JP2003303629A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池

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JP2003303629A JP2002109408A JP2002109408A JP2003303629A JP 2003303629 A JP2003303629 A JP 2003303629A JP 2002109408 A JP2002109408 A JP 2002109408A JP 2002109408 A JP2002109408 A JP 2002109408A JP 2003303629 A JP2003303629 A JP 2003303629A
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sensitized solar
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Takashi Tomita
尚 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変換効率に優れた色素増感太陽電池を提供す
る。 【解決手段】 本発明に係る色素増感太陽電池は、透明
基板1の表面に形成された電極2と対向電極6との間
に、色素を担持した光吸収粒子からなる光吸収層3と電
解質層5とを備えてなる色素増感太陽電池であって、上
記光吸収層3中に上記光吸収粒子と異なる粒径を有する
光散乱粒子4を含有することを特徴とするものである。
以上のように構成された本発明に係る色素増感太陽電池
では、従来の構造では光吸収層を透過していた光のエネ
ルギーの多くを光吸収層において色素に吸収することが
できるため、変換効率を向上させることができ、色素増
感太陽電池の出力電流を増大させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素増感太陽電池
に関し、特に入射光量に対する電池出力の比で表される
変換効率の向上を図った色素増感太陽電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】わが国において、太陽光発電システムは
導入・普及の段階に達しており、シリコンのpn接合を
用いた太陽電池は一部市場に出回っているものの、配電
線から購入する電力料金と比較して大幅にコストが高
く、太陽光発電システムの普及のためには太陽電池の低
コスト化が必要とされている。図3は、従来の色素増感
太陽電池のセルの断面構造を示す模式図であり、101
はガラス基板、102はガラス基板101の下面に設け
られた透明な材料による電極102で、例えばフッ素
(F)をドープした酸化スズ(SnO)が用いられ
る。103は光吸収層であり、表面に色素103bを吸
着した粒径がほぼ50nm以下の酸化チタンなどよりな
る半導体微粒子103aが電極102に堆積されている
ものである。この光吸収層103は10μm以下程度の
薄い膜状に形成される。104は電解液であり、光吸収
層103を含み、或いは電解液104が光吸収層103
に浸潤するように設けられている。また、105は対向
電極である。
【0003】このような色素増感太陽電池は、半導体の
pn接合による太陽電池と比べた場合、より長い波長の
領域の光を電力に変換することができるという利点を有
している。また、作製に多くのエネルギーを用いるpn
接合型太陽電池に比べて、比較的少ないエネルギーで太
陽電池を作製することができるという利点も有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな利点を有しながらも色素増感太陽電池においては変
換効率が低いことが実用化の大きな障害となっている。
この変換効率の低さは、色素103b自体の光の吸収が
非常に小さいことによる長波長領域の光の透過に原因が
ある。そして、これを改善するためには、色素103b
を吸着させた半導体微粒子103aによる光吸収層10
3を厚くする手法もあるが、光吸収層103は、その構
造上の理由から直列抵抗が高く、光吸収層103を厚く
した場合には変換効率の低下をさらに大きくするという
問題がある。
【0005】また逆に、直列抵抗を改善するために光吸
収層103を薄膜化した場合は、長波長領域の光の透過
をさらに増加させる、すなわち光の吸収効率を低下させ
ることになり、いずれの場合も変換効率を高めることが
困難であった。したがって、上記において指摘した二律
背反の変換効率と光吸収効率とをともに両立した色素増
感太陽電池は未だ確立されていないのが現状である。
【0006】そこで、本発明は、上述した従来の問題点
に鑑みて創案されたものであり、変換効率に優れた色素
増感太陽電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る色素増感太
陽電池は、透明基板の表面に形成された電極と対向電極
との間に、増感色素を担持した光吸収粒子からなる光吸
収層と電解質層とを備えてなる色素増感太陽電池であっ
て、光吸収層中に光吸収粒子と異なる粒径を有する光散
乱粒子を含有することを特徴とするものである。
【0008】以上のように構成された本発明に係る色素
増感太陽電池では、光吸収層中に光吸収粒子と異なる粒
径を有する光散乱粒子を含有することにより、光収集層
に入射した光に十分な散乱が生じ、光吸収層を透過する
までの光路長が長くなる。これにより、散乱された光は
光吸収粒子の色素により吸収されやすくなり、吸収量が
大幅に増加する。その結果、従来の構造では光吸収層を
透過していた光のエネルギーの多くを光吸収層において
色素に吸収することができるため、変換効率を向上させ
ることができ、色素増感太陽電池の出力電流を増大させ
ることができる。
【0009】また、本発明に係る色素増感太陽電池は、
以上のような構成とすることにより変換効率の向上のた
めに光吸収層の厚みを厚くすることが不要であり、光吸
収層の直列抵抗の増大がないため光吸収層の直列抵抗の
増大に起因した変換効率の低下が生じることがない。し
たがって、光吸収層を薄膜化した状態において変換効率
を向上させることができる。
【0010】そして、これらの効果は、長波長領域の光
に対して特に有効であり、光吸収層を薄膜化した状態に
おいても長波長領域光の透過に起因した変換効率の低さ
を改善し、変換効率を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて適宜変更可能である。
【0012】本発明に係る色素増感太陽電池は、透明基
板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素を
担持した光吸収粒子からなる光吸収層と電解質層とを備
えてなる色素増感太陽電池であって、光吸収層中に光吸
収粒子と異なる粒径を有する光散乱粒子を含有すること
を特徴とするものである。
【0013】図1は、本発明に係る色素増感太陽電池の
セルの断面構造を模式的に示す断面図である。図1にお
いて色素増感太陽電池のセルは、透明基板1と、電極2
と、光吸収層3と、光散乱粒子4と、電解質層5と、対
向電極6とを備えて構成される。
【0014】透明基板1としては、透明性を有している
ものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラ
ス基板を用いることができる。
【0015】電極2は、透明基板1の下面に透明な材料
により形成された電極である。電極の材料としては、導
電性及び透明性を有しているものであればどのようなも
のでも採用することができるが、導電性、透明性、さら
に耐熱性を高いレベルで併せ持つ点から、スズ系酸化物
などが好適であり、またコストの面ではITOが好まし
い。
【0016】光吸収層3は、色素3bを担持した光吸収
粒子が電極2上に堆積されてなるものであり、色素3b
が透明基板1及び電極2を透過して光吸収層3に入射し
た光を吸収する。ここで、光吸収粒子は色素3bを吸着
した半導体微粒子3aであり、半導体微粒子3aとして
はシリコンに代表される単体半導体の他に、化合物半導
体またはペロブスカイト構造を有する化合物等を使用す
ることができる。これらの半導体は、光励起下で伝導帯
電子がキャリアーとなりアノード電流を与えるn型半導
体であることが好ましい。具体的に例示するとTiO
(チタニア)、SnO、ZnO、WO、Nb
、TiSrOなどが挙げられ、特に好ましくは
アナターゼ型のTiOである。また、半導体の種類は
これらに限定されるものではなく、また、これらを単独
もしくは2種類以上混合して用いることができる。ま
た、光吸収粒子は、より多くの光を吸収するためにその
表面積を大きくすることが好ましく、このため半導体微
粒子の粒径は20nm以下程度とされることが好まし
い。
【0017】半導体微粒子に吸着させる色素3bとして
は、例えばルテニウム色素が好適である。しかしなが
ら、半導体微粒子に吸着させる色素は、電荷分離機能を
有し増感作用を示すものであれば特に限定されるもので
はなく、ルテニウム色素の他にも、例えばローダミン
B、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサ
ンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシ
アニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオ
シン、メチレンブルー等の塩基性染料、クロロフィル、
亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン等のポル
フィリン系化合物、その他アゾ色素、フタロシアニン化
合物、Ruトリスビピリジル等の錯化合物、アントラキ
ノン系色素、多環キノン系色素等が挙げられ、これらを
単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0018】また、光吸収層3の膜厚は、15μm以下
とすることが好ましい。光吸収層3はその構造上の理由
から直列抵抗が大きく、直列抵抗の増加は変換効率の低
下を招く。そこで、光吸収層3の膜厚を15μm以下と
することにより、光吸収層3の機能を維持しつつ、光吸
収層3の直列抵抗を低く抑え、変換効率の低下を防ぐこ
とができる。
【0019】光散乱粒子4は、透明基板1及び電極2を
透過して光吸収層3に入射した光を散乱させるためのも
のであり、光吸収層3中に混合されている。ここで、光
散乱粒子4の粒径は光吸収粒子の粒径と異なる粒径とさ
れている。また、光散乱粒子4の粒径は光吸収粒子の粒
径よりも大とされている。このような光散乱粒子4を光
吸収層3に混合させることにより光吸収層3に入射した
光を十分に散乱させることが可能となる。そして、散乱
された光は、直線方向に光吸収層3を透過する光に比べ
てその透過のための光路長が非常に長くなるため光吸収
粒子の色素3bにより吸収されやすくなり、光吸収粒子
の色素3bによる吸収量が大幅に増加する。その結果、
光吸収層3を透過して電解質層に到達する光量は大きく
低下する。これにより、色素3b自体の吸収率の低さを
改善することができ、変換効率を向上させることができ
る。
【0020】また、以上の効果により、変換効率を向上
させるために光吸収層3の厚みを厚くすることが必要な
いため、光吸収層3の直列抵抗の増大をさせることがな
く、直列抵抗の増大により変換効率が低下するというこ
とも生じない。したがって、光吸収層3を薄膜化した状
態において変換効率を向上させることが可能である。
【0021】そして、上記の効果は、長波長領域の光に
対して特に有効であり、長波長領域の透過に起因した変
換効率の低さを改善し、変換効率を向上させることが可
能である。
【0022】このような光散乱粒子4は、粒径が20n
m〜100nm程度の、例えばルチル型酸化チタンなど
の高屈折材料粒子により構成される。そして、光散乱粒
子4の粒径を目的波長の1/20よりもやや大きく設定
することにより、微粒子でも光の散乱を確実に起こすこ
とが可能である。
【0023】また、光散乱粒子4には、光吸収のために
用いる粒子、すなわち光吸収粒子と同じ材料を用いるこ
とができる。光散乱粒子4に光吸収粒子と同じ材料を用
いて色素3bを担持させることにより、光散乱粒子4は
光吸収層3に入射した光を散乱させるとともに、それ自
体が光の吸収に寄与することもできる。
【0024】また、光散乱粒子4には、光吸収粒子と異
なる材料を用いることも可能である。この場合にも、光
吸収粒子と異なる材料であっても光吸収粒子に使用可能
な材料を用いて色素3bを担持させることにより、光吸
収層3に入射した光を散乱させるとともに、それ自体が
光の吸収に寄与することもできる。
【0025】また、光散乱粒子4のみからなる層を別途
に設けるよりも上述したように光散乱粒子4を光吸収層
3中に混合する方が大きな粒子の光散乱粒子4の隙間に
小さな粒子である光吸収粒子を詰め込むことができるた
め空間を有効に活用することができ、また、上述したよ
うに光散乱粒子4自体も光吸収粒子として機能すること
が可能であるため光吸収係数が向上する。そして、色素
増感太陽電池の薄厚化に寄与することができる。
【0026】電解質層5は、電解液からなり、光吸収層
3を含み、あるいは電解液が光吸収層3に浸潤するよう
に設けられているものである。電解液としては、例えば
ヨウ素のプロピレンカーボネート溶液を用いることがで
きる。また、電解液はこれに限られるものではなく、ホ
ール伝導機能があるものであれば従来公知のものが使用
できる。
【0027】対向電極6は、導電性物質であれば任意の
ものを用いることができるが、絶縁性の物質でも半導体
電極に面している側に導電層が設置されていれば、これ
も使用可能である。ただし、電気化学的に安定である材
料を電極として用いることが好ましく、具体的には、白
金、金、およびカーボン等を用いることが好ましい。ま
た、酸化還元の触媒効果を向上させる目的で、半導体電
極に面している側は微細構造で表面積が増大しているこ
とが好ましく、例えば、白金であれば白金黒状態に、カ
ーボンであれば多孔質状態になっていることが好まし
い。白金黒状態は白金の陽極酸化法、塩化白金酸処理な
どによって、また多孔質状態のカーボンは、カーボン微
粒子の焼結や有機ポリマーの焼成などの方法により形成
することができる。
【0028】以上のように構成された本発明に係る色素
増感太陽電池構造の特徴は、上述したように光散乱粒子
4を光吸収層3に混合することにより、透明基板1から
入射して光吸収層3を透過していく光を色素3bにより
多く吸収させることである。すなわち、光吸収層3に光
散乱粒子4を混合すると、透明基板1から入射した光を
十分に散乱させることができ、光吸収層3を透過するま
での光路長が長くなる。その結果、散乱された光は光吸
収粒子の色素3bにより吸収されやすくなり、光吸収粒
子の色素3bによる吸収量が大幅に増加する。これによ
り、従来の構造では光吸収層3を透過していた光のエネ
ルギーの多くを光吸収層3において色素3bに吸収する
ことができるため、変換効率を向上させることができ、
色素増感太陽電池の出力電流を増大させることが可能に
なる。
【0029】また、以上の効果により、変換効率を向上
させるために光吸収層3の厚みを厚くすることが必要な
いため、光吸収層3の直列抵抗の増大をさせることがな
く、直列抵抗の増大により変換効率が低下するというこ
とも生じない。したがって、光吸収層3を薄膜化した状
態において変換効率を向上させることが可能である。
【0030】そして、上記の効果は、長波長領域の光に
対して特に有効であり、光吸収層3を薄膜化した状態に
おいても長波長領域光の透過に起因した変換効率の低さ
を改善して変換効率を向上させることが可能であり、光
吸収層3を薄膜化した状態で変換効率と光吸収効率を両
立した色素増感太陽電池を実現することができる。
【0031】以下では、上述したような本発明に係る色
素増感太陽電池の光吸収層3における光散乱率と、光散
乱粒子4、光散乱粒子4の光吸収層3における体積分率
について説明する。本発明に係る色素増感太陽電池とし
て、図1に示す構成の色素増感太陽電池を作製した。色
素増感太陽電池の詳細は、以下の通りである。すなわ
ち、透明基板1としてガラス基板を使用し、該透明基板
1の主面にITO(インジウム-スズ-酸化物)を被着さ
せることにより電極2を形成した。そして、電極2上に
光吸収粒子を堆積して膜厚10μmの光吸収層3を構成
した。光吸収粒子は、半導体微粒子3aとして粒径が1
0nmのTiOを使用し、これにルテニウム色素を吸
着させることにより形成した。また、光吸収層3には、
光散乱粒子4を混合した。電解質層4には、ヨウ素のプ
ロピレンカーボネート溶液を使用し、対向電極には白金
を使用した。
【0032】以上のように構成された色素増感太陽電池
に波長600nmの光を照射し、レイリー散乱による光
散乱率が50%となる場合の散乱粒子の直径と散乱粒子
の体積分率との関係を調べた。図2にその結果を示す。
このときの光の吸収率は散乱粒子が無いときに比べて透
過光の2分の1が吸収され、光吸収効率が上昇する。光
散乱率が50%以下の場合には、光の散乱よる性電池能
向上の効果は小さく実用に適さないが、光散乱率が50
%を超えると変換効率の向上効果が顕著になる。そし
て、50%の光散乱効率を確保できれば、良好な変換効
率を得ることが可能であり、実用に適した色素増感太陽
電池を得ることができる。
【0033】光の散乱効率上昇は、光散乱粒子の粒径と
その体積分率に影響される。一定体積に球体を詰め込む
場合、その体積分率の上限は略66%である。そして光
散乱効率が50%の場合には、上限まで光散乱粒子を詰
め込むことができる光散乱粒子の粒径は略20nmであ
る。したがって、光散乱粒子の粒径を略20nm以上と
することにより50%の光散乱効率を確保することが可
能であるといえる。一方、光散乱粒子の粒径が100n
m以上になると、光吸収層3における光吸収粒子の占め
る割合が大きくなり過ぎ、光吸収層3における光吸収粒
子の占める割合が小さくなり過ぎる。その結果、光吸収
層3の表面積、すなわち光を吸収する面積が小さくなり
過ぎてしまい、光変換効率が低下してしまうため実用に
適さない。したがって、これらのことより、光散乱粒子
4の粒径は、20nm以上100nm以下程度とするこ
とが好ましいといえる。
【0034】また、特開平10−255863号公報に
おいては、小粒径の光吸収粒子からなる光吸収層の下に
大粒径の光反射粒子の層を配置した色素増感太陽電池が
示されているが、この場合には、最大でも0.8の光吸
収しか得られないのに対して、本発明に係る色素増感太
陽電池においては、最大1.0の光吸収を実現できるこ
とが実験により確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る色素増感太陽電池は、透明
基板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素
を担持した光吸収粒子からなる光吸収層と電解質層とを
備えてなる色素増感太陽電池であって、上記光吸収層中
に上記光吸収粒子と異なる粒径を有する光散乱粒子を含
有してなるものである。
【0036】以上のように構成された本発明に係る色素
増感太陽電池では、光吸収層3の厚みを厚くすることな
く、すなわち光吸収層の直列抵抗を増大させることな
く、光吸収層における光の吸収量を増加させることがで
きる。すなわち、光吸収層を薄膜化した状態で変換効率
と光吸収効率を両立することができ、従来の構造では光
吸収層を透過していた光のエネルギーの多くを吸収する
ことができるため、色素増感太陽電池の出力電流を増大
させることが可能になる。
【0037】したがって、本発明によれば、変換効率に
優れた色素増感太陽電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色素増感太陽電池の一構成例を示
す断面図である。
【図2】膜厚10μmの光吸収層に波長600nmの光
を照射し、散乱率が50%となる場合の散乱粒子の直径
と散乱粒子の体積分率との関係を示す特性図である。
【図3】従来の色素増感太陽電池の一構成例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 電極 3 光吸収層 4 散乱粒子 5 電解質層 6 対向電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面に形成された電極と対向
    電極との間に、色素を担持した光吸収粒子からなる光吸
    収層と電解質層とを備えてなる色素増感太陽電池であっ
    て、 上記光吸収層中に上記光吸収粒子と異なる粒径を有する
    光散乱粒子を含有することを特徴とする色素増感太陽電
    池。
  2. 【請求項2】 上記光散乱粒子の粒径が上記光吸収粒子
    の粒径よりも大とされることを特徴とする請求項1記載
    の色素増感太陽電池。
  3. 【請求項3】 上記光吸収粒子の粒径が20nm以下で
    あることを特徴とする請求項2記載の色素増感太陽電
    池。
  4. 【請求項4】 上記光散乱粒子の粒径が20nm以上1
    00nm以下であることを特徴とする請求項2記載の色
    素増感太陽電池。
  5. 【請求項5】 上記光散乱粒子が上記光吸収粒子と同じ
    材料からなることを特徴とする請求項1記載の色素増感
    太陽電池。
  6. 【請求項6】 上記光散乱粒子が上記光吸収粒子と異な
    る材料からなることを特徴とする請求項1記載の色素増
    感太陽電池。
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