JP2001085076A - 光電変換素子および光電池 - Google Patents

光電変換素子および光電池

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JP2001085076A
JP2001085076A JP25742499A JP25742499A JP2001085076A JP 2001085076 A JP2001085076 A JP 2001085076A JP 25742499 A JP25742499 A JP 25742499A JP 25742499 A JP25742499 A JP 25742499A JP 2001085076 A JP2001085076 A JP 2001085076A
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Kiyoteru Miyake
清照 三宅
Tadao Sugimoto
忠夫 杉本
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡電流値が大きく、光電変換効率の高い色
素増感光電変換素子および光電池を提供する。 【解決手段】 光電変換素子および光電池において、そ
の感光層に、親水性溶媒中に存在する金属水酸化物ゲル
またはその前駆体より得られる半導体微粒子を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換素子および
これを用いた光電池に関し、詳しくは色素で増感された
半導体微粒子を用いた光電変換素子および光電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。こうした状況の中で、Nature(第353巻、第737〜
740頁、1991年)および米国特許4927721号等に、色素に
よって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子お
よび太陽電池、ならびにこれを作成するための材料およ
び製造技術が開示された。提案された電池は、ルテニウ
ム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜
を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の第一
の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度
に精製することなく用いることができるため、安価な光
電変換素子を提供できる点である。第二の利点は用いら
れる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全て
の波長領域の光を電気に変換できることである。しかし
ながら太陽電池として実用化するには、二酸化チタンの
ような半導体粒子の多孔質薄膜は、比表面積を大きくす
る要請から、ラフネスファクター1000程度にする必要が
あり、ナノメートルオーダーの細孔(ナノポーラース構
造)を形成しなければならなかった。二酸化チタンの多
孔質薄膜の形成法は、たとえば、金子正夫編「光エネル
ギー変換−基礎と応用−」(株式会社アイピーシー)の
3章2節に記載されている。
【0003】ナノポーラスな多孔質薄膜を形成するに
は、真空蒸着法のような乾式法では、大量生産に向か
ず、高コストなので、湿式の半導体微粒子の分散液また
はコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法が好ま
しい。具体的には、ゾル-ゲル法、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。しかしながら、ゾ
ル-ゲル法では、加水分解で生じた水酸化金属化合物を
酸化物にするために、高温を必要とする難点があった。
さらに、従来のゾルーゲル法では、単分散な粒子サイズ
分布を得るのが難しく、このため均一なナノポーラスの
膜を得るのが困難であった。また、乳鉢ですりつぶした
り、ミルを使って粉砕しながら分散する方法は、粒子が
凝集しやすく、ナノポーラスな多孔質膜を得る条件を見
い出すのが困難であった。このように、光電変換素子お
よび光電池に適したナノポーラスな多孔質の半導体膜を
つくるのが困難であり、短絡電流が低く、光電効率が低
いという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、短絡
電流値が大きく、光電変換効率の高い色素増感光電変換
素子および光電池を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
を特定する下記の事項およびその好ましい態様により達
成された。 (1)親水性溶媒中に存在する金属水酸化物ゲルまたは
その前駆体より得られる半導体微粒子を感光層に用いた
光電変換素子。 (2)前記金属水酸化物ゲルまたはその前駆体が、安定
な金属錯体の加水分解により生成したものであることを
特徴とする(1)に記載の光電変換素子。 (3)前記金属錯体の配位子が、ヒドロキシル基、カル
ボニル基、エステル基またはカルボキシル基を有する化
合物、あるいはアミン化合物であることを特徴とする
(2)に記載の光電変換素子。 (4)前記金属錯体の配位子が、多座配位子であること
を特徴とする(2)または(3)に記載の光電変換素
子。 (5)前記半導体が、金属カルコゲナイドである(1)
〜(4)のいづれかに記載の光電変換素子。 (6)前記半導体が、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タング
ステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、
インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナ
ジウム、ニオブおよびタンタルから選ばれる金属のカル
コゲナイド化合物を少なくとも一種含むことを特徴とす
る(1)〜(5)のいずれかに記載の光電変換素子。 (7)前記半導体が、金属酸化物であることを特徴とす
る(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子。 (8)前記半導体が、二酸化チタンであることを特徴と
する(1)〜(7)のいずれかに記載の光電変換素子。 (9)前記半導体微粒子の粒子サイズ分布の変動係数が
30%以下であることを特徴とする(1)〜(8)のい
ずれかに記載の光電変換素子。 (10)前記半導体微粒子の粒子サイズ分布の変動係数
が20%以下であることを特徴とする(1)〜(8)の
いずれかに記載の光電変換素子。 (11)前記半導体微粒子が色素により増感されている
ことを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の
光電変換素子。 (12)前記色素がルテニウム錯体色素および/または
ポリメチン色素であることを特徴とする(11)記載の
光電変換素子。 (13)光電変換素子が電荷移動層を有し、該電荷移動
層が溶融塩電解質を含んでいることを特徴とする(1)
〜(12)のいずれかに記載の光電変換素子。 (14)光電変換素子が電荷移動層を有し、該電荷移動
層が正孔輸送材料を含んでいることを特徴とする(1)
〜(12)のいずれかに記載の光電変換素子。 (15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載の光電
変換素子を用いて構成したことを特徴とする光電池。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の光電変換素子および光電池の構成と材料
について詳述する。本発明の光電変換素子は、導電性支
持体、導電性支持体上に設置される色素等により増感し
た半導体膜(感光層)、電荷移動層および対極からな
る。この光電変換素子を外部回路で仕事をさせる電池用
途に使用できるようにしたものが光電池である。感光層
は目的に応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよ
い。感光層に入射した光は色素等を励起する。励起され
た色素等はエネルギーの高い電子を有しており、この電
子が色素等から半導体微粒子の伝導帯に渡され、さらに
拡散によって導電性支持体に到達する。電子移動によっ
て生じた色素等の分子の酸化体は、対極および電荷移動
層から供給される電子により再生する。半導体膜はこの
電池の負極として働く。なお、本発明ではそれぞれの層
の境界において(例えば、導電性支持体の導電層と感光
層の境界、感光層と電荷移動層の境界、電荷移動層と対
極の境界など)、各層の構成成分同士が相互に拡散して
混合していてもよい。
【0007】本発明においては、半導体膜に鋭意改良を
加えた。その半導体膜について、詳説する。本発明にお
いては、上記の半導体膜(感光層)を金属水酸化物ゲル
もしくはその前駆体より得られる半導体微粒子を用いて
形成する。半導体としては金属のカルコゲニド(例えば
酸化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる
化合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物
等を使用することができる。金属のカルコゲニドとして
好ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウ
ム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、
ニオブもしくはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、
鉛、銀、アンチモンもしくはビスマスの硫化物、カドミ
ウムもしくは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物
等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリ
ウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム
ヒ素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−
硫化物等が挙げられる。また、ペロブスカイト構造を有
する化合物として好ましくはチタン酸ストロンチウム、
チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バ
リウム、ニオブ酸カリウムが挙げられる。
【0008】本発明に用いられる半導体としてより好ま
しくは、具体的にはTiO2、SnO2、Fe 2O3、WO3、ZnO、Nb2
O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、CuInS2、CuIn
Se2が挙げられる。さらに好ましくはTiO2、ZnO、SnO2
Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、CuInS2、Cu
InSe2であり、特に好ましくは、TiO2、WO3またはNb2O5
であり、最も好ましくはTiO2である。TiO2の結晶構造
は、ルチル型でも、アナターゼ型でも、ブルッカイト型
のいずれでもよいが、アナターゼ型が特に好ましい。
【0009】本発明において、金属カルコゲニドあるい
はペロブスカイト構造の微粒子を形成するには、親水性
溶媒中に金属水酸化物ゲルもしくは、その前駆体を形成
し、その加水分解により半導体微粒子を得る必要があ
る。金属水酸化物ゲルもしくはその前駆体を形成するに
は、安定な金属錯体を加水分解することが好ましい。金
属塩化物を加水分解して、親水性溶媒中に金属水酸化物
ゲルもしくは、その前駆体を形成してもよい。金属水酸
化物は、一般には金属化合物の加水分解で合成すること
が可能であるが、その際の加水分解反応が速すぎると、
金属水酸化物の形成が不均一に生じ、その結果、多分散
なサイズ分布を有する金属カルコゲニドあるいはペロブ
スカイト構造の微粒子が得られてしまうという問題点が
あった。たとえば、チタンテトライソプロポキシドや四
塩化チタンを水に添加すると、瞬時に加水分解反応が進
行し、各種サイズの水酸化チタン凝集物に変化してしま
い、これより、単分散の酸化チタン微粒子分散物を得る
ことは、困難だった。
【0010】本発明においては、金属水酸化物形成時の
加水分解速度の制御が、単分散な微粒子を得るために、
重要であることを見い出し、加水分解時のpH条件およ
び/または配位子を選ぶことにより、均一な金属水酸化
物ゲルもしくはその前駆体を形成し、これから単分散な
金属カルコゲニドあるいはペロブスカイト構造の微粒子
を得た。そして、このようにして得られた単分散な半導
体微粒子を用いて感光層を形成することにより、素子の
短絡電流および光電変換効率を改良できることを見いだ
した。
【0011】本発明においては、安定な金属錯体を親水
性溶媒中に形成し、これを加水分解することで金属水酸
化物ゲルもしくはその前駆体を調製することが好まし
い。本発明でいう安定な錯体とは、常温において水との
反応が遅いことを意味し、25℃において50%が水酸
化物に変換するのに要する時間が10分以上であること
を意味する。また、この時間は好ましくは1時間以上、
さらに好ましくは1日以上ある。このような条件の錯体
を親水性溶媒中に一旦形成し、しかる後に溶液のpH条
件の変更や、加熱することにより加水分解反応を制御し
て進行させることが好ましい。
【0012】本発明において、親水性溶媒は水や親水性
のある有機溶媒あるいはこれらの混合物を用いることが
できるが、水、アルコール類(例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノールなど)また
はアルカノールアミン類(例えば、トリエタノールアミ
ンなど)あるいはこれらの混合物が好ましい。
【0013】本発明では、さらに、加水分解で生成した
金属水酸化物を3次元のネットワークを形成しているゲ
ル状態にすることで、粒子が隔離されて成長し、凝集が
防止される。しかも、ゲルである金属水酸化物より金属
イオンが粒子の供給源として提供されるので、単分散な
粒子成長が可能となる。
【0014】本発明の微粒子形成法の例としては、金属
錯体と水を混合した後、第一段階のエイジング(反応液
をある条件で保持すること)を施すことで水酸化物のゲ
ルを形成し、その後第二段階のエイジングを施すこと
で、脱水反応により金属酸化物に変換する方法を挙げる
ことができる。例えば、杉本忠夫「新合成法ゲルーゾル
法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてり
あ、第35巻、第9号1012頁から1018頁(19
96)記載の方法によれば、二酸化チタン微粒子合成の
場合、例えば錯体としてトリエタノールアミンとの付加
物を用いたときには、上記第一段階のエイジングを約1
00℃で24時間、第二段階のエイジングを140℃で
72時間とすることでナノメートルサイズのアナターゼ
型二酸化チタン微粒子を調製することができる。前記の
方法で、第一段階のエイジング終了段階でゲル状態を形
成していることが好ましいが、この段階でゲル状態にな
らずに、次の第二段階のエイジングの加熱段階の初期に
おいて、ゲル状になってもよい。本発明のゲルの前駆体
とは、このような場合の第一段階のエイジング後の状態
をさす。ゲルの前駆体の特徴としては、常温において、
ゲル状でなくても、たとえば、5℃のような低温、ある
いは80℃のような高温におくことによって、ゲル状態
を取ることである。
【0015】本発明の金属錯体を構成するための配位子
としては、配位しうる酸素原子や窒素原子を有する化合
物が好ましく、具体的には、ヒドロキシル基、カルボニ
ル基、エステル基またはカルボキシル基を有する化合
物、あるいはアミン化合物が好ましい。配位子は、単座
配位子、二座配位子、三座配位子であってもよい。多座
配位子は、安定な錯体を形成するので好ましい。また、
多核の配位化合物であってもよい。
【0016】ヒドロキシル基を有する化合物には、アル
カノールアミン化合物、ポリオール化合物、グリコール
化合物、オキシカルボン酸、多価フェノール等が挙げら
れる。カルボニル基を有する化合物には、βジケトン化
合物、βケトエステル化合物オキシム化合物、ジオキシ
ム化合物、尿素化合物等が挙げられる。エステル基を有
する化合物には、βケトエステル化合物等が挙げられ
る。カルボキシル基を有する化合物には、多価カルボン
酸、オキシカルボン酸、アミノ酸、窒素原子を含むカル
ボン酸が挙げられる。アミン化合物には、アルカノール
アミン、ジアミン、尿素化合物が挙げられる。これらの
うち、好ましくは、アルカノールアミン化合物、グリコ
ール化合物、オキシカルボン酸、βジケトン化合物、β
ケトエステル化合物、ジアミン化合物である。具体的に
は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
メチロールアミン、ペンタエリトリオット、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、エチレンジアミ
ン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンビスア
セチルアセトナト、アセチルアセトン、尿素、コハク
酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グ
リコール酸、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エ
チレングリコール、へキシレングリコール、ジメチルグ
リオキシム、ピコリン酸の等が好ましく用いられる。特
に好ましくは、トリエタノールアミン、エチレンジアミ
ン四酢酸である。
【0017】金属イオンと配位子のモル比は、0.5か
ら5が好ましく、さらに、好ましくは、1から4であ
る。
【0018】安定な金属錯体のモル濃度は、好ましくは
0.1mol/Lから10mol/Lでより好ましく
は、0.5mol/Lから5mol/Lである。
【0019】本発明において、ゲルまたはその前駆体を
生成させる条件としては、60℃から180℃までのエ
イジング処理(第一段階のエイジング)のほか、酸、塩
基によるpHの制御が主として用いられる。エイジング
処理の温度は、80℃から120℃の範囲が好ましく、
より好ましくは、90℃から110℃である。エイジン
グの時間は、100℃では、8時間から36時間の範囲
が好ましく、より好ましくは、12時間から24時間の
範囲である。
【0020】ゲルおよびその前駆体である金属水酸化物
を金属カルコゲニドに変換させる方法としては、つぎの
ような方法がある。金属酸化物にする方法は、加熱によ
る脱水反応が好ましい。脱水反応で金属酸化物を形成さ
せる第二段階のエイジング条件は、ゲル化のエイジング
温度より高温にする必要がある。少なくとも、10℃以
上の温度差が必要である。
【0021】金属硫化物にする方法は、チオアセトアミ
ド、チオ尿素、チオ硫酸塩、シスチン、ローダニン類、
アリルイソチアシアネート、メルカプト類、チオスルホ
ン酸塩、ジスルフィド類のような不安定硫黄化合物を金
属水酸化物に添加させる方法が好ましい。金属セレン化
物にする方法は、セレノ尿素、コロイド状金属セレニウ
ム、セレノケトン類、セレノアミド類、脂肪族イソセレ
ノシアネート類、セレノカルボン酸及びエステル類、セ
レノホスフェート類、セレナイド類のような不安定セレ
ン化合物を金属水酸化物に添加させる方法が好ましい。
金属テルル化物にする方法は、ジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサイアティ・ケミカル・コミュニケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commu.)63
5頁(1980)、同1102頁(1979)、同645
頁(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイ
アティ・パーキン・トランザクション・コミュニケーシ
ョン(J.Chem.Soc.Perkin.Tran
s.)1巻2191頁(1980)、S.パタイ編、ザ・
ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アン
ド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemis
try of Organic Selenium a
nd TelluriumCompounds)第1巻
(1986)、同第2巻(1987)記載の不安定テル
ル化合物を金属水酸化物に添加させる方法が好ましい。
【0022】ゲル化した金属水酸化物を金属カルコゲニ
ドに変換する工程において、ゼラチン、ポリエチレング
リコール、カルボキシルメチルセルロース、ヘキシルエ
チルセルロース、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピ
ロリドン、でんぷん、カラギーナン、アラビアゴムのよ
うな天然あるいは人工バインダーが存在していてもよ
い。
【0023】本発明に用いられる微粒子は、非晶質で
も、単結晶でも、多結晶でもよいが、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子が好ましい。これ
らの半導体微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したと
きの直径で表すことができる。正確には、透過型電子顕
微鏡の写真の投影面積より求められる。簡易には、粒子
が結晶の場合、一次粒子のサイズの平均値は、X線回折
の線幅よりScherrerの式を用いて求めることができる。
平均粒径は、5〜200nmであることが好ましく、特に
8〜100nmであることが好ましい。変動係数とは、粒
径の標準偏差を平均粒径で割った比率で、通常、単位は
%で表される。変動係数は、好ましくは、50%以下
で、さらに、好ましくは、30%以下、より好ましく
は、20%以下である。また、分散物中の半導体微粒子
(二次粒子)の平均粒径としては0.01〜100μm
であることが好ましい。また、2種類以上の粒径分布の
異なる微粒子を混合して用いてもよく、この場合、小さ
い粒子の平均粒径は10nm以下であることが好ましい。
また、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的
で、粒径の大きな、例えば300nm以上の半導体粒子を
混合してもよい。
【0024】粒子作製法としては、前述のまてりあ、第
35巻、第9号「新合成法ゲルーゾル法による単分散粒
子の合成とサイズ形態制御」記載のゲルーゾル法記載の
方法が好ましく用いられる。結晶粒子サイズは、粒子成
長時の温度、時間、pH、予め存在している粒径既知の
結晶粒子(種晶)量と水酸化物の比率で制御できる。二
酸化チタン粒子において、投影面積相当円の直径で10
〜30nmの粒子を得るには、pH7以上が好ましい。
【0025】粒子の形状は、pH、アンモニウムイオ
ン、酢酸イオン等で制御可能である。二酸化チタンの場
合、アンモニア使用で、アナターゼ型で外表面(10
0)面と(110)面である棒状の粒子を調製できる。
棒状粒子の場合、粒子の長軸と短軸の長さの比(アスペ
クト比)が3以上が好ましく、より好ましくは10以上
である。
【0026】板状粒子の場合、粒子の主平面の投影面積
の等しい円の直径と高さの比(アスペクト比)が3以上
が好ましく、より好ましくは10以上である。
【0027】棒状や板状の粒子は、同一体積の球形の粒
子に比べてアスペクト比が大きく、このため比表面積が
大きく色素吸着量を稼ぐことができ、短絡電流が高くて
有利である。
【0028】粒子形成したのち、遠心分離、自然沈降等
で液相中に存在する不用な反応物や未反応物を除去した
り、濃縮化を行ってもよい。
【0029】次に、導電性支持体は、金属のように支持
体そのものに導電性があるものか、または表面に導電剤
を含む導電層(導電剤層)を有するガラスもしくはプラ
スチックの支持体を使用することができる。後者の場合
好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、
銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、
もしくは導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸
化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げら
れる。上記導電剤層の厚さは、0.02〜10μm程度
であることが好ましい。
【0030】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲としては100Ω/□以下であ
り、さらに好ましくは40Ω/□以下である。この下限
には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0031】導電性支持体は実質的に透明であることが
好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%
以上であることを意味し、50%以上であることが好ま
しく、70%以上が特に好ましい。透明導電性支持体と
してはガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化
物を塗設したものが好ましい。この中でもフッ素をドー
ピングした二酸化スズからなる導電層を低コストのソー
ダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導
電性ガラスが特に好ましい。また、低コストでフレキシ
ブルな光電変換素子または太陽電池には、透明ポリマー
フィルムに上記導電層を設けたものを用いるのがよい。
透明ポリマーフィルムには、テトラアセチルセルロース
(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET),
ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチ
ックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレ
ート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエス
テルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等があ
る。透明導電性支持体を用いる場合、光はその支持体側
から入射させることが好ましい。この場合、導電性金属
酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体
1m2当たり0.01〜100gが好ましい。
【0032】透明導電性基板の抵抗を下げる目的で金属
リードを用いることが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウム、銀が好ましい。金属リード
は透明基板に蒸着、スッパタリング等で設置し、その上
にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜からな
る透明導電層を設けることが好ましい。また上記の透明
導電層を透明基板に設けたあと、透明導電層上に金属リ
ードを設置することも好ましい。金属リード設置による
入射光量の低下は1〜10%、より好ましくは1〜5%
である。
【0033】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法などが挙げられる。
光電変換素子の量産化、液物性や支持体の融通性を考え
た場合、湿式の膜付与方式が比較的有利である。湿式の
膜付与方式としては、塗布法、印刷法が代表的である。
【0034】分散媒としては水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リエチレングリコールのようなポリマー、界面活性剤、
酸、もしくはキレート剤などを分散助剤として用いても
よい。ポリエチレングリコールの分子量を変えること
で、剥がれにくい膜を形成したり、分散液の粘度が調整
可能で、ポリエチレングリコールを使用するのは、好ま
しい。
【0035】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてエア
ーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメ
ータリングを同一部分でできるものとして、特公昭58
−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米
国特許2681294号、同2761419号、同27
61791号等に記載のスライドホッパ法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましく用いられる。
【0036】湿式印刷方法としては、従来から凸版、オ
フセット、グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム
版、スクリーン印刷等が好ましい。
【0037】前記方法の中から、液粘度やウェット厚み
により好ましい膜付与方式を選択する。
【0038】液粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使
用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大
きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Po
ise)ではエクストルージョン法やキャスト法が好まし
く、低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法もしくはワイヤーバー法もしくはスピン法が
好ましく、均一な膜にすることが可能である。
【0039】なお、エクストルージョン法による低粘度
液の塗布の場合でも塗布量がある程度の量あれば塗布は
可能である。
【0040】また半導体微粒子の高粘度ペーストの塗設
にはしばしばスクリーン印刷が用いられており、この手
法を使うこともできる。
【0041】このように塗布液の液粘度、塗布量、支持
体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜ウェット
膜の付与方式を選択すればよい。
【0042】さらに、半導体微粒子含有層は単層と限定
する必要はない。微粒子の粒径の違った分散液を多層塗
布することも可能であり、また半導体の種類が異なる、
あるいはバインダー、添加剤の組成が異なる塗布層を多
層塗布することもでき、また一度の塗布で膜厚が不足の
場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクス
トルージョン法またはスライドホッパー法が適してい
る。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても
よく、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに
順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用
できる。
【0043】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子含有層には好ましい厚さが存在する
が、典型的には0.1〜100μmである。光電気化学
電池として用いる場合は1〜30μmであることが好ま
しく、2〜25μmであることがより好ましい。半導体
微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400
g、さらには5〜100gが好ましい。
【0044】半導体微粒子は導電性支持体に塗布した後
に粒子同士を電子的にコンタクトさせるため、および塗
膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために加
熱処理することが好ましい。好ましい加熱処理温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱処理時間は1
0分〜10時間程度である。ポリマーフィルムなど融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合は、高温処理は支持
体の劣化を招くため、好ましくない。また、コストの観
点からもできる限り低温であることが好ましい。低温化
は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併用や
鉱酸の存在下での加熱処理等により可能である。
【0045】また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を
増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から
半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水
溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0046】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積
は、投影面積に対して10倍以上であることが好まし
く、さらに100倍以上であることが好ましい。この上
限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0047】本発明に使用する色素は金属錯体色素また
はメチン色素が好ましい。本発明では、光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二
種類以上の色素を混合することができる。そして、目的
とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合す
る色素とその割合を選ぶことができる。こうした色素は
半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocki
ng group)を有していることが好ましい。好ましい結合
基としては、COOH基、SO3H基、シアノ基、-P(O)(OH)
2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシム、ジオキシム、
ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−ケトエノ
レートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げら
れる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2
基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を
形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよ
い。また、ポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリ
リウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性
基を含有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0048】以下に本発明で好ましく用いられる色素を
具体的に説明する。本発明に使用する色素が金属錯体色
素の場合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記
式(I)で表される色素が好ましい。 式(I) (A1)pRuBabc 式(I)中、pは0〜2であり、好ましくは2である。
Ruはルテニウムを表す。A1はCl、SCN、H2O、
Br、I、CN、NCO、およびSeCNから選択され
る配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下
のB-1〜B-8から選択される有機配位子である。
【0049】
【化1】
【0050】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。
【0051】本発明に用いられるルテニウム錯体色素と
しては、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同
5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号お
よび特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げら
れる。
【0052】以下に本発明に使用する金属錯体色素の好
ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
【化4】
【0056】本発明に使用する色素がメチン色素である
場合、以下で説明する式(II)、式(III)、式(IV)
または式(V)で表される色素が好ましい。
【0057】
【化5】
【0058】式中、RbおよびRfは各々水素原子、アル
キル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Re
は各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは互いに
結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒
素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およびn
13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表
す。式(II)で表される化合物は分子全体の電荷に応じ
て対イオンを有してもよい。
【0059】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は、置換基を有していてもよい。アルキル基は直
鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素
環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)であっても
よい。またRb〜Rfによって形成される環は、置換基
を有していてもよく、単環であっても縮合環であっても
よい。
【0060】
【化6】
【0061】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qaは式(III)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン
基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子
の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表
す。
【0062】上記のZaで形成される含窒素複素環は置
換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であっ
てもよい。また、アルキル基、アリール基は置換基を有
していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖で
あってもよく、アリール基は単環であっても多環(縮合
環、環集合)であってもよい。
【0063】式(III)で表される色素は、下記式(III
−a)〜(III−d)で表される色素であることが好ま
しい。
【0064】
【化7】
【0065】式(III−a)〜(III−d)中、R11〜R
15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または
複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31
35、およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、
セレン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を
表す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。Y23はO-
-、Se-、Te-、または−NR18 -を表す。
【0066】V11、V12、V21、V22、V31、およびV
41はそれぞれ独立に置換基を表し、n15、n31およびn
41はそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。式(III−
a)〜(III−d)で表される化合物は、分子全体の電
荷に応じて対イオンを有していてもよい。
【0067】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖
であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素環
基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっても
よい。
【0068】以上のようなポリメチン色素の具体例はM.
Okawara,T. Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Co
lorants(Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0069】
【化8】
【0070】式(IV)中、Qbは5員または6員の含窒
素ヘテロ環を完成するために必要な原子団を表し、Qb
は縮環していてもよく、また置換基を有していてもよ
い。Qbで完成されるヘテロ環の好ましい例としては、
ベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンゾセ
レナゾール核、ベンゾテルラゾール核、2−キノリン
核、4−キノリン核、ベンゾイミダゾール核、チアゾリ
ン核、インドレニン核、オキサジアゾール核、チアゾー
ル核、イミダゾール核が挙げられるが、さらに好ましく
はベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンズ
イミダゾール核、ベンゾセレナゾール核、2−キノリン
核、4-キノリン核、インドレニン核であり、特に好まし
くはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、2−
キノリン核、4-キノリン核、インドレニン核である。環
上の置換基としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、ス
ルホン酸基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、シ
アノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシ
エトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、
アルキル基(メチル、エチル、シクロプロピル、シクロ
へキシル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、アリ
ル、ベンジルなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エ
チルチオなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニ
ルなど)、アリール基ないし複素環基(フェニル、チエ
ニル、トルイル、クロロフェニルなど)などが挙げられ
る。
【0071】Zbは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫
黄原子および水素原子から選ばれる原子により構成され
た、3ないし9員環を完成するために必要な原子団を表
す。Zbによって完成される環として好ましくは4ない
し6個の炭素によって骨格が形成される環であり、より
好ましくは以下の(ア)〜(オ)で表されるものであ
り、最も好ましくは(ア)である。
【0072】
【化9】
【0073】L1、L2、L3、L4およびL5はそれぞれ
独立に置換基を有していてもよいメチン基を表す。置換
基としては、置換または無置換のアルキル基(好ましく
は炭素原子数1ないし12、さらに好ましくは1ないし
7のものであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシ
エチル、ベンジルなど)、置換または無置換のアリール
基(好ましくは炭素原子数6ないし10、さらに好まし
くは6ないし8のものであり、例えば、フェニル、トル
イル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル)、複
素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリ
ジル、バルビツール酸)、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1ないし12、
さらに好ましくは6ないし12のものであり、例えば、
ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、4−アセチ
ルピペラジン−1−イル)、オキソ基などが挙げられ
る。これらのメチン基上の置換基は互いに連結してシク
ロペンテン環、シクロヘキセン環、スクアリリウム環な
どの環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成す
ることもできる。
【0074】n51は0から4までの整数を表し、好まし
くは0から3である。n52は0または1である。
【0075】R5は置換基を表す。置換基として好まし
くは置換基を有してもよい芳香族基または置換基を有し
ていてもよい脂肪族基であり、芳香族基の炭素原子数は
好ましくは1ないし16、さらに好ましくは5ないし6
である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1ないし1
0、さらに好ましくは1ないし6である。無置換の脂肪
族基および芳香族基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。
【0076】W1は電荷を中和させるのに対イオンが必
要な場合の対イオンを表す。ある色素が陽イオン、陰イ
オンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどう
かは、その助色団および置換基に依存する。置換基が解
離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、
この場合にも分子全体の電荷はW1によって中和され
る。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウム
イオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン)およびアルカリ金属イオンであり、
一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰
イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イ
オン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化
物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸
イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−
クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホ
ン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イ
オン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6
−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオ
ン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシ
アン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸
イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0077】さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポ
リマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用い
てもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−
1,2−ジチオラトニッケル(III))も可能である。
【0078】
【化10】
【0079】式(V)においてDは少なくとも4官能以
上の芳香族基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に硫黄原
子、セレン原子、CR6364またはCR65=CR66を表
す。ここでR63〜R66はそれぞれ水素原子またはアルキ
ル基である。R61、R62はそれぞれアルキル基または芳
香族基であり、P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色
素を形成するのに必要な非金属原子群を表す。W2は電
荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを
示す。
【0080】式(V)について更に詳しく説明する。式
(V)中、Dは少なくとも四官能以上の芳香族基を示
す。このような芳香族基の例としては、これらの基が誘
導される芳香族炭化水素としてベンゼン、ナフタレン、
アントラセン、フェナントレンなどが挙げられ、芳香族
へテロ環としてはアントラキノン、カルバゾール、ピリ
ジン、キノリン、チオフェン、フラン、キサンテン、チ
アントレンなどが挙げられ、これらは連結部分以外に置
換基を有していてもよい。Dで表される芳香族基として
好ましくは芳香族炭化水素の誘導基であり、さらに好ま
しくはベンゼンまたはナフタレンの誘導基である。
【0081】X1、X2は、好ましくは硫黄原子またはC
6364であり、最も好ましくはCR6364である。
【0082】P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色素
を形成するのに必要な非金属原子群を表す。P1、P2
より、いかなるメチン色素を形成することも可能である
が、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダ
シアニン色素、3核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。この際、シアニン色素には色素を形成するメチン鎖
上の置換基がスクアリウム環やクロコニウム環を形成し
たものも含んでいる。これらの色素の詳細については、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリ
ック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィ
ティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanin
e Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー
・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨー
ク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー
(D.M.Sturme r)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14
節、第482から515貢などに記載されている。 シ
アニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の式
は、米国特許第5、340、694号第21、22貢の
(XI)、(XII)、(XIII)に示されているも
のが好ましい。また、P1およびP2によって形成される
ポリメチン色素の少なくともいずれか一方のメチン鎖部
分にスクアリリウム環を有するものが好ましく、両方に
有するものがさらに好ましい。
【0083】R61、R62は芳香族基または脂肪族基であ
り、これらは置換基を有していてもよい。芳香族基の炭
素原子数は好ましくは5ないし16、さらに好ましくは
5ないし6である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは
1ないし10、さらに好ましくは1ないし6である。無
置換の脂肪族基、芳香族基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフ
チル基等が挙げられる。
【0084】式(V)はR61、R62、P1、P2のうち少
なくともひとつに酸性基を有することが好ましい。ここ
で酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であ
り、例としてはカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、
ホウ酸などが挙げられ、好ましくはカルボン酸である。
またこのような酸性基はプロトンを放出して解離した形
を採っていてもよい。W2は式(IV)のW1と同義であ
る。
【0085】以下に式(II)〜(V)で表されるポリメ
チン色素の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0086】
【化11】
【0087】
【化12】
【0088】
【化13】
【0089】
【化14】
【0090】
【化15】
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】
【化19】
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】
【化23】
【0099】
【化24】
【0100】
【化25】
【0101】
【化26】
【0102】
【化27】
【0103】
【化28】
【0104】
【化29】
【0105】
【化30】
【0106】
【化31】
【0107】式(II)および式(III)で表される化合
物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・
リレィティド・コンパウンズ( Heterocyclic Compounds
-Cyanine Dyes and RelatedCompounds)」、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュ
ーヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スタ
ーマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパ
ウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイク
リック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Specia
l topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、
第14節、第482から515項、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨー
ク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー
・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of
Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977
刊、第15章、第369から422項、エルセビア・サ
イエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier
Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨー
ク、英国特許第1,077,611号などに記載の方法に基づい
て合成することができる。
【0108】本発明に用いられる式(IV)で表される化
合物の合成は、Dyes and Pigments第21巻227〜23
4頁などの文献の記載を参考にして行える。また、式
(V)で表される化合物の合成は、Ukrainskii Khimich
eskii Zhurnal 第40巻3号253〜258頁、Dyes and
Pigments 第21巻227〜234頁およびこれらの文
献中に引用された文献の記載等を参考にして行える。
【0109】半導体微粒子に色素を吸着させる方法は色
素溶液中によく乾燥した半導体微粒子を含有する作用電
極を浸漬するか、もしくは色素溶液を半導体微粒子層に
塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の
場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法
などが使える。浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行っ
てもよいし、特開平7-249790号に記載されているように
加熱還流して行ってもよい。後者の塗布方法としては、
ワイヤーバー法、スライドホッパ法、エクストルージョ
ン法、カーテン法、スピン法、スプレー法があり、印刷
方法としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリー
ン印刷等がある。
【0110】溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択で
きる。例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノ
ール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニト
リル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メト
キシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化
炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホ
ルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシ
ド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサ
ゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、
炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(ヘキサン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒
が挙げられる。
【0111】液粘度も半導体微粒子層の形成時と同様
に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエ
クストルージョン法の他、各種印刷法が、低粘度液(例
えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法もしく
はワイヤーバー法もしくはスピン法が適していて、均一
な膜にすることが可能である。
【0112】このように色素塗布液の液粘度、塗布量、
支持体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜付与
方式を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0113】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100mモルが好ましい。また、色素の半
導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して
0.01〜1mモルが好ましい。このような色素量とす
ることによって、半導体における増感効果が十分に得ら
れる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分
となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない
色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0114】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄によって除去することが好
ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶
剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うの
がよい。また、吸着色素量を増大させるため、加熱処理
を吸着前に行うことが好ましい。加熱処理後、半導体微
粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さず
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させることも好ま
しい。
【0115】会合など色素同士の相互作用を低減する目
的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる
疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイ
ド化合物(例えばケノデオキシコール酸)等が挙げられ
る。また、余分な色素の除去を促進する目的で、色素を
吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処
理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4
−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げ
られる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし
有機溶媒に溶解して用いてもよい。また、紫外線による
光劣化を防止する目的で紫外線吸収剤を共吸着させるこ
ともできる。
【0116】以下、電荷移動層と対極について詳しく説
明する。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で
用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例として
は、イオン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶
解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマ
トリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還
元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解
質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料
のほかに、固体中のキャリアー移動が電気伝導にかか
わる材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材
料、を用いることもできる。
【0117】本発明の光電変換素子に溶融塩電解質を用
いる場合は、例えばWO95/18456号、特開平8-259543号、
電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載さ
れているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾ
リウム塩等の既知のヨウ素塩を用いることができる。
【0118】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0119】
【化32】
【0120】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0121】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0122】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0123】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0124】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形
成してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ
以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0125】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0126】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0127】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、NSC-、BF4 -、P
F6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -
CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-等が好ましい例として挙
げられ、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好まし
い。また、LiIなど他のヨウ素塩を添加することもで
きる。
【0128】上記溶融塩は、溶媒を用いなくても使用で
きるが、後述する溶媒を添加しても構わないが、溶融塩
の含有量は電解質組成物全体に対して50重量%以上であ
るのが好ましい。また、塩のうち、50重量%以上がヨウ
素塩であることが好ましい。
【0129】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜20重量%であるのが好ましく、0.5〜5重
量%であるのがより好ましい。
【0130】以下に、本発明において好ましく用いられ
る溶融塩の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけ
ではない。
【0131】
【化33】
【0132】
【化34】
【0133】
【化35】
【0134】
【化36】
【0135】
【化37】
【0136】
【化38】
【0137】
【化39】
【0138】電荷移動層に電解液を使用する場合、電解
液は電解質、溶媒、および添加物から構成されることが
好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わ
せ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、
CaI2などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキル
アンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イ
ミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物の
ヨウ素塩など)、Br 2と臭化物の組み合わせ(臭化物
としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、Ca
Br2などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアン
モニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級
アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシア
ン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウ
ムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキ
ルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合
物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用い
ることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウ
ムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アン
モニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が本発
明では好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよ
い。
【0139】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以
下であり、さらに好ましくは0.2 M以上10M以下であ
る。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨ
ウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0140】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−
2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール
ジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエー
テルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキ
シド(DMSO)、スルフォランなど非プロトン極性物
質、水などを用いることができる。
【0141】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の
塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を
添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下で
ある。
【0142】本発明では、電解質はポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマ
ーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させて使
用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる
場合は、¨Polymer Electrolyte Reviews-1および2¨
(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLI
ED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができ
るが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添
加によりゲル化させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind.
Chem.Sec., 46,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5
542(1989), J. Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 39
0, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Che
m. Lett.,1996, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1
997,545に記載されている化合物を使用することができ
るが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有す
る化合物である。
【0143】ゲル電解質を多官能モノマー類の重合によ
って形成する場合、多官能モノマー類、重合開始剤、電
解質、溶媒から溶液を調製し、キャスト法,塗布法,浸
漬法、含浸法などの方法により色素を担持した電極上に
ゾル状の電解質層を形成し、その後ラジカル重合するこ
とによってゲル化させる方法が好ましい。多官能性モノ
マーはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であ
ることが好ましく、例えばジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートが好ましい例として挙げら
れる。ゲル電解質を構成するモノマー類はこの他に単官
能モノマーを含んでいてもよく、アクリル酸またはα−
アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から
誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えばN−is
o−プロピルアクリルアミド、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
2−メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレートなど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニ
ル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステ
ル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチルなど)、マレイン酸、フマル酸、
p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエ
ン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル
化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム)、含窒素複素環を有するビニ
ル化合物、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホル
ムアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライ
ド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエ
ーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、N−フェニルマレイミド等を好ましく使用するこ
とができる。モノマー全量に占める多官能性モノマーの
好ましい重量組成範囲は0.5重量%以上70重量%以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは1.0重量%以上50
重量%以下である。
【0144】上述のモノマーは、大津隆行・木下雅悦共
著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津隆行:講座
重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同人)に記載さ
れた一般的な高分子合成法であるラジカル重合によって
重合することができる。本発明で使用できるゲル電解質
用モノマーは、加熱、光、電子線、また電気化学的にラ
ジカル重合することができるが、特に加熱によってラジ
カル重合させることが好ましい。架橋高分子が加熱によ
り形成される場合に好ましく使用される重合開始剤は、
例えば、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピ
オネート)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシ
ドなどの過酸化物系開始剤等である。重合開始剤の好ま
しい添加量はモノマー総量に対し0.01重量%以上2
0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以
上10重量%以下である。
【0145】ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成
範囲は0.5重量%以上70重量%以下であることが好まし
く、さらに好ましくは1.0重量%以上50重量%以下であ
る。
【0146】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0147】本発明では、電解質の替わりに有機または
無機あるいはこの両者を組み合わせた正孔輸送材料を使
用することができる。本発明に適用可能な有機正孔輸送
材料としては、N,N'-ジフエニル-N、N'-ビス(4-メト
キシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン
(J.Hagen et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-22
0)、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニ
ルアミン)9,9'-スピロビフルオレン(Nature,Vol.395,
8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス
{4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン
の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン
化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4,‐ビス
[(N-1-ナフチル)‐N-フェニルアミノ]ビフェニルで
代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合
芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5
−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でス
ターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許
第4,923,774号、特開平4−308688号公報)、N,N'-ジ
フエニル-N、N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビ
フェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン(米国
特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テトラメチ
ル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-p-
キシレン(特開平3−269084号公報)、p-フェニレンジ
アミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリフ
ェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレ
ニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特
開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミン
ユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189
号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開
平4−290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4−364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結
したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物
(特開平5−239455号公報)、ピスジピリジルアミノビ
フェニル(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリフ
ェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノ
キザジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7-138562
号)、ジアミノフエニルフエナントリジン誘導体(特開
平7-252474号)等に示される芳香族アミン類、α-オク
チルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オクチルチ
オフェン(Adv.Mater. 1997,9,N0.7,p557)、ヘキサドデ
シルドデシチオフェン(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1
995, 34, No.3,p303-307)、2,8-ジヘキシルアンスラ[2,
3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,Vol120, N0.4,1998,p66
4-672)等のオリゴチオフェン化合物、ポリピロール(K.
Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997, p471)、¨ Ha
ndbook of Organic Conductive Molecules and Polymer
s Vol.1,2,3,4¨(NALWA著、WILEY出版)に記載されて
いるポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニ
レン) およびその誘導体、ポリ( p-フェニレンビニレ
ン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよび
その誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリア
ニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘
導体等の導電性高分子を好ましく使用することができ
る。また、有機正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vo
l.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているように
ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4
-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネ
ートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加
したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電
荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような
塩を添加しても構わない。
【0148】有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光
電解重合法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。また、正孔輸送材料を電解液の替わりに使用する
ときは短絡防止のためElectorochim. Acta 40, 643-652
(1995)に記載されているスプレーパイロリシス等の手法
を用いて二酸化チタン薄層を下塗り層として塗設するこ
とが好ましい。
【0149】無機固体化合物を電解質の替わりに使用す
る場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys. 31
(1998)1492-1496)、チオシアン化銅(Thin Solid Film
s 261(1995)307-310、J. Appl. Phys. 80(8),15 Octobe
r 1996, p4749-4754、Chem.Mater. 1998, 10, 1501-150
9、Semicond. Sci. Technol. 10, 1689-1693)等をキャ
スト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解メッキ
法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0150】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つは増感色素を担持させた半導体
微粒子含有層の上に先に対極を貼り合わせておき、その
間隙に液状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1
つは半導体微粒子含有層上に直接電荷移動層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0151】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0152】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。固体電解質や固体の正
孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法
等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極
を付与することもできる。
【0153】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0154】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0155】対極は、光電変換素子を光電気化学電池と
したとき、光電気化学電池の正極として働くものであ
る。対極は通常前述の導電性支持体と同様に導電性層を
有する支持体を用いることもできるが、強度や密封性が
十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要で
ない。具体的に対極に用いる導電性の材料としては金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウ
ム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性の
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズに
フッ素をドープしたもの等)が挙げられる。対極の厚さ
は、特に制限はないが、3nm以上10μm以下であるこ
とが好ましい。金属材料である場合は、その膜厚は好ま
しくは5μm以下であり、さらに好ましくは5nm以上3
μm以下の範囲である。
【0156】感光層に光が到達するためには、前述の導
電性支持体と対極の少なくとも一方は実質的に透明でな
ければならない。本発明の光電気化学電池においては、
導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射
させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質
を有することがさらに好ましい。本発明において対極と
しては金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまた
はプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0157】対極の塗設については電荷移動層の付与で
記したように、電荷移動層の上に付与する場合と先に半
導体微粒子含有層上に付与する場合の2通りある。いず
れの場合も、対極材の種類や電荷移動層の種類により、
適宜、電荷移動層上または半導体微粒子含有層上に対極
材を塗布、ラミネート、蒸着、貼り合わせなどの方法に
より形成可能である。例えば、対極を貼り合わせる場合
は、上記の導電性材料を塗布、蒸着、CVD等の手法に
より導電層として設けられた基板を貼り合わせることが
できる。また、電荷移動層が固体の場合には、その上に
直接、前述の導電性材料を塗布、メッキ、PVD、CV
D等の手法で対極を形成することができる。
【0158】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜など、必要な他の機能の層を設
けることも可能である。このような層を多層にて機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。また、これらの機能層はその材料
により、蒸着や貼り付けなどの手法を用いて設けること
もできる。
【0159】本発明の光電気化学電池では構成物の劣化
や内容物の揮散を防止するために電池の側面をポリマー
や接着剤等で密封するのが好ましい。
【0160】次に本発明の光電変換素子をいわゆる太陽
電池に適用する場合のセル構造およびモジュール構造に
ついて説明する。
【0161】色素増感型太陽電池のセル内部の構造は、
基本的には上述した光電変換素子や光電気化学電池と同
じであるが、図2または図3に示すように目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく二つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造[図2(a)(d)、図3
(g)]と、片面からのみ可能なタイプ[図2(b)
(c)、図3(e)(f)(h)]である。
【0162】図2(a)は、透明導電層12間に、色素
吸着半導体微粒子含有層である色素吸着TiO2層10
と、電荷移動層11とを介在させた構造である。図2
(b)は、透明基板13上に一部金属リード9を設け、
さらに透明導電層12を設け、下塗り層14、色素吸着
TiO2層10、電荷移動層11および金属層8をこの
順で設け、さらに支持基板15を配置した構造である。
図2(c)は、支持基板15上にさらに金属層8を有
し、下塗り層14を介して色素吸着TiO2層10を設
け、さらに電荷移動層11と透明導電層12とを設け、
一部に金属リード9を設けた透明基板13を、金属リー
ド9側を内側にして配置した構造である。図2(d)
は、透明基板13上に一部金属リード9を設け、さらに
透明導電層12を設けたものの間に下塗り層14と色素
吸着TiO2層10と電荷移動層11とを介在させた構
造である。図3(e)は、透明基板13上に透明導電層
12を有し、下塗り層14を介して色素吸着TiO2
10を設け、さらに電荷移動層11および金属層8を設
け、この上に支持基板15を配置した構造である。図3
(f)は、支持基板15上に金属層8を有し、下塗り層
14を介して色素吸着TiO2層10を設け、さらに電
荷移動層11および透明導電層12を設け、この上に透
明基板13を配置した構造である。図3(g)は、透明
導電層12を有する透明基板13間に、透明導電性層1
2を内側にして、下塗り層14、色素吸着TiO2層1
0および電荷移動層11を介在させた構造である。図3
(h)は、支持基板15上に金属層8を設け、下塗り層
14を介して色素吸着TiO2層10を設け、さらに固
体の電荷移動層16を設け、この上に一部金属層8また
は金属リード9を有する構造である。
【0163】本発明の色素増感型太陽電池のモジュール
構造は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様の
構造をとりうる。一般的には、金属・セラミック等の支
持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護
ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構
造とすることができるが、支持基板に強化ガラス等の透
明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持
基板側から光を取り込むことも可能である。具体的に
は、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイ
プ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造ある
いはアモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基
板一体型などのモジュール構造が可能である。これらの
モジュール構造は使用目的や使用場所(環境)により適
宜選択できる。本発明の素子を基板一体型でモジュール
化した例を図4に示す。
【0164】図4の構造は、透明基板13の一方の面上
に透明導電層12を有し、この上にさらに色素吸着Ti
2層10、固体の電荷移動層16および金属層8を設
けたセルをモジュール化したものであり、透明基板13
の他方の面には反射防止層17が設けられている。この
場合、入射光の利用効率を高めるために、感光部である
色素吸着TiO2層10の面積比率(光の入射面である
透明基板13側から見たときの面積比率)を大きくした
方が好ましい。
【0165】スーパーストレートタイプやサブストレー
トタイプの代表的な構造は、片側または両側が透明で反
射防止処理を施された支持基板の間に、一定間隔にセル
が配置され、隣り合うセル間が金属リードまたはフレキ
シブル配線等によって接続されており、外縁部に集電電
極を配置して、発生した電力を外部に取り出す構造にな
っている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率
アップのため、目的に応じ、エチレンビニルアセテート
(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフイルム
または充填樹脂の形で用いることができる。また、外部
からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必
要のない場所に使う場合には、表面保護層を透明プラス
チックフイルムで構成したり、または、上記充填・封止
材料を硬化させることによって保護機能を付与し、片側
の支持基板をなくすことも可能である。支持基板の周囲
は、内部の密封およびモジュールの剛性確保のため、金
属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板と
フレームの間は封止材で密封シールする。
【0166】また、セルそのものや支持基板、充填材お
よび封止部材に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太
陽電池を構成することもできる。このように、使用目的
や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池
を製作することができる。
【0167】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材・セル間接続用リード線・背面封止材等と
共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを乗
せ、外縁部にフレームをセットして作ることができる。
【0168】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線
・封止材等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗
せ、周縁部にフレームをセットして作製することができ
る。
【0169】図4に示した構造のモジュールは、支持基
板上に透明電極・感光層・電荷移動層・裏面電極等が立
体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ・選
択エッチング・CVD・PVDといった半導体プロセス
技術、あるいはパターン塗布または広幅で塗布した後に
レーザースクライビングやプラズマCVM(Solar Ener
gy Materials and Solar Cells, 48, p373-381等に記
載)または研削等の機械的手法などの方法でパターニン
グすることができ、これらにより所望のモジュール構造
を得ることができる。
【0170】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、液状のEVA(エチレンビニル
アセテート)やフッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹
脂混合物フイルム状のEVA等、耐候性付与・電気絶縁
性付与・集光効率向上・セル保護性(耐衝撃性)向上等の
目的に応じ様々な素材が使用可能である。
【0171】これらを、セル上に固定する方法として
は、封止材の物性に合わせ、フイルム状の素材ではロー
ル加圧後加熱密着や真空加圧後加熱密着、液またはペー
スト状の材料ではロールコート、バーコート、スプレー
コート、スクリーン印刷等の様々な方法がある。
【0172】また、透明フィラーを封止材に混入して強
度を上げたり、光透過率を上げることができる。
【0173】モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの
間は、耐候性・防湿性が高い樹脂を使って封止するとよ
い。
【0174】支持基板としてPET・PEN等の可撓性
素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してそ
の上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層
を積層することができ、生産性の高い工程を造ることが
できる。
【0175】発電効率を上げるため、モジュールの光取
り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反
射防止処理が施される。これには、反射防止膜をラミネ
ートする方法、反射防止層をコーティングする方法があ
る。
【0176】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって入射し
た光の利用効率を高めることが可能である。
【0177】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要だが、光電変換層
を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変
換層側に効率良く戻すことも重要である。このために
は、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着
またはメッキする方法、セルの最下層にAl−Mgまた
はAl−Tiなどの合金層を反射層として設ける方法、
あるいは、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作り反射率を高める方法等がある。
【0178】発電効率を上げるためには、セル間接続抵
抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重
要である。
【0179】ワイヤーボンディングや導電性のフレキシ
ブルシートで接続するのが一般的だが、導電性粘着テー
プや導電性接着剤を使ってセルの固定機能と電気的な接
続機能を兼ねる方法、導電性ホットメルトを所望の位置
にパターン塗布する方法等が有る。
【0180】ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持
体を使った太陽電池では、ロール状の支持体を送り出し
ながら半導体の塗設の説明で示した方法によって、順
次、セルを形成・所望のサイズに切断した後、周縁部を
フレキシブルで防湿性のある素材でシールして、電池本
体を作製できる。また、Solar Energy Materials andSo
lar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれ
るモジュール構造とすることもできる。
【0181】フレキシブル支持体の太陽電池では、更に
これを曲面ガラス等に接着固定して使用することもでき
る。
【0182】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明する。 1.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製 [比較例の分散物の作成]オートクレーブ温度を250
℃16時間にした以外はバルベらのジャーナル・オブ・
アメリカン・セラミック・ソサイエティ 80巻3157頁記
載の硝酸を用いた方法と同様の方法で二酸化チタン濃度
8重量%の二酸化チタン分散物を得た。得られた二酸化
チタン粒子の平均粒径は約15nmであった。変動係数は
43%であった。ここでの平均粒径は、X線回折の(1
01)反射の回折線幅より求めたものを用いた。この分
散物に二酸化チタンに対し30重量%のポリエチレング
リコール(分子量500,000、和光純薬製)を添加
し、混合して塗布液1を得た。
【0183】[本発明の分散物の作成]ジャーナル オ
ブ コロイド アンド インターフェイス サイエンス
(J. Colloid Interface. Sci.).,193 巻140〜
141頁(1997)記載の方法において、アンモニアを除去
し、硝酸を0.1Mになるように添加した以外は同様に
して、100℃24時間エイジングを行い、水酸化チタ
ンを形成した後、140℃72時間エイジングを施し
て、二酸化チタン濃度2重量%で平均粒径15nmの粒
子の分散物を得た。変動係数は26%であった。遠心分
離で上澄みを捨て、二酸化チタン濃度を8重量%に濃縮
し、この分散物に二酸化チタンに対し30重量%のポリ
エチレングリコール(分子量500,000、和光純薬
製)を添加し、混合して塗布液2を得た。なお、前記文
献において、親水性溶媒としては水とイソプロパノール
が使用されている。
【0184】塗布液2の作製において硝酸を0.35Mにな
るように添加した以外は、塗布液2と同様にして塗布液
3を得た。この二酸化チタン微粒子の平均粒径は12n
mであり、変動係数は29%であった。塗布液2の作製
において、硝酸を除去した以外は塗布液2と同様にして
塗布液4を得た。この二酸化チタン微粒子の平均粒径は
18nmの粒子であり、変動係数は23%であった。塗
布液2の作製において、硝酸を酢酸に替えて0.25Mにな
るように添加した以外は塗布液2と同様にして塗布液5
を得た。この二酸化チタン微粒子の平均粒径は15nm
であり、変動係数は18%であった。上記5種の塗布液
の調製において、硝酸または酢酸を用いた塗布液は、1
00℃24時間のエイジング処理の段階で、白色のゲル
が得られたが、硝酸を添加しなかった塗布液4は、10
0℃24時間のエイジング処理の段階でゲルの前駆体が
得られた。
【0185】2.色素を吸着した二酸化チタン電極の作
成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導
電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/□)
の導電面側に上記の各塗布液をドクターブレードで10
0μmの厚みでそれぞれ塗布し、25℃で30分間乾燥
した後、電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32
型)で450℃にて30分間焼成して、各塗布液の電極
を得た。二酸化チタンの塗布量はいずれも9g/m2であ
り、膜厚は6μmであった。二酸化チタンの塗布された
ガラスを取り出し冷却した後、R−1色素の溶液(色素
3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)に60
℃2時間浸漬した。色素の染着された二酸化チタン塗膜
をアセト二トリルで洗浄し暗所にて自然乾燥させた。色
素の吸着量は、二酸化チタンの塗布面積1m2あたりお
よそ0.7〜1.1×10-3モルの範囲であった。
【0186】3.光電池の作成 上述のようにして作成した色増感されたTiO2電極基
板(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラス
と重ね合わせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間に
毛細管現象を利用して溶融塩の電解質(ヨウ素:0.0
2g、Y8−1:0.7g、Y7−2:0.3gの混合
物)0.3mgをしみこませてTiO2電極中に導入す
ることにより、光電池C1からC5(上記塗布液1〜5
が、それぞれ光電池C1〜C5に対応する。)を得た。
【0187】本実施例により、図1に示したとおり、導
電性ガラス1(ガラス上に導電剤層2が設層されたも
の)、TiO2電極3、色素層4、電解液5、白金層6
およびガラス7が順に積層された光電池C1からC5が
作成された(C1は比較例である。)。
【0188】4.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5)を通すことにより模
擬太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2
あった。前述の光電池の導電性ガラスと白金蒸着ガラス
にそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、模擬太陽光を照
射し、発生した電気を40℃の一定温度で電流電圧測定
装置(ケースレーSMU238型)にて測定した。これに
より求められた光電池の開放電圧(Voc)、短絡電流密度
(Jsc)、形状因子(FF)、光電変換効率(η)を一括して
表1に記載した。
【0189】
【表1】
【0190】上記実施例の結果から、本発明の作製法で
得た単分散の二酸化チタン微粒子を用いた光電変換材料
は、短絡電流Jscが高く、変換効率が高かった。なかで
も、酢酸を用いて形成された二酸化チタンは、単分散性
が優れ、短絡電流Jscが高く、変換効率が高かった。
【0191】
【発明の効果】本発明によって、短絡電流高く、効率の
優れた色素増感光電変換素子および光電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で作成した光電池の構成を示す断面図
である。
【図2】 光電池の基本的な構成例を示す断面図であ
る。
【図3】 光電池の基本的な構成例を示す断面図であ
る。
【図4】 基板一体型のモジュール構成例を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 導電性ガラス 2 導電剤層 3 TiO2層 4 色素層 5 電解液 6 白金層 7 ガラス 8 金属層 9 金属リード 10 色素吸着TiO2層 11 電荷移動層 12 透明導電層 13 透明基板 14 下塗り層 15 支持基板 16 固体の電荷移動層 17 反射防止層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性溶媒中に存在する金属水酸化物ゲ
    ルまたはその前駆体より得られる半導体微粒子を感光層
    に用いた光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記金属水酸化物ゲルまたはその前駆体
    が、安定な金属錯体の加水分解により生成したものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記金属錯体の配位子が、ヒドロキシル
    基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基を
    有する化合物、あるいはアミン化合物であることを特徴
    とする請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記金属錯体の配位子が、多座配位子で
    あることを特徴とする請求項2または3に記載の光電変
    換素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体が、金属カルコゲナイドであ
    る請求項1〜4のいづれかに記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 前記半導体が、チタン、スズ、亜鉛、
    鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロ
    ンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ラン
    タン、バナジウム、ニオブおよびタンタルから選ばれる
    金属のカルコゲナイド化合物を少なくとも一種含むこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換
    素子。
  7. 【請求項7】 前記半導体が二酸化チタンであることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素
    子。
  8. 【請求項8】 前記半導体微粒子の粒子サイズ分布の変
    動係数が30%以下であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 【請求項9】 前記半導体微粒子の粒子サイズ分布の変
    動係数が20%以下であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の光電変換素子。
  10. 【請求項10】 前記半導体微粒子が色素により増感さ
    れていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
    載の光電変換素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の光
    電変換素子を用いて構成したことを特徴とする光電池。
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