JP7232475B2 - ロイコ型色原体の安定化方法 - Google Patents
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Description
[1]一液中にロイコ型色原体、βシクロデキストリン類及びキレート剤を含む溶液を、キットの構成要素として含むことを特徴とする、酸化発色系を用いた測定キット。
[2]βシクロデキストリン類がβシクロデキストリン、マルトシルβシクロデキストリン、グルコシルβシクロデキストリン、カルボキシメチルβシクロデキストリン、ジメチルβシクロデキストリン、モノアミノβシクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、メチルβシクロデキストリン、グルクロニルグルコシルβシクロデキストリン、ヘプタキス(2,6-ジ-O-メチル)βシクロデキストリン、トリ-O-メチルβシクロデキストリン、サクシニルβシクロデキストリン、スルホプロピルβシクロデキストリン、サクシニルヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、及びトリアセチルβシクロデキストリンから選ばれる1種であることを特徴とする、[1]に記載の測定キット。
[3]キレート剤がジアミノシクロヘキサン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N’,N’-テトラ酢酸(GEDTA)であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の測定キット。
[4]さらに還元剤を含むことを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の測定キット。
[5]還元剤として還元性硫酸塩類を含むことを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の測定キット。
[6]酸化発色系として、過酸化水素とペルオキシダーゼを含むことを特徴とする、[1]から[5]のいずれか一項に記載の測定キット。
[7]さらにL-グルタミン酸オキシダーゼを含み、試料中のL-グルタミン酸濃度を測定することを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載の測定キット。
[8]ロイコ型色原体水溶液中にβシクロデキストリン類及びキレート剤を共存させることを特徴とする、ロイコ型色原体の安定化方法。
[9]さらに還元剤を含むことを特徴とする、[8]に記載のロイコ型色原体の安定化方法。
[測定方法]
下記方法によって調製されるロイコ型色原体水溶液の吸光度を測定することにより、試料溶液中のロイコ型色原体の分解を検出する。ロイコ型色原体の分解に伴い特定波長における吸光度が増大するため、以下の測定方法によって測定される吸光度が高いことは、ロイコ型色原体の分解が促進されていることを示す。
[ロイコ型色原体試料溶液の調製方法]
R1試薬(100mM MES pH7.1、40U/mL アスコルビン酸オキシダーゼ、10U/mL ペルオキシダーゼ、0.1% プロクリン950)、
R2試薬(100mM MES pH7.1、0.4U/mL L-グルタミン酸オキシダーゼ、0.1(w/v)% プロクリン950、30μM DA-67)を調製する。上記操作によって調製される水溶液を、ロイコ型色原体モデル水溶液とする。安定化剤を添加したロイコ型色原体試料溶液を調製する場合には、上記R2試薬に安定化剤を所定量溶解させ、上記モデル溶液と同様に水溶液を調製する。
[保管条件]
ロイコ型色原体モデル水溶液もしくは安定化剤を添加したロイコ型色原体試料水溶液を、設定温度を37℃、暗条件としたヤマト科学株式会社製インキュベータ内で保管する。
[測定条件]
MilliQ水 5μLをIWAKI社製96穴アッセイプレートに分注する。そこにR1試薬を90μL加え、室温で10分間静置する。その後、R2試薬を90μL加え、室温で10分間静置する。その後TECAN社製プレートリーダーで主波長660nm、副波長800nmの吸光度を測定する。
[検量線設定条件]
本発明においては、上記方法に加え、MilliQ水に代えて標準溶液として濃度既知のL-グルタミン酸溶液(例えば、300μMのL-グルタミン酸溶液)を用いて同様の方法をさらに行ってもよい。得られた測定値から回帰直線を導くことで、検量線を設定することができる。サンプルのL-グルタミン酸量を測定する場合には、サンプルの吸光度を測定し、下記式1を用いることにより、サンプル中のL-グルタミン酸量を算出することができる。
L-グルタミン酸濃度(μM)=サンプルの吸光度÷標準液の吸光度×標準液濃度(μM)
ロイコ型色原体を安定化させる方法を検討すべく、ロイコ型色原体とは別の色素、シクロデキストリン類、還元剤、キレート剤の添加検討を実施した。
[試料の調製方法]
下記[表1]に従い、R2試薬(100mM MES pH7.1、0.4U/mL L-グルタミン酸オキシダーゼ、0.1(w/v)% プロクリン950、30μM DA-67)に各種安定化剤の組み合わせを添加した。
オレンジG…アクリジンオレンジ(ナカライテスク社製) 終濃度100μM
M-βシクロデキストリン…メチルβシクロデキストリン(富士フィルム和光純薬社製) 終濃度0.5(w/v)%
チオ硫酸ナトリウム…チオ硫酸ナトリウム五水和物(ナカライテスク社製) 終濃度3.3mM
CyDTA…CyDTA(同仁化学研究所社製) 終濃度10μM
前述のロイコ型色原体の安定性試験方法に従い、安定性試験を実施した。すなわち、各R2試料水溶液を、設定温度を37℃、暗条件としたヤマト科学社製インキュベータ内で保管し、実験開始時(0日)、3日経過時、8日経過時、15日経過時に蒸留水5μLをIWAKI社製96穴アッセイプレートに分注した。そこにR1試薬を90μL加え、室温で10分間静置した。その後、上述のR2試薬を90μL加え、室温で10分間静置した。Tecan社製プレートリーダーで主波長660nm、副波長800nmの2波長の吸光度を測定した。
実施例1にて見出されたβシクロデキストリン類及びキレート剤の組み合わせが、冷蔵安定性にも寄与するか検証した。
R2試薬は各条件共通の成分として、50mM HEPES pH7.1、0.4U/mL L-グルタミン酸オキシダーゼ、0.1(w/v)% アジ化ナトリウム、30μM DA-67)を含む。
なお、表中各種安定化剤の列に○が付いている場合、その安定化剤を添加したことを意味する。各種安定化剤は、以下の原料を用い、以下の終濃度となるように添加した。
M-βシクロデキストリン…メチルβシクロデキストリン(富士フィルム和光純薬社製) 終濃度0.5(w/v)%
チオ硫酸ナトリウム…チオ硫酸ナトリウム五水和物(ナカライテスク社製) 終濃度3.3mM
CyDTA…CyDTA(同仁化学研究所社製) 終濃度10μM
冷蔵保管前(Day0)測定時にL-グルタミン酸標準品を測定してキャリブレーション(検量線の取得)を行い、一定期間保管後にノンキャリブレーション測定、すなわちDay0で取得した検量線を用いて測定値を算出する測定の検討を行った。
本願発明のロイコ型色原体安定化効果が、ロイコ型色原体濃度の影響を受けるか、検討を行った。
Claims (9)
- 一液中にロイコ型色原体、L-グルタミン酸オキシダーゼ、βシクロデキストリン類及びキレート剤を含む溶液を、キットの構成要素として含み、試料中のL-グルタミン酸濃度を測定することを特徴とする、酸化発色系を用いた測定キット。
- βシクロデキストリン類がβシクロデキストリン、マルトシルβシクロデキストリン、グルコシルβシクロデキストリン、カルボキシメチルβシクロデキストリン、ジメチルβシクロデキストリン、モノアミノβシクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、メチルβシクロデキストリン、グルクロニルグルコシルβシクロデキストリン、ヘプタキス(2,6-ジ-O-メチル)βシクロデキストリン、トリ-O-メチルβシクロデキストリン、サクシニルβシクロデキストリン、スルホプロピルβシクロデキストリン、サクシニルヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、及びトリアセチルβシクロデキストリンであることを特徴とする、請求項1に記載の測定キット。
- キレート剤がジアミノシクロヘキサン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N’,N’-テトラ酢酸(GEDTA)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の測定キット。
- さらに還元剤を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定キット。
- 還元剤として還元性硫酸塩類を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定キット。
- 酸化発色系として、過酸化水素とペルオキシダーゼを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定キット。
- さらにオレンジGを含有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の測定キット。
- ロイコ型色原体水溶液中にL-グルタミン酸オキシダーゼ、βシクロデキストリン類及びキレート剤を共存させることを特徴とする、L-グルタミン酸濃度測定キット中のロイコ型色原体の安定化方法。
- さらにロイコ型色原体水溶液中に還元剤を含むことを特徴とする、請求項8に記載のロイコ型色原体の安定化方法。
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