JP2008201968A - ロイコ色素の安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液状で長期間保存が可能なロイコ型色素の安定化方法ならびにロイコ型色素の発色反応時の非特異的発色の軽減方法、及びこれを利用した液状で安定な試薬組成物を提供する。
【解決手段】ロイコ型色素を特定の還元剤と共存させることにより自然発色が抑えられ、溶液での安定性が格段に向上すること、また、ロイコ型色素を用いた過酸化水素との発色反応時にロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素を反応液に共存させると、非特異的な発色が抑えられ、試薬ブランク値が下がること、を見出し分析用試薬に応用した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ型色素の溶液中での安定化方法及び発色反応時の非特異的発色の軽減方法、及び前記方法を用いた分析試薬組成物に関する。
臨床検査分野において、酵素法による種々の測定法が確立されている。このうち酸化酵素を用いる場合は生成された過酸化水素を種々の酸化発色剤を用い、パーオキシダーゼ存在下に酸化的に色素を産生させその吸光度を測定する方法が従来から知られている。例えば、4−アミノアンチピリンに代表されるカップラーと各種トリンダー試薬との組み合わせが多用されている。一方、より少量の過酸化水素を高感度に検出する方法として、2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)などのロイコ化合物を用いた方法も知られている。一般に、これらロイコ型色素と総称される高感度な発色色素は、溶液状態での安定性が悪く自然発色してしまうため、試薬調製後の使用期間が短く、しかも試薬ブランクが高くなりやすい傾向があり測定精度上に問題点が生じるため、臨床検査試薬キットなどに実用化されることはほとんどなかった。
これまでに報告されているロイコ型色素の安定化方法として、特許文献1には、シクロデキストリン及びその誘導体による10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA−67)の安定化効果について報告されている。また、特許文献2には、ロイコ型色素N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA−64)を安定化するために、パーオキシダーゼ又はフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを共存させる方法が開示されている。更に特許文献3にはN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン・6Na(TPM−PS)の安定化方法が開示されている。
特許文献1によれば、短期間(10日以内)での効果は認められているが、長期間保存した場合の挙動についての記載は一切なく長期保存の効果は疑問である。また特許文献2は、波長のスペクトルのみから色素が安定であると判断しているが、これを用いて実際に過酸化水素が定量できたかについての記載は一切ない。更に、特許文献3には特定の緩衝液及びキレート剤による安定化効果が示されているが、短期間保存後の吸光度を測定し、これを単純に比例計算して1年後の結果を推定しているため根拠が希薄であり、実際に長期間保存した場合の効果に疑問があった。
一方、ロイコ型色素単独での安定化ができても、パーオキシダーゼが添加された過酸化水素発色反応時に色素が非特異的に発色してしまい正確な測定を妨げてしまうという問題点があった。すなわち、過酸化水素発色反応時にロイコ型色素とパーオキシダーゼが共存した状態では、過酸化水素が存在しなくても、非特異的な反応により経時的に試薬ブランクが増加してしまうという問題があった。
ロイコ型色素は過酸化水素の高感度検出に適しているため、液状で長期間安定なロイコ型色素の安定化方法が望まれている。
特開平01−118768号公報 国際公開第2003/033601号パンフレット 特開2005−110507号公報
本発明の課題は、液状で長期間保存が可能なロイコ型色素の安定化方法ならびにロイコ型色素の発色反応時の非特異的発色の軽減方法、及びこれを利用した液状で安定な試薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ロイコ型色素を特定の還元剤と共存させることにより自然発色が抑えられ、溶液での安定性が格段に向上することを見出した。
また、ロイコ型色素を用いた過酸化水素との発色反応時にロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素を反応液に共存させると、驚くべきことに非特異的な発色が抑えられ、試薬ブランク値が下がること、かつ試薬ブランク値のバラツキも大きく軽減し測定精度が飛躍的に向上することを見出した。
さらに、本発明を、分析試薬へ応用し、糖化蛋白質であるヘモグロビンA1cの酵素的測定法において、液状で安定な試薬組成物を完成するに到った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
(1)ロイコ型色素を、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤と共存させることを特徴とするロイコ型色素溶液の安定化方法。
(2)ロイコ型色素が10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン 6ナトリウムである前記(1)記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
(3)ロイコ型色素の溶液中での濃度が0.01〜2mMである前記(1)又は(2)に記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
(4)還元剤の溶液中での濃度が0.005〜10mMである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
(5)還元剤が、システイン、システアミン、N−アセチルシステイン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
(6)0.005〜10mMの還元性チオアルコール類又は還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤と、0.01〜2mMの10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン・6ナトリウムからなるロイコ型色素の液状組成物。
(7)還元剤が、システイン、システアミン、N−アセチルシステイン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上である前記(5)に記載の液状組成物。
(8)ロイコ型色素を用いたパーオキシダーゼ共存下での過酸化水素発色反応において、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素を共存させることを特徴とするロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
(9)ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素の極大吸収波長が、400nm〜550nmの範囲である前記(8)に記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
(10)ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素が、オレンジG、オレンジII、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号より選ばれた1種以上である前記(8)又は(9)に記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
(11)ロイコ型色素が、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン 6ナトリウムである前記(8)〜(10)のいずれかに記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
(12)ロイコ型色素を、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有しかつ過酸化水素とは反応しない別の色素と、共存させた状態で過酸化水素と反応させることを特徴とする過酸化水素定量方法。
(13)ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素とパーオキシダーゼを含む一の試薬と、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤とロイコ型色素を含む一の試薬を組み合わせたことを特徴とする過酸化水素を定量するための試薬。
(14)前記(13)記載の過酸化水素を定量するための試薬を用いた液状で安定な糖化蛋白質測定用試薬。
(15)ロイコ型色素として10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン 6ナトリウム、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤及び糖化蛋白質に作用するプロテアーゼを含む一の試薬、パーオキシダーゼ、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素及びケトアミンオキシダーゼを含む一の試薬を組み合わせてなる前記(14)記載の糖化蛋白質測定用試薬。
(16)糖化蛋白質がヘモグロビンA1cであり、第一試薬で総ヘモグロビンを定量、第二試薬でヘモグロビンA1cを定量し、総ヘモグロビン量に対するヘモグロビンA1c量の割合を求めるための前記(14)記載の糖化蛋白質測定用試薬。
(17)プロテアーゼ反応促進剤、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用するケトアミンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、トリンダー試薬、アスコルビン酸酸化酵素及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素を含む第一試薬と、ヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム、シクロデキストリン類及び還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤を含む第二試薬とからなる前記(16)記載の糖化蛋白質測定用試薬。
(18)プロテアーゼ反応促進剤、ヘモグロビンA1cに作用してヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム、カタラーゼ、シクロデキストリン類及び還元剤を含む第一試薬、ケトアミンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない色素を含む第二試薬とからなる前記(16)記載の糖化蛋白質測定用試薬。
(19)プロテアーゼ反応促進剤が、N−アシルアミノ酸(塩)またはN−アシルタウリン(塩)から選ばれた陰イオン界面活性剤であり、ケトアミンオキシダーゼがネオコスモスポラ属またはカーブラリア属由来であり、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない色素が黄色4号又は赤40号又は赤102号であり、ヘモグロビンA1cに作用してヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼがバチルス属又はリゾバクター属由来であり、シクロデキストリン類が2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであり、トリンダー試薬がALPS又はADPSであり、還元剤が亜硫酸ナトリウムであり、血球を水により溶血させ、これを検体として用いることを特徴とする前記(17)記載の糖化蛋白質測定用試薬。
(20)全血中の糖化蛋白質を測定するための測定試薬であって、さらに、第一試薬にケトアミンオキシダーゼを含む前記(17)に記載の糖化蛋白質測定用試薬。
本発明は、ロイコ型色素の溶液中での安定化方法及び発色反応時の非特異的発色の軽減方法、及び前記方法を用いた糖化蛋白質分析試薬組成物を提供する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
一般に、還元剤は、ロイコ型色素などの酸化発色色素とパーオキシダーゼによる過酸化水素の発色反応を阻害し、発色強度の低下を引き起こすことが知られている。従って、還元剤添加によってロイコ型色素が安定化されても、発色強度が低下してしまい実用的でない場合も考えられる。この還元剤による発色阻害の程度は、酸化発色色素の種類によって異なるので、本発明に用いることのできるロイコ型色素は、安定化剤として加える還元剤により発色の阻害を受けにくいか、あるいは低濃度の還元剤によっても安定化効果が認められるものであることが望ましい。
本発明に使用できるロイコ型色素の好適な例としては、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA−67)又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン 6ナトリウム(TPM−PS)が挙げられる。ロイコ型色素の濃度は例えば0.005〜10mM、好ましくは0.02から3mMの範囲、さらに好ましくは0.05から1mMの範囲である。
次に、本発明に用いることのできる還元剤として、還元性チオアルコール類や還元性硫酸塩類が挙げられる。
還元性チオアルコール類としては、チオグリセロール、システイン、N−アセチルシステイン、システアミン塩酸塩(2−アミノエタンチオール塩酸塩)が、また、還元性硫酸塩類としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ニ亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸カリウムなどが挙げられる。これらは、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
これら還元剤の濃度は、選択された還元剤による発色阻害の程度と安定化の程度を実験的に確認し、対象とする非測定物の濃度範囲を参考にその濃度を設定すればよいが、例えば0.005〜10mM、好ましくは0.02から3mMの範囲である。
更に、シクロデキストリン及びその誘導体などの従来から知られている安定化剤と組み合わせることによって、相乗的な効果も期待できる。
このようにロイコ型色素を還元剤と共存することにより、溶液状態で長期間着色しないロイコ型色素の安定化が達成された。これにより、実用的でより精度の高い分析試薬への応用が可能となったが、この場合の好適な例としては2種類の試薬に分け、一方に本発明のロイコ型色素と還元剤を共存させた溶液を、他方にパーオキシダーゼ溶液を用いればよい。
一方、先に述べたように、ロイコ型色素の安定化ができても、パーオキシダーゼが添加された過酸化水素発色反応時にロイコ型色素が非特異的に発色してしまい正確な測定を妨げてしまうという問題点があった。すなわち、過酸化水素発色反応時のロイコ型色素とパーオキシダーゼが共存した状態で過酸化水素が存在しなくても、非特異的な反応により経時的に試薬ブランクが増加してしまう。通常、発色強度を定量的に測定するためには、反応溶液に光を当てて、個々の酸化色素に特有な波長での吸光度を測定する分光分析法が用いられる。例えば、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA-67)の場合は660nm付近に、また、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン・6Na(TPM-PS)の場合は600nm付近に極大吸収波長を持つ。
本発明者らは、試薬ブランクが分析装置の光源ランプの強さや光路長などによって大きく影響を受けるのは、吸光度を測定するために光源として照射する光が、試薬ブランクの一因になっているのではないかと考え、このことを確認するために仕様が異なる2種類の自動分析装置を用いて検討したところ、実際に試薬ブランクの値が大きく異なることを見出した。試薬ブランクの値は、分析装置の仕様、例えば、主に光源ランプの出力、反応液に照射される光量に大きく左右されることが判明したが、実用上、試薬ブランクが大きければ大きいほど、結果的に測定精度が悪くなってしまうという問題点が生じる。このことは、たとえ特定の還元剤を共存させてロイコ型色素を溶液中で安定化させることができても、パーオキシダーゼが共存して実際の発色反応が進行する時には、光源ランプを照射して分光分析法にて吸光度をモニターする過程で光源ランプの影響を受け、結果として非特異発色として試薬ブランクが増大し測定精度が悪くなると考えられた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を加えた結果、ロイコ型色素を用いた過酸化水素の発色反応時に測光時の光源ランプの影響を軽減するため、400〜550nm付近に極大吸収波長を有する色素を反応液に共存させると、驚くべきことにこの非特異的な発色が抑えられ、試薬ブランク値が下がること、かつ試薬ブランク値のバラツキも大きく軽減し測定精度が飛躍的に向上することを見出した。
本発明でいうロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない色素とは、自らパーオキシダーゼによる酸化発色反応を起こさないこと、またロイコ型色素とパーオキシダーゼによる過酸化水素発色反応に影響を及ぼさないこと、つまりロイコ型色素発色時の極大吸収波長と干渉しない色素をいう。具体的には、上に示した400〜550nm付近に極大吸収波長を有する色素を適宜選択すればよい。
本発明に用いることのできる400〜550nm付近に極大吸収波長を有する色素としては、例えば食用色素が挙げられ、このうち合成食用色素として、食用赤色2号(アマランス、極大吸収波長 508nm)、食用赤色3号(エリスロシン、極大吸収波長 526nm)、食用赤色40号(アルラレッドAC、極大吸収波長 499nm)、食用赤色102号(ニューコクシン、極大吸収波長 428nm)、食用赤色104号(フロキシン、極大吸収波長 538nm)、食用赤色106号(アシッドレッド、極大吸収波長 508nm)、食用黄色4号(タートラジン、極大吸収波長 428nm)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、極大吸収波長 482nm)などが、また、食用色素以外の色素でも、オレンジG(極大吸収波長 480nm)、オレンジII(極大吸収波長 480nm)などを用いてもよい。更に、天然食用色素として知られているコチニール色素、タマネギ色素、ベニバナ黄色素、クチナシ赤色素等を用いることもできる。
これら400〜550nm付近に極大吸収波長を有する色素の好適な濃度は、例えば0.005〜3mM、好ましくは0.02から1mMの範囲であるが、これに限定されるものではない。また、2種以上の色素を組み合わせて用いることもできる。
これら400〜550nm付近に極大吸収波長を有する色素は、本発明に用いる還元剤により安定化されたロイコ型色素溶液と共存させても、またパーオキシダーゼ溶液と共存させてもよい。
発明者らは上記記載のように、鋭意検討した結果、(1)還元剤を共存させることによって液状でのロイコ型色素の安定化が達成され、さらに(2)ロイコ型色素の吸光度測定波長に影響を与えない400〜550nm付近に極大吸収波長を有する別の色素を発色反応時の液に共存させることにより、ロイコ型色素の非特異的な発色を抑止し、これにより測定精度の高く実用性にすぐれた液状で長期間安定なロイコ型色素を含む過酸化水素定量用試薬組成物を完成するに到った。
本発明による分析試薬組成物への応用については、測定対象物が定量的に過酸化水素に変換できる反応系であれば特に限定はされない。
ここでは、好適な例として 糖化蛋白質であるヘモグロビンA1cの酵素的な測定法への応用を挙げる。ヘモグロビンA1cの酵素的な測定法及び測定用酵素についてはこれまでに以下のとおり種々報告されている。
特許第303468公報 国際公開第2002/06519号パンフレット 国際公開第2005/56823号パンフレット 特開2001−95598号公報 特開2003−235585号公報 特開2005−110657号公報 国際公開第2005/49857号パンフレット 国際公開第2004/104203号パンフレット 国際公開第2006/013921号パンフレット Clinical Chemistry 49(2):269−274(2003) Clinical Chemistry and Laboratory Medicine 40(1):78−89(2002) 臨床検査 46(6):729−734(2002)
<糖化ヘモグロビン>
ヘモグロビンがメイラード反応により糖化されたアマドリ化合物のことをさし、α鎖及
びβ鎖N末端のバリンのα−アミノ基や分子内のリジンのε−アミノ基が糖化されている
と言われている。糖化ヘモグロビンのフラグメントとは糖化ヘモグロビンが分解されるこ
とによりできるペプチドのことをいう。
<ヘモグロビンA1c>
国際的に標準とされる定義において、ヘモグロビンA1cとはヘモグロビンβ鎖N末端
のバリンのα−アミノ基が糖化されたヘモグロビンであるとされている(非特許文献2)
<ケトアミンオキシダーゼ>
ケトアミン構造をもつ化合物に作用して過酸化水素を発生させる酵素のことで、別名フ
ルクトシルアミンオキシダーゼともいう。
一般的にヘモグロビンA1cはプロテアーゼ、ケトアミンオキシダーゼを用いて定量されるが、国際的に標準とされる定義において、ヘモグロビンA1cとはヘモグロビンβ鎖N末端のバリンのα−アミノ基が糖化されたヘモグロビンであるとされているため、その特異性が課題となる。ヘモグロビンにおいて、β鎖N末端のバリン以外にα鎖N末端のバリンや、分子内のリジンのε−アミノ基が糖化されているため、これらのものを測定せずに、ヘモグロビンA1cのヘモグロビンβ鎖N末端の糖化バリン部位のみを選択的に定量しなければならない。このための酵素として、ある特定の生成物を切り出すプロテアーゼ又はある特定のペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼが数多く見出されている。
しかしながら特定の生成物を切り出すプロテアーゼといっても、ヘモグロビンを基質とした場合、目的とする生成物以外にも多かれ少なかれ通常は他のペプチド又はアミノ酸も生成する。ある特定のペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼについても同様で、作用する基質はその他複数種あるのが通常である。すなわちこれらの特異性の高いといわれる酵素を用いても、ヘモグロビンからプロテアーゼにより切り出される生成物は複数種あるため、プロテアーゼ単独の特異性もしくは、ケトアミンオキシダーゼ単独の特異性のみでヘモグロビンA1のβ鎖N末端の糖化バリン部位だけを測り分けたという報告はこれまでにはなく、特定のプロテアーゼと特定のケトアミンオキシダーを組み合わせて用いることによって実質的にヘモグロビンβ鎖N末端の糖化バリン部位に対する特異性を高めた方法が報告されている。
例えば、特許文献7〜12には、プロテアーゼによりヘモグロビンβ鎖N末端より糖化バリルヒスチジンを切り出し、これに作用するケトアミンオキシダーゼを用いて測定する方法が開示されている。また、特許文献11によれば、プロテアーゼの基質特異性の確認方法として、例えばヘモグロビンのα鎖N末端及びβ鎖N末端5残基の糖化ペプチドを用いて、β鎖N末端の糖化ペプチド、例えば糖化バリルヒスチジン、糖化バリルヒスチジルロイシン、糖化バリルヒスチジルロイシルスレオニンのみが生成され、α鎖N末端由来の糖化バリルロイシン、糖化バリルロイシルセリン、糖化バリルロイシルセリルプロリンを生じないプロテアーゼが挙げられる。
またヘモグロビンA1cは、糖化されないものに対する糖化されたものの割合(%)として測定されるため、前記ヘモグロビンA1c濃度の測定のみならず、総ヘモグロビンの測定も必須である。
こうして測定された、総ヘモグロビン濃度、HbA1c濃度の比からヘモグロビンA1cの割合、すなわちヘモグロビンA1c(%)が計算される。
総ヘモグロビンについては、シアンメトヘモグロビン法等、これまでに種々の測定法が報告されているのでヘモグロビンA1c濃度の測定とは別個に測定することもできるが、望ましくは、同一反応槽で測定できることである。
例えば、特許文献12にはヘモグロビンを変性させその色調を変化させるプロテアーゼ反応促進剤及びこれをプロテアーゼ、ケトアミンオキシダーと組み合わせた同一反応槽でのHbA1c測定例が記載されている。
我々は、本発明を上記特異的なヘモグロビンA1c (以下、HbA1cということがある)測定方法と組み合わせることにより実用性にすぐれたHbA1c測定試薬を完成するに到った。すなわち、例えば特許文献11記載の特異性の高いプロテアーゼ及びケトアミンオキシダーゼを用いて、一方の試薬に過酸化水素と反応しない色素、パーオキシダーゼ及びケトアミンオキシダーゼを含有させ、他方に還元剤、ロイコ型色素及びプロテアーゼを含有させた2種類の試薬から構成される液状で安定なHbA1c定量用試薬を完成するに到った。
以下、より好適な例を述べる。HbA1c定量用試薬は、2種類の液状試薬から構成され、以下の組み合わせ方が挙げられる。
(組み合わせ1)
第一試薬:
プロテアーゼ反応促進剤
1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用するケトアミンオキシダーゼ
パーオキシダーゼ
トリンダー試薬
過酸化水素と反応しない色素
第二試薬:
HbA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ
10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム
シクロデキストリン類
還元剤
(組み合わせ2)
第一試薬:
プロテアーゼ反応促進剤
HbA1cに作用してHbA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ
10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム
カタラーゼ
シクロデキストリン類
還元剤
第二試薬:
フルクトシルアミンオキシダーゼ
パーオキシダーゼ
過酸化水素と反応しない色素
本発明のHbA1c定量用試薬は、上記組み合わせのいずれかの組成物を用いることができ、第一試薬で総ヘモグロビンを定量し、第二試薬で糖化されたβ鎖N末端から切り出された1−デオキシフルクトシル−バリン−L−ヒスチジンを定量することにより、総ヘモグロビン量に対するヘモグロビンA1cの割合を求め、HbA1cに特異的な液状で安定な測定試薬を完成させるに到った。
なお、ここで、ロイコ型色素として、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウムの代わりにN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン・6ナトリウムを用いることも出来る。
ここで、プロテアーゼ反応促進剤とは、酢酸基を含む化合物又はその塩、N−アシルタウリン又はその塩、若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸又はその塩であり、より具体的には特許文献12に記載されている。好適な例としては、ラウロイルサルコシンナトリウム(商品名:サルコシネートLN、日光ケミカル株式会社)、ミリストイルサルコシンナトリウム(サルコシネートMN)ラウロイルメチルアラニンナトリウム(アラニネート LN−30)などが挙げられる。
また、組み合わせ1におけるトリンダー試薬は、第一試薬中に持ち込まれる過酸化物を消去し、試薬ブランクを軽減させるためのものであり、例えば、N,N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン(TODB)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADPS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン(ALPS)、MAPS、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOPS)、N−(3−スルホプロピル)アニリン(HALPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADOS)、ALOS、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAPS)、HDAPS、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)などを用いることができ、その添加濃度としては、0.05〜1mMである。また、組み合わせ1において、アスコルビン酸の影響を軽減するためにアスコルビン酸オキシダーゼを添加することもでき、また胆汁酸塩などの界面活性剤や塩を適宜加えることもできる。
また、組み合わせ2において、カタラーゼは、過酸化物を消去し試薬ブランクを軽減させるためのものであり、容易に入手が可能な牛肝臓由来の市販酵素(シグマなど)を用いればよく、その好適な濃度は、100〜2000u/mlである。
このようにして調製された液状試薬を用い糖化ヘモグロビンA1cの糖化されていないヘモグロビンに対する割合を測定するためには、抗凝固剤入り採血管で採取された血液を 遠心分離して血球部分を沈降させ、これを市販の溶血希釈混和装置などを用いて、水で適宜希釈することにより溶血させたものを検体として用い、測定すればよい。
また、特に、組み合わせ1の場合は、全血を測定する場合に妨害物質の影響を回避できて望ましい。すなわち、血漿からの想定される妨害成分として、アスコルビン酸、ビリルビン、乳びの他に内在性の糖化ペプチドが挙げられる。従って、血漿成分からのアスコルビン酸等の影響を回避するためにアスコルビン酸酸化酵素及びケトアミンオキシダーゼを第一試薬に加えることにより、内在性の糖化ペプチド、アスコルビン酸を処理することができ血漿成分に混入する妨害成分の影響を回避できる。
このように本発明によれば、遠心分離血球だけでなく、全血そのものでの測定も可能であり、これにより遠心分離操作が不要な簡便な測定も可能となる。
ついで、本発明の実施例を詳しく述べるが、本発明はなんらこれにより限定されるものでない。
〔実施例1〕 還元剤の効果
ロイコ型色素溶液として0.2mM DA−67を含んだ40mM Tris−HCl(pH7.1)溶液(以下、DA−67溶液ということがある)に、還元剤としてN−アセチルシステイン、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、2メルカプトエタノール、ジチオスレイトールを各々1mMおよび10mMになるように加え(ジチオスレイトールのみ1mMだけ)37℃にて4日間遮光保存した。これらの溶液について調製直後と37℃、4日保存後の660nmの吸光度を測定することにより、保存前後のロイコ型色素溶液そのものの着色度を判定した。
また別に、10u/mlのパーオキシダーゼ(シグマ社製)を含む40mM Tris−HCl(pH7.1)溶液を調製し、これに50μMの過酸化水素溶液を添加し予め37℃に5分加温した後660nmの吸光度を測定し、上記還元剤を添加したDA−67溶液0.2mlを加え、混合後5分後の吸光度から差し引いた値を発色強度として観測した。ここで、過酸化水素を添加しないものを試薬ブランクとした。結果を表1に示す。
表1からわかるように、還元剤の添加がない場合のDA−67単独溶液の初期吸光度は4日後に1934(mAbs)であったのに対して、各還元剤添加系においては発色強度が小さかった。尚、過酸化水素発色強度の相対%は0日目の還元剤無添加の発色強度を100%としたときのものである。
Figure 2008201968
〔実施例2〕 還元剤の効果
ロイコ色素溶液として0.1mM TPM−PS(同仁化学製)を含む40mM PIPES緩衝液(pH7.0)に各種還元剤を加え、37℃にて半年間、遮光保存した。TPM−PSによる過酸化水素発色の極大波長付近である600nmの吸光度を測定し、表2の結果を得た。検討に用いた還元剤のなかで、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムに非特異的な発色を抑制する顕著な効果が認められた。
Figure 2008201968
〔実施例3〕 還元剤の効果
ロイコ型色素溶液として0.2mM DA−67(以下、DA−67溶液ということがある)および2%ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリンを含んだ40mMPIPES(pH6.5)溶液に、還元剤としてN−アセチルシステイン、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、チオグリセロールを各々1mM、2mM、5mMおよび10mMになるように加え37度にて7日間遮光保存した。これらの溶液について調製直後と37℃、7日保存後の660nmの吸光度を測定することにより、保存前後のロイコ型色素溶液そのものの着色度を判定した。次に、日立7170S型自動分析装置を用いて、試薬ブランクと発色強度を調べた。すなわち、10u/mlのパーオキシダーゼ(シグマ社製)、5u/mlケトアミンオキシダーゼ(カーブラリア・クラベータYH923由来)を含む40mM Tris−HCl(pH7.5)溶液0.18mlに、50μMの糖化バリルヒスチジン(F−VH:ペプチド研究所)0.02mlを加え、37℃に5分加温した後660nmの吸光度を測定した(A1)。次に上記各濃度の還元剤を含むDA−67溶液0.045mlを加え、混合後5分後の吸光度A2からA1を差し引いた値を発色強度として観測した。ここで、F−VHを添加しないものを試薬ブランクとした。結果を表3に示す。
表3からわかるように、F−VH を基質とした場合のDA−67溶液の発色強度は、還元剤を添加したものでは、還元剤の濃度依存的に小さくなる傾向を示した。10mMの二亜硫酸ナトリウムを除き、いずれの還元剤についてもその濃度が10mMまでは、発色強度は還元剤無添加のときを100%とした場合に、80%以上であった。また、37℃4日後の試薬ブランクは還元剤無添加に比べ、いずれの還元剤についてもその濃度依存的に小さくなることが示された。尚、F−VHの相対%は0日目の還元剤無添加の発色強度を100%としたときのものである。
Figure 2008201968
〔実施例4〕 還元剤の効果
(第一試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
0.2% OP−10FF−0(日光ケミカルズ株式会社)
0.04mM DA−67
1mM 塩化カルシウム
400u/ml カタラーゼ
2% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン
各種還元剤
(第二試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
30u/ml FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
90u/ml パーオキシダーゼ
日立7170S型自動分析装置を用い、以下のパラメータで測定した。

(DA−67溶液の着色度測定)
検体に蒸留水を用いて、検体/第一試薬:2μl/200μlで混合。測光ポイントは8ポイント目の1ポイント測定。主波長660nm。

(糖化バリルヒスチジンの感度(発色強度)測定(F−VHの定量))
検体/第一試薬/第二試薬:20μl/180μl/45μl。測光ポイントは16、34ポイントの2ポイント。主波長660nm、副波長800nm。

(操作)
DA−67を含む第一試薬に各種還元剤を加え、茶褐色のガラス容器に入れ、37℃で保存する。第一試薬に還元剤としてそれぞれチオグリセロール(2mM)、N−アセチルシステイン(2mM)、チオ硫酸ナトリウム(5mM)を添加した。還元剤添加後3日目、7日目にサンプリングし、着色度、試薬ブランク、糖化バリルヒスチジン(F−VH )の感度(発色強度)を測定した。
表4に示したように、第一試薬の着色度は、還元剤非添加のものに比べて、還元剤を添加したものが、チオ硫酸ナトリウム、チオグリセロール、N−アセチルシステインの順に低くなった。一方、試薬ブランクについても還元剤の添加効果が認められ、チオ硫酸ナトリウムにその効果が最も大きかった。還元剤添加時の、糖化バリルヒスチジンの発色強度は、還元剤非添加のそれを100%とした場合、75〜89%を示した。
Figure 2008201968
〔実施例5〕 還元剤の組み合わせの効果
(第一試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
0.02mM DA−67
1mM 塩化カルシウム
800u/ml カタラーゼ
4% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン
還元剤
(第二試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
30u/ml FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
90u/ml パーオキシダーゼ

実施例4で、DA−67含有試薬の着色度抑制効果の大きかったN−アセチルシステインと、試薬ブランク抑制効果の高いチオ硫酸ナトリウムの組み合わせ効果を確認した。還元剤は第一試薬に含まれる。
日立7170S型自動分析装置を用い、以下のパラメータで測定した。

(DA−67溶液の着色度測定)
検体に蒸留水を用いて、検体/第一試薬:2μl/200μl、測光ポイントは8ポイント目の1ポイント測定。主波長660nm。

(糖化バリルヒスチジンの定量)
検体/第一試薬/第二試薬:20μl/180μl/45μl。測光ポイントは16、34ポイントの2ポイント。主波長660nm、副波長800nm。

(操作)
DA−67を含む第一試薬に還元剤としてN−アセチルシステインとチオ硫酸ナトリウムの濃度をそれぞれ0.5〜2mM、3〜9mMになるように組み合わせて加え、茶褐色のガラス容器に入れ、37℃で保存する。調製初日、7日目にサンプリングし、着色度、試薬ブランク、糖化VHの感度を測定した。表5に示したように、還元剤無添加の反応液に比べて、N−アセチルシステインとチオ硫酸ナトリウムの組み合わせは、いずれの系列においても顕著な効果を示した。最適な濃度は、N−アセチルシステインが1.5または2mMでチオ硫酸ナトリウムが5mMの時であった。
Figure 2008201968
〔実施例6〕 還元剤以外の他の安定化剤との組み合わせの効果
(第一試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
0.02mM DA−67
1mM 塩化カルシウム
1% MMT(日光ケミカル株式会社)
800u/ml カタラーゼ
10% エチレングリコール
5ku/ml ニュートラルプロテアーゼ(バチラス・エスピー由来:東洋紡社製)
還元剤、ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン
(第二試薬)
40mM Tris−HCl(pH7.5)
30u/ml FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
90u/ml パーオキシダーゼ

還元剤としてN−アセチルシステインと、チオ硫酸ナトリウムを用い、更にヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリンを組み合わせて用いた。還元剤およびヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリンは第一試薬に含まれる。日立7170S型自動分析装置を用い、以下のパラメータで測定した。

(DA−67溶液の着色度測定)
検体に蒸留水を用いて、検体/第一試薬:2μl/200μl、測光ポイントは8ポイント目の1ポイント測定。主波長660nm。

(糖化−バリルヒスチジンの定量)
検体/第一試薬/第二試薬:20μl/180μl/45μl 測光ポイントは16、34ポイントの2ポイント。主波長660nm、副波長800nm。

(ヘモグロビンβ鎖N末端糖化ペンタペプチドの定量)
ヘモグロビンβ鎖N末端のアミノ酸配列を参考に、5アミノ酸からなる1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジル−L−ロイシル−L−トレオニル−L−プロリン(以下、ヘモグロビンβ鎖N末端糖化ペンタペプチド(糖化VHLTP)ともいう)を合成し、これを基質として用いた。

(操作)
DA−67を含み、N−アセチルシステインとチオ硫酸ナトリウムの濃度が2mM、5mMを含む第一試薬に、ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン濃度が2〜5%になるように加え、茶褐色のガラス容器に入れ、37℃で保存する。調製初日、3日目、7日目にサンプリングし、着色度、試薬ブランク、糖化VH、糖化VHLTPの感度を測定した。表6に示したように、還元剤無添加の反応液に比べて、還元剤としてN−アセチルシステインとチオ硫酸ナトリウムを用いたものは対照に比べて試薬の着色が殆ど認められなかった。また、還元剤と組み合わせれば、ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリンの量は2%以上であれば充分であった。
Figure 2008201968
〔実施例7〕 亜硫酸ナトリウム量の検討
(第一試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
500mM NaCl
1.0mM CaCl
0.05% NaN
0.1mM ADPS
3.0% アラニネートLN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
0〜3.0mM 亜硫酸 Na
0.10mM DA−67
12ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)

日立7170S型自動分析装置を用い、以下のパラメータで測定した。
測定モードとして、「2ポイント」を選択し、第二試薬添加後のHbA1c濃度または糖化VHLTP濃度を測定した。測光ポイントは16、34ポイントの2ポイント。主波長660nm、副波長800nm。

(第二試薬の着色度の測定)
検体に蒸留水を用いて、検体/第二試薬:20μl/200μl、測光ポイントは8ポイント目の1ポイント測定とした。主波長660nm。(ヘモグロビンコントロールの定量)
亜硫酸ナトリウムを3mMまで変化させた第二試薬を用いて、市販のヘモグロビンコントロールL(4.8%)、ヘモグロビンコントロールH(10.5%)、および50μMの糖化VHLTPをサンプルに用い、着色度、試薬ブランク、HbA1cまたは糖化VHLTPの感度を試薬調製初日、冷蔵および37℃で10日間まで保存したものを、測定した吸光度変化量を表7に示した。亜硫酸ナトリウム濃度依存的に、DA−67の安定化が図れた。一方、感度も亜硫酸ナトリウム濃度依存的に低下したが、亜硫酸3mMのときの感度低下率は約25%と実用上問題はなかった。
Figure 2008201968
〔実施例8〕 長期保存における還元剤の効果
(第一試薬)
実施例7に同じ
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
無添加 または 2mM 亜硫酸Na
0.10mM DA−67
12ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)
日立7170S型自動分析装置を用い、以下のパラメータで測定した。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一反応で総Hb濃度を、第二反応でHbA1c濃度を測定する。測定結果は、吸光度で表した。

(総Hb濃度、HbA1c濃度の測定)
検体に市販のヘモグロビンコントロールを用い、検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ18μl/180μl/36μLとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントは、14ポイント、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。主波長は660nm、副波長は800nm。

(第二試薬の着色度の測定)
第二試薬の着色度の測定は、主波長660nmで、検体に蒸留水を用いて、検体/第二試薬:20μl/200μl、測光ポイントは8ポイント目の1ポイント測定とした。
DA−67を含む第二試薬に、亜硫酸ナトリウムを2mM加えたものと加えないものを調製し、遮光ボトルに入れ、冷蔵(5℃)にて6ヶ月保存した。
市販のヘモグロビンコントロールL(4.8%)、ヘモグロビンコントロールH(10.5%)をサンプルとして用い、試薬ブランク、感度を2mM亜硫酸ナトリウムを含む試薬の調製初日の測定値を対照に、測定した。Hb濃度に対応する14ポイントの測定値、HbA1c濃度に対応する16、34ポイントの測定値を用いた吸光度変化量の結果を表8に示した。総Hb測定値については、亜硫酸ナトリウムの有無に関わらず、6ヵ月後の感度低下は認められなかった。
一方、試薬ブランクについて、2mM亜硫酸ナトリウムでは、総ヘモグロビン、HbA1c(HbA1cの場合の試薬ブランクは調製直後で9.7mAbs、冷蔵半年後で8.8mAbs)ともに6ヶ月間の変化は殆どなかった。
一方、亜硫酸ナトリウム非添加の試薬は、HbA1cについて50.6mAbsと調製時の2倍以上に上昇していた。更に、コントロール測定結果において、試薬ブランクを差し引いた値も若干低めになっていた。このことから、DA−67含有試薬の長期保存にも亜硫酸ナトリウムの効果が顕著に表れていることが確認できた。尚、試薬自体の着色度は、亜硫酸ナトリウム添加の場合、肉眼的には全く変化なかった。
Figure 2008201968
〔参考例〕 特許文献12記載のプロテアーゼ反応促進剤による総ヘモグロビンの定量
(反応液)
40mM PIPES−NaOH (pH6.0)
6% アラニネートLN−30
4.5u/ml パーオキシダーゼ
2mM 塩化カルシウム
1mM TODB(N,N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン:同仁化学)

市販のHbA1cコントロール試料およびヒトヘモグロビン(シグマ製)を用いて、ヘモグロビン濃度0〜60 mg/mlの範囲になるようにヘモグロビン試料を調製した。ラウリル硫酸ナトリウム法を原理とする市販ヘモグロビン測定用試薬「ヘモグロビンB−テストワコー」にて、ヘモグロビンを測定し、濃度を算出した。次に、上記反応液1.8mlを37℃にて予備加温後、同一のヘモグロビン試料を0.2ml添加し混和した。5分後の660nmにおける吸光度を読み取った。試料の代わりに蒸留水を用いたものを試薬ブランクとし、各々の試料につきこれを差し引き、表9に示した。これをプロットした図1より明らかなように、ヘモグロビン濃度に対して、本反応液を用いた吸光度差は総ヘモグロビン約20mg/mlまで直線関係であった。
Figure 2008201968
〔実施例9〕 総ヘモグロビン、糖化へモグロビンA1cの測定(還元剤有無)
(第一試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
0.02mM DA−67
2% HP−β−CD
1 % MMT (日光ケミカル株式会社製 )
0.5mM CaCl
10% エチレングリコール
5ku/ml ニュートラルプロテイネース(東洋紡製)
800u/ml カタラーゼ
10mM デオキシコール酸ナトリウム(和光純薬製)
(第二試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
90u/ml パーオキシダーゼ
0.05 % NaN
31u/ml FOD ((ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)

日立7170S型自動分析装置を用い、以下のように測定した。
[H7170 パラメータ]
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一反応で総Hb濃度を、第二反応でHbA1c濃度を測定する。測定結果は、吸光度で表した。

(総Hb濃度、HbA1c濃度の測定)
検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ20μl/180μl/45μLとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントは、14ポイント、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。主波長は660nm、副波長は800nm。
試料として、市販HbA1cコントロール(凍結乾燥品および凍結品)を用いて、ヘモグロビン濃度がおおよそ0.8〜5mg/mlになるように溶解したものを用いた。第一試薬に還元剤(1mM N−アセチルシステイン、5mMチオ硫酸ナトリウム)を添加したもの、添加しないものそれぞれについて測定を行った。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ20μl/180μl/45μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、14ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。また、総ヘモグロビン、HbA1c濃度ともに、主波長660nm、副波長800nmにて測光した。濃度への換算は、HbA1cの場合、既知濃度に調製した糖化β−ペンタペプチド(ペプチド研究所製)より、また総ヘモグロビンは、市販HbA1cコントロールL(BML社)の表示値より計算した。
表10および図2、図3より明らかなように、還元剤有無によるHbA1c量、総ヘモグロビン量の相関係数はいずれもr=0.99以上と良好であり還元剤を添加しても測定への影響は認められなかった。
Figure 2008201968
〔実施例10〕 HbA1cの測定 (免疫法との比較)
(第一試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
0.02mM DA−67
2% HP−β−CD
1 % MMT (日光ケミカル株式会社製 )
0.5mM CaCl
10% エチレングリコール
5ku/ml ニュートラルプロテイネース(東洋紡製)
800u/ml カタラーゼ
10mM デオキシコール酸ナトリウム(和光純薬製)
1mM N−アセチルシステイン
5mM チオ硫酸ナトリウム
(第二試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
90u/ml パーオキシダーゼ
0.05 % NaN
31u/ml FOD (ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
日立7170S型自動分析装置を用い、以下のように測定した。

(免疫法)
「デタミナーHbA1c」(協和メデックス株式会社)を用い、添付文書に従い測定した。検体は血球を所定のHbA1c測定用検体希釈液にて、101倍希釈して測定に用いた。

(本発明法)
第一試薬にDA−67と還元剤(N−アセチルシステインおよびチオ硫酸ナトリウム)とプロテアーゼを、第二試薬にケトアミンオキシダーゼとパーオキシダーゼを含む組成の試薬を用いた。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ20μl/180μl/45μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、14ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。また、総ヘモグロビン、HbA1c濃度ともに、主波長660nm、副波長800nmにて測光した。検体は血球を蒸留水で71倍希釈したものを用いた。
濃度への換算は、総ヘモグロビンは、市販HbA1cコントロール(BML社)の表示値(単位:mg/ml)より、またHbA1c濃度は既知濃度に調製した糖化バリルヒスチジン(ペプチド研究所製)水溶液の吸光度より求め、HbA1c(%)はHbA1c濃度を総ヘモグロビン濃度で割ることにより求めた。なお、ヘモグロビン濃度(M)はヘモグロビンの分子量を64550として算出した。

(結果)
図4に示したように、22種類の検体を用いた時の相関式 y=1.055x−0.3917,R2=0.9798と良好であった。
〔実施例11〕ヘモグロビンβ鎖N末端配列と同一の糖化ペンタペプチド(1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジル−L−ロイシル−L−スレオニル−L−プロリン)測定時の色素添加効果)
(第一試薬)
40mM PIPES (pH7.0)
10u/ml POD
0.1mM ADOS(同人化学)
15u/ml FOD (ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダー由来)
(第二試薬)
100mM Tris−HCl (pH7.5)
0.12mM DA−67
2mM 亜硫酸ナトリウム
3ku/ml ニュートラルプロテイネース(東洋紡製)

以下の二種類の製造メーカーの異なる自動分析装置を用いた。
(a)日立自動分析装置7170型
検体/第一試薬/第二試薬:20μl/180μl/45μl 測光ポイントは16、34ポイントの2ポイント。主波長660nm、副波長800nm。
(b)日本電子BM12自動分析装置
検体/第一試薬/第二試薬:8μl/72μl/18μl 測光ポイントは44−47、95−98の2ポイントエンド。主波長658nm、副波長805nm。

上記試薬を用いて、それぞれの自動分析装置で試薬ブランクを20回連続測定し、平均吸光度、標準偏差(SD)を算出した。次に、50μMヘモグロビンβ鎖N末端配列からなる糖化ペンタペプチドを測定し、試薬ブランク(20回の平均値)を差し引いた吸光度を算出した。表11に示したように日本電子BM12の試薬ブランクの平均値58.8mAbsは、日立7170Sの試薬ブランク17.6mAbsの3倍以上の値を示した。一方、50μM糖化ペンタペプチドの試薬ブランクを差し引いた吸光度はほぼ同じ値を示した。また、試薬ブランク値が大きい日本電子装置でより、大きな標準偏差を示し、測定精度が劣ることが示された。そこで、この反応液の第一試薬に本発明の黄色4号(三栄源エフエフアイ)を0.3mMになるように加え、同様の操作を行った。日本電子BM12における試薬ブランクが58.8mAbsから18.8mAbsと劇的に低下し、その標準偏差も小さくなった。一方、日立7170の場合の試薬ブランクも17.6から13.8mAbsに低下し、標準偏差も小さくなった。以上より、黄色4号を添加することにより、添加しない場合に認められた装置間差が解消された。
Figure 2008201968
〔実施例12〕 色素添加の効果
(第一試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
500mM NaCl
0.05% NaN
0.1mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
各種色素
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸ナトリウム
0.12mM DA−67
12Ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)

日本電子BM1650自動分析装置を用いた。
パラメータは、以下のように設定した。
分析方式に「EPA」を選択し、第一試薬添加後の第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ12μl/120μl/24μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、38−41ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては44−47、95−98ポイントを用いた。測定主波長は658nm、測定副波長は805nm。
また、計算方式にはABSを選び、吸光度値として出力させた。

(操作)
上記組成よりなる第一試薬に、食用赤色2号、赤色102号、黄色4号(三栄源エフエフアイ)をそれぞれ0.025mM、0.15mM、0.25mM添加したものを調製した。対照に色素を添加しないものをおいて、これら4種類の第一試薬に対して、それぞれ蒸留水、および市販HbA1cコントロール(HbA1c%が10%。Hb濃度が2mg/mlになるように溶解)を検体として20回測定した。蒸留水については吸光度を測定しこれを試薬ブランクとした。また、HbA1cコントロールについては、蒸留水の値を差し引いた差し引き吸光度を 総ヘモグロビン、HbA1c測定パラメータそれぞれに対して吸光度値として出力させた。吸光度の最大値、最小値、差平均値、標準偏差、CV%を算出し、結果を表12に示した。
表12に示したように、総ヘモグロビンの測定値には色素添加の影響はなかった。一方、HbA1cの測定値については、色素無添加の試薬ブランクが26.4mAbsであるのに対して、色素を添加したものはいずれも12−15mAbsの値と小さく、しかも標準偏差、CV%ともに、色素無添加のものに比べて小さく、測定精度が向上したことが示された。また、HbA1cコントロールについて、試薬ブランクを差し引いた吸光度は色素無添加の約7−8割程度に低下していたが、標準偏差、CV%ともに、色素無添加のものに比べて小さかった。
Figure 2008201968
〔実施例13〕
(第一試薬)
40mM Tris−HCl (pH7.5)
500mM NaCl
0.05% NaN
0.1mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
各種色素
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸 ナトリウム
0.12mM DA−67
12ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)

日本電子BM12自動分析装置を用い、パラメータは実施例12と同様の設定で実施した。
第一試薬に、食用赤色40号、黄色4号、およびオレンジGをそれぞれ0.05mM、0.4mM、1.25mM添加したものを調製した。対照に色素を添加しないものをおいて、これら4種類の第一試薬に対して、市販超低値HbA1cコントロール(HbA1c%が1.5%でHb濃度が2mg/ml)を検体として20回測定した。蒸留水を検体の変わりに測定しこれを試薬ブランクとした。また、HbA1cコントロールについては、蒸留水の値を差し引いた差し引き吸光度をHbA1c測定パラメータに対して出力させた。吸光度の最大値、最小値、差平均値、標準偏差、CV%を算出し、結果を表13に示した。
HbA1cの測定値について、試薬ブランクは色素無添加の40.5mAbsであるのに対して、色素を添加したものはいずれも10〜13mAbsの値と小さく、しかも標準偏差、CV%ともに、色素無添加のものに比べて小さかった。また、超低値HbA1cコントロールについて、試薬ブランクとの差は色素無添加のものは試薬ブランクよりも小さくマイナス値となり、標準偏差が0.335であるのに対し、色素添加のものは、試薬ブランクとの吸光度差は試薬ブランクよりも僅かに大きく、標準偏差も小さくなり、測定のばらつきが改善されたことが示された。
Figure 2008201968
〔実施例14〕 免疫法との比較(色素添加効果の確認)
(第一試薬)
40mM BES (pH7.2)
0.05% NaN
0.1 mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
黄色4号
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン(HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸ナトリウム
0.12mM DA−67
15ku/mL プロテアーゼ(リゾバクター・エンザイモゲネス YK−366由来)

日立7170S型自動分析装置を用い、フッ化ナトリウム採血管により採取された血液検体を用い以下のように測定した。

(免疫法)
「デタミナーHbA1c」(協和メデックス株式会社)を用い、添付文書に従い測定した。検体は血球を所定のHbA1c測定用検体希釈液にて、101倍希釈して測定に用いた。

(本発明法)
第一試薬にケトアミンオキシダーゼとパーオキシダーゼを、第二試薬(遮光ボトル容器を使用)にDA−67と還元剤(亜硫酸ナトリウム)とプロテアーゼを含む組成の試薬を用いた。試薬ブランクを低下させ、測定精度を保つための色素として、黄色4号を第一試薬に加えたもの、および加えないものを比較した。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一試薬添加後の第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ20μl/180μl/45μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、14ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。また、総ヘモグロビン、HbA1c濃度ともに、主波長660nm、副波長800nmにて測光した。検体は遠心分離(1500Gx5分)後の血球を蒸留水で71倍希釈したものを用いた。
検量は、HbA1c測定用標準物質JCCLS CRM−004a(HECTEF SRC)を用い、総ヘモグロビン濃度はシアンメト法により、HbA1c濃度はCRM−004aのHbA1c(%)表示値と前記ヘモグロビン濃度を用いて計算し、自社キャリブレーターに値をトランスファーし、これを用いて計算した。

(結果)
表14に示したように、色素添加により、HbA1cのシグナルは無添加に比べて2〜3割低下するが、試薬ブランクは、11.5mAbsと約半分に低下する。
20種類の検体を用いた時の免疫法(X)と酵素法(Y)との相関式は 黄色4号無添加の場合は、y=0.9997x−0.138、R2=0.955、また添加の場合は、y=0.9927x+0.0246、R2=0.9884であった(図5、6)。免疫法との相関係数は、本発明の黄色4号添加の方が高いことから、色素添加によりHbA1c(%)がより正確に測定できることが示された。
Figure 2008201968
〔実施例15〕 液状試薬の安定性過酷試験
(第一試薬)
30mM PIPES−NaOH (pH7.0)
500 mM NaCl
0.05% NaN
0.1 mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
0.6mM 黄色4号(三栄源エフエフアイ)
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン(HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸 ナトリウム
0.12mM DA−67
12ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)

測定には、日立7170S型自動分析装置を用い以下のパラメータで測定した。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ18μl/180μl/36μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、14ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。
測定結果は、吸光度で表した。

(ヘモグロビンコントロールおよびプール検体の感度の変動)
上記反応液(第二試薬は遮光ボトル容器中に保存)を用い、市販のヘモグロビンコントロール(VL(3.5%)、L(4.8%)、H(10.5%)、VH(16.8%)およびプール検体をサンプルに用い、総ヘモグロビンおよびHbA1cの感度を吸光度として測定した。第一試薬、第二試薬ともに冷蔵または37℃に2週間保存後、37℃に保存した第一試薬には冷蔵保存した第二試薬(表中、R-2を過酷)を、また37℃に保存した第二試薬に対しては冷蔵保存した第一試薬(表中、R-1を過酷)を、また対象には両試薬ともに冷蔵保存したもの(表中、冷蔵)を用いた。
表15より、総ヘモグロビンのシグナルは99%以上、HbA1cのシグナルも94%以上残存していた。表15のなかで括弧内の数字はサンプル中のヘモグロビン濃度(mg/ml)である。また、試薬ブランクについても、ロイコ型色素DA−67を含む第二試薬を37℃2週間処理した後においても上昇は認められなかった。
Figure 2008201968
〔実施例16〕 液状試薬の安定性
(第一試薬)
30mM PIPES−NaOH (pH7.0)
500mM NaCl
0.05% NaN
0.5mM 塩化カルシウム
0.1mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
0.6mM 黄色4号
(第二試薬)
100mM HEPES(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸ナトリウム
0.12mM DA−67
12Ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)

測定には、日立7170S型自動分析装置を用い以下のパラメータで測定した。
測定モードとして、「3ポイント」を選択し、第一試薬添加後の第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ18μl/180μl/36μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、14ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては16、34ポイントを用いた。

(ヘモグロビンコントロールおよびプール検体の感度の変動)
上記反応液(第二試薬は遮光ボトル容器中に保存)を用い、市販のヘモグロビンコントロール(VL(3.5%)、L(4.8%)、H(10.5%)、VH(16.8%)およびプール検体をサンプルに用い、総ヘモグロビンおよびHbA1cの感度を測定した。第一試薬、第二試薬を調製直後、そして冷蔵状態で6ヶ月保存した後の2回測定した。検量はHbA1c測定用標準物質JCCLS CRM−004a(HECTEF SRC)を用い、総ヘモグロビン濃度はシアンメト法により、HbA1c濃度はCRM−004aのHbA1c(%)表示値と前記ヘモグロビン濃度を用いて計算し、自社キャリブレーターに値をトランスファーし、これを用いて計算した。
表16より明らかなように、6ヶ月保存後の値は、総ヘモグロビン濃度、HbA1c濃度、HbA1c(%)ともに、調製直後の値と同等であった。また、試薬ブランクも上昇していなかった。
Figure 2008201968
〔実施例17〕 全血を用いた測定
(第一試薬)
30mM PIPES−NaOH (pH7.0)
500mM NaCl
0.05% NaN
0.5mM 塩化カルシウム
0.1mM ALPS(同仁化学製)
3.0% アラニネート LN−30(日光ケミカル株式会社)
10u/mL パーオキシダーゼ
10mM コール酸(和光純薬株式会社)
15u/mL FOD(ネオコスモスポラ・ヴァシンフェクタ474由来ケトアミンオキシダーゼ)
0.6mM 黄色4号
10u/ml アスコルビン酸オキシダーゼ(ASOB:ロシュ)
(第二試薬)
100 mM POPSO(8.0)
2.0% ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン( HP−β−CD)
0.05% NaN
10mM Cholic acid
2mM 亜硫酸ナトリウム
0.12mM DA−67
12ku/mL サーモリシン(Bacillus stearothermophilus由来:大和化成)
日本電子の自動分析装置BM9020を用いた。

(免疫法)
「デタミナーHbA1c」(協和メデックス株式会社)を用い、添付文書に従い測定した。遠心分離後の血球を用いた検体の希釈は、BM9020装置の希釈機構を用い、蒸留水にて、101倍希釈して測定に用いた。

(本法)
分析方式に「EPA」を選択し、第一試薬添加後の第一反応で総Hb濃度を、第二試薬添加後の第二反応でHbA1c濃度を測定する。検体/第一試薬/第二試薬の量はそれぞれ12μl/120μl/24μlとし、総ヘモグロビンの測定の測光ポイントとして、26−28ポイントを、HbA1cの測光ポイントとしては29−32、62−65ポイントを用いた。測定主波長は、Hbは596nmを、HbA1cは658nmを用い、測定副波長は805nmとした。
上記反応液(第二試薬は遮光ボトル容器中に保存)を用い、血糖用採血管で採血した検体を用いた。検体は測定前に転倒混和した後装置にセットし、装置の希釈機構により蒸留水にて34倍に希釈した。検量はHbA1c測定用標準物質JCCLS CRM−004a(HECTEF SRC)を用い、総ヘモグロビン濃度はシアンメト法により、HbA1c濃度はCRM−004aのHbA1c(%)表示値と前記ヘモグロビン濃度を用いて計算し、自社キャリブレーターに値をトランスファーし、これを用いて計算した。
表17、図7より明らかなように、免疫法(血球を使用)と酵素法(全血を使用)の相関係数はy=0.9924x+0.1145、R2=0.98と大変良好であった。このことにより、遠心分離後の血球のみならず、遠心分離前の全血での状態でも測定が可能であることが示された。
Figure 2008201968
本発明によれば、ロイコ型色素の溶液中での安定化方法及び発色反応時の非特異的発色の軽減方法、及び前記方法を用いた糖化蛋白質分析試薬組成物を提供することができ、糖化蛋白質の正確な測定が可能となる。
特許文献12記載のプロテアーゼ反応促進剤による総ヘモグロビンの定量を示すグラフである。 還元剤有無による総ヘモグロビン量の相関関係を示すグラフである。 還元剤有無によるHbA1c量の相関関係を示すグラフである。 還元剤有りの場合における酵素法と免疫法の相関関係を示す式グラフである。 免疫法と酵素法の相関関係を示す式グラフである(色素なし)。 免疫法と酵素法の相関関係を示す式グラフである(色素あり)。 免疫法(血球)と酵素法(全血)の相関関係を示す式グラフである。

Claims (20)

  1. ロイコ型色素を、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤と共存させることを特徴とするロイコ型色素溶液の安定化方法。
  2. ロイコ型色素が10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン6ナトリウムである請求項1記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
  3. ロイコ型色素の溶液中での濃度が0.01〜2mMである請求項1又は2に記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
  4. 還元剤の溶液中での濃度が0.005〜10mMである請求項1〜3のいずれかに記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
  5. 還元剤が、システイン、システアミン、N−アセチルシステイン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のロイコ型色素溶液の安定化方法。
  6. 0.005〜10mMの還元性チオアルコール類又は還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤と、0.01〜2mMの10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン・6ナトリウムからなるロイコ型色素の液状組成物。
  7. 還元剤が、システイン、システアミン、N−アセチルシステイン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上である請求項5に記載の液状組成物。
  8. ロイコ型色素を用いたパーオキシダーゼ共存下での過酸化水素発色反応において、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素を共存させることを特徴とするロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
  9. ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素の極大吸収波長が、400nm〜550nmの範囲である請求項8に記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
  10. ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素が、オレンジG、オレンジII、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号より選ばれた1種以上である請求項8又は9に記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
  11. ロイコ型色素が、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン6ナトリウムである請求項8〜10のいずれかに記載のロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法。
  12. ロイコ型色素を、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有しかつ過酸化水素とは反応しない別の色素と、共存させた状態で過酸化水素と反応させる
    ことを特徴とする過酸化水素定量方法。
  13. ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素とパーオキシダーゼを含む一の試薬と、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤とロイコ型色素を含む一の試薬を組み合わせたことを特徴とする過酸化水素を定量するための試薬。
  14. 請求項13記載の過酸化水素を定量するための試薬を用いた液状で安定な糖化蛋白質測定用試薬。
  15. ロイコ型色素として10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム又はN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン6ナトリウム、還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤及び糖化蛋白質に作用するプロテアーゼを含む一の試薬、パーオキシダーゼ、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素とは反応しない別の色素及びケトアミンオキシダーゼを含む一の試薬を組み合わせてなる請求項14記載の糖化蛋白質測定用試薬。
  16. 糖化蛋白質がヘモグロビンA1cであり、第一試薬で総ヘモグロビンを定量、第二試薬でヘモグロビンA1cを定量し、総ヘモグロビン量に対するヘモグロビンA1c量の割合を求めるための請求項14記載の糖化蛋白質測定用試薬。
  17. プロテアーゼ反応促進剤、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用するケトアミンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、トリンダー試薬、アスコルビン酸酸化酵素及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない別の色素を含む第一試薬と、ヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム、シクロデキストリン類及び還元性チオアルコール類及び還元性硫酸塩類からなる群より選ばれた1種以上の還元剤を含む第二試薬とからなる請求項16記載の糖化蛋白質測定用試薬。
  18. プロテアーゼ反応促進剤、ヘモグロビンA1cに作用してヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼ、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム、カタラーゼ、シクロデキストリン類及び還元剤を含む第一試薬、ケトアミンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ及びロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない色素を含む第二試薬とからなる請求項16記載の糖化蛋白質測定用試薬。
  19. プロテアーゼ反応促進剤が、N−アシルアミノ酸(塩)またはN−アシルタウリン(塩)から選ばれた陰イオン界面活性剤であり、ケトアミンオキシダーゼがネオコスモスポラ属またはカーブラリア属由来であり、ロイコ型色素の測定波長に影響を与えない吸収スペクトルを有し、かつ過酸化水素と反応しない色素が黄色4号又は赤40号又は赤102号であり、ヘモグロビンA1cに作用してヘモグロビンA1cの糖化β鎖末端から1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンを切り出すことのできるプロテアーゼがバチルス属又はリゾバクター属由来であり、シクロデキストリン類が2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであり、トリンダー試薬がALPS又はADPSであり、還元剤が亜硫酸ナトリウムであり、血球を水により溶血させ、これを検体として用いることを特徴とする請求項17記載の糖化蛋白質測定用試薬。
  20. 全血中の糖化蛋白質を測定するための測定試薬であって、さらに、第一試薬にケトアミンオキシダーゼを含む請求項17に記載の糖化蛋白質測定用試薬。
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