

本発明を表面取り付け、サイドクランプ、スナップロック、紐による固定等の限られた数の取り付け方法について説明したが、本発明は、モジュールのアウトレットに対する機械的取り付けおよび電気的接続をサポートする他の方法および手段にも同様に適用できると理解される。さらに、上記方法のいかなる組合せ、または上記方法のいずれか１つと別の方法の組合せも、本発明の範囲に含まれる。

締付けねじ
一般的な既存のアウトレットは、２つの部分からなる。すなわち、アウトレットの前面に装着されたプラスチック製フェースプレートと、壁に固定されるアウトレット本体である。ほとんどの場合、フェースプレートは、１つまたは２つのねじにより、アウトレット本体に固定される。１つまたはそれ以上の実施形態において、モジュールをアウトレットに固定するために、ねじが用いられる。望ましければ、同じねじを用いて、フェースプレートをアウトレット本体に固定してもよい。図１４ａに、ねじを外した状態のアウトレットのフェースプレート４２およびねじ穴１４１ａ、１４１ｂを示す。図１４ａは、２つの貫通孔１４２ａ、１４２ｂを有するモジュール１４５も示している。ねじ１４３ａ、１４３ｂは、モジュール１４５のそれぞれの貫通孔を挿通して、アウトレット４２のねじ穴１４１ａ、１４１ｂと螺合する。これにより、モジュール１４５がアウトレット本体に固定される。ねじ１４３は、アウトレットのフェースプレートのみを固定するのに用いられるねじよりも長い。

図１４ｂに示すように、ねじ１４３を締めることにより、モジュール１４５は、アウトレット４２に機械的に取り付けられる。ねじ１４３を抜くと、モジュール１４５をアウトレット４２から分離することができる。本実施形態において、モジュールをアウトレットに取り付ける際に、アウトレットのフェースプレート４２を除いてもよい。

アダプタ
本発明を、モジュールが中間装置（接着剤を除く）を用いずに、既存のアウトレットに直接取り付けられる場合について説明したが、多くの場合、アウトレットとモジュールとの間に、別個の機械的アダプタを用いるのが有用とされる。機械的アダプタを用いる場合、アダプタは、既存のアウトレットおよびモジュールの両方に取り付けられることになる。このようなアダプタを用いる１つの利点は、アウトレットの種類ごとに異なるアダプタを用いることにより、同じモジュールを、さまざまなアウトレットの構成に取り付けられる機能にある。もう１つの利点は、機械的アダプタを取り替える必要をなくす一方、モジュールの種類を容易に交換できる機能にある。

機械的アダプタを用いる構成では、２つの機械的取り付けが必要となる。一方は、アダプタの既存のアウトレットへの取り付けであり、他方は、モジュールの機械的アダプタへの取り付けである。これらの機械的取り付けは、勿論、モジュールのアウトレットへの電気的接続の必要性に加えてなされるものである。本発明によれば、２つの取り付け、すなわち、アウトレット／アダプタおよびアダプタ／モジュールは、完全に切り離されて独立している。例えば、それぞれの取り付けは、永久的でも、着脱可能でもよい。さらに、アウトレット／アダプタの取り付けを最初に行う用途もあれば、アダプタ／モジュールの取り付けを最初に行う必要がある用途もある。

アウトレット／アダプタおよびアダプタ／モジュールの取り付けのそれぞれ、または両方とも、サイドクランプ、表面取り付け、スナップロックおよび紐／帯による固定等の上記取り付け方法のいずれか、または他のあらゆる取り付け方法および手段を用いることができる。簡略化のため、以下に、アダプタ／モジュールの取り付けのみを記載する例を説明する。

係止／スナップ嵌め
図１５ａに、本発明の例示的な係止／スナップ嵌めアダプタ１５０を示す。この例では、機械的アダプタ１５０は、接着剤等による表面取り付けを用いてアウトレットに取り付けられる。アダプタ１５０の開口部１５１は、既存のアウトレットジャックへのアクセスを可能にする。２つのスナップ嵌めコネクタが設けられ、各コネクタは、スナップ式モジュールに取り付けるため、それぞれ外側に突出するラグ１５２ａ、１５２ｂを最外面に備えた可撓タブを含む。図１５ｂに示すように、アダプタ１５０は、まず、既存のアウトレット４２に取り付けられる（例えば、接着される）。アダプタ１５０は、図１５ｂに示されたモジュール１５５と共に用いられる。モジュール１５５は、対向する面に穴が形成され（そのうちの１つ、１５６ａのみ図示）、これらの穴は、対応するラグ１５２ａ、１５２ｂと係合するように、所定の寸法に作られている。それにより、図１５ｃに示すように、モジュール１５５は、アウトレット４２にスナップ嵌めされる。

上記取り付けでは、はじめにアダプタ１５０をアウトレット４２に取り付けたが、同様な方法で、図１５ｄに示すように、はじめにアダプタ１５０をモジュール１５５に取り付けてもよい。この場合、結合したモジュール１５５／アダプタ１５０を、さらに既存のアウトレット４２に取り付ける（例えば、接着する）。

上記モジュール１５５／アダプタ１５０の取り付けが、永久的でも、分離可能でもよいことは明らかである。後者の場合、ラグ１５２を押すか、または押し下げることにより、モジュール１５５を結合したアウトレット４２／アダプタ１５０組立品から取り外す。

上記構成では、垂直方向に配置されたスロットを示したが、図１６ａ〜図１６ｄに示すアダプタ１６０のように、水平方向のスナップ嵌めコネクタも同様に用いられることは明らかである。

上記アダプタ１５０、１６０は、それぞれが２つの取り付け支持点を有するものとして説明したが、これに限定されるのではなく、２つ以上のコネクタを用いてもよいと理解される。従って、図１７ａに、アウトレット４２に取り付けられる４つのスナップ嵌めコネクタ（そのうちの２つ、１７１ａと１７１ｂのみ図示）を支持する例示的なアダプタ１７０を示す。２つのスナップ嵌めコネクタ１７１ａ、１７１ｂは上面に配置され、２つのスナップ嵌めコネクタ（図示せず）は下面に配置されることにより、合計で４つの支持点が得られる。図１７ｂに示すモジュール１７５は、アダプタのスナップ嵌めコネクタとそれぞれ係合する穴（そのうちの２つ、１７６ａと１７６ｂのみ図示）を含み、その結果、図１７ｂの分解図および図１７ｃ、図１７ｄの描画図に示すように、結合したモジュール１７５／アダプタ１７０／アウトレット４２となる。本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、スナップ嵌めコネクタの２つ（例えば、図示されていない２つの下部コネクタ）を、もう一方の対１７１ａ、１７１ｂの固定を助ける軸および案内手段として用いてもよい。

差込み（回転）係止
本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、図１８ａに示すように、回転係止メカニズムを用いる。図１８ａは、差込口／ソケット１８１を含むアダプタ１８０を示す。アダプタ１８０は、ソケット１８１との差込み嵌合のため、「解除」と「固定」の２つの位置を持つ回転プラグ１８６を含む差込み係止を用いて、着脱可能にモジュール１８０に固定されている。図１８ｂに示すように、「解除」の位置では、回転プラグ１８６を、差込口／ソケット１８１に対して、自由に挿入したり、抜いたりすることができる。図１８ｃに、アウトレット４２に取り付けられたアダプタ１８０を示す。図１８ｄに、装着前の、アウトレット４２とは間隔をあけて配置されたモジュール１８５を示す。モジュール１８５を、結合したアウトレット４２／アダプタ１８０組立品に取り付けることにより、回転プラグ１８６がソケット１８１に挿入され、ドライバーや硬貨等によって、正面（図１８ｃおよび図１８ｆに示す）から「固定」の位置へねじ込まれる。これにより、プラグ１８６が差込口１８１に差込み固定され、モジュール１８５がアウトレット４２に取り付けられる。図１８ｇに、固定された構成を示す。プラグ１８６を回転させて「解除」の位置へ戻すことにより、モジュール１８６をアダプタ１８０／アウトレット４２組立品から取り外す。プラグ／差込口を一対だけ示したが、２つ以上の差込み係止を用いてもよく、それにより、安定性および安全性が増すと理解される。

磁気アダプタ
本発明を機械的構造、力、モーメントおよびメカニズムを用いることについて説明したが、本発明は、磁力を用いる等の他のどんな取り付け方法にも同様に適用できると理解される。図１９ａに、このような実施形態の一例を示す。モジュール１９０は、２つの磁石１９１ａ、１９１ｂを含む。図１９ｂに示すように、アダプタとしての役割を果たす、磁性のまたは磁化できる金属円板１９２ａ、１９２ｂが、モジュール１９０の表面１９１とそれぞれ位置合わせをして、アウトレット４２に取り付けられる（例えば、接着される）。磁石／円板１９１ａ、１９１ｂは、金属円板１９２ａ、１９２ｂに、それぞれ磁気的に取り付けられる。これにより、モジュール１９０が、アウトレット４２に取り付けられる。１９１と１９２は、ともに極性が逆の磁性体であってもよいと理解される。同様に、モジュール１９０は、アウトレット４２上の磁気面１９１と接合する金属円板１９２を含んでもよい。

本発明を別個の独立型装置である機械的アダプタについて説明したが、本発明は、アダプタがアウトレットと一体化された場合、またはアダプタがモジュールと一体化された場合にも同様に適用できる理解される。

ホームネットワークに基づくモジュール
図２０に、ホームネットワーク環境で通常用いられるモジュール２５０の一般的な概略機能ブロック図を示す。モジュール２５０は、基本サービスと同時に、構内配線を介したネットワークを容易にするが、これをサポートする配線は、はじめから設置されていたとする。例えば、電話サービスをサポートする電話配線に接続された電話アウトレット、交流電力配電をサポートする電力配線に接続された電力アウトレット、およびＣＡＴＶ分配をサポートするＣＡＴＶケーブルに接続されたＣＡＴＶアウトレットが挙げられるが、これらに限定されない。このモジュールは、コネクタ２５１を介してアウトレットに接続する。ほとんどの場合、モジュール２５０は、データネットワーキング機能に付加される基本サービス（電話通信、交流電力またはＣＡＴＶ）を維持する必要があるので、本来のサービスを供給するためのサービスコネクタ２５３が、モジュール２５０に組み込まれている。データ／サービスのスプリッタ／コンバイナ２５２は、配線を介して搬送される基本サービス信号をデータ信号と分離（および結合）する。例えば、データとサービスが、配線を介して、それぞれ異なる周波数スペクトルの信号を用いている場合（周波数分割多重化（ＦＤＭ））、スプリッタ／コンバイナ２５２は、第１のフィルタを用いてサービス信号スペクトルを分離してサービスコネクタ２５３に結合し、第２のフィルタを用いてデータ信号スペクトルを分離して媒体モデム２５４に供給する。同様に、サービス信号およびデータ信号は、スプリッタ／コンバイナ２５２によって結合され、コネクタ２５１を介して配線に送られる。実施によっては、上記技術は、媒体モデム２５４とサービスコネクタ２５３との直接接続を可能にするため、データ／サービスのスプリッタ／コンバイナ２５２が不要となり、媒体モデム２５４およびサービスコネクタ２５３の両方が配線コネクタ２５１に直接接続される。媒体モデム２５４は、配線を介してデータを送信および受信する働きをする。電力アウトレットの場合、媒体モデム２５４は、電力線を介してデータを搬送できるようにする。同様に、媒体モデム２５４は、電話アウトレットの場合は電話配線を介したデータ搬送、ＣＡＴＶアウトレットの場合はＣＡＴＶケーブルを介したデータ搬送を可能にする。ほとんどの場合、スプリッタ／コンバイナ２５２と一緒に作動するモデム２５４は、配線を介して搬送される基本サービス信号を妨害せず、それによって妨害もされないように最適化される。

モジュール２５０は、データコネクタ２５８とインタフェースアダプタ２５６とを含む、モジュールに組み込まれたインタフェースを介して、構内配線によって搬送されるデータへのアクセスを提供する。インタフェースアダプタ２５６は、データネットワークに接続されるときに必要なインタフェースをサポートするための全ての回路を含む働きをするのに対して、実際の物理的接続には、上記データコネクタ３４に相当するデータコネクタ２５８が用いられる。一般に、直列または並列データインタフェースのいずれを用いてもよい。しかし、ほとんどの場合、コネクタ２５８だけでなく、サポートされるデータインタフェースも共通の標準データインタフェースに準拠する。このようなディジタルデータインタフェースの例として、ＩＥＥＥ８０２．３、１０／１００／１０００ＢａｓｅＴ（通常、上記ＲＪ−４５型コネクタ３４を用いる）、ＵＳＢ（ユニバーサルシリアルバス）、ＩＥＥＥ１２８４、ＥＩＡ／ＴＩＡ−２３２、ＩＥＥＥ１３９４等が挙げられる。さらに、コネクタ２５８を介してモジュール２５０にサポートされたインタフェースは、上述のディジタル式ではなく、アナログ式でもよい。以下に、インタフェース内蔵のアウトレットの例を示す。

１．アナログビデオインタフェース：アウトレットは、アナログビデオの入力、出力または両方に用いられる。このビデオは、基本サービスとして搬送されるＣＡＴＶビデオ信号と区別されるというよりも、形成されたデータネットワークの一部としてディジタル形式で搬送されるビデオ信号を伴う。アナログビデオインタフェースをサポートするアウトレットは、本出願人の特許文献２１「アナログ信号アダプタを備えたアウトレット、その使用方法およびそれを用いたネットワーク」に記載されている。このようなアウトレットにおいて、インタフェースアダプタ２５６は、アナログ−ディジタル（Ａ／Ｄ）またはディジタル−アナログ（Ｄ／Ａ）変換器を適宜含む。

２．アナログ音声（可聴）インタフェース：アウトレットは、アナログ音声の入力、出力または両方に用いられる。この音声は、基本サービスとして搬送される電話信号と区別されるというよりも、形成されたデータネットワークの一部としてディジタル形式で搬送される音声信号を伴う。このようなアウトレットにおいて、インタフェースアダプタ２５６は、アナログ−ディジタル（Ａ／Ｄ）またはディジタル−アナログ（Ｄ／Ａ）変換器を適宜含む。

３．電話インタフェース：アウトレットは、電話機に接続するために用いられる。この電話信号は、基本サービスとして搬送される電話信号と区別されるというよりも、形成されたデータネットワークの一部としてディジタル形式で搬送される電話信号を伴う。電話インタフェースをサポートするアウトレットは、本出願人の特許文献２２「パケット電話通信アダプタを備えた電話アウトレットおよびそれを用いたネットワーク」に記載されている。このようなアウトレットにおいて、インタフェースアダプタ２５６は、アナログ−ディジタル（Ａ／Ｄ）またはディジタル−アナログ（Ｄ／Ａ）変換器を適宜含む。

基本的なシナリオでは、インタフェースアダプタ２５６を、媒体モデム２５４に直接接続できる。これにより、信号の流れが、コネクタ２５８およびインタフェースアダプタ２５６を介してアウトレットに接続されたユニットから、媒体モデム２５４およびスプリッタ／コンバイナ２５２を通過し、配線コネクタ２５１を介して配線へ向かうようにする。このような場合、ハブ２５５および管理２５７は必要ない。

管理データネットワーク環境においては、ネットワーク管理機能の一部または全部をモジュール２５０に含めることが有用とされる。例えば、アウトレットを遠隔参照できるように、アドレス手段をアウトレットに組み込んでもよい。さらに別の例では、サービス測定のため、ＱｏＳ（サービス品質）ツールがアウトレットに組み込まれる。アウトレットに組み込まれたネットワーク管理機能は、以下を含むかまたはサポートする。

１．性能管理：スループット、応答時間および回線利用率等のネットワーク変数を測定し、把握する。

２．構成管理：構成情報を監視および変更して、ソフトウェア要素およびハードウェア要素の影響を把握する。

３．課金管理：ネットワーク資源を把握および調整できるように、利用率を測定する。

４．障害管理：ネットワーク運転に関する問題を効率的に検知し、ログを取り、かつユーザに通知する。

５．セキュリティ管理：ネットワーク資源へのアクセスを制御する。

ネットワーク管理機能は、任意の管理／処理ユニット２５７によってサポートされる。管理機能は、上記インジケータ３３ａ、３３ｂ等の局所的なアウトレット上の可視インジケータ（local-on outlet-visual indicators）を含むこともある。管理／処理ユニット２５７は、媒体モデム２５４、ハブ２５５およびインタフェースアダプタ２５６等のアウトレット内における全ての関連機能に結合されている。

上記ハブ１１と同一である任意のマルチポートユニット（ハブ）２５５は、アウトレット内の複数のデータストリームを媒介してもよい。基本的に、ハブ２５５は、コネクタ２５８およびインタフェースアダプタ２５６を介して接続された外部データ装置に関連するデータストリームと、媒体モデム２５４を介して配線により形成されたネットワークとの間を媒介する。

図２１に、モジュール２５０の例として、例えば、上記モジュール３０に相当する電話モジュール２６０を示すが、これに限定されない。モジュール２６０は、当該技術において公知である、稼働中の電話配線を介してデータを搬送するＨｏｍｅＰＮＡ技術に基づく。モジュール２５０のコネクタ２５１に関連するコネクタ２６１は、構内電話配線に接続するのに用いられる。コネクタ２６１は、上記コネクタ３１に相当する。一般的なモジュール２５０のスプリッタ／コンバイナ２５２は、一組の低域フィルタ（ＬＰＦ）２６２と高域フィルタ（ＨＰＦ）２６５によって実現される。同様に、一般的なモジュール２５０の媒体モデム２５４は、ＰＮＣ（電話線搬送波）モデム２６４によって実現される。コネクタ２６３は、一般的なモジュール２５０のサービスコネクタ２５３に相当する標準電話コネクタ（例えば、北米ではＲＪ−１１）である。コネクタ２６３は、上記コネクタ３２ａに相当する。

同様に、図２２に、例えば、上記モジュール１００に相当する電力線モジュール２７０の一例を示す。このモジュールは、もとの交流電力装置を保持する電力コネクタ２７３と、電力アウトレット１０２等を介して交流電力配線に接続する配線コネクタ２７１と、ＰＬＣモデム２７４とを含む。コネクタ２７３は、上記コネクタ１０１に相当する。この例では、配線、ＰＬＣモデム２７４および電力コネクタ２７３の間で分離の必要がない。従って、一般的なモジュール２５０のスプリッタ／コンバイナ２５２は不要である。なお、ＰＬＣモデム２７４の実施では、このような分離装置を用いることもある。

図２３に、一般的なモジュール２５０の別の例として、例えば、上記モジュール９０に相当するＣＡＴＶモジュール２８０を示す。コネクタ２８１は、同軸ケーブルへの接続を提供し、ＲＦコネクタ２８３を介して、ＣＡＴＶサービスが維持される。コネクタ２８３は、上記コネクタ９１に相当する。同軸モデム２８４は、媒体モデムとして用いられる。ほとんどの場合、データネットワークは、同軸ケーブルを介して搬送されるビデオチャネルの１つを用いるため、スプリッタ／コンバイナ２５２を帯域フィルタ（ＢＰＦ）２８２に置き換え、コネクタ２８３は、配線コネクタ２８１に直接接続される。コネクタ２８１は、上記コネクタ９４に相当する。

ＬＡＮ環境
本発明を、公共サービス（例えば、電話、ＣＡＴＶおよび電力）用の配線を介して形成されるネットワークについて説明したが、本発明は、専用配線によるネットワークに用いられるアウトレットにも同様に適用できると理解される。このようなシナリオでは、基本サービスは、１つのデータネットワークインタフェースである。しかし、アウトレットに対して、１つのデータ接続インタフェースの基本サービスのほかに、追加インタフェースの提供が必要となる場合もある。例えば、配線が１つのそのようなデータ接続をサポートする複数のデータインタフェースを提供してもよい。このようなアウトレットの一例として、米国カリフォルニア州サンタクララ（Santa Clara）のスリーコム社（3Com）（登録商標）により製造された「Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｊａｃｋ」（登録商標）の製品系列が挙げられる。さらに、上記アウトレットは、トンプソン（Thompson）の特許文献７「屋内における多重信号分配のための単一媒体配線方式およびそれに用いるアクセスポート」、および２００３年６月１９日に公開されたマクナマラ（McNamara）らの特許文献２３「能動壁付きコンセント」に記載されている。

図２４に、このようなモジュール２９０の機能ブロック図を示すが、これに限定されない。概略構造は一般的なモジュール２５０に似ているが、特定用途に適合させる必要がある。配線を介して１種類の信号のみが搬送されるので、データ／サービスのスプリッタ／コンバイナ２５２は不要である。単純なトランシーバ２９３が、ネットワーク配線を介して信号を送受信するのに用いられる。トランシーバ２９３ａは、コネクタ２９１を介して配線とのインタフェースをとる。データポートの「基本サービス」は、トランシーバ２９３ｂを用い、データコネクタ２９２を介して提供される。２つのトランシーバおよびアダプタ２５６（インタフェースコネクタ２５８に接続）は、全てハブ２５５を介してデータを共有している。アウトレットは、管理／処理機能２５７によって管理されてもよい。

その他の機能
本発明を、配線を介して搬送されるデータ信号へのアクセスを提供する能動（電力消費）部品（例えば、モデム）について説明したが、本発明は、上記結合を提供する受動部品のみを用いたモジュールにも同様に適用できると理解される。受動アウトレットについての実施例は、ビンダー（Binder）の特許文献１１「ローカルエリアネットワーク配線を介した電話通信システムおよび方法」に開示されている。このようなアウトレットは、米国テキサス州カレッジステーション（College Station）のキューリンクコミュニケーション社（QLynk Communication Inc.）による「ｅｔｈｅｒＳＰＬＩＴ」（登録商標）システムの一部として使用可能である。

本発明を、ディジタルインタフェースについて説明したが、本発明は、アダプタ２５６を、音声やビデオ等のアナログ信号インタフェース、アナログセンサまたはアナログアクチュエータに切り替えるモジュールにも同様に適用できると理解される。アナログ変換器内蔵の能動アウトレットは、例えば、２００３年５月８日に公開されたビンダー（Binder）の特許文献２１「アナログ信号アダプタを備えたアウトレット、その使用方法およびそれを用いたネットワーク」に記載されている。図２５に、ビデオインタフェースを備えた例示的なモジュール２８８を示す。このモジュールは、上記モジュール１００に基づく。図１０ａのモジュール１００に含まれるデータコネクタ３４は、図２５に示したビデオコネクタ（Ｆ型、ＢＮＣ型または類似のもの）２５９に置き換えられる。当該アダプタ２５６は、アナログ−ディジタル（またはディジタル−アナログあるいは両方）の機能を含む。コネクタ２５９は、モジュール２８８の一部であり、ネットワークを介してディジタル形式で搬送されるビデオ（またはあらゆるアナログ信号）に関する。ゆえに、コネクタ２５９を、ビデオが基本サービスであるため、ネットワークを介してアナログ形式で搬送される、図９に示したモジュール９０のコネクタ９１と区別しなければならない。

本発明を、ワイヤとコネクタに基づくモジュール２８８について説明したが、本発明は、データユニットが、音声、光（例えば、赤外線）および無線周波数（通常、無線と呼ばれる）等の無線インタフェースを用いるアウトレットにも同様に適用できると理解される。このようなアウトレットは、２００１年１０月２５日に公開されたビンダー（Binder）の特許文献２４「有線および無線セグメントを組み合わせたネットワーク」に記載されている。この場合、コネクタ２５８は、発光器／受光器またはＲＦアンテナ等の無線トランシーバに置き換えられる。あるいは、有線インタフェースに加えて、無線インタフェースが設けられる。図２６は、後者の描画図であり、無線インタフェースを備えたモジュール２６８を示す。このモジュールは、図１４ｂに示した上記モジュール１４５に基づく。図１４ｂのモジュール１４５におけるデータコネクタ３４に加えて、図２６では、無線インタフェースの一例として、アンテナ２６９が示されている。

本発明を、１つのネットワークインタフェース（例えば、１つのコネクタ２５８）を有するアウトレットについて説明したが、本発明は、複数のネットワークインタフェースがサポートされる場合にも同様に適用できると理解される。さらに、同じアウトレットの中で、例えば、有線ディジタルインタフェース、有線アナログインタフェースおよび無線インタフェース等の複数の種類のインタフェースを併用してもよい。同様に、本発明を、１つの基本サービス接続（例えば、電話コネクタ２６３、電力コネクタ２７３、ＣＡＴＶコネクタ２８３、またはデータネットワークコネクタ２９２）を有するアウトレットについて説明したが、本発明は、複数の接続が設けられる場合にも同様に適用できると理解される。

本発明を、ワイヤおよびケーブル等の導電媒体に基づくアウトレットおよびネットワークについて説明したが、本発明は、ネットワーク媒体が、光ファイバケーブル等の非導電性である場合にも同様に適用できると理解される。この場合、モジュール２９０のトランシーバ２９３ａを光ファイバトランシーバに置き換え、同様に、配線コネクタ２９１を光ファイバコネクタに置き換えなければならない。光ファイバケーブルに基づき、データインタフェースをサポートする能動アウトレットは、２００２年１０月１０日に公開されたチュー（Chu）の特許文献９「ファイバコンバータフェースプレートアウトレット（Fiber Converter Faceplate Outlet）」、およびトンプソン（Thompson）の特許文献７「屋内における多重信号分配のための単一媒体配線方式およびそれに用いるアクセスポート」に記載されている。従って、本願のおける「配線」という用語は、光ファイバケーブル等の非導電媒体に基づくネットワークを含むと解釈されるべきである。

モジュールへの電力供給
本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、モジュールは、能動部品（例えば、媒体モデム２５４）を含むため、電力を供給する必要がある。以下に、３つの電力供給方式、すなわちローカル給電、配線を介した電力、およびインタフェースモジュールを介した電力について説明するが、これらに限定されない。

ローカル給電
この実施では、モジュールは、能動部品に給電するために、外部電源に接続される。図２７は、こうした方法の描画図であり、上記実施形態のいずれかによるモジュール２７９を示す。一般の小さなＡＣ／ＤＣ変換器２７８が用いられ（別個の電力アウトレット１０２の電源ソケット９３に接続可能）、プラグ２９６を介してモジュールに接続される。

上記モジュールは、外部電力を内部のニーズに適合させる電力アダプタを備えてもよい。このようなアダプタは、必要とされる特定の電圧に合わせるための電圧変換（ＤＣ−ＤＣ変換器等）、保護回路（ヒューズまたは電流制限等）、調整およびノイズフィルタリングに加えて、当該技術で公知の他の機能を含んでもよい。さらに、アダプタは、外部ＡＣ／ＤＣ変換器２７８の機能を含んでもよく、これにより、モジュールを電源に直接接続することが可能となり、外部変換器２７８が不要となる。図２８に、電力アダプタ機能２９７を含むモジュール２９５の概略ブロック図を示す。電力アダプタは、コネクタ２９６を介して、外部電源から給電され、モジュール内の電力供給を受ける全ての部品に、必要な直流電力を出力する。

配線を介した電力
本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、モジュールには、配線を通じ、このモジュールが接続されたアウトレットを介して搬送される電力が供給される。電力は、別の導線を介して搬送されてもよい。この場合、同じ配線コネクタ２５１によって、異なるピンを用いることにより、電力搬送導線に接続できる。あるいは、追加の電力専用コネクタを用いてもよい。

１つまたはそれ以上の好ましい実施形態では、電力は、データネットワーク信号および／または基本サービス信号を伝送する配線を介して、同時に搬送される。図２９に、このようなモジュール２８５を概略的に示す。電力スプリッタ機能２８７は、配線を介して搬送される電力を抽出し、その電力を、外部から給電されるアダプタ２９７ではなく、電力アダプタ２８６に供給する働きをする。ほとんどの場合、電力スプリッタ２８７の動作は、同じ配線を介して搬送されるデータおよび基本サービスを妨害しない（例えば、負荷効果およびインピーダンス整合）。

このメカニズムの実施は、図２２の上記モジュール２７０について説明したように、基本サービスが交流電力である点において自明である。電力スプリッタ２８７は簡単なフィルタを含み、電力アダプタ２８６は標準ＡＣ／ＤＣ変換器（上記外部ユニット２７８と類似）を含む。

最近開発された技術は、同じ配線基盤を通じて電力および基本サービス（ならびにデータ）を同時に搬送することを可能にする。ラベンコ（Rabenko）らの特許文献１９「家庭電話線ネットワークを介して電力を供給するシステムおよび方法」は、他の信号が使用しないスペクトルの一部を利用することにより、電話通信およびデータの両方を伝送する電話配線を介して交流電力を搬送することを教示している。同様に、パワー・オーバー・イーサネット（ＰｏＥ）（別名、パワー・オーバー・ＬＡＮ）として知られ、ＩＥＥＥ８０２．３ａｆにより標準化され、かつレアー（Lehr）らの特許文献２５「構造ケーブルシステム」にも開示されている最近の技術は、重信メカニズムを用いることにより、ＬＡＮ配線を介して電力を搬送する方法を記載している。上記技術は、その他の技術とともに、上述したモジュールのいずれかへの電力供給に用いられる。電力スプリッタ２８７は、電力の搬送方式に応じて適合される。例えば、電力信号に対して異なるスペクトルを用いる場合、フィルタを用いなければならない。重信給電方式の場合、当該技術で公知なように、２つの変圧器が必要となる。

接続された電気器具を介した電力供給
上述のように、いくつかの標準データインタフェースも、そのインタフェースを介して電力を搬送する。例えば、モジュールがＵＳＢホストユニットに接続される場合、ＵＳＢインタフェースによって、当該モジュールへの給電を行ってもよい。

本発明を、１つの電源について説明したが、本発明は、複数の電源を冗長または負荷分割に用いる場合にも同様に適用できると理解される。

非ネットワーキング機能
本発明を、既存のアウトレットに、ネットワーキングに関連した機能を付加することについて説明したが、本発明は、機械的取り付けおよび電気的接続によって既存のアウトレットに付加される他のどんな機能にも同様に適用できると理解される。１つまたはそれ以上の実施形態において、付加機能は、アウトレットの一部として通常提供される機能を含む。

一例として、追加接続が挙げられる。１つのジャックを備えるアウトレットもあれば、複数の接続を有するアウトレットもある。本発明のモジュールは、接続が１つの既存のアウトレットに、追加接続を提供できる。

このような非ネットワーキング機能は、単独で備えてもよいし、上記ネットワーキング関連機能に追加してもよい。後者の場合、モジュールは、１つの筐体の中に、両方の機能を含む。

交流電力モジュール
図３０ａに、１つの電源ソケット９３を含む電力アウトレット１０２に接続可能な本発明による例示的なモジュール３００を示す。モジュール３００は、上述のサイドクランプ部品７１を用いてアウトレット９３に機械的に取り付けられ、３つの電源ソケット１０１ａ、１０１ｂおよび１０１ｃを提供する。各電源ソケットは、ソケット９３に電気的に直接接続される。ソケットの数はいくつでもよいと理解される。さらに、モジュールは、１種類のソケットから別の種類のソケット（例えば、米国式からヨーロッパ式）へ切り換えるのに用いてもよい。後者の場合、モジュールは、（例えば、１１０ＶＡＣから２４０ＶＡＣへの）電圧適合に必要な変圧器を含む。

内蔵スイッチ電源ソケットを提供することが可能な電力アウトレットもあれば、照明用途として内蔵調光器を含むことで知られるアウトレットもある。同様に、本発明のモジュールにより、このような機能を既存のアウトレットに付加できる。図３０ｂに示したモジュール３０１は、ソケット３０２に直列に接続されてその電力を切り換えるスイッチ３０４を備える。さらに、モジュールに内蔵された調光回路を制御しながら、ソケット３０３と共に作動する調光ボタン３０５を備える。望ましくは、追加機能（すなわち、切り換えおよび調光）の一方のみが提供されるべきである。また、スペースが許せば、２つ以上の追加機能を提供してもよい。

以下に、切り換えと調光のほかに、電力アウトレットで使用可能な機能であり、かつ既存のアウトレットに付加するためにモジュールに組み込むことができる機能の例を挙げるが、これらに限定されない。
・ヒューズおよび他の安全手段
・避雷および接続された電気器具を保護する他のあらゆる保護手段
・可視インジケータ
・副配線（side wiring）等の接地手段
・ファン速度制御
・ヒューズを検査し、リセットするＴＥＳＴおよびＲＥＳＥＴボタン
・電子タイマー切り換え
・赤外線人感センサ等のセンサ
・フィルタ（例えば、ノイズフィルタリング用）
・セキュリティ関連センサ（例えば、熱、浸水）
電話モジュール
図３１に、１つの電話ジャック４３を含む電話アウトレット４２に接続可能な本発明による例示的なモジュール３１０を示す。モジュール３１０は、上記方法のいずれかを用いてアウトレット９３に機械的に取り付けられ、４つの電話ジャック３１１ａ、３１１ｂ、３１１ｃおよび３１１ｄを提供する。各電話ジャックは、ジャック４３に直接接続される。これにより、４つの電話機を同じ電話線に接続できる。あるいは、ジャック４３が（異なるピンを用いて）２つ以上の電話接続をサポートする場合、電話ジャック３１１は、異なる電話線に接続されてもよい（例えば、ジャック３１１ａと３１１ｂを回線１につなぎ、ジャック３１１ｃと３１１ｄを回線２につなぐ）。このようなモジュールは、ビーヴァーズ（Beavers）の特許文献２６「複数のアウトレット電話ジャック」に記載されている。

当該技術において、ＡＤＳＬおよびＨｏｍｅＰＮＡと共に用いることで知られる、内蔵マイクロフィルタを提供することが可能な電話アウトレットもある。同様に、本発明のモジュールにより、このようなマイクロフィルタを既存のアウトレットに付加できる。以下に、切り換えと調光のほかに、電話アウトレットで使用可能な機能であり、かつ既存のアウトレットに付加するためにモジュールに組み込むことができる機能の例を挙げるが、これらに限定されない。
・避雷および接続された電話機を保護する他のあらゆる保護手段
・可視インジケータ
・赤外線人感センサ等のセンサ
・ヒューズおよび他の安全手段
・フィルタ（例えば、ノイズフィルタリング用）
非ネットワーキング機能を、電力アウトレットおよび電話アウトレットについて例示したが、本発明は、ＬＡＮアウトレットおよびＣＡＴＶアウトレットを含む、いかなる種類のアウトレットにも同様に適用できると理解される。後者の場合、複数のＣＡＴＶ接続を得るために、ＲＦスプリッタをモジュール内で用いてもよい。

組込み電気器具
本発明を、既存のアウトレットに、使用可能なアウトレット機能を付加することについて説明したが、本発明は、機械的取り付けおよび電気的接続によって既存のアウトレットに付加される他のどんな機能にも同様に適用できると理解される。特に、通常はアウトレットに接続される装置や電気器具の機能の一部または全部を、モジュールに組み込むことができる。このような構成では、ケーブルを介して、電気器具をアウトレットに接続する必要がなくなる。見た目の美しさが向上するばかりでなく、過剰に露出したケーブルは、不便かつ危険である。以下に、組込型の例をいくつか説明する。

上記装置２７８のような小さなＡＣ／ＤＣ変換器は、交流電力に電気器具を接続する手段として知られる。変換器２７８は、電力アウトレットに直接取り付けてもよいし、電力コードを介して接続してもよい。本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、変換器２７８は、モジュールに組み込まれる。変換器は、モジュールの唯一の機能として組み込まれるか、または他の機能に追加される。後者は、上記モジュール３０１に基づく、図３２ａに示したモジュール３２１により実証される。切換機能および調光機能に加えて、モジュール３２１は、さらに変換器２７８を含むことにより、装置が、ＤＣコネクタ３２２によってモジュール３２１に接続できるようにする。このようなＡＣ／ＤＣ変換器を内蔵しているアウトレットは、エッケル（Eckel）らの特許文献２７「コードレス電話アウトレット装置」に記載されている。

図３２ｂに、電力アウトレット１０２に取り付けられた電力モジュール３２３を示す。上記アウトレット１００と同様に、モジュール３２３は、３つのデータ接続３４ａ、３４ｂおよび３４ｃを提供する。モジュール３２３は、上記モジュール３２１に関して説明した電力スイッチ３０４をさらに含み、また電力スイッチ３０４によって制御される電源ソケット３０２を含んでもよい。別の実施形態では、モジュール３２３は、スイッチ３０４によって制御されるランプハウス３２４と、それに接続されるランプ３２５とを組み込んだ常夜灯機能を提供する。アドオン常夜灯装置は、アドオン独立型収納部として知られる。図３２ｂに示したように、スイッチ、ランプおよびランプハウスを含む常夜灯機能全体は、モジュール３２３に完全に組み込まれる。図３２ｂにおいて、ランプハウス３２４は、モジュールに強固に取り付けられた状態で示されているが、図３２ｃの例示的なモジュール３２７のように、可撓性のある機械的取り付けを用いてもよい。この構成では、ランプハウス３２４は、可撓ホルダ３２６によってモジュール本体に取り付けられている。照明機能を内蔵している電力アウトレットは、ブラックマン（Blackman）の特許文献２８「非常用安全灯」に開示されている。

電力アウトレットに接続される装置の別の例として、ＰＤＡ（携帯情報端末）や携帯電話等の充電器が挙げられる。この充電器は、通常、充電回路と、充電される装置用の機械的支持台とを含む。本発明の１つまたはそれ以上の実施形態において、充電器機能は、モジュールに組み込まれる。上記モジュール１００に基づく、このようなモジュール３３０の正面図を図３３ａに、背面図を図３３ｂにそれぞれ示す。モジュール１００の機能に加えて、モジュール３３０は、ＰＤＡ充電器機能を含む。モジュール３３０は、内蔵充電器のほかに、充電されるＰＤＡに電気的接続および機械的台座を提供するための差込口３３１およびコネクタ３３９をさらに含む。モジュール３３０は、交流プラグ３３２を形成する２つのピンを介して交流電力アウトレットに電気的に接続され、上記方法のいずれかによってアウトレットに取り付けられる。図３３ｃに、充電位置（モジュール３３０が交流電力アウトレットに取り付けられると仮定した場合）に配置されたＰＤＡ３３３を示す。ＰＤＡについて説明したが、例えば、図３３ｄに、モジュール３３５と共に示した差込口３３６および携帯電話３３７のように、いかなるモバイル装置でもＰＤＡの代わりになり得ると理解される。

モジュール３３０および３３５は、電力機能だけをサポートするものとして説明したが、データネットワーキングも追加できると理解される。例えば、交流電力配線が、（上述のように）データ信号も搬送する場合、電動（または充電される）装置（ＰＤＡ３３３、携帯電話３３７等）は、このデータネットワーク信号にもアクセスできるため、ネットワークにおけるアクティブノードとして作動する。このような場合、モジュールは、上記データ機能の一部または全部を含む。

モジュール３２１、３３０および３３５を、モジュールに接続される／取り付けられる装置／電気器具に電力を供給する電力モジュールについて説明したが、このような電力供給機能を他のアウトレット（例えば、電話、ＣＡＴＶおよびＬＡＮアウトレット）に含めてもよいと理解される。モジュールは、上記モジュールへの電力供給方式のいずれか１つ（またはそれらの組み合わせ）によって給電される。図３３ｅに、上記電話アウトレット２７９に基づく例示的な電話モジュール３３８を示す。モジュール３３８は、その回路への電力供給および機械的差込口３３１を介したＰＤＡ３３３への充電のために、ローカル給電される。

上記モジュールを、主として電力機能をサポートするものとして説明したが、データネットワーキングが、サポートされる主要なまたは唯一の機能であってもよいと理解される。この場合、接続される装置（ＰＤＡ３３３、携帯電話３３７等）は、配線を介して搬送されるデータ信号に結合されるため、データネットワークにおけるノードとして作動する。モジュールは、上記データ機能の一部または全部を含むが、データコネクタ（例えば、コネクタ３４）に加えて（または代えて）、それぞれの装置に接続する。さらに、ＰＤＡ３３３および携帯電話３３７の例のほかに、他のどんな装置でも、電力供給、データまたは両方がサポートされると理解される。例えば、ディジタルカメラ、ディジタル音楽プレーヤ、ディジタルビデオプレーヤおよびウェブパッド等のハンドヘルド装置またはモバイル装置が挙げられるが、これらに限定されない。

モジュール３３０、３３５および３３８を、ＰＤＡ３３３か携帯電話３３７のどちらかを保持するドッキング機能を提供するものとして説明したが、他のあらゆる機械的支持台、ドッキングユニットまたは機械的取り付け手段を用いてもよいと理解される。一般に、本発明の１つまたはそれ以上の実施形態によるモジュールは、装置（例えば、ＰＤＡ３３３および携帯電話３３７）をモジュールに機械的に取り付ける機械的手段（例えば、差込口３３１）を提供する。機械的取り付けにおいて、電気器具をモジュールに保持するために重力を用いることがある。あるいは、係合メカニズムを（単独でまたは重力に加えて）用いることにより、このような取り付けを確保することもある。上記機械的手段（モジュールのアウトレットへの取り付けに用いられる機械的手段と区別される）は、電気的接続をサポートしてもよい（上記支持台３３１が示すように、電力接続も提供する）。別の実施形態では、モジュールに備えられたコネクタを電気的接続に用いる。このような方法の明らかな利点は、電気器具および装置を、通常は一杯の机上スペースを塞ぐのではなく、壁に掛けることができることである。

ジャニク（Janik）の特許文献２９「壁スイッチ装置および電力アウトレット装置」は、ＰＤＡまたは携帯電話の架台と、内蔵された無線機能とを含む電源壁スイッチを開示している。しかし、ジャニク（Janik）が示した架台機能は、アウトレットの一部であり、アドオンモジュールとして提供されていない。さらに、ジャニク（Janik）は、電力アウトレットと、特に壁スイッチを記載しているだけであり、電話、ＣＡＴＶおよびＬＡＮアウトレット等の他の種類のアウトレットについて言及していない。

組込み電話器具
本発明を、電力消費装置を電力モジュールに組み込むことについて説明したが、本発明は、電話アウトレットに接続された装置を電話モジュールに組み込むことにも同様に適用できると理解される。以下に、このような電話アウトレットに通常接続する装置または電気器具の例を挙げる。
・留守番電話装置
・ＡＤＳＬモデムを含むＸＤＳＬモデム
・ダイアルアップモデム
・電話機
・コードレス電話（コードレス電話の親機等）
・電話勧誘販売回避装置
・発信者電話番号通知ユニット
１つまたはそれ以上の上記機能をアウトレットに組み込んでもよい。さらに、アウトレッは、上記装置のいずれかを取り付けるための機械的手段を提供してもよい。

組込みＣＡＴＶ器具
本発明を、電力消費装置または電話装置をそれぞれ電力または電話モジュールに組み込むことについて説明したが、本発明は、ＣＡＴＶアウトレットに接続された装置をＣＡＴＶモジュールに組み込むことにも同様に適用できると理解される。以下に、このようなＣＡＴＶアウトレットに通常接続する装置または電気器具の例を挙げる。
・ケーブルモデム（例えば、ＤＯＣＳＩＳに基づく）
・セットトップボックス
・ＶＣＲ
・ＤＶＤ
・テレビジョン受信機
・ＤＶＲ（ディジタルビデオレコーダ）
・ＤＲＭ（ディジタル権管理）関連装置
非技術用途
上記モジュールを、技術的機能について説明したが、本発明は、例えば、美的面の向上など、非技術用途において実施されてもよい。このような用途では、モジュールは、装飾設計の提供に限定され、必ずしも電気的または機械的機能を含まない。こうした設計は、世帯主の嗜好に合わせればよく、例えば、部屋の他の部分と調和するように用いればよい。例えば、本発明のモジュールは、独自の色、質感または装飾を有することができる。最も入手しやすいアウトレットのフェースプレートは、非常に限られた数の色と形で提供されるが、上記モジュールは、特定の色、形、質感、装飾または他のあらゆる装飾的特徴を与えることができる。さらに、色を変える必要がある場合、例えば、壁を塗る場合、上記モジュールならば、色の変更が容易になされるため、既存のアウトレットの一部または全部を取り替える必要がなく、共用配線に支障を及ぼさずに済む。

装飾（例えば、色）に加えて、モジュールは、芸術的手法で形作られてもよい。図３４ａおよび図３４ｂに、モジュールの形状、構造および他の装飾的設計の例を示す。図面は、両方とも上記電力モジュール１００に基づく電力モジュールを示しているが、電力モジュール１００に含まれる１つのデータコネクタ３４ではなく、２つのデータ通信ポート３４ａ、３４ｂを備える点が異なる。図３４ａに示した電力モジュール３４１は、電力アウトレット１０２に取り付けられ、電源ソケット１０１および可視インジケータ３３ａを備える。モジュール３４１は、「テディーベア」の顔に形作られている。このような構造および動物をテーマにした他のあらゆる形状は、子供部屋に適している。著名なスポーツ選手、音楽家または楽器等の他のテーマを用いることもできる。図３４ｂには、楕円形モジュール３４２として別の芸術的側面が示されている。モジュール３４２は、上述したタブ１１１ａ（図示せず）、１１１ｂに基づくスナップロック取り付け法を用いる。

状態インジケータ
モジュールは、上述のように、ユーザがモジュール状態を容易に観察できるようにする可視インジケータ３３ａ、３３ｂを含んでもよい。このようなインジケータは、当該技術において公知のＬＥＤ（発光ダイオード）でもよい。可視インジケータは、以下のモジュール状態を示すのに用いられる。

電力
可視インジケータは、モジュールの内部能動回路への電力供給を行うために、モジュールにおける電力の存在を示すように用いることができる。モジュールに電力を供給するさまざまな方法ついては上述されている。モジュールの電源に関わりなく（上述のように）、このような表示は、実際に電力がモジュールに届くことを確実なものにする。表示は、通常、「ＰＯＷＥＲ」または「ＯＮ」として表される。インジケータは、モジュールに給電する電力信号に直接結合されるか、または電力供給出力に結合される。後者の場合、インジケータは、電力信号の利用可能率および内部電力供給の正常動作の両方を示すように用いられる。図３５に、後者の場合を示す。モジュール３５０は、上記モジュール２８５に基づいている。モジュール３５０は、電流制限に必要な抵抗器３５１に直列に接続されたＬＥＤ３５２を含む。この構成において、ＬＥＤ３５２は、例えば、インジケータ３３ａとしてもよい。ＬＥＤ３５２は、電力アダプタ２８６の出力に接続される。従って、ＬＥＤ３５２の照明は、電力アダプタ２８６および電力スプリッタ２８７の両方の正常動作およびモジュール３５０への電力供給の存在を示す。

正常動作
可視インジケータは、モジュールに組み込まれた一部または全部の電子回路の正常動作を示すように用いることもできる。モジュール内の電子回路は、自己診断または他のあらゆる内蔵診断手段をサポートし、その診断結果は、可視インジケータにより、信号で伝えられる。

通信状態
モジュールが通信機能を含む場合、このモジュールは、利用可能率および通信の状態を示すことができる。一般に、２つの通信リンクが含まれる。一方の通信リンクは、モデム２５４が、有効な通信信号を受信することを示すために、サービス配線を介したデータ通信信号の利用可能率を参照する。例えば、宅内に２つのモジュールが設置されて、互いの間の通信が可能な場合、両方のモジュールは、サービス配線を介したネットワークの存在を示す。他方の通信リンクは、モジュールに接続されたデータユニットとモジュールとの間の通信を伴う。このような通信リンクは、適切に動作するデータユニットをモジュールのコネクタ２５８（または３４）に接続する際に、確立される。この状態表示は、イーサネットＩＥＥＥ８０２．３の１０／１００ＢａｓｅＴに基づくネットワークにおいて通常用いられる「リンクパルス（Link Pulse）」メカニズム基づくことができる。

有効なデータネットワークの存在を示すのに加えて、上記通信リンクの性能に関する情報を提供することは有用である。例えば、データ転送速度（実効または公称）は、重要なネットワークパラメータとされる。この場合、可視インジケータは、ネットワーク性能に関する情報を提供する。一般的な１０／１００ＢａｓｅＴイーサネットネットワークは、通常、システムが１０Ｍｂ／ｓまたは１００Ｍｂ／ｓモードで作動する場合に合図をする２つのインジケータを用いる。例えば、棒グラフ、数量および複数の強度レベル等の定量化された情報を提供する他のどんな可視インジケータを用いてもよい。

サービスモニタリング
モジュールは、サービスモニタリング手段を含んでもよい。この場合、可視インジケータは、サービス信号の利用可能率および状態を信号で伝える。電力モジュールの場合、交流電力（１１０または２２０ＶＡＣ）の利用可能率が検知され、表示される。電話モジュールの場合、インジケータは、電話信号の存在、「オフフック」状態の存在および呼出し状態等を反映する。同様に、ＣＡＴＶモジュールの場合、ＣＡＴＶ信号の存在が表示される。

上述した種々の状態は、それぞれ１つの専用単一状態インジケータによって示される。しかし、複雑さを低減するために、通常は信号を結合する公知の技術が用いられる。この技術は、（同じインジケータの）異なる色、異なる強度レベルおよび可変デューティサイクル等を用いる。可視インジケータについて説明したが、可聴音（独立型または可視インジケータとの組合せ）等の他の指示方法を用いてもよい。

概括
本発明を、既存のアウトレットが、単純な受動配線専用装置（simple passive wiring-only device）であり、追加機能は全てモジュールに備わっている構成について説明したが、本発明は、追加機能が、アウトレットとモジュールとの間で分割されるその他の実施形態にも同様に適用できると理解される。

本発明を、モジュールに組み込まれるさまざまな機能について説明したが、本発明は、このような機能が、単独で、共同で、または上述しなかった他の機能と組み合わされてモジュールに組み込まれるその他の実施形態にも同様に適用できると理解される。

本発明を、既存のアウトレットが、単純な受動配線専用装置であり、追加機能は全てモジュールに備わっている構成について説明したが、本発明は、追加機能が、完全にアウトレットに組み込まれるその他の実施形態にも同様に適用できると理解される。

本発明を、追加機能に必要な全ての構成要素を有するアドオンモジュールについて説明したが、本発明は、追加機能が、それぞれ必要な構成要素の一部を含む、アウトレットとアダプタとの間で分割されるその他の実施形態にも同様に適用できると理解される。さらに、構成によっては、２つ以上のモジュールが必要とされることがある。この場合、モジュールは、さまざまな構成で積み重ねたり、編成することができる。ただし、各モジュールは、アウトレットおよび他のモジュールのどちらか一方または両方に、機械的および電気的に取り付けられる。アウトレットとアドオンモジュールのいかなる組み合わせでも、新しいアウトレットとして考えられ、このアウトレットに、本発明のいずれかの実施形態による新たなモジュールを追加できる。

本発明を、既存のアウトレットについて説明したが、本発明は、当該アウトレットを、改良された特徴の一部または全部を有する新しいアウトレットと置き換える等により、アウトレットが高性能化された場合にも同様に適用できると理解される。

当業者は、開示された実施形態に関連して記載されたさまざまな例証となる論理ブロック、モジュールおよび回路が、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせを含むあらゆる数の方法で実施されることを理解するだろう。さまざまな例証となる部品、ブロック、モジュールおよび回路は、一般に、それらの機能について説明した。この機能が、ハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるかどうかは、特定の用途および全システムに対する設計上の制約による。熟練者は、こうした状況におけるハードウェアおよびソフトウェアの互換性だけでなく、特定の用途ごとに上記機能を実施する最善の方法も認識する。

以上、本発明の例示的な実施形態を説明したが、これは、添付の請求項の範囲を限定するように解釈されるべきではない。当業者は、上記実施形態に対して、さまざまな変更がなされてもよいことを理解するだろう。さらに、さまざまな技術の当業者にとって、本発明そのものが、他の課題への解決策および他の用途への適合を示唆するだろう。従って、本実施形態は、全ての面において、例証であって、限定的なものではないと考えられ、本発明の範囲を示すためには、上記説明ではなく、添付の請求項に言及するのが望ましい。

３１ ・・・サービス配線コネクタ
３２ ・・・電話ジャック
３３ ・・・インジケータ
３４ ・・・データコネクタ
４０ ・・・モジュール
４１ ・・・機械的取り付け手段
４２ ・・・アウトレット

Claims (5)

1. 配線を介して搬送される第１の信号を器具に結合するために、建物の壁の中に設置されている配線とともに用いられ、前記建物の壁の中に取り付けられた第１のアウトレットに接続された装置であって、前記第１のアウトレットは、第１のフェースプレートと、前記第１のフェースプレートに取り付けられ、かつ前記配線に接続された第１の種類の第１のコネクタとを有し、前記配線は、前記第１の信号および第２の信号を同じワイヤを介して同時に搬送するように接続されており、
   前記装置は、１つの筐体内に、
   前記第１のコネクタと接続する第２のコネクタと、
   前記第１の種類とは異なる、前記器具に接続するための第２の種類の第３のコネクタとを含み、
   前記装置は、前記第１のアウトレットの前記第１のフェースプレートに機械的に取り付け可能であり、
   前記装置は、前記第２のコネクタと前記第３のコネクタとの間に、第１のシグナルのみを通過させるように動作する装置。
2. 少なくとも部分的に建物の壁の中に設置され、電話アウトレットで終端されている既存の電話線対に、ハンドヘルドユニットを結合する装置であって、
   前記装置は、
   前記アウトレットを介して前記電話線対に接続する第１のコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットをドッキングさせるための機械的なアダプタを含む架台と、 前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際、前記ハンドヘルドユニット内の接合コネクタに接続する第２のコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットとの双方向通信のために、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとの間に結合されたトランシーバと、
   電力信号源からの電力信号を受信するように接続可能な電力ポートと、
   ＡＣ／ＤＣ変換器またはＤＣ／ＤＣ変換器からなり、ＤＣ電力供給のために前記電力ポートと前記第２のコネクタとの間に結合され、前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際に前記電力信号によって前記ハンドヘルドユニットを充電するための電力供給装置と、
   前記第１のコネクタ、前記架台、前記第２のコネクタ、および前記トランシーバを収納する１つの筐体と、を含む装置。
3. 少なくとも部分的に建物の壁の中に設置され、ＣＡＴＶ（ケーブルテレビ）アウトレットで終端されている既存の同軸ケーブルに、接合コネクタを含むハンドヘルドユニットを結合する装置であって、
   前記装置は、
   前記アウトレットを介して前記同軸ケーブルに接続する第１のコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットをドッキングさせるための機械的アダプタを含む架台と、
   前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際、前記ハンドヘルドユニット内に前記接合コネクタに接合する第２のコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットとの双方向通信のために、前記第１のコネクタと前記第２のコネクタとの間に結合されたトランシーバと、
   電力信号源からの電力信号を受信するように接続可能な電力ポートと、
   ＡＣ／ＤＣ変換器またはＤＣ／ＤＣ変換器を含み、ＤＣ電力供給のために前記電力ポートと前記第２のコネクタとの間に結合され、前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際に前記電力信号によって前記ハンドヘルドユニットを充電するための電力供給装置と、
   前記第１のコネクタ、前記架台、前記第２のコネクタ、および前記トランシーバを収納する１つの筐体と、を含む装置。
4. 少なくとも部分的に建物の壁の中に設置され、交流電力アウトレットで終端されている既存の交流電力配線に、ハンドヘルドユニットを結合する装置であって、
   前記装置は、
   前記交流電力アウトレットを介して前記交流電力配線に接続する交流電力プラグと、
   前記ハンドヘルドユニットをドッキングさせるための機械的なアダプタを含む架台と、
   前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際、前記ハンドヘルドユニット内の接合コネクタに接続するコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットとの双方向通信のために、前記コネクタに結合されたトランシーバと、
   ＤＣ電力供給のために前記ＡＣ電力プラグと前記コネクタとの間に結合され、前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際に前記交流電力配線を介して搬送された交流電力信号によって前記ハンドヘルドユニットを充電するＡＣ／ＤＣ変換器と、
   前記交流電力プラグ、前記架台、前記コネクタ、および前記トランシーバを収納する１つの筐体と、を含む装置。
5. 少なくとも部分的に建物の壁の中に設置され、ＬＡＮアウトレットで終端されている既存のＬＡＮケーブルに、ハンドヘルトユニットを結合する装置であって、
   前記装置は、
   前記アウトレットを介して前記ＬＡＮケーブルに接続するＬＡＮコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットをドッキングさせるための機械的アダプタを含む架台と、
   前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際、前記ハンドヘルドユニット内の接合コネクタに接続する第２のコネクタと、
   前記ハンドヘルドユニットとの双方向通信のために、前記ＬＡＮコネクタと前記第２のコネクタとの間に結合されたトランシーバと、
   電力信号源からの電力信号を受信するように接続可能な電力ポートと、
   ＡＣ／ＤＣ変換器またはＤＣ／ＤＣ変換器を含み、ＤＣ電力供給のために前記電力ポートと前記第２のコネクタとの間に結合され、前記ハンドヘルドユニットが前記架台に装着される際に前記電力信号によって前記ハンドヘルドが充電される電力供給装置と、
   前記ＬＡＮコネクタ、前記架台、前記第２のコネクタ、および前記トランシーバを収納する１つの筐体と、を含む装置。