JP2001094130A - 光電変換素子、太陽電池及び新規オリゴピロール化合物 - Google Patents

光電変換素子、太陽電池及び新規オリゴピロール化合物

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JP2001094130A
JP2001094130A JP26750399A JP26750399A JP2001094130A JP 2001094130 A JP2001094130 A JP 2001094130A JP 26750399 A JP26750399 A JP 26750399A JP 26750399 A JP26750399 A JP 26750399A JP 2001094130 A JP2001094130 A JP 2001094130A
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Kentaro Shirato
健太郎 白土
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    • H01G9/20Light-sensitive devices
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶媒に可溶な有機正孔輸送材料を用いて、製
造適正、光電変換特性および耐久性に優れた乾式の色素
増感光電変換素子および太陽電池を提供する。 【解決手段】 少なくとも導電層、色素を吸着した半導
体微粒子含有層、正孔輸送層および対極を備えた光電変
換素子において、前記正孔輸送層が、重合度が50以下の
オリゴピロールを含有する光電変換素子および太陽電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造適性の優れた
有機正孔輸送材料を用いた、光電変換特性および耐久性
に優れる乾式の色素増感光電変換素子に関する。さらに
は、これを用いた太陽電池および太陽電池モジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題があった。
一方、大面積化や低価格化を指向した有機材料を用いた
太陽電池もこれまでにも多く提案されているが、変換効
率が低く、耐久性も悪いという問題があった。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等
に、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタ
ン多孔質薄膜を作用電極とする光電変換素子および太陽
電池、ならびにこれを作成するための材料および製造技
術が提案された。この方式の第一の利点は二酸化チタン
等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用
いることができるため、製造コストを安く抑えられる点
であり、第二の利点は用いられる色素の吸収がブロード
なため、可視光線のほぼ全波長領域の光を電気に変換で
きる点である。
【0004】しかし、この素子は、対極との電気的接続
を電解質溶液によって行う湿式太陽電池であるため、長
期にわたって使用すると電解液の枯渇により光電変換効
率が著しく低下したり、素子として機能しなくなること
があり信頼性に欠ける。
【0005】湿式太陽電池における経時での電解液の枯
渇を防ぐため、Synthetic Metals, 89, 215-220(1997)
およびNature,Vol.395, 8 October 1998, p583-585には
有機正孔輸送材料を用いて固体化した光電変換素子が提
案されている。しかしながら、これらの有機正孔輸送材
料を用いた光電変換素子は、湿式太陽電池と比べ光電変
換特性が大幅に劣っており、耐久性も不十分である。
【0006】また、Chem. Lett., 5, 471-472, 1997に
は、光電解酸化重合により作製したポリピロールを正孔
輸送層に用いた光電変換素子が記載されているが、光電
変換特性が不十分である上、塗布等の手法を用いた大面
積化に対応した製造が困難であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、適当
な溶媒に可溶であって製造適性の優れた有機正孔輸送材
料を用いて、光電変換特性および耐久性に優れた乾式の
色素増感光電変換素子および太陽電池を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、導電層、色素を吸着した半導体微
粒子含有層、正孔輸送層および対極を備えた光電変換素
子において、ピロールの重合度を50以下にコントロール
することにより、溶媒に可溶なオリゴピロールを得るこ
とができ、これを正孔輸送材料として用いることによ
り、製造適性、光電変換特性および耐久性に優れた色素
増感光電変換素子が得られることを見出し、本発明に想
到した。
【0009】すなわち本発明の光電変換素子および太陽
電池は、溶媒への溶解度を有し、かつ、優れた光電変換
特性、耐久性を与える重合度が50以下のオリゴピロール
化合物を用いたことを特徴とする。また、本発明の太陽
電池は上記光電変換素子を用いたことを特徴とする。
【0010】本発明はまた下記条件を満たすことによ
り、一層優れた光電変換特性および耐久性を有する光電
変換素子ならびに太陽電池が得られる。
【0011】(1) 前記オリゴピロールは下記一般式
(A):
【化5】 (一般式(A)において、X1およびX2はそれぞれ独立に水
素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24個ま
でのアルキル基、アリール基、-OR1基(R1は水素原子、
炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す)を表
し、X1とX2は共に環を形成していても構わない。Y1、Y2
はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換の炭素
原子数1から24個までのアルキル基、アリール基、芳香
族アミノ基を表す。Z1は水素原子、炭素原子数1から24
個までのアルキル基を表す。n1は2以上50以下の整数を
表す。)により表される化合物であることが好ましい。
【0012】(2) 前記オリゴピロールは下記一般式
(B):
【化6】 (一般式(B)において、X3、X4、X5、X6はそれぞれ独立
に水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24
個までのアルキル基、アリール基、-OR2基(R2は水素原
子、炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す)を
表し、X3とX4、X5とX6は共に環を形成していても構わな
い。Y3、Y4はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無
置換の炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリー
ル基、芳香族アミノ基を表す。Z2はそれぞれ独立に水素
原子、炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す。
n2、n3はそれぞれピロールユニット、チオフェンユニッ
トの重合度を表し、n2は2以上49以下の整数であり、n3
は1以上48以下の整数であり、n2、n3の和は3以上50以下
の整数である。各ユニットはランダムに重合している
が、両末端はピロールユニットからなる。)により表さ
れるチオフェンおよび/またはチオフェン誘導体とのミ
ックスオリゴマーであることが好ましい。
【0013】(3) 前記オリゴピロールは下記一般式
(C):
【化7】 (一般式(C)において、L1は炭素原子数1から24個まで
のm価の連結基を表し、mは2以上6以下の整数である。
X7、X8はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換
の炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリール
基、-OR3基(R3は水素原子、炭素原子数1から24個まで
のアルキル基を表す)を表し、X7とX8は共に環を形成し
ても構わない。Y5は水素原子、置換もしくは無置換の炭
素原子数1から24個までのアルキル基、アリール基、芳
香族アミノ基を表す。 Z3は水素原子、炭素原子数1か
ら24個までのアルキル基を表す。n4は1以上49以下の整
数を表すが、分子内のオリゴピロールの重合度が50を超
えることはない。)により表される化合物であることが
好ましい。
【0014】(4) 一般式(A)において、前記Y1、Y2
はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子数1か
ら24個までのアルキル基、アリール基であることが好ま
しい。
【0015】(5) 一般式(B)において、前記Y3、Y4
はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子数1か
ら24個までのアルキル基、アリール基であることが好ま
しい。
【0016】(6) 一般式(C)において、前記Y5は置
換もしくは無置換の炭素原子数1から24個までのアルキ
ル基、アリール基であることが好ましい。
【0017】(7) 一般式(A)〜(C)により表されるオ
リゴピロールの重合度は30以下であることが好ましい。
【0018】(8) 前記導電層と半導体微粒子含有層
の間に酸化物半導体からなる下塗り層が設けられている
ことが好ましい。
【0019】(9) 前記色素はルテニウム錯体色素及
び/又はポリメチン色素であることが好ましい。
【0020】(10) 前記半導体微粒子含有層は二酸
化チタン微粒子から構成されることが好ましい。
【0021】(11) 前記一般式(A)により表される
オリゴピロール化合物のうち、特に下記一般式(a):
【化8】 (一般式(a)において、Ya、Ybはそれぞれ独立に置換も
しくは無置換の炭素原子数4から18個までの直鎖状のア
ルキル基を表し、qは3以上50以下の整数を表す。)によ
り表される化合物が好ましい。
【0022】(12) 前記一般式(a)において、前記q
が3以上30以下の整数であることが好ましいく、特に4
以上20以下の整数であることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】〔1〕光電変換素子 本発明の光電変換素子は、正孔輸送層に上述の重合度が
50以下のオリゴピロール化合物を有するものである。好
ましくは図1に示すように、導電層10、下塗り層60、感
光層20、正孔輸送層30、対極導電層40の順に積層し、前
記感光層20を色素22によって増感された半導体微粒子21
と当該半導体微粒子21の間の空隙に浸透した電解質23と
から構成する。電解質23は、正孔輸送層30に用いる材料
と同じ成分からなる。また光電変換素子に強度を付与す
るため、導電層10側および/または対極導電層40側に、
基板50を設けてもよい。以下本発明では、導電層10およ
び任意で設ける基板50からなる層を「導電性支持体」、
対極導電層40および任意で設ける基板50からなる層を
「対極」と呼ぶ。この光電変換素子を外部回路に接続し
て仕事をさせるようにしたものが太陽電池である。な
お、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50は、それ
ぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明基板50a
であっても良い。
【0024】図1に示す本発明の光電変換素子におい
て、色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光
層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素
22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯
に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。この
とき色素22等の分子は酸化体となっている。太陽電池に
おいては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしなが
ら対極導電層40および正孔輸送層30を経て色素22等の酸
化体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として
働く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20
との境界、感光層20と正孔輸送層30との境界、正孔輸送
層30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分
同士が相互に拡散混合していてもよい。以下各層につい
て詳細に説明する。
【0025】(A)正孔輸送層 本発明における正孔輸送層は色素の酸化体を迅速に還元
し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機
能を担う層である。本発明の正孔輸送層は、重合度が50
以下のオリゴピロールを主成分として構成されている。
当該オリゴピロールは、適当な溶剤に溶解性を有するた
め、製造適性に優れている。本発明に用いるオリゴピロ
ールとして好ましい構造は、下記一般式(A)〜(C)により
表される。
【0026】(i)一般式(A)により表されるオリゴピロー
【化9】
【0027】一般式(A)において、X1およびX2はそれぞ
れ独立に水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1
から24個までのアルキル基、アリール基、-OR1基を表
し、それぞれ同じであっても異なっていても構わない。
R1は水素原子、炭素原子数1から24個までのアルキル基
を表すが、好ましくはメチル基、n-ブチル基、n-ヘキシ
ル基である。ここでX1とX2は共に環を形成しても構わな
い。好ましいX1とX2は水素原子である。
【0028】Y1、Y2はそれぞれ独立に水素原子、置換も
しくは無置換の炭素原子数1から24個までのアルキル
基、アリール基、芳香族アミノ基を表し、それぞれ同じ
であっても異なっていても構わない。本発明で好ましく
用いられる置換基としては、アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、アリル、シクロ
ヘキシル、ベンジル等)、アリール基(例えばフェニ
ル、ナフチルなど)、アシル基(例えばアセチル、ピバ
ロイル、ベンゾイル等)、エチレン性不飽和結合を含有
する基(エチニル基、スチリル基、アクリロイル基、メ
タクリロイル基)、オキシカルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシ
カルボニル、フェノキシカルボニル等)、スルホニル基
(例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニル、p-ト
ルエンスルホニル等)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、ベンジルオキシなど)、アリールオキシ
基(例えばフェノキシ等)、アミノ基(例えばジメチルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジ(4-メトキシフェニル)ア
ミノ基など)、フッ素、メルカプト基(例えばメチルチ
オ、フェニルチオなど)、シアノ基、アミド基(例えば
N-メチルアセトアミド等)、カルバモイル基(例えばN,
N-ジメチルカルバモイル等)、アシルオキシ基(たとえ
ばアセトキシ、ベンジルオキシ等)、スルホンアミド基
(N-メチルスルホンアミド等)、スルファモイル基(N,
N-ジメチルスルファモイル等)、ウレタン基(N-メチル
メトキシカルボニルアミノ等)、ウレイド基(例えばN,
N,N'-トリメチルウレイド等)が挙げられる。この中で
も炭素原子数1から18個までのアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、エチレン性不飽和結合を含む1価の
基、芳香族アミノ基が置換基として好ましい。好ましい
Y1、Y2は、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24個
までのアルキル基、アリール基であるが、さらに好まし
くはメチル基、ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル
基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-オクタデシル基、フ
ェニル基、ビフェニル基、トリフェニレン基、9-カルバ
ゾール基、ジフェニルアミノ基またはジ(4-メトキシフ
ェニル)アミノ基である。
【0029】Z1は水素原子、炭素原子数1から24個まで
のアルキル基を表す。好ましいZ1は水素原子である。
【0030】n1は2以上50以下の整数を表す。n1の好ま
しい範囲は2以上30以下であり、さらに好ましくは2以上
20以下である。
【0031】一般式(A)により表されるオリゴピロール
のうち、特に好ましいものは下記一般式(a)により表さ
れる化合物である。
【化10】 一般式(a)において、Ya、Ybはそれぞれ独立に置換もし
くは無置換の炭素原子数4から18個までの直鎖状のアル
キル基を表し、それぞれ同じであっても異なっていても
構わない。好ましいYa、Ybはn-ブチル基、n-ヘキシル
基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-オク
タデシル基である。好ましい置換基は一般式(A)に記載
されたものと同義である。 qは3以上50以下の整数を表
す。qの好ましい範囲は3以上30以下であり、さらに好ま
しく4以上20以下である。
【0032】(ii)一般式(B)により表されるオリゴピロ
ール
【化11】
【0033】一般式(B)において、X3、X4、X5、X6はそ
れぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子
数1から24個までのアルキル基、アリール基、-OR2基を
表し、それぞれ同じであっても異なっていても構わな
い。R2は水素原子、炭素原子数1から24個までのアルキ
ル基を表す。ここでX3とX4、X5とX6は共に環を形成して
いても構わない。X5とX6が共に環を形成する場合、エチ
レンジオキシ基が形成されることが特に好ましい。ま
た、X3とX4が共に環を形成する場合はビシクロ環が縮環
した形で形成されることが好ましい。好ましいX3、X4
水素原子である。また、好ましいX5、X6としては、水素
原子、メチル基、ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル
基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-オクタデシル基、メ
トキシ基、n-ブトキシ基が挙げられる。
【0034】Y3、Y4はそれぞれ独立に水素原子、置換も
しくは無置換の炭素原子数1から24個までのアルキル
基、アリール基、芳香族アミノ基を表し、それぞれ同じ
であっても異なっていても構わない。Y3、Y4に対して好
ましく使用される置換基は、炭素原子数1から18個まで
のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、エチレン性
不飽和結合を含む1価の基、芳香族アミノ基である。好
ましいY3、Y4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭
素原子数1から24個までのアルキル基、アリール基であ
るが、さらに好ましくはメチル基、ブチル基、n-ヘキシ
ル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-オ
クタデシル基、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニ
レン基、9-カルバゾール基、ジフェニルアミノ基、ジ
(4-メトキシフェニル)アミノ基である。
【0035】Z2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数
1から24個までのアルキル基を表す。好ましいZ2は水素
原子である。
【0036】n2、n3はそれぞれピロールユニット、チオ
フェンユニットの重合度を表し、n2は2以上49以下の整
数であり、n3は1以上48以下の整数であり、n2、n3の和
は3以上50以下の整数である。各ユニットはランダムに
重合しているが、両末端はピロールユニットからなる。
n2、n3の和の好ましい範囲は3以上30以下であり、さら
に好ましくは3以上20以下である。n2の好ましい範囲は2
以上29以下であり、さらに好ましくは2以上19以下であ
る。n3の好ましい範囲は1以上28以下であり、さらに好
ましくは1以上18以下である。
【0037】(iii)一般式(C)により表されるオリゴピロ
ール
【化12】 一般式(C)において、L1は炭素原子数1から24個までのm
価の連結基であり、mは2以上6以下の整数である。好
ましいL1は、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24
個までのアルキレン基、フェニレン基、ビニレン基等の
2価の連結基、縮合多環式芳香族(トリフェニレン等)
や芳香族アミン(トリフェニルアミン等)等から誘導さ
れる2〜6価の連結基、あるいはこれらを組み合わせて
得られる2〜6価の連結基である。
【0038】X7、X8はそれぞれ独立に水素原子、置換も
しくは無置換の炭素原子数1から24個までのアルキル
基、アリール基、-OR3基を表し、それぞれ同じであって
も異なっていても構わない。R3は水素原子、炭素原子数
1から24個までのアルキル基を表すが、好ましくはメチ
ル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基である。ここでX7とX8
は共に環を形成しても構わない。好ましいX7、X8は水素
原子である。
【0039】Y5は水素原子、置換もしくは無置換の炭素
原子数1から24個までのアルキル基、アリール基、芳香
族アミノ基を表し、それぞれ同じであっても異なってい
ても構わない。Y5に対して好ましく使用される置換基
は、炭素原子数1から18個までのアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、エチレン性不飽和結合を含む1価の
基、芳香族アミノ基である。好ましいY5は、置換もしく
は無置換の炭素原子数1から24個までのアルキル基、ア
リール基であるが、さらに好ましくはメチル基、ブチル
基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデ
シル基、n-オクタデシル基、フェニル基、ビフェニル
基、トリフェニレン基、9-カルバゾール基、ジフェニル
アミノ基、ジ(4-メトキシフェニル)アミノ基である。
【0040】Z3は水素原子、炭素原子数1から24個まで
のアルキル基を表す。好ましいZ3は水素原子である。
【0041】n4は1以上49以下の整数を表すが、一般式
(C)により表される化合物全体の重合度が50を超える
ことはない。一般式(C)により表される化合物全体の
重合度の好ましい範囲は2以上30以下であり、さらに好
ましくは2以上20以下である。
【0042】一般式(A)〜(C)及び(a)において、複数存
在する同一記号で表される各置換基及び式(C)のn4は、
同じであっても異なっていてもよい。合成の容易性の観
点からは、同じ方が好ましい。
【0043】本発明で用いられるオリゴピロールの好ま
しいイオン化ポテンシャルは4.5〜6.0eVであることが好
ましく、さらに好ましくは4.8〜5.4eVである。また、本
発明の正孔輸送層の好ましいホール移動度は10-6〜102
cm2/V・secであり、さらに好ましくは10-4〜10 cm2/V・
secである。さらに、本発明の正孔輸送層の好ましい導
電率は10-8〜102 S/cmであり、さらに好ましくは10-6
10 S/cm未満である。
【0044】一般式(A)〜(C)で表されるオリゴピロール
はChem. Mater.1995, 7, 1984-1989やChem. Mater.199
7, 9, 723-729、さらにChem. Mater.Vol. 10, No.1, 19
98, 227-234に記載されているようにPd触媒を用いたSti
lle反応を用いて合成することができる。
【0045】本発明に好ましく使用できるオリゴピロー
ルの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】上記オリゴピロールを含む正孔輸送層には
導電率を向上するため、トリス(4-ブロモフェニル)アミ
ニウムヘキサクロロアンチモネート、NOPF6、SbCl5,
I2、Br2、HClO4、(n-C4H9)4ClO4、トリフルオロ酢酸、4
-ドデシルベンゼンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン
酸、FeCl3、AuCl3、NOSbF6、AsF5、NOBF4、LiBF4、H3[P
Mo 12O40]、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCN
Q)、などのアクセプタードーピング剤を添加すること
も好ましく行われる。該ドーピング剤の好ましい添加量
は前記オリゴピロールに対して0〜0.3(モル比)であ
り、さらに好ましくは0〜0.15である。また、正孔輸送
層内の正電荷による空間電荷層を補償するためにLi[(CF
3SO2)2N], Li[(C2F5SO2)2N] , LiClO4等の塩を添加する
ことも好ましい。塩を添加する場合の好ましい添加量は
前記オリゴピロールに対して0〜1(モル比)であり、
さらに好ましくは0〜0.5である。
【0051】本発明に用いるオリゴピロールがエチレン
性不飽和結合を側鎖に有する場合、膜強度や経時安定性
を向上させるため、本発明の正孔輸送層を重合により硬
化させることができる。重合は、加熱および/もしくはU
V光を用いたラジカル重合によって行うことが好まし
い。
【0052】オリゴピロールは、真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法などにより色素を
吸着した半導体微粒子含有層の上に導入することができ
るが、製造適性、コストパフォーマンス等の観点から、
塗布法によるのが好ましい。
【0053】真空蒸着法により正孔輸送層を形成する場
合、増感色素を担持した無機酸化物電極基板上に、一般
にボート加熱温度50〜400℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸
着速度0.01〜50nm/sec、基板温度-50〜+300℃、膜厚5n
m〜20μmの範囲で蒸着条件を適宜選択し、蒸着すること
ができる。
【0054】塗布法によって正孔輸送層を形成する場
合、正孔をトラップしにくいバインダー樹脂や、レベリ
ング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した
塗布溶液を調整し、スピンコート法、ディップコート
法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラ
ーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート
法、或いは、米国特許第2681294号記載のホッパーを使
用するエクストルージョンコート法、又は米国特許第27
61418号、同3508947号、同2761791号記載の多層同時塗
布方法等の方法により塗布、乾燥して正孔輸送層を形成
することができる。バインダー樹脂としては、チオフェ
ン化合物を含有する高分子、ポリスチレン、ポリシラン
類、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル
等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔
移動度を低下させることが多いので、添加する場合の好
ましい添加量は50重量%以下である。
【0055】好ましい態様によれば、図1に示すよう
に、正孔輸送層は対極40との境界から下塗り層60との境
界までの間に存在することになるが、正孔輸送層30のみ
の厚さ(感光層に浸透した分を含まない)は導電率の観
点から薄いことが好ましく、具体的には0.005〜50μmが
好ましく、0.01〜30μmがより好ましく、0.01〜10μmが
特に好ましい。
【0056】(B)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導
電層および基板の2層からなる。強度や密封性が十分に
保たれるような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必
要でない。
【0057】(1)の場合、導電層として金属のように
十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0058】(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズに
フッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚
さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0059】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0060】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であるこ
とを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が
特に好ましい。
【0061】透明導電性支持体としては、ガラスまたは
プラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物か
らなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したも
のが好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化
スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガ
ラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好ま
しい。また低コストでフレキシブルな光電変換素子また
は太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層
を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルム
の材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)、シンジオタクチックポリステレン
(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフ
ォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエ
ーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化
フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、
導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチック
の支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0062】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウムおよび銀が好ましい。金属リ
ードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、そ
の上にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜から
なる透明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電層
を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設
置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の
低下は好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%と
する。
【0063】(C)感光層 色素により増感された半導体微粒子を含む感光層におい
て、半導体微粒子はいわゆる感光体として作用し、光を
吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増
感された半導体微粒子では、光吸収およびこれによる電
子および正孔の発生は主として色素において起こり、半
導体微粒子はこの電子を受け取り、伝達する役割を担
う。
【0064】(1)半導体微粒子 半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムのよう
な単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲ
ニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、または
ペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ス
トロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウ
ム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用
することができる。
【0065】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレ
ン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の
化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カ
ドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−イン
ジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げ
られる。
【0066】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、Z
nS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuIn
S2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、Sn
O2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、
CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくはTiO2また
はNb 2O5であり、最も好ましくはTiO2である。
【0067】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、
製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム
等の観点からは多結晶が好ましい。
【0068】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜100μmが好
ましい。
【0069】粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混
合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm
以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度
の半導体粒子を混合してもよい。
【0070】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018
頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDe
gussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解
により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0071】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さ
らにゾル−ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ
・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第
12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーン
サイドらのケミカル・マテリアルズ,第10巻,第9号,
2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0072】(2)半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に
塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用する
こともできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液
の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式
の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法として
は、塗布法、印刷法が代表的である。
【0073】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0074】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助
剤として用いてもよい。
【0075】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58
-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許268
1294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライド
ホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好
ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ま
しい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよび
グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリ
ーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェ
ット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0076】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャス
ト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度液
(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイ
ヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にする
ことが可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘
度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能
である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗
布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよ
い。
【0077】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。多層塗布には、エクストルージョン法またはス
ライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場
合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次
重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスク
リーン印刷法も好ましく使用できる。
【0078】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。太陽電池に用いる場合、半導体微
粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより
好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.
5〜400gが好ましく、5〜100gがより好ましい。
【0079】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め、好ましくない。またコストの観点からもできる限り
低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以
下の小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱
処理等により可能となる。
【0080】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導
体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩
化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン
水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0081】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0082】(3)色素 感光層に使用する色素は金属錯体色素、フタロシアニン
系の色素またはメチン色素が好ましい。光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二
種類以上の色素を混合することができる。また目的とす
る光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する
色素とその割合を選ぶことができる。
【0083】こうした色素は半導体微粒子の表面に対す
る適当な結合基(interlocking group)を有しているの
が好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、SO3H
基、シアノ基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2基、または
オキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレ
ートおよびα-ケトエノレートのようなπ伝導性を有す
るキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、-P(O)
(OH)2基、-OP(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基は
アルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内
塩を形成していてもよい。またポリメチン色素の場合、
メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成す
る場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合
基としてもよい。
【0084】以下、感光層に用いる好ましい色素を具体
的に説明する。
【0085】(a)金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属原子はルテニウム
Ruであるのが好ましい。ルテニウム錯体色素としては、
例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365
号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7
-249790号等に記載の錯体色素が挙げられる。
【0086】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1はC
l、SCN、H2O、Br、I、CN、NCOおよびSeCNからなる群か
ら選ばれた配位子を表し、pは0〜2の整数であり、好
ましくは2である。B-a、B-bおよびB-cはそれぞれ独立
に下記式B-1〜B-8:
【化17】 (ただし、R11は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子数7
〜12の置換または無置換のアラルキル基、あるいは炭素
原子数6〜12の置換または無置換のアリール基を表し、
アルキル基およびアラルキル基のアルキル部分は直鎖状
でも分岐状でもよく、またアリール基およびアラルキル
基のアリール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)で
もよい。)により表される化合物から選ばれた有機配位
子を表す。B-a、B-bおよびB-cは同一でも異なっていて
も良い。
【0087】金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
【化18】
【0089】
【化19】
【0090】
【化20】
【0091】(b)メチン色素 本発明で感光層に使用するメチン色素としては、下記一
般式(II)、(III)、(IV)または(V)により表さ
れる色素が好ましい。
【0092】1.一般式(II)により表される色素
【化21】 一般式(II)中、R21およびR25はそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、R
22〜R24はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
し、R21〜R25は互いに結合して環を形成してもよく、L
11およびL12はそれぞれ独立に窒素原子、酸素原子、硫
黄原子、セレン原子またはテルル原子を表し、n1および
n3はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、n2は1〜6の
整数を表す。この色素は分子全体の電荷に応じて対イオ
ンを有してもよい。
【0093】上記アルキル基、アリール基および複素環
基は置換基を有していてもよい。アルキル基は直鎖であ
っても分岐鎖であってもよく、またアリール基および複
素環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)でもよ
い。またR21〜R25により形成される環は置換基を有して
いてもよく、また単環でも縮合環でもよい。
【0094】2.一般式(III)により表される色素
【化22】 一般式(III)中、Zaは含窒素複素環を形成するために
必要な非金属原子群を表し、R31はアルキル基またはア
リール基を表す。Qaは一般式(III)で表される化合物
がメチン色素として機能するために必要なメチン基また
はポリメチン基を表し、Qaを介して多量体を形成しても
よい。X3は対イオンを表し、n4は0〜10の整数である。
【0095】上記Zaで形成される含窒素複素環は置換基
を有していてもよく、単環であっても縮合環であっても
よい。またアルキル基およびアリール基は置換基を有し
ていてもよく、アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよく、
またアリール基は単環でも多環(縮合環、環集合)でも
よい。
【0096】一般式(III)により表される色素のう
ち、下記一般式(III-a)〜(III-d):
【化23】 (ただし、R41〜R45、R51〜R54、R61〜R63、およびR71
〜R73はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
ル基または複素環基を表し、L21、L22、L31、L32、L41
〜L45およびL51〜L56はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄
原子、セレン原子、テルル原子、-CRR'-または-NR-(R
およびR'は水素原子、アルキル基、アリール基または複
素環基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。)を表し、L33はO-、S-、Se-、Te-または-N-Rを表
す。Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY41はそれぞれ独立
に置換基を表し、n5、n6およびn7はそれぞれ独立に1〜
6の整数を表す。)により表される色素がより好まし
い。
【0097】一般式(III-a)〜(III-d)により表され
る化合物は、分子全体の電荷に応じて対イオンを有して
いてもよく、上記アルキル基、アリール基および複素環
基は置換基を有していてもよく、またアルキル基は直鎖
でも分岐鎖でもよく、さらにアリール基および複素環基
は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。
【0098】以上のようなポリメチン色素の具体例は、
M.Okawara, T.Kitao, T.Hirashima, M.Matsuoka著の
Organic Colorants(Elsevier)等に詳しく記載されて
いる。
【0099】3.一般式(IV)により表される色素
【化24】 一般式(IV)中、Qbは5または6員の含窒素ヘテロ環を
形成するために必要な原子団を表し、Zbは3〜9員環の
いずれかを形成するために必要な原子団を表し、L61、L
62、L63、L64およびL65はそれぞれ独立に任意に置換基
を有するメチン基を表し、n8は0〜4の整数であり、n9
は0または1であり、R81は置換基を表し、X4は電荷を
中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表
す。
【0100】Qbにより形成される環は縮環していてもよ
く、また置換基を有していてもよい。含窒素ヘテロ環の
好ましい例としては、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキ
サゾール環、ベンゾセレナゾール環、ベンゾテルラゾー
ル環、2-キノリン環、4-キノリン環、ベンゾイミダゾー
ル環、チアゾリン環、インドレニン環、オキサジアゾー
ル環、チアゾール環、イミダゾール環が挙げられる、さ
らに好ましくはベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾー
ル環、ベンズイミダゾール環、ベンゾセレナゾール環、
2-キノリン環、4-キノリン環、インドレニン環であり、
特に好ましくはベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾー
ル環、2-キノリン環、4-キノリン環、インドレニン環で
ある。
【0101】含窒素ヘテロ環上の置換基の例としては、
カルボキシル基、ホスホニル基、スルホニル基、ハロゲ
ン原子(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基
(メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、
アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル基(メチ
ル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロへキシル
基、トリフルオロメチル基、メトキシエチル基、アリル
基、ベンジル等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エ
チルチオ基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニ
ル基等)、アリール基、複素環基(フェニル基、チエニ
ル基、トルイル基、クロロフェニル基等)等が挙げられ
る。
【0102】Zbは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄
原子および水素原子から選ばれる原子により構成され
る。Zbにより形成される環は、好ましくは4〜6個の炭
素により骨格が形成される環であり、より好ましくは以
下(ア)〜(オ):
【化25】 のいずれかであり、最も好ましくは(ア)である。
【0103】L61、L62、L63、L64およびL65がそれぞれ
独立に任意に有する置換基としては、置換または無置換
のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜12、さらに好
ましくは炭素原子数1〜7であり、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル
基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、置換または無置換のアリール基(好ましくは炭素
原子数6、8ないし10、より好ましくは炭素原子数6な
いし8のものであり、例えばフェニル基、トルイル基、
クロロフェニル基、o-カルボキシフェニル基等)、複素
環基(例えばピリジル基、チエニル基、フラニル基、バ
ルビツール酸等)、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキ
シ基等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1〜12、よ
り好ましくは炭素原子数6〜12のものであり、例えばジ
フェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、4-アセチ
ルピペラジン-1-イル基等)、オキソ基等が挙げられ
る。これらの置換基は互いに連結してシクロペンテン
環、シクロヘキセン環、スクアリリウム環等の環を形成
してもよく、助色団と環を形成してもよい。なおn8は0
〜4の整数であり、好ましくは0〜3である。またn9は
0または1である。
【0104】置換基R81は好ましくは芳香族基(置換基
を有してもよい)または脂肪族基(置換基を有してもよ
い)である。芳香族基の炭素原子数は好ましくは1〜1
6、より好ましくは5〜6である。脂肪族基の炭素原子
数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6である。
無置換の脂肪族基および芳香族基としては、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、フェニル基、ナ
フチル基等が挙げられる。
【0105】色素が陽イオンまたは陰イオンであるか、
あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その助色
団および置換基に依存し、分子全体の電荷は対イオンX4
により中和される。対イオンX4として典型的な陽イオン
は無機または有機のアンモニウムイオン(テトラアルキ
ルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)および
アルカリ金属イオンであり、一方、陰イオンは無機また
は有機の陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン化
物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオ
ン(p-トルエンスルホン酸イオン、p-クロロベンゼンス
ルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(1,
3-ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5-ナフタレンジスル
ホン酸イオン、2,6-ナフタレンジスルホン酸イオン
等)、アルキル硫酸イオン(メチル硫酸イオン等)、硫
酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テト
ラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等である。
【0106】さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性
ポリマー、あるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用
いてもよいし、例えばビスベンゼン-1,2-ジチオラトニ
ッケル(III)のような金属錯イオンを使用してもよい。
【0107】4.一般式(V)により表される色素
【化26】 一般式(V)中、Qcは少なくとも4官能以上の芳香族基
を表し、L71およびL72はそれぞれ独立に硫黄原子、セレ
ン原子またはCRR'(ただし、RおよびR'はそれぞれ独立
に水素原子またはアルキル基であり、同じでも異なって
いてもよい。)を表し、同一でも異なっていも良く、好
ましくはそれぞれ独立に硫黄原子またはCRR'であり、よ
り好ましくはCRR'である。またR91およびR92はそれぞれ
独立にアルキル基または芳香族基を表し、Y51およびY52
はそれぞれ独立にポリメチン色素を形成するのに必要な
非金属原子群を表す。X5は対イオンを表す。
【0108】芳香族基Qcの例としては、ベンゼン、ナフ
タレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化
水素から誘導されるものや、アントラキノン、カルバゾ
ール、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、キサ
ンテン、チアントレン等の芳香族へテロ環から誘導され
るものが挙げられ、これらは連結部分以外に置換基を有
していても良い。Qcは好ましくは芳香族炭化水素の誘導
基であり、より好ましくはベンゼンまたはナフタレンの
誘導基である。
【0109】Y51およびY52によりいかなるメチン色素を
形成することも可能であるが、好ましくはシアニン色
素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、3核メロシ
アニン色素、アロポーラー色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素等が挙げられる。シアニン色素には色素を形
成するメチン鎖上の置換基がスクアリウム環やクロコニ
ウム環を形成したものも含まれる。これらの色素の詳細
については、F.M.Harmer著「Heterocyclic Compounds-C
yanine Dyes and Related Compounds」,John Wiley &
Sons社,ニューヨーク,ロンドン,1964年刊、D.M.Stur
mer著「Heterocyclic Compounds-Special Topics in He
terocyclic Chemistry」,第18章,第14節,482〜515頁
等に記載されている。またシアニン色素、メロシアニン
色素およびロダシアニン色素は、米国特許第5,340,694
号,第21〜22頁の(XI)、(XII)および(XIII)に示
されているものが好ましい。またY51およびY52により形
成されるポリメチン色素の少なくともいずれか一方のメ
チン鎖部分にスクアリリウム環を有するものが好まし
く、両方に有するものがさらに好ましい。
【0110】R91およびR92は芳香族基または脂肪族基で
あり、これらは置換基を有していてもよい。芳香族基の
炭素原子数は好ましくは5〜16、より好ましくは5〜6
である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1〜10、よ
り好ましくは1〜6である。無置換の脂肪族基、芳香族
基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0111】R91、R92、Y51およびY52のうち少なくとも
一つは酸性基を有するのが好ましい。ここで酸性基とは
解離性のプロトンを有する置換基であり、例としてはカ
ルボン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、ホウ酸基等
が挙げられ、好ましくはカルボン酸基である。またこの
ような酸性基上のプロトンは解離していても良い。
【0112】一般式(II)〜(V)により表されるポリ
メチン色素の具体例(1)〜(43)およびS-1〜S-42を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0113】
【化27】
【0114】
【化28】
【0115】
【化29】
【0116】
【化30】
【0117】
【化31】
【0118】
【化32】
【0119】
【化33】
【0120】
【化34】
【0121】
【化35】
【0122】
【化36】
【0123】
【化37】
【0124】
【化38】
【0125】
【化39】
【0126】
【化40】
【0127】
【化41】
【0128】
【化42】
【0129】
【化43】
【0130】
【化44】
【0131】
【化45】
【0132】
【化46】
【0133】
【化47】
【0134】一般式(II)、(III)で表される化合物
は、F.M.Harmer著「Heterocyclic Compounds-Cyanine D
yes and Related Compounds」,John Wiley & Sons社,
ニューヨーク,ロンドン,1964年刊、D.M.Sturmer著「H
eterocyclic Compounds-Special Topics in Heterocycl
ic Chemistry」,第18章,第14節,第482〜515頁,John
Wiley & Sons社,ニューヨーク,ロンドン,1977年
刊、「Rodd's Chemistryof Carbon Compounds」,2nd.E
d., vol.IV, part B,第15章,第369〜422頁,Elsevier
Science Publishing Company Inc.社,ニューヨーク,
1977年刊、英国特許第1,077,611号等に記載の方法によ
り合成することができる。
【0135】式(IV)により表される化合物は、Dyes a
nd Pigments,第21巻,227〜234頁等の記載を参考にし
て合成することができる。また式(V)により表される
化合物は、Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal,第40
巻,第3号,第253〜258頁、Dyes and Pigments,第21
巻,第227〜234頁およびこれらの文献中に引用された文
献の記載を参考にして合成することができる。
【0136】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。な
お浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、
特開平7-249790号に記載されているように加熱還流して
行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤー
バー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、
カーテン法、スピン法、スプレー法等があり、印刷方法
としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印
刷等がある。溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択で
きる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノー
ル、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル
類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプ
ロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水
素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミ
ド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタ
ミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾ
リジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢
酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエ
チル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類
(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化
水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン
等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0137】色素の溶液の粘度についても、半導体微粒
子層の形成時と同様に、高粘度液(例えば0.01〜500Poi
se)ではエクストルージョン法の他に各種印刷法が適当
であり、また低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスラ
イドホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン法が適当
であり、いずれも均一な膜にすることが可能である。
【0138】このように色素の塗布液の粘度、塗布量、
導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素の吸着方
法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0139】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好まし
い。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、
アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好
ましい。また色素の吸着量を増大させるため、吸着前に
加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒
子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。
【0140】色素の全使用量は、導電性支持体の単位表
面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好ましい。また色
素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g
当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような色
素の吸着量とすることにより、半導体における増感効果
が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増
感効果が不十分となり、また色素が多すぎると、半導体
に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる
原因となる。
【0141】光電変換の波長域をできるだけ広くすると
ともに変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合
することもできる。この場合、光源の波長域と強度分布
に合わせるように、混合する色素およびその割合を選ぶ
のが好ましい。
【0142】会合のような色素同士の相互作用を低減す
る目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させて
もよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシ
ル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコ
ール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用する
こともできる。
【0143】余分な色素の除去を促進する目的で、色素
を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を
処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、
4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ
る。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有
機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0144】(D)対極 対極は、光電変換素子を太陽電池としたとき、太陽電池
の正極として作用するものである。対極は前記の導電性
支持体と同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層
構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されて
いてもよい。対極導電層に用いる導電材としては、金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウ
ム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性金
属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフ
ッ素をドープしたもの等)が挙げられる。この中でも白
金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極層
として好ましく使用することができる。対極の好ましい
支持基板の例は、ガラスまたはプラスチックであり、こ
れに上記の導電剤を塗布または蒸着して用いる。対極導
電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ま
しい。対極導電層が金属製である場合は、その厚さは好
ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは5nm〜3
μmの範囲である。対極層の表面抵抗は低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲としては80Ω/□以下であり、さ
らに好ましくは20Ω/□以下である。
【0145】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0146】対極は、正孔輸送層上に直接導電材を塗
布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有
する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性
支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対
極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好まし
い。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、
金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体
の場合と同じである。
【0147】(E)その他の層 本発明では対極と導電性支持体の短絡を防止するため、
予め導電性支持体の上に緻密な半導体の薄膜層を下塗り
層として塗設しておくことが好ましい。下塗り層として
好ましいのはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5であ
り、さらに好ましくはTiO2である。下塗り層はElectroc
himi. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているスプレ
ーパイロリシス法により塗設することができる。下塗り
層の好ましい膜厚は5〜1000nm以下であり、10〜500nmが
さらに好ましい。
【0148】また、電極として作用する導電性支持体お
よび対極の一方または両方に、保護層、反射防止層等の
機能性層を設けても良い。このような機能性層を多層に
形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用でき
るが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。
同時多層塗布法では、生産性および塗膜の均一性を考え
た場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が
適している。これらの機能性層の形成には、その材質に
応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0149】(F)光電変換素子の内部構造の具体例 上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造
が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用でき
る光電変換素子の内部構造を例示する。
【0150】図2は、透明導電層10aと透明対極導電層4
0aとの間に、感光層20と、正孔輸送層30とを介在させた
ものであり、両面から光が入射する構造となっている。
図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さ
らに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、正
孔輸送層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに
支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入
射する構造となっている。図4は、支持基板50上にさら
に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設
け、さらに正孔輸送層30と透明対極導電層40aとを設
け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属
リード11側を内側にして配置したものであり、対極側か
ら光が入射する構造である。図5は、透明基板50a上に
一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10aを設け
たものの間に下塗り層60と感光層20と正孔輸送層30とを
介在させたものであり、両面から光が入射する構造であ
る。図6は、透明基板50a上に透明導電層10a、感光層2
0、正孔輸送層30および対極導電層40を設け、この上に
支持基板50を配置したものであり導電層側から光が入射
する構造である。図7は、支持基板50上に導電層10を有
し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに正孔輸
送層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明
基板50aを配置したものであり、対極側から光が入射す
る構造である。図8は、透明基板50a上に透明導電層10a
を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに正
孔輸送層30および透明対極導電層40aを設け、この上に
透明基板50aを配置したものであり、両面から光が入射
する構造となっている。図9は、支持基板50上に導電層
10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに
固体の正孔輸送層30を設け、この上に一部対極導電層40
または金属リード11を有するものであり、対極側から光
が入射する構造となっている。
【0151】〔2〕太陽電池 本発明の太陽電池は、上記光電変換素子に外部回路で仕
事をさせるようにしたものである。太陽電池は構成物の
劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマー
や接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体およ
び対極にリードを介して接続される外部回路自体は公知
のもので良い。本発明の光電変換素子をいわゆる太陽電
池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述
した光電変換素子の構造と同じである。以下、本発明の
光電変換素子を用いた太陽電池のモジュール構造につい
て説明する。
【0152】本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太
陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造を
とりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セ
ラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を
充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から
光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の
透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支
持基板側から光を取り込む構造とすることも可能であ
る。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブスト
レートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュー
ル構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられ
る基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明
の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境
により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
【0153】代表的なスーパーストレートタイプあるい
はサブストレートタイプのモジュールは、片側または両
側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定
間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード
またはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に
集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り
出される構造となっている。基板とセルの間には、セル
の保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニ
ルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料
をフィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、
外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆
う必要のない場所において使用する場合には、表面保護
層を透明プラスチックフィルムで構成し、または上記充
填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片
側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周
囲は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するた
め金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基
板とフレームの間は封止材料で密封シールする。また、
セルそのものや支持基板、充填材料および封止材料に可
撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成する
こともできる。
【0154】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材料−セル間接続用リード線、背面封止材料
等と共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを
乗せ、外縁部にフレームをセットして作製することがで
きる。
【0155】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード
線、封止材料等と共に順次積層した後、フロントカバー
を乗せ、周縁部にフレームをセットして作製することが
できる。
【0156】本発明の光電変換素子を基板一体型モジュ
ール化した構造の一例を図10に示す。図10は、透明な基
板50aの一方の面上に透明な導電層10aを設けた後、下塗
り層60を設置し、この上にさらに色素吸着TiO2を含有し
た感光層20、正孔輸送層30および金属対極導電層40を設
けたセルがモジュール化されており、基板50aの他方の
面には反射防止層70が設けられている構造を表す。この
ような構造とする場合、入射光の利用効率を高めるため
に、感光層20の面積比率(光の入射面である基板50a側
から見たときの面積比率)を大きくした方が好ましい。
【0157】図10に示した構造のモジュールの場合、基
板上に透明導電層、感光層、正孔輸送層、対極等が立体
的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ、選択
エッチング、CVD、PVD等の半導体プロセス技術、あるい
はパターン塗布または広幅塗布後のレーザースクライビ
ング、プラズマCVM(Solar Energy Materials and Sola
r Cells, 48, p373-381等に記載)、研削等の機械的手
法等によりパターニングすることで所望のモジュール構
造を得ることができる。
【0158】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。
【0159】封止材料としては、耐候性付与、電気絶縁
性付与、集光効率向上、セル保護性(耐衝撃性)向上等
の目的に応じ液状EVA(エチレンビニルアセテート)、
フィルム状EVA、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル
樹脂の混合物等、様々な材料が使用可能である。モジュ
ール外縁と周縁を囲むフレームとの間は、耐候性および
防湿性が高い封止材料を用いるのが好ましい。また、透
明フィラーを封止材料に混入して強度や光透過率を上げ
ることができる。
【0160】封止材料をセル上に固定するときは、材料
の物性に合った方法を用いる。フィルム状の材料の場合
はロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等、液ま
たはペースト状の材料の場合はロールコート、バーコー
ト、スプレーコート、スクリーン印刷等の様々な方法が
可能である。
【0161】支持基板としてPET、PEN等の可撓性素材を
用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してその上に
セルを構成した後、上記の方法で連続して封止層を積層
することができ、生産性が高い。
【0162】発電効率を上げるために、モジュールの光
取り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には
反射防止処理が施される。反射防止処理方法としては、
反射防止膜をラミネートする方法、反射防止層をコーテ
ィングする方法がある。
【0163】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって、入射
した光の利用効率を高めることが可能である。
【0164】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要であるが、光電変
換層を透過してその内側まで到達した光を反射させて光
電変換層側に効率良く戻すことも重要である。光の反射
率を高める方法としては、支持基板面を鏡面研磨した
後、AgやAl等を蒸着またはメッキする方法、セルの最下
層にAl−MgまたはAl−Tiなどの合金層を反射層として設
ける方法、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作る方法等がある。
【0165】また、発電効率を上げるためにはセル間接
続抵抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味
で重要である。セル同士を接続する方法としては、ワイ
ヤーボンディング、導電性フレキシブルシートによる接
続が一般的であるが、導電性粘着テープや導電性接着剤
を用いてセルを固定すると同時に電気的に接続する方
法、導電性ホットメルトを所望の位置にパターン塗布す
る方法等もある。
【0166】ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体
を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出し
ながら前述の方法によって順次セルを形成し、所望のサ
イズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のあ
る素材でシールすることにより電池本体を作製できる。
また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,
p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とす
ることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太
陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもで
きる。
【0167】以上詳述したように、使用目的や使用環境
に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池を製作する
ことができる。
【0168】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0169】1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステン
レス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエロジル社 De
gussa P-25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社
製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジルコニアビー
ズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダー
ミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時間
分散した。分散物からジルコニアビーズをろ過して除い
た。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μmであっ
た。このときの粒径はMALVERN社製マスターサイザーに
て測定したものである。
【0170】2.色素を吸着したTiO2電極の作成 素子構造が図1の態様となるようフッ素をドープした酸
化スズをコーティングした導電性ガラス(日本板硝子
製;25mm×100mm)の導電面側の一部を亜鉛/4N-塩酸に
よりエッチング除去した後、Electrochimi. Acta 40, 6
43-652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法
により二酸化チタン薄膜(膜厚60nm)を形成した。導電
面側の一部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペー
サーとし、この上にガラス棒を用いて上記の二酸化チタ
ン分散液を塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室
温で1時間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマ
ト科学製マッフル炉FP-32型)に入れ、450℃にて30分間
焼成した。ガラスを取り出し、7分間冷却した後、表1
に示す色素のエタノール溶液(3×10-4mol/L)に室温
で12時間浸漬した。色素吸着済みガラスをアセトニトリ
ルで洗浄し自然乾燥し、25mm×10mm幅に切断加工した。
このようにして得られる感光層(色素の吸着した二酸化
チタン層)の厚さは1.9μmであり、半導体微粒子の塗布
量は3g/m2であった。色素の吸着量は、色素の種類に応
じ、適宜0.01〜10mmol/m2の範囲から選択した。なお、
導電性ガラスの表面抵抗は約10Ω/□であった。
【0171】
【表1】
【0172】3.正孔輸送層を含有する光電変換素子の
作製 3−1.正孔輸送材料(P-3)の合成 P-3は以下の反応ルートに従って合成した。本発明の他
のオリゴピロールも本反応ルートを参考にして合成し
た。
【0173】
【化48】
【0174】
【化49】 (ただし、上記反応ルートにおいて、BOCはt-ブトキシ
カルボニルを表す。)
【0175】(1)中間体1の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した1Lのガラス製
三口フラスコに、ジメチルアミン50%水溶液148.5g(1.
64mol)、アセトニトリル150ccを添加し、氷冷し内温を
5℃にした。攪拌下、ヘキサノイルクロライド105.6g
(0.78mol)を2時間かけて滴下し、滴下終了後室温で12
時間攪拌を継続した。反応液を濃縮し、塩化メチレン抽
出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、再度濃縮した液を
減圧蒸留し、中間体1を99.6g(収率89%)得た。
【0176】(2)中間体2の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した500mLのガラ
ス製三口フラスコに、中間体1を80g(0.56mol)、塩
化メチレンを40ml添加し、氷冷し内温を5℃にした。攪
拌下、オキシ塩化リン47.3ml(0.51mol)を30分かけて
滴下し、20℃で30分攪拌した後、再度5℃に冷却した。
ピロール30.7g(0.46mol)を30分かけて反応系に滴下し
た後、室温で18時間攪拌を継続した。反応液を氷水1L
に投入した後、炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えpH7
に調整した。この後40%水酸化ナトリウム水溶液を加
え、液pHをアルカリ性にし、そのまま1時間攪拌した。
塩化メチレン抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃
縮して中間体2のクルードを91g得た。
【0177】(3)中間体3の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した1Lのガラス
製三口フラスコに、中間体2のクルード91gを添加し、
窒素気流下で攪拌した。水酸化カリウム87.4g(1.56mo
l)、エチレングリコール524mlを添加し、さらにヒドラ
ジン・一水和物63.9g(1.25mol)を添加し、120℃に昇温
した。この後2時間かけて徐々に200℃まで昇温し、その
後室温まで冷却した。反応液について塩化メチレン抽出
し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した液を減圧蒸
留し、中間体3を36g得た。構造は1H-NMRで確認した。
【0178】(4)中間体4の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した1Lのガラス
製三口フラスコに、中間体3を9.6g(63.4mmol)、炭酸
ジエチル16.0g(73.5mmol)、脱水テトラヒドロフラン3
05ml、t-ブトキシカリウム0.61g(5.5mmol)を加えた。反
応液を窒素気流下、加熱還流し11時間反応を行った。反
応終了後、反応液を室温まで冷却し、N,N-ジメチルエチ
ルアミン1.6g(18.2mmol)を添加した。反応液を濃縮し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出液は
ヘキサン:酢酸エチル=10:0.25)で精製し、中間体4
を13.2g(83%)得た。構造は1H-NMRおよびFAB-MAS(ポ
ジ)で確認した。
【0179】(5)中間体5の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した200mlのガラ
ス製三口フラスコに、脱水テトラヒドロフラン63ml、2,
2,6,6-テトラメチルピペリジン(TMP)3.3gを添加し、窒
素気流下で撹拌した。ドライアイス/アセトン浴で-70℃
に冷却後、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M)1
5.5mlを30分かけて滴下し、そのまま20分攪拌を続け
た。この後、反応系の温度を0℃まで20分で昇温した
後、再度-70℃に冷却した。次に中間体4を5.67g(22.5
mmol)脱水テトラヒドロフラン15.6mlに溶解した液を30
分かけて反応系に滴下し、そのまま45分間攪拌を継続し
た。この後、塩化トリメチル錫のテトラヒドロフラン溶
液(1M)27.9mlを30分間で滴下し、そのまま-70℃で4
時間反応を行った。反応系を室温に戻した後、酢酸エチ
ル/水で抽出し、有機層を水洗浄した。有機層は硫酸ナ
トリウムを用いて脱水し、濾過後、濃縮して得られた液
体をそのまま次の反応に使用した。
【0180】(6)中間体6の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した500mLのガラ
ス製三口フラスコに、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン
10.6g、脱水テトラヒドロフラン200mlを添加し、窒素気
流下で撹拌した。ドライアイス/アセトン浴で-70℃に冷
却後、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M)49.5ml
を30分かけて滴下し、そのまま20分攪拌を続けた。この
後、反応系の温度を0℃まで20分で昇温した後、再度-70
℃に冷却した。次にter-ブチル1-ピロールカルボキシ
レートを12g、脱水テトラヒドロフラン50mlを混合した
液を30分かけて反応系に滴下し、そのまま45分間攪拌を
継続した。この後、塩化トリメチル錫15.7g、脱水テト
ラヒドロフラン50mlを混合した液を30分間で滴下し、そ
のまま-70℃で4時間反応を行った。反応系を室温に戻し
た後、酢酸エチル/水で抽出し、有機層を水洗浄した。
有機層は硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過後、濃縮
して得られた液体を減圧蒸留して、中間体6を16g(6
7.5%)得た。そのまま次の反応に使用した。構造は1H-
NMRで確認した。
【0181】(7)中間体7の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した1Lのガラス
製三口フラスコに、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン2
1.2g、脱水テトラヒドロフラン400mlを添加し、窒素気
流下で撹拌した。ドライアイス/アセトン浴で-70℃に冷
却後、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M)99mlを
30分かけて滴下し、そのまま20分攪拌を続けた。この
後、反応系の温度を0℃まで20分で昇温した後、再度-70
℃に冷却した。次にter-ブチル1-ピロールカルボキシ
レートを24g(0.144mol)を30分かけて反応系に滴下
し、そのまま60分間攪拌を継続した。この後、塩化銅
(II)19.4gを反応系に添加し、そのまま-70℃で10分間
反応を行った。反応系を0℃に昇温した後、1時間反応を
継続し、反応液を氷/水上に注いで晶析した。酢酸エチ
ル/水で抽出し、有機層を水洗浄した。有機層は硫酸ナ
トリウムを用いて脱水し、濾過後、濃縮して、中間体7
を7.4g(31%)得た。
【0182】(8)中間体8の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した500mlのガラ
ス製三口フラスコに、中間体7を6g(18.1mmol)、脱
水テトラヒドロフラン317mlを添加し、撹拌する。反応
系をドライアイス/アセトン浴で-70℃に冷却後、N-ブロ
モサクシンイミド(NBS)6.42gを添加し、そのまま30分
間攪拌した。この後、反応系を3℃に昇温し、そのまま
3時間反応を行った。亜硫酸ナトリウム1.4gを反応系に
添加し、濃縮した後、塩化メチレン150mlを加え10分間
攪拌した後、濾過、濃縮し得られた灰色の固体をそのま
ま次の反応に使用した。
【0183】(9)中間体9の合成 撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した500mlのガラ
ス製三口フラスコに、中間体8を12.8g、中間体6を13.
1g(39.5mmol)、トルエン176ml、炭酸ナトリウム水溶
液(1M)176mlを添加した。反応系を窒素気流下で攪拌
しながら110℃に昇温し、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)を417mg添加し、還流状態
で16時間攪拌を継続した。この後、反応液を冷却し、酢
酸エチル/水で抽出し、有機層を水洗浄した。有機層は
硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過後、濃縮して得ら
れた暗褐色の固体を、シリカゲルクロマトグラフィー
(移動相;ヘキサン/酢酸エチル=10/1,v/v)により
精製し、白色結晶の中間体96.45g(収率約54%)を得
た。生成物の構造はFAB-MAS(m/z=662,M+)および1H-NMR
で確認した。
【0184】(10)中間体10の合成 (ジブロモ体の合成)撹拌装置、温度計、還流冷却管を
装着した200mlのガラス製三口フラスコに、中間体9を
2.13g(3.2mmol)、脱水テトラヒドロフラン120mlを添
加し、撹拌した。反応系をドライアイス/アセトン浴で-
70℃に冷却後、N-ブロモサクシンイミド1.14g(6.4mmo
l)を添加し、そのまま30分間攪拌した。この後、反応
系を3℃に昇温し、そのまま3時間反応を行った。亜硫酸
ナトリウム0.25gを反応系に添加し、濃縮した後、塩化
メチレン150mlを加え10分間攪拌した後、濾過、濃縮し
得られた灰色の固体をそのまま次の反応に使用した。
【0185】(中間体10の合成)撹拌装置、温度計、還
流冷却管を装着した200mlのガラス製三口フラスコに、
上述のジブロモ体2.4g、中間体5を4.49g(7.1mmol)、
トルエン70ml、炭酸ナトリウム水溶液(1M)70mlを添
加した。反応系を窒素気流下で攪拌しながら110℃に昇
温し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)を148.5mg添加し、還流状態で16時間攪拌を継
続した。この後、反応液を冷却し、酢酸エチル/水で抽
出し、有機層を水洗浄した。有機層は硫酸ナトリウムを
用いて脱水し、濾過後、濃縮して得られた暗褐色の固体
を、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;ヘキサン
/酢酸エチル=10/1,v/v)により精製し、白色結晶の
中間体10を2.02g(収率約54%)を得た。生成物の構造
はFAB-MAS(m/z=1161,M+)および1H-NMRで確認した。
【0186】(11)P-3の合成 50mlのガラス製ナスフラスコに、中間体10を0.18gを添
加し、0.1Torrまで減圧にした。ナスフラスコを190℃に
加熱した油浴に15分間浸漬し、その後、油浴から取りだ
し減圧状態のまま室温に冷却した。得られた黒色固体を
テトラヒドロフランに溶解し、アセトニトリルに注いで
晶析して得られた黒色粉体を乾燥して、P-3を51mg(59
%)得た。
【0187】3−2.正孔輸送層および対極の形成 以下のいずれかの方法により、表1記載のオリゴピロー
ルを用いて正孔輸送層、対極層を形成し、光電変換素子
を作製した。 (塗布法)表1記載の本発明の化合物のクロロベンゼン
/アセニトリル=100/5溶液(濃度15wt%)に、添加剤と
してトリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロ
ロアンチモネート0.33mM、Li[(CF3SO2)2N] 15mMを加え
た塗布液30μLを調整し、色素を吸着したTiO2電極上に
スピンコートした(3000rpm, 60sec)。この後、金を蒸着
し、対極層を形成し、光電変換素子を得た。
【0188】(蒸着法)色素を吸着したTiO2電極を真空
蒸着装置〔日本真空技術(株)製〕の基板ホルダーに固
定し、モリブデン製の抵抗加熱ボートに表1記載の化合
物600mgを入れた。真空チャンバー内を1×10-4Paまで減
圧したのち、該化合物入りのボートを加熱して0.1〜0.3
nm/秒の速度で堆積させ、膜厚700nmの正孔輸送層を製
膜した。この後、白金を蒸着し、対極層を形成し、光電
変換素子を得た。
【0189】これにより、図1に示したとおり、ガラス
50a、導電層10 a、TiO2下塗り層60、色素の吸着したTiO
2電極層20、正孔輸送層30、白金もしくは金からなる対
極層40が順に積層された太陽電池が作成された。
【0190】4.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィルタ
ー(Oriel社製AM1.5)およびシャープカットフィルター
(Kenko L-42)を通すことにより紫外線を含まない模
擬太陽光を発生させた。この光の強度は86mW/cm2であっ
た。
【0191】前述の太陽電池の導電性ガラスと対極層に
それぞれ、ワニ口クリップを接続し、模擬太陽光を照射
し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレーSMU2
38型)にて測定した。これにより求められた太陽電池の
開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(FF)、お
よび変換効率(η)と24時間連続照射後の短絡電流密度お
よび短絡電流密度の低下率を一括して表2に記載した。
【0192】比較例1 前述の実施例で作製した色増感されたTiO2電極基板(電
極A;1cm×2.5cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラ
スと重ねあわせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間
に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルと3-メ
チル-2-オキサゾリジノンの体積比90対10の混合物を溶
媒とした沃素0.05mol/L、沃化リチウム0.5mol/Lの溶
液)を染み込ませて比較例1の太陽電池を作製した。
【0193】比較例2 (Nature,Vol.395, 8 October 1
998, p583-585との比較) 前述の実施例と同様に色増感されたTiO2電極基板(電極
A;1cm×2.5cm)上に、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-
p-メトキシフェニルアミン)9,9'-スピロフルオレン0.1
7M、トリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロ
ロアンチモネート0.33mM、Li[(CF3SO2)2N] 15mMのクロ
ロベンゼン/アセニトリル=100/5溶液を30μLに加え、
スピンコート(1000rpm、60秒)した。この後、室温で
減圧乾燥し、さらに金蒸着し比較例2の太陽電池を得
た。
【0194】比較例3 (Synthetic Metals, 89, 215-
220(1997)との比較) 前述の実施例と同様に色増感されたTiO2電極基板(電極
A;1cm×2.5cm)をN,N'-ジフエニル- N,N'-ビス4-(メト
キシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミンを100
nmの膜厚となるよう蒸着し、さらに金を20nmの膜厚とな
るよう蒸着し比較例3の太陽電池を得た。
【0195】比較例4 (Chem. Lett., 5, 471-472, 1
997との比較) 前述の実施例と同様に色増感されたTiO2電極基板(電極
A;1cm×2.5cm)、白金線対極およびAg/AgCl参照電極を
ピロール50mM、過塩素酸リチウム0.1Mのアセトニトリル
溶液20mlの入った光電気化学セルに浸漬した。TiO2電極
基板、対極、参照電極をPOTENTIOSTAT/GALVANOSATAT HA
-505(HOKUTO DENKO Ltd.製)に接続し、重合量が100mC
/cm2となるまで500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光
を分光フィルター(Oriel社製AM1.5)およびシャープカ
ットフィルター(Kenko L-42)を通すことにより生成さ
せた紫外線を含まない模擬太陽光を照射した(22mW/c
m2)。重合後の電極は過塩素酸リチウム0.1Mのアセトニ
トリル溶液に浸漬し、-300mVで脱ドーピングした。この
後、電極を乾燥し、金を蒸着して対極層を形成し、比較
例4の太陽電池を得た。
【0196】
【表2】
【0197】湿式太陽電池である比較例1と比べ、実施
例1〜23では経時劣化が少なく、また乾式太陽電池であ
る比較例2〜4と比べ、実施例1〜23は光電変換特性が
高く、また経時劣化も少ないことが明らかである。
【0198】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光電変換
素子は、適当な溶媒に可溶なオリゴピロールを有機正孔
輸送材料として用いるため、製造適性に優れており、ま
た光電変換効率が高く、経時での特性劣化が少ない。し
たがって、かかる光電変換素子からなる太陽電池は、太
陽電池として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図10】 本発明の光電変換素子を用いた基板一体型太
陽電池モジュールの構造の一例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
10・・・導電層 10a・・・透明導電層 11・・・金属リード 20・・・感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電解質 30・・・正孔輸送層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層 70・・・反射防止層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電層、色素を吸着した半導
    体微粒子含有層、正孔輸送層および対極を備えた光電変
    換素子において、前記正孔輸送層に、重合度が50以下の
    オリゴピロールを含有することを特徴とする光電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、前記オリゴピロールが下記一般式(A): 【化1】 (一般式(A)において、X1およびX2はそれぞれ独立に水
    素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24個ま
    でのアルキル基、アリール基、-OR1基(R1は水素原子、
    炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す)を表
    し、X1とX2は共に環を形成していても構わない。Y1、Y2
    はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換の炭素
    原子数1から24個までのアルキル基、アリール基、芳香
    族アミノ基を表す。Z1は水素原子、炭素原子数1から24
    個までのアルキル基を表す。n1は2以上50以下の整数を
    表す。)により表される化合物であることを特徴とする
    光電変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、前記オリゴピロールが下記一般式(B): 【化2】 (一般式(B)において、X3、X4、X5、X6はそれぞれ独立
    に水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1から24
    個までのアルキル基、アリール基、-OR2基(R2は水素原
    子、炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す)を
    表し、X3とX4、X5とX6は共に環を形成していても構わな
    い。Y3、Y4はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無
    置換の炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリー
    ル基、芳香族アミノ基を表す。Z2はそれぞれ独立に水素
    原子、炭素原子数1から24個までのアルキル基を表す。
    n2、n3はそれぞれピロールユニット、チオフェンユニッ
    トの重合度を表し、n2は2以上49以下の整数であり、n3
    は1以上48以下の整数であり、n2、n3の和は3以上50以下
    の整数である。各ユニットはランダムに重合している
    が、両末端はピロールユニットからなる。)により表さ
    れるチオフェンおよび/またはチオフェン誘導体とのミ
    ックスオリゴマーであることを特徴とする光電変換素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、前記オリゴピロールが下記一般式(C): 【化3】 (一般式(C)において、L1は炭素原子数1から24個まで
    のm価の連結基を表し、mは2以上6以下の整数である。
    X7、X8はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換
    の炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリール
    基、-OR3基(R3は水素原子、炭素原子数1から24個まで
    のアルキル基を表す)を表し、X7とX8は共に環を形成し
    ても構わない。Y5は水素原子、置換もしくは無置換の炭
    素原子数1から24個までのアルキル基、アリール基、芳
    香族アミノ基を表す。 Z3は水素原子、炭素原子数1か
    ら24個までのアルキル基を表す。n4は1以上49以下の整
    数を表すが、一般式(C)により表される化合物全体の重
    合度が50を超えることはない。)により表される化合物
    であることを特徴とする光電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の光電変換素子におい
    て、前記Y1、Y2がそれぞれ独立に置換もしくは無置換の
    炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリール基で
    あることを特徴とする光電変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の光電変換素子におい
    て、前記Y3、Y4がそれぞれ独立に置換もしくは無置換の
    炭素原子数1から24個までのアルキル基、アリール基で
    あることを特徴とする光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の光電変換素子におい
    て、前記Y5が置換もしくは無置換の炭素原子数1から24
    個までのアルキル基、アリール基であることを特徴とす
    る光電変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記オリゴピロールの重合度が30以下
    であることを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記導電層と半導体微粒子含有層の間
    に酸化物半導体からなる下塗り層が設けられていること
    を特徴とする光電変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の光電
    変換素子において、前記色素がルテニウム錯体色素及び
    /又はポリメチン色素であることを特徴とする光電変換
    素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の光
    電変換素子において、前記半導体微粒子含有層が二酸化
    チタン微粒子から構成されることを特徴とする光電変換
    素子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    電変換素子を用いる事を特徴とする太陽電池。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    電変換素子から構成されることを特徴とする太陽電池モ
    ジュール。
  14. 【請求項14】 下記一般式(a): 【化4】 (一般式(a)において、Ya、Ybはそれぞれ独立に置換も
    しくは無置換の炭素原子数4から18個までの直鎖状のア
    ルキル基を表し、qは3以上50以下の整数を表す。)によ
    り表されることを特徴とするオリゴピロール化合物。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のオリゴピロール化
    合物において、前記qが3以上30以下の整数であることを
    特徴とするオリゴピロール化合物。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載のオリゴピロール化
    合物において、前記qが4以上20以下の整数であること
    を特徴とするオリゴピロール化合物。
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