JP7226955B2 - 糖化蛋白質の測定 - Google Patents
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Description
特に糖化蛋白質量の測定は、糖尿病の診断や治療において重要である。糖化蛋白質量の測定方法としては、糖化蛋白質量のみを測定する方法や、糖化蛋白質量と蛋白質量を測定して比率を算出する方法などがあり、対象とする蛋白質も、特に限定しない場合や、特定の蛋白質に限定する場合や、特定の蛋白質の特定部位に限定する場合がある。
例えば、フルクトサミンは血清や血漿中の蛋白質又はアルブミンの糖化量を測定し、糖化アルブミンは血清や血漿中のアルブミンの糖化量とアルブミン量の比率を測定する。糖化ヘモグロビンは血液中のヘモグロビンの糖化量を測定するか、ヘモグロビン量との比率を測定する。ヘモグロビンA1cは血液中のヘモグロビンのβ鎖N末端糖化量(HbA1c量)を測定するか、ヘモグロビン量との比率を測定する。
これらの糖化蛋白質の測定方法として、糖化アミノ酸や糖化ペプチドに反応するアマドリアーゼを用いた酵素法が一般的に使用される。
糖化ヘモグロビン比率の測定のためには、糖化ヘモグロビン量とヘモグロビン量を測定する方法が広く使われている。
糖化ヘモグロビン量の測定方法として、糖化アミノ酸や糖化ペプチドに反応するアマドリアーゼを用いた酵素法が一般的に使用されている。アマドリアーゼとしては、過酸化水素などを生成するフルクトシルペプチドオキシダーゼ(特許4231668、特許文献5)や、デヒドロゲナーゼ活性が向上したフルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼ(WO2016-63984、特許文献6)などがある。
一方、試料とアマドリアーゼとプロテアーゼとを混合した後にヘモグロビン量を測定することは、Hbが試薬(特にプロテアーゼ)と反応してしまいHbの色調が変化すること、及び、アマドリアーゼの作用により糖化ヘモグロビン濃度に応じて生成する発色色素がHbの色調に重なって糖化ヘモグロビン値に影響が発生すること、などから困難であった。
第1試薬:アマドリアーゼ、緩衝剤
第2試薬:プロテアーゼ、発色剤、緩衝剤
構成2
第1試薬:プロテアーゼ、緩衝剤
第2試薬:アマドリアーゼ、発色剤、緩衝剤
構成3
第1試薬:アマドリアーゼ、発色剤、緩衝剤
第2試薬:プロテアーゼ、緩衝剤
構成4
第1試薬:プロテアーゼ、発色剤、緩衝剤
第2試薬:アマドリアーゼ、緩衝剤
(i)試料中の糖化ヘモグロビンに糖化蛋白直接型アマドリアーゼに作用させて糖化ヘモグロビンを酸化する工程。
(ii)上記工程(i)で生成された物質、又は、消費された物質を測定する工程。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質とアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。 (3)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
本開示において、「蛋白質」は、特に言及のない場合、「糖化蛋白質」を含みうる。
本開示に係る測定方法は、一又は複数の実施形態において、蛋白質の変性、糖化蛋白質とアマドリアーゼとの反応、発色剤を発色、発色剤の吸光度の測定、及び、選択的に、変性した蛋白質の吸光度の測定が、試料と1試薬系試薬との一回の混合で、かつ、1容器(例えば、測光セル)内で行うことができる。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(4)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(4)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
本開示に係る測定方法は、一実施形態において、アマドリアーゼとして糖化蛋白質に対して基質特異性を有する(糖化蛋白質に直接作用する)アマドリアーゼ(糖化蛋白直接型アマドリアーゼ)を使用する。
本開示において、「糖化蛋白直接型アマドリアーゼ」は、糖化蛋白質をプロテアーゼ等によりペプチドに分解しなくても糖化蛋白質の糖化部分を基質として反応可能なアマドリアーゼをいう。
本開示に係る測定方法は、限定されない実施形態Aにおいて、下記(1)から(4)を含み、下記(1)から(4)を行うために、あるいは、下記(2)から(4)を行うために、1つの試薬(1試薬系試薬)と試料とを混合することを含む、糖化蛋白質の測定方法である。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質と直接型FPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(3)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼ(POD)との反応により酸化発色剤を発色させること。
(4)発色した酸化発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
構成A1
1試薬系試薬:緩衝剤、変性剤、直接型FPOX、POD、酸化発色剤
構成A2
1試薬系試薬:緩衝剤、直接型FPOX、POD、酸化発色剤
構成A3
1試薬系試薬:緩衝剤、直接型FPOX、POD、ロイコ型色素、下記式(I)の化合物
(1)3-ラウリルジメチルアミノ酪酸
(2)3-ミリスチルジメチルアミノ酪酸
(3)ラウリルジメチルアミノプロパンスルホン酸
(4)ミリチルジメチルアミノプロパンスルホン酸
(5)ラウリルアミドプロピルジメチルアミノ酪酸
(6)ミリスタミドプロピルベタイン
(7)n-ドデシル-βD-マルトシド
(8)WST-3(2-(4-ヨードフェニル)-3-(2,4-ジニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)
前記ロイコ型色素としては、例えば、入手が容易なN-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-4,4-ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA-64)、10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA-67)、2,2'-アミノビス(3-エチルベンゾチアゾリノン-6-スルホン酸(ABTS)、ビス-(4-ジエチルアミノフェニル)-2-スルフォフェニルメタン(BSPM)、ビス[3-ビス(4-クロロフェニル)メチル-4-ジメチルアミノフェニル]アミン(BCMA)、10-N-メチルカルバモイル-3,7-ジメチルアミノ-10H-フェノチアジン(MCDP)、o-トリジン、3,3'-ジアミノベンジジン・4HCl(DAB)、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(HPPA)、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMBZ)、N-(3-スルホプロピル)-3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン・Na(TMBZ-PS)、N,N',N',N'',N''-ヘキサ(3-スルホプロピル)-4,4',4''-トリアミノトリフェニルメタン・6Na(TPM-PS)等が挙げられる。
トリンダー試薬の水素供与体としては、フェノール誘導体、アニリン誘導体、トルイジン誘導体等が使用可能であり、具体例として、N-(3-スルホプロピル)アニリンナトリウム1水(HALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メチルアニリンナトリウム1水(TOPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム1水(MAOS)、N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム1水(HDAPS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(HDAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム1水(DAPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(DAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)アニリンナトリウム(ALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリンナトリウム1水(ADPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリンナトリウム2水(ADOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン(TOOS)、N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウム(TODB)等が挙げられる。
(i)試料中にある既知の検量物質に基づき検量線を求め、HbA1c由来の吸光度を検量線に基づきHbA1c量に換算すること
(ii)発色色素を検量物質(校正用物質)とし、発色色素の検量線を求め、発色色素の吸光度を該発色色素の検量線に基づき糖化蛋白質量に換算すること
(iii)異なる波長で求めた吸光度比をとって、吸光度比に対する検量線に基づき糖化蛋白質量に換算すること
(iv)試料と試薬との混合直後及び混合から所定の時間経過後に測定した吸光度の差を取って吸光度変化量を求め、吸光度変化量に対する検量線に基づき糖化蛋白質量に換算すること
(i)における既知の検量物質としては、一又は複数の実施形態において、既知量のHbA1cを含む校正用標準物質が挙げられる。既知量のHbA1cを含む校正用標準物質としては、一又は複数の実施形態において、全血又は血球の凍結品、それらを精製したHbA1cを含むHb溶液、又はそれらに緩衝液組成物及びHbの安定剤等を含む物質等が挙げられる。既知の検量物質としては、一又は複数の実施形態において、公的機関が提供している一次標準物質又は常用標準物質、キットに付属している校正物質等が挙げられる。
(iv)における混合直後としては、一又は複数の実施形態において、試料と試薬との混合から5秒~30秒程度が挙げられる。所定の時間経過後としては、一又は複数の実施形態において、試料と試薬との混合から1分~3分程度が挙げられる。
なお、上記形態では、発色シグナルが吸光度である場合の一例であって、吸光度以外の反射率及び透過率であっても同様に行うことができる。
実施形態Aa
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンと直接型FPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(3)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼ(POD)との反応によりロイコ型色素を発色させること。
(4)発色したロイコ型色素の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(5)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
実施形態Ab
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンと直接型FPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(3)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼ(POD)との反応によりロイコ型色素を発色させること。
(4)発色したロイコ型色素の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(5)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
また、実施形態Aa及びAbにおいて、糖化ヘモグロビンは、一又は複数の実施形態において、ヘモグロビンA1cである。
蛋白質量を求める方法は、例えば、ビウレット反応法、Folin phenol試薬を用いたLowry法、Coomassie G-250を用いたBradford(Coomassie)法などが挙げられ、アルブミンの場合には、BCG法やBCP法が挙げられる。
実施形態Aにおける1試薬系試薬は、流通段階では試薬の安定性の観点などから、1つの試薬でなくてもよい。本開示に係る測定方法を行う段階で用事調製してもよい。このような実施形態における1試薬系試薬を調製するための、限定されない2試薬の構成として下記構成A4からA9が挙げられる。但し、本開示に係る試薬は、これらの実施形態には限定されない。試薬は、さらにその他の成分を含んでもよい。
構成A4
試薬1:緩衝剤、変性剤、直接型FPOX、POD
試薬2:緩衝剤、酸化発色剤
構成A5
試薬1:緩衝剤、直接型FPOX、POD
試薬2:緩衝剤、変性剤、酸化発色剤
構成A6
試薬1:緩衝剤、POD
試薬2:緩衝剤、変性剤、直接型FPOX、酸化発色剤
構成A7
試薬1:緩衝剤、変性剤、POD
試薬2:緩衝剤、直接型FPOX、酸化発色剤
構成A8
試薬1:緩衝剤、直接型FPOX、POD
試薬2:緩衝剤、酸化発色剤
構成A9
試薬1:緩衝剤、POD
試薬2:緩衝剤、直接型FPOX、酸化発色剤
本開示に係る測定方法は、限定されない実施形態Bにおいて、下記(1)から(3)を含み、下記(1)から(3)を行うために、あるいは、下記(2)から(3)を行うために、1つの試薬(1試薬系試薬)と試料とを混合することを含む、糖化蛋白質の測定方法である。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質と直接型FPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(3)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
構成B1
1試薬系試薬:緩衝剤、変性剤、直接型FPDH、還元発色剤
構成B2
1試薬系試薬:緩衝剤、直接型FPDH、還元発色剤
テトラゾリウム塩としては、2,5-ジフェニル-3-(1-ナフチル)-2H-テトラゾリウムクロリド<略称テトラゾリウムバイオレット>、3,3′-(3,3′-ジメトキシ-4,4′-ビフェニレン)-ビス[2-(p-ニトロフェニル)-5-フェニルテトラゾリウムクロリド]<略称ニトロブルーテトラゾリウム>、3,3′-(3,3′-ジメトキシ-4,4′-ビフェニレン)-ビス(2,5-ジフェニルテトラゾリウムクロリド)<略称ブルーテトラゾリウム>、3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド<略称MTT>、3-(p-ヨードフェニル)-2-(p-ニトロフェニル)-5-フェニル-テトラゾリウムクロリド、2,2′,5,5′-テトラ-(p-ニトロフェニル)-3,3′-(3-ジメトキシ-4-ジフェニレン)-ジテトラゾリウムクロリド<略称ニトロブルーテトラゾリウム>、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロリド、3,3′-(3,3′-ジメトキシ-4,4′-ビフェニレン)-ビス-[2,5-ビス(p-ニトロフェニル)テトラゾリウムクロリド]、3,3′-(4,4′-ビフェニレン)-ビス(2,5-ジフェニルテトラゾリウムクロリド)、2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-フェニル-2H-テトラゾリウム塩化物<略称INT>、3,3′-[3,3′-ジメトキシ-(1,1′-ビフェニル)-4,4′-ジイル]-ビス[2-(4-ニトロフェニル)-5-フェニル]-2Hテトラゾリウム塩化物<略称ニトロ-TB>、2-ベンゾチアゾイル-3-(4-カルボキシ-2-メトキシフェニル)-5-[4-(2-スルホエチルカルバモイル)フェニル]-2H-テトラゾリウム<略称WST-4>、2,2′-ジベンゾチアゾイル-5,5′-ビス[4-ジ(2-スルホエチル)カルバモイルフェニル]-3,3′-(3,3′-ジメトキシ-4,4′-ジフェニレン)ジテトラゾリウム2ナトリウム塩<略称WST-5>などが挙げられる。
これらの中でも、WST-4及びWST-5は、水溶性が高く試薬として調整しやすい上に、長波長域に吸収を有しておりヘモグロビンなどの蛋白質の吸収の影響を受け難い特徴がある。
実施形態Ba
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンと直接型FPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(3)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(4)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
実施形態Bb
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンと直接型FPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(3)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(4)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
また、本実施形態Ba及びBbにおいて、糖化ヘモグロビンは、一又は複数の実施形態において、ヘモグロビンA1cである。
実施形態Bにおける1試薬系試薬は、流通段階では試薬の安定性の観点などから、1つの試薬でなくてもよい。本開示に係る測定方法を行う段階で用事調製してもよい。このような実施形態における1試薬系試薬を調製するための、限定されない2試薬の構成として下記構成B3及びB4が挙げられる。
構成B3
試薬1:緩衝剤、変性剤、直接型FPDH
試薬2:緩衝剤、還元発色剤
構成B4
試薬1:緩衝剤、直接型FPDH
試薬2:緩衝剤、還元発色剤
また、構成B3及びB4における緩衝剤、変性剤、及び還元発色剤は、上述のものが使用できる。
本開示に係る測定方法は、その他の一実施形態において、アマドリアーゼとしてN末端糖化ペプチド及び糖化アミノ酸(以下、単に「糖化ペプチド」ともいう)に対して基質特異性を有するアマドリアーゼを使用する。該アマドリアーゼとしては、フルクトシルペプチドオキシダーゼ(FPOX)、及び、フルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼ(FPDH)が挙げられる。
フルクトサミンや糖化アルブミンの測定に用いられるアマドリアーゼとしては、リジンのεアミノ基が糖化されたアミノ酸及び/又はεアミノ基が糖化されたペプチドによく作用する糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドに作用する酵素を用いることができる。例としては、ギベレラ(Gibberella)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、カンジダ(Candida)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フサリウム(Fusarium)属、アクレモニウム(Acremonium)属又はデバリオマイゼス(Debaryomyces)属由来のオキシダーゼ等が挙げられる。
本開示に係る測定方法は、限定されない実施形態Cにおいて、下記(1)から(5)を含み、下記(1)から(5)を行うために、あるいは、下記(2)から(5)を行うために、1つの試薬(1試薬系試薬)と試料とを混合することを含む、糖化蛋白質の測定方法である。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質とプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(4)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼとの反応により酸化発色剤を発色させること。
(5)発色した酸化発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
構成C1
1試薬系試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ、FPOX、POD、酸化発色剤
構成C2
1試薬系試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、FPOX、POD、酸化発色剤
構成C3
1試薬系試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、FPOX、POD、ロイコ型色素、式(I)の化合物
構成C1からC3における緩衝剤、変性剤、POD、酸化発色剤、ロイコ型色素、式(I)の化合物、及び測定対象試料については、実施形態Aと同様である。
実施形態Cにおけるプロテアーゼとしては、バチルス属、アスペルギルス属、ストレプトマイセス属などの微生物由来のプロテアーゼが挙げられる。その他、セリンプロテアーゼも好ましい。
また測定対象が糖化アルブミンである場合にはバチルス属及びストレプトマイセス属の微生物由来プロテアーゼがヒトアルブミンに対する作用が大きい為より好ましく、バチルス属由来プロテアーゼ、たとえばズブチリシン(Subtilisin)、ナガーゼ、プロテアーゼ-タイプ-VIII、-IX、-X、-XV、-XXIV、-XXVII、-XXXI(以上シグマ社製)、サーモリシン(Thermolysin)、ニュートラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、デュラザイム、バイオフィードプロ、アルカラーゼ、(以上ノボノルディスクバイオインダストリー社製)等が特に好ましく、ズブチリシン、ナガーゼ、プロテアーゼ-タイプ-XXVIIなどがより特に好ましい。
実施形態Ca
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(4)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼとの反応により酸化発色剤を発色させること。
(5)発色した酸化発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(6)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
実施形態Cb
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPOXとの反応により過酸化水素を生成させること。
(4)生成した過酸化水素とペルオキシダーゼとの反応により酸化発色剤を発色させること。
(5)発色した酸化発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(6)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
また、実施形態Ca及びCbにおいて、糖化ヘモグロビンは、一又は複数の実施形態において、ヘモグロビンA1cである。
実施形態Cにおける1試薬系試薬は、流通段階では試薬の安定性の観点などから、1つの試薬でなくてもよい。本開示に係る測定方法を行う段階で用事調製してもよい。このような実施形態における1試薬系試薬を調製するための、限定されない2試薬の構成として下記構成C4からC11が挙げられる。
構成C4
第1試薬:緩衝剤、変性剤、FPOX、POD
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、酸化発色剤
構成C5
第1試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ、POD
第2試薬:緩衝剤、FPOX、酸化発色剤
構成C6
第1試薬:緩衝剤、変性剤、FPOX、酸化発色剤
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、POD
構成C7
第1試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ、酸化発色剤
第2試薬:緩衝剤、FPOX、POD
構成C8
第1試薬:緩衝剤、FPOX、POD
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、酸化発色剤
構成C9
第1試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、POD
第2試薬:緩衝剤、FPOX、酸化発色剤
構成C10
第1試薬:緩衝剤、FPOX、酸化発色剤
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、POD
構成C11
第1試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、酸化発色剤
第2試薬:緩衝剤、FPOX、POD
本開示に係る測定方法は、限定されない実施形態Dにおいて、下記(1)から(4)を含み、下記(1)から(4)を行うために、あるいは、下記(2)から(4)を行うために、1つの試薬(1試薬系試薬)と試料とを混合することを含む、糖化蛋白質の測定方法である。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質とプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(4)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
構成D1
1試薬系試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ、FPDH、還元発色剤
構成D2
1試薬系試薬:緩衝剤、FPDH、還元発色剤
実施形態Da
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(4)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(5)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
実施形態Db
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼとの反応により糖化ペプチドを生成させること。
(3)糖化ペプチドとFPDHとの反応により還元発色剤を発色させること。
(4)発色した還元発色剤の発色シグナルを測定して糖化蛋白質量を算出すること。
(5)変性したヘモグロビンの発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。
また、実施形態Da及びDbにおいて、糖化ヘモグロビンは、一又は複数の実施形態において、ヘモグロビンA1cである。
実施形態Dにおける1試薬系試薬は、流通段階では試薬の安定性の観点などから、1つの試薬でなくてもよい。本開示に係る測定方法を行う段階で用事調製してもよい。このような実施形態における1試薬系試薬を調製するための、限定されない2試薬の構成として下記構成D3からD10が挙げられる。
構成D3
第1試薬:緩衝剤、変性剤、FPDH
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、還元発色剤
構成D4
第1試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ
第2試薬:緩衝剤、FPDH、還元発色剤
構成D5
第1試薬:緩衝剤、変性剤、FPDH、還元発色剤
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ
構成D6
第1試薬:緩衝剤、変性剤、プロテアーゼ、還元発色剤
第2試薬:緩衝剤、FPDH
構成D7
第1試薬:緩衝剤、FPDH
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、還元発色剤
構成D8
第1試薬:緩衝剤、プロテアーゼ
第2試薬:緩衝剤、FPDH、還元発色剤
構成D9
第1試薬:緩衝剤、FPDH、還元発色剤
第2試薬:緩衝剤、プロテアーゼ
構成D10
第1試薬:緩衝剤、プロテアーゼ、還元発色剤
第2試薬:緩衝剤、FPDH
本開示は、その他の態様において、本開示に係る測定方法を実行する、糖化蛋白質の測定装置又は測定システムに関する。
本開示に係る測定装置又はシステムは、一又は複数の実施形態において(図1)、反応容器(測光セル)に試料を供給するサンプリング部1、反応容器(測光セル)に1試薬系試薬を供給する試薬供給部2、測光セルの吸光度等の発色シグナルを測定する測光部3、サンプリング部1と試薬供給部2と測光部3を制御する制御部4、測光データ等を記録する記録部5、糖化蛋白質量等を算出する演算部6、及びデータ出力部7を備える。これらの各部は1つの装置に含まれてもよく、別個の装置に含まれシステムを構成してもよい。
本開示に係る測定方法であれば、一又は複数の実施形態において、試料と1試薬系試薬との混合から10秒-180秒で測定でき、2試薬系よりもさらなる高速化が可能となる。
よって、一又は複数の実施形態において、本開示に係る装置は、一度に多数の検体を処理する大型の自動分析装置に好適である。
あるいは、本開示に係る測定方法は、一又は複数の実施形態において、1試薬系試薬を用いることにより従来の酵素法よりもかかる時間が短縮化できるから、測定対象試料が少ない小型の自動分析装置にも好適である。
サンプリング部1には、採血に使用した採血管をそのままセットしたり、あるいは、血液等を試料カップに移し替えたり、採血管にサンプリング用具をセットしたりすることで、検体がサンプリング部1に供給される。採血管をそのままセットする場合には、キャップを貫通することのできるピアスノズルを用いることも可能である。
サンプリング部1において、供給された検体から試料が反応容器(測光セル)に移動される。サンプリング量は、例えば、0.1-10μLが挙げられる。測光セルに直接移動させる場合には、希釈率の観点から、0.1-2μLが好ましい。一方、検体から希釈槽を介して試料を測光セルに移動させてもよく、その場合のサンプリング量は、例えば、0.5-10μLである。
検体中の赤血球の溶血は、希釈槽を使用する場合には、希釈槽において、検体を精製水及び/又は界面活性剤を含む溶液など(以下、これらを「溶血溶液」ともいう)と混合することで溶血させることができる。溶血後、測定対象の試料として測光セルに移動する。したがって、本開示に係る装置又はシステムは、溶血溶液を供給する溶血溶液供給部を備えてもよい。
一方で、検体を直接測光セルに移動させてもよい。この場合、測光セルに溶血溶液を供給して溶血させてもよく、1試薬系試薬を供給することで溶血させてもよい。
いずれの場合も、溶血には、攪拌子による物理的な攪拌や、超音波による攪拌を利用できる。
糖化蛋白質の測定は、測定試薬添加後に速やかに1回目を測定し、測定終了時点で2回目を測定し、2回目と1回目の測光との差を測定値とする。
ヘモグロビンの測定は、Hbの吸収のある波長で測定するが、糖化ヘモグロビンの発色反応に影響されない波長が好ましく、例えば、発色剤がDA-67の場合、例えば、550nm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは450~480nm付近で測定する。
測定セル、又は、溶血セルは、洗浄して何回も使用する形態でもよいが、一回で使い捨てる形態でもよい。
演算部6は、測光部で得られた測定値(例えば、吸光度変化量)を、測定値に対する検量線に基づき糖化蛋白質量に換算して糖化蛋白質量を算出する。
〔1〕 下記(1)から(3)を含む、試料中の糖化蛋白質の測定方法であって、
下記(2)から(3)を行うために試料と混合する試薬が1つである、測定方法。
(1)試料中の蛋白質を変性すること。
(2)試料中の糖化蛋白質とアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。 (3)(1)及び(2)の後の試料の吸光度を測定して糖化蛋白質量を算出すること。〔2〕 前記糖化蛋白質が、糖化ヘモグロビン又は糖化アルブミンであり、前記蛋白質が、ヘモグロビン又はアルブミンである、〔1〕に記載の測定方法。
〔3〕 下記(1)から(4)を含む、試料中の糖化ヘモグロビンの測定方法であって、 下記(1)から(4)を行うために試料と混合する試薬が1つである、測定方法。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の吸光度を測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(4)(1)及び(2)の後の試料の吸光度を測定してヘモグロビン量を算出すること。
〔4〕 下記(0)から(4)を含む、試料中の糖化ヘモグロビンの測定方法であって、 下記(2)から(4)を行うために試料と混合する試薬が1つである、測定方法。
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。
(1)試料中のヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の吸光度を測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(4)(1)及び(2)の後の試料の吸光度を測定してヘモグロビン量を算出すること。
〔5〕 糖化ヘモグロビンが、ヘモグロビンA1cである、〔2〕から〔4〕のいずれかに記載の測定方法。
〔6〕 前記アマドリアーゼが、糖化蛋白直接型アマドリアーゼである、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の測定方法。
〔7〕 添加する試薬が、変性剤、糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及び酸化発色剤を含有する、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の測定方法。
〔8〕 添加する試薬が、変性剤、糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼ、及び還元発色剤を含有する、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の測定方法。
〔9〕 前記(2)が、試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼと反応によりN末端糖化ペプチドを生成させること、及び、N末端糖化ペプチドとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること、である、〔2〕から〔8〕のいずれか記載の測定方法。
〔10〕 添加する試薬が、変性剤、プロテアーゼ、フルクトシルペプチドオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及び発色剤を含有する、〔1〕から〔5〕及び〔9〕のいずれかに記載の測定方法。
〔11〕 添加する試薬が、変性剤、プロテアーゼ、フルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼ、及び発色剤を含有する、〔1〕から〔5〕及び〔9〕のいずれかに記載の測定方法。
〔12〕 〔1〕から〔11〕のいずれかに記載の測定方法を実行する、糖化ヘモグロビンの測定装置又は測定システム。
1試薬系試薬
糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドオキシダーゼ 3000U/L
ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸(東京化成工業) 3g/L
POD 10KU/L
DA-67(和光純薬工業) 0.1mmol/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
測定装置
BM-6010(日本電子製)
操作
人全血2μLと1試薬系試薬148μLとを混合し、37℃で2分間インキュベーションする。
吸光度測定
糖化ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約20秒後と、約2分後との吸光度を、主波長654nm、副波長694nmで測定し、約2分後の吸光度から約20秒後の吸光度を差し引くことで、吸光度変化量を求める。
ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約2分後の吸光度を、主波長478nm、副波長694nmで測定する。
糖化ヘモグロビン量の算出
吸光度変化量に対する検量線に基づき糖化ヘモグロビン量に換算して糖化ヘモグロビン量を算出する。
1試薬系試薬の用事調製用第1試薬(酵素試薬)
糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドオキシダーゼ 400U/L
POD 20KU/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
1試薬系試薬の用事調製用第2試薬(発色剤試薬)
ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸(東京化成工業) 30g/L
DA-67(和光純薬工業) 1.0mmol/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
測定装置
BM-6010(日本電子製)
操作
第1試薬9mLと第2試薬1mLとを混合し、1試薬系試薬を作製する。
人全血2μLと1試薬系試薬148μLとを混合し、37℃で2分間インキュベーションする。
吸光度測定
糖化ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約20秒後と、約2分後との吸光度を、主波長654nm、副波長694nmで測定し、約2分後の吸光度から約20秒後の吸光度を差し引くことで、吸光度変化量を求める。
ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約2分後の吸光度を、主波長478nm、副波長694nmで測定する。
糖化ヘモグロビン量の算出
吸光度変化量に対する検量線に基づき糖化ヘモグロビン量に換算して糖化ヘモグロビン量を算出する。
1試薬系試薬の用事調製用第1試薬(酵素試薬)
フルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼ 500U/L
1-メトキシPMS(同仁化学研究所) 1mmol/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
1試薬系試薬の用事調製用第2試薬(発色剤試薬)
メタロプロテアーゼ 20000KU/L
ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸(東京化成工業) 30g/L
WST-4(同仁化学研究所) 1mmol/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
測定装置
BM-6010(日本電子製)
操作
第1試薬9mLと第2試薬1mLとを混合し、1試薬系試薬を作製する。
人全血2μLと1試薬系試薬148μLとを混合し、37℃で2分間インキュベーションする。
吸光度測定
糖化ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約20秒後と、約2分後との吸光度を、主波長694nm、副波長805nmで測定し、約2分後の吸光度から約20秒後の吸光度を差し引くことで、吸光度変化量を求める。
ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約2分後の吸光度を、主波長478nm、副波長694nmで測定する。
糖化ヘモグロビン量の算出
吸光度変化量に対する検量線に基づき糖化ヘモグロビン量に換算して糖化ヘモグロビン量を算出する。
1試薬系試薬の用事調製用第1試薬(酵素試薬)
フルクトシルペプチドオキシダーゼ 500U/L
POD 20KU/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
1試薬系試薬の用事調製用第2試薬(発色剤試薬)
メタロプロテアーゼ 30000KU/L
ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸(東京化成工業) 30g/L
DA-67(和光純薬工業) 1.0mmol/L
MOPS(同仁化学研究所) 50mmol/L
NaOH pH6.5
測定装置
BM-6010(日本電子製)
操作
第1試薬9mLと第2試薬1mLとを混合し、1試薬系試薬を作製した。
人全血2μLと1試薬系試薬148μLとを混合し、37℃でインキュベーションした。
吸光度測定
糖化ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約20秒後、約1分後、約2分後、約5分後の吸光度を、主波長658nm、副波長694nmで測定し、約1分後、約2分後、約5分後の各吸光度から約20秒後の吸光度を差し引くことで、それぞれの吸光度変化量を求めた。
ヘモグロビン測定:1試薬系試薬の混合から約2分後の吸光度を、主波長478nm、副波長694nmで測定した。
糖化ヘモグロビン量の算出
吸光度変化量に対する検量線に基づき糖化ヘモグロビン量に換算して糖化ヘモグロビン量を算出した。
結果
約1分後、約2分後及び約5分後のいずれにおいても、同じ測定結果がえられた。
Claims (10)
- 下記(1)から(3)を含む、試料中の糖化ヘモグロビンの測定方法であって、
前記試料は、赤血球を含む試料であり、
下記(1)から(3)を行うために試料と混合する試薬が1つであり、前記1つの試薬が変性剤、発色剤、及びアマドリアーゼを含む、測定方法であって、
前記変性剤が、ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸であり、
前記発色剤が、10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA-67)又は、2-ベンゾチアゾイル-3-(4-カルボキシ-2-メトキシフェニル)-5-[4-(2-スルホエチルカルバモイル)フェニル]-2H-テトラゾリウム(WST-4)であり、
前記アマドリアーゼが、糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドオキシダーゼ又はフルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼである、測定方法。
(1)試料中のヘモグロビンと前記変性剤との反応により前記ヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンと前記アマドリアーゼとの反応により前記発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。 - 下記(1)から(4)を含む、試料中の糖化ヘモグロビンの測定方法であって、
下記(1)から(4)を行うために試料と混合する試薬が1つであり、前記1つの試薬が変性剤、発色剤、及びアマドリアーゼを含む、測定方法であって、
前記変性剤が、ミリスチルジメチルアミノプロパンスルホン酸であり、
前記発色剤が、10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA-67)、又は2-ベンゾチアゾイル-3-(4-カルボキシ-2-メトキシフェニル)-5-[4-(2-スルホエチルカルバモイル)フェニル]-2H-テトラゾリウム(WST-4)であり、
前記アマドリアーゼが、糖化蛋白直接型フルクトシルペプチドオキシダーゼ又はフルクトシルペプチドデヒドロゲナーゼである、測定方法。
(1)試料中のヘモグロビンと前記変性剤との反応により前記ヘモグロビンを変性すること。
(2)試料中の糖化ヘモグロビンとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること。
(3)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定して糖化ヘモグロビン量を算出すること。
(4)(1)及び(2)の後の試料の発色シグナルを測定してヘモグロビン量を算出すること。 - (1)に先立ち、下記(0)を含む、請求項1又は2に記載の測定方法。
(0)試料中の赤血球を溶血しヘモグロビンを赤血球から放出すること。 - 前記糖化ヘモグロビン量の算出は、前記測定した発色シグナルを所定の換算要素に基づき糖化ヘモグロビン量に換算することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の測定方法。
- 糖化ヘモグロビンが、ヘモグロビンA1cである、請求項1から4のいずれかに記載の測定方法。
- 前記試薬が、さらに、ペルオキシダーゼを含む、請求項1から5のいずれかに記載の測定方法。
- 前記(2)が、試料中の糖化ヘモグロビンとプロテアーゼと反応によりN末端糖化ペプチドを生成させること、及び、N末端糖化ペプチドとアマドリアーゼとの反応により発色剤を発色させること、である、請求項1から5のいずれか記載の測定方法。
- 前記試薬が、さらに、プロテアーゼ及びペルオキシダーゼを含む、請求項1から5及び7のいずれかに記載の測定方法。
- 前記試薬が、さらに、プロテアーゼを含む、請求項1から5及び7のいずれかに記載の測定方法。
- 請求項1から9のいずれかに記載の測定方法を実行する、糖化ヘモグロビンの測定装置又は測定システム。
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