JP2001257012A - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

光電変換素子および太陽電池

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JP2001257012A
JP2001257012A JP2000067544A JP2000067544A JP2001257012A JP 2001257012 A JP2001257012 A JP 2001257012A JP 2000067544 A JP2000067544 A JP 2000067544A JP 2000067544 A JP2000067544 A JP 2000067544A JP 2001257012 A JP2001257012 A JP 2001257012A
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layer
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semiconductor
fine particles
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JP2000067544A
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English (en)
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Kentaro Shirato
健太郎 白土
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変換効率に優れた色素増感光電変換素子およ
びこれを用いた太陽電池を提供する。 【解決手段】 導電性支持体、色素を吸着した半導体微
粒子及び当該半導体微粒子の間の空隙に充填された電荷
輸送材料からなる感光層、電荷移動層及び対極の順に積
層された光電変換素子において、導電性支持体方向へ向
かって感光層の空隙率が小さくなるよう構成する。かか
る構成により、電荷移動をスムーズに行うことができる
ため、光電変換効率を向上できる。また、本発明の太陽
電池は、本発明の光電変換素子を用いたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素で増感された半
導体微粒子を用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでに多く提案されてい
るが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があっ
た。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等
に、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電
変換素子および太陽電池、ならびにこれを作成するため
の材料および製造技術が開示された。提案された電池
は、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタ
ン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。こ
の方式の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半
導体を高純度に精製することなく用いることができるた
め、安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の
利点は用いられる色素の吸収がブロードなため、可視光
線のほぼ全波長領域の光を電気に変換できることであ
る。また、この素子の電解液の枯渇による光電変換効率
の低下を回避するため、J. Phys. D: Appl. Phys. 31(1
998) 1492-1496やChem. Mater. 1998, 10, 1501-1509に
はCuIやCuSCNなど無機正孔輸送材料を用いて固体化した
光電変換素子が提案されている。
【0004】しかし、これらの正孔輸送材料を用いた光
電変換素子は湿式と比べ変換効率が著しく低いという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色素
増感型の光電変換素子がもつ上記の欠点を克服し、変換
効率に優れた色素増感光電変換素子およびこれを用いた
太陽電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、導電性支持体、色素を吸着した半
導体微粒子を含む感光層、電荷移動層、対極の順に積層
された光電変換素子において、感光層中の半導体微粒子
の間の空隙が導電性支持体方向へ向かって徐々に小さく
なるよう構成することにより、上記目的を達成できるこ
とを見出し、本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の光電変換素子は、感光
層を構成する半導体微粒子の間の空隙が導電性支持体方
向へ向かって徐々に小さくなる(すなわち、半導体成分
が密になる)ため、電荷移動をスムーズに行うことがで
きる点に特徴を有する。
【0008】また、もう1つの本発明である太陽電池
は、本発明の光電変換素子を用いたものである。
【0009】本発明は下記条件を満たすことにより、一
層優れた光電変換効率を有する光電変換素子及び太陽電
池が得られる。
【0010】(1)前記感光層は、空隙率の異なる2層
以上の半導体微粒子含有層から構成することが好まし
い。
【0011】(2)前記感光層の空隙総量の少なくとも
1体積%が、半導体微粒子に分散したポリマーを熱分解す
ることにより形成されることが好ましい。また、前記ポ
リマーが、平均粒径が30nm以上のポリマー粒子であるこ
とが好ましく、当該ポリマー粒子が、メチルメタクリレ
ートまたはスチレンを構成単位として含有することが好
ましい。また、ポリマー粒子の添加量は、同一層の半導
体微粒子に対して5質量%以上200質量%未満であるこ
とが好ましい。
【0012】(3)前記感光層の空隙総量の少なくとも
1体積%が、導電性支持体上に半導体微粒子含有層を形成
した後、半導体微粒子の一部を除去する操作により形成
されていることが好ましく、前記操作が直径2mm以下の
金属針を電極に接触させる操作であることが好ましい。
【0013】(4)電荷移動層が、一価の銅を含む化合
物半導体を含有することが好ましく、CuIであることが
好ましい。さらにチオシアン酸塩を含有することが好ま
しい。
【0014】(5)前記電荷移動層が、溶融塩電解質を
含有することが好ましい。
【0015】(6)前記電荷移動層が、ピリジニウム
塩、イミダゾリウム塩、アルキルアンモニウム塩から選
択される化合物を含有することが好ましい。
【0016】(7)前記導電性支持体上に酸化物半導体
からなる下塗り層が設けられていることが好ましい。
【0017】(8)前記色素が、ルテニウム錯体色素又
はポリメチン色素であることが好ましい。
【0018】(9)前記半導体微粒子含有層が二酸化チ
タン微粒子から構成されることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】〔1〕光電変換素子 本発明の光電変換素子は、導電性支持体、感光層、電荷
移動層、対極の順に積層された光電変換素子であり、感
光層を構成する半導体微粒子の間の空隙を、導電性支持
体方向へ向かって小さくなるよう構成した点に特徴を有
する。これにより、電荷移動をスムーズに行い、光電変
換効率を高めることができる。
【0020】本発明においては、導電性支持体方向へ向
かって空隙率を小さくするため、感光層を空隙率の異な
る2層以上の半導体微粒子含有層(以下半導体層)から
構成しても良いし、同一感光層内で徐々に密度勾配をつ
けても良いが、容易に製造できる点から前者が好まし
い。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、図1に示
すように、導電層10、下塗り層60、感光層(第一半導体
層20及び第二半導体層25からなる)、電荷移動層30、対
極導電層40の順に積層する。拡大部分に示すように、前
記第一半導体層20および第二半導体層25は、色素22によ
って増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の
間の空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成されてい
るが、第二半導体層25の空隙率は、第一半導体層20より
も大きい。電荷輸送材料23は、電荷移動層30に用いる材
料と同じ成分からなる。また光電変換素子に強度を付与
するため、導電層10側および/または対極導電層40側
に、基板50を設けてもよい。以下本発明では、導電層10
および任意で設ける基板50からなる層を「導電性支持
体」、対極導電層40および任意で設ける基板50からなる
層を「対極」と呼ぶ。この光電変換素子を外部回路に接
続して仕事をさせるようにしたものが太陽電池である。
なお、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50は、そ
れぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明基板50
aであっても良い。
【0022】図1に示す本発明の光電変換素子におい
て、色素22により増感された半導体微粒子21を含む第一
半導体層20および第二半導体層25に入射した光は色素22
等を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電
子が半導体微粒子21の伝導帯に渡され、さらに拡散して
導電層10に到達する。このとき色素22等の分子は酸化体
となっている。この後、導電層10中の電子が外部回路で
仕事をしながら対極導電層40および電荷移動層30を経て
色素22等の酸化体に戻り、色素22が再生する。第一半導
体層20および第二半導体層25は負極として働く。それぞ
れの層の境界(例えば導電層10と第一半導体層20との境
界、第一半導体層20および第二半導体層25と電荷移動層
30との境界、電荷移動層30と対極導電層40との境界等)
では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していても
よい。以下各層について詳細に説明する。
【0023】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導
電層および基板の2層からなる。強度や密封性が十分に
保たれるような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必
要でない。
【0024】(1)の場合、導電層として金属のように
十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0025】(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズに
フッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚
さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0026】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.01Ω/□程度である。
【0027】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であるこ
とを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が
特に好ましい。
【0028】透明導電性支持体としては、ガラスまたは
プラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物か
らなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したも
のが好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化
スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガ
ラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好ま
しい。また低コストでフレキシブルな光電変換素子また
は太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層
を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルム
の材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)、シンジオタクチックポリステレン
(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフ
ォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエ
ーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン等がある。
十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗
布量はガラスまたはプラスチックの支持体1m2当たり0.
01〜100gとするのが好ましい。
【0029】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いても構わない。その場合の金属リードの
材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の
金属が好ましく、特にアルミニウムおよび銀が好まし
い。金属リードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で
設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、または
ITO膜からなる透明導電層を設けることができる。また
透明導電層を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属
リードを設置してもかまわない。金属リード設置による
入射光量の低下は好ましくは30%以内、より好ましくは
20%以内である。
【0030】(B)感光層 本発明の感光層は、導電性支持体方向へ向かって空隙率
が小さくなるよう構成されており、好ましくは2層以上
の空隙率の異なる半導体層から構成される。空隙率とは
半導体層の全容積に占める空隙(半導体微粒子の存在し
ない部分)の割合(体積百分率)ことである。本発明の
半導体層の好ましい空隙率は20体積%以上、95体積%
未満であり、さらに好ましくは30体積%以上、90体
積%未満である。
【0031】本発明では該導電性支持体に近い半導体微
粒子含有層の空隙率より、該導電性支持体から遠い半導
体微粒子含有層の空隙率が大きいことが好ましい。半導
体層が2層構成の場合、該導電性支持体に近い半導体微
粒子含有層の空隙率より該導電性支持体から遠い半導体
微粒子含有層の空隙率が1体積%以上大きいことが好まし
く、さらに2体積%以上大きいことが好ましい。3層以
上の多層構成の場合、該導電性支持体に最も近い半導体
微粒子含有層の空隙率よりも該導電性支持体から最も遠
い半導体微粒子含有層の空隙率が大きいことが好まし
い。また、半導体層の空隙径の好ましい範囲は5nm以上2
00μm未満であり、さらに好ましくは10nm以上50μm未満
である。空隙径の分布は単分散でも多分散でもよい。
【0032】感光層において、半導体はいわゆる感光体
として作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正
孔を生ずる。色素増感された半導体微粒子では、光吸収
およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素
において起こり、半導体微粒子はこの電子を受け取り、
伝達する役割を担う。本発明で用いる半導体は光励起下
で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与え
るn型半導体であることが好ましい。
【0033】(1)半導体微粒子 本発明の積層された感光層に使用できる半導体微粒子と
しては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、
III-V系化合物半導体、金属のカルコゲニド(例えば酸
化物、硫化物、セレン化物等)、またはペロブスカイト
構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、
チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バ
リウム、ニオブ酸カリウム等)等が挙げられる。
【0034】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレ
ン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の
化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カ
ドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−イン
ジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等であ
る。
【0035】さらに好ましくは、Si、TiO2、SnO2、Fe2O
3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、Cd
Te、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等であり、特に
好ましくはTiO2、ZnO、SnO2またはNb2O5であり、最も好
ましくはTiO2である。半導体としてTiO2を用いる場合、
結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のい
ずれでも構わないが、アナターゼ型が好ましい。
【0036】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、
製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム
等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からな
る多孔質膜が特に好ましい。
【0037】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜100μmが好
ましい。
【0038】本発明では粒径分布の異なる2種類以上の
微粒子を混合してもよく、その場合小さい粒子の平均サ
イズは100nm以下であるのが好ましい。入射光を散乱さ
せて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例え
ば300nm程度の半導体粒子を混合してもよい。
【0039】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018
頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDe
gussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解
により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0040】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さ
らにゾル−ゲル法として、バーベらのジャーナル・オブ
・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第
12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーン
サイドらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10
巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0041】(2)半導体層の形成方法 本発明の感光層は、導電性支持体方向へ向かって空隙率
が小さくなるよう、空隙率の異なる半導体層を2層以上
積層して構成することが好ましい。
【0042】半導体層中の空隙は単に該微粒子分散物を
塗布、乾燥し、焼成することによって粒子間空隙として
生成するが、本発明ではさらに、半導体微粒子分散物へ
予めポリマーを添加し、焼成時にポリマーを熱分解する
ことにより空隙を形成する方法や、機械的な空隙の形成
方法などを好ましく用いることができる。具体的には、
可溶性ポリマーの添加および焼成時の熱分解、不溶
性ポリマー粒子の添加および焼成時の熱分解、半導体
層形成後の半導体微粒子の一部を除去する操作という3
つの手法の少なくとも一つ以上を用いることによって各
半導体層の空隙率をコントロールすることが好ましく行
われる。以下に各手法について説明する。
【0043】可溶性ポリマーの添加および焼成時の熱
分解による空隙生成 半導体微粒子分散物の媒体に溶解し、焼成によって熱分
解して空隙を生成するものであればどのようなポリマー
でも使用できるが、好ましくは、ポリエチレングリコー
ル、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、デキストラン等の水もしく
はアルコール可溶性ポリマーが挙げられる。この中で本
発明で特に好ましく用いられるポリマーはポリエチレン
グリコールである。上述のポリマーの好ましい添加量は
半導体粒子に対して5質量%以上200質量%未満である
が、さらに好ましくは10質量%以上100質量%未満で
ある。
【0044】不溶性ポリマー粒子の添加および焼成時
の熱分解による空隙生成 半導体微粒子分散物の媒体に不溶であり、焼成によって
熱分解して空隙を生成するものであればどのようなポリ
マー粒子でも使用できるが、好ましくはポリメチルメタ
クリレートおよびその共重合体、ポリスチレンおよびそ
の共重合体である。ポリマー粒子の好ましい粒径は30nm
以上50μm未満であり、さらに好ましくは、50nm以上30
μm未満である。ポリマー粒子の粒径分布は単分散であ
っても多分散であってもよいが、好ましくは変動係数
(粒径の標準偏差/平均粒径)30%未満の単分散粒子で
ある。ポリマー粒子の好ましい添加量は半導体粒子に対
して5質量%以上200質量%未満であり、さらに好まし
くは10質量%以上100質量%未満である。本発明では
該ポリマー粒子の添加量を該導電性支持体に近い半導体
微粒子含有層より、該導電性支持体から遠い半導体微粒
子含有層において増大させるか、もしくは該導電性支持
体から遠い半導体微粒子含有層にのみ添加することが好
ましく行われる。
【0045】半導体層形成後の半導体微粒子の一部を
除去する操作による空隙生成 半導体層中の空隙を該半導体層形成後、半導体微粒子の
一部を除去する操作により円柱状に(垂直方向に)形成
させる場合、直径2mm以下の金属針を電極に接触させて
行うことが好ましい。金属針の接触は半導体層の形成後
であれば、焼成前に行っても、焼成後に行っても構わな
い。本操作は、例えばCartesian製DNAアレイヤーピンア
レイシステムPS 7500を用いて、ピッチ間隔0.1mm以上1m
m未満の範囲で好ましく行うことができる。
【0046】本発明では上述の〜の手法のいずれか
一つ以上を単独もしくは組み合わせて、該導電性支持体
に近い半導体微粒子含有層より大きい空隙率を該導電性
支持体から遠い半導体微粒子含有層に実現することが好
ましい。この中でもおよびを組み合わせることが特
に好ましい。
【0047】微粒子半導体を導電性支持体上に塗布する
には、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電
性支持体上に塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法
等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半
導体微粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮し
た場合、湿式の製膜方法が相対的に有利である。湿式の
製膜方法としては、塗布法、印刷法が代表的である。
【0048】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0049】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて例
えばポリエチレングリコールのようなポリマー、界面活
性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として用いて
もよい。ポリマーを添加することで、塗布膜が導電性支
持体から剥がれにくくしたり、分散液の粘度が調節可能
となるので、上述の空隙生成とは違う理由でポリマーを
添加することは好ましい。ポリマーはの部分に記載し
たものを使用することができる。
【0050】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58
-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許268
1294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライド
ホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好
ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ま
しい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよび
グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリ
ーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェ
ット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0051】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャス
ト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度液
(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイ
ヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にする
ことが可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘
度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能
である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗
布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよ
い。
【0052】半導体層を2層以上積層するには、ポリマ
ー/およびポリマー粒子添加量の異なった塗布液を逐次
塗布することが好ましい。また、逐次塗布法を用いて、
粒径や種類が異なる半導体微粒子を含有する塗布層を多
層塗布したりすることもできる。多層塗布には、エクス
トルージョン法またはスライドホッパー法が適してい
る。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても
良く、2回以上から十数回まで逐次重ね塗りしてもよ
い。さらに逐次重ね塗りの場合はスクリーン印刷法も好
ましく使用できる。
【0053】一般に感光層の厚さ(半導体層の厚さの合
計と同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、感光層の好ましい厚さは0.1〜100
μmである。太陽電池に用いる場合、半導体層の厚さは
該導電性支持体に近い半導体層であっても該導電性支持
体から遠い半導体層であっても、0.1〜30μmであり、
0.5〜30μmが好ましく、1〜25μmがより好ましい。半導
体微粒子の支持体1m2当たり総塗布量は0.5〜400gが好
ましく、1.5〜100gがより好ましい。
【0054】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、焼成処理するのが好ましい。好ましい焼成温度の範
囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また焼成時間は10分〜10時間程度
である。透明導電性ガラス支持体を用いる場合の好まし
い焼成温度範囲は350℃以上550℃未満であり、特に好ま
しくは400℃以上500℃未満である。ポリマーフィルムの
ように融点や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処
理は支持体の劣化を招くため、好ましくない。またコス
トの観点からもできる限り低温であるのが好ましい。低
温化は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併
用や鉱酸の存在下での加熱処理等により可能となる。
【0055】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導
体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩
化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン
水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0056】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0057】(3)色素 感光層に使用する色素は金属錯体色素、フタロシアニン
系の色素またはメチン色素が好ましい。光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二
種類以上の色素を混合することができる。また目的とす
る光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する
色素とその割合を選ぶことができる。
【0058】感光層が空隙率の異なる2層以上の半導体
層から構成される場合、各半導体層ごとに同じ色素で増
感しても良いし、異なる色素で増感しても良い。
【0059】こうした色素は半導体微粒子の表面に対す
る適当な結合基(interlocking group)を有しているの
が好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、
SOH基、シアノ基、-P(O)(OH)基、-OP(O)(OH)基、
またはオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サ
リチレートおよびα-ケトエノレートのようなπ伝導性
を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、
-P(O)(OH)基、-OP(O)(OH)基が特に好ましい。これ
らの基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、ま
た分子内塩を形成していてもよい。またポリメチン色素
の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環
を形成する場合のように酸性基を含有するなら、この部
分を結合基としてもよい。
【0060】以下、感光層に用いる好ましい色素を具体
的に説明する。
【0061】(a)金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属原子はルテニウム
Ruであるのが好ましい。ルテニウム錯体色素としては、
例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365
号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7
-249790号、特表平10-504512号、世界特許98/50393号等
に記載の錯体色素が挙げられる。
【0062】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A)Ru(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1はC
l、SCN、HO、Br、I、CN、NCOおよびSeCNからなる群か
ら選ばれた配位子を表し、pは0〜3の整数である。B-
a、B-bおよびB-cはそれぞれ独立に下記式B-1〜B-8:
【0063】
【化1】
【0064】(ただし、R11は水素原子または置換基を
表し、置換基としてはたとえば、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子
数7〜12の置換または無置換のアラルキル基、あるいは
炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基、カ
ルボン酸基、リン酸基(これらの酸基は塩を形成してい
てもよい)が挙げられ、アルキル基およびアラルキル基
のアルキル部分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリ
ール基およびアラルキル基のアリール部分は単環でも多
環(縮合環、環集合)でもよい。)により表される化合
物から選ばれた有機配位子を表す。B-a、B-bおよびB-c
は同一でも異なっていても良い。
【0065】金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】
【化2】
【0067】
【化3】
【0068】
【化4】
【0069】(b)メチン色素 本発明で好ましく用いられるメチン色素は、特開平11
−35836号、特開平11−158395号、特開平
11−163378号、特開平11−214730号、
特開平11−214731号、欧州特許892411号
および同911841号の各明細書に記載の色素であ
る。これらの色素の合成法については、エフ・エム・ハ
ーマー(F.M.Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウ
ンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパ
ウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Rel
ated Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サン
ズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、
1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)
著「Heterocyclic Compounds-Special topics in heter
ocyclic chemistry」、第18章、第14節、第482
から515頁、ジョン ・ウィリー・アンド・サンズ(Jo
hn Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、197
7年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コ
ンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」
2nd.Ed.vol.IV,part B,1977刊、第15章、第36
9から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック
・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing C
ompany Inc.)社刊、ニューヨーク、英国特許第1,077,61
1号、Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal, 第40巻、第
3号、253〜258頁、Dyes and Pigments, 第21
巻、227〜234頁およびこれらの文献に引用された
文献になどに記載されている。
【0070】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。な
お浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、
特開平7-249790号に記載されているように加熱還流して
行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤー
バー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、
カーテン法、スピン法、スプレー法等があり、印刷方法
としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印
刷等がある。溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択で
きる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノー
ル、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル
類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプ
ロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水
素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミ
ド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタ
ミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾ
リジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢
酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエ
チル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類
(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化
水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン
等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0071】色素の溶液の粘度についても、半導体層の
形成時と同様に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)で
はエクストルージョン法の他に各種印刷法が適当であ
り、また低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン法が適当であ
り、いずれも均一な膜にすることが可能である。
【0072】このように色素の塗布液の粘度、塗布量、
導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素の吸着方
法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0073】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好まし
い。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、
アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好
ましい。また色素の吸着量を増大させるため、吸着前に
加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒
子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。
【0074】色素の全使用量は、導電性支持体の単位表
面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好ましい。また色
素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g
当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような色
素の吸着量とすることにより、半導体における増感効果
が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増
感効果が不十分となり、また色素が多すぎると、半導体
に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる
原因となる。
【0075】会合のような色素同士の相互作用を低減す
る目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させて
もよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシ
ル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコ
ール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用する
こともできる。
【0076】余分な色素の除去を促進する目的で、色素
を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を
処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、
4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ
る。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有
機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0077】(C)電荷移動層 電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いるこ
とのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、固体
中のキャリアー移動が正孔(ホール)となる正孔輸送材
料、酸化還元対のイオンが溶解した溶液(電解液)、
酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスのゲルに含浸し
たいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオンを含有する溶
融塩電解質、さらには固体電解質等のイオン輸送材料が
挙げられる。これらは併用することもできる。
【0078】(1)正孔輸送材料 本発明では、有機または無機あるいはこの両者を組み合
わせた正孔輸送材料を使用することができる。
【0079】(a)有機正孔輸送材料 本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、N,N'-
ジフェニル-N,N'-ビス(4-メトキシフェニル)-(1,1'-ビ
フェニル)-4,4'-ジアミン(J.Hagen et al.,Synthetic M
etal 89(1997)215-220)、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-
ジ-p-メトキシフェニルアミン)9,9'-スピロビフルオレ
ン(Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585およびWO97
/10617)、1,1-ビス{4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニ
ル}シクロヘキサンの3級芳香族アミンユニットを連結
した芳香族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公
報)、4,4,-ビス[(N-1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]
ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2
個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミ
ン(特開平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼン
の誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミ
ン(米国特許第4,923,774号、特開平4−308688号公
報)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)
-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミ
ン(米国特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テト
ラメチル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)
-p-キシレン(特開平3-269084号公報)、p-フェニレン
ジアミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリ
フェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピ
レニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物
(特開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族ア
ミンユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4-2641
89号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特
開平4-290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4-364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結
したもの(特開平5-25473号公報)、トリアミン化合物
(特開平5-239455号公報)、ピスジピリジルアミノビフ
ェニル(特開平5-320634号公報)、N,N,N-トリフェニル
アミン誘導体(特開平6-1972号公報)、フェノキザジン
構造を有する芳香族ジアミン(特開平7-138562号)、ジ
アミノフェニルフエナントリジン誘導体(特開平7-2524
74号)等に示される芳香族アミン類を好ましく用いるこ
とができる。
【0080】また、α-オクチルチオフェンおよびα,ω
-ジヘキシル-α-オクチルチオフェン(Adv. Mater. 199
7,9,N0.7,p557)、ヘキサドデシルドデシチオフェン(An
gew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, No.3,p303-30
7)、2,8-ジヘキシルアンスラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェ
ン(JACS,Vol120, N0.4,1998,p664-672)等のオリゴチオ
フェン化合物、ポリピロール(K. Murakoshi et al.,;C
hem. Lett. 1997, p471)、“Handbook of Organic Con
ductive Molecules and Polymers Vol.1,2,3,4"(NALWA
著、WILEY出版)に記載されているポリアセチレンおよ
びその誘導体、ポリ(p-フェニレン) およびその誘導
体、ポリ( p-フェニレンビニレン) およびその誘導体、
ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフ
ェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導
体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子
を好ましく使用することができる。この中で特に好まし
いのは2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェ
ニルアミン)9,9'-スピロビフルオレンおよびその類似
化合物である。
【0081】正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vol.3
95, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているようにドー
パントレベルをコントロールするためにトリス(4-ブロ
モフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートの
ようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加した
り、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層
の補償)を行うためにLi[(CF2SO2)2N]のような塩を添加
しても構わない。
【0082】(b)無機正孔輸送材料 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用
いることができる。p型無機化合物半導体のバンドギャ
ップは色素吸収を妨げないため大きいことが好ましい。
p型無機化合物半導体のバンドギャップは、2eV以上で
あることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好
ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテン
シャルは色素ホールを還元するためには、色素吸着電極
のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。
本発明の光電変換素子に使用する色素によって電荷移動
層に使用するp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシ
ャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以
上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.
3eV以下であることが好ましい。本発明に好ましく使用
されるp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半
導体であり、一価の銅を含む化合物半導体としてはCuI,
CuSCN, CuInSe2, Cu(In,Ga)Se2, CuGaSe2, Cu 2O, CuS,
CuGaS2, CuInS2, CuAlSe2などが挙げられる。この中で
もCuIおよび CuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。銅
を含む化合物以外に用いることができるp型無機化合物
半導体としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、C
r2O3等を挙げることができる。また、本発明のp型無機
化合物半導体を含有する電荷移動層の好ましいホール移
動度は10-4cm2/V・sec以上104cm2/V・sec以下であり、
さらに好ましくは10-3cm2/V・sec以上103cm2/V・sec以
下である。さらに、本発明の電荷移動層の好ましい導電
率は10-8S/cm以上102S/cm以下であり、さらに好ましく
は10-6S/cm以上10S/cm以下である。
【0083】また、本発明のp型無機化合物半導体を塗
布方法によって電極に導入する場合、塗布状態を改善し
たり、電極への浸透を促進する目的で、種々の添加剤を
加えることができるが、好ましい添加剤としては、ラウ
リン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウムなど高級脂肪酸のアルカリ金属塩類(セッ
ケン)、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫
酸エステルナトリウム塩などの高級アルコール硫酸エス
テルナトリウム塩類、ラウリルアルコールエチレンオキ
サイド付加物硫酸エステル塩などの高級アルキルエーテ
ル硫酸エステル塩類、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステ
ル、硫酸化脂肪酸類、硫酸化オレフィン、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム塩類、アルキルアリールスルホン酸塩、
ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、α-オレフィ
ンスルホン酸塩類、オレイル(N-メチル)タウライドな
どアルキル(N-メチル)タウライド類、スルホコハク酸
ジ-2-エチルヘキシルエステルナトリウムなどスルホコ
ハク酸ジエステル型界面活性剤、高級アルコールリン酸
モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジ
エステルモノナトリウム塩、高級アルコールエチレンオ
キサイド付加物のリン酸エステル塩、ジアルキルジチオ
リン酸亜鉛などの界面活性剤、チオシアン酸塩、後述す
る溶融塩、前述の有機正孔輸送材料およびNiI2、PtI2
AgI、AuI3、ZnI2、TiI4、CoI2・2H2O、PdI2、GaI3、In
I、InI3、SnI4、SbI3、LiI、KI、MgI2、BaI2・2H2O、MnI
2、ScI3、YI3、PrI3、NdI3等の金属ヨウ化物などが挙げ
られる。この中でも特にチオシアン酸塩が特に好まし
い。以下に本発明でp型半導体と好ましく組み合わせて
使用されるチオシアン酸塩を列挙するが本発明はこれに
限定されるものではない。
【0084】
【化5】
【0085】
【化6】
【0086】(2)溶融塩電解質 溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観
点から好ましい。本発明の光電変換素子に溶融塩電解質
を用いる場合は、例えばWO95/18456号、特開平8-259543
号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記
載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリ
アゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を用いることができ
る。
【0087】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0088】
【化7】
【0089】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0090】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0091】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0092】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0093】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4
うち2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環
を形成してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち
2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0094】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0095】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0096】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、NSC-、BF4 -、P
F6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -
CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-等が好ましい例として挙
げられ、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好まし
い。また、LiIなど他のヨウ素塩を添加することもで
きる。
【0097】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0098】
【化8】
【0099】
【化9】
【0100】
【化10】
【0101】
【化11】
【0102】
【化12】
【0103】
【化13】
【0104】
【化14】
【0105】上記溶融塩電解質には、溶媒を用いない方
が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶
融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上
であるのが好ましい。また、塩のうち、50質量%以上が
ヨウ素塩であることが好ましく、70%以上であることが
さらに好ましい。
【0106】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質
量%であるのがより好ましい。
【0107】(3)電解液 電荷移動層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、
溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本
発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物と
してはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 などの金属ヨウ化物、
あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリ
ジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4
級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br2と臭化物
の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBr、CsB
r、CaBr2 などの金属臭化物、あるいはテトラアルキル
アンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど
4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロ
シアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン-フェリシ
ニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、ア
ルキルチオール-アルキルジスルフィドなどのイオウ化
合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用
いることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウム
ヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモ
ニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が本発明
では好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよ
い。
【0108】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以下で
あり、さらに好ましくは0.2M以上10M以下である。ま
た、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の
添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0109】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-
オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコ
ールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアル
キルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルな
どの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、ス
ルフォランなど非プロトン極性物質、水などを用いるこ
とができる。
【0110】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性
化合物を添加することもできる。塩基性化合物を添加す
る場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下である。
【0111】(4)ゲル電解質 本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添
加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応
等の手法によりゲル化(固体化)させて使用することも
できる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、“Po
lymer Electrolyte Reviews-1および2”(J.R.MacCallum
とC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に
記載された化合物を使用することができるが、特にポリ
アクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使
用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化
させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 4
6,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J.
Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 390, Angew. Che
m. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett.,199
6, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1997,545に記
載されている化合物を使用することができるが、好まし
い化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物であ
る。
【0112】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0113】(5)電荷移動層の形成
【0114】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つは増感色素を担持させた半導体
層の上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状
の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1つは半導体
層上に直接電荷移動層を付与する方法で、対極はその後
付与することになる。
【0115】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0116】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体層や色素の付与と同様
に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアーナイフ法、
エクストルージョン法、スライドホッパー法、ワーヤー
バー法、スピン法、スプレー法、キャスト法、各種印刷
法等が考えられる。
【0117】固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材
料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理
で電荷移動層を形成し、その後対極を付与することもで
きる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,塗
布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重
合法等の手法により電極内部に導入することができる。
無機固体化合物の場合も、キャスト法,塗布法,スピン
コート法、浸漬法、電解メッキ法等の手法により電極内
部に導入することができる。
【0118】量産化を考えると、固体化できない電解液
や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエッ
ジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化可
能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層を
膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方法
により固体化することがより好ましい。このように膜付
与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよい。
【0119】なお、電荷移動層中の水分としては10,000
ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下で
あり、特に好ましくは100ppm以下である。
【0120】(D)対極 対極は、光電変換素子の正極として作用するものであ
る。対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料か
らなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と
支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用い
る導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、ア
ルミニウム、マグネシウム、ロジウム、インジウム
等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)
が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用するこ
とができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスま
たはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布ま
たは蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限され
ないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属製
である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であ
り、さらに好ましくは5nm〜3μmの範囲である。対極
層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲と
しては80Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□
以下である。
【0121】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0122】対極は、電荷移動層上に直接導電材を塗
布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有
する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性
支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対
極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好まし
い。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、
金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体
の場合と同じである。
【0123】(E)その他の層 電荷移動層に正孔輸送材料を用いる場合、対極と導電性
支持体の短絡を防止するため、予め導電性支持体と感光
層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として塗設し
ておくことが好ましい。下塗り層として好ましいのはTi
O2、SnO2、Fe2O 3、WO3、ZnO、Nb2O5であり、さらに好ま
しくはTiO2である。下塗り層はElectrochimi. Acta 40,
643-652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス
法により塗設することができる。下塗り層の好ましい膜
厚は5〜1000nm以下であり、10〜500nmがさらに好まし
い。
【0124】また、電極として作用する導電性支持体お
よび対極の一方または両方に、保護層、反射防止層等の
機能性層を設けても良い。このような機能性層を多層に
形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用でき
るが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。
同時多層塗布法では、生産性および塗膜の均一性を考え
た場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が
適している。これらの機能性層の形成には、その材質に
応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0125】(F)光電変換素子の内部構造の具体例 上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造
が可能である。図2〜図11に本発明に好ましく適用で
きる光電変換素子の内部構造を例示する。それぞれの図
において、第一半導体層の空隙率が最も小さく、以降の
感光層の空隙率がその順に大きくなるよう構成するのが
好ましい。
【0126】図2は、透明導電層10aと透明対極導電層4
0aとの間に、第一半導体層20および第二半導体層25から
なる感光層と、電荷移動層30とを介在させたものであ
り、両面から光が入射する構造となっている。
【0127】図3は、透明基板50a上に一部金属リード1
1を設け、さらに透明導電層10aを設け、下塗り層60、第
一半導体層20及び第二半導体層25からなる感光層、電荷
移動層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに支
持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射
する構造となっている。
【0128】図4は、支持基板50上にさらに導電層10を
有し、下塗り層60を介して第一半導体層20および第二半
導体層25からなる感光層を設け、さらに電荷移動層30と
透明対極導電層40aとを設け、一部に金属リード11を設
けた透明基板50aを、金属リード11側を内側にして配置
したものであり、対極側から光が入射する構造である。
【0129】図5は、透明基板50a上に一部金属リード1
1を設け、さらに透明導電層10aを設けたものの間に下塗
り層60と、第一半導体層20および第二半導体層25からな
る感光層と、電荷移動層30とを介在させたものであり、
両面から光が入射する構造である。
【0130】図6は、透明基板50a上に透明導電層10a、
第一半導体層20及び第二半導体層25からなる感光層、電
荷移動層30および対極導電層40を設け、この上に支持基
板50を配置したものであり導電層側から光が入射する構
造である。
【0131】図7は、支持基板50上に導電層10を有し、
下塗り層60を介して第一半導体層20および第二半導体層
25からなる感光層を設け、さらに電荷移動層30および透
明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置し
たものであり、対極側から光が入射する構造である。
【0132】図8は、透明基板50a上に透明導電層10aを
有し、下塗り層60を介して第一半導体層20および第二半
導体層25からなる感光層を設け、さらに電荷移動層30お
よび透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを
配置したものであり、両面から光が入射する構造となっ
ている。
【0133】図9は、支持基板50上に導電層10を設け、
下塗り層60を介して第一半導体層20および第二半導体層
25からなる感光層を設け、さらに固体の電荷移動層30を
設け、この上に一部対極導電層40または金属リード11を
有するものであり、対極側から光が入射する構造となっ
ている。
【0134】図10は基板50もしくは50a上に導電層10
もしくは10aを有し、下塗り層60を介して第一半導体層2
0、第二半導体層25及び第三半導体層26を設け、さらに
電荷移動層30および対極導電層40もしくは40a、さらに
基板50もしくは50aを設けた感光層が三層構成となった
構造である。
【0135】図11は基板50もしくは50a上に導電層10
もしくは10aを有し、下塗り層60を介して第一半導体層2
0、第二半導体層25、第三半導体層26および第四半導体
層27を設け、さらに電荷移動層30および対極導電層40も
しくは40a、さらに基板50もしくは50aを設けた感光層が
四層構成となった構造である。
【0136】〔2〕太陽電池 本発明の太陽電池は、上記光電変換素子に外部回路で仕
事をさせるようにしたものであり、そのセル内部の構造
は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。
太陽電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するため
に、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好まし
い。導電性支持体および対極にリードを介して接続され
る外部回路自体は公知のもので良い。以下、本発明の光
電変換素子を用いた太陽電池のモジュール構造について
説明する。
【0137】本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太
陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造を
とりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セ
ラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を
充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から
光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の
透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支
持基板側から光を取り込む構造とすることも可能であ
る。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブスト
レートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュー
ル構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられ
る基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明
の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境
により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
【0138】代表的なスーパーストレートタイプあるい
はサブストレートタイプのモジュールは、片側または両
側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定
間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード
またはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に
集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り
出される構造となっている。基板とセルの間には、セル
の保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニ
ルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料
をフィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、
外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆
う必要のない場所において使用する場合には、表面保護
層を透明プラスチックフィルムで構成し、または上記充
填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片
側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周
囲は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するた
め金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基
板とフレームの間は封止材料で密封シールする。また、
セルそのものや支持基板、充填材料および封止材料に可
撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成する
こともできる。
【0139】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材料−セル間接続用リード線、背面封止材料
等と共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを
乗せ、外縁部にフレームをセットして作製することがで
きる。
【0140】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード
線、封止材料等と共に順次積層した後、フロントカバー
を乗せ、周縁部にフレームをセットして作製することが
できる。
【0141】本発明の光電変換素子を基板一体型モジュ
ール化した構造の一例を図12に示す。図12は、透明な基
板50aの一方の面上に透明な導電層10aを設けた後、下塗
り層60を設置し、この上にさらに色素吸着半導体を含有
した第一半導体層20(空隙率小)および第二半導体層25
(空隙率大)、電荷移動層30および金属対極導電層40を
設けたセルがモジュール化されており、基板50aの他方
の面には反射防止層70が設けられている構造を表す。こ
のような構造とする場合、入射光の利用効率を高めるた
めに、感光層20の面積比率(光の入射面である基板50a
側から見たときの面積比率)を大きくした方が好まし
い。
【0142】図12に示した構造のモジュールの場合、基
板上に透明導電層、感光層、電荷移動層、対極等が立体
的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ、選択
エッチング、CVD、PVD等の半導体プロセス技術、あるい
はパターン塗布または広幅塗布後のレーザースクライビ
ング、プラズマCVM(Solar Energy Materials and Sola
r Cells, 48, p373-381等に記載)、研削等の機械的手
法等によりパターニングすることで所望のモジュール構
造を得ることができる。
【0143】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、耐候性付与、電気絶縁性付与、
集光効率向上、セル保護性(耐衝撃性)向上等の目的に
応じ液状EVA(エチレンビニルアセテート)、フィルム
状EVA、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹脂の混
合物等、様々な材料が使用可能である。モジュール外縁
と周縁を囲むフレームとの間は、耐候性および防湿性が
高い封止材料を用いるのが好ましい。また、透明フィラ
ーを封止材料に混入して強度や光透過率を上げることが
できる。
【0144】封止材料をセル上に固定するときは、材料
の物性に合った方法を用いる。フィルム状の材料の場合
はロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等、液ま
たはペースト状の材料の場合はロールコート、バーコー
ト、スプレーコート、スクリーン印刷等の様々な方法が
可能である。
【0145】支持基板としてPET、PEN等の可撓性素材を
用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してその上に
セルを構成した後、上記の方法で連続して封止層を積層
することができ、生産性が高い。
【0146】発電効率を上げるために、モジュールの光
取り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には
反射防止処理が施される。反射防止処理方法としては、
反射防止膜をラミネートする方法、反射防止層をコーテ
ィングする方法がある。
【0147】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって、入射
した光の利用効率を高めることが可能である。
【0148】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要であるが、光電変
換層を透過してその内側まで到達した光を反射させて光
電変換層側に効率良く戻すことも重要である。光の反射
率を高める方法としては、支持基板面を鏡面研磨した
後、AgやAl等を蒸着またはメッキする方法、セルの最下
層にAl−MgまたはAl−Tiなどの合金層を反射層として設
ける方法、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作る方法等がある。
【0149】また、発電効率を上げるためにはセル間接
続抵抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味
で重要である。セル同士を接続する方法としては、ワイ
ヤーボンディング、導電性フレキシブルシートによる接
続が一般的であるが、導電性粘着テープや導電性接着剤
を用いてセルを固定すると同時に電気的に接続する方
法、導電性ホットメルトを所望の位置にパターン塗布す
る方法等もある。
【0150】ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体
を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出し
ながら前述の方法によって順次セルを形成し、所望のサ
イズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のあ
る素材でシールすることにより電池本体を作製できる。
また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,
p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とす
ることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太
陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもで
きる。
【0151】以上詳述したように、使用目的や使用環境
に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池を製作する
ことができる。
【0152】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積20
0mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエ
ロジル社 Degussa p-25)15g、水45g、分散剤(ア
ルドリッチ社製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジ
ルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンド
グラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rp
mにて2時間分散した。分散物からジルコニアビーズを
ろ過して除いた。この場合の二酸化チタン分散物の平均
粒径は2.5μmであった(一次粒子の粒径は20nm〜30n
m)。このときの粒径はMALVERN社製マスターサイザーに
て測定したものである。
【0153】2.色素を吸着したTiO2電極の作製 2-1.積層電極 素子構造が図1の態様となるようフッ素をドープした酸
化スズをコーティングした導電性ガラス(日本板硝子
製;25mm×100mm、面積抵抗10Ω/□)の導電面側の一部
(端から5mm)をガラスで覆って保護した後、Electroch
imi. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているスプレ
ーパイロリシス法により二酸化チタン薄膜(膜厚60nm)
を形成した。導電面側の一部(端から6mm)に粘着テー
プを張ってスペーサーとし、この上にガラス棒を用いて
表1に記される第一半導体層の二酸化チタン分散液を塗
布した。粘着テープを剥離し、室温で1時間風乾した。
この後、表1に焼成処理が有りと記載された電極(E-6
およびE-13以外の電極)を焼成(電気炉(ヤマト科学製
マッフル炉FP-32型)に入れ、450℃で30分間熱処理)し
た。
【0154】第二半導体層も表1に記載された塗布組成
で第一半導体層と同様に塗布し、粘着テープを剥離し、
室温で1時間風乾した。次に、このガラスを同様に焼成
処理した後ガラスを取り出し、7分間冷却した後、表2
に示す色素のエタノール溶液(3×10-4mol/L)に室温
で12時間浸漬した。色素吸着済みガラスをアセトニトリ
ルで洗浄し自然乾燥し、25mm×10mm幅に切断加工して電
極を得た。
【0155】2-2.比較用電極(CE-1〜CE-4) 素子構造が図1の態様となるよう前述の導電性ガラスの
導電面側の一部(端から5mm)をガラスで覆って保護し
た後、前述のスプレーパイロリシス法により二酸化チタ
ン薄膜(膜厚60nm)を形成した。この上に前述同様にガ
ラス棒を用いて表1記載の二酸化チタン分散液を塗布し
た。粘着テープを剥離し、室温で1時間風乾した後、前
記積層セルと同様に焼成した。
【0156】第二半導体層は、表1記載の分散液を塗布
し、第一半導体層と同様に剥離、風乾および焼成処理を
行なった。
【0157】焼成後ガラスを取り出し、7分間冷却した
後、表2に示す色素のエタノール溶液3×10-4mol/L)
に室温で12時間浸漬した。色素吸着済みガラスをアセト
ニトリルで洗浄し自然乾燥し、25mm×10mm幅に切断加工
して比較用電極を得た。
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】3.電荷移動層および光電変換素子の作製 CuI、有機正孔輸送材料、溶融塩電解質、湿式電解質と
いう異なる4タイプの電荷移動層を有する光電変換素子
を作製した。
【0161】(1)CuI(光電変換素子A) CuIのアセトニトリル溶液(3.2質量%)に、表2に記載さ
れた添加剤を添加、溶解して塗布液を作製する(塗布液
A)。上記2.で作製した電極の導電面露出部分およびセ
ルの周辺1mm幅を粘着テープで保護し、100℃に過熱した
ホットプレートに載せて2分間放置した。0.2mlの塗布
液A をエッペンドルフを用いて10分程度で、アセトニト
リルを揮発させながらゆっくりに加えた。塗布後、2分
間ホットプレート上に放置し、白金を前述の導電性ガラ
ス上に蒸着した基板でサンドイッチし、光電変換素子を
作製した。
【0162】(2)有機正孔輸送材料(光電変換素子B) 上記2.で作製した電極上に、2,2',7,7'-テトラキス
(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)9,9`-スピロフル
オレン0.17M、 トリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘ
キサクロロアンチモネート0.33mM、Li[(CF3SO2)2N] 15
mMのクロロベンゼン/アセニトリル=100/5(体積比)溶
液を30μLに加え、スピンコート(1000rpm、60秒)し
た。この後、80℃で減圧乾燥し、さらに金蒸着し光電変
換素子を得た。
【0163】(3)溶融塩電解質(光電変換素子C) 上記2.で作製した電極をこれと同じ大きさの白金蒸着
ガラスと重ねあわせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管
現象を利用して以下に示されるY-AおよびY-Bを質量比で
70:30となるよう混合し、さらに、この混合溶融塩に対
し2質量%のヨウ素を加えた溶融塩電解質を染み込ませ
て光電変換素子を作製した。
【0164】
【化15】
【0165】(4)湿式電解質(光電変換素子D) 上記2.で作製した電極をこれと同じ大きさの白金蒸着
ガラスと重ねあわせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管
現象を利用して電解液(アセトニトリルと3-メチル-2-
オキサゾリジノンの体積比90対10の混合物を溶媒とした
沃素0.05mol/L、沃化リチウム0.5mol/Lの溶液)を染
み込ませて光電変換素子を作製した。
【0166】これにより、図1に示したとおり、ガラス
50a、導電層10 a、TiO2下塗り層60、色素の吸着したTiO
2電極層20および25、電荷輸送層30、対極層40が順に積
層された光電変換素子が作製された。
【0167】4.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィルタ
ー(Oriel社製AM1.5)を通すこと により模擬太陽光を
発生させた。この光の強度は100mW/cm2であった。前述
の光電変換素子の導電性ガラスと対向電極層にそれぞ
れ、ワニ口クリップを接続し、模擬太陽光を照射し、発
生した電流を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)
にて測定した。このとき実施例11〜13及び比較例4、5の
セルは70℃に加熱して、これら以外のセルは室温で測定
を行なった。これにより求められた太陽電池の短絡電流
密度(JSC)、開放電圧(VOC)、形状因子(ff)、および変換
効率(η)を一括して表3に記載した。
【0168】
【表3】
【0169】表3中の実施例1と比較例1、実施例10と
比較例3、実施例11と比較例4、実施例14と比較例6を
比較すると、本発明の光電変換素子が比較例と比べ光電
変換効率、特に短絡電流密度が大きいことが明らかであ
る。
【0170】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光電変換
素子は光電変換効率に優れ、特に短絡電流密度が大き
い。かかる光電変換素子からなる光電池は太陽電池とし
て極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図10】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図11】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図12】 本発明の光電変換素子を用いた基板一体型太
陽電池モジュールの構造の一例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
10・・・導電層 10a・・・透明導電層 11・・・金属リード 20・・・第一半導体層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電荷輸送材料 25・・・第二半導体層 26・・・第三半導体層 27・・・第四半導体層 30・・・電荷移動層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層 70・・・反射防止層

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体、感光層、電荷移動層及び
    対極の順に積層された光電変換素子において、前記感光
    層は、色素を吸着した半導体微粒子及び当該半導体微粒
    子の間の空隙に充填された電荷輸送材料からなり、導電
    性支持体方向へ向かって半導体微粒子の間の空隙率が小
    さくなることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、前記感光層は、空隙率の異なる2層以上の半導体微
    粒子含有層からなることを特徴とする光電変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光電変換素子に
    おいて、前記感光層の空隙総量の少なくとも1体積%が、
    半導体微粒子分散物に添加したポリマーを熱分解するこ
    とにより形成されることを特徴とする光電変換素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光電変換素子におい
    て、前記ポリマーの少なくとも一部が、平均粒径が30nm
    以上の不溶性のポリマー粒子であることを特徴とする光
    電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光電変換素子におい
    て、前記ポリマー粒子が、メチルメタクリレートまたは
    スチレンを構成単位として含有することを特徴とする光
    電変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の光電変換素子に
    おいて、前記ポリマー粒子の添加量が同一層の半導体微
    粒子に対して5質量%以上200質量%未満であることを
    特徴とする光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記感光層の空隙総量の少なくとも1
    体積%が、導電性支持体上に半導体微粒子含有層を形成
    した後、半導体微粒子の一部を除去する操作により形成
    されていることを特徴とする光電変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光電変換素子におい
    て、前記操作が直径2mm以下の金属針を電極に接触させ
    る操作であることを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記電荷移動層が、一価の銅を含む化
    合物半導体を含有することを特徴とする光電変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光電変換素子におい
    て、前記一価の銅を含む化合物半導体がCuIであること
    を特徴とする光電変換素子。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光電変換素子にお
    いて、前記電荷移動層がさらにチオシアン酸塩を含有す
    ることを特徴とする光電変換素子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれかに記載の光電
    変換素子において、前記電荷移動層が、溶融塩電解質を
    含有することを特徴とする光電変換素子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれかに記載の光電
    変換素子において、前記電荷移動層が、ピリジニウム
    塩、イミダゾリウム塩、アルキルアンモニウム塩から選
    択される化合物を含有することを特徴とする光電変換素
    子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の光
    電変換素子において、前記導電性支持体上に酸化物半導
    体からなる下塗り層が設けられていることを特徴とする
    光電変換素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の光
    電変換素子において、前記色素が、ルテニウム錯体色素
    又はポリメチン色素であることを特徴とする光電変換素
    子。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の光
    電変換素子において、前記半導体微粒子含有層が二酸化
    チタン微粒子から構成されることを特徴とする光電変換
    素子。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の光
    電変換素子を用いることを特徴とする太陽電池。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれかに記載の光
    電変換素子から構成されることを特徴とする太陽電池モ
    ジュール。
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