JP2000285977A - 光電変換素子および光電池 - Google Patents

光電変換素子および光電池

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JP2000285977A
JP2000285977A JP11091534A JP9153499A JP2000285977A JP 2000285977 A JP2000285977 A JP 2000285977A JP 11091534 A JP11091534 A JP 11091534A JP 9153499 A JP9153499 A JP 9153499A JP 2000285977 A JP2000285977 A JP 2000285977A
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photoelectric conversion
transparent conductive
layer
conversion element
dye
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Application number
JP11091534A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換効率に優れ、大面積化が可能な色素
増感型の光電変換素子および光電池を提供する。 【解決手段】 導電性支持体、この導電性支持体上に塗
設された色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動
層および対極を有する色素増感された光電変換素子にお
いて、導電性支持体および対極の少なくとも一方が、光
学的に透明な受光部を提供する透明導電性基板であり、
この透明導電性基板が金属リードを有し、かつ、透明導
電性基板の受光部の開口率が50%以上99%以下であ
る光電変換素子および光電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素により増感され
た半導体微粒子を用いた光電変換素子に関する。更に
は、これを用いた光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、太陽光発電は単結晶シリコン太陽
電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン
太陽電池およびテルル化カドミウムやセレン化インジウ
ム銅等の化合物太陽電池の改良が、実用化の主力技術と
なっており、発電効率として10%を超える太陽光エネ
ルギー変換効率が得られている。しかし、将来に向けて
これらを普及させる上では、素材製造にかかるエネルギ
ーコストが高く製品化への環境負荷が大きいこと、ユー
ザーにとってエネルギーペイバックタイムが長い等の問
題点を克服する必要がある。一方、低価格化を目指し、
大面積化も容易な有機材料をシリコンに替わる感光材料
として用いた太陽電池がこれまでに多く提案されてきた
が、光電変換効率が1%以下と低く、耐久性も悪いとい
う問題があった。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等
に、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電
変換素子および太陽電池、ならびにこの作製に必要な材
料および製造技術が開示された。提案された電池は、ル
テニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔
質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式
の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を
高純度まで精製する必要なしに用いることができるた
め、安価な光電変換素子として提供できる点であり、第
二には用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可
視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できること
であり、第三には光電変換効率が最適条件では10%に
近く高いことである。
【0004】しかし光電変換効率を10%近くに高める
ためには、電極の内部抵抗を十分に小さくするなどの加
工が必要であり、このため電池サイズを小さくして集電
にかかわる電極抵抗を下げなければならず、大面積化が
困難であるという問題点があった。また、光電変換効率
を上げるためには、電極の光透過性を高めて感光層の光
捕獲率を高めることが必要であるが、透過性の高い電極
は導電率が十分に高くなく、電極抵抗を増加させる原因
となっており、光透過性と低抵抗の両立が困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
変換効率に優れ、大面積化が可能な色素増感型の光電変
換素子および光電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は本発明を
特定する下記の事項およびその好ましい態様により達成
された。 (1) 導電性支持体、この導電性支持体上に塗設され
た色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層およ
び対極を有する色素増感された光電変換素子において、
(a)前記導電性支持体および対極の少なくとも一方
が、光学的に透明な受光部を提供する透明導電性基板で
あり、(b)該透明導電性基板に金属リードを有し、か
つ、(c)該透明導電性基板の受光部の開口率が50%
以上99%以下であることを特徴とする光電変換素子。 (2) 前記導電性支持体が前記透明導電性基板である
上記(1)の光電変換素子。 (3) 前記透明導電性基板の透明導電性物質が酸化ス
ズまたは酸化インジウムスズを主とした材料である上記
(1)または(2)の光電変換素子。 (4) 前記開口率が70%以上95%以下である上記
(1)〜(3)のいずれかの光電変換素子。 (5) 前記開口率が80%以上95%以下である光電
変換素子。 (6) 前記金属リードの材質が、アルミニウム、銅、
銀、金、白金、クロムおよびニッケルから選ばれる少な
くとも1種以上を含む金属である上記(1)〜(5)の
いずれかの光電変換素子。 (7) 前記金属リードの材質が、アルミニウムまたは
銀を含む金属である上記(1)〜(5)のいずれかの光
電変換素子。 (8) 前記透明導電性基板上に設けられた金属リード
のパターンがリード線を面内で同方向に配列された平行
線状または面内で複数方向にクロスして配列させた格子
状である上記(1)〜(7)のいずれかの光電変換素
子。 (9) 前記金属リードのリード線が線幅1μm以上2
mm以下、厚さ0.1μm以上10μm以下である上記
(1)〜(8)のいずれかの光電変換素子。 (10) 前記金属リードのリード線が線幅10μm以
上1mm以下、厚さ0.5μm以上5μm以下である上記
(1)〜(9)のいずれかの光電変換素子。
【0007】(11) 前記金属リードのリード線が線
幅30μm以上300μm以下、厚さ0.1μm以上5μ
m以下である上記(1)〜(10)のいずれかの光電変
換素子。 (12) 隣り合う金属リード線のピッチが0.1mm
以上15mm以下である上記(1)〜(11)に記載の
光電変換素子。 (13) 隣り合う金属リード線のピッチが0.2mm
以上10mm以下である上記(1)〜(12)に記載の
光電変換素子。 (14) 隣り合う金属リード線のピッチが0.2mm
以上6mm以下である上記(1)〜(13)に記載の光
電変換素子。 (15) 前記透明導電性基板が透明支持体と透明導電
層からなり、かつ、前記金属リードが透明支持体と透明
導電層の間、または透明導電層の内部に設けられている
上記(1)〜(14)のいずれかの光電変換素子。 (16) 前記透明導電性基板が透明支持体と透明導電
層からなり、かつ、前記金属リードが透明支持体と透明
導電層の間に設けられている上記(1)〜(14)のい
ずれかの光電変換素子。 (17) 前記透明導電性基板の面抵抗が、0.1ない
し15Ω/□の範囲である上記(1)〜(16)のいず
れかの光電変換素子。 (18) 前記透明導電性基板の表面抵抗が、1ないし
15Ω/□の範囲である上記(1)〜(17)のいずれ
かの光電変換素子。 (19) 前記透明導電性基板の表面抵抗が、2ないし
10Ω/□の範囲である上記(1)〜(18)のいずれ
かの光電変換素子。 (20) 前記半導体微粒子含有層がTiO2、TiSrO2、Zn
O、WO3、Nb2O5から選ばれる金属酸化物の1種以上を含
有する上記(1)〜(19)のいずれかの光電変換素
子。
【0008】(21) 前記半導体微粒子含有層がTiO2
を含有する上記(1)〜(19)のいずれかの光電変換
素子。 (22) 前記色素の少なくとも1種がポリメチン色素
である上記(1)〜(21)のいずれかの光電変換素
子。 (23) 前記色素の少なくとも1種がスクアリン酸由
来の部分構造を有するポリメチン色素である上記(1)
〜(22)のいずれかの光電変換素子。 (24) 前記電荷移動層が固体材料である上記(1)
〜(23)のいずれかの光電変換素子。 (25) 前記透明導電性基板の単体の面積が1cm2
以上1000cm2以下である上記(1)〜(24)の
いずれかの光電変換素子。 (26) 前記透明導電性基板の単体の面積が4cm2
以上500cm2以下である上記(1)〜(24)のい
ずれかの光電変換素子。 (27) 上記(1)〜(26)のいずれかの光電変換
素子を用いた光電池。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の光電変換素子および光電池の構成
と材料について詳述する。本発明において色素増感した
光電変換素子は、導電性支持体およびこの上に設置さ
れ、色素により増感された半導体微粒子含有層(感光
層)とからなる光電極、対極、そして光電極と対極に電
気的に接触し、これらを接合する電荷移動層からなる積
層構成をとる。色素増感半導体微粒子含有層を設置した
導電性支持体は、光電変換素子における作用電極であ
り、光アノードとして機能する。この光電変換素子は光
照射下で外部回路に起電力と電流を発生する光電池(ph
otoelectric cell)として利用できる。光電池の中で
も、電荷移動層がイオン伝導性電解質の場合を、光電気
化学電池(photoelectrochemical cell)と呼ぶ。感光
層である色素増感半導体微粒子含有層は目的に応じて設
計され、単層構成でも多層構成でもよい。感光層に入射
した光は色素を励起する。励起状態の色素はエネルギー
の高い励起電子を半導体微粒子の伝導帯に注入し、伝導
体電子はさらに拡散によって導電性支持体に到達する。
電子注入した色素分子は電子の欠損した酸化体となり、
これは色素と接する電荷輸送材料から電子を供与されて
還元される。すなわち、導電性支持体上が受け取った励
起電子は外部回路で電気的仕事をして対極に受け取ら
れ、電荷移動層を経て色素酸化体に戻り、色素が再生す
る。なお、本発明では層構成をとるものの、それぞれの
層の接触部(たとえば、導電性支持体の導電層と感光層
の境界、感光層と電荷移動層の境界、電荷移動層と対極
の境界など)においては、各層の構成成分が相互に拡散
して混合した状態であってもよい。
【0010】本発明において感光層に用いる半導体材料
は光エネルギーの吸収などで励起された状態で伝導性を
生じる材料であり、エネルギー準位として価電子バンド
と伝導バンドを有し、バンドギャップに相当する波長の
光で励起すると伝導帯電子と価電子帯正孔を生じる。こ
のときn型半導体では伝導帯電子がキャリアー、p−型
半導体では正孔がキャリアーとなり伝導性を生じる。伝
導に関わるキャリアーの濃度として1014〜1020個/
cm3の範囲の半導体が好ましい。本発明の色素増感さ
れた半導体では、光吸収およびこれによる励起電子と正
孔の発生は主として色素の分子において起こり、半導体
はこの励起電子を伝導バンドで受け取り、導電性支持体
の電極に伝達する役割を担う。本発明に関わるこのよう
な半導体電極の色素増感の機構は、本多健一、藤嶋昭、
化学総説No7、p77(1976)、渡辺正、滝澤卓
朗、本多健一、触媒、20、p370(1978)に詳
解されている。
【0011】半導体としてはシリコン、ゲルマニウムの
ような単体半導体の他に、金属のカルコゲニド(例えば
酸化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる
化合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物
等を使用することができる。金属のカルコゲニドとして
好ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウ
ム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、
ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、カドミウム、亜
鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウ
ム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げ
られる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、イ
ンジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅
−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等
が挙げられる。また、ペロブスカイト構造を有する化合
物として好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸
カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、
ニオブ酸カリウムが挙げられる。
【0012】本発明で色素増感に用いる半導体は、光励
起下で伝導帯電子がキャリアーとなりアノード電流を与
えるn型半導体であることが好ましい。n型半導体は電
極をアノード分極(正に分極)の状態で伝導帯励起電子
を発生したとき、アノーディックに整流された電流を生
じる。
【0013】本発明に用いられる具体的な半導体として
好ましくは、Si、TiO2、SnO2、Fe2O 3、WO3、ZnO、Nb
2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、G
aAs、CuInS2、CuInSe2、TiSrO3挙げられる。さらに好ま
しくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、Pb
S、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、TiSrO3であ
り、特に好ましくは、TiO2、ZnO、WO3、Nb2O5またはTiS
rO3であり、最も好ましくはTiO2である。
【0014】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では多結晶が好ましく、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子半導体が好まし
い。
【0015】これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積
を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で一次粒子
として5〜200nmであることが好ましく、特に8〜1
00nmであることが好ましい。また、分散物中の半導体
微粒子(二次粒子)の平均粒径としては0.01〜10
0μmであることが好ましい。
【0016】また、2種類以上の粒子サイズ分布の異な
る微粒子を混合して用いてもよく、この場合、小さい粒
子の平均サイズは5nm以下であることが好ましい。ま
た、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、
粒子サイズの大きな、例えば300nm程度の半導体粒子
を混合してもよい。
【0017】半導体微粒子の作製法は、作花済夫の「ゾ
ルーゲル法の科学」アグネ承風社(1988年)、技術
情報協会の「ゾルーゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995)等に記載のゾルーゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲルーゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」 まてりあ、第35巻、第9号 1012
頁から1018頁(1996)記載のゲルーゾル法が好
ましい。
【0018】またDegussa社が開発した塩化物を
酸水素炎中で高温加水分解により酸化物を作製する方法
も好ましい。また、酸化チタンの場合は上記のゾルーゲ
ル法、ゲルーゾル法、塩化物を酸水素炎中で高温加水分
解法がいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタ
ン 物性と応用技術」技報堂出版(1997)に記載の
硫酸法、塩素法を用いることもできる。
【0019】酸化チタンの場合は上記のゾルーゲル法の
うち特にバーブ等の「ジャーナル・オブ・アメリカン・
セラミック・ソサエティー 第80巻、第12号、31
57ページから3171ページ(1997)」記載のも
のと、バーンサイド等の「ケミカル・マテリアルズ 第
10巻 第9号、2419ページから2425ページ」
記載の方法が好ましい。
【0020】本発明の素子においては、感光層である色
素増感半導体微粒子含有層を設ける導電性支持体および
対極の少なくとも一方は、光学的に透明である透明導電
性基板とすることを特徴とする。光学的に透明とは、可
視光を透過する領域を面内に持っていることを意味し、
実質的に半透明であってもよい。この透明な基板を通っ
て、電極外部から入射する光が感光層に到達する構造と
なっており、感光層に至るまでの光透過率が高いほど、
感光層の光吸収効率が上がり、光電変換効率が改善され
る。本発明では、透過率を高くし、かつ、電極の抵抗を
減じて集電の効率を高く維持するために、上記導電性支
持体または対極として、面内に金属リードを配置した構
造の透明導電性基板を用いる。金属リードが対極に用い
られる場合、対極の基板は下記の半導体微粒子含有層用
の導電性支持体と同様な種類の透明導電性基板を用いる
ことができる。
【0021】半導体微粒子含有層塗設用の透明な導電性
支持体、すなわち、透明導電性基板としては、透明導電
層を表面に有する透明または半透明のガラスまたはプラ
スチックを用いることができる。透明導電層に用いる好
ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、
アルミニウム、ロジウム、インジウム等)の透明薄膜、
炭素薄膜、または導電性の金属酸化物(インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)
の薄膜が挙げられる。上記導電剤層の厚さは、0.02
〜10μm程度であることが好ましい。
【0022】透明導電性基板の透明とは400ないし9
00nmの可視光域で光透過率の最大が10%以上であ
ることを意味し、50%以上であることが好ましく、7
0%以上が特に好ましい。透明導電性基板としてはガラ
スもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設し
たものが好ましい。この中でも、フッ素をドーピングし
た二酸化スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フ
ロートガラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラ
スが特に好ましい。また、低コストでフレキシブルな光
電変換素子または太陽電池には、透明ポリマーフィルム
に上記透明導電層を設けたものを用いるのがよい。透明
ポリマーフィルムには、テトラアセチルセルロース(T
AC)、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ
エチレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチック
ポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド
(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレー
ト(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステ
ルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等があ
る。透明導電性支持体を用いる場合、光はその支持体側
から入射させることが好ましい。この場合、導電性金属
酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体
1m2当たり0.01〜100gが好ましい。
【0023】対極に金属リードを有する透明導電性基板
を用いる場合は、半導体微粒子含有層用の導電性支持体
は、金属のように支持体そのものに導電性があるもので
あってもよい。
【0024】本発明では、透明導電性基板の抵抗を下げ
る目的で金属リードを該導電性基板上に担持して用い
る。金属リードは透明導電性基板の面内に一定のパター
ンで設置される。金属リードの材質はアルミニウム、
銅、銀、金、白金、クロムおよびニッケルから選ばれる
少なくとも1種以上を含む金属であることが好ましく、
特にアルミニウムまたは銀を主として含むことが好まし
い。
【0025】金属リードの微細パターンは、基板上にパ
ターンマスクを介した蒸着またはスッパタリング等で設
置するか、あるいは、フォトマスクを介した感光性樹脂
膜の露光と化学現像処理によって設けた表面パターンを
利用する各種の金属薄膜のパターニング法によって設置
できる。
【0026】金属リードの設置される位置は、透明導電
性基板中の特定の位置でも良いし、また複数の位置でも
良い。例えば、金属リードは前記の透明導電層の下層
(支持体と導電層の間)に設けてもよいし、透明導電層
の上層あるいは内部に設けてもよい。好ましくは、透明
導電層の下層または内部に設ける方法であり、特に好ま
しくは下層に設ける方法である。透明導電層の上層に付
設され、透明導電層と電気的接触を取る構成で配置され
る場合は、これらのリード線が電荷移動層と直接に接す
ることを防ぐ目的で、リード線の上層に電気的絶縁性の
保護層を付設することが好ましい。この場合、電気的絶
縁性の保護層は、シリカ、アルミナ、ジルコア、および
絶縁性高分子樹脂から選ばれる絶縁層であることが好ま
しい。また、金属リードが透明導電層が塗設された透明
支持体の内部に埋め込まれて固定される場合は、透明導
電層と電気的接触を取る構成で配置される。
【0027】金属リードのパターンは透明導電性基板の
面内に同方向に配列された平行線状のパターン、あるい
は面内で複数方向にリード線をクロスして配列させたメ
ッシュまたは格子状のパターンが好ましい。また、金属
リードはその線幅が均等であっても、複数の種類の幅を
混ぜて用いてもよい。金属リードは通常、線幅が1μm
以上2mm以下、厚さが0.1μm以上10μm以下であ
り、線幅10μm以上1mm以下、厚さ0.5μm以上
5μm以下であることが好ましく、線幅30μm以上3
00μm以下、厚さ0.1μm以上5μm以下であること
がさらに好ましい。金属リード線が置かれているピッチ
(となり合う金属リード線の同じ側のエッジの間の距
離)は通常0.1mm以上15mm以下であり、0.2
mm以上10mm以下であることが好ましく、0.2m
m以上6mm以下であることがさらに好ましい。
【0028】本発明の金属リードが担持された透明導電
性基板において、受光可能な電極平面の面積中に占める
透明な領域(実際に受光できる領域)の割合(面積率)
として定義される開口率は、通常50%以上99%以下
である。開口率は好ましくは、60%以上99%以下で
あり、さらに好ましくは70%以上95%以下であり、
80%以上95%以下であることが特に好ましい。
【0029】金属リードが付設された透明導電性基板の
表面抵抗は、0.1〜15Ω/□の範囲であることが好
ましく、1〜15Ω/□の範囲であることがより好まし
く、2〜10Ω/□の範囲であることがさらに好まし
い。表面抵抗は4点端子接触型の表面抵抗測定装置で計
測できる。
【0030】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法、前述のゾル−ゲル
法などが挙げられる。光電変換素子の量産化、液物性や
支持体の融通性を考えた場合、湿式の膜付与方式が比較
的有利である。湿式の膜付与方式としては、塗布法、印
刷法が代表的である。
【0031】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては前述のゾル-ゲル法の他、乳鉢ですり潰す方法、ミ
ルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体
を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま
使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水または
各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセ
トニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、
必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もしくはキレ
ート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0032】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてエア
ーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメ
ータリングを同一部分でできるものとして、特公昭58
−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米
国特許2681294号、同2761419号、同27
61791号等に記載のスライドホッパ法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましく用いられる。
【0033】湿式印刷方法としては、従来から凸版、オ
フセット、グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム
版、スクリーン印刷等が好ましい。
【0034】前記方法の中から、液粘度やウェット厚み
により好ましい膜付与方式を選択する。
【0035】液粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使
用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大
きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Po
ise)ではエクストルージョン法やキャスト法が好まし
く、低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法もしくはワイヤーバー法もしくはスピン法が
好ましく、均一な膜にすることが可能である。
【0036】なお、エクストルージョン法による低粘度
液の塗布の場合でも塗布量がある程度の量あれば塗布は
可能である。
【0037】また半導体微粒子の高粘度ペーストの塗設
にはしばしばスクリーン印刷が用いられており、この手
法を使うこともできる。
【0038】このように塗布液の液粘度、塗布量、支持
体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜ウェット
膜の付与方式を選択すればよい。
【0039】さらに、半導体微粒子含有層は単層と限定
する必要はない。微粒子の粒径の違った分散液を多層塗
布することも可能であり、また半導体の種類が異なる、
あるいはバインダー、添加剤の組成が異なる塗布層を多
層塗布することもでき、また一度の塗布で膜厚が不足の
場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクス
トルージョン法またはスライドホッパー法が適してい
る。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても
良く、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに
順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用
できる。
【0040】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子含有層には好ましい厚さが存在する
が、典型的には0.1〜100μmである。光電池とし
て用いる場合は1〜30μmであることが好ましく、2
〜25μmであることがより好ましい。半導体微粒子の
支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400g、さらに
は5〜100gが好ましい。
【0041】半導体微粒子は導電性支持体に塗布した後
に粒子同士を電子的にコンタクトさせるため、および塗
膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために加
熱処理することが好ましい。好ましい加熱処理温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱処理時間は1
0分〜10時間程度である。ポリマーフィルムなど融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合は、高温処理は支持
体の劣化を招くため、好ましくない。また、コストの観
点からもできる限り低温であることが好ましい。低温化
は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併用や
鉱酸の存在下での加熱処理等により可能である。
【0042】また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を
増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から
半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水
溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0043】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積
は、投影面積に対して10倍以上であることが好まし
く、さらに100倍以上であることが好ましい。この上
限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0044】本発明では上記の半導体微粒子に色素を物
理的あるいは化学的に吸着させて得られた色素吸着半導
体微粒子を感光層に用いる。感光層では、色素の吸収波
長領域での光吸収によって生じた励起電子が半導体の伝
導バンドに注入され、これが導電性支持体に伝達されて
電流を生じる。ここで使用する色素は錯体色素、特に金
属錯体色素またはポリメチン色素が好ましい。本発明で
は、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効
率を上げるため、二種類以上の色素を混合する。そし
て、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるよう
に混合する色素とその割合を選ぶことができる。こうし
た色素は半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(in
terlocking group)を有していることが好ましい。好ま
しい結合基としては、COOH基、SO3H基、シアノ基、-P
(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシム、ジオ
キシム、ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−
ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基
が挙げられる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2基、-OP
(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属
等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成して
いてもよい。また、ポリメチン色素の場合、メチン鎖が
スクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のよ
うに酸性基を含有するなら、この部分を結合基としても
よい。
【0045】以下に本発明で好ましく用いられる色素を
具体的に説明する。本発明に使用する色素が金属錯体色
素の場合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記
式(I)で表される色素が好ましい。 式(I) (A1)pRuBabc 式(I)中、pは0〜2であり、好ましくは2である。
Ruはルテニウムを表す。A1はCl、SCN、H2O、
Br、I、CN、NCO、およびSeCNから選択され
る配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下
のB-1〜B-8から選択される有機配位子である。
【0046】
【化1】
【0047】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。
【0048】本発明に用いられるルテニウム錯体色素と
しては、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同
5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号お
よび特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げら
れる。
【0049】以下に本発明に使用する金属錯体色素の好
ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0050】
【化2】
【0051】
【化3】
【0052】
【化4】
【0053】本発明に使用する色素がメチン色素である
場合、以下で説明する式(II)、式(III)、式(IV)
または式(V)で表される色素が好ましい。
【0054】
【化5】
【0055】式中、RbおよびRfは各々水素原子、アル
キル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Re
は各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは互いに
結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒
素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およびn
13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表
す。式(II)で表される化合物は分子全体の電荷に応じ
て対イオンを有してもよい。
【0056】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は、置換基を有していてもよい。アルキル基は直
鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素
環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)であっても
よい。またRb〜Rfによって形成される環は、置換基を
有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよ
い。
【0057】
【化6】
【0058】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qaは式(III)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン
基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子
の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表
す。
【0059】上記のZaで形成される含窒素複素環は置
換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であっ
てもよい。また、アルキル基、アリール基は置換基を有
していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖で
あってもよく、アリール基は単環であっても多環(縮合
環、環集合)であってもよい。
【0060】式(III)で表される色素は、下記式(III
−a)〜(III−d)で表される色素であることが好ま
しい。
【0061】
【化7】
【0062】式(III−a)〜(III−d)中、R11〜R
15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または
複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31
35、およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、
セレン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を
表す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。Y23はO‐、
S‐、Se‐、Te‐、または−NR18‐を表す。
【0063】V11、V12、V21、V22、V31、およびV
41はそれぞれ独立に置換基を表し、n15、n31およびn
41はそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。式(III−
a)〜(III−d)で表される化合物は、分子全体の電
荷に応じて対イオンを有していてもよい。
【0064】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖
であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素環
基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっても
よい。
【0065】以上のようなポリメチン色素の具体例はM.
Okawara,T. Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Co
lorants(Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0066】
【化8】
【0067】式(IV)中、Qbは5員または6員の含窒
素ヘテロ環を完成するために必要な原子団を表し、Qb
は縮環していてもよく、また置換基を有していてもよ
い。Qbで完成されるヘテロ環の好ましい例としては、
ベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンゾセ
レナゾール核、ベンゾテルラゾール核、2−キノリン
核、4−キノリン核、ベンゾイミダゾール核、チアゾリ
ン核、インドレニン核、オキサジアゾール核、チアゾー
ル核、イミダゾール核が挙げられるが、さらに好ましく
はベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンズ
イミダゾール核、ベンゾセレナゾール核、2−キノリン
核、4-キノリン核、インドレニン核であり、特に好まし
くはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、2−
キノリン核、4-キノリン核、インドレニン核である。環
上の置換基としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、ス
ルホン酸基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、シ
アノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシ
エトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、
アルキル基(メチル、エチル、シクロプロピル、シクロ
へキシル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、アリ
ル、ベンジルなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エ
チルチオなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニ
ルなど)、アリール基ないし複素環基(フェニル、チエ
ニル、トルイル、クロロフェニルなど)などが挙げられ
る。
【0068】Zbは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫
黄原子および水素原子から選ばれる原子により構成され
た、3ないし9員環を完成するために必要な原子団を表
す。Zbによって完成される環として好ましくは4ない
し6個の炭素によって骨格が形成される環であり、より
好ましくは以下の(ア)〜(オ)で表されるものであ
り、最も好ましくは(ア)である。
【0069】
【化9】
【0070】L1、L2、L3、L4およびL5はそれぞれ
独立に置換基を有していてもよいメチン基を表す。置換
基としては、置換または無置換のアルキル基(好ましく
は炭素原子数1ないし12、さらに好ましくは1ないし
7のものであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシ
エチル、ベンジルなど)、置換または無置換のアリール
基(好ましくは炭素原子数6ないし10、さらに好まし
くは6ないし8のものであり、例えば、フェニル、トル
イル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル)、複
素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリ
ジル、バルビツール酸)、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1ないし12、
さらに好ましくは6ないし12のものであり、例えば、
ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、4−アセチ
ルピペラジン−1−イル)、オキソ基などが挙げられ
る。これらのメチン基上の置換基は互いに連結してシク
ロペンテン環、シクロヘキセン環、スクアリリウム環な
どの環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成す
ることもできる。
【0071】n51は0から4までの整数を表し、好まし
くは0から3である。n52は0または1である。
【0072】R5は置換基を表す。置換基として好まし
くは置換基を有してもよい芳香族基または置換基を有し
ていてもよい脂肪族基であり、芳香族基の炭素原子数は
好ましくは1ないし16、さらに好ましくは5ないし6
である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1ないし1
0、さらに好ましくは1ないし6である。無置換の脂肪
族基および芳香族基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。
【0073】W1は電荷を中和させるのに対イオンが必
要な場合の対イオンを表す。ある色素が陽イオン、陰イ
オンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどう
かは、その助色団および置換基に依存する。置換基が解
離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、
この場合にも分子全体の電荷はW1によって中和され
る。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウム
イオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン)およびアルカリ金属イオンであり、
一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰
イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イ
オン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化
物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸
イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−
クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホ
ン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イ
オン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6
−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオ
ン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシ
アン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸
イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0074】さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポ
リマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用い
てもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−
1,2−ジチオラトニッケル(III))も可能である。
【0075】
【化10】
【0076】式(V)においてDは少なくとも4官能以
上の芳香族基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に硫黄原
子、セレン原子、CR6364またはCR65=CR66を表
す。ここでR63〜R66はそれぞれ水素原子またはアルキ
ル基である。R61、R62はそれぞれアルキル基または芳
香族基であり、P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色
素を形成するのに必要な非金属原子群を表す。W2は電
荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを
示す。
【0077】式(V)について更に詳しく説明する。式
(V)中、Dは少なくとも四官能以上の芳香族基を示
す。このような芳香族基の例としては、これらの基が誘
導される芳香族炭化水素としてベンゼン、ナフタレン、
アントラセン、フェナントレンなどが挙げられ、芳香族
へテロ環としてはアントラキノン、カルバゾール、ピリ
ジン、キノリン、チオフェン、フラン、キサンテン、チ
アントレンなどが挙げられ、これらは連結部分以外に置
換基を有していても良い。Dで表される芳香族基として
好ましくは芳香族炭化水素の誘導基であり、さらに好ま
しくはベンゼンまたはナフタレンの誘導基である。
【0078】X1、X2は、好ましくは硫黄原子またはC
6364であり、最も好ましくはCR6364である。
【0079】P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色素
を形成するのに必要な非金属原子群を表す。P1、P2
より、いかなるメチン色素を形成することも可能である
が、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダ
シアニン色素、3核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。この際、シアニン色素には色素を形成するメチン鎖
上の置換基がスクアリウム環やクロコニウム環を形成し
たものも含んでいる。これらの色素の詳細については、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリ
ック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィ
ティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanin
e Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー
・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨー
ク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー
(D.M.Sturme r)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14
節、第482から515貢などに記載されている。 シ
アニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の式
は、米国特許第5、340、694号第21、22貢の
(XI)、(XII)、(XIII)に示されているも
のが好ましい。また、P1およびP2によって形成される
ポリメチン色素の少なくともいずれか一方のメチン鎖部
分にスクアリリウム環を有するものが好ましく、両方に
有するものがさらに好ましい。
【0080】R61、R62は芳香族基または脂肪族基であ
り、これらは置換基を有していてもよい。芳香族基の炭
素原子数は好ましくは5ないし16、さらに好ましくは
5ないし6である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは
1ないし10、さらに好ましくは1ないし6である。無
置換の脂肪族基、芳香族基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフ
チル基等が挙げられる。
【0081】式(V)はR61、R62、P1、P2のうち少
なくともひとつに酸性基を有することが好ましい。ここ
で酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であ
り、例としてはカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、
ホウ酸などが挙げられ、好ましくはカルボン酸である。
またこのような酸性基はプロトンを放出して解離した形
を採っていても良い。W2は式(IV)のW1と同義であ
る。
【0082】以下に式(II)〜(V)で表されるポリメ
チン色素の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。実施例使用の色素B、Cも挙
げられる。
【0083】
【化11】
【0084】
【化12】
【0085】
【化13】
【0086】
【化14】
【0087】
【化15】
【0088】
【化16】
【0089】
【化17】
【0090】
【化18】
【0091】
【化19】
【0092】
【化20】
【0093】
【化21】
【0094】
【化22】
【0095】
【化23】
【0096】
【化24】
【0097】
【化25】
【0098】
【化26】
【0099】
【化27】
【0100】
【化28】
【0101】
【化29】
【0102】
【化30】
【0103】
【化31】
【0104】式(II)および式(III)で表される化合
物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「複素サイ
クリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リ
レィティド・コンパウンズ( Heterocyclic Compounds-C
yanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィ
リー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュー
ヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スター
マー(D.M.Sturmer)著「複素サイクリック・コンパウン
ズースペシャル・トピックス・イン・複素サイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14
節、第482から515項、ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロン
ドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・
カーボン・コンパウンズ(Rodd'sChemistry of Carbon C
ompounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15
章、第369から422項、エルセビア・サイエンス・
パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Pu
blishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、英国特許
第1,077,611号などに記載の方法に基づいて合成するこ
とができる。
【0105】本発明に用いられる式(IV)で表される化
合物の合成は、Dyes and Pigments第21巻227〜23
4頁などの文献の記載を参考にして行える。また、式
(V)で表される化合物の合成は、Ukrainskii Khimich
eskii Zhurnal 第40巻3号253〜258頁、Dyes and
Pigments 第21巻227〜234頁およびこれらの文
献中に引用された文献の記載等を参考にして行える。
【0106】半導体微粒子に色素を吸着させる方法は色
素溶液中によく乾燥した半導体微粒子を含有する作用電
極を浸漬するか、もしくは色素溶液を半導体微粒子層に
塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の
場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法
などが使える。後者の塗布方法としては、ワイヤーバー
法、スライドホッパ法、エクストルージョン法、カーテ
ン法、スピン法、スプレー法があり、印刷方法として
は、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷等が
ある。
【0107】液粘度も半導体微粒子層の形成時と同様
に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエ
クストルージョン法の他、各種印刷法が、低粘度液(例
えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法もしく
はワイヤーバー法もしくはスピン法が適していて、均一
な膜にすることが可能である。
【0108】このように色素塗布液の液粘度、塗布量、
支持体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜付与
方式を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0109】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄によって除去することが好
ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶
剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うの
がよい。また、吸着色素量を増大させるため、加熱処理
を吸着前に行うことが好ましい。加熱処理後、半導体微
粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さず
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させることも好ま
しい。
【0110】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100mモルが好ましい。また、色素の半
導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して
0.01〜1mモルが好ましい。このような色素量とす
ることによって、半導体における増感効果が十分に得ら
れる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分
となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない
色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0111】また、会合など色素同士の相互作用を低減
する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着
させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するス
テロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。さ
らには、紫外線吸収剤を併用することもできる。
【0112】また、余分な色素の除去を促進する目的
で、色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子
の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピ
リジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジ
ン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用い
てもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0113】以下、電荷移動層と対極について詳しく説
明する。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する層である。本発明で用いることのできる代表
的な電荷移動層の例としては酸化還元対を有機溶媒に溶
解した液体(電解液)、酸化還元対を有機溶媒に溶解し
た液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電
解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。
さらには固体電解質や正孔(ホール)輸送材料を用いる
こともできる。
【0114】本発明で使用する電解液は電解質、溶媒、
および添加物から構成されることが好ましい。本発明の
電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としては
LiI、NaI、KI、CsI、CaI2 などの金属ヨ
ウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイ
ド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイ
ドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br
2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、N
aBr、KBr、CsBr、CaBr2 などの金属臭化
物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、
ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の
臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン
酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯
体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキル
ジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒ
ドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中
でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリ
ウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩
を組み合わせた電解質が本発明では好ましい。上述した
電解質は混合して用いてもよい。また、電解質はEP-718
288号、WO95/18456号、J. Electrochem. Soc., Vol.14
3,No.10,3099(1996)、Inorg. Chem. 1996,35,1168-1178
に記載された室温で溶融状態の塩(溶融塩)を使用する
こともできる。溶融塩を電解質として使用する場合、溶
媒は使用しなくても構わない。
【0115】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以
下であり、さらに好ましくは0.2 M以上10M以下であ
る。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨ
ウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0116】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−
2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール
ジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエー
テルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキ
シド(DMSO)、スルフォランなど非プロトン極性物
質、などを用いることができる。
【0117】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の
塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を
添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下で
ある。
【0118】本発明では、電解質はポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマ
ーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させて使
用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる
場合は、¨Polymer Electrolyte Revi ews-1および2¨
(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLI
ED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができ
るが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添
加によりゲル化させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind.
Chem.Soc., 46779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,55
42(1989), J. Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 39
0, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Che
m. Lett., 1996, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun.,
1997,545に記載されている化合物を使用することができ
るが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有す
る化合物である。
【0119】ゲル電解質を多官能モノマー類の重合によ
って形成する場合、多官能モノマー類、重合開始剤、電
解質、溶媒から溶液を調製し、キャスト法,塗布法,浸
漬法、含浸法などの方法により色素を担持した電極上に
ゾル状の電解質層を形成し、その後ラジカル重合するこ
とによってゲル化させる方法が好ましい。多官能性モノ
マーはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であ
ることが好ましく、例えばジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートが好ましい例として挙げら
れる。ゲル電解質を構成するモノマー類はこの他に単官
能モノマーを含んでいてもよく、アクリル酸またはα−
アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から
誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えばN−is
o−プロピルアクリルアミド、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
2−メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレートなど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニ
ル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステ
ル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチルなど)、マレイン酸、フマル酸、
p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエ
ン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル
化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム)、含窒素複素環を有するビニ
ル化合物、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホル
ムアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライ
ド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエ
ーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、N−フェニルマレイミド等を好ましく使用するこ
とができる。モノマー全量に占める多官能性モノマーの
好ましい重量組成範囲は0.5重量%以上70重量%以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは1.0重量%以上50
重量%以下である。
【0120】上述のモノマーは、大津隆行・木下雅悦共
著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津隆行:講座
重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同人)に記載さ
れた一般的な高分子合成法であるラジカル重合によって
重合することができる。本発明で使用できるゲル電解質
用モノマーは、加熱、光、電子線、また電気化学的にラ
ジカル重合することができるが、特に加熱によってラジ
カル重合させることが好ましい。架橋高分子が加熱によ
り形成される場合に好ましく使用される重合開始剤は、
例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)(ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート)な
どのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸
化物系開始剤等である。重合開始剤の好ましい添加量は
モノマー総量に対し0.01重量%以上20重量%以下
であり、さらに好ましくは0.1重量%以上10重量%
以下である。
【0121】ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成
範囲は0.5重量%以上70重量%以下であることが好まし
く、さらに好ましくは1.0重量%以上50重量%以下であ
る。
【0122】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0123】本発明では、電解質の替わりに有機または
無機あるいはこの両者を組み合わせた正孔輸送材料を使
用することができる。本発明に適用可能な有機正孔輸送
材料としては、N,N'-ジフエニル-N、N'-ビス(4-メト
キシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン
(J.Hagen et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-22
0)、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニ
ルアミン)9,9'-スピロビフルオレン(Nature,Vol.395,
8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス
{4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン
の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン
化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4,‐ビス
[(N-1-ナフチル)‐N-フェニルアミノ]ビフェニルで
代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合
芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5
−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でス
ターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許
第4,923,774号、特開平4−308688号公報)、N,N'-ジ
フエニル-N、N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビ
フェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン(米国
特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テトラメチ
ル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-p-
キシレン(特開平3−269084号公報)、p-フェニレンジ
アミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリフ
ェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレ
ニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特
開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミン
ユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189
号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開
平4−290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4−364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結
したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物
(特開平5−239455号公報)、ピスジピリジルアミノビ
フェニル(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリフ
ェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノ
キザジン構造を有する芳香族ジアミン(特願平5−29072
8号)、ジアミノフエニルフエナントリジン誘導体(特
願平6−45669号)等に示される芳香族アミン類、α-オ
クチルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オクチル
チオフェン(Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557)、ヘキサ
ドデシルドデシチオフェン(Angew. Chem.Int. Ed. Eng
l. 1995, 34, No.3,p303-307)、2,8-ジヘキシルアンス
ラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,Vol120, N0.4,199
8,p664-672)等のオリゴチオフェン化合物、ポリピロー
ル(K. Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997, p47
1)、¨ Handbook of Organic Conductive Molecules a
nd Polymers Vol.1,2,3,4¨(NALWA著、WILEY出版)に
記載されているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ
(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ( p-フェニレ
ンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレ
ンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンお
よびその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用するこ
とができる。また、有機正孔(ホール)輸送材料にはNa
ture,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されている
ようにドーパントレベルをコントロールするためにトリ
ス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアン
チモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物
を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御
(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のよ
うな塩を添加しても構わない。
【0124】有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光
電解重合法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。また、正孔輸送材料を電解液の替わりに使用する
ときは短絡防止のためElectorochim. Acta 40, 643-652
(1995)に記載されているスプレーパイロリシス等の手法
を用いて二酸化チタン薄層を下塗り層として塗設するこ
とが好ましい。
【0125】無機固体化合物を電解質の替わりに使用す
る場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys. 31
(1998)1492-1496)、チオシアン化銅(Thin Solid Film
s 261(1995)307-310、J. Appl. Phys. 80(8),15 Octobe
r 1996, p4749-4754、Chem.Mater. 1998, 10, 1501-150
9、Semicond. Sci. Technol. 10, 1689-1693)等をキャ
スト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解メッキ
法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0126】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つは増感色素を担持させた半導体
微粒子含有層の上に先に対極を貼り合わせておき、その
間隙に液状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1
つは半導体微粒子含有層上に直接電荷移動層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0127】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0128】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。固体電解質や固体の正
孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法
等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極
を付与することもできる。
【0129】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0130】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0131】本発明で用いる対極は、色素増感半導体微
粒子含有層を塗設した光電極が光アノードとしてはたら
くとき、カソードとして電荷輸送層への電子移動をおこ
なう。感光層に光が到達するためには、前述のように色
素増感半導体微粒子含有層を塗設する導電性支持体およ
び対極の少なくとも一方が実質的に透明な透明導電性基
板でなければならない。本発明においては、色素増感半
導体微粒子含有層を塗設した導電性支持体が透明であっ
て太陽光をその支持体の側から入射させるのが好まし
い。この場合、対極は光を反射する材料構成であること
が好ましい。この場合の対極に用いる導電性材料として
は白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジ
ウム等の金属材料、特に、電気化学的に安定な貴金属類
(白金、金)が好ましく、また、光反射材料の上に金属
酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ
素をドープしたもの等)の透明導電層を設けたものも好
ましい。
【0132】一方、対極を透明導電性基板とするとき
は、対極は、前述の色素増感半導体微粒子含有層を塗設
する導電性支持体を透明導電性基板とするときの構成と
同様にすればよい。
【0133】本発明における好ましい対極は、貴金属ま
たは導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチッ
クである。この場合、導電層の厚さは、特に制限はない
が、3nm以上10μm以下であることが好ましい。金
属材料である場合は、その膜厚は好ましくは5μm以下
であり、さらに好ましくは5nm以上3μm以下の範囲
である。
【0134】対極の塗設については電荷移動層の付与で
記したように、電荷移動層の上に付与する場合と先に半
導体微粒子含有層上に付与する場合の2通りある。いず
れの場合も、対極材の種類や電荷移動層の種類により、
適宜、電荷移動層上または半導体微粒子含有層上に対極
材を塗布、ラミネート、蒸着、貼り合わせなどの方法に
より形成可能である。例えば、対極を貼り合わせる場合
は、上記の導電性材料を塗布、蒸着、CVD等の手法に
より導電層として設けられた基板を貼り合わせることが
できる。また、電荷移動層が固体の場合には、その上に
直接、前述の導電性材料を塗布、メッキ、PVD、CV
D等の手法で対極を形成することができる。
【0135】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜など、必要な他の機能の層を設
けることも可能である。このような層を多層にて機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。また、これらの機能層はその材料
により、蒸着や貼り付けなどの手法を用いて設けること
もできる。
【0136】本発明の光電池では構成物の劣化や内容物
の揮散を防止するために電池の側面をポリマーや接着剤
等で密封するのが好ましい。
【0137】次に本発明の光電変換素子を光電池に適用
した場合のセル構造について説明する。色素増感型光電
池のセル内部の構造は、基本的には上述した光電変換素
子と同じであるが、図2に示すように目的に合わせいく
つかの形態が可能である。大きく二つに分ければ、片面
からのみ光の入射が可能な構造[図2(a)(b)]
と、両面から可能なタイプ[図2(c)]である。
【0138】図2(a)は、透明基板13上に一部金属
リード9を設け、さらに透明導電層12を設け、下塗り
層14、色素吸着半導体微粒子含有層10、電荷移動層
11および金属層8をこの順で設け、さらに支持基板1
5を配置した構造である。図2(b)は、支持基板15
上にさらに金属層8を有し、下塗り層14を介して色素
吸着半導体微粒子含有層10を設け、さらに電荷移動層
11と透明導電層12とを設け、一部に金属リード9を
設けた透明基板13を、金属リード9側を内側にして配
置した構造である。図2(c)は、透明基板13上に一
部金属リード9を設け、さらに透明導電層12を設けた
ものの間に下塗り層14と色素吸着半導体微粒子含有層
10と電荷移動層11とを介在させた構造である。
【0139】次に本発明の光電変換素子をいわゆる太陽
電池に適用する場合のモジュール構造について説明す
る。本発明の色素増感型太陽電池のモジュール構造は、
従来の太陽電池モジュールと基本的には同様の構造をと
りうる。一般的には、金属・セラミック等の支持基板の
上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等
で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造とする
ことができるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を
用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側か
ら光を取り込むことも可能である。具体的には、スーパ
ーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティ
ングタイプと呼ばれるモジュール構造あるいはアモルフ
ァスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型など
のモジュール構造が可能である。これらのモジュール構
造は使用目的や使用場所(環境)により適宜選択でき
る。本発明の素子を基板一体型でモジュール化した例を
図3に示す。
【0140】図3の構造は、透明基板13の一方の面上
に金属リード9および透明導電層12を有し、この上に
さらに色素吸着半導体微粒子含有層10、固体の電荷移
動層16および金属層8を設けたセルをモジュール化し
た模式図であり、透明基板13の他方の面には反射防止
層17が設けられている。この場合、入射光の利用効率
を高めるためには、感光部である色素吸着半導体微粒子
含有層10の面積比率(光の入射面である透明基板13
側から見たときの面積比率)を大きくした方が好まし
い。
【0141】スーパーストレートタイプやサブストレー
トタイプの代表的な構造は、片側または両側が透明で反
射防止処理を施された支持基板の間に、一定間隔にセル
が配置され、隣り合うセル間が金属リードまたはフレキ
シブル配線等によって接続されており、外縁部に集電電
極を配置して、発生した電力を外部に取り出す構造にな
っている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率
アップのため、目的に応じ、エチレンビニルアセテート
(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフイルム
または充填樹脂の形で用いることができる。また、外部
からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必
要のない場所に使う場合には、表面保護層を透明プラス
チックフイルムで構成したり、または、上記充填・封止
材料を硬化させることによって保護機能を付与し、片側
の支持基板をなくすことも可能である。支持基板の周囲
は、内部の密封およびモジュールの剛性確保のため、金
属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板と
フレームの間は封止材で密封シールする。
【0142】また、セルそのものや支持基板、充填材お
よび封止部材に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太
陽電池を構成することもできる。このように、使用目的
や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池
を製作することができる。
【0143】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材・セル間接続用リード線・背面封止材等と
共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを乗
せ、外縁部にフレームをセットして作ることができる。
【0144】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線
・封止材等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗
せ、周縁部にフレームをセットして作製することができ
る。
【0145】図3に示した構造のモジュールは、支持基
板上に透明電極・感光層・電荷移動層・裏面電極等が立
体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ・選
択エッチング・CVD・PVDといった半導体プロセス
技術、あるいはパターン塗布または広幅で塗布した後に
レーザースクライビングやプラズマCVM(Solar Ener
gy Materials and Solar Cells, 48, p373-381等に記
載)または研削等の機械的手法などの方法でパターニン
グすることができ、これらにより所望のモジュール構造
を得ることができる。
【0146】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、液状のEVA(エチレンビニル
アセテート)やフッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹
脂混合物フイルム状のEVA等、耐候性付与・電気絶縁
性付与・集光効率向上・セル保護性(耐衝撃性)向上等の
目的に応じ様々な素材が使用可能である。
【0147】これらを、セル上に固定する方法として
は、封止材の物性に合わせ、フイルム状の素材ではロー
ル加圧後加熱密着や真空加圧後加熱密着、液またはペー
スト状の材料ではロールコート、バーコート、スプレー
コート、スクリーン印刷等の様々な方法がある。
【0148】また、透明フィラーを封止材に混入して強
度を上げたり、光透過率を上げることができる。
【0149】モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの
間は、耐候性・防湿性が高い樹脂を使って封止するとよ
い。
【0150】支持基板としてPET・PEN等の可撓性
素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してそ
の上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層
を積層することができ、生産性の高い工程を造ることが
できる。
【0151】発電効率を上げるため、モジュールの光取
り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反
射防止処理が施される。これには、反射防止膜をラミネ
ートする方法、反射防止層をコーティングする方法があ
る。
【0152】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって入射し
た光の利用効率を高めることが可能である。
【0153】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要だが、光電変換層
を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変
換層側に効率良く戻すことも重要である。このために
は、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着
またはメッキする方法、セルの最下層にAl−Mgまた
はAl−Tiなどの合金層を反射層として設ける方法、
あるいは、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作り反射率を高める方法等がある。
【0154】発電効率を上げるためには、セル間接続抵
抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重
要である。
【0155】ワイヤーボンディングや導電性のフレキシ
ブルシートで接続するのが一般的だが、導電性粘着テー
プや導電性接着剤を使ってセルの固定機能と電気的な接
続機能を兼ねる方法、導電性ホットメルトを所望の位置
にパターン塗布する方法等が有る。
【0156】ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持
体を使った太陽電池では、ロール状の支持体を送り出し
ながら半導体の塗設の説明で示した方法によって、順
次、セルを形成・所望のサイズに切断した後、周縁部を
フレキシブルで防湿性のある素材でシールして、電池本
体を作製できる。また、Solar Energy Materials andSo
lar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれ
るモジュール構造とすることもできる。
【0157】フレキシブル支持体の太陽電池では、更に
これを曲面ガラス等に接着固定して使用することもでき
る。
【0158】
【実施例】以下、本発明を比較例とともに示す実施例に
よって具体的に説明する。実施例および比較例で用いた
色素は下記に示す通りである。
【0159】
【化32】
【0160】[実施例1] 1.透明導電性基板の作製 (1)金属リードを有しない(比較例用)透明導電性基
板の作製 厚さ1.9mmの無アルカリガラスの基板に、CVD法
によってフッ素ドープ型の二酸化スズを全面に均一にコ
ーティングし、厚さ600nm、表面抵抗約20Ω/
□、500nmでの光透過率(が85%の導電性二酸化
スズ膜を片面に被覆した透明導電性基板(基板R1)を
形成した。
【0161】(2)本発明の金属リード付設透明導電性
基板 厚さ1.9mmの無アルカリガラスの基板の片面に、金
属の薄膜を真空蒸着法によって設け、フォトレジストを
塗布した後、レジスト膜のパターン露光、現像の工程を
経て、表1に示す金属材料と形状の微細金属リードの各
種パターンを設けた。この金属リードのパターン上にC
VD法によってフッ素ドープ型の二酸化スズからなる厚
さ600nmの上記の(1)と同様な性質の導電性膜を
全面に均一にコーティングした。このようにして金属リ
ードパターンをもつ本発明の透明導電性基板P1〜P7
を作製した。これらの基板が与えた表面抵抗と開口率を
表1に整理した。また、同様にして表1の比較用金属リ
ード付き透明導電性基板R2も作製した。
【0162】
【表1】
【0163】表1中、P3、P4、P7の金属パターン
は、総厚み5μmのうちの4μmは、支持体のガラスに設
けた凹部(深さ4μm)に埋め込まれている構造(in
−plane構造)をとっている。
【0164】2.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製 C.J.BarbeらのJ.Am.Ceramic S
oc.80巻,p3157の論文に記載の製造方法に従
い、チタン原料にチタニウムテトライソプロポキシドを
用い、オートクレーブ中での重合反応の温度を230℃
に設定して二酸化チタン濃度11重量%の二酸化チタン
分散物を合成した。得られた二酸化チタン粒子の平均サ
イズは約10nmであった。この分散物に、二酸化チタン
に対し30重量%のポリエチレングリコール(分子量2
0,000、和光純薬製)を添加し、混合して塗布液を
得た。
【0165】3.色素を吸着した二酸化チタン電極の作
製 上記1で作製した透明導電性基板の導電面側に、上記2
の塗布液をドクターブレード法で100μmの厚みで塗
布し、25℃で30分間乾燥した後、電気炉で450℃
にて30分間焼成した。二酸化チタンの塗布量は15g/
m2であり、膜厚は8μmであった。
【0166】ガラスを取り出し冷却した後、表2に示す
色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:2
−プロパノール)に40℃で12時間浸漬した。色素の
染着したガラスをエタノールで洗浄し暗所にて自然乾燥
させた。色素の吸着量は、二酸化チタンの塗布面積1m
2あたりおよそ1.5×10-3モルであった。
【0167】4.光電気化学電池の作製 上述のようにして作製した色増感されたTiO2電極
(2cm×1.5cm)をこれと同じ大きさの対極基板
(表2参照)と、ポリエチレン製のフレーム型スペーサ
ー(厚さ20μm)を挟んで、長辺方向に端子用の末端
部である幅2mmを交互に外へ出して重ね合わせた(図
1参照)。セルを受光部であるTiO2電極の面を残し
て全体をエポキシ樹脂接着剤でシールした。次に、スペ
ーサーの側面に注液用の小孔を空け、電極間の空間に毛
細管現象を利用して非水電解液(ヨウ化テトラブチルア
ンモニウム0.65モル/リットル,ヨウ素0.05モ
ル/リットルのアセトニトリル溶液)をしみこませた。
このようにして、受光面積が約2cm2であり、図1に
示した基本層構成のとおり、ガラス基板1上に金属リー
ド9および導電剤層2を付設し、TiO2電極3、色素
層4、電解液5、白金層6および支持体ガラス7を順に
積層した光電気化学電池を組み立てた。表2は本発明実
施例および比較例の各光電気化学電池の金属リードパタ
ーン、使用色素および対極の内容をまとめたものであ
る。
【0168】
【表2】
【0169】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ電気)に太陽光シミ
ュレーション用補正フィルター(Oriel社製AM
1.5)を装着し、電池への入射光強度が100mW/
cm2に調整された模擬太陽光を照射した。作製した光
電気化学電池の導電性ガラスと白金蒸着ガラスの末端に
設けた端子に導線でオーミックコンタクトをとり、両電
極の電気応答を電流電圧測定装置(ケースレー製ソース
メジャーユニット238型)に入力した。光源の照射光
を電池の透明電極側から入射し、電流―電圧特性を測定
した。これにより求められた光電気化学電池の開放電圧
(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(FF)、光電変
換効率を一括して表3に記載した。
【0170】
【表3】
【0171】上記実施例の結果から本発明に示す開口率
の条件で金属リードを電極に付設した光電気化学電池
が、電極抵抗の軽減によって、開口部当たりの光電変換
効率が増加しているとともに、全受光部当たりの変換効
率も良化し、光電変換において優れた性能を与えること
がわかる。なお、電池番号A1,A5,A6,A8,B
1およびB5は、全受光部当たりの変換効率が比較1に
比べてやや低くなっているが、これは実施例1でのセル
面積が2cm×1.5cmと小サイズであり、開口率が
低いことが反映された結果である。しかし、下記実施例
2で示すように、セルを大面積化した場合、比較例の構
成では変換効率低下が著しくなるが、本発明の構成にす
ることによりその低下が抑えられた。
【0172】[実施例2] 6.大面積の光電気化学電池の作製と評価 上記の表2に示したような金属リードパターン電極をも
つ構成の電池のうちでA3について、透明電極と対極の
面積をそれぞれ増加し、4×3cm、6×4cm、およ
び8×4cmの3種のサイズの大面積セルを作製した。
また、比較のために金属リードパターンをもたない電池
について同様な大サイズ化を行った。これらの大面積セ
ルで得られた性能を表4に示した。
【0173】
【表4】
【0174】この結果から、大面積化によって本発明の
特徴を持つリードパターンを付設した電池が、大面積化
による性能劣化が少ないことがわかる。
【0175】
【発明の効果】本発明によって、光電変換効率に優れた
色素増感光電変換素子および光電池が得られる。特に、
変換効率の優れた大面積の光電変換素子および光電池が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作製した光電気化学電池の構成を示す
断面図である。
【図2】光電池の基本的な構成例を示す断面図である。
【図3】基板一体型の太陽電池モジュール構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 導電剤層 3 TiO2層 4 色素層 5 電解液 6 白金層 7 ガラス 8 金属層 9 金属リード 10 色素吸着半導体微粒子含有層 11 電荷移動層 12 透明導電層 13 透明基板 14 下塗り層 15 支持基板 16 固体の電荷移動層 17 反射防止層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体、この導電性支持体上に塗
    設された色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動
    層および対極を有する色素増感された光電変換素子にお
    いて、 (a)前記導電性支持体および対極の少なくとも一方
    が、光学的に透明な受光部を提供する透明導電性基板で
    あり、 (b)該透明導電性基板に金属リードを有し、かつ、 (c)該透明導電性基板の受光部の開口率が50%以上
    99%以下であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記透明導電性基板の透明導電性物質が
    酸化スズまたは酸化インジウムスズを主とした材料であ
    る請求項1の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記開口率が70%以上95%以下であ
    る請求項1または2の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記金属リードの材質が、アルミニウ
    ム、銅、銀、金、白金、クロムおよびニッケルから選ば
    れる1種以上を含む金属である請求項1〜3のいずれか
    の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記透明導電性基板上に設けられた金属
    リードのパターンがリード線を面内で同方向に配列され
    た平行線状または面内で複数方向にクロスして配列させ
    た格子状である請求項1〜4のいずれかの光電変換素
    子。
  6. 【請求項6】 前記金属リードのリード線が線幅10μ
    m以上1mm以下、厚さ0.5μm以上5μm以下である
    請求項1〜5のいずれかの光電変換素子。
  7. 【請求項7】 隣り合う金属リード線のピッチが0.1
    mm以上15mm以下である請求項1〜6のいずれかの
    光電変換素子。
  8. 【請求項8】 前記透明導電性基板が透明支持体と透明
    導電層からなり、かつ、前記金属リードが透明支持体と
    透明導電層の間、または透明導電層の内部に設けられて
    いる請求項1〜7のいずれかの光電変換素子。
  9. 【請求項9】 前記透明導電性基板の表面抵抗が、0.
    1ないし15Ω/□の範囲である請求項1〜8のいずれ
    かの光電変換素子。
  10. 【請求項10】 前記半導体微粒子含有層がTiO2、TiSr
    O2、ZnO、WO3、Nb2O 5から選ばれる金属酸化物の1種以
    上を含有する請求項1〜9のいずれかの光電変換素子。
  11. 【請求項11】 前記半導体微粒子含有層がTiO2を含有
    する請求項1〜10のいずれかの光電変換素子。
  12. 【請求項12】 前記色素の少なくとも1種がポリメチ
    ン色素である請求項1〜11のいずれかの光電変換素
    子。
  13. 【請求項13】 前記電荷移動層が固体材料である請求
    項1〜12のいずれかの光電変換素子。
  14. 【請求項14】 前記透明導電性基板の単体の面積が1
    cm2以上1000cm2以下である請求項1〜13のい
    ずれかの光電変換素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかの光電変換
    素子を用いた光電池。
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