JP2019176802A - ロイコ型色素の安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロイコ型色素を含有する発色基質液の安定性を改善し、経時的な着色発生を抑制する方法、並びに安定化され経時的な着色が抑制されたロイコ型色素を含む発色基質液を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、ロイコ型色素と、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤とを共存させることを特徴とする、ロイコ型色素を含む発色基質液の着色抑制方法を提供する。特定の好ましい実施態様において、亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウムであり、非イオン性界面活性剤はポリオキシエチレンラウリルエーテルである。【選択図】 なし

Description

本発明は臨床検査などの分野で用いられる発色基質液の安定化法及び安定化された発色基質液に関する。より詳細には、ロイコ型色素を含有する発色基質液の経時的な着色を抑制する方法及び経時的な着色が抑制された発色基質液に関する。
臨床検査分野では、ペルオキシダーゼを利用した発色反応で微量成分の検出を行う手法が知られている。例えば、糖化タンパク質測定法において、ペルオキシダーゼの基質としては、通常、発色基質と過酸化水素が用いられる。ここで、ペルオキシダーゼ活性の測定は発色基質と過酸化水素とを含むペルオキシダーゼ活性測定用基質液(以下、測定用基質液という)中、ペルオキシダーゼと過酸化水素の作用により発色基質を酸化して呈色色素を生じさせ、生成した呈色色素の吸光度を測定することにより行われる。発色基質としては、トリンダー試薬と呼ばれる色素またはロイコ型色素と呼ばれる色素が存在する。トリンダー試薬とは4−アミノアンチピリンなどのカップラーと各種トリンダー試薬との2種からなる色素であり、特徴としては光や熱に対して安定な色素である。感度に関しては過酸化水素2分子に反応する。一方ロイコ型色素は10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA―67)やN−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA−64)などがあり過酸化水素1分子に対して反応するため高感度の測定が可能だが、光や熱に対して不安定なため、測定前のブランクが高くなるなどの問題があり、ロイコ型色素の自己発色抑制に関して様々な検討が行われている。
これまでにペルオキシダーゼ活性測定に用いられる発色基質を含有する基質液を安定化する方法として、還元剤を添加する方法が知られている(特許文献1)。また、ロイコ型色素の非特異発色反応を軽減する方法として、1)最大吸収波長が400nm〜550nmの範囲であって、かつ過酸化水素とは反応しないロイコ型色素と別の色素、及び2)シクロデキストリン類を共存させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、ロイコ型色素を含有する発色基質液の着色を抑制する技術はまだ十分ではない。
特許第3289280号公報 特許第4697809号公報
上述のようにロイコ型色素を含有する発色基質液は非常に不安定であり、容易に酸化されて着色してしまい、発色基質を含む基質液を長期に保存しておくことはできない。かかる問題から、ロイコ型色素の発色基質を含む基質液(特に測定用基質液)の安定化が強く要望されているが安定化法として十分に満足できる方法は知られていない。本発明は上記の従来技術の欠点を解消するためになされたもので、ロイコ型色素を含有する発色基質液、なかでもロイコ型色素を含有する測定用基質液の安定性を改善し着色を抑制する方法並びに安定化され着色が抑制された基質液を提供することを目的とする。
本発明者らは、ロイコ型色素を含有する発色基質液の安定化について鋭意検討した結果、安定化剤として亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を添加することより、ロイコ型色素の自己発色が抑制され、発色基質液の安定化が図れることを見出した。すなわち、本発明は、ロイコ型色素を発色基質として含む発色基質液に、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を添加するものである。本発明の安定化法は、例えば、ロイコ型色素を含む発色基質液を用いる糖化タンパク質測定等に使用することができるが、糖化タンパク質の測定に限られず、当該発色基質を用いる他の検査方法においても、発色基質液の安定化法として広く利用できるものである。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(項1) ロイコ型色素と、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤とを共存させることを特徴とする、ロイコ型色素を含む発色基質液の着色抑制方法。
(項2) 亜硫酸塩が亜硫酸ナトリウムである、項1記載の方法。
(項3) 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤である、項1又は2に記載の方法。
(項4) ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、項3に記載の方法。
(項5) ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンラウリルエーテルである、項3又は4に記載の方法。
(項6) ロイコ型色素が、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウムである、項1〜5のいずれかに記載の方法。
(項7) pH4〜9である、項1〜6のいずれかに記載の方法。
(項8) ロイコ型色素、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする発色基質液。
本発明によれば、ロイコ型色素を含有する発色基質液の安定化剤として亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を用いることにより、発色基質液の非酵素的酸化が抑制されるので、発色基質液の安定化が図れ、発色基質液を長期間、安定的に保存することができる。従って、本発明によれば、長期間安定で高精度なロイコ型色素を含む発色基質液を提供することができるという効果を奏する。
上記構成からなる本発明において、ロイコ型色素としては、トリフェニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体、ジフェニルアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、トリフェニルメタン誘導体として、4,4’−ベンジリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)等;フェノチアジン誘導体として、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA―67)、10−(メチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン、10−(N−メチルカルバモイル)−3−ジメチルアミノ−7−ヒドロキシ−10H−フェノチアジン等;ジフェニルアミン誘導体として、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン塩(DA―64)等;1−(エチルアミノチオカルボニル)−2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)イミダゾール等が挙げられる。ここで、塩は、特に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が例示される。本発明に使用するロイコ型色素は、安定化剤として加える亜硫酸塩等の還元剤により発色の阻害を受けにくいか、あるいは低濃度の還元剤によっても安定化効果が認められるものであることが望ましい。そして本発明の方法をペルオキシダーゼ測定系に用いる場合には、モル吸光係数が高く、極大吸収波長が高波長側にあり、血液中の共存物質の波長を回避でき、色素の波長を検出しやすいという理由から、フェノチアジン誘導体系又はジフェニルアミン誘導体系のロイコ型色素が好ましく、フェノチアジン誘導体系のロイコ型色素がより好ましく、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン塩(DA―67)がなかでも好ましい。
本発明で用いられる亜硫酸塩としては、目的とする反応(例えば、ペルオキシダーゼの酵素反応)を阻害しないものであれば何れの亜硫酸塩も使用することができるが、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩が挙げられ、これらの亜硫酸塩は2種以上を併用してもよい。特に好ましい亜硫酸塩の例としては、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
本発明で用いられる非イオン性界面活性剤としては、目的とする反応(例えば、ペルオキシダーゼの酵素反応)を阻害しないものであれば何れの非イオン性界面活性剤も使用することができるが、好ましくはHLB値が12〜20のものが用いられる。また、その構造は特に限定されないが、好ましくは、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤からなる群から選ばれる化合物が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、これらは2種以上を併用してもよい。特に好ましい非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルである。
本発明は、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を組合せて用いることによりロイコ型色素を含有する発色基質液の安定化を図り、経時的な着色を抑制する。例えば、ロイコ型色素の発色基質を精製水又は適当な緩衝液(例えば、グッド緩衝液、炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等、酒石酸緩衝液等)等の溶媒に溶解した溶液に亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を添加し、必要に応じて他の添加成分を加え、必要に応じてpH調整することにより、所期の目的が達成される。なお、本発明の発色基質液を調製する際の添加する順番は特に限定されず、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を含む溶液にロイコ型色素を添加してもよいし、ロイコ型色素及び非イオン性界面活性剤を含む溶液に亜硫酸塩を添加してもよい。本発明の発色基質液はかくして調製された基質液であり、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤の共存により著しい安定化が図れる。亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤の添加量は、ロイコ型色素の種類及び量、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤の種類、溶存酸素量、所望する安定性などにより適宜調整される。
特定の実施態様において、本発明の方法は糖化タンパク質の測定に好適に用いられる。本発明を糖化タンパク質の測定に用いられる発色基質液の安定化に適用する場合、本発明は種々の態様で実施することができる。例えば、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤と共にロイコ型色素を含む発色基質液を調製して保存しておき、使用時に酵素を添加して測定用基質液を調製する方法;当初よりロイコ型色素、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を酵素と共に含有する測定用発色基質液を調製し保存しておく方法などが挙げられる。保管中に酵素(ペルオキシダーゼ等)がロイコ型色素等と反応する惧れを確実に回避し、より正確な測定を可能にするという観点から、測定用試薬を2つ以上に分けて調製し、一方の試薬にロイコ型色素、亜硫酸塩、及び非イオン性界面活性剤を共存させ、他方の試薬が酵素(ペルオキシダーゼ等)を含む態様とすることが好ましい。
上記の各発色基質液における発色基質の濃度は適宜調製することができるが、通常、発色基質液中のロイコ型色素の濃度が0.001〜1mM程度、好ましくは0.005〜0.5mM程度、より好ましくは0.01〜0.1mM程度となるのがよい、
亜硫酸塩の添加量は、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤の種類、ロイコ型色素の種類及び濃度、他の配合成分(例えば、酵素等)の種類や濃度、所望する安定性や発色阻害の程度などにより適宜調整されるが、通常、発色基質液中の亜硫酸塩濃度は0.01〜3mM程度、好ましくは0.05〜2mM程度、より好ましくは0.1〜1mM程度とするのがよい。生体成分測定試薬に配合する亜硫酸塩の量が多くなり過ぎると、ロイコ型色素の発色を阻害する場合があるが、上記範囲とすることで、そうした発色強度の低下の問題を抑えつつ、本発明の効果を十分に得ることができる。
非イオン性界面活性剤の添加量もまた、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤の種類、ロイコ型色素の種類及び濃度、他の配合成分(例えば、酵素等)の種類や濃度、所望する安定性などにより適宜調整されるが、通常、発色基質液中の非イオン性界面活性剤の濃度は0.1〜12w/v%程度となるように調整され、好ましくは0.5〜10w/v%程度、より好ましくは1〜8w/v%程度となるように調整されるのがよい。上記範囲とすることで、他の配合成分への影響を抑えつつ、本発明の効果を十分に得ることができる。
好ましい亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤である、亜硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテルをもってより具体的に説明すると、例えば、亜硫酸ナトリウムは0.05〜2mM及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは0.5〜10w/v%、好ましくは亜硫酸ナトリウムは0.1〜1mM程度及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは1〜8w/v%程度の濃度となるように調整される。
本発明に従って発色基質液を調製する場合、ロイコ型色素と亜硫酸塩との比率は、目的とする反応(例えば、ペルオキシダーゼの酵素反応)を阻害せずに本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、一例として、ロイコ型色素の濃度が0.1mMに対して、亜硫酸塩の濃度が0.01〜3mM程度とするのがよく、亜硫酸塩の濃度が0.1〜2mM程度とするのが好ましく、亜硫酸塩の濃度が0.5〜1.5mM程度とするのがより好ましい。
本発明に従って、発色基質液を調製する場合、ロイコ型色素と非イオン性界面活性剤との比率は、目的とする反応(例えば、ペルオキシダーゼの酵素反応)を阻害せずに本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、一例として、ロイコ型色素の濃度が0.1mMに対して、非イオン性界面活性剤の濃度が0.1〜12w/v%程度とするのがよく、非イオン性界面活性剤の濃度が0.5〜10w/v%程度とするのが好ましく、非イオン性界面活性剤の濃度が1〜8w/v%程度とするのがより好ましい。
また、本発明の発色基質液の性状は、通常、pH4〜9程度、より好ましくはpH6〜8程度の範囲に調整される。発色基質液のpHを調整するには、例えば、適宜緩衝液を添加することによって調整することができる。
本発明の発色基質液が生化学分析に用いる液体試薬の場合、例えば亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤とロイコ型色素とを溶媒に溶解、懸濁または分散させることで調製できる。前記溶媒としては精製水、適当な緩衝液などが用いられるが、緩衝液を用いるのが好ましい。緩衝液としては、共存する酵素活性を阻害しないものであればいずれの緩衝液も使用することができ、例えば、グッド緩衝液、炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等、酒石酸緩衝液等が挙げられ、特にグッド緩衝液が好ましい。かくして調製された各基質液は冷暗所にて保存するのが好ましい。
本発明に使用されるグッド緩衝液としては、特に限定はされないが、その後の酵素反応を抑制しない緩衝液であればよく、当該分野で公知の任意のグッド緩衝液を広く使用できる。好ましくは10〜200mMの濃度の2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)等が用いられる。
本発明の発色基質液は、ロイコ型色素、亜硫酸塩、及び非イオン性界面活性剤の他に、必要に応じて当該分野で周知の任意の成分を更に含有することができる。例えば、成分測定を行う反応系で使用する酵素、防腐剤、酸化防止剤、塩類、並びに亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤以外の安定化剤等を挙げることができる。
本発明の発色基質液に配合され得る酵素としては、特に限定されず、当該分野で公知の任意の酵素を配合することができる。例えば、糖化タンパク質測定に用いる発色基質液の場合には、プロテアーゼ、ペルオキシダーゼ、糖化アミノ酸オキシダーゼを配合することができる。
本発明に用いられ得るプロテアーゼは特に限定されず、アミノペプチターゼ、ジペプチターゼ、ジペプチジルペプチターゼ、トリペプチジルペプチターゼ、ペプチジルジペプチターゼ、セリンカルボキシペプチターゼ、プロリンカルボキシペプチダーゼ、アラニンカルボキシペプチダーゼ、金属プロテアーゼ、システイン性カルボキシペプチターゼ、オメガペプチターゼ、セリンエンドペプチターゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、スレオニンエンドペプチターゼなどが例示できる。
本発明に用いられ得るペルオキシダーゼとしては、過酸化水素を発色基質に接触させて発色色素を生成させることができるものであれば特に限定されないが、好適なものとしては、西洋ワサビや微生物などに由来するものが挙げられる。中でも、西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼが好ましい。前記ペルオキシダーゼは、高純度かつ低価格のものが商業的に入手可能である。
本発明に用いられ得る糖化アミノ酸オキシダーゼとはアマドリ化合物を酸化して過酸化水素を生成する反応を触媒することができる酵素を意味する。糖化アミノ酸オキシダーゼはフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、フルクトシルペプチドオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、アマドリアーゼ、ケトアミンオキシダーゼ、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ、糖化ヘモグロビンオキシダーゼなどと呼ばれることもあり、本発明にはいずれの糖化アミノ酸オキシダーゼも用いられ得る。
本発明の発色基質液に配合され得る防腐剤としては、特に限定されず、当該分野で公知の任意の防腐剤を配合することができる。例えば、防腐剤の具体例として、プロクリン(登録商標、スペルコ社)各種、アジ化物、キレート剤、抗菌剤などが挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸およびその塩等が挙げられる。抗菌剤としては、ゲンタマイシン、カナマイシン、クロラムフェニコール、ピペラシリン、イミダゾリジニルウレア等が挙げられる。防腐剤を配合することによって、発色基質液の腐敗を防止できるというメリットがある。
本発明の発色基質液に防腐剤を配合する場合、その濃度は特に限定されないが、例えば、発色基質液中の防腐剤の濃度が0.005〜1w/v%程度、好ましくは0.01〜0.1w/v%程度とするのがよい。また、本発明の発色基質液は、防腐剤を実質的に含まない態様とすることもできる。ここで実質的に含まないとは、発色基質液中の防腐剤の濃度が0.005w/v%未満であることをいう。
本発明の発色基質液に塩類を配合する場合、その種類および濃度は特に限定されないが、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。このような塩類を配合することで、より安定な発色基質液とすることができる。
本発明において、必要に応じて(例えば、試料由来の還元物質の影響回避、ヘモグロビンの変性やプロテアーゼの反応促進などを目的として)、フェロシアン化カリウム等のフェロシアン化物や亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩類を添加しても良い。
本発明の方法を糖化タンパク質測定に適用する場合、その操作は従来の方法と同様にして行うことができ、例えば、糖化タンパク質を含む検体と糖化タンパク質測定用酵素を含む酵素液を混合したのち、前記の方法により調製した測定用基質液とを混合し、所定温度(通常、37℃程度)で所定時間(通常、10分間程度)反応させる。次いで吸光度を測定することにより、発色基質の反応量を求めることができる。更に、得られた吸光度変化量に基づいて、予め作成した検量線と対比することにより、検体中の測定対象物質の濃度(量)を求めることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]ロイコ型色素の安定性評価
ロイコ型色素として0.06mM DA−67(10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム)を含んだ50mM PIPES溶液(pH6.3)に、亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウムを0.5mM/L及び非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルを10g/L添加した溶液を4℃に5日間又は10日間保存した。比較例として、上記のDA−67を含むPIPES溶液(pH6.3)に、亜硫酸塩のみを添加した溶液、非イオン性界面活性剤のみを添加した溶液、亜硫酸塩と非イオン性界面活性剤のどちらも添加していない溶液を作製し、同条件で保存した。これらの溶液について調製直後と4℃に5日間又は10日間保存後の660nmの吸光度を測定することにより、保存前後のロイコ型色素溶液そのものの着色度を判定した。得られた吸光度を表1に示す。
表1からわかるように、亜硫酸塩と非イオン性界面活性剤の添加がない場合のDA−67単独溶液の初期吸光度は4℃で5日間保存後に4日後に53.7mAbsであったのに対して、亜硫酸ナトリウムまたはポリオキシエチレンラウリルエーテルを添加すると発色強度が小さかった。さらに、亜硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンラウリルエーテルの両方を添加することで保存中における吸光度の変化が殆どなく、発色基質を含む溶液を安定的に保存できることが明らかとなった。さらに4℃で10日間保存した場合にも同様に、亜硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンラウリルエーテルとを組み合わせて用いることにより、DA−67を含む発色基質液で高度な着色抑制効果が認められた。
本発明は、ロイコ型色素を用いる発色基質液の経時的な非特異発色を抑えることができ、該発色基質液を用いる様々な検査方法において好適に用いられる。

Claims (8)

  1. ロイコ型色素と、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤とを共存させることを特徴とする、ロイコ型色素を含む発色基質液の着色抑制方法。
  2. 亜硫酸塩が亜硫酸ナトリウムである、請求項1記載の方法。
  3. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項3に記載の方法。
  5. ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンラウリルエーテルである、請求項3又は4に記載の方法。
  6. ロイコ型色素が、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウムである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. pH4〜9である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ロイコ型色素、亜硫酸塩及び非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする発色基質液。
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