JPWO2002021142A1 - 総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents

総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、試料中の総ヘモグロビンと糖化ヘモグロビンとを1チャンネルで測定し得る総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの連続測定方法、並びにそれに用いられる測定用キットに関するものであり、「試料をヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理に付した後、吸光度を測定しその結果に基づいて試料中のヘモグロビンの量を求め、次いで試料中の糖化ヘモグロビン量を測定することからなるヘモグロビン類の測定方法」、「ヘモグロビンの構造を変化させるものを含んでなる成分と、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素を含んでなる成分との組合せからなるヘモグロビン類測定用キット」、並びに「ヘモグロビンの構造を変化させるものを含んでなる成分と、抗糖化ヘモグロビン抗体を含んでなる成分との組合せからなるヘモグロビン類測定用キット。」を提供する。

Description

技術分野
本発明は、試料中の総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの連続測定方法、並びに当該方法に用いられる総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定用キットに関する。
技術背景
ヘモグロビンは、赤血球中に含まれる色素蛋白で酸素の運搬を担っているものであり、この中の糖化ヘモグロビンは、拡散により赤血球に入り込んだ、血液中の糖(単糖類)の還元末端と、ヘモグロビンのα鎖及びβ鎖の遊離のアミノ基が非酵素的にシッフ塩基により結合して形成された不安定なアルドイミン(不安定型)が、更にアマドリ転移により安定なケトアミン(安定型)へと移行することにより生成されるアマドリ化合物の一種である。総ヘモグロビン中の糖化ヘモグロビンの濃度は過去1〜2ヶ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映すると言われていることから、糖尿病の診断マーカーとして広く利用されている。
糖化ヘモグロビンの測定は、液体クロマトグラフィー法や抗体法等により行われているが、総ヘモグロビンの測定と組み合わせて1チャンネルで測定する方法は、ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定感度や測定波長の違いから、未だ実現されておらず、その開発が強く望まれている。
本発明は、上記した如き状況に鑑み、試料中の総ヘモグロビンと糖化ヘモグロビンとを1チャンネルで測定し得る総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの連続測定方法、並びにそれに用いられる測定用キットの提供にある。
発明の開示
本発明は上記課題を解決する目的でなされたものであり、
「試料をヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理に付した後、吸光度を測定しその結果に基づいて試料中のヘモグロビンの量を求め、次いで試料中の糖化ヘモグロビン量を測定することからなるヘモグロビン類の測定方法」、
「ヘモグロビンの構造を変化させる成分を含んでなる試薬と、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素又は抗糖化ヘモグロビン抗体を含んでなる試薬との組合せからなるヘモグロビン類測定用キット。」、
「(1)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬を含んでなる第二試薬と、糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素、ペルオキシダーゼ及び被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るキット、(2)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬及び糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素を含んでなる第二試薬と、ペルオキシダーゼ及び被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とからなるキット、或いは(3)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬及び被酸化呈色試薬を含んでなる第二試薬と、糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素及びペルオキシダーゼを含んでなる第三試薬とから成るキット、(4)HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体試薬を含んでなる第二試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテン試薬を含んでなる第三試薬とから成るキットの何れかからなるヘモグロビン類測定用三試薬系キット。」に関する。
本発明者らは、試料中の総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定が1チャンネルで測定可能な測定法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、試料をヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理に付した後、吸光度を測定し、その結果に基づいて試料中のヘモグロビンの量を求め、次いで試料中の糖化ヘモグロビン量を測定することで、試料中の総ヘモグロビンと糖化ヘモグロビンとを1チャンネルで連続して測定し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理としては、ヘモグロビンの構造を変化させる方法が挙げられ、かかる処理としては例えばヘモグロビンのヘム部の構造を変化させる処理及びヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる処理等が挙げられる。
具体的には、前者にあっては、ヘモグロビンを例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等のアルカリ金属亜硝酸塩や、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム等のフェリシアン化化合物等で処理しメトヘモグロビンに変化させた後、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム等のシアン化化合物又はアジ化ナトリウム、アジ化カリウム等のアジ化化合物で処理し、ヘモグロビンをシアンメトヘモグロビン又はアジドメトヘモグロビンに変化させることによりなされ、より具体的には、ヘモグロビンを例えばフェリシアン化カリウム及びシアン化カリウム或いは亜硝酸ナトリウム及びナトリウムアジド等の組み合わせで、例えば国際標準Hb測定法や特公昭58−44985に記載の公知の方法に従って処理することによって行われる。
また、後者にあっては、ヘモグロビンをアルカリ、酸、蛋白変性剤、プロテアーゼ、界面活性剤等と接触させることによってなされ、これらの処理によりヘモグロビンのグロビン部の構造が不可逆的に変化するとされている。具体的に構造がどの様に変化したかは必ずしも明らかではないが、かかる処理によって結果的にヘモグロビンの吸光度が安定化されるという目的が達成できる。これらアルカリ、酸、蛋白変性剤、プロテアーゼ、界面活性剤等とヘモグロビン含有試料を接触させる方法としては、例えばこれらの物質とヘモグロビン含有試料とを混合させる方法、ヘモグロビン含有試料にこれら物質或いはそれを含む溶液を添加する方法等が挙げられる。尚、これらの物質は単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させるためのアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等の緩衝液等が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリが好ましい。尚、測定時の反応液中のpHが、通常10〜13.7、好ましくは12.7〜13.7になるようにこれらのアルカリの種類、濃度等を選定する。
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させるための酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、例えば酒石酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸等のカルボン酸等が挙げられるが、中でも塩酸、酒石酸、クエン酸等が好ましい。尚、測定時の反応液中のpHが、通常1.0〜4.5、好ましくは1.0〜3.5になるようにこれらの酸の種類、濃度等を選定する。
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させるための蛋白変性剤としては、例えばアセトン、テトラヒドロキシフラン、tert−ブタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶媒、二クロム酸カリウム、二クロム酸アンモニウム、二酸化マンガン、二酸化鉛、硫化鉛等の重金属塩、塩酸グアニジン、尿素等が挙げられ、中でも塩酸グアニジン、尿素等が好ましい。尚、測定時の反応液中の濃度としては、通常0.1〜30%、好ましくは0.5〜15%である。
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させるためのプロテアーゼとしては、例えばトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、キモトリプシン、ズブチリシン、カテプシン、プロナーゼ、プロティナーゼK、パパイン、ブロメライン、エラスターゼ、サーモリシン、ペプシン、モルシン等が挙げられるが、中でもプロナーゼ、プロティナーゼK、エラスターゼ、キモトリプシン等が好ましい。尚、その使用濃度は、測定時の反応液中の濃度として、通常0.1〜10000U/ml、好ましくは0.3〜7000U/mlである。
本発明に係るヘモグロビンの吸光度を安定化させるための界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れでもよく、非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩等が挙げられ、陰イオン性界面活性剤としてはカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、例えばカルボキシベタイン類、スルホベタイン類、グリシン類、アラニン類、2−アルキルイミダゾリンの誘導体類、アミンオキサイド類等が挙げられる。
さらに、非イオン性界面活性剤である、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレングリコールモノオレエート等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート等が挙げられ、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルの具体例としては、例えばテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルアミンの具体例としては、例えばポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等が挙げられ、グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド等が挙げられ、脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、例えばラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、例えばショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤である、脂肪族アミン塩としては、モノラウリルアミン、モノステアリルアミン、ジステアリルアミン、トリステアリルアミン等の高級脂肪族アミン等と、塩酸、硫酸等の無機酸或いは酢酸、乳酸、クエン酸等の低級カルボン酸等との塩等が挙げられ、具体的には例えばラウリルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩等が挙げられ、脂肪族4級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム等の高級脂肪族アンモニウム等と塩素、臭素等との塩等が挙げられ、具体的には例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤である、カルボン酸塩としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等と、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等との塩等が挙げられ、具体的には例えばオレイン酸カリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、スルホン酸塩としては、ラウリルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸等のナフタレンスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸等のスルホコハク酸等と、ナトリウム等との塩等が挙げられ、具体的には例えばラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられ、硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸エステル等の高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸等エステルのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸等エステルと、ナトリウム、アンモニウム等との塩等が挙げられ、具体的には例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩エステル等が挙げられ、リン酸エステル塩としては、モノステアリルリン酸エステル、モノラウリルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸等と、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等との塩等が挙げられ、具体的には例えばモノステアリルリン酸ナトリウム、モノラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸カリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤である、カルボキシベタイン類の具体例としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられスルホベタイン類の具体例としては、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられ、グリシン類の具体例としては、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等が挙げられ、2−アルキルイミダゾリンの誘導体類の具体例としては、2−ラウロイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、アミンオキサイド類の具体例としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
尚、これら界面活性剤の使用濃度は、測定時の反応液中の濃度として、通常0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%である。
ヘモグロビンの吸光度を安定化させるために用いられる上記した各種試薬の中でも、界面活性剤が特に好ましいものとして挙げられ、更に、界面活性剤にプロナーゼ、プロティナーゼK、エラスターゼ、キモトリプシン等のプロテアーゼを併用するものがより好ましい。これら界面活性剤の中でも、短時間でヘモグロビンの吸光度を安定化させることができ、酵素への影響が少ない両性界面活性剤が好ましく、中でもラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルジメチルアミンオキサイド、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が好ましく、その中でも、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルジメチルアミンオキサイドがより好ましい。尚、上記で挙げた界面活性剤は、2種類以上を適宜選択して用いてもよい。
本発明のヘモグロビン類の測定方法は、例えば以下の様に実施される。
即ち、先ず生体由来試料を、ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための上記した如き処理に付す。試料とヘモグロビンの吸光度を安定化させるための上記した如き成分との接触時間は、通常2〜120分、好ましくは2〜60分であり、例えば両性界面活性剤であるラウリルジメチルアミンオキサイドを用いる場合、ラウリルジメチルアミンオキサイド水溶液と試料とを混合し、2〜60分放置する。このような処理を施した後、該試料の吸光度を測定しその値から試料中のヘモグロビン量を求め、次いで該試料中の糖化ヘモグロビンを測定する。
試料中の糖化ヘモグロビンを測定する方法は、酵素的測定法でも免疫学的測定法でも何れでもよいが、例えば酵素的測定法としては、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を基質とする過酸化水素生成酵素を用いる方法、糖化ヘモグロビンを基質とする脱水素酵素とNAD(P)、NAD(P)H等の補酵素とを組み合わせて用いる方法等が挙げられ、例えば免疫学的測定法としては、抗糖化ヘモグロビン抗体を用いる方法等が挙げられる。
酵素的測定法のうち、例えば糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を基質とする過酸化水素生成酵素を用いて糖化ヘモグロビンを測定するには、例えば以下の如くして実施すればよい。
即ち、ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための処理に付した後の試料(以下、安定化処理試料と略記する)を、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を基質とする過酸化水素生成酵素と接触させて過酸化水素を生成させる。生成した過酸化水素に例えばペルオキシダーゼ(以下、PODと略記する)と被酸化性呈色試薬(例えばカップラーとデベロッパーとの組合せ、酸化によってそれ自体が発色する発色剤等)を作用させて色素を生成させ、生成した色素量を吸光度として測定し、得られた吸光度に基づいて生体由来試料中の糖化ヘモグロビン量を算出する。尚、上記のようなPODを用いた定量法において、ヘモグロビンや赤血球、血漿に含まれる物質等によるPOD呈色反応の妨害を防止又は回避する方法(例えば特開平3−10696号公報記載の方法)が知られているが、これらの方法を本発明に組み合わせて実施してもよい。また、上記の被酸化性呈色試薬により色素を生成させ生体由来試料中の糖化ヘモグロビン量を算出する代わりに、公知の電極法により、過酸化水素生成酵素により生成した過酸化水素量又は減少した酸素量を測定し、その結果に基づいて生体由来試料中の糖化ヘモグロビン量を算出しても良い。
上記の糖化ヘモグロビンから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を基質とする過酸化水素生成酵素を用いて糖化ヘモグロビンから過酸化水素を生成させるためには、当該糖化ヘモグロビンを適当なプロテアーゼと接触させて糖化ヘモグロビンに由来する糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を生成させる必要がある。
このようなプロテアーゼ処理は例えば以下のようにして行われる。
▲1▼ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理を行う際にプロテアーゼを添加する方法(尚、ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理をプロテアーゼを用いて行う場合は、添加しなくてもよい場合がある)。
▲2▼適当なプロテアーゼ或いはこれを含む適当な溶液を、ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理前の試料と混合する方法。
▲3▼適当なプロテアーゼを上記した如き過酸化水素生成酵素と共に安定化処理試料と接触させる方法。
このような目的で用いられるプロテアーゼとしては、糖化ヘモグロビンから、過酸化水素生成酵素の基質となり得る糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を遊離させるものであれば特に限定されないが、通常この分野で使用されているもの、例えば、トリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、キモトリプシン、ズブチリシン、カテプシン、ブロナーゼ、プロティナーゼK、パパイン、ブロメライン、エラスターゼ、サーモリシン、ペプシン、モルシン等は全て使用可能であり、中でも、プロナーゼ、プロティナーゼK、エラスターゼ、キモトリプシン等が好ましい。また、これらは適宜組み合わせて用いてもよい。また、これらの使用量としては、特に制約はされないが、例えば、反応液中の濃度として、通常0.1〜10000U/ml、好ましくは0.3〜7000U/mlである。
また、糖化ヘモグロビンとプロテアーゼとを接触させる場合に、試料中に共存する糖化ヘモグロビン以外の糖化蛋白質がプロテアーゼとの反応に関与するのを防止または阻害するために、例えば糖化ヘモグロビン以外の糖化蛋白質に対する抗体や水溶性ポリマー等を共存させてもよい。
このような抗体としては、糖化蛋白質の糖鎖部分に結合する抗体でも蛋白質部分に結合する抗体でも、或いは糖鎖と蛋白質との結合部分に結合する抗体の何れでもよいが、中でも抗全血抗体から糖化ヘモグロビンに対する抗体を除いたものが好ましい。また、該抗体は、血清中の含量が比較的多い糖化蛋白質に対する抗体、例えば、抗アルブミン抗体、抗高比重リポ蛋白抗体、抗低比重リポ蛋白抗体、抗トランスフェリン抗体、抗アンチトリプシン抗体等の中から目的に応じて適宜選択して用いることもでき、単独でも、適宜組み合わせて用いてもよい。
その濃度は、糖化ヘモグロビン以外の糖化蛋白質がプロテアーゼと反応しなくなる濃度であればよいが、例えば、測定時の反応液中の濃度が、通常0.01〜10mgAb/ml、好ましくは0.01〜1mgAb/mlとなるように使用される。
これら抗体は、通常この分野で使用されているものであればポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の区別なく全て使用可能であり、市販品でも、自体公知の調製方法(例えば、エンザイムイムノアッセイ、石川栄治著,1989,東京化学同人等に記載の方法)に準じて調製されたもの何れでもよい。また、これらは、必要に応じて、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の方法により精製したものを用いてもよい。
また、共存する糖化蛋白質の関与を防止または阻害する水溶性ポリマーとしては、例えばポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール等の合成高分子化合物、並びに例えばデキストラン,デキストラン硫酸又はその塩,コンドロイチン硫酸又はその塩等の多糖類が挙げられるが、中でもポリエチレングリコール、デキストラン等が好ましい。また、その使用濃度は、測定時の反応液中の濃度として、通常5〜40%、好ましくは5〜20%である。また、これらは、自体公知の方法に従い調製したものを用いても、市販品を用いてもよい。
本発明に於いて用いられる過酸化水素生成酵素としては、通常この分野で使用されているものは全て使用可能であるが、例えば、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、フルクトシルアミンデグリカーゼ等があげられ、具体的にはコリネバクテリウム(Corynebacterium)属(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報)、アスペルギルス(Aspergills)属(特願平9−520371号再公表特許公報)、フサリウム属(特開平7−289253号公報、特開平10−201473号公報)、カンジダ属(特開平6−46846号公報)等の微生物に由来するもの等が挙げられる。また、その濃度は、反応液中の濃度として、通常0.5〜100U/ml、好ましくは2〜50U/mlである。
本発明に於いて用いられるPODとしては、例えば、西洋ワサビ、大根等の植物に由来するもの、カビ、酵母等の微生物に由来するもの、動物の白血球、甲状腺等に由来するもの等が挙げられる。PODの使用量としては、例えば試液中の濃度として、通常0.1〜1000u/ml、好ましくは0.25〜400u/ml、より好ましくは0.5〜200u/mlであり、また、最終反応液中の濃度として、通常0.1〜250u/ml、好ましくは0.25〜100u/ml、より好ましくは0.5〜50u/mlである。
本発明に於いて用いられる被酸化性呈色試薬としては、PODの存在下、過酸化水素と反応して呈色するものであればよいが、例えば4−アミノアンチピリン(以下、4−AAと略記する)等のカップラー及び、該カップラーと酸化縮合して色素を生ずるデベロッパーとの組合せ、即ち、例えば4−AAとフェノール系化合物、ナフトール系化合物若しくはアニリン系化合物の組合せ、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾンとアニリン系化合物の組合せ等や、例えば2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)、トリフェニルメタン系ロイコ色素、ジフェニルアミン誘導体、ベンチジン誘導体、トリアリルイミダゾール誘導体、ロイコメチレンブルー誘導体、o−フェニレンジアミン誘導体等のロイコ型発色剤等が挙げられるが、中でも、高感度であるロイコメチレンブルー誘導体が好ましい。
カップラーとデベロッパーとの組合せを用いる場合、カップラーの使用量としては、用いるカップラーの種類や組み合わせるデベロッパーの種類等により異なるが、例えば試液中の濃度として、通常0.01〜400mM、好ましくは0.1〜40mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.01〜100mM、好ましくは0.1〜10mMの範囲である。まだ、ロイコ型発色剤を用いる場合、その使用量は用いる発色剤の種類などにより異なるが、例えば試液中の濃度として、通常0.01〜400mM、好ましくは0.01〜40mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.01〜100mM、好ましくは0.01〜10mMの範囲である。
本発明に於ける糖化ヘモグロビンの免疫学的測定方法に於いて、抗糖化ヘモグロビン抗体を用いた測定法としては、例えば免疫比濁法、ラテックス免疫凝集法、免疫阻害比濁法、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定方法(RIA)、蛍光免疫測定方法(FIA)等が挙げられる。これらのうち、例えば免疫比濁法の場合、具体的には以下の様に実施される。
即ち、安定化処理試料を抗糖化ヘモグロビン抗体と接触させて、糖化ヘモグロビンと抗糖化ヘモグロビン抗体との複合体を生成させる。該複合体の生成による濁度の変化を測定し、測定値より糖化ヘモグロビン量を算出する。尚、ここで用いられる抗糖化ヘモグロビン抗体とは、糖化ヘモグロビン又は/及び糖化ヘモグロビン由来の糖化ペプチドに対して免疫反応を持つ抗体のことである。
また、例えば免疫阻害比濁法を用いる場合、以下の様に実施される。
即ち、安定化処理試料を抗糖化ヘモグロビン抗体と接触させて、糖化ヘモグロビンと抗糖化ヘモグロビン抗体とを反応させる。反応終了後、反応液の吸光度を測定し、更に反応液に抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテンを添加し、未反応の抗糖化ヘモグロビン抗体と反応させ、免疫複合体を形成させる。該免疫複合体の生成による濁度の変化(吸光度変化)を測定し、当該測定値より糖化ヘモグロビン量を算出する。尚、ここで用いられる抗糖化ヘモグロビン抗体とは、糖化ヘモグロビン又は/及び糖化ヘモグロビン由来の糖化ペプチドに対して免疫反応を持つ抗体のことである。
本発明に係る試薬や溶液に於いては、通常緩衝剤が含まれるが、ここで用いることの出来る緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等の通常酵素活性測定法、免疫比濁法、免疫比ろう法、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定方法(RIA)、蛍光免疫測定方法(FIA)等で用いられている緩衝剤であればよく、その濃度は通常10mM〜1M、好ましくは20mM〜500mMで、pHは通常3〜12好ましくは5〜10である。本発明に係るキットは、少なくとも二試薬を有するものであり、全血中の総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンを測定するために使用されるものであり、例えば糖化ヘモグロビンを酵素的測定法で測定するキットとしては、例えば▲1▼ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための処理剤(以下、「HB安定化剤」と略記する。)、▲2▼プロテアーゼ試薬、▲3▼糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチド等を基質とする過酸化水素生成酵素(以下、「糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素」と略記する)、▲4▼POD、▲5▼被酸化呈色試薬等からなり、酵素的測定法で糖化ヘモグロビンを測定するものであればよい。更にこのうち、二試薬系キットの場合、▲1▼HB安定化剤を第一試薬に含み、且つ▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬の何れか少なくとも一つが第二試薬に含まれているものであればよく、(i)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD、及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第二試薬とから成るもの、(ii)例えば▲1▼HB安定化剤及び▲2▼プロテアーゼ試薬を含んでなる第一試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD、及び▲5▼被酸化呈色試薬等を含んでなる第二試薬とから成るもの等が挙げられ、三試薬系キットの場合、▲1▼HB安定化剤を第一試薬に含み、且つ▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬の何れか少なくとも一つが第三試薬に含まれているものであればよく、(i)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬を含んでなる第二試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るもの、(ii)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬及び▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素を含んでなる第二試薬と、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るもの、(iii)例えば▲1▼HB安定化剤及び▲2▼プロテアーゼ試薬を含んでなる第一試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素を含んでなる第二試薬と、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るもの、(iv)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第二試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素及び▲4▼PODを含んでなる第三試薬とから成るもの等が挙げられる。
更にまた、例えば免疫学的測定法で糖化ヘモグロビンを測定する場合、第一試薬にHB安定化剤を含み、且つ免疫学的測定法で糖化ヘモグロビンを測定するものであればよく、(i)例えばHB安定化剤を含んでなる第一試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体試薬を含んでなる第二試薬とからなるもの、(ii)例えばHB安定化剤を含んでなる第一試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体試薬含んでなる第二試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテン試薬を含んでなる第三試薬とからなるもの等が挙げられる。
上記本発明に係るキットの中でも、(i)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬を含んでなる第二試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素、▲4▼POD、及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るもの、(ii)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬及び▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素を含んでなる第二試薬と、▲4▼POD及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るもの、(iii)例えば▲1▼HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、▲2▼プロテアーゼ試薬及び▲5▼被酸化呈色試薬を含んでなる第二試薬と、▲3▼糖化ヘモグロビン由来基質のH生成酵素及び▲4▼PODを含んでなる第三試薬とから成るもの等の酵素的測定法を用いるキット、(iv)例えばHB安定化剤を含んでなる第一試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体試薬を含んでなる第二試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテン試薬を含んでなる第三試薬とからなるもの等の免疫学的測定法を用いるキット等が好ましい。これらの中でも上記(i)〜(iii)の酵素的測定法を用いるキットがより好ましい。
尚、各キットに於ける各試薬中の各成分の濃度は、これら各キットを所定の標準操作法に従って測定を行う際の反応液中の濃度が上記した如き範囲となるように設定すればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、実施例及び参考例に於いて使用される略称の正式名称は下記の通りである。
SDS;ドデシル硫酸ナトリウム
ソフダゾリンCL;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
アンヒトール20N(花王株式会社製);ラウリルジメチルアミンオキサイド
トリトンX−100;ポリオキシエチレングリコールρ−t−オクチルフェニルエーテル
HEPES;2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸
NEM;N−エチルマレイミド
FAOD;フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
DA−67;10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン・ナトリウム塩
TTAB;テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
MES;2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
実施例
実施例1
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用して、本発明に係るヘモグロビンの吸光度安定化処理によるヘモグロビン由来の吸光度の変化を測定した。
〔検体〕
ヘモグロビン濃度が15g/dlのヒト全血(EDTA・2Na採血)を用いた。また、該試料と第一試薬(前処理液)とを1:5で混合したものを、自動分析装置用検体とした。
〔試薬〕
第一試薬(前処理液):10% SDS水溶液
第二試薬(R1) :200mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.5)
〔測定方法〕
日立7170形自動分析装置を用い、以下の測定条件で実験を行った。その結果を図1に示す。尚、図中の縦軸は800/660nmの吸光度、横軸は測光ポイントを表す。
〔測定条件〕
測定方法;1ポイントエンド法〔34〕−〔0〕
検体量 ; 15μl
R1 ;180μl
測定波長;800nm(副波長)/660nm(主波長)
測定温度;37℃
〔結果〕
図1の結果から、SDSを用いることによりヘモグロビン由来の吸光度を5ポイント目(約90秒間)までで安定化させることが出来るようになることが判る。
実施例2
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用して、本発明の測定法により全血中の総ヘモグロビン量を測定した。
〔検体〕
ヘモグロビン濃度が既知であるヒト全血(EDTA・2Na採血)を生理食塩水で5段階希釈したものを検体とした。
〔試薬〕
第一試薬(R1):1000U/mlキモトリプシン及び2%ソフダゾリンCLを含む50mM HEPES−NaOH緩衝液(pH8.0)
〔測定方法〕
日立7170形自動分析装置を用い、以下の測定条件で実験を行った。得られたヘモグロビン濃度と吸光度の関係を図2に示す。尚、図中の縦軸は800/660nmの吸光度(ヘモグロビンの色)、横軸はヘモグロビンの濃度を表す。 〔測定条件〕
測定方法;1ポイントエンド法〔16〕−〔0〕
検体量 ;2.5μl
R1 ;180μl
測定波長;800nm(副波長)/660nm(主波長)
測定温度;37℃
〔結果〕
この結果より、総ヘモグロビン濃度と吸光度が良好な検量関係にあること、言い換えれば本発明に係る総ヘモグロビン測定方法により総ヘモグロビン濃度を精度よく測定し得ることが判る。
実施例3
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用して、本発明の測定法によりHbA1cコントロール「ロシュ」中のヘモグロビンA1c濃度を測定した。
〔検体〕
HbA1cコントロールN「ロシュ」(HbA1c:0.60g/dl)とHbA1cコントロールP「ロシュ」(HbA1c:1.33g/dl)とを、5:0、4:1、3:2、2:3、1:4、0:5で混合し、さらに、これらを下記の第一試薬(前処理液)と1:5で混合したものを自動分析装置用検体とした。
〔試薬〕
第一試薬(前処理液):15% アンヒトール20N水溶液
第二試薬(R1) :200U/ml エラスターゼ及び2mM NEMを含む
50mM HEPES−NaOH緩衝液(pH8.0)
第三試薬(R2) :20U/ml FAOD、50U/ml POD及び0.5mM DA−67を含む50mM HEPES−NaOH緩衝液(pH8.0)
〔測定方法〕
日立7170形自動分析装置を用い、以下の測定条件で実験を行った。本測定法で得られた吸光度とヘモグロビンA1c濃度の関係を図3に示す。図中の縦軸は800/660nmの吸光度(過酸化水素の量に対応)、横軸は糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)の濃度を表す。
〔測定条件〕
測定方法;2ポイントエンド法〔16〕−〔34〕
検体量 ; 15μl
R1 ; 180μl
R2 ; 60μl
測定波長;800nm(副波長)/660nm(主波長)
測定温度;37℃
〔結果〕
この結果より、糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)濃度と本発明の測定による吸光度が良好な検量関係にあること、言い換えれば本発明に係る糖化ヘモグロビン測定により糖化ヘモグロビン濃度を精度よく測定し得ることが判る。
実施例4
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用して、本発明の測定法により全血10検体(EDTA・2Na採血)の総ヘモグロビン濃度と糖化ヘモグロビン濃度について測定した。
〔検体〕
全血10検体(EDTA・2Na採血)と第一試薬(前処理液)とを、1:5で混合したものを検体とした。
〔試薬〕
第一試薬(前処理液):トリトンX−100を7%含む250mM酒石酸−NaOH緩衝液
(pH1.5)
第二試薬(R1) :20U/ml プロティナーゼK及び1mM NEMを含む200mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.5)
第三試薬(R2) :20U/ml FAOD、50U/ml POD及び0.5mM DA−67を含む200mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.5)
〔測定方法〕
日立7170形自動分析装置を用い、以下の測定条件で実験を行い、得られた測定値を、各種濃度の総ヘモグロビン溶液又は各種濃度の糖化ヘモグロビン溶液を検体とした以外は実施例2,3と同様の方法により予め求めた総ヘモグロビン溶液又は糖化ヘモグロビン溶液と吸光度との関係を表す検量線に当てはめ、全血10検体の総ヘモグロビン濃度(g/dl)及び糖化ヘモグロビン濃度(g/dl)を求めた。全血10検体のうちNo.8のタイムコースを図4に示す。また、総ヘモグロビンの測定結果を表1に、糖化ヘモグロビンの測定結果を表2に夫々示す。尚、図4に於いて、縦軸は縦軸は800/660nmの吸光度、横軸は時間(測光ポイント)を表す。
〔測定条件〕
測定方法;3ポイント法
測定ポイント(ヘモグロビン濃度); 〔16〕−〔0〕
測定ポイント(糖化ヘモグロビン濃度); 〔16〕−〔34〕
検体量 ; 15μl
R1 ;180μl
R2 ; 60μl
測定波長;800nm(副波長)/660nm(主波長)
測定温度;37℃
参考例1
実施例4と同じ検体について、ロシュ(株)製のリキテックHbA1cII(免疫阻害比濁2チャンネル法)を使用して、ヘモグロビン濃度(g/dl)及びヘモグロビンA1c濃度(g/dl)を求めた。
〔検体〕
検体として、全血10検体(EDTA・2Na採血)とリキテックHbA1cIIの第一試薬(前処理液)とを、1:100で混合したものを検体とした。
〔測定方法〕
リキテックHbA1cIIを用い、以下の測定条件で、全血10検体のヘモグロビン濃度(g/dl)及び糖化ヘモグロビン濃度(ヘモグロビンA1c)(g/dl)を求めた。得られた総ヘモグロビンの測定結果を表1に、得られた糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)の測定結果を表2に夫々実施例4の結果と併せて示す。
〔測定条件〕
▲1▼ヘモグロビンA1c濃度測定(チャンネル1)
測定方法;2ポイントエンド法〔16〕−〔34〕
検体量 ; 7.2μl
R1 ;180μl
R2 ; 36μl
測定波長;700nm(副波長)/340nm(主波長)
測定温度;37℃
▲2▼ヘモグロビン濃度測定(チャンネル2)
測定方法;1ポイントエンド法〔15〕−〔0〕
検体量 ; 15μl
R1 ;180μl
測定波長;660nm(副波長)/570nm(主波長)
測定温度;37℃
Figure 2002021142
Figure 2002021142
〔結果〕
表1及び表2から本発明の測定法により得られた総ヘモグロビン濃度と糖化ヘモグロビン濃度は、既存の測定法により得られた値と良好な相関性を示すことが判る。
実施例5
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用して、本発明の測定法により全血10検体(EDTA・2Na採血)の総ヘモグロビン濃度とヘモグロビンA1c濃度について測定し、計算によってヘモグロビンA1cの割合(%)を求めた。
〔検体〕
検体として、全血10検体(EDTA・2Na採血)と下記第一試薬(前処理液)とを、1:100で混合したものを用いた。
〔試薬〕
第一試薬(前処理液):TTABを0.9%含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)
第二試薬(R1) :1.5mg/ml 抗ヘモグロビンA1c抗体を含む25mM MES−NaOH緩衝液(pH6.2)
第三試薬(R2) :27.5μg/ml 抗ヘモグロビンA1c抗体に対するポリハプテンを含む25mM MES−NaOH緩衝液(pH6.2)
〔測定方法〕
日立7170形自動分析装置を用い、以下の測定条件で実験を行い、得られた測定値を、各種濃度の総ヘモグロビン溶液又は各種濃度の糖化ヘモグロビン溶液を検体とし、実施例2,3に記載の方法に準じて求めた総ヘモグロビン溶液又は糖化ヘモグロビン溶液と吸光度との関係を表す検量線に当てはめ、全血10検体の総ヘモグロビン濃度(g/dl)及び糖化ヘモグロビン濃度(g/dl)を求めた。また、反応しなかった抗ヘモグロビンA1c抗体と抗ヘモグロビンA1c抗体に対するポリハプテンとの複合体の濁度の測定値からヘモグロビンA1c濃度(g/dl)を求めた。両者の結果より求めたヘモグロビンA1c濃度(%)の測定結果を表3に示す。
〔測定条件1〕
測定方法;3ポイント法
測定ポイント(ヘモグロビン濃度);
〔14〕−〔0〕,測定波長;660nm(副波長)/570nm(主波長)
測定ポイント(ヘモグロビンA1c濃度);
〔16〕−〔34〕,測定波長;700nm(副波長)/340nm(主波長)検体量 ;7.2μl
R1 ;180μl
R2 ; 36μl
測定温度;37℃
参考例2
実施例5と同じ検体について、HPLC法を用い、ヘモグロビンA1c濃度(%)を測定した。HPLC法によるヘモグロビンA1cの測定は、自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723GHbV(東ソー)を用いて行った。この装置では、オートサンプラーにより試料ラックにのせた検体がセットされた順に、3μlずつインジェクションバルブのサンプリングループに導入され、定められた送液シークエンスに従って自動的に注入した液体を分離測定する。この装置の溶離液には東ソー自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723GHbV専用試薬を用いた。得られたヘモグロビンA1c濃度(%)の測定結果を表3に実施例5の結果と併せて示す。
Figure 2002021142
〔結果〕
表3から本発明の測定法により得られたヘモグロビンA1c濃度(%)は、HPLC法により得られた値と良好な相関性を示すことが判る。
以上の結果から、本発明の測定する方法は、既存の測定方法と良好な相関性を有しつつ、総ヘモグロビン濃度と糖化ヘモグロビンを1チャンネルで連続して測定することを可能とする有効な方法であることが判る。
産業上の利用の可能性
以上述べた如く、本発明は、ヘモグロビンを含む生体試料中の総ヘモグロビン量と糖化ヘモグロビン量を1チャンネルで測定し得る測定用試薬及びキット並びにこれを用いた測定方法であり、本発明の実施により、従来別々の系で(2チャンネルで)行われていた、生体試料中の総ヘモグロビン及び糖化ヘモグロビンの測定を、1チャンネルで連続して測定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1に於けるヘモグロビンの吸光度安定化処理によるヘモグロビン由来の吸光度変化を示した図である。
図2は、実施例2より得られたヘモグロビン濃度と吸光度の関係示した図である。
図3は、実施例3で得られたヘモグロビンA1c濃度と吸光度の関係を示した図である。
図4は、実施例4で得られた、全血を検体として本発明の方法に付した時のタイムコースを図4に示す。
【請求項7】ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる処理が、ヘモグロビンを両性界面活性剤及びプロテアーゼと接触させるものである、請求項6記載の方法。
【請求項8】糖化ヘモグロビン量を測定する方法が、酵素的測定法である請求項1又は7に記載の測定方法。
【請求項11】糖化ヘモグロビン量を測定する方法が、免疫学的測定法である請求項7記載の測定方法。
【請求項14】ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理が、ヘモグロビンを両性界面活性剤及びプロテアーゼと接触させるものであり、糖化ヘモグロビン量を測定する方法が糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素を用いるものである請求項1記載の方法。
【請求項21】ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる成分が両性界面活性剤及びプロテアーゼである、請求項20記載のキット。

Claims (22)

  1. ヘモグロビン含有試料をヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理に付した後、吸光度を測定しその結果に基づいて試料中のヘモグロビンの量を求め、次いで試料中の糖化ヘモグロビン量を測定することからなるヘモグロビン類の測定方法。
  2. ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理が、ヘモグロビンの構造を変化させる処理である請求項1記載の方法。
  3. ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理が、ヘモグロビンのヘム部又はグロビン部の構造を変化させる処理である、請求項1記載の方法。
  4. ヘモグロビンのヘム部の構造を変化させる処理が、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させる処理の後、シアン化化合物又はアジ化化合物と接触させるものである、請求項3記載の方法。
  5. ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させる処理が、ヘモグロビンをアルカリ金属亜硝酸塩又はフェリシアン化化合物に接触させるものである、請求項4記載の方法。
  6. ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる処理が、ヘモグロビンをアルカリ、酸、蛋白変性剤、プロテアーゼ又は界面活性剤と接触させるものである、請求項3記載の方法。
  7. ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる処理が、ヘモグロビンを両性界面活性剤と接触させるものである、請求項3記載の方法。
  8. 糖化ヘモグロビン量を測定する方法が、酵素的測定法である請求項1記載の測定方法。
  9. 酵素的測定法が、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素を用いるものである請求項8記載の方法。
  10. 酵素的測定法が、ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための処理に付した後の試料を、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチドを基質とする過酸化水素生成酵素と接触させて過酸化水素を生成させ、更に、生成した過酸化水素にペルオキシダーゼと被酸化性呈色試薬を作用させて色素を生成させ、該色素量を測定し、それに基づいて糖化ヘモグロビン量を算出する方法である、請求項8記載の方法。
  11. 糖化ヘモグロビン量を測定する方法が、免疫学的測定法である請求項1記載の測定方法。
  12. 免疫学的測定法が抗糖化ヘモグロビン抗体を用いたものである請求項11記載の方法。
  13. 免疫学的測定法が、ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための処理に付した後の試料を抗糖化ヘモグロビン抗体と接触させて、糖化ヘモグロビンと抗糖化ヘモグロビン抗体とを反応させた後、その反応液の吸光度を測定し、更に該反応液に抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテンを添加し、未反応の抗糖化ヘモグロビン抗体と反応させて、免疫複合体を形成させた後に吸光度を測定し、先に測定した吸光度と比較して変化した吸光度値を算出し、得られた値より糖化ヘモグロビン量を算出する方法である請求項11記載の方法。
  14. ヘモグロビンの吸光度を安定化させる処理が、ヘモグロビンを両性界面活性剤と接触させるものであり、糖化ヘモグロビン量を測定する方法が糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素を用いるものである請求項1記載の方法。
  15. 糖化ヘモグロビン量を測定する方法が、ヘモグロビンの吸光度を安定化させるための処理に付した後の試料を、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導される糖化アミノ酸、糖化ペプチドを基質とする過酸化水素生成酵素と接触させて過酸化水素を生成させ、更に、生成した過酸化水素にペルオキシダーゼと被酸化性呈色試薬を作用させて色素を生成させ、該色素量を測定し、それに基づいて糖化ヘモグロビン量を算出する方法である、請求項14記載の方法。
  16. ヘモグロビンの構造を変化させる成分を含んでなる試薬と、糖化ヘモグロビン又はそれから誘導されるものを基質とする過酸化水素生成酵素又は抗糖化ヘモグロビン抗体を含んでなる試薬との組合せからなるヘモグロビン類測定用キット。
  17. ヘモグロビンの構造を変化させる成分が、ヘモグロビンのヘム部又はグロビン部の構造を変化させる成分である、請求項16記載のキット。
  18. ヘモグロビンのヘム部の構造を変化させる成分が、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させる成分、並びにシアン化化合物又はアジ化化合物を組み合わせたものである、請求項17記載のキット。
  19. ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させる成分が、アルカリ金属亜硝酸塩又はフェリシアン化化合物である請求項18記載のキット。
  20. ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる成分がアルカリ、酸、蛋白変性剤、プロテアーゼ又は界面活性剤である、請求項17記載のキット。
  21. ヘモグロビンのグロビン部の構造を変化させる成分が両性界面活性剤である、請求項17記載のキット。
  22. (1)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬を含んでなる第二試薬と、糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素、ペルオキシダーゼ及び被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とから成るキット、(2)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬及び糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素を含んでなる第二試薬と、ペルオキシダーゼ及び被酸化呈色試薬を含んでなる第三試薬とからなるキット、或いは(3)ヘモグロビンの吸光度を安定化させる試薬を含んでなる第一試薬と、プロテアーゼ試薬及び被酸化呈色試薬を含んでなる第二試薬と、糖化ヘモグロビン由来基質の過酸化水素生成酵素及びペルオキシダーゼを含んでなる第三試薬とから成るキット、HB安定化剤を含んでなる第一試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体試薬を含んでなる第二試薬と、抗糖化ヘモグロビン抗体に対するポリハプテン試薬を含んでなる第三試薬とから成るキットの何れかからなるヘモグロビン類測定用三試薬系キット。
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