JP2000294306A - 光電変換素子および光電気化学電池 - Google Patents

光電変換素子および光電気化学電池

Info

Publication number
JP2000294306A
JP2000294306A JP11098707A JP9870799A JP2000294306A JP 2000294306 A JP2000294306 A JP 2000294306A JP 11098707 A JP11098707 A JP 11098707A JP 9870799 A JP9870799 A JP 9870799A JP 2000294306 A JP2000294306 A JP 2000294306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
dye
group
counter electrode
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11098707A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Nakamura
茂 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11098707A priority Critical patent/JP2000294306A/ja
Priority to US09/543,339 priority patent/US6291763B1/en
Publication of JP2000294306A publication Critical patent/JP2000294306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2031Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2068Panels or arrays of photoelectrochemical cells, e.g. photovoltaic modules based on photoelectrochemical cells
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • H10K85/311Phthalocyanine
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • H10K85/341Transition metal complexes, e.g. Ru(II)polypyridine complexes
    • H10K85/344Transition metal complexes, e.g. Ru(II)polypyridine complexes comprising ruthenium
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/652Cyanine dyes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換の性能を劣化させることなく、素子
内部での短絡を防いだ光電変換素子および光電気化学電
池を提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体、この上に塗設された色素
を吸着した半導体微粒子層、電荷移動層および対極を有
する光電変換素子において、該半導体微粒子層と対極の
間に、実質的に絶縁性の粒子を含有するスペーサー層が
設置されていることを特徴とする光電変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換素子および
これを用いた光電気化学電池に関し、詳しくは色素で増
感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および光電
気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等
に、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電
変換素子および太陽電池、ならびにこれを作成するため
の材料および製造技術が開示された。提案された電池
は、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタ
ン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。こ
の方式の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半
導体を高純度に精製することなく用いることができるた
め、安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の
利点は用いられる色素の吸収がブロードなため、可視光
線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できることで
ある。
【0004】しかしながら太陽電池として実用化するに
は、電荷移動層の耐久性の向上が重要な課題であった。
初期の検討では電荷移動層としてレドックス化合物の有
機溶媒溶液が用いられたが、これらの素子においては有
機溶媒の飛散が起き、性能の劣化が大きいとの問題があ
った。これを解決する方法として、高沸点の溶媒の使
用、また低温溶融塩、固体状の電荷輸送材料の使用が検
討されてきたが、これらの電荷移動層では、電荷の移動
が遅くなる傾向にある為、層の厚みを薄くすることが必
要であった。
【0005】従来の素子では、半導体微粒子を担持した
支持体と対極を担持した支持体との間にスペーサーを介
して挟み込むことで、負極となる酸化物半導体層と対極
との直接接触による短絡を防止するのが一般的であっ
た。
【0006】しかしながら、スペーサーによる方法で
は、電荷移動層の厚みを薄くするために電極間距離を狭
くしようとすると、半導体微粒子層の厚みの変動および
スペーサー厚みの変動により電極の直接的な接触による
短絡がしばしば発生するという問題が発生した。
【0007】電荷移動層が固体である場合には電荷移動
層自体がスペーサー層として機能するがこの場合でも半
導体電極あるいは対極の微細な凹凸によって部分的な短
絡が起こる場合があり、やはり安定した性能を得ること
が困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
変換の性能を劣化させることなく、素子内部での短絡を
防いだ光電変換素子および光電気化学電池を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
を特定する下記の事項およびその好ましい態様により、
達成された。 (1) 導電性支持体、この上に塗設された色素を吸着
した半導体微粒子層、電荷移動層および対極を有する光
電変換素子において、該半導体微粒子層と対極の間に、
実質的に絶縁性の粒子を含有するスペーサー層が設置さ
れていることを特徴とする光電変換素子。 (2) 前記スペーサー層が半導体微粒子層上の対極側
に一体化して設置されている上記(1)の光変換素子。 (3) 前記絶縁性の粒子が、珪素、硼素およびリンか
ら選ばれる少なくとも1つの元素を含むアモルファス酸
化物、または酸化アルミニウムからなる上記(1)また
は(2)の光電変換素子。 (4) 前記絶縁性の粒子の平均粒径が、半導体微粒子
の平均粒径の5倍以上1000倍以下である上記(1)
〜(3)のいずれかの光電変換素子。 (5) 前記絶縁性の粒子の平均粒径が、半導体微粒子
の平均粒径の5倍以上100倍以下である上記(1)〜
(4)のいずれかの光電変換素子。 (6) 前記半導体微粒子層が酸化チタンを含む上記
(1)〜(5)のいずれかの光電変換素子。 (7) 前記色素が金属錯体色素またはポリメチン色素
である上記(1)〜(6)のいずれかの光電変換素子。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれかの光電変換素子
を用いた光電気化学電池。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の光電変換素子および光電気化学電池の構
成と材料について詳述する。本発明において色素増感し
た光電変換素子は導電性支持体、導電性支持体上に設置
される色素等により増感した半導体膜(感光層)、電荷
移動層および対極からなる。ここでは、この光電変換素
子を外部回路で仕事をさせる電池用途に使用できるよう
にしたものを光電気化学電池とよぶ。感光層は目的に応
じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。感光層
に入射した光は色素等を励起する。励起された色素等は
エネルギーの高い電子を有しており、この電子が色素等
から半導体微粒子の伝導帯に渡され、さらに拡散によっ
て導電性支持体に到達する。この時色素等の分子は酸化
体となっている。光電気化学電池においては導電性支持
体上の電子が外部回路で仕事をしながら対極および電荷
移動層を経て色素等の酸化体に戻り、色素等が再生す
る。半導体膜はこの電池の負極として働く。なお、本発
明ではそれぞれの層の境界において(例えば、導電性支
持体の導電層と感光層の境界、感光層と電荷移動層の境
界、電荷移動層と対極の境界など)、各層の構成成分同
士が相互に拡散して混合していてもよい。但し、半導体
膜と対極は直接接触していてはいけない。
【0011】本発明は、上記の半導体膜と対極の短絡を
防止するために、両者の間に実質的に絶縁性の粒子から
なるスペーサー層を設置することを特徴とする。本発明
の実質的に電気絶縁性の粒子としては、電気伝導度が1
-3シ−メンス/cm以下の物質であって、電解液に対
して不活性な物質であれば任意のものが用いられる。こ
のような物質としては、酸化物ガラスあるいは結晶性酸
化物が挙げられる。好ましい酸化物ガラス物質の具体例
は、珪素、ホウ素、およびリンから選ばれる少なくとも
一種の元素を含む酸化物ガラスである。また、好ましい
結晶性酸化物の具体例としては酸化アルミニウムが挙げ
られる。
【0012】さらに好ましい酸化物ガラスは少なくとも
珪素、ホウ素、リンの一つを含み、軟化点が700度以
下となるような組成のガラスである。例えば以下のよう
な組成が挙げられるが本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0013】 Na0.20.40.4x Rb0.20.40.4x Pb0.50.25Si0.25x Sn0.2Pb0.10.50.2x Pb0.2Zn0.10.7X Tl0.1Pb0.20.7X
【0014】酸化物ガラスは構成原料の酸化物を混合し
溶融することにより得られる。得られたガラスは、良く
知られた粉砕機と分級機により所定のサイズにして用い
る。粉砕機としては例えば振動ボ−ルミル、旋回式ジェ
ットミルが用いられ、分級機としては例えば振動篩、風
力分級機が用いられる。
【0015】上記の電気絶縁性粒子は電極として作用す
る半導体微粒子の5から1000倍の粒子径のものが用
いられ、好ましくは5倍から100倍である。
【0016】本発明において、色素増感された半導体で
は、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主
として色素において起こり、半導体はこの電子を受け取
り、伝達する役割を担う。
【0017】半導体としてはシリコン、ゲルマニウムの
ような単体半導体の他に、金属のカルコゲニド(例えば
酸化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる
化合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物
等を使用することができる。金属のカルコゲニドとして
好ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウ
ム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、
ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、カドミウム、亜
鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウ
ム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げ
られる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、イ
ンジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅
−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等
が挙げられる。
【0018】また、ペロブスカイト構造を有する化合物
として好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カ
ルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニ
オブ酸カリウムが挙げられる。
【0019】本発明に用いられる半導体としてより好ま
しくは、具体的にはSi、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、Zn
O、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、I
nP、GaAs、CuInS2、CuInSe2が挙げられる。さらに好ま
しくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、Pb
S、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2であり、特に好
ましくはTiO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO2
である。
【0020】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では多結晶が好ましく、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子半導体が好まし
い。
【0021】これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積
を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で一次粒子
として5〜200nmであることが好ましく、特に8〜1
00nmであることが好ましい。また、分散物中の半導体
微粒子(二次粒子)の平均粒径としては0.01〜10
0μmであることが好ましい。
【0022】また、2種類以上の粒子サイズ分布の異な
る微粒子を混合して用いてもよく、この場合、小さい粒
子の平均サイズは5nm以下であることが好ましい。ま
た、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、
粒子サイズの大きな、例えば300nm程度の半導体粒子
を混合してもよい。
【0023】半導体微粒子の作製法は、作花済夫の「ゾ
ルーゲル法の科学」アグネ承風社(1988年)、技術
情報協会の「ゾルーゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995)等に記載のゾルーゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲルーゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」 まてりあ、第35巻、第9号 1012
頁から1018頁(1996)記載のゲルーゾル法が好
ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水
素炎中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好
ましい。
【0024】また酸化チタンの場合は上記のゾルーゲル
法、ゲルーゾル法、塩化物を酸水素炎中で高温加水分解
法がいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン
物性と応用技術」技報堂出版(1997)に記載の硫
酸法、塩素法を用いることもできる。
【0025】酸化チタンの場合は上記のゾルーゲル法の
うち特にバーブ等の「ジャーナル・オブ・アメリカン・
セラミック・ソサエティー 第80巻、第12号、31
57ページから3171ページ(1997)」記載のも
のと、バーンサイド等の「ケミカル・マテリアルズ 第
10巻 第9号、2419ページから2425ページ」
記載の方法が好ましい。
【0026】導電性支持体は、金属のように支持体その
ものに導電性があるものか、または表面に導電剤を含む
導電層(導電剤層)を有するガラスもしくはプラスチッ
クの支持体を使用することができる。後者の場合好まし
い導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アル
ミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは
導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸
化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。上
記導電剤層の厚さは、0.02〜10μm程度であるこ
とが好ましい。
【0027】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲としては100Ω/□以下であ
り、さらに好ましくは40Ω/□以下である。この下限
には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0028】導電性支持体は実質的に透明であることが
好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%
以上であることを意味し、50%以上であることが好ま
しく、70%以上が特に好ましい。透明導電性支持体と
してはガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化
物を塗設したものが好ましい。この中でもフッ素をドー
ピングした二酸化スズからなる導電層を低コストのソー
ダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導
電性ガラスが特に好ましい。また、低コストでフレキシ
ブルな光電変換素子または太陽電池には、透明ポリマー
フィルムに上記導電層を設けたものを用いるのがよい。
透明ポリマーフィルムには、テトラアセチルセルロース
(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET),
ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチ
ックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクレ
ート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエス
テルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等があ
る。透明導電性支持体を用いる場合、光はその支持体側
から入射させることが好ましい。この場合、導電性金属
酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体
1m2当たり0.01〜100gが好ましい。
【0029】透明導電性基板の抵抗を下げる目的で金属
リードを用いることが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウム、銀が好ましい。金属リード
は透明基板に蒸着、スッパタリング等で設置し、その上
にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜からな
る透明導電層を設けることが好ましい。また上記の透明
導電層を透明基板に設けたあと、透明導電層上に金属リ
ードを設置することも好ましい。金属リード設置による
入射光量の低下は1〜10%、より好ましくは1〜5%
である。
【0030】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法、前述のゾル−ゲル
法などが挙げられる。光電変換素子の量産化、液物性や
支持体の融通性を考えた場合、湿式の膜付与方式が比較
的有利である。湿式の膜付与方式としては、塗布法、印
刷法が代表的である。
【0031】半導体微粒子の分散液を作成する方法とし
ては前述のゾル-ゲル法の他、乳鉢ですり潰す方法、ミ
ルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体
を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま
使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水または
各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセ
トニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、
必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もしくはキレ
ート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0032】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてエア
ーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメ
ータリングを同一部分でできるものとして、特公昭58
−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米
国特許2681294号、同2761419号、同27
61791号等に記載のスライドホッパ法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましく用いられる。
【0033】湿式印刷方法としては、従来から凸版、オ
フセット、グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム
版、スクリーン印刷等が好ましい。
【0034】前記方法の中から、液粘度やウェット厚み
により好ましい膜付与方式を選択する。
【0035】液粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使
用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大
きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Po
ise)ではエクストルージョン法やキャスト法が好まし
く、低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法もしくはワイヤーバー法もしくはスピン法が
好ましく、均一な膜にすることが可能である。
【0036】なお、エクストルージョン法による低粘度
液の塗布の場合でも塗布量がある程度の量あれば塗布は
可能である。
【0037】また半導体微粒子の高粘度ペーストの塗設
にはしばしばスクリーン印刷が用いられており、この手
法を使うこともできる。
【0038】このように塗布液の液粘度、塗布量、支持
体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜ウェット
膜の付与方式を選択すればよい。
【0039】さらに、半導体微粒子含有層は単層と限定
する必要はない。微粒子の粒径の違った分散液を多層塗
布することも可能であり、また半導体の種類が異なる、
あるいはバインダー、添加剤の組成が異なる塗布層を多
層塗布することもでき、また一度の塗布で膜厚が不足の
場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクス
トルージョン法またはスライドホッパー法が適してい
る。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても
良く、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに
順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用
できる。
【0040】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子含有層には好ましい厚さが存在する
が、典型的には0.1〜100μmである。光電気化学
電池として用いる場合は1〜30μmであることが好ま
しく、2〜25μmであることがより好ましい。半導体
微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400
g、さらには5〜100gが好ましい。
【0041】半導体微粒子は導電性支持体に塗布した後
に粒子同士を電子的にコンタクトさせるため、および塗
膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために加
熱処理することが好ましい。好ましい加熱処理温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱処理時間は1
0分〜10時間程度である。ポリマーフィルムなど融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合は、高温処理は支持
体の劣化を招くため、好ましくない。また、コストの観
点からもできる限り低温であることが好ましい。低温化
は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併用や
鉱酸の存在下での加熱処理等により可能である。
【0042】また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を
増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から
半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水
溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0043】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積
は、投影面積に対して10倍以上であることが好まし
く、さらに100倍以上であることが好ましい。この上
限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0044】本発明のスペーサー層は、上記半導体微粒
子層上(すなわち、対極側であり、支持体と反対側)に
設置するのが好ましい。スペーサー層の設置は、前述の
半導体微粒子の塗設と同様の方法で、半導体微粒子層上
に設置することができる。スペーサー層はこのようにし
て、半導体微粒子層と一体化しているのが好ましい。ス
ペーサー層の設置は、前述の半導体微粒子層の加熱処理
の前でも後でもよいが、スペーサー層設置後に加熱処理
をするのが好ましい。
【0045】本発明に使用する色素は金属錯体色素また
はメチン色素が好ましい。本発明では、光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二
種類以上の色素を混合することができる。そして、目的
とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合す
る色素とその割合を選ぶことができる。こうした色素は
半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocki
ng group)を有していることが好ましい。好ましい結合
基としては、COOH基、SO3H基、シアノ基、-P(O)(OH)
2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシム、ジオキシム、
ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−ケトエノ
レートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げら
れる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2
基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を
形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよ
い。また、ポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリ
リウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性
基を含有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0046】以下に本発明で好ましく用いられる色素を
具体的に説明する。本発明に使用する色素が金属錯体色
素の場合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記
式(I)で表される色素が好ましい。 式(I) (A1)pRuBabc 式(I)中、pは0〜2であり、好ましくは2である。
Ruはルテニウムを表す。A1はCl、SCN、H2O、
Br、I、CN、NCO、およびSeCNから選択され
る配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下
のB-1〜B-8から選択される有機配位子である。
【0047】
【化1】
【0048】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。
【0049】本発明に用いられるルテニウム錯体色素と
しては、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同
5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号お
よび特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げら
れる。
【0050】以下に本発明に使用する金属錯体色素の好
ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。実施例使用の色素E、H、Kも挙げられ
る。
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】本発明に使用する色素がメチン色素である
場合、以下で説明する式(II)、式(III)、式(IV)
または式(V)で表される色素が好ましい。
【0055】
【化5】
【0056】式中、RbおよびRfは各々水素原子、アル
キル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Re
は各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは互いに
結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒
素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およびn
13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表
す。式(II)で表される化合物は分子全体の電荷に応じ
て対イオンを有してもよい。
【0057】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は、置換基を有していてもよい。アルキル基は直
鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素
環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)であっても
よい。またRb〜Rfによって形成される環は、置換基を
有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよ
い。
【0058】
【化6】
【0059】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qaは式(III)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン
基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子
の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表
す。
【0060】上記のZaで形成される含窒素複素環は置
換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であっ
てもよい。また、アルキル基、アリール基は置換基を有
していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖で
あってもよく、アリール基は単環であっても多環(縮合
環、環集合)であってもよい。
【0061】式(III)で表される色素は、下記式(III
−a)〜(III−d)で表される色素であることが好ま
しい。
【0062】
【化7】
【0063】式(III−a)〜(III−d)中、R11〜R
15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または
複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31
35、およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、
セレン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を
表す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。Y23はO‐、
S‐、Se‐、Te‐、または−NR18‐を表す。
【0064】V11、V12、V21、V22、V31、およびV
41はそれぞれ独立に置換基を表し、n15、n31およびn
41はそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。式(III−
a)〜(III−d)で表される化合物は、分子全体の電
荷に応じて対イオンを有していてもよい。
【0065】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖
であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素環
基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっても
よい。
【0066】以上のようなポリメチン色素の具体例はM.
Okawara,T. Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Co
lorants(Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0067】
【化8】
【0068】式(IV)中、Qbは5員または6員の含窒
素ヘテロ環を完成するために必要な原子団を表し、Qb
は縮環していてもよく、また置換基を有していてもよ
い。Qbで完成されるヘテロ環の好ましい例としては、
ベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンゾセ
レナゾール核、ベンゾテルラゾール核、2−キノリン
核、4−キノリン核、ベンゾイミダゾール核、チアゾリ
ン核、インドレニン核、オキサジアゾール核、チアゾー
ル核、イミダゾール核が挙げられるが、さらに好ましく
はベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンズ
イミダゾール核、ベンゾセレナゾール核、2−キノリン
核、4-キノリン核、インドレニン核であり、特に好まし
くはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、2−
キノリン核、4-キノリン核、インドレニン核である。環
上の置換基としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、ス
ルホン酸基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、シ
アノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシ
エトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、
アルキル基(メチル、エチル、シクロプロピル、シクロ
へキシル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、アリ
ル、ベンジルなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エ
チルチオなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニ
ルなど)、アリール基ないし複素環基(フェニル、チエ
ニル、トルイル、クロロフェニルなど)などが挙げられ
る。
【0069】Zbは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫
黄原子および水素原子から選ばれる原子により構成され
た、3ないし9員環を完成するために必要な原子団を表
す。Zbによって完成される環として好ましくは4ない
し6個の炭素によって骨格が形成される環であり、より
好ましくは以下の(ア)〜(オ)で表されるものであ
り、最も好ましくは(ア)である。
【0070】
【化9】
【0071】L1、L2、L3、L4およびL5はそれぞれ
独立に置換基を有していてもよいメチン基を表す。置換
基としては、置換または無置換のアルキル基(好ましく
は炭素原子数1ないし12、さらに好ましくは1ないし
7のものであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシ
エチル、ベンジルなど)、置換または無置換のアリール
基(好ましくは炭素原子数6ないし10、さらに好まし
くは6ないし8のものであり、例えば、フェニル、トル
イル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル)、複
素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリ
ジル、バルビツール酸)、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1ないし12、
さらに好ましくは6ないし12のものであり、例えば、
ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、4−アセチ
ルピペラジン−1−イル)、オキソ基などが挙げられ
る。これらのメチン基上の置換基は互いに連結してシク
ロペンテン環、シクロヘキセン環、スクアリリウム環な
どの環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成す
ることもできる。
【0072】n51は0から4までの整数を表し、好まし
くは0から3である。n52は0または1である。
【0073】R5は置換基を表す。置換基として好まし
くは置換基を有してもよい芳香族基または置換基を有し
ていてもよい脂肪族基であり、芳香族基の炭素原子数は
好ましくは1ないし16、さらに好ましくは5ないし6
である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1ないし1
0、さらに好ましくは1ないし6である。無置換の脂肪
族基および芳香族基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。
【0074】W1は電荷を中和させるのに対イオンが必
要な場合の対イオンを表す。ある色素が陽イオン、陰イ
オンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどう
かは、その助色団および置換基に依存する。置換基が解
離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、
この場合にも分子全体の電荷はW1によって中和され
る。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウム
イオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン)およびアルカリ金属イオンであり、
一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰
イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イ
オン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化
物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸
イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−
クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホ
ン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イ
オン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6
−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオ
ン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシ
アン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸
イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0075】さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポ
リマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用い
てもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−
1,2−ジチオラトニッケル(III))も可能である。
【0076】
【化10】
【0077】式(V)においてDは少なくとも4官能以
上の芳香族基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に硫黄原
子、セレン原子、CR6364またはCR65=CR66を表
す。ここでR63〜R66はそれぞれ水素原子またはアルキ
ル基である。R61、R62はそれぞれアルキル基または芳
香族基であり、P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色
素を形成するのに必要な非金属原子群を表す。W2は電
荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを
示す。
【0078】式(V)について更に詳しく説明する。式
(V)中、Dは少なくとも四官能以上の芳香族基を示
す。このような芳香族基の例としては、これらの基が誘
導される芳香族炭化水素としてベンゼン、ナフタレン、
アントラセン、フェナントレンなどが挙げられ、芳香族
へテロ環としてはアントラキノン、カルバゾール、ピリ
ジン、キノリン、チオフェン、フラン、キサンテン、チ
アントレンなどが挙げられ、これらは連結部分以外に置
換基を有していても良い。Dで表される芳香族基として
好ましくは芳香族炭化水素の誘導基であり、さらに好ま
しくはベンゼンまたはナフタレンの誘導基である。
【0079】X1、X2は、好ましくは硫黄原子またはC
6364であり、最も好ましくはCR6364である。
【0080】P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色素
を形成するのに必要な非金属原子群を表す。P1、P2
より、いかなるメチン色素を形成することも可能である
が、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダ
シアニン色素、3核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。この際、シアニン色素には色素を形成するメチン鎖
上の置換基がスクアリウム環やクロコニウム環を形成し
たものも含んでいる。これらの色素の詳細については、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリ
ック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィ
ティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanin
e Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー
・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨー
ク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー
(D.M.Sturme r)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14
節、第482から515貢などに記載されている。 シ
アニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の式
は、米国特許第5、340、694号第21、22貢の
(XI)、(XII)、(XIII)に示されているも
のが好ましい。また、P1およびP2によって形成される
ポリメチン色素の少なくともいずれか一方のメチン鎖部
分にスクアリリウム環を有するものが好ましく、両方に
有するものがさらに好ましい。
【0081】R61、R62は芳香族基または脂肪族基であ
り、これらは置換基を有していてもよい。芳香族基の炭
素原子数は好ましくは5ないし16、さらに好ましくは
5ないし6である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは
1ないし10、さらに好ましくは1ないし6である。無
置換の脂肪族基、芳香族基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフ
チル基等が挙げられる。
【0082】式(V)はR61、R62、P1、P2のうち少
なくともひとつに酸性基を有することが好ましい。ここ
で酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であ
り、例としてはカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、
ホウ酸などが挙げられ、好ましくはカルボン酸である。
またこのような酸性基はプロトンを放出して解離した形
を採っていても良い。
【0083】W2は式(IV)のW1と同義である。
【0084】以下に式(II)〜(V)で表されるポリメ
チン色素の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。実施例使用の色素B、D、
F、G、I、Kも挙げられる。
【0085】
【化11】
【0086】
【化12】
【0087】
【化13】
【0088】
【化14】
【0089】
【化15】
【0090】
【化16】
【0091】
【化17】
【0092】
【化18】
【0093】
【化19】
【0094】
【化20】
【0095】
【化21】
【0096】
【化22】
【0097】
【化23】
【0098】
【化24】
【0099】
【化25】
【0100】
【化26】
【0101】
【化27】
【0102】
【化28】
【0103】
【化29】
【0104】
【化30】
【0105】
【化31】
【0106】式(II)および式(III)で表される化合
物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・
リレィティド・コンパウンズ( Heterocyclic Compounds
-Cyanine Dyes and RelatedCompounds)」、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュ
ーヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スタ
ーマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパ
ウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイク
リック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Specia
l topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、
第14節、第482から515項、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨー
ク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー
・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of
Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977
刊、第15章、第369から422項、エルセビア・サ
イエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier
Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨー
ク、英国特許第1,077,611号などに記載の方法に基づい
て合成することができる。
【0107】本発明に用いられる式(IV)で表される化
合物の合成は、Dyes and Pigments第21巻227〜23
4頁などの文献の記載を参考にして行える。また、式
(V)で表される化合物の合成は、Ukrainskii Khimich
eskii Zhurnal 第40巻3号253〜258頁、Dyes and
Pigments 第21巻227〜234頁およびこれらの文
献中に引用された文献の記載等を参考にして行える。
【0108】半導体微粒子に色素を吸着させる方法は色
素溶液中によく乾燥した半導体微粒子を塗設した作用電
極を浸漬するか、もしくは色素溶液を半導体微粒子層に
塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の
場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法
などが使える。後者の塗布方法としては、ワイヤーバー
法、スライドホッパ法、エクストルージョン法、カーテ
ン法、スピン法、スプレー法があり、印刷方法として
は、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷等が
ある。本発明では、半導体微粒子層の上にスペーサー層
を塗設した後、前者の方法により、半導体微粒子に色素
を吸着させるのが好ましい。
【0109】液粘度も半導体微粒子層の形成時と同様
に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエ
クストルージョン法の他、各種印刷法が、低粘度液(例
えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法もしく
はワイヤーバー法もしくはスピン法が適していて、均一
な膜にすることが可能である。
【0110】このように色素塗布液の液粘度、塗布量、
支持体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜付与
方式を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0111】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄によって除去することが好
ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶
剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うの
がよい。また、吸着色素量を増大させるため、加熱処理
を吸着前に行うことが好ましい。加熱処理後、半導体微
粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さず
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させることも好ま
しい。
【0112】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100mモルが好ましい。また、色素の半
導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して
0.01〜1mモルが好ましい。このような色素量とす
ることによって、半導体における増感効果が十分に得ら
れる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分
となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない
色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0113】また、会合など色素同士の相互作用を低減
する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着
させる疎水性化合物としてはカルボキシ基を有するステ
ロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。ま
た、紫外線吸収剤を併用することもできる。
【0114】また、余分な色素の除去を促進する目的
で、色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子
の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピ
リジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジ
ン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用い
てもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0115】以下、電荷移動層と対極について詳しく説
明する。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する層である。本発明で用いることのできる代表
的な電荷移動層の例としては酸化還元対を有機溶媒に溶
解した液体(電解液)、酸化還元対を有機溶媒に溶解し
た液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電
解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。
さらには固体電解質や正孔(ホール)輸送材料を用いる
こともできる。
【0116】本発明で使用する電解液は電解質、溶媒、
および添加物から構成されることが好ましい。本発明の
電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としては
LiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨ
ウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイ
ド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイ
ドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br
2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、N
aBr、KBr、CsBr、CaBr2 などの金属臭化
物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、
ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の
臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン
酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯
体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキル
ジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒ
ドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中
でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリ
ウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩
を組み合わせた電解質が本発明では好ましい。上述した
電解質は混合して用いてもよい。また、電解質はEP-718
288号、WO95/18456号、J. Electrochem. Soc., Vol.14
3,No.10,3099(1996)、Inorg. Chem. 1996,35,1168-1178
に記載された室温で溶融状態の塩(溶融塩)を使用する
こともできる。溶融塩を電解質として使用する場合、溶
媒は使用しなくても構わない。
【0117】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以
下であり、さらに好ましくは0.2 M以上10M以下であ
る。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨ
ウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0118】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−
2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール
ジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエー
テルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキ
シド(DMSO)、スルフォランなど非プロトン極性物
質、水などを用いることができる。
【0119】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の
塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を
添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下で
ある。
【0120】本発明では、電解質はポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマ
ーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させて使
用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる
場合は、¨Polymer Electrolyte Revi ews-1および2¨
(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLI
ED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができ
るが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添
加によりゲル化させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind.
Chem.Soc., 46779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,55
42(1989), J. Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 39
0, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Che
m. Lett., 1996, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun.,
1997,545に記載されている化合物を使用することができ
るが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有す
る化合物である。
【0121】ゲル電解質を多官能モノマー類の重合によ
って形成する場合、多官能モノマー類、重合開始剤、電
解質、溶媒から溶液を調製し、キャスト法,塗布法,浸
漬法、含浸法などの方法により色素を担持した電極上に
ゾル状の電解質層を形成し、その後ラジカル重合するこ
とによってゲル化させる方法が好ましい。多官能性モノ
マーはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であ
ることが好ましく、例えばジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートが好ましい例として挙げら
れる。ゲル電解質を構成するモノマー類はこの他に単官
能モノマーを含んでいてもよく、アクリル酸またはα−
アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から
誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えばN−is
o−プロピルアクリルアミド、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
2−メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレートなど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニ
ル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステ
ル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチルなど)、マレイン酸、フマル酸、
p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエ
ン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル
化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム)、含窒素複素環を有するビニ
ル化合物、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホル
ムアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライ
ド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエ
ーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、N−フェニルマレイミド等を好ましく使用するこ
とができる。モノマー全量に占める多官能性モノマーの
好ましい重量組成範囲は0.5重量%以上70重量%以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは1.0重量%以上50
重量%以下である。
【0122】上述のモノマーは、大津隆行・木下雅悦共
著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津隆行:講座
重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同人)に記載さ
れた一般的な高分子合成法であるラジカル重合によって
重合することができる。本発明で使用できるゲル電解質
用モノマーは、加熱、光、電子線、また電気化学的にラ
ジカル重合することができるが、特に加熱によってラジ
カル重合させることが好ましい。架橋高分子が加熱によ
り形成される場合に好ましく使用される重合開始剤は、
例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)(ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート)な
どのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸
化物系開始剤等である。重合開始剤の好ましい添加量は
モノマー総量に対し0.01重量%以上20重量%以下
であり、さらに好ましくは0.1重量%以上10重量%
以下である。
【0123】ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成
範囲は0.5重量%以上70重量%以下であることが好まし
く、さらに好ましくは1.0重量%以上50重量%以下であ
る。
【0124】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0125】本発明では、電解質の替わりに有機または
無機あるいはこの両者を組み合わせた正孔輸送材料を使
用することができる。本発明に適用可能な有機正孔輸送
材料としては、N,N'-ジフエニル-N、N'-ビス(4-メト
キシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン
(J.Hagen et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-22
0)、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニ
ルアミン)9,9'-スピロビフルオレン(Nature,Vol.395,
8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス
{4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン
の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン
化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4,‐ビス
[(N-1-ナフチル)‐N-フェニルアミノ]ビフェニルで
代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合
芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5
−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でス
ターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許
第4,923,774号、特開平4−308688号公報)、N,N'-ジ
フエニル-N、N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビ
フェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン(米国
特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テトラメチ
ル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-p-
キシレン(特開平3−269084号公報)、p-フェニレンジ
アミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリフ
ェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレ
ニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特
開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミン
ユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189
号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開
平4−290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4−364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結
したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物
(特開平5−239455号公報)、ピスジピリジルアミノビ
フェニル(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリフ
ェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノ
キザジン構造を有する芳香族ジアミン(特願平5−29072
8号)、ジアミノフエニルフエナントリジン誘導体(特
願平6−45669号)等に示される芳香族アミン類、α-オ
クチルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オクチル
チオフェン(Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557)、ヘキサ
ドデシルドデシチオフェン(Angew. Chem.Int. Ed. Eng
l. 1995, 34, No.3,p303-307)、2,8-ジヘキシルアンス
ラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,Vol120, N0.4,199
8,p664-672)等のオリゴチオフェン化合物、ポリピロー
ル(K. Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997, p47
1)、¨ Handbook of Organic Conductive Molecules a
nd Polymers Vol.1,2,3,4¨(NALWA著、WILEY出版)に
記載されているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ
(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ( p-フェニレ
ンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレ
ンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンお
よびその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用するこ
とができる。また、有機正孔(ホール)輸送材料にはNa
ture,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されている
ようにドーパントレベルをコントロールするためにトリ
ス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアン
チモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物
を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御
(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のよ
うな塩を添加しても構わない。
【0126】有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光
電解重合法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。また、正孔輸送材料を電解液の替わりに使用する
ときは短絡防止のためElectorochim. Acta 40, 643-652
(1995)に記載されているスプレーパイロリシス等の手法
を用いて二酸化チタン薄層を下塗り層として塗設するこ
とが好ましい。
【0127】無機固体化合物を電解質の替わりに使用す
る場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys. 31
(1998)1492-1496)、チオシアン化銅(Thin Solid Film
s 261(1995)307-310、J. Appl. Phys. 80(8),15 Octobe
r 1996, p4749-4754、Chem.Mater. 1998, 10, 1501-150
9、Semicond. Sci. Technol. 10, 1689-1693)等をキャ
スト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解メッキ
法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0128】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つはスペーサー層の上に先に対極
を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷移動層を挟
み込む方法である。もう1つはスペーサー層上に直接電
荷移動層を付与する方法で、対極はその後付与すること
になる。
【0129】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0130】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。固体電解質や固体の正
孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法
等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極
を付与することもできる。
【0131】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0132】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0133】対極は、光電変換素子を光電気化学電池と
したとき、光電気化学電池の正極として働くものであ
る。対極は通常前述の導電性支持体と同様に導電性層を
有する支持体を用いることもできるが、強度や密封性が
十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要で
ない。具体的に対極に用いる導電性の材料としては金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、
インジウム等)、炭素、または導電性の金属酸化物(イ
ンジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープ
したもの等)が挙げられる。対極の厚さは、特に制限は
ないが、3nm以上10μm以下であることが好ましい。
金属材料である場合は、その膜厚は好ましくは5μm以
下であり、さらに好ましくは5nm以上3μm以下の範囲
である。
【0134】感光層に光が到達するためには、前述の導
電性支持体と対極の少なくとも一方は実質的に透明でな
ければならない。本発明の光電気化学電池においては、
導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射
させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質
を有することがさらに好ましい。本発明において対極と
しては金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまた
はプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0135】対極の塗設については電荷移動層の付与で
記したように、電荷移動層の上に付与する場合と先にス
ペーサー層上に付与する場合の2通りある。いずれの場
合も、対極材の種類や電荷移動層の種類により、適宜、
電荷移動層上または半導体微粒子含有層上に対極材を塗
布、ラミネート、蒸着、貼り合わせなどの方法により形
成可能である。例えば、対極を貼り合わせる場合は、上
記の導電性材料を塗布、蒸着、CVD等の手法により導
電層として設けられた基板を貼り合わせることができ
る。また、電荷移動層が固体の場合には、その上に直
接、前述の導電性材料を塗布、メッキ、PVD、CVD
等の手法で対極を形成することができる。
【0136】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜など、必要な他の機能の層を設
けることも可能である。このような層を多層にて機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。また、これらの機能層はその材料
により、蒸着や貼り付けなどの手法を用いて設けること
もできる。
【0137】本発明の光電気化学電池では構成物の劣化
や内容物の揮散を防止するために電池の側面をポリマー
や接着剤等で密封するのが好ましい。
【0138】次に本発明の光電変換素子をいわゆる太陽
電池に適用する場合のセル構造およびモジュール構造に
ついて説明する。
【0139】色素増感型太陽電池のセル内部の構造は、
基本的には上述した光電変換素子や光電気化学電池と同
じであるが、図2または図3に示すように目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく二つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造[図2(a)(d)、図3
(g)]と、片面からのみ可能なタイプ[図2(b)
(c)、図3(e)(f)(h)]である。
【0140】図2(a)は、透明導電層12間に、色素
吸着半導体微粒子含有層である色素吸着TiO2層14
と、スペーサー層10、および電荷移動層11とを介在
させた構造である。図2(b)は、透明基板13上に一
部金属リード9を設け、さらに透明導電層12を設け、
色素吸着TiO2層14、スペーサー層10、電荷移動
層11および金属層8をこの順で設け、さらに支持基板
15を配置した構造である。図2(c)は、支持基板1
5上にさらに金属層8を有し、色素吸着TiO 2層14
とスペーサー層10を設け、さらに電荷移動層11と透
明導電層12とを設け、一部に金属リード9を設けた透
明基板13を、金属リード9側を内側にして配置した構
造である。図2(d)は、透明基板13上に一部金属リ
ード9を設け、さらに透明導電層12を設けたものの間
に色素吸着TiO2層14とスペーサー層10と電荷移
動層11とを介在させた構造である。図3(e)は、透
明基板13上に透明導電層12を有し、色素吸着TiO
2層14とスペーサー層10を設け、さらに電荷移動層
11および金属層8を設け、この上に支持基板15を配
置した構造である。図3(f)は、支持基板15上に金
属層8を有し、色素吸着TiO2層14とスペーサー層
10を設け、さらに電荷移動層11および透明導電層1
2を設け、この上に透明基板13を配置した構造であ
る。図3(g)は、透明導電層12を有する透明基板1
3間に、透明導電性層12を内側にして、色素吸着Ti
2層14とスペーサー層10および電荷移動層11を
介在させた構造である。図3(h)は、支持基板15上
に金属層8を設け、色素吸着TiO2層14およびスペ
ーサー層10を設け、さらに固体の電荷移動層16を設
け、この上に一部金属層8または金属リード9を有する
構造である。
【0141】本発明の色素増感型太陽電池のモジュール
構造は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様の
構造をとりうる。一般的には、金属・セラミック等の支
持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護
ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構
造とすることができるが、支持基板に強化ガラス等の透
明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持
基板側から光を取り込むことも可能である。具体的に
は、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイ
プ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造ある
いはアモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基
板一体型などのモジュール構造が可能である。これらの
モジュール構造は使用目的や使用場所(環境)により適
宜選択できる。本発明の素子を基板一体型でモジュール
化した例を図4に示す。
【0142】図4の構造は、透明基板13の一方の面上
に透明導電層12を有し、この上に色素吸着TiO2
14とさらにスペーサー層10、固体の電荷移動層16
および金属層8を設けたセルをモジュール化したもので
あり、透明基板13の他方の面には反射防止層17が設
けられている。この場合、入射光の利用効率を高めるた
めに、感光部である色素吸着TiO2層14の面積比率
(光の入射面である透明基板13側から見たときの面積
比率)を大きくした方が好ましい。
【0143】スーパーストレートタイプやサブストレー
トタイプの代表的な構造は、片側または両側が透明で反
射防止処理を施された支持基板の間に、一定間隔にセル
が配置され、隣り合うセル間が金属リードまたはフレキ
シブル配線等によって接続されており、外縁部に集電電
極を配置して、発生した電力を外部に取り出す構造にな
っている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率
アップのため、目的に応じ、エチレンビニルアセテート
(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフイルム
または充填樹脂の形で用いることができる。また、外部
からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必
要のない場所に使う場合には、表面保護層を透明プラス
チックフイルムで構成したり、または、上記充填・封止
材料を硬化させることによって保護機能を付与し、片側
の支持基板をなくすことも可能である。支持基板の周囲
は、内部の密封およびモジュールの剛性確保のため、金
属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板と
フレームの間は封止材で密封シールする。
【0144】また、セルそのものや支持基板、充填材お
よび封止部材に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太
陽電池を構成することもできる。このように、使用目的
や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池
を製作することができる。
【0145】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材・セル間接続用リード線・背面封止材等と
共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを乗
せ、外縁部にフレームをセットして作ることができる。
【0146】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線
・封止材等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗
せ、周縁部にフレームをセットして作製することができ
る。
【0147】図4に示した構造のモジュールは、支持基
板上に透明電極・感光層・電荷移動層・裏面電極等が立
体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ・選
択エッチング・CVD・PVDといった半導体プロセス
技術、あるいはパターン塗布または広幅で塗布した後に
レーザースクライビングやプラズマCVM(Solar Ener
gy Materials and Solar Cells, 48, p373-381等に記
載)または研削等の機械的手法などの方法でパターニン
グすることができ、これらにより所望のモジュール構造
を得ることができる。
【0148】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、液状のEVA(エチレンビニル
アセテート)やフッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹
脂混合物フイルム状のEVA等、耐候性付与・電気絶縁
性付与・集光効率向上・セル保護性(耐衝撃性)向上等の
目的に応じ様々な素材が使用可能である。
【0149】これらを、セル上に固定する方法として
は、封止材の物性に合わせ、フイルム状の素材ではロー
ル加圧後加熱密着や真空加圧後加熱密着、液またはペー
スト状の材料ではロールコート、バーコート、スプレー
コート、スクリーン印刷等の様々な方法がある。
【0150】また、透明フィラーを封止材に混入して強
度を上げたり、光透過率を上げることができる。
【0151】モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの
間は、耐候性・防湿性が高い樹脂を使って封止するとよ
い。
【0152】支持基板としてPET・PEN等の可撓性
素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してそ
の上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層
を積層することができ、生産性の高い工程を造ることが
できる。
【0153】発電効率を上げるため、モジュールの光取
り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反
射防止処理が施される。これには、反射防止膜をラミネ
ートする方法、反射防止層をコーティングする方法があ
る。
【0154】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって入射し
た光の利用効率を高めることが可能である。
【0155】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要だが、光電変換層
を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変
換層側に効率良く戻すことも重要である。このために
は、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着
またはメッキする方法、セルの最下層にAl−Mgまた
はAl−Tiなどの合金層を反射層として設ける方法、
あるいは、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作り反射率を高める方法等がある。
【0156】発電効率を上げるためには、セル間接続抵
抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重
要である。
【0157】ワイヤーボンディングや導電性のフレキシ
ブルシートで接続するのが一般的だが、導電性粘着テー
プや導電性接着剤を使ってセルの固定機能と電気的な接
続機能を兼ねる方法、導電性ホットメルトを所望の位置
にパターン塗布する方法等が有る。
【0158】ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持
体を使った太陽電池では、ロール状の支持体を送り出し
ながら半導体の塗設の説明で示した方法によって、順
次、セルを形成・所望のサイズに切断した後、周縁部を
フレキシブルで防湿性のある素材でシールして、電池本
体を作製できる。また、Solar Energy Materials and S
olar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれ
るモジュール構造とすることもできる。
【0159】フレキシブル支持体の太陽電池では、更に
これを曲面ガラス等に接着固定して使用することもでき
る。
【0160】
【実施例】以下、本発明を比較例とともに示す実施例に
よって具体的に説明する。実施例および比較例で用いた
色素ならびに電解質は下記に示す通りである。
【0161】
【化32】
【0162】
【化33】
【0163】
【化34】
【0164】[実施例1] 1.二酸化チタン粒子含有塗布液の調製 オートクレーブ温度を230℃にした以外はバルベらの
ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサイエ
ティ 80巻3157頁記載の方法と同様の方法で二酸化チタ
ン濃度11重量%の二酸化チタン分散物を得た。得られ
た二酸化チタン粒子の平均サイズは約10nmであった。
この分散物に二酸化チタンに対し30重量%のポリエチ
レングリコール(分子量20,000、和光純薬製)を
添加し、混合して塗布液を得た。
【0165】2.アルミナ粒子含有塗布液の調製 平均粒径約0.8μのアルミナ粉末18gに、2%のC
MC水溶液120gと水150mlを加え、ホモジナイ
ザ−を用いて、1000rpm,3分間攪拌して分散液
を得た。これにノニルフェニルエ−テルの2%液1ml
を加え、塗布液とした。
【0166】3.色素を吸着した二酸化チタン電極の作
成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導
電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/□)
の導電面側に上記1.の二酸化チタン分散液をドクター
ブレードで100μmの厚みで塗布し、乾燥後さらにこ
の上に上記2.のアルミナ分散物を25μm の厚みに塗
布した。5℃で30分間乾燥した後、電気炉(ヤマト科
学製マッフル炉FP−32型)で450℃にて30分間
焼成した。二酸化チタン膜の厚みは約9μm ,アルミナ
層の厚みは約2μであった。
【0167】ガラスを取り出し冷却した後、色素−1の
溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:2−プロ
パノール)に18時間浸漬した。色素の染着したガラス
をエタノールで洗浄し暗所にて自然乾燥させた。色素の
吸着量は、二酸化チタンの塗布面積1m2 あたりおよそ
1.35×10-3モルであった。
【0168】4.光電気化学電池の作成 上述のようにして作成した色増感されたTiO2 電極基
板(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラス
と重ね合わせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間に
毛細管現象を利用して電解液(ヨウ化テトラブチルアン
モニウム0.65モル/リットル,ヨウ素0.05モル
/リットルのアセトニトリル溶液)をしみこませてTi
2 電極中に導入することにより、光電気化学電池Aを
得た。また、アルミナ分散物を塗布しない以外は上記と
同じである光電気化学電池を比較例として作製した。光
電気化学電池AおよびBは、それぞれ同じ方法で5個ず
つ作製した(表1)。本実施例により、図1に示したと
おり、導電性ガラス1(ガラス上に導電剤層2が設層さ
れたもの)、色素吸着TiO2層3、スペーサー層4、
電解液5、白金層6およびガラス7を順に積層し、エポ
キシ系封止剤で封止された光電気化学電池が作製され
た。
【0169】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5)を通すことにより模
擬太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2
であった。
【0170】前述の光電気化学電池の導電性ガラスと白
金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、模
擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置
(ケースレーSMU238型)にて測定した。これにより
求められた光電気化学電池の開放電圧(Voc)、短絡電流
密度(Jsc)、形状因子(FF)、変換効率(η)を一括して
表1に記載した。
【0171】
【表1】
【0172】上記実施例の結果から、比較例において
は、FFが低い電池が出来る頻度が高いのに対して、本
発明になるスペーサー層を設置した電池では、一定の性
能が得られることが判る。比較例の性能の悪い素子の抵
抗を測定したところシャント抵抗が低く、セル内部での
短絡が起きていることが判った。
【0173】[実施例2] 1.色素吸着電極の作製 10cm四方の0.1mm厚みのアルミニウム基板上に
実施例1と同様にして5μm 厚の二酸化チタン層とアル
ミナ層を塗設し、酸素雰囲気下、300℃で30分間焼
成して電極を調製した。基板の縁には封止と端子取り出
しの為1cm幅で未塗布部分を残した。次いで表2に示
す色素−2、3及び4と添加物を混合してなる色素吸着
液を用いた他は実施例1記載の方法で色素を吸着させ
た。
【0174】
【表2】
【0175】2.対極の作製 10cm四方の50μ厚のポリエチレンナフタレ−トの
シ−トにスパッタ−法を用いてアルミニウムの細線(5
00μ幅、2μ厚みで5mm間隔)をパタ−ニングし、
その上から全面に白金を10nmの厚みにスパッタ−法
により被覆した。得られたシ−トの面積抵抗率は0.2
Ω/□で、平均光透過率は80%であった。シ−トの外
周部にはEVA系の熱融着材を10μmの厚みで設置し
た。
【0176】3. 光電気化学電池の作製 上記の色素吸着電極に転写ロ−ラ−により、電解液を含
浸させ、次いで対極シ−トと重ね合わせて、一対の加圧
ロ−ラ−に通して圧着せしめた後、周辺部を加熱ロ−ラ
−で熱融着させルことで、シ−ト状の光電気化学電池C
を作製した。また、比較例として、アルミナのスペーサ
ー層が無い他は光電気化学電池Cと同様にして光電気化
学電池Dを作製した。これらも、それぞれ5個ずつ作製
した。
【0177】4.光電変換効率の測定 得られた電池を快晴の太陽光下で、光電変換効率を実施
例1と同じ測定装置により測定した。それぞれの電池に
ついて、性能評価をした結果を表3に示した。
【0178】
【表3】
【0179】表3から判るように、比較例では極めて低
い性能の電池が出来る頻度が高いのに対して、本発明に
より所定の性能の電池が安定に作製できることが判る。
【0180】[実施例3]実施1と同様にして2.5μ
m の厚みの二酸化チタン膜を作製し、その上にスペーサ
ー層としてアルミナの代わりにPb/B/P=0.2:
0.4:0.4の組成比から成る低融点ガラスの粉末
(平均粒子径約0.5μ)を実施例1のアルミナと同様
にして分散した液を塗設し焼結した。次いで実施例1と
同様にして、色素を吸着させた。得られた電極に表4の
組成の常温溶融塩からなる電解液の2μlを広げ、次い
で減圧下で30分間放置することで電極内に電解液を完
全に浸透させた。その後、実施例1と同じ対極を重ね合
わせた。
【0181】重ね合わせた状態で固定した電池E及び、
外部より1kg/cm2 の圧力を掛けることで、色素吸
着電極と対極とを互いに接するまで接近させた電池Fを
作製した。また比較用としてスペーサー層が無い以外は
同じである電池G及びHを作製した。電池E〜Hは、そ
れぞれ3個ずつ作製した。
【0182】
【表4】
【0183】得られた電池を実施例1と同じ方法で性能
評価した結果を表5に示した。比較用の電池Gでは短絡
電流が小さい。電極間の距離を減じた電池Hでは短絡電
流の増加が達成出来るもののフィルファクターはさらに
低いレベルとなって変換効率は向上しない。これに対し
て本発明になるスペーサー層を設置し、電極間距離を最
小とした電池Fでは,短絡電流の増加とフィルファクタ
−が増加し、変換効率の大幅な増加が達成できることが
判る。
【0184】即ち、本発明の効果はスペーサー層を挟ん
で、半導体微粒子電極と対極とが接する形態において特
にその効果が発揮されることが判る。
【0185】
【表5】
【0186】
【発明の効果】本発明によって、内部短絡による性能劣
化を起こすことの無い、高性能の色素増感光電変換素子
および光電気化学電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した光電気化学電池の構成を示す
断面図である。
【図2】光電気化学電池の基本的な構成例を示す断面図
である。
【図3】光電気化学電池の基本的な構成例を示す断面図
である。
【図4】基板一体型のモジュール構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 導電性ガラス 2 導電剤層 3 色素吸着TiO2層 4 スペーサー層 5 電解液 6 白金層 7 ガラス 8 金属層 9 金属リード 10 スペーサー層 11 電荷移動層 12 透明導電層 13 透明基板 14 色素吸着TiO2層 15 支持基板 16 固体の電荷移動層 17 反射防止層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体、この上に塗設された色素
    を吸着した半導体微粒子層、電荷移動層および対極を有
    する光電変換素子において、該半導体微粒子層と対極の
    間に、実質的に絶縁性の粒子を含有するスペーサー層が
    設置されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記スペーサー層が半導体微粒子層上の
    対極側に一体化して設置されている請求項1の光変換素
    子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性の粒子が、珪素、硼素および
    リンから選ばれる少なくとも1つの元素を含むアモルフ
    ァス酸化物、または酸化アルミニウムからなる請求項1
    または2の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性の粒子の平均粒径が、半導体
    微粒子の平均粒径の5倍以上1000倍以下である請求
    項1〜3のいずれかの光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体微粒子層が酸化チタンを含む
    請求項1〜4のいずれかの光電変換素子。
  6. 【請求項6】 前記色素が金属錯体色素またはポリメチ
    ン色素である請求項1〜5のいずれかの光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの光電変換素子
    を用いた光電気化学電池。
JP11098707A 1999-04-06 1999-04-06 光電変換素子および光電気化学電池 Pending JP2000294306A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11098707A JP2000294306A (ja) 1999-04-06 1999-04-06 光電変換素子および光電気化学電池
US09/543,339 US6291763B1 (en) 1999-04-06 2000-04-05 Photoelectric conversion device and photo cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11098707A JP2000294306A (ja) 1999-04-06 1999-04-06 光電変換素子および光電気化学電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000294306A true JP2000294306A (ja) 2000-10-20

Family

ID=14226994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11098707A Pending JP2000294306A (ja) 1999-04-06 1999-04-06 光電変換素子および光電気化学電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000294306A (ja)

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003109676A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Konica Corp 光電変換材料用半導体、光電変換素子及び太陽電池
KR20030065957A (ko) * 2002-02-02 2003-08-09 한국전자통신연구원 폴리비닐리덴 플로라이드 함유 겔형 고분자 전해질을포함하는 염료감응 태양전지
US6706963B2 (en) * 2002-01-25 2004-03-16 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cell interconnection
US6706962B2 (en) * 2000-11-24 2004-03-16 Sony International (Europe) Gmbh Hybrid solar cells with thermal deposited semiconductive oxide layer
US6858158B2 (en) 2002-01-25 2005-02-22 Konarka Technologies, Inc. Low temperature interconnection of nanoparticles
US6900382B2 (en) 2002-01-25 2005-05-31 Konarka Technologies, Inc. Gel electrolytes for dye sensitized solar cells
US6913713B2 (en) 2002-01-25 2005-07-05 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic fibers
JP2005346971A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Fujikura Ltd 湿式太陽電池の対極構造及び湿式太陽電池
US7022910B2 (en) * 2002-03-29 2006-04-04 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cells utilizing mesh electrodes
JP2006134827A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nippon Oil Corp 電極および色素増感型太陽電池
JP2006269168A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Kyocera Corp 光電変換装置およびその製造方法ならびに光発電装置
JP2006324100A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Sekisui Jushi Co Ltd 色素増感型太陽電池
KR100656361B1 (ko) * 2005-11-07 2006-12-13 한국전자통신연구원 타이타니아 나노입자가 충진된 고분자 전해질 용액과 이를포함하는 염료감응 태양전지
US7323635B2 (en) 2001-06-15 2008-01-29 University Of Massachusetts Photovoltaic cell
JP2008192603A (ja) * 2006-12-22 2008-08-21 Sony Deutsche Gmbh 光電池
DE112006002294T5 (de) 2005-09-02 2008-10-30 Kyocera Corp. Lichtelektrische Umwandlungsvorrichtung und Verfahren zu deren Herstellung sowie lichtelektrische Energieerzeugungsvorrichtung
JP2009514147A (ja) * 2005-10-05 2009-04-02 ベレティッチィ,トーマス 熱強化型固体発電機
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
US7932464B2 (en) 2002-01-25 2011-04-26 Konarka Technologies, Inc. Methods of scoring for fabricating interconnected photovoltaic cells
WO2011108481A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 新日鐵化学株式会社 スクアリリウム色素及びそれらの色素を用いた色素増感太陽電池、光電変換素子
US8071874B2 (en) 2002-01-25 2011-12-06 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cells incorporating rigid substrates
KR101179696B1 (ko) 2009-08-04 2012-09-04 고려대학교 산학협력단 신규의 티에노티오펜-비닐렌-티에노티오펜을 함유하는 화합물, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 염료를 이용한 염료감응 태양전지
JP2013114944A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Fujifilm Corp 光電変換素子及び光電気化学電池
US9184317B2 (en) 2007-04-02 2015-11-10 Merck Patent Gmbh Electrode containing a polymer and an additive
WO2015189551A1 (en) * 2014-06-12 2015-12-17 Isis Innovation Limited Heterojunction device
EP1788658A4 (en) * 2004-08-04 2017-11-15 Sharp Kabushiki Kaisha Photoelectrode, dye sensitizing solar cell using the same, and dye sensitizing solar cell module
CN112385009A (zh) * 2018-07-16 2021-02-19 埃塞格制造有限公司 染料敏化太阳能电池单元、包括染料敏化太阳能电池单元的光伏充电器以及用于生产太阳能电池单元的方法
CN115157735A (zh) * 2022-08-12 2022-10-11 华中科技大学鄂州工业技术研究院 一种复合厚膜的制备方法

Cited By (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6706962B2 (en) * 2000-11-24 2004-03-16 Sony International (Europe) Gmbh Hybrid solar cells with thermal deposited semiconductive oxide layer
US7323635B2 (en) 2001-06-15 2008-01-29 University Of Massachusetts Photovoltaic cell
JP2003109676A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Konica Corp 光電変換材料用半導体、光電変換素子及び太陽電池
US6913713B2 (en) 2002-01-25 2005-07-05 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic fibers
US6858158B2 (en) 2002-01-25 2005-02-22 Konarka Technologies, Inc. Low temperature interconnection of nanoparticles
US6900382B2 (en) 2002-01-25 2005-05-31 Konarka Technologies, Inc. Gel electrolytes for dye sensitized solar cells
US6706963B2 (en) * 2002-01-25 2004-03-16 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cell interconnection
US8581096B2 (en) 2002-01-25 2013-11-12 Merck Patent Gmbh Gel electrolytes for dye sensitized solar cells
US8071874B2 (en) 2002-01-25 2011-12-06 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cells incorporating rigid substrates
US7932464B2 (en) 2002-01-25 2011-04-26 Konarka Technologies, Inc. Methods of scoring for fabricating interconnected photovoltaic cells
US7894694B2 (en) 2002-01-25 2011-02-22 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic fibers
KR20030065957A (ko) * 2002-02-02 2003-08-09 한국전자통신연구원 폴리비닐리덴 플로라이드 함유 겔형 고분자 전해질을포함하는 염료감응 태양전지
US7022910B2 (en) * 2002-03-29 2006-04-04 Konarka Technologies, Inc. Photovoltaic cells utilizing mesh electrodes
JP2013093328A (ja) * 2003-03-24 2013-05-16 Merck Patent Gmbh メッシュ電極を利用した光電セル
JP4606777B2 (ja) * 2004-05-31 2011-01-05 株式会社フジクラ 湿式太陽電池
JP2005346971A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Fujikura Ltd 湿式太陽電池の対極構造及び湿式太陽電池
EP1788658A4 (en) * 2004-08-04 2017-11-15 Sharp Kabushiki Kaisha Photoelectrode, dye sensitizing solar cell using the same, and dye sensitizing solar cell module
JP2006134827A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nippon Oil Corp 電極および色素増感型太陽電池
JP2006269168A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Kyocera Corp 光電変換装置およびその製造方法ならびに光発電装置
JP2006324100A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Sekisui Jushi Co Ltd 色素増感型太陽電池
DE112006002294T5 (de) 2005-09-02 2008-10-30 Kyocera Corp. Lichtelektrische Umwandlungsvorrichtung und Verfahren zu deren Herstellung sowie lichtelektrische Energieerzeugungsvorrichtung
JP2009514147A (ja) * 2005-10-05 2009-04-02 ベレティッチィ,トーマス 熱強化型固体発電機
KR100656361B1 (ko) * 2005-11-07 2006-12-13 한국전자통신연구원 타이타니아 나노입자가 충진된 고분자 전해질 용액과 이를포함하는 염료감응 태양전지
JP2008192603A (ja) * 2006-12-22 2008-08-21 Sony Deutsche Gmbh 光電池
US9184317B2 (en) 2007-04-02 2015-11-10 Merck Patent Gmbh Electrode containing a polymer and an additive
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2845882A2 (en) 2008-10-29 2015-03-11 Fujifilm Corporation Dye, Photoelectric Conversion Element and Photoelectrochemical Cell
KR101179696B1 (ko) 2009-08-04 2012-09-04 고려대학교 산학협력단 신규의 티에노티오펜-비닐렌-티에노티오펜을 함유하는 화합물, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 염료를 이용한 염료감응 태양전지
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
CN102812093A (zh) * 2010-03-02 2012-12-05 新日铁化学株式会社 方酸菁色素及使用它们的色素的敏化太阳能电池、光电转换元件
WO2011108481A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 新日鐵化学株式会社 スクアリリウム色素及びそれらの色素を用いた色素増感太陽電池、光電変換素子
JP5725459B2 (ja) * 2010-03-02 2015-05-27 新日鉄住金化学株式会社 スクアリリウム色素及びそれらの色素を用いた色素増感太陽電池、光電変換素子
JP2013114944A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Fujifilm Corp 光電変換素子及び光電気化学電池
WO2015189551A1 (en) * 2014-06-12 2015-12-17 Isis Innovation Limited Heterojunction device
CN112385009A (zh) * 2018-07-16 2021-02-19 埃塞格制造有限公司 染料敏化太阳能电池单元、包括染料敏化太阳能电池单元的光伏充电器以及用于生产太阳能电池单元的方法
CN112385009B (zh) * 2018-07-16 2023-06-06 埃塞格制造有限公司 染料敏化太阳能电池单元、光伏充电器以及用于生产太阳能电池单元的方法
CN115157735A (zh) * 2022-08-12 2022-10-11 华中科技大学鄂州工业技术研究院 一种复合厚膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000294306A (ja) 光電変換素子および光電気化学電池
JP2000285977A (ja) 光電変換素子および光電池
JP4285671B2 (ja) 光電変換素子および光電気化学電池ならびに金属錯体色素
EP1075005A2 (en) Electrolyte composition, and photo-electro-chemical cell
JP2001085076A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2000268892A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001085713A (ja) 光電変換素子および太陽電池
EP1089305B1 (en) Electrolyte composition, photoelectric conversion device and photo-electrochemical cell
JP2001256828A (ja) 電解質組成物、光電変換素子及び光電気化学電池
JP2001273937A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001319698A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001167630A (ja) 電解質組成物、光電変換素子及び光電気化学電池
JP4643792B2 (ja) 光電変換素子及び光電気化学電池
JP2000223167A (ja) 光電変換素子および光電気化学電池
JP2000353553A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001223037A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001266962A (ja) 電解質組成物、光電変換素子及び光電気化学電池
JP2001143771A (ja) 光電変換素子および光電池
EP1020881A2 (en) Photo-electrochemical cell
JP2001102104A (ja) 光電変換素子および光電池
JP2001035253A (ja) 電解質組成物、光電変換素子および光電気化学電池
JP4521737B2 (ja) 太陽光発電装置
JP4643791B2 (ja) 光電変換素子の製造方法、および太陽電池
JP2001035552A (ja) 電解質組成物、光電変換素子および光電気化学電池
JP2000235874A (ja) 光電変換素子および光電気化学電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040618